東拘で大坂正明さんと面会 穏やかな語り口と強い信念 反対同盟婦人行動隊 宮本麻子さん

週刊『三里塚』02頁(1113号02面03)(2023/06/12)


東拘で大坂正明さんと面会
 穏やかな語り口と強い信念
 反対同盟婦人行動隊 宮本麻子さん


 「裁判か面会で会いましょう」。権力と非妥協で闘う大坂さんが集会に寄せたメッセージを見て、ぜひ東京拘置所に会いに行きたいと思いました。三里塚・沖縄をたたかい、2017年の逮捕時テレビで見た、確とした信念を持った凛(りん)とした姿勢、揺らぎのない表情を思い浮かべていました。
 5月31日つれあいとふたりで出かけました。新しくなった東拘は初めて行きます。
 面会の手続きをして、金属探知機の全身検査を受け、書類以外の荷物をロッカーに入れ、長い廊下を進みます。10階にエレベーターで上がり、面会室で待ちます。大坂さんはまもなく看守とともに現れました。テレビで見た印象とは異なり、髪をきれいに分け、面長で優しげな表情をされていました。
 席に着いたら、お互いすぐ堰(せき)を切ったように話が始まりました。まず体調を訪ねました。グリーンの上下の室内着を着ていて、喘息と鼻ポリープがあり現在も呼吸が苦しいとのことでした。星野さんの時もそうです、当たり前の医療をなぜ受けさせないのか怒りが沸いてきます。
 大坂さんは自分の裁判のことを話し、一昨日、昨日と裁判があり、裁判員制度で権力側が予定したように進んでいる、法廷内はとてもきびしく何かの声を出したり、手を振ったりすることも許されないということでした。年内には判決が出るのではないかと言っていました。
 三里塚のことでは、大坂さんは70年代現地に来て、横堀公民館にいて、地下壕を掘ったりして闘った、まだ滑走路もなくまさに野戦であったということです。大木よねさんの強制収用の時は、不意な執行の知らせに駆け付けたのですが、すんでのところで機動隊に阻まれ竹やぶに逃げて現場まで行けなかった。先日の裁判ではこのとき一緒だった人が証言に立ってくれたと言っていました。
 こちらからは2・15農地強奪強制執行との12時間にわたる闘い、全学連の活躍の話をしました。力ずくの権力を同盟、学生力を合わせ、市東さんの農地を守るべく闘い切ったこと、権力のやり方、本質は何も変わらないことを怒りをもって確認しあいました。こんな世の中は変えないといけない、ともにそれぞれの場で戦争阻止で闘うと誓い合いました。
 20分の面会時間はすぐ終わってしまい、後で2・15の自作のカラープリントの写真集を差し入れました。
 語り口は穏やかながら、強い信念と秘めた闘志が感じられ、何としても無罪奪還しなければと強く思いました。
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