北総の空の下で 闘いつつ見守り続け 東市・とき夫妻
週刊『三里塚』02頁(1170号02面06)(2025/10/27)
北総の空の下で
闘いつつ見守り続け
東市・とき夫妻
9月14日に突然発症した私のヘルニアは10月に入って快復を実感できるようになり、徐々に元の生活に戻して1カ月後に復帰しました。しかしその間に持病の座骨神経痛が悪化気味で、リハビリを再開しなければと、一筋縄ではいかないのが70歳の現状です。
闘いの中での夫婦のあり方について、市東東市さんとときさんのことを是非とも伝えたいと思います。農村では多くの女性が、婚家の田畑を守る労働力に組み込まれて生きてきました。三里塚で地域ぐるみの闘争が始まり家を守ることと闘いがイコールになった時、女たちは活き活きと最前線に立ちました。しかし切り崩しと弾圧が強まる中で「支援と農民は違う」と、多くが再び家に戻りました。
東市さんとときさんは東京で所帯を持ち、洋画を楽しむような一時期を過ごしますが、農村で出征中の夫を待つ生活が始まり、ときさんは精神的に追い詰められて病を発症します。私が知っているときさんは物置に住み、東市さんが玄関に置いた釜から自分のご飯をよそって持ち帰る生活をしていました。働き手にならない妻を実家に帰さず見守り続け、天神峰で1軒になろうとも支援の協力を得て2人で住むための家を新築する決断をした東市さんの存在があったからこそ、三里塚闘争は今も続いています。
学生のトップと全学連委員長という華々しい夫婦と言えど、妻の苦闘に真剣に向き合おうとしない夫と、結局屈した妻に、未来は託せません。 北里一枝