2010年3月 8日

4・23法大解放へ 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』06頁(2430号5面1)(2010/03/08)

6学生を奪還!4・23法大解放へ
 新自由主義と民営化に対決3・20イラク反戦全世界一斉デモを
 革共同中央学生組織委員会

 2月26日、「2・5法大入試ビラまき弾圧」でデッチあげ逮捕された6人の学生全員の不起訴釈放をかちとった。支配階級が入試情宣禁止「仮処分」と「威力業務妨害」の逮捕にかけた改憲—階級闘争圧殺のもくろみをはね返したのだ。2・1〜2動労千葉スト、2・13労働者集会の成功、2・25三里塚現闘本部裁判「仮執行」付判決粉砕に続く偉大な勝利だ。国鉄・沖縄・三里塚・法大で国家権力・資本との大激突に勝ち抜くことが2010年階級闘争の構造だ。敵は磐石ではない。追いつめられているのは、大恐慌に直撃される帝国主義ブルジョアジーだ。動労千葉の3・1第2波スト決起に応え、3・20イラク反戦7周年デモ、3・28三里塚全国集会、そして4・23法大解放総決起集会と5月沖縄現地闘争へ攻め上ろう!

 「営業権」ふりかざした入試情宣弾圧を粉砕!

 「2・5弾圧」を完全にうち砕き、2010年緒戦で権力に敗北を強制した意義は大きい。
 一つに、6学生が完全黙秘を貫き、「4年間で118人逮捕—33人起訴」という空前の弾圧に一歩もひかない法大闘争の真価をたたきつけたことだ。刑事・検事どもは6人の闘志に圧倒され、起訴策動は破産した。
 二つに、「営業権」なるデタラメな論理を粉砕したことだ。法大資本は入試情宣禁止を求める「仮処分申立書」で、「必要十分な数の学生の法政大学への入学を実現するための各種活動は債権者にとって極めて重要な業務であり、債権者の有する営業権の範囲」だが「債務者らの行為により重大にして著しく回復困難な損害を被る恐れがある」などと主張している。つまり入試は営業活動であり、法大資本の学生集めのためにはビラまき行為すら許さないと、恥知らずな「資本の論理」を主張している。
 そしてそれに司法権力がお墨付きを与え、「仮処分」の対象にされていない学生による正門前での情宣活動に「威力業務妨害」をこじつけ、警察権力が襲いかかったのが2・5弾圧だった。
 大恐慌で私大受験者数が激減し、法政大学も存亡の危機に立たされる中、法大資本の延命のために司法・警察・検察と癒着して憲法までも停止したのだ。これこそ新自由主義的腐敗の極致であり、一法政大学にとどまらず、「資本の論理は憲法をこえる」という労働者・学生への恫喝そのものであった。
 2月前半の法大入試情宣は、この「資本の論理」への受験生の怒りの爆発として高揚した。多くの受験生が6学生奪還署名に応じ、「受験生を受験料3万5千円としてしか見ない」「学生を商品としてしか見ない」法大資本への怒りで全学連・文化連盟と結びつき、それが不起訴釈放の巨大な力となった。
 昨年の暴処法弾圧をはね返し8学生を取り戻した地平の上に、「営業権」と激突した入試決戦を経て、2010年法大闘争はむき出しの「賃労働と資本」の全面激突に入った。この闘いは、法大闘争が全世界の労働者・学生と結合していく環になってきている。団結の力にのみ依拠して資本・権力と非和解的対決を貫く中で、法大闘争は闘えば闘うほどに普遍性と路線性を獲得している。
 三つに、2・13労働者集会を頂点にした11月集会派の労働者・学生が2月闘争の高揚、その階級的力関係の転換の中で不起訴釈放をかちとったことだ。

 訪米団が教育の民営化粉砕ゼネストに合流

 支配階級の攻撃は根底的であり「常識破り」であり、あいまいな闘いは一切通用しない。その最も激しい激突点である国鉄・沖縄・三里塚・法大という戦場でさらに激しく闘い抜く中で必ず展望は切り開けるし、敵を押し返せることを2月闘争は実証した。法大闘争をブルジョアジーとの階級闘争の一環として爆発させよう。
 国家権力と法大当局は、4月新歓と4・23法大集会に再び「情宣禁止仮処分」を発動しようとしている。オープンキャンパスや入試だけでなく、今度は新歓も授業もサークルも大学祭もすべて「営業」だというのだ。われわれはこの策動を断じて許さない。
 3月4日、全学連訪米団は弾圧粉砕と4年間の法大闘争の地平を引っさげ、カリフォルニア大学バークレー校で教育ゼネストに合流した。感動的な事態だ。全学連と法大闘争は2010年、世界に向かって飛躍する。
 「公教育破壊と闘う」3・4全州教育ストに全学連を招待したカリフォルニア大の闘う学生は、2・5弾圧という訪米行動への事前妨害に激しく怒り、日本領事館への抗議行動に決起した。ブラジル、ドイツなどから国境をこえた弾劾メッセージが続々届いた。
 共通しているのは、新自由主義と民営化(団結破壊)に対する怒りだ。その大焦点が「教育と大学」だ。3・4ゼネストは、教育というテーマをとおして労働者・学生が共闘し、「幼稚園から大学まで」一斉にストに立ち上がるという、アメリカ階級闘争の歴史を塗り替える闘いだ。
 バークレー校で先進的な学生組織建設を目指す活動家グループの機関紙『労働者の声』にはこう書いてある。
 「学生と労働者の団結の客観的基盤——学生も労働者である——この歴史的運動の中で労働者の参加は決定的だ。労働者の闘いは学生のラジカリズムの前で影が薄くなりがちだが、公教育のための闘いは、学生の軸足と労働者の軸足を持った巨人とも言える。とりわけ、労働者の軸足を強くしなければならない」
 「学生は無条件で労働者を支持する必要がある。学生は賃金労働者にならざるをえない。そして労働条件の改悪や労働権の侵害が労働者総体への致命的打撃になる。だから労働者は再び闘いの中心に座らなければならない……学生はランク&ファイル労働者とともにアジり、行動すべきだ」
 問題意識と課題は同じだ。動労千葉がつくり出してきた11月労働者集会を軸とする国際連帯は、全学連とカリフォルニア州数十万の労働者・学生との大合流にまで発展した。焦りにかられた日米帝国主義者の渡航妨害を打ち破り、帝国主義打倒に突き進むインターナショナルの歴史の1ページを押し開こう。

