2009年5月25日

迎賓館・横田爆取 弁護側立証へ前進 早期結審を粉砕

週刊『前進』06頁(2392号6面4)(2009/05/25)

迎賓館・横田爆取裁判
 弁護側立証へ前進
 早期結審策動を粉砕

 5月11日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判差し戻し審の第16回公判が東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で開かれた。前回に引き続き手続きのみの公判となったが、今回も「被告が裁く裁判」が力強く闘い抜かれた。いつもどおり、開廷後すかさず須賀武敏・十亀弘史・板垣宏の3同志が意見陳述に立ち、法廷の方向を決した。
 まず板垣同志が、差し戻し審における検察官「立証」の最大の柱となっている「金沢借家関連証拠」がなんの証拠にもならず、同借家関連証人である現役公安刑事藤井俊裕の「証言」が虚構そのものであることを明らかにし、検察官立証が立証として成立しないことを具体的に論じきった。続いて須賀同志が、弁護人が求めている証拠開示のすべてを実現させるよう強く迫った上で、「金沢借家関連証拠」の無意味性を明らかにし、「唯一正しい、かつあたり前の判決」としての無罪判決を、と気迫を込めて訴えた。さらに十亀同志が、「あらためて根本的なことを述べる」として、本件のデッチあげの構造と経緯を明らかにし、無罪判決を破棄した控訴審判決の卑劣な政治性を厳しく弾劾した。
 この後、弁護人が「証拠開示請求」と弁護側「証拠調請求」を行った。「証拠開示」は検察官が独占している「証拠」のうち3同志の無実を証明するものの「開示」を求める当然の請求だ。「証拠調請求」は、検察官立証を打ち崩す「弾劾証拠」と、新たに被告の無罪を立証する「新証拠」の2種の証拠調べを求めるものである。それらに対して検察官は、一部で「同意」、一部で「不同意」との意見を述べて抵抗し、裁判所も判断を留保した。検察官も裁判所も真実が明らかになることを極度に恐れているのだ。
 しかし、無罪証拠の開示がないまま、弁護側立証に入るわけには行かない。被告・弁護人は法廷における闘いと閉廷後の折衝によって、「6月4日」と予定されていた次回公判の中止をかちとった(次回以降の公判日程は現時点では未定)。完璧(かんぺき)な弁護側立証とその十分な準備を目指して早期結審策動を吹っ飛ばした。それは同時に、「簡易・迅速」な裁判をもくろむ裁判員制度と真っ向から対決する闘争の勝利でもある。
 法政大の闘う学生に対して暴力行使そのものの弾圧が吹き荒れている。革命の前進は常にデッチあげを含む治安弾圧を激化させる。しかし、団結の力は無限だ。弾圧は闘いを倍加させるだけである。迎賓館・横田裁判闘争もすでに22年間デッチあげ弾圧を打ち砕き続け、そしていま差し戻し審の弁護側立証に向けて新たな勝利の地平を切り開いている。