C滑走路用地買収めど今も立たず 工事現場を徹底弾劾 「第2の開港」粉砕へフィールドワーク
C滑走路用地買収めど今も立たず
工事現場を徹底弾劾
「第2の開港」粉砕へフィールドワーク


10月22日、「第2の開港粉砕」を掲げて、三里塚芝山連合空港反対同盟による現地フィールドワークが行われた。
小雨が降る中、午前10時から市東さん宅前で出発前の打ち合わせを行い、伊藤信晴さんが現地情勢を説明して行動方針を提起した。
伊藤さんは冒頭、高市政権との対決を強調した上で、「芝山では町長選に向けた動きが始まっている。前町長の相川が計画をつくった移転先への上水道整備プランをめぐって論戦がなされているが、現職の麻生も新人候補も空港推進であることに変わりはない」と断じた。
そして買収を拒んでいる敷地内住民との交流や騒音訴訟を闘う住民の取り組みを紹介した上で「同盟がしっかり闘っていれば周辺住民は絶対に決起するし、この空港は住民の怒りで包囲されてる。騒音をはじめとした空港被害は、空港を潰すしか解決する道はないことがはっきりしている状況。がんばってやっていきたい」と決意を語った。
参加者は数台の車両に分乗して、まずB滑走路北端で行われている東関東自動車道の付け替え・トンネル化工事の現場に移動した。
車両が行き交う付け替え道路の向こうには、トンネルとなる巨大な構造物が設置されている。トンネル化といっても穴を掘るのではなく、設置したトンネルの上を途方もない量の土砂で滑走路の高さまで埋め立てようというのだ。
工事を目の前にして伊藤さんが説明した。「向こう側の工事しているところが元の東関道。あれを全部コンクリートでトンネルにして、そのあと今クルマが走ってる手前の道路をみんな埋めちゃうわけ。それから本体工事に入る。今の段階がステップ2と言われているけど、1年くらい遅れている。今年の5月ごろ本格着工と言っていたが全く、本体工事には入っていない」
参加者は怒りを込めて工事現場に「B滑走路延伸阻止!」「工事をやめろ!」「空港拡張を許さないぞ!」とシュプレヒコールをたたきつけた。
あいまに、東京から駆けつけた学生が発言した。石田一派をめぐる件で「ご迷惑をおかけしています」と謝罪した上で、「今の中国侵略戦争情勢、軍事空港を許すのかどうか、パレスチナ虐殺を許さない、そういったことと一切関係のない自己保身のための腐った組織破壊、運動破壊だ」と石田一派を断罪。「多くの学生・青年の三里塚闘争への決起をつくり出すことを誓う」とアピールした。
初参加の学生も工事に対する怒りの感想を述べながら、共に三里塚闘争を闘う決意を表明した。
続いて南に移動して芝山町菱田の第3滑走路工事現場へ。途中の横堀地区では、山林や田んぼが無残に破壊され、工事用道路が敷設されている。
中郷地区の田んぼをつぶしてつくられたセメント施設前の道路に車を停め、参加者は「菱田を壊すな、芝山を壊すな!」「第3滑走路建設阻止!」「住民と共に闘うぞ!」「高市政権を打倒するぞ!」と工事弾劾の声を上げた。
行動の最後に伊藤さんがまとめの提起。「今年の5月に本体工事着工と言っていたが、その前のステップが全く進んでいない。工事が遅れ、空港会社は追いつめられている。これからもがんばってやっていこう。耕作権裁判はまだ日程も決まっていないが、市東さんの農地決戦勝利に向けて、さらに陣形を打ち固めていこう」と訴えた。
NAAは見切り発車で「本格着工」を宣言したものの、用地買収のめども立たず、「29年C滑走路供用開始」など絶望的だ。現場に立つと、膨大な農地破壊、自然破壊に怒りを覚えると同時に、遅々として進まない工事状況に政府・空港会社の危機も見て取れる。
次回のフィールドワークは11月12日。