2008年7月14日

国労5・27弾圧裁判 橘さん、向山さんが力強く陳述

週刊『前進』06頁(2351号2面3)(2008/07/14)

国労5・27弾圧裁判
 “帝国主義打倒の主体に”
 橘さん、向山さんが力強く陳述

 7月4日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第89回公判が東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれ、前回に続き、裁判官の交代に伴う更新手続きが行われた。橘日出夫被告と向山和光被告が更新意見を述べ、弁護人の更新意見を松田生朗、山本志都、鈴木達夫の各弁護人が読み上げた。
 橘被告は冒頭、「私たちは旧弁護団を解任し、松崎被告人との弁論分離をかちとって、裁判闘争の主体としての位置を取り戻しただけでなく、労働者階級の解放に向けた壮大な歴史的事業の主体として屹立(きつりつ)することができました」と切り出した。そして、今日の情勢を「プロレタリア革命が間近に迫っている」ととらえ、その中で国鉄闘争をめぐる鋭い路線的選択が問われたことを明らかにして、「私たちは、旧弁護団解任と松崎被告人との弁論分離をやり抜くことによって初めて、動労千葉とともに階級的労働運動を実践し、全世界の労働者とともに帝国主義を打倒する闘いの主体に躍り出ることができたのです」と断言した。
 橘被告は、国鉄分割・民営化攻撃の中で人材活用センターに送られ、以来一貫して不当配属と闘ってきた。鉄産労の結成・国労脱退という攻撃に対し、国労森ノ宮分会再建の闘いの先頭に立ち、再建された分会の委員長に選ばれてもいる。02年5月27日の国労臨時大会に際してのビラまき・説得活動は、そのすべてをかけての闘いだったのだ。
 また、今年4月26日に動労千葉とともに尼崎現地闘争を闘いぬいたことに触れ、「新自由主義の攻撃に反撃する全世界の労働者と連帯し、これと一体のものとして裁判闘争を闘う」と宣言した。
 国鉄闘争支援者の向山被告は「新自由主義攻撃の破綻(はたん)がもたらした革命情勢の到来が本裁判を階級裁判へと転換させ飛躍させることを求めた」と述べ、それが旧弁護団解任と松崎被告との弁論分離の根本的な理由だったことを明らかにし、「5・27裁判闘争は、JR体制打倒−日本帝国主義打倒を目指す大闘争の一環として闘う中に勝利の展望を切り開くことができる」と断言した。
 さらに、「自分の信念と行動原理を戦争反対に置いてきた」と述べ、その立場から動労千葉の階級的労働運動を支援してきた経緯を語った。そして、新自由主義攻撃に全世界で労働者人民の反乱が巻き起こっている情勢を説き明かし、「サミット粉砕の6・29闘争は革命的行動として実現された」と言い切って、「私の決意も、“革命をやろう”です」と宣言した。
 松田弁護人は、この事件が国家権力と国労本部が結託してデッチあげられたことを全面的に暴ききった。機動隊制圧下で4党合意の承認を強行決定した01年1月27日の大会以来の国労本部と公安警察との癒着や、事件当時、東京地本委員長だった酒田充や長野地本書記長だった吉田進が、傘下組合員に「被害届」を警察に出すようしつこく求めたことなどが事実に基づき明らかになった。
 山本弁護人は、被告たちのビラまき・説得活動が、団結権を守り解雇撤回を実現するために正当かつ必要不可欠な行為だったことを全面的に説き明かし、被告は無実・無罪であると断言した。
 鈴木弁護人は、5・27臨大以降、4者・4団体路線に至る国労本部の裏切りの経緯と、昨年秋の大会で「国鉄分割・民営化との攻防に勝利した」と宣言した動労千葉の闘いを対照させて、被告たちの闘いの意義を浮き彫りにした。そして、新自由主義攻撃と戦争政策への怒りがますます広がっていく情勢の中で、この裁判闘争が1047名解雇撤回闘争と第2の分割・民営化に反対するJR本体の闘いとを固く結びつける要の位置にあると述べて、「わが弁護団としても、本件を日本労働運動の未来がかかった重大刑事裁判としてとらえ、本件弾圧に貫かれた凶悪な政治的意図を暴き、打ち砕き、もって被告人らの無罪を闘い取る決意を、ここに表明する」と結んだ。
 この公判で更新手続きは終了し、次回は富田益行被告の被告人質問が行われる。重大局面にある公判の傍聴に集まろう。