2008年11月17日

裁判員制度廃止 11・22大行動へ 改憲と戦争攻撃許すな

週刊『前進』06頁(2368号5面2)(2008/11/17)

裁判員制度廃止 11・22大行動へ
 改憲と戦争への攻撃許すな

 「1500人が結集した6月13日の集会に続く大行動は、11月22日の東京大行動です。今回は集会後、銀座デモをやります。絶対廃止をデモでアピールすることに力点をおいています」「弁護士は、労働者と一緒にこの世の中を変える気概を持たないといけない。一緒にデモとストライキで、”自分たちが社会の主人公だ”という時代をつくりたい」(前進2366号7面、佐藤和利弁護士・高島章弁護士の対談より)。
 「裁判員制度はいらない!大運動」が主催する11・22東京集会は、金融大恐慌下の日帝の改憲攻撃と対決する決定的な行動だ。麻生政権と戦争翼賛国会に怒りをたたきつけ、労働者人民の団結と闘いを呼びかけるデモである。全力で結集することを再度訴える。
 また、裁判員制度の廃止をかちとる「11月全国一斉行動」が呼びかけられ、各地で集会やデモ、街頭宣伝などが予定されている。最高裁が11月28日、約30万人を対象に裁判員候補者通知を発送するからだ。一つの勝負どころだ。全国でともに闘って成功させよう。

 第1章 国家の統治に人民組み込む

 支配階級が裁判員制度を導入する狙いは何か。その核心は、裁判という国家権力行使の一翼を強制的に担わせることで、労働者人民に「統治主体意識」(推進派の言葉)を持たせることにある。ブルジョアジーの階級支配機構の一端に人民を「参加」させる形で組み込んでしまうのだ。裁判員になってお国のために奉仕する、その経験を生かして国家に従順な国民になれということだ。そんなものは絶対に拒否しなければならない。
 支配階級がなぜ裁判員制度を必要としているのか。資本主義が土台から崩壊しつつある情勢のもとで、労働者人民からの搾取・収奪を徹底的に強める新自由主義をさらに強力に進めるためだ。新自由主義的諸政策が引き起こす社会的諸矛盾の激発を予防反革命的に抑えこむためである。
 すでに青年労働者層を先頭に「生きさせろ!」の叫びや闘い、様々な形の反乱が各地でまき起こっている。階級矛盾の本格的な爆発は確実に始まっているのである。それゆえ支配階級は、労働者人民自身に治安機構の一翼を担わせ、そのなかに組み込むことを狙っている。それが裁判員制度の本質なのである。
 だが世界は金融大恐慌に突入し、帝国主義の最後の延命策だった新自由主義の破綻が赤裸々となってしまった。資本主義の時代の終わりがついに始まったのである。
 支配階級は相互のつぶし合いをくり広げつつ、一切の犠牲を労働者人民に押しつけ、市場、資源を奪い合うための戦争政策に人民を動員する以外にない。そのためにさまざまな契機をとらえて国益主義と排外主義に労働者人民を染め上げ、9条改憲の先取りとなる政策を進めることが必要なのだ。裁判員制度は、そうした政策の中心的な攻撃であることを突き出さなくてはならない。

 第2章 正味2日間の審議で評議へ

 「導入の延期」や「制度の見直し」で問題を解決できるようなものでは断じてないのだ。労働者人民にとっては絶対廃止以外にない制度だということである。
 裁判員になりたくないと思っている人のほとんどが、人を裁く側に立ちたくないと思っている。ところが裁判員裁判は、裁判初日の午前中の面談で裁判員になるかどうかということが聞かれ、その日の午後には裁判が始まってしまうのだ。次の日の丸1日と3日目の午前中に審議して、午後には評議となる。結局、正味2日間の審議で罪状を決めなければならない。
 また、公判前整理手続きが導入され、裁判官、検察官、弁護士で裁判の「争点」はあらかじめ決められてしまう。法廷で調べる証拠も証人もここで決められてしまう。反論する証拠や証人が出てきても法廷に出せない。ストーリーがすでに決まっている状況のもとで、有罪か無罪か、量刑をどうするかを判断しろというシステムなのだ。
 さらに、裁判員に動員された人は、評議に関する情報の「秘密保持義務」を一生負わされる。守秘義務違反には懲役刑が科される。他方、被告人は裁判員制度による評議を拒めない。
 何が「司法の民主化」「えん罪の防止」か。ふざけるな! 労働者人民の怒りを徹底的に爆発させよう。

 第3章 麻生政権の命脈を断つ闘い

 裁判員制度廃止闘争は勝利できる。その展望が大いにある闘いである。総力で決起し、麻生政権の命脈を断つ大運動に発展させようではないか。
 11月10日から、推進キャンペーンのためのテレビCMが始まった。最高裁は、宣伝のためなら何十億円もかけると言っている。商業新聞でも特集や記事が相次いでいる。だがそれによって労働者市民の関心が高まり、街頭宣伝でのビラ受け取りや署名などが急増している。不安や怒りの声がさらに強まっている。
 支配階級は今、このままでは裁判員制度が破綻するという危機感を持っている。裁判員制度推進派の竹崎を最高裁長官に抜擢(ばってき)したのもそのためだ。
 だが、知れば知るほどとんでもない制度だと分かってしまうのが、裁判員制度なのだ。暴露と批判が決定的である。
 重要なのは、職場から絶対廃止の声をあげることだ。連合や全労連は、裁判員制度に賛成して積極的に推進している。ブルジョア支配に協力する体制内労組執行部を徹底弾劾し、職場労働者の反撃を組織しよう。
 11・22東京集会と銀座デモに、仲間とともに集まろう。