2009年10月19日

反対同盟 闘いの決意

週刊『前進』06頁(2412号4面2)(2009/10/19)

反対同盟 闘いの決意

 人民の怒りが包囲空港は完成しない 主催者あいさつ 事務局長 北原鉱治さん

 本日の集会は晴天になり、多くの人が集まりました。みなさん。この山野を見てください。滑走路、誘導路を無理やり造ってめちゃめちゃに自然が破壊されてしまいました。だが、43年間みなさんとともに代償を求めることなく闘ってきた反対同盟は健在です。
 自民から民主に政権が交代しましたが、何か変わったんでしょうか。政治の中身はまったく変わっちゃいない。
 今日ここに集まった労働者、農民、学生のみなさんは、他に頼るのではなく、自らが動かない限り世の中は変わらない、そういう気概で、三里塚闘争をわが闘いとして結集されたと思います。
 三里塚43年の歴史を振り返ると、国家権力によるだまし討ちの連続でした。権力には、正義というものが一片のかけらもありません。成田空港建設は、最初から法律を守っていない。きちんと地域住民に公聴会なり説明会なりを開くという手続きも一切なく、1966年の6月23日に内定、2週間足らずの7月4日に閣議決定に持ち込んだわけです。法的手続きを一切省略して力ずくで進めてきた。その結果、当初の計画では30年前に3本の滑走路ができなくてはならなかったものが、現在になっても1本半しかできていない。
 なぜできないのか。人民大衆の国家への怒りがこの空港を包囲しているからです。
 このような欠陥成田空港に、有事の際には米軍50万人が飛来し、この成田空港を拠点にすると言っている。二度と戦争を許さないためにこのような軍事空港を認めることはできない。
 勝てます。追い込んでます。もう一歩この闘いが進めば、絶対に軍事空港を粉砕できる。
 これからの、若い労働者・学生の未来のために責任を持って闘いましょう。三里塚闘争は全国の人びとの共有の財産です。未来のある日本をつくる責任が私たちにはあります。みなさんとともに反対同盟は闘います。

 「農地死守」原則を守り廃港まで闘う 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 本日は遠方よりお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。
 親父が死んで、私が成田に帰ってきて10年がたちました。みなさまの助けを借りて、やって参りました。なによりも反対同盟43年の闘いは、まわりのいろんな人たちの支えでやってきました。そして同盟はあくまでも「農地死守」の原則を守り闘ってきました。
 現闘本部裁判が緊迫した状況を迎えました。現場検証をしない、証人調べもしないという、仲戸川裁判長の許せない攻撃が続いています。こんな不当なことを許すわけにはいきません。
 そして7月から暫定滑走路東側の新誘導路が供用された。だが、造ったものの、下りてくる飛行機と待機している飛行機がぶつかっちゃう危険が大きいという新誘導路です。ああいうものは造るべきではなかった。
 そして、うちの家と畑を囲い込んで造られようとしている「第3誘導路」ももってのほかです。これだけ航空需要が下がり続けている中で、大型機を飛ばす必要はまったくない。
 年間30万回、24時間空港化を掲げていますが、その先にあるのは軍事空港です。
 親父は土地収用法と闘いましたが、私は農地法と闘います。本来の農地法は、「耕す者に権利あり」とうたったものですが、改悪してその第1条を削除しました。結局農家から農地を取り上げ、企業に引き渡すことを目的にしています。すべての人たちにかけられた攻撃です。
 反対同盟は動労千葉と車の両輪となって闘ってきました。北富士、沖縄、戦争と差別に反対する人びとと共闘して闘ってきました。これからも皆さんとともに廃港まで闘います。

 11月結審を許さず労農同盟の飛躍を 基調報告 事務局次長 萩原進さん

 民主党が政権をとり、自民党が大敗北しました。労働者・民衆の怒りの結果です。問題はこれからだ。この怒りをどうやって社会を変える三里塚派、動労千葉派に変え獲得していくのか。
 3月の集会以降、東側誘導路の供用開始、裁判での反動的訴訟指揮、そして第3誘導路建設計画の発表、10月22日から暫定滑走路北延伸の前倒し供用を開始——。常識では考えられない攻撃が三里塚に次々とかけられている。1本の滑走路に3本もの誘導路を造ろうなんて、こんな空港はありません。
 差し迫る闘いは、ひとつは裁判闘争です。判決を下ろされたら終わりではなく、現地に帰ってきて、そこで肉弾戦になり武装して血を流して闘いぬく。形を変えた代執行との闘いです。今日この場で皆さんにもこのことを肝に銘じていただきたい。反対同盟は決意を固めました。やります!
 現闘本部裁判は11月結審を狙っている。あらゆる手段を使って、その策動を法廷で粉砕します。判決文は、彼の頭の中ではすでにできている。彼らは本部を取ろうと構えている。だから本気で現地攻防を構えよう。
 次に市東さんの農地を農地法を逆手に取って取り上げようとしている。これが解散前の通常国会でやられた農地法改悪の中身です。農地をどんどん公共性の名のもとに収奪し、企業が農地を買いあさる。そして自由に農民を労働者として使っていこうとしている。
 階級闘争の主人公は、労働者です。そこに三里塚が全国の農民階層に呼びかけて農民の決起をはかり、労働者の同盟軍として加わりともに闘う。そういう労農同盟論の中で闘う三里塚をもっと飛躍させていきたい。
 市東さんの家の脇に第3誘導路を造ろうとしている。そして飛行回数20万回を30万回に引き上げようとしている。30万回化の真の狙いは市東さんをたたき出すこと、そして東峰部落をなくすことですよ。22日からの暫定滑走路北延伸供用開始もそうです。大型機を飛ばし、その騒音化の中で「お前ら、まだここで生活していくのか」と迫ってくる。これを絶対に打ち返していかなくてはならない。
 今闘わずしていつ闘うのか! 三里塚の闘いをもう一度全国化し、暫定滑走路を粉砕して4千㍍滑走路に攻め上る。そういう闘いを展開すれば絶対に勝利できる。この階級情勢の中で、ここに三里塚あり、ここに動労千葉ありという闘いをたたきつけよう。