2009年11月 9日

国際連帯こそ変革の力 日・韓・米・ブラジル討論集会

週刊『前進』06頁(2415号4面1)(2009/11/09)

全世界労働者の課題は同じ
 国際連帯こそ変革の力
 日・韓・米・ブラジル討論集会

 11・1労働者集会前日の10月31日、千葉市内で、動労千葉の主催のもと、来日したアメリカ、韓国、ブラジルの代表を招いて国際連帯討論集会が開かれた。動労千葉の長田敏之書記長による日本の階級情勢についての報告を始め、各国の闘いが報告される中、労働者階級が直面している課題はどこでもまったく同じであることがあらためて鮮明に突き出された。
 世界の労働者には、世界大恐慌下で大失業・戦争と対決するために、新しい戦闘的なリーダーシップが必要だ!——全参加者がこの点で一致し、翌日の集会の大成功を闘いとることを誓い合った。
 まず、主催者として長田書記長が歓迎の言葉を述べ、日本の労働運動の情勢を報告し、国鉄1047名解雇撤回闘争の意義と、動労千葉が貫いてきた階級的労働運動の路線と展望を明らかにした。
 アメリカからは、TWSC(運輸労働者連帯委員会)のスティーブ・ゼルツァーさんやILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10のアンソニー・レヴィージさんらが、アフガニスタンでのオバマの戦争政策に怒りを表明した。「労働者の犠牲による資本主義の再建など絶対に許さない」(レヴィージさん)
 ジョセフ・プリスコさんはAMFA(航空整備士労組)ローカル9の委員長として長期ストを闘い、11月集会には05年、06年に続き3度目の参加。今回はIBT(国際トラック運転手労組、チームスターズ)の組合員として参加した。組合が御用組合に乗っ取られたが、ランク&ファイルとして所属する組合を職場から闘う組合に変えていくと発言した。この間、労災事故で重傷を負うなど厳しい中で不屈に闘うプリスコさんの登場は感動的だった。
 ブラジルから初参加したファビオ・ボスコさんは、労働運動の指導者だった人物が権力の座についたとたんに(02年ルラ政権成立)大資本の手先に変質したと、ブラジルの現情勢と闘いを報告し、「労働組合破壊攻撃と闘おう!」と訴えた。「来年のコンルータスの大会には皆さん来てください」と招請した。
 韓国からは民主労総ソウル地域本部のチェジョンジン本部長が代表参加し、労働者の生存権そのものを奪うイミョンバク政権の攻撃に対し、団結を固めて立ち向かう決意を明らかにした。公務員労組への弾圧激化に対し公共部門のストライキを準備していると報告した。
 日米の学生の発言も感動を呼んだ。カリフォルニア大学バークレー校からやってきたSWAT(学生・労働者行動チーム)のクレア・キーティングさんは、学生と労働者の共同行動こそが闘いの爆発にとって決定的だったと語り、5千人が決起した9月のカリフォルニア大学のストライキを報告した。11月17日からは3日間にわたりカリフォルニア州のあらゆる教育機関をぶっとめる大ストライキに突入する決意を明らかにした。
 これに応えて全学連委員長代行の坂野陽平君が「『教育の民営化反対! 教育を学生の手に奪い返そう!』というスローガンは、日本もアメリカもまったく同じだ。世界の学生が団結して闘う中に未来がある」と呼びかけた。
 質疑応答の中で「コンルータスは来年組織統合するということだが、大丈夫なのか」との質問が出されたが、ファビオさんは「戦闘的労働組合の統合であり、右に行くことはない」ときっぱり宣言した。
 また長田書記長から、国鉄分割・民営化の張本人であるJR総連が、今日仲間づらをして韓国やフィリピンなどで労働組合への接近を画策していることに対し、その正体を暴いて闘うことが訴えられた。
 資本の支配を終わらせるために、闘う労働組合をよみがえらせるために、最先頭で闘っている同志たちがここにいる。この国際連帯と団結の拡大こそが全世界を変革する力であるという実感を、全発言者、全参加者が共有した。