2008年12月 8日

東京・板橋 精研労組80人連続スト “一時金削減許さぬ”

週刊『前進』06頁(2371号2面2)(2008/12/08)

東京・板橋 精研労組80人連続スト
 “一時金14万円削減を許さぬ”

 精研労組が年末一時金の超低額回答に反対し、6波の連続ストライキを貫徹する勝利をかちとった。精研労組は東京武蔵野病院で働く医療労働者の労働組合だ。
 経営は、昨年の年末一時金より平均14万円以上も減額しようとかたくなな態度で迫ってきた。
 人員不足による労働強化と低賃金が日常的に医療労働者を襲っている。その上、これだけ一時金を減額されては生きていくことなど到底できない。「もうだめだ! 辞めてやる」と退職を口にする労働者も続出した。
 「労働条件の悪化や、一時金の低さが労働者を退職に追いこむような現状を突破する闘いをやります。生活できる一時金にしろ!」

 第1章 青年労働者軸に6波の指名スト

 組合員たちは腹を固めてストライキに突入した。文字どおりの「生きさせろ」ストライキだ。
 指名ストは11月25日を皮切りに連続6波にわたった。参加組合員数は延べ80人以上。昼休みを2回に分けて行う院前集会は10回を数え、延べ370人以上が結集した。
 「こんなに仕事に真剣に取り組んできたのに、この仕打ちはなんだ!」「私は本当に怒りでいっぱいです! これまで職場で組合加入など訴えてこなかったけど、みんな怒っていますから言います」「人員不足で職場はもう回らない。それなのにこの対応か!」「全面ストライキやろう!」 
 集会では次々と怒りの声が上がった。スピーカーも理事会がいる建物に向けられる。「私の生活を返して下さい! 私の夢を返せ!」と初めてマイクを握る青年労働者もこぶしをあげた。
 また、夜勤明けにもかかわらず病院周辺や患者家族へビラを配る、「おれもストに入れてくれ」と、積極的に動く青年労働者も続々と現れた。ストを経験したこともない青年労働者が前面に立ったのである。
 経営は「ストをやらないでくれ。シュプレヒコールはやめてくれ。赤い旗を振るな」と悲鳴をあげ、組合批判の文書を全職場にまき、切り崩しを図ってきた。団交では「将来展望のためにも赤字計上はできない。これが理解できなければやめて結構」と言い放つ。
 だが、こうした経営の態度に組合員は怒りと闘う意欲をさらに爆発させた。青年労働者は「労働組合が闘う意味が分かった。この現実を職場で知らせて団結をつくりたい」「お金を上げることも重要だけど、労働者の誇りですよね」と階級性に目覚めていった。
 「自分をストに入れてくれるなら組合に加入する」。非組である「隣の労働者」もストに圧倒的な共感を示した。そうした反応がスト決起の背中を押す。現場労働者が一丸となった。団結はますます固くなり、労働者は、自分たちが現場を動かしているという自信と誇りを取り戻していった。この力をして、一時金アップの再回答を引き出し、ストを勝利的に貫徹したのだ。

 第2章 再回答かちとりみなぎる勝利感

 「やったね!」
 12月2日昼休み、再回答の知らせを聞いた組合員が組合事務所に集まってきた。
 「経営の鉄の意志を崩した。ストはすごい攻撃力だ。この闘いはまったく正当なものだ。職場にどんどん広げていく」と青年労働者が自信をもって勝利の報告を行った。また、ストに入る予定だった青年労働者は「ストライキに入るのを楽しみに待っていたのに残念!」と笑顔で語った。
 委員長はこの闘争を「経営を動かしたのは、みんなで闘ったからだ」と総括し、「この闘いを春闘まで持続していく」と戦闘宣言を発した。
 書記長は「現場といっしょになって闘う執行部へと労働組合のあり方を変革して闘った」「今、リストラの嵐。この闘いをやめたらメシを食っていくこともできなくなる。病院を動かしているのは僕ら労働者だ。労働者には誇りがある。力がある。地域全体に春闘を広げる。春闘集会に総決起し、経営に圧倒的力を見せつけてやろう」と力強く方針を提起した。
 「生きさせろ!」ゼネストの09春闘へ向け、職場と地域の組織化が始まった。精研労組の闘いに続こう!
 (本紙記者・K)