2008年11月17日

迎賓館・横田爆取差し戻し審 “誤った裁判やめよ” 押収手続きで馬脚

週刊『前進』06頁(2368号6面3)(2008/11/17)

迎賓館・横田爆取差し戻し審 “誤った裁判やめよ”
 ずさんな押収手続きで馬脚

 11月12日、東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し審第9回公判が行われた。
 冒頭、3同志が意見陳述をかちとった。板垣宏同志は、11・2労働者集会を5700人の大結集でかちとったと確認、「世界金融恐慌がスーパー大恐慌となりつつある。資本主義・帝国主義は終わりの時、世界革命の時を迎えた。本件は政治的冤罪事件であり、その目的はサミット擁護、新自由主義擁護だ。今や破綻が明白な新自由主義を守るため、裁判所がその下僕となるのは無慙(むざん。罪を犯しながら自らに恥じないこと)だ。本件裁判は、迎賓館・横田事件当時の労働者・人民の闘いが正しかったことが証明されつつあるという意味でも、私たちが本件に関与していないという意味でも、完全に誤った裁判だ。差し戻し審を直ちにやめよ」と要求した。
 須賀武敏同志は「本来、裁かれるべき被告の座に座るべきものは、警視庁公安であり、職権を濫用して公訴した検察官自身だ。検察官主張を超える新たなデッチあげ証拠を捏造して一審無罪判決を否定し、無実の私たちに被告の座を強制してきた控訴審裁判所だ。現在、林裁判長らが事実調べを強行している橿原・関之沢関係証拠は、警視庁公安と検察官が一度デッチあげをはかり破産したものだ。裁判長が実況見分すればわかる。検察官の主張や控訴審判決の推論は、事実無根の虚構だ。橿原借家関係証拠は、岩手借家押収物とも本件両事件とも、私たちとも関係ない。岡田、吉田証人の全証言の排除を要求する」と迫った。
 十亀弘史同志は、田母神空幕長ら94人の自衛官が憲法否定の論文を書いた事実をとりあげ、「文書による一種のクーデターだ。許せない。田母神は自衛隊のイラクでの輸送活動を違憲とした名古屋高裁判決について『そんなの関係ねえ』と述べた。裁判所は、田母神ら行政権力によっておとしめられている。それは裁判所自身が憲法を守らず、行政権力のいうがままになってきたからだ。本件の控訴審判決も裁判による判決ではなく直接の政治弾圧だ。控訴審判決を否定し、直ちに一審判決に戻り、速やかに確定的な無罪判決を出せ」と締めくくった。
 その上で3同志は前回に続き吉田喜平に反対尋問を行った。吉田は大阪東警察署に出向いて橿原関係証拠の再押収を行ったが、その手続きはまったくずさんだったことが暴露され、吉田はしどろもどろになった。
 最後の30分は北側鑑一弁護人による元警視庁公安・古池澄夫への反対尋問。古池は関之沢林道終端周辺部から発見されたとする砲弾関連部品の寸法を測定したという証人だが、実際にはその現場捜索に参加している警察官だ。現場での物の発見状況を弁護人が追及すると、古池は「記憶にない」を連発して逃げたが、不自然さは見え見えであった。
 次回公判は12月1日(月)。古池に対する3同志による追及に加え、関之沢関係証拠のデッチあげ責任者の1人、元警視庁公安・青木幸雄に対する反対尋問が始まる。差し戻し審の大きな山場だ。全力で傍聴を。


 日程 迎賓館・・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審
 第10回公判 12月1日(月)午後1時15分開廷
 ◎東京地方裁判所