成田を軍事に使わせない 空港拡張反対の訴えに住民の共感 第128回空港周辺一斉行動

週刊『三里塚』02頁(1133号02面02)(2024/04/08)


成田を軍事に使わせない
 空港拡張反対の訴えに住民の共感
 第128回空港周辺一斉行動

(写真 128回目の一斉行動意志統一【3月24日】)

 反対同盟と支援連絡会議の仲間は3月24日、128回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。午前8時30分、成田市天神峰の市東孝雄さん宅前団結街道の奥に集まった仲間は朝の打ち合わせを行った。最初に市東さんがあいさつ。
 「3月は裁判での証言もあり忙しい月でしたが、31日の現地集会とデモがあります。踏ん張りどころだと思いますのでがんばってやっていただきたい。地域の人たちに新聞報道とは違う自分たち自身で得た情報を伝えていただきたい」
 芝山町・白枡の伊藤信晴さんは周辺住民の声を紹介した。3代前から芝山町に住んでいたが開港後に騒音を避け自費で横芝光町に移転したという住民は、機能強化によって再び騒音下にさせられる理不尽への怒りと筋を曲げない反対同盟への共感を寄せている。
 この日用意された反対同盟ニュース第123号は、3・31芝山現地闘争への参加を呼びかける内容だ。耕作権裁判での市東さんの証言が1面に。2面で、2月28日に反対同盟が行った空港拡張工事実力阻止に向けた現地調査とデモの報道と「工事は止められる」と力強い訴え。3面で、米駆逐艦の入港に反対してストライキを打った労働組合の闘いを紹介している。打ち合わせを終えた参加者はカラービラを折り込んだ同盟ニュースを手に担当地域へと向かった。
 この日は、曇り空だったが気温は高く風も穏やかで多くの農家が農作業に励んでいた。何軒もの農家が資材費の高騰でこのままでは生活していけないという話が出た。
 「毎年補助金が引き下げられ来年はゼロになるのではないか。毎年100万円くらいの減収だ」「資材は2割くらい上がっている。除草剤は倍くらい値上げ。どんどん苦しくなる」「インボイスは年収1000万円以下の農家はやらなくてもいいと言われるが、いろいろな面で不利になるためやるしかない」「自分のふところを肥やすばかりで農家のことを考える政治家がいない」
 また、動画サイトをよく見るというサツマイモ農家は「世界の農民の闘いに心が動かされる」として反対同盟の闘いへの共感を示した。
 婦人行動隊の宮本麻子さんは、同盟ニュースを手に行く先々で、「市東さんの農地強奪に向けた裁判や成田空港拡張の攻撃は岸田政権による戦争準備の一環。今こそ戦争反対を」と訴えた。ある住民は、「瀬戸内寂聴さんは戦争反対を最期まで訴えていたし、タモリは『新たな戦前』と言っている。やはり今、成田などの民間空港も戦争に使われる時代と思う」と応え、エール交換。
 移転区域の住民からは不安の声が寄せられた。「上下水道の整備はまだで当面は井戸を掘って済ますらしい。今住んでいる家よりかなり狭くなるので飼っている犬が吠えて迷惑にならないか心配だ。百姓をやめてどんな生活になるのやら」
 3・31集会への参加を検討しているという住民も複数あり、宣伝戦の手応えを感じた。
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