2010年4月12日

紹介 共産主義者164号 法大・国鉄・沖縄闘争軸に

週刊『前進』06頁(2435号6面4)(2010/04/12)

紹介 共産主義者164号
 法大・国鉄・沖縄闘争を軸に4-5月決戦論を縦横に展開

 本号のテーマは、動労千葉のストライキを先頭にして、JR東の検修業務全面外注化4月実施を完全破産にたたき込んだ1〜3月の闘いに続き、1047名解雇撤回闘争の解体を策す民主党・連合政権打倒の4〜5月決戦論としてある。

 学生運動と国鉄闘争爆発は一体

 学生論文を巻頭に、現下の階級攻防の基軸になっている国鉄闘争、さらに沖縄闘争、入管闘争、星野同志奪還闘争と続く。これら五つの論文はどれも、民主党・連合政権打倒の展望を力強く示すものだ。巻末には、本年1・1政治局アピールを再録している。
 巻頭の革共同中央学生組織委員会論文「教育の民営化粉砕! 4−5月攻防に勝利し全国大学ストへ」は、06年から今日まで118人の逮捕を粉砕し、全学連と法大文化連盟が強固な団結を形成し、法大闘争が力強く前進していることが生き生きと伝わってくる。
 本稿では特に、09年に切り開いた「『教育の民営化粉砕!』路線の確立とその深化」に力点がおかれている。法大闘争や米・欧で激しく爆発する「教育民営化粉砕!」の闘いの背景には、「階級支配と搾取の機関」に純化した「教育」の現実がある。それゆえ「教育の民営化粉砕!」路線には国際的普遍性があることが鋭く突きだされている。3月訪米闘争で、「法大闘争はその先端に位置する闘いであり、世界の怒れる学生を糾合していく質をもったものである」と確信したことが決定的に大きい。
 現在、学生を襲う教育の民営化の恐るべき現実は、資本主義の末期を示し、学生運動の爆発的発展を予感させる。それが階級闘争全体の高揚を切り開く核となる。
 「国鉄1047名解雇撤回! 5・27控訴審闘争に勝利しよう」の脇村肇論文は、「〈国労と国鉄労働運動を解体する「政治解決」の道>か、〈1047名解雇撤回・検修外注化粉砕を闘う動労千葉の道>かの歴史的分岐点に立っている」ことをまず確認している。その上で控訴審闘争の勝利のために、国鉄1047名闘争そのものである5・27弾圧粉砕闘争の切り開いた地平を明らかにしている。1047名解雇撤回闘争の経過が整理されていて、国鉄決戦の全体像がつかみやすい構造になっている。
 「闘いを内側から変質させ、解体していく体制内指導部の屈服と裏切り」に怒りが沸くと同時に、一審での暴処法粉砕の階級的意義も鮮明になる。1047名闘争の解体を断じて許さず、第2次国鉄決戦勝利の全国大運動へ突入しよう。

 沖縄基地撤去・安保粉砕の路線

 「沖縄基地撤去・安保粉砕の新たな階級的決起を」の高田隆志論文は、日米同盟=安保体制との関係で普天間問題、核密約問題に切り込んだホットな路線論文である。鳩山の言う「対等な日米関係」とは「米帝と肩を並べて血を流す関係」としての「日米同盟の深化」ということだ。これまでの日米安保とは決定的に違い、「軍事的世界展開をストレートにおこなう」ために明文改憲と核武装がもくろまれていることが鮮明になった。沖縄闘争の大爆発を闘いとる絶好機の到来である。
 革共同入管闘争組織委員会の「階級的団結で入管体制うち砕け」は、09年の綱領草案こそ改悪入管法下の新たな入管闘争の核心であることを明確にし、昨年11月労働者集会の画期的地平を引き継ぎ闘うアピールだ。鳩山政権が進める「外国人参政権法案」や「高校の無償化」を契機とした排外主義の扇動、外国人を治安管理の対象として分断支配しようとする「在留カード」導入に対して、在日・滞日外国人労働者とともに怒りを爆発させ、労働者階級の国際的団結の力で粉砕しよう。

 労働者階級の力で星野奪還を!

 「第2次再審闘争の前進で星野文昭同志を取り戻そう」の野上巌論文は、獄中35年、不屈に闘う誇るべき星野同志の存在をこの上なく明らかにしている。そして、星野奪還闘争の展望を明々と照らし、読む者を引きつける。あらためて権力に対する根底からの怒りと、星野同志の闘いがすべてのプロレタリアートの心をとらえること、星野同志は必ず奪還できるという、確信に満ちた筆者の熱い思いが強烈に伝わってくる。
 昨年11月、第2次再審闘争が無実を裏付ける新たな証拠の提出で始まった。この闘いを労働者階級人民の力で勝利させるための、まさに必読の論文と言える。