2010年4月26日

〈焦点〉 財界が消費税17%を提言

週刊『前進』06頁(2437号5面5)(2010/04/26)

〈焦点〉 財界が消費税17%を提言
 財政破綻に恐怖し凶暴化

 4月13日、日本経団連と経済同友会が、6月にも発表が予定されている鳩山内閣の「新成長戦略」へのそれぞれの提言を発表した。
 いずれも、消費税大増税という労働者階級への大攻撃を打ち出していることが特徴だ。これは、今年度の政府の当初予算で新規国債発行額が税収を大幅に上回り、財政赤字が天文学的に拡大していくという財政破綻におびえた資本家どもの凶暴な攻撃である。
 鳩山−民主党・連合政権の「新成長戦略」は、自民党政権時代とは違った日帝の成長のあり方を提示するとして昨年12月30日に基本方針を打ち出し、6月までに具体化させるというものだ。
 民主党・連合政権は、普天間問題の5月決着の絶望化と2割台に落ちた支持率から、政権崩壊の危機にある。だからこそ鳩山は「新成長戦略」を押し立てて参議院選挙に臨もうとしている。
 経団連は民主党・連合政権の誕生によってそれまで自民党一本槍だった路線が破綻し、政府との関係がいったんは切れるという危機に直面した。民主党との関係修復に連合のダラ幹を使うことまでやった御手洗・経団連は、提言において資本家の階級的利害をむき出しに、①企業の国際競争力の強化とそのための法人税の大幅減税、②財政危機対策として消費税の大増税、③アジア戦略とEPA・FTA締結の加速、④道州制攻撃を真正面から打ち出している。
 とりわけ消費税については11年度から段階的に10%程度まで引き上げ、20年半ばまでに10%台後半ないしそれ以上にすると公言している。資本家には減税しておいて、労働者階級からは、あらゆるものを買うたびに2割も税金で巻き上げようというのだ。まったくもって許し難い。
 民主党・連合政権に入り込んでいる経済同友会にしても、まったく同じだ。彼らの提言は、「消費税率については、2013年度に10%、15年度に15%、17年度には17%とする」となっている。
 そして政権内部からも、「消費税増税は4年間凍結」とした鳩山政権の方針に反して、菅財務相や仙谷国家戦略相が消費税増税を口にし出している。
 このようにブルジョアジーが口をそろえて消費税大増税を主張する背景には、日帝の絶望的な財政危機がある。国際帝国主義は大恐慌に直面してこの間、1929年の世界大恐慌を上回る空前絶後の財政・金融政策を展開し、大規模な資本救済を行ってきた。その結果、恐慌は「底を打った」などと宣伝されているが、これは金融機関の救済を国家財政の破綻へと移し替えたものであり、大恐慌をいよいよ激化させ、ギリシャを始め各国の国家的破綻と革命情勢を生み出している。
 日帝はバブル崩壊以降の危機脱出のために膨大な赤字国債を垂れ流してきた。その結果、債務残高は加速度的に積みあがって1000兆円に迫り、対GDP比は197%に達する。アメリカが92%、ギリシャでさえ111%だ。まさに国債暴落と、ギリシャ的な体制破綻が切迫しているのだ。
 国鉄・沖縄・三里塚・法大決戦の爆発で、プロレタリア革命勝利、民主党・連合政権打倒に突き進もう。