2010年5月17日

追悼式で労働者が殺された! 過労死の責任はJR西に

週刊『前進』06頁(2439号2面3)(2010/05/17)

追悼式で労働者が殺された!
 過労死の責任はJR西に

 尼崎事故に絡み、JR西日本は労働者の命をまたも奪った。05年の尼崎事故からちょうど5年目の4月25日、JR西日本主催の「福知山線列車事故追悼慰霊式」に動員されていたJR西日本・大阪電気工事事務所所属の51歳の労働者が、過労死に追い込まれた。この労働者は、追悼式の会場となった尼崎市総合文化センター地下1階トイレで倒れているところを同僚に発見されたが、すでに死亡していたという。
 亡くなった労働者は、この日、朝から「体がしんどい」と周囲に漏らしていたが、被害者対応に当たらされた。JR西日本は、事故列車の運転士に続き、尼崎事故で労働者を二度、殺したのだ。
 その一切の責任は、労働者に「犠牲者への懺悔(ざんげ)」を強い、尼崎事故を労務管理の手段として徹底的に利用してきたJR西日本にある。
 JR西日本の経営陣は、尼崎事故に対する反省のかけらもなく、事故調査委員会の報告書の改ざん策動を繰り返した。井手、南谷、垣内、山崎の歴代4社長が起訴されると、佐々木社長ら現経営陣は、これによって尼崎事故問題のくびきを逃れ、一層の合理化に打って出ようと策している。
 体制内労組幹部にも、労働者を過労死に追いつめた責任がある。JR連合・西労組、国労西日本エリア本部、建交労、JR総連・西労ら既成の労組幹部は、今回の事態に抗議の声一つ上げていない。彼らは、尼崎事故の責任を現場労働者になすりつけるJR西日本と一体となって労働者を「懺悔」の運動に駆り立てるとともに、合理化にも率先協力してきたのだ。

 安全崩壊させたJR体制打倒へ

 この日、動労千葉−動労総連合や国労5・27臨大闘争弾圧被告団を先頭とする闘う国鉄労働者は、全国から結集した480人の労働者・学生とともに尼崎事故弾劾の集会とデモに決起した。
 この闘いは同時に、1047名闘争を最後的に圧殺し、国労に「国鉄改革完遂」の先兵となることを強要する政府「解決案」と、これを受け入れた国労本部ら4者4団体幹部を徹底弾劾する闘いとして打ち抜かれた。
 1047名闘争圧殺の攻撃は、JR本体の労働者をJR資本のもとにがんじがらめに縛り付けようとするものでもある。
 だが、JR東日本の検修業務外注化4月実施を阻止した動労千葉の闘いの勝利の上に、新たな全国運動が呼びかけられた。6・13大集会の圧倒的な成功を突破口に、安全を根底から崩壊させ、労働者に事故死、過労死を強い続けるJR体制打倒へ突き進もう。