 学生・教育食い尽くす資本主義にとどめを!

 「教育の民営化(私物化)」による大学の現状はすさまじい。もはや学生の怒りは爆発寸前だ。全国300万学生は、資本主義にとどめをさす歴史的主体だ。
●学生への大失業攻撃
 大恐慌が大失業として学生に襲いかかっている。大学生の就職内定率は73・1%(12月)、高校生は74・8%(同)だ。保護者の失業などで「仕送りゼロの下宿生」は97年の1・9%から09年は10・2%に激増し、過去最高だ。
●とめどない学費高騰
 学費高騰で、キャンパスが搾取と収奪の場となっている。私立大の初年度納付金(平均)は、75年の37万3千円から08年には130万9千円に、国立大は同8万6千円から同81万8千円にはね上がった。08年末時点の授業料滞納率は2・7%で、1年前から3倍に激増した。09年の奨学金受給率37・2%、毎月の受給平均額6万円超はいずれも過去最高だ。
●奨学金でがんじがらめ
 日本学生支援機構(旧日本育英会)が07年度末に抱える滞納3カ月以上の「未回収金」は、2253億円で過去最高となった。延滞者の66%が年収200万円以下だ。
 そして返済が3カ月滞れば「ブラックリスト」化され、名簿が金融機関に流される。『ルポ・貧困大国アメリカⅡ』(堤未果著)で暴かれた極悪学資ローン機構〈サリーメイ〉と同じ、学生を食い物にする構造だ。
 「卒業し社会に出るみなさんは、自分の力で生活しながら奨学金を返還していかなければなりません。『借りたものを返す』のは社会の基本ルール。約束どおり必ず返還し、奨学生としての責任を果たしてください」(同機構の返還督促ポスター)。ふざけるな! 青年・学生から職を奪っているのは誰だ! 税金を「公的資金」で注入してのうのうと延命しているやつは誰だ! 今こそ学費も誇りも奪われたものすべて奪い返そう!
●大学院政策の破綻
 90年代以降の大学院重点化政策は、就職難の現状につけ込み、さらに学費を払わせて大学院に吸収する「官製資格ビジネス」だった。大学院在学者は、91年の9万8650人から08年の26万2655人に激増したが、もはや破産寸前だ。09年の博士課程修了者の就職率は64%だ。「高学歴ワーキングプア」の現実だ。
 一つは法科大学院(ロースクール)政策だ。「高い確率で弁護士になれる」を売り文句に乱立し、高い学費(法政大学の初年度納付金は約150万円)をむしりとった結果が、新司法試験合格率28%(09年)という惨状だ。しかも5年間で3回不合格だと受験資格そのものを奪われる。全74校中59校が定員割れという事態で、来年度までに73校が入学定員を見直す。商業マスコミさえ「ぶざまな状態」(西日本新聞)、「受験生たちから『国による詐欺だ』との声も漏れる」(読売新聞)と批判する状態だ。
 いま一つは教職大学院政策だ。08年度にスタートしたが、すでに半数近くが定員割れだ(24校中11校)。民主党は、教員免許改革案として教員養成課程の6年制化で首切り強化と聖職教師づくりを狙っているが、出発点から破産している。

 教育民営化・大学法人化と対決し未来取り戻せ

 許しがたいのは、大学当局がこの「公教育の破壊」「教育切り捨て」で学生の未来を奪う先兵となっていることだ。「事業仕分け」に対する「わが国の国際競争力の低下が危ぶまれる」(九州11大学学長声明)などの批判は、帝国主義間争闘戦の立場に立つものであり反動的だ。また国立大学法人化後の5年間で大学運営交付金が720億円も削減され、廃寮化、サークル破壊、非正規職化と雇い止めとなって襲いかかっている。
 こうしたすべての怒りが2010年に爆発する。キャンパスに闘いの火種はいくらでもある。カリフォルニア州の怒りのゼネストは必ず日本学生運動に飛び火する。何よりも民営化・法人化による団結破壊(自治破壊)との対決を資本との闘いとして爆発させていくことだ。法大闘争が生み出した「教育の民営化粉砕!」「大学・教育・未来を取り戻せ!」こそ300万学生の普遍的スローガンだ。
 全国のみなさん! 自らが切り開いた地平を確信し、3・4訪米闘争から3・20ワーカーズアクション主催イラク反戦デモ、4・23法大解放総決起集会を大爆発させよう。権力をわが手に握り締めよう。一切のうねりを革命的労働者党(マルクス主義学生同盟中核派)建設へと集約し、プロレタリア革命によって新たな人類史をこじ開けよう!