不当な訴訟指揮やめよ 千葉地裁・本田裁判長に申し入れ

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週刊『三里塚』02頁(1099号02面04)(2022/11/14)


不当な訴訟指揮やめよ
 千葉地裁・本田裁判長に申し入れ

(写真 千葉地裁への申し入れ行動に臨む反対同盟【10月26日】)

 三里塚芝山連合空港反対同盟は10月26日、千葉地裁民事第2部・本田晃裁判長に不当な訴訟指揮をただちに止めるよう申し入れた。

 千葉地裁民事第2部裁判長・本田晃殿
 申し入れ書
 私たちの同盟員である市東孝雄さんが耕す農地の一部を成田空港会社(NAA)が「不法耕作」と決めつけ、明け渡しを求めている耕作権裁判での不当な訴訟指揮をやめてください。
 NAAが明け渡せと言っている場所は市東さんが祖父の代から引き継ぎ、耕し続けてきた借地です。あらゆる証言や記録がそのことを示しているにもかかわらず、NAAは市東さんを「不法耕作者」呼ばわりしているのです。断じて許すことはできません。NAAが畑の位置特定の「証拠」として出してきた「境界確認書」「同意書」は偽造されたものです。筆跡鑑定で明らかですが、脳梗塞をわずらい手が不自由だった孝雄さんの父・東市さんには「境界確認書」「同意書」の署名にあるような勢いのある字は書けません。印鑑も偽造されたものです。印影の欠損部分が時間の経過に反して小さくなるというありえないことが起きています。両者ともNAAが偽造したことは疑いようがありません。
 また、文書作成に関する交渉記録が一切ないなどということも、組織として動いている以上ありえません。たとえ直接の担当者が死亡していようが引き継いだ人や文書などは存在しているはずです。当時、空港公団の用地部には20人もの役職員がいたのですから、その人たち一人ひとりにまず聞くことが必要です。真実を明らかにするための当たり前の訴訟指揮を行ってください。 
 前回の弁論で本田裁判長は「もう16年も経つので、そろそろ次に」などと、真実を明らかにすることを放棄するかのような言葉を述べました。しかし、裁判が長引いている原因は、NAAの不誠実な訴訟態度にあります。裁判が長引いて困ると言うのであれば、NAAの訴えを今すぐ棄却すればよいのです。
 不誠実極まるNAAとは対照的に、市東さんは引き継いだ農地を日々誠実に耕し、安全安心の完全無農薬有機野菜を育てています。そして、そのウソのない野菜を届けることで多くの産直消費者の命と健康を守り支えていることに生きがいと誇りを感じています。
 どんな野菜も立派に育てることのできる魔法のような土も消費者との信頼にもとづく人間関係も一朝一夕には築くことはできません。農地は私たちの命そのものです。奪われることは死を意味します。
 いつだれがどのように作成したのかもわからない偽造文書で人の命が奪われていいのでしょうか。人の命にかかわる重要案件であるにもかかわらず、「記録がない」などということで済ましていいのでしょうか。裁判長の良心が問われています。本田裁判長は、農民殺しのNAAに加担し、その手先になるのではなく、公平な立場から法の正義を貫いてください。違法・脱法を重ねるNAAを救済するのではなく、「不法耕作者」として不当にも訴えられた市東さんの人権と名誉を回復させるための訴訟指揮を行ってください。
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