2010年3月29日

西郡住宅裁判 八尾市の悪行を暴ききる

週刊『前進』06頁(2433号2面6)(2010/03/29)

“青年労働者を代表し証言する”
 西郡住宅裁判 八尾市の悪行を暴ききる

 西郡住宅裁判が3月19日、大阪地裁民事25部(稲葉重子裁判長)で開かれ、画期的で決定的な勝利がもぎ取られた。
 裁判を前に、岡邨洋部落解放同盟全国連合会西郡支部長を先頭に大阪市役所から大阪地裁へ昼休みデモ。裁判が開かれる202号大法廷には西郡支部、八尾北命と健康を守る会、八尾北医療センター労組、全関西から青年労働者が休暇を取って駆けつけ敵を圧倒した。
 証言に立った西郡の青年労働者A君は「2千万青年労働者を代表して証言する」「私は森精機のストに参加し勇気と希望をもらった。派遣労働者が首を切られ寮から追い出される。これは応能応益で住めなくなり生きていけない西郡と同じだ。分断を打ち破り『使い捨てにする資本に対して団結して闘おう』と呼びかける派遣労働者の姿にとても感動した。労働者は差別すると教えられてきたが違っていた。西郡の旗を立てたいと思った」と堂々と証言した。
 A君は10年かけてコツコツ貯金した結婚資金をごっそり差し押さえられた。八尾市の代理人は「払えという最高裁判決が出ている」と難癖をつけたが、A君は「不当判決だ。自分たちはここに住む権利があり、供託で団結しなければバラバラにされ村はなくなっていた」と八尾市をたたきのめした。傍聴者は大拍手でこたえた。
 A君に先立って最初に証言に立った末光道正八尾市議は、応能応益は住民追い出し=住宅民営化であり、一切を供託つぶしに据えて襲いかかる八尾市のうそとだまし、脅しの実態を丸裸にした。
 例えば八尾市は、供託して闘った生活保護者に「収入を申告してないから」と本来の家賃は8600円なのに4万3300円も請求し、本人が亡くなったらその「借金」を子どもに押しつけた。
 また「不執行の合意」(「期日までに来庁しないと強硬手段に訴える」という通知の期限を解除して話し合う約束)をなかったことにして今回の差し押さえを強行した。その手口は、「延期できないと断った」という公文書のねつ造だ。
 これについて弁護団はやりとりが鮮明に記録されたテープを証拠として突きつけた。法廷に引きずり出された橋本安夫元建築長と石田広次元住宅管理課次長は「隠しどりはひどい」と泣き言しか言えなかった。一斉に傍聴席の怒りが爆発した。追いつめられた市の代理人は傍聴席に八つ当たりし墓穴を掘った。
 私たちは八尾市をグウの音も出ないまでに追いつめた。昨年の2・26住宅明渡し強制執行と闘った森本政二さんは「スカッとした。かたきをとってくれた」と述べた。
 原告・支部と弁護団は、準備過程で真剣に激しい討論を積み重ねた。「裁判所に救済をお願いするのではない。自ら闘って応能応益を裁き、八尾市の団結破壊を暴き、道州制=民営化への6千万労働者の怒りと結びつく証言をやりぬきたい」という原告・支部の魂が弁護団を揺り動かした。ここでの団結が応能応益絶対反対の正義性と八尾市の悪行を満天下に明らかにした真の力だ。
 私たちが2・26で始めた差別・分断を打ち破りひとつの労働者階級として団結して闘う解放運動の路線が、国家権力相手に決定的勝利を切り開いたのだ。私たちはさらに八尾市を追いつめ、八尾北医療センター売却粉砕! 3・31を突き抜け数年がかりの大闘争に突入する。国鉄1047名解雇撤回、外注化阻止の国鉄決戦で民主党・連合政権打倒! ともに闘おう。
 (投稿/全国連西郡支部 植村清)