団結街道裁判 小泉市長の証人採用を 弁護団が更新意見表明

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(1112号02面02)(2023/05/22)


団結街道裁判
 小泉市長の証人採用を
 弁護団が更新意見表明

(写真 千葉地裁前で6同志奪還を訴える【12日】)

 千葉地裁民事第3部(岡山忠弘裁判長)で5月12日、団結街道裁判が開かれた。前日の大弾圧に対する怒りに燃えて、反対同盟と支援連の仲間たちは裁判傍聴を前に、不当捜索を許可した千葉地裁の門前に朝から陣取り、弾圧粉砕、逮捕者全員の即時釈放を訴えて怒りの抗議活動を行った。
 午前10時30分に開廷。
 団結街道(成田市道・天神峰―十余三線)は、天神峰で営農する市東孝雄さんにとって、自宅と南台の耕作地を直線で結ぶ、日々の農作業に不可欠の道路であった。その道を成田市は、2010年6月に夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、土地を格安でNAAに売り飛ばすという暴挙に及んだ。その違法性を徹底的に追及する上で、成田市の最高責任者である小泉一成市長への証人尋問は不可欠だが、裁判所は約5年にわたり小泉市長証人採用の判断を先送りし続けてきた。
 この日は、裁判長が内野俊夫から岡山に交代したことで、弁護団による更新意見が行われた。
 本件道路廃止処分の手続きは明白に、成田空港の第3誘導路を造る上でじゃまだからということで進められた。
 被告NAAは被告市に3月の成田市議会での路線廃止を働きかけ、市は代替道路ができていないまま、3月議会に議案を提出し「廃道」を決定とした。住民の生活と営農のために現に頻繁に使われている道が行政によって、しかもNAAという一企業の要請で「廃道」にされるなど前代未聞だ!
 当時の成田市土木部長で道路行政の責任ある立場にあったはずの中村壽孝が、2018年2月に証言に立ったが、廃止手続きの過程についての質問に対し、ことごとく「わからない」「知らない」を連発し、証人としての体をなさなかった。道路法10条に規定された廃道要件を満たさず、違法な廃道であったことは明らかだ。
 結局この廃道は「政治的案件」として、最高責任者である小泉市長の「ツルの一声」で強行されたということだ。小泉市長への尋問は必要不可欠である。裁判所は小泉市長の証人採用を言を左右にして先延ばしにしてきたが、許されない。直ちに採用を決めよ。
 原告の一人である市東さんの天神峰耕作地に対し、2月15日に強行された強制執行は断じて許すことはできない。そして市東さんのもとに駆けつけともに「絶対反対」の声を上げた6人が、不当逮捕された。
 空港建設のために農業・農地をつぶすことを是とする成田空港の根本思想が間違っている。全世界的な食料危機のもとで日本も深刻な食料問題に直面している。この上なお農民・住民を追い出してもう一本滑走路を造ろうなどということは許されない。
 弁護団の主張と要求に対し、NAAの代理人弁護士は無表情を装い沈黙するのみ。
 岡山裁判長は、次回期日を7月14日として、この日は閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。弁護団が発言し、参加者からの質問に答えた。
 集会後、参加者は再び千葉地裁前に陣取って情宣を行い、不当弾圧弾劾の怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 さらに午後、勾留質問で千葉地裁に移送されてくる不当逮捕された6人の仲間への激励行動が車両通用門前で行われた。
このエントリーをはてなブックマークに追加