2009年5月25日

「在留カード」導入許すな! 6・3渋谷デモへ 入管法改悪を阻止しよう

週刊『前進』06頁(2392号6面2)(2009/05/25)

「在留カード」導入許すな! 6・3渋谷デモへ
 在日・滞日労働者と団結し入管法改悪を阻止しよう

 吹き荒れる戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃の一環として、在日・滞日外国人と日本労働者階級との合流・結合を阻むため新たな入管法改悪が今国会で狙われている。4月24日、衆院法務委員会で入管法改悪案の審議が開始され、今や採決寸前の情勢だ。世界大恐慌の中、世界的規模での労働者の団結を阻むものこそ、入管体制であり、入管法なのだ。入管体制絶対反対の動労千葉労働運動、11月集会派が在日・滞日労働者とスクラムを組んで公然と登場する共同闘争を実現する意義は巨大だ! 通常国会最終日の6月3日、入管法改悪阻止—「在留カード」導入粉砕・渋谷デモに決起しよう! 6・14—15連続闘争と一体で6・3渋谷デモを闘い抜こう!
 入管法改悪攻撃は、「国の形を変える」とした道州制攻撃そのものだ。在日・滞日外国人約220万人をさらに差別・分断し、法外滞在者を「内乱勢力」「革命勢力」と見なして治安管理を徹底強化しようとしている。そのために「新たな在留管理制度」=「在留カード」を導入するとともに、外国人登録法を廃止し、住民基本台帳に「外国人住民票」として組み込もうしている。国家権力による外国人管理の一元化であり、道州制攻撃そのものだ。
 今回の入管法改悪は第一に、在日朝鮮人・中国人などの特別永住者には「外登証」の代わりに「特別永住者証明書」を新設し、常時携帯・提示義務・刑事罰をそのまま継続するものとなっている。これは在日人民が指紋押捺(おうなつ)拒否闘争でかちとった指紋廃止を始めとする地平をなきものにしようとする許し難い攻撃だ。しかも特殊的・歴史的存在としての在日朝鮮人・中国人を一般外国人と同様に入管法のもとに一元的に管理することなど許してはならない。
 第二に、特別永住者を除く「中長期在留者」に対しては、「在留カード」制度導入を画策している。中長期在留者とは誰か。現在143万人に上っており、徹底して治安管理できるかどうかが入管体制維持の要となっている存在だ。研修生であったり、実習生であったり、技術者や留学生であったり、日本政府の労働力政策の環として在留している。この対象者は、つねに「在留カード」を携帯し、官憲に提示を求められたら提示しなければならない。日本経団連を始めブルジョアジーは「多文化共生社会」をうたい、日帝の国益にかなった外国人を育成し、資本と国家のために忠誠を尽くすことを強制しようというのだ。
 またマスコミなどが今次改悪案の目玉として宣伝している点だが、研修生や技能実習生について、「技能実習」という在留資格を新設し、1年目から最低賃金法や労働基準法が適用できるようにするという。まさに現行の低賃金労働者としての現実の追認であり、国策としての労働力確保政策そのものだ。
 第三に、「短期滞在者」や法務省が「不法在留」と見なす外国人に対しては「在留カード」は交付されない。非正規滞在者や難民申請者とその家族が、一切の人間的権利から除外され、労働者として生きる権利を奪われてしまう。昨年1599人に上った難民申請者。しかし、日本の難民認定は毎年数十人にとどまっている。その人たちを、日帝は、「在留カード」なしとして追放の対象にしようというのだ。こんな差別と排外主義を断固として阻止しよう。
 4〜5月入管闘争は、動労千葉労働運動の実践を真っ正面から掲げて、大きな勝利的地平を切り開いた。民主労総ソウル本部チェジョンジン本部長は「新自由主義を打破し、代案社会を建設していく課題こそ、世界の労働者の共通の課題だ」と提起、これを受けて、動労千葉の田中康宏委員長は「この時代、この現実に対するわれわれの回答は社会主義の実現だ」と言い切った。これこそ世界大恐慌下における労働者階級の闘う方針だ!
 戦争と改憲、民営化と労組破壊の中で推し進められる入管法改悪攻撃を全力で粉砕しよう。入管体制は、全世界の労働者が団結することを恐れた国家権力とブルジョアジーによってつくられた体制だ。労働者階級が団結を求めて決起したとき、入管体制は無力になってしまう。6・3の爆発は法政大弾圧を粉砕し、6・14−15闘争の勝利を実現する闘いだ! 在日・滞日外国人と団結し、衆院採決を阻止し、改悪入管法を廃案にしよう!  6・3渋谷デモを全力で闘いとろう。
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 日程 6・3渋谷デモ
入管法改悪阻止! 「在留カード」導入を許すな!
6・3渋谷デモ
6月3日(水)午後1時半結集、2時集会、2時半デモ出発
渋谷・宮下公園(渋谷駅下車)
 主催 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会実行委員会