北総の空の下で 拡張は誰の利益に 移転・再移転

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週刊『三里塚』02頁(1174号02面06)(2025/12/22)


北総の空の下で
 拡張は誰の利益に
 移転・再移転


 本格的な冬到来、布団から起き出すのに気合が必要な師走です。
猛暑が続いて蒔き付けが遅れ、収穫時期が重なってしまったため産直ケースは葉物満載が続きましたが、16日からは根菜と共に白菜がどんと鎮座するセットに変わりました。
 今芝山方面に行くと第3滑走路の予定地は買収済みの土地が赤いネットで囲われて、集団移転から年月の浅い豪邸がぽつぽつと更地になっており、場当たり的な計画が透けて見えます。予定地を外れれば竹林と松林の中に広葉樹の赤や黄色が彩りを添える里山が広がり、瓦屋や表具店、麹店が昔ながらの看板を出しています。朝日新聞が「第2の開港・成田秘話」を5回の連載で出しました。第3滑走路を千葉県に決断させるために自民党と国交省の政官が「やらないなら解散だ」と一芝居打った話が出てきます。騒音地区の急増や再移転の問題を抱える地元自治体を黙らせるためです。成田は北側騒音地区を切り捨てて空港との共存共栄一色ですが、共存はありえない芝山町や横芝光町では生活を守るため騒音裁判の原告団が拡大し、移転に応じない住民との交流も始まっています。市東さんの農地裁判は今年3月の一審判決で仮執行を阻止したため、来年6月以降に見込まれる控訴審が決戦場となります。
経済活性化のために空港拡張が必要とか 軍用機を飛ばすために3千㍍級滑走路が必要とか、誰の利益のため!?
26年も北総台地では高市政権との熱い攻防が続きます。
北里一枝
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