2008年7月14日

50万人集会 7・5-6ソウル “牛肉・物価暴騰・民営化反対!”

週刊『前進』06頁(2351号6面2)(2008/07/14)

50万人がロウソク集会 7・5-6ソウル
 “牛肉・物価暴騰・民営化反対!”

 労働者・市民の声1つに
 米国産牛肉の輸入に反対して韓国の労働者階級人民がロウソクを手に立ち上がってから2カ月。すでに米国産牛肉の流通は強行されているが、韓国労働者階級はこんな既成事実には屈しない。
 原油は高騰し、物価も天井知らず。にもかかわらず賃金はまったく上がらない。「非正規職保護法」から1年たつが非正規雇用は拡大の一途。吹き荒れる雇用破壊。民営化で医療・教育・社会保障・ライフラインなど生活にかかわる全領域がずたずたにされ、資本家の食い物にされようとしている。「これで一体どうやって生きてゆけというのか!」——6月10日の100万人決起が示した労働者階級の怒りはますます高まっている。

 第1章 民主労総が組織的に参加

 7月5日から6日朝にかけソウルで行われたロウソク集会には、主催者発表で50万人が集まり、「米国産牛肉輸入反対」とともに「物価暴騰・民営化反対」の怒りの声が上がった。今回の集会は仏教やキリスト教など宗教界の主導で行われたが、重要なことは集会に民主労総の組合員が組織的に結集したことだ。スローガンは「物価を下げろ!」「雇用を保障せよ!」「『先進化』の名による民営化反対!」だ。
 4日の集会には、2日のゼネストを打ち抜いた金属労組の組合員が大挙結集した。
 5日午後3時、降りしきる雨の中、鉄道・地下鉄・発電・ガス・空港など基幹産業の労働者1万人がソウル駅広場に集まり、「国民生存権の保障と公共性死守に向けた基幹産業共同闘争本部発足式および総力闘争決意大会」が行われた。集まった組合員たちは「2002年の鉄道・発電・ガス労組共同闘争以降、久々に公共労働者が団結した」と高揚感を表明し、「今回はなんとしてもともに民営化を阻む」と決意を明らかにした。
 決意大会を終えた組合員はソウル市庁前で行われるロウソク集会に合流した。組合旗を押し立てた労働者の隊列を市民は圧倒的な拍手で迎えた。
 基幹産業共同闘争本部の隊列にはその後、化学繊維連盟、保健医療労組、サービス連盟、IT連盟が合流。さらに集会には100人のイーランド労働者をはじめ長期闘争事業場の労働者も参加し、最終的にこの日集まった民主労総組合員は2万5千人に達した。
 「集会に参加した市民は、『組織された』労働者が牛肉問題にストで立ち向かっていることを歓迎している。労働者は、『組織されていない』市民が牛肉だけでなく医療・公共部門の民営化に反対していることを喜んだ」——ロウソク集会への民主労総の参加を6日付の「毎日労働ニュース」はこう伝えている。
 ウルサンから来た化学繊維労組の組合員(37)は、「労働条件や賃金改善のための労働者集会には何度も参加したが、こういう国民と一緒の集会は初めて。国民と労働者が声を一つにしたことは感動的」と語った。これが現場労働者の声だ。
 民主労総中央は「国民世論」と「政治ストは違法」なる政府の圧力を理由に、7・2ストを文字どおりのゼネストとして組織しきることをしなかった。しかし、ひとたび労働組合が腹を固めて立ち上がったら、労働者と「市民」を意図的に分断しようとする攻撃など吹き飛んでしまうことを5日の集会は示している。

 第2章 階級としての労働者の登場

 労働者がこのままでは生きていけないだけではなく、支配階級の側も存亡の危機に陥っている。株価は急速に下落、韓国資本主義経済の破綻(はたん)は激烈に進行している。与党ハンナラ党をはじめとする支配階級内部でも分裂が激化している。イミョンバク政権にはもはや打つ手はない。
 今やこの革命的情勢を現実の革命へと推し進めるものは、階級としての労働者の登場だ。労働者階級が社会変革の主体として全社会に圧倒的に登場することが決定的だ。
 何よりも訴えたい。韓国の革命情勢と日本の革命情勢は一体だ。
 支配階級の側もこのことを強く意識している。イミョンバクは竹中平蔵を大統領国際諮問委員に起用した。竹中は小泉政権の経済財政相として、郵政民営化など新自由主義攻撃を先頭で推進し、今の日本の労働者の生きられない状況をつくりだしてきた張本人だ。イミョンバクはこの日帝と一体化して体制的危機をのりきろうとしている。
 民主労総ソウル地域本部をはじめ韓国の闘う仲間たちは、「今こそ動労千葉のように闘うことが求められている」と熱いメールを動労千葉に寄せている。
 われわれ日本の労働者は、怒りの総決起で日帝支配階級に新自由主義の大破産を強制し、韓国の労働者を圧倒的に激励しよう。
 (山口 修)