2009年4月27日

団結ひろば 投稿コーナー

週刊『前進』10頁(2389号6面4)(2009/04/27)

団結ひろば 投稿コーナー

 第1章 MKの参入に札幌で怒りのタクシーデモ 北海道 J・S

 札幌市で21日、MKグループの22日からの開業を前に、MKの参入を認めた国土交通省北海道運輸局に抗議するタクシー労働者のデモが闘われました。宣伝カーを先頭に約40台のタクシーの車列が大通公園を一周。共感する他のタクシーも時々加わり、注目を集めました。デモの後、代表団が北海道運輸局に怒りの申し入れを行いました。
 規制緩和・増車によって札幌交通圏のタクシー労働者の収入は激減しました。業界団体である札幌ハイヤー協会は、札幌圏1万2千人のタクシー労働者の平均年収は約270万円だと言っています。しかし交運グループ共同交通の場合、3分の2が年収200万円以下、4割が100万円以下です。もはや普通の生活は成り立ちません。
 その結果、札幌圏のタクシー労働者は50歳以上が8割以上を占め、いわゆる派遣世代の青年からも敬遠されていることが分かります。これに大恐慌の影響が加わり、今や月収は1年前より5万円も減っていると言われています。
 タクシー労働者は、労働時間を極限的に延長し、規制を超えてスピードを上げ、仁義を無視して割り込みなどの客の奪い合いに走らざるをえません。そのため健康がむしばまれ事故が増加しています。それでも収入は減る一方ですから、突然の退職や家庭の崩壊、自殺が後を絶ちません。タクシー労働者の闘いは、まさに「生きさせろ!」の闘いなのです。

 第2章 裁判員制度反対集会で李弁護士が講演 長崎 橘 澪

 4月18日、「裁判員制度反対4・18長崎集会」が実行委員会の主催で長崎市内の教会で開催され約30人が集まりました。 集会では、李博盛(リパクスン)弁護士が「裁判員制度の問題点」と題して講演し、5月から実施されようとしている裁判員制度を徹底的に批判しました。
 多数決で人の有罪無罪を決める問題性、「市民参加」と言いながら実は労働者市民に非公開部分が増えるとんでもない現実、「被害者家族」の裁判参加も含めて感情に裁判が支配される恐れ、出頭義務を拒否すると罰金に処せられ良心的拒否は認められない問題、そして裁判員が非公開の評議で見聞きした中身の守秘義務を暴露。しかも裁判員は強制であり、死刑判決も出すわけで、この制度の先にあるのは徴兵制であり、戦争国家化だと訴えられました。そして戦前・戦中の歴史を振り返りながら「戦時下になるほど裁判は拙速になる。まさに裁判員制度は拙速化のための裁判制度であり、戦時下の裁判だ」と喝破されました。
 質疑応答では次々と質問が出ました。「試行錯誤した上で、より良い制度になるということはないのだろうか?」との質問には、「そもそも人の生き死にのかかった裁判で試行錯誤などしてはならない。生体実験そのものだ。だから裁判員制度はやってはならない制度だ」と李弁護士は答えました。また、アメリカの陪審制度やヨーロッパの参審制度についても論議となりました。日本の裁判員制度は、まったく別ものであり、体制側に労働者市民を取り込むための装置であることも明らかになりました。
 集会に先立ち、長崎の鉄橋で街頭宣伝も行いました。この集会を皮切りに、長崎でも裁判員制度反対の運動をさらに盛り上げていきたいと思います。