団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1170号01面05)(2025/10/27)


団結街道


 特権的地位を利用した性加害事件としてすぐ想起されるのは在日米軍基地が集中する沖縄で頻発する米兵による女性暴行事件だ。また芸能界でのジャニー喜多川、中居正広……など多くの性加害者の顔が浮かぶ▼こうした性加害者を生み出し容認してきた米軍、旧ジャニーズ事務所などの所属芸能プロダクションなど組織の責任はもちろん徹底的かつ厳しく追及されなければならない。だが、すべては組織のせいであって加害者が免罪されることなど一般常識で言ってもありえないだろう▼そもそも性犯罪を告発することには大きな心理的ハードルがある。物を壊されたことなどとは比較できないほど心は傷つき、多くの場合、被害者であるにもかかわらず屈辱的な恥の感情を持たされるからだ▼加えて、特権的地位を持つ加害者側が何らかの圧力をかけ被害者に告発を取り下げさせたり、「被害者のプライバシー」を理由に告発を隠ぺいすることも、残念ながらこの社会の中で日常茶飯事に行われている▼物心両面の高いハードルを乗り越えて告発に立ち、加害者にその加害性を認めさせるほど根底的な決起をした主体でも、自ら投げ捨てることはありうる。そうした場合に、主体の決断を「尊重」し、自然発生性に拝跪(はいき)するのがリベラル。「被害者よりも」加害者と差別の構造に怒り、主体を鼓舞激励しながら、社会の全面的転覆へ共に闘おうと呼びかるのが共産主義者だ。
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