星野・大坂全国集会開く 「ぶれない生き方」 家族が熱い発言

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(1113号02面01)(2023/06/12)


星野・大坂全国集会開く
 「ぶれない生き方」 家族が熱い発言

(写真 東京・小松川区民館に280人が結集【5月28日】)

 5月28日、「星野文昭さん獄死から4年 星野国賠勝利!大坂正明さん無罪奪還!全国集会」が東京・小松川区民館で280人の結集で開かれた。三里塚から反対同盟・宮本麻子さんと現闘、行動隊が参加した。
 星野弁護団から岩井信弁護士と土田元哉弁護士が裁判報告を行った。星野国賠訴訟は、国側・池田意見書を批判する布施幸彦医師の意見書と準備書面を提出し、さらに柳沢裕子医師の準備書面と肝臓専門医の意見書を提出し、追及している。2019年5月28日、巨大な肝臓がんの切除手術を受けた星野文昭さんの血圧が急激に低下。この時、医師が再開腹して適切に措置をしていれば、命を救うことができたのである。国の言い逃れを粉砕し、星野さんの獄死の真相を明らかにしなければならない。
 大坂裁判は、検事側立証から弁護側立証に入った。この間のでっち上げを粉砕する闘いを、山本志都弁護士が明らかにした。そもそも大坂さんを犯人とする証拠は、星野さんと同じく当時学生だった逮捕者からの偽の供述によるものだ。裁判では、写真選別で誘導が行われたことを明らかにした。とくに群馬高専の学生だった供述者の証言ねつ造の暴露は決定的だ。彼は大坂さんと面識がないから写真を見せられても、機動隊を殴打していたのが誰だかわからない。にもかかわらず「大坂さんだ」と言わせるため、権力は「11・14直前の12日に工学院大学へ行った。その時にいた男が、機動隊を殴打していた」という話を作り上げた。そして、大坂さんの写真を1枚示して彼に「工学院大学にいたのはこの男です」と、言わせたのだ。これは冤罪の常とう手段であり、権力犯罪そのものだ。

権力犯罪を暴く

 家族の星野暁子さん、須賀陽子さん、大坂さんの親族の発言には胸をうたれた。暁子さんは新刊本「あの坂をのぼって」の出版の思いを語り、文昭さんへの権力犯罪を暴き無念をそそぐ決意を一語一語に込めていた。
 須賀さんは、獄中での医療放棄が爆取弾圧の継続であり、われわれの総決起で獄外での医療を実現させなければならないと訴えた。逮捕時直後に警察が子どもの学校にまで押しかけ作文を押収しようとしたが、担当教師はこれを拒否し、子どもに農民一揆の話をして「胸を張って生きていい」と語ったことを紹介した。
 大坂さんの親族は、大坂さんと面会し「ぶれない生き方に感動」し、「全学連に勇気をもらった」と語った。彼は、「エニイ・ギブン・サンデー」(オリバー・ストーン監督99年)で主演のアル・パチーノの「無駄に生きるなら、熱く死のう、チームのために」というセリフを引用し、大坂さんのように「熱く生きる」ことのすばらしさをアピールした。
 また、東住吉事件で再審無罪を勝ち取った青木惠子さんが登壇し、権力を弾劾する発言を行った。彼女の不屈の闘いは、孤立し困難を極めた。それだけに学ぶものがある。
 集会の最後に、金元重さん(星野国賠勝利!全国運動呼びかけ人)が「闘いの高揚感の中、とくにG7サミット粉砕闘争と洞口朋子杉並選挙戦の勝利と星野さんの本の出版の成果によって胸に響く集会で、何をなすべきかが鮮明となった」とまとめの発言をしたが、すべての参加者が同じ思いであったと思う。
 傍聴闘争を組織し、大坂同志の無罪奪還を勝ち取ろう。
(大戸剛)
このエントリーをはてなブックマークに追加