天神峰農地死守決戦に集まれ 11・27現地闘争 「強制執行実力阻止」誓う NAA本社に迫る怒りのデモ

週刊『三里塚』02頁(1101号01面01)(2022/12/12)


天神峰農地死守決戦に集まれ
 11・27現地闘争
 「強制執行実力阻止」誓う
 NAA本社に迫る怒りのデモ

(写真 空港建設当初からの農地強奪、農民殺しを続ける成田空港会社に向けて、市東孝雄さんを先頭に怒りのデモ行進【11月27日】)

(写真 太郎良決戦本部長の音頭で団結ガンバロー三唱)


 強制執行攻撃との激突局面にある天神峰の地において11月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で現地闘争が行われ、全国から280人が結集した。成田空港会社(NAA)本社に迫る実力デモを貫徹し、農地死守決戦勝利を誓い合った。平時だろうが民間だろうがすべて軍事優先、ミサイルによる敵基地先制攻撃も可能とする岸田政権の戦後史を画する大転換攻撃を絶対に許してはならない。沖縄・福島と連帯し、軍事空港阻止を掲げて闘う反戦・反権力の砦=三里塚闘争の真価をかけた決戦に勝利しよう。職場・キャンパス・地域の仲間を全力を挙げて組織し、天神峰に集まろう!
 全国から労働者、農民、学生、市民が「農地死守」の決意で、天神峰農地と一体の市東さん宅中庭に結集した。
 司会を婦人行動隊の木内敦子さんが務め、最初に反対同盟事務局の伊藤信晴さんが発言し、「農地は農民のもの、耕作者のもの、これが真理だ。農地を守る陣形をつくろう」と訴えた。
 続いて、東峰の萩原富夫さんが発言し、「岸田は戦争準備を進め、成田空港を一大軍事拠点にし、市東さんを追い出そうとしている。周辺住民からは怒りの声が上がっている。強制執行を許さぬ運動を発展させよう」と呼びかけた。
 熱い注目の中、市東孝雄さんが発言に立った。「やられてクシュンとなってしまう、そんな三里塚じゃないし、そんな私じゃない。強制執行が来た場合でも、一人ひとりができることをやってほしい」と呼びかけた。口調は穏やかだが気迫のこもった発言に、会場全体が共感の拍手で応えた。
 連帯発言の最初に、動労千葉の越川幸夫特別執行委員が立ち、「動労千葉はジェット燃料輸送阻止闘争で解雇者を出しながら、反対同盟との労農連帯を貫いた。市東さんの農地への強制執行を絶対に許さない」と決意を表した。

国家的強盗行為

 関西実行委に続き、反対同盟顧問弁護団の3人が発言した。事務局長の葉山岳夫弁護士は、「強制執行は国家的強盗行為。農民である市東さんの命を奪うもの」と厳しく断じた。そしてNAAの手先として手続きを進める千葉地裁を弾劾し、「あらゆる方法を使って強制執行を阻止する」と述べた。
 市東さんの農地取り上げに反対する会の発言に続き、全国農民会議の内藤大一さんがマイクを握り、2日前から泊まり込み態勢に参加していることを報告した。さらに、全国農民会議共同代表の鈴木光一郎さんの「不屈の闘魂で仁王立ちしている市東さんを全力で支える」との連帯メッセージを読み上げた。
 婦人行動隊の宮本麻子さんがカンパアピールを行い、「われわれは実力闘争で農地を守り抜く」と鮮明な決意を表した。
 芝山町住民のAさんが発言し、市東さんと連帯して、機能強化による敷地拡大、騒音激化を阻む意気込みを語った。
 さらに、婦人民主クラブ全国協議会の川添望さん、杉並区議会議員の洞口朋子さん、3・11反原発福島行動実行委の椎名千恵子さんなどが発言し、軍拡・戦争・原発を推進する岸田政権を弾劾し、農地強奪を阻む決意を表した。
 全学連の赤嶺知晃委員長は、闘う学生が全国から続々と天神峰現地に駆けつけており、24日から自らが先頭で毎晩座り込みに参加して闘っていることを報告した。そして「岸田政権は、安保3文書改定で日本を戦争ができる国に作り変え、空港・港湾の軍事利用へと進む中で、日本階級闘争の魂である三里塚に対する総攻撃をしかけている」と弾劾し、強制執行を実力で粉砕する決意を示した。
 全国各地の合同労組、労組交流センター、改憲・戦争阻止!大行進、さらに関西新空港絶対反対泉州住民の会、8・6ヒロシマ大行動実行委などから寄せられた檄布が一つひとつ紹介された。
 最後に決戦本部長の太郎良陽一さんが、「機動隊、執行官、NAAと実力対決しよう。スクラムを組み、ここを守り抜こう。座り込み、泊まり込みに参加しよう!」と力強く訴え団結ガンバロー三唱の音頭を取った。

機能強化粉砕を

 参加者は開拓組合道路に移動し、反対同盟を先頭にデモに出発。宣伝カーからは宮本さんが、「大木よねさん以来の農地強奪を絶対に許さない」とのアピールを周辺に響かせた。
 デモコースは前回の緊急闘争と同じく、国道295号線を進み、空港の中枢部に迫る道のりだ。「NAA」と書かれた本社ビルが視界に入ってくると、全員の怒りが高まった。機動隊は浮足立ちながらも規制を強めようとするが、これをはねのけ、「強制執行を絶対に許さない」「成田機能強化粉砕」のシュプレヒコールを上げ、何度もこぶしを突き出し、NAAへの怒りを叩きつけた。
 デモ貫徹後、多くの人びとがこの日の座り込み、泊まり込みに参加し、翌日の千葉地裁での耕作権裁判の間も、不意打ち的な攻撃を許さず、天神峰を守り抜いた。

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この地を守り抜く
反対同盟の発言

力合わせできることを
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 みなさんごくろうさまです。敵がいつどういう形でくるかまだわかりません。でもこの判決は、だれが聞いてもやっぱりおかしいと感じると思います。「国のやることだから従え」とは、昔の考え方であって、そういう攻撃に対してどう闘っていくかを考えないといけない。だから、やられてクシュンとなってしまう、そんな三里塚じゃないし、そんな私じゃないです。
 23日から24時間の座り込みと泊まり込みを始めています。そういう皆さんの力と団結でこの闘いを、どんどん広げていきたいと思います。
 皆さん、大変お忙しい中を遠いところから来ていただいて、本当にありがとうございます。自分も、そんなにいろんなことができるわけじゃないです。 ですから強制執行が来た場合でも、一人だけではできないこと、皆さんの力を合わせて、一人ひとりができることをやっていただきたい。それをお願いして、今日のデモを元気にやっていきたいと思います。

農地は農民のものだ!
 反対同盟事務局員 伊藤信晴さん

 10月20日、NAA社長の田村明比古が「円滑かつ確実に執行する」と言った。本当に許すことができない。市東さんの農地を必ず守り抜く決意で集会を開始します。
 かつて戸村一作委員長が農地は農民のものであり耕作者のものだと言った。NAAがいかように言おうと、裁判所がどのような判断をしようと、農地は農民のもの、耕作者のもの、これが真理です。
 市東さんが先頭に立って、闘いを切り開いてきたことで、三里塚の勝利性と正義性をはっきりさせた。三里塚闘争の立つ地平を徹底的に訴え、全国からの結集をかちとり、農地を守り切る陣形を作りたいと思います。私たち反対同盟は全力をあげて闘いの先頭に立ちます。

岸田の戦争準備と対決
 敷地内東峰 萩原富夫さん

(写真 萩原富夫さんと洞口朋子杉並区議。共に法政大学出身)

 こんなにたくさんの方々に遠方からも来ていただいて、勇気をもらいました。敵の攻撃はすさまじい勢いで来ています。強制執行の申し立てに対し、18日までに意見書を出したが、千葉地裁は22日付で「授権決定」を下し、休日をはさんで24日に葉山事務所に届いた。これは、最初から決定を出すつもりで準備していたとしか言いようがない。腐りきった裁判所を相手に、本当に怒りでいっぱいです。
 これまで16年ともに闘い、農地を守り抜いてきた。ここは市東さんの日々の営農の拠点であり、市東さんのものがある。これを強制執行で取るというのか!
 国家権力、岸田政権は戦争準備を進め、安保法制も変え、トマホークミサイルも買う、そんなことを進めている。じゃまになるのが三里塚闘争だ。成田空港を一大軍事拠点にするために、市東さんを追い出せば運動も廃れるだろうと考えている。
 しかし先日、反対同盟と支援連は一斉行動に立ち、周辺住民に強制執行反対の署名を呼びかけたら、多くの人が応じ、「なんで今さら強制執行するのか」「NAAは強制的手段をとらないと約束したじゃないか」という怒りの声が次々と返ってきた。そうした声を高めて、強制執行を許さない運動を発展させたい。
 成田空港の機能強化と言って、敷地拡張、B滑走路延長、新滑走路建設など進めようとしているが、気候変動の問題から言ったって、どんどん飛行機を飛ばすなんて、やってはならない行為です。観光客を入れて金もうけしか頭にない。本当にどうしようもないやつらだ! この成田市の政治も市長選が近づく中で、空港に頼って金もうけのことばかり考えている。本当に許せません。
 強制執行の攻撃に立ち向かい、この地で市東さんがこれからも生活していけるようにこれからも全力で闘います。

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