ZENSHIN 2000/07/10(No1964 p08)

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週刊『前進』(1964号7面1)

 沖縄圧殺の「帝国主義の戦争会議」=サミットを粉砕せよ

 全国から沖縄現地に総結集し

 世界揺るがす戦闘的大デモを

 日帝・森の「侵略戦争宣言」粉砕へ

 第1節 「平和と安定」掲げ侵略戦争

 七月二十一日から二十三日まで沖縄県名護市の万国津梁館で開かれる主要八カ国(G8)首脳会合(沖縄サミット)の日程が決まった(日程表参照)。これに先だって、八日には福岡市でG7蔵相会合が、十二日から十三日まで宮崎市でG8外相会合が開かれる。
 沖縄サミットでは、七つの帝国主義国家とロシアの頭目が、「世界の平和と安定」のために、紛争予防、軍備管理・軍縮問題、地域情勢や情報技術(IT)問題を討議し、合意文書を採択し、発表するという。
 帝国主義やロシアは、沖縄サミットで何をしようとしているのか。それは帝国主義各国が生き残りと延命をかけて、世界の市場と資源を奪い合うことだ。帝国主義同士が死活をかけて抗争することだ。帝国主義が世界の新植民地主義体制諸国の人民からの搾取と収奪を一層強めることだ。その帝国主義の支配が破綻した地点で、帝国主義やロシアのいう「地域紛争」が発生するのだ。帝国主義やロシアがその「地域紛争」を軍事的に制圧すること、すなわちユーゴスラビア爆撃のような侵略戦争を行うことを「世界の平和と安定」と呼んでいるのだ。
 アメリカ帝国主義は、自らが生き残り、世界支配の覇権を打ち立てるために、アジアにおける排他的な軍事的覇権の確立に向かって動き始めた。それを「アジア重視への転換」と称している。ヨーロッパの帝国主義は、南東欧の勢力圏化とそこでの侵略戦争遂行のために、EU緊急展開軍と治安警察部隊の創設に動き始めている。
 日本帝国主義は、日米新安保ガイドライン体制を構築し、再び朝鮮・中国−アジア侵略戦争に踏みだそうとしている。
 戦後体制は東アジアを焦点に最後的崩壊過程に突入している。帝国主義が戦後蓄積してきた全矛盾が噴き出そうとしているのだ。それは、残存スターリン主義諸国や新植民地主義体制諸国の存立の条件をことごとく奪い取るものとなるであろう。
 世界は、二九年型大恐慌の奈落の底への転落を深め、帝国主義の侵略戦争と、帝国主義同士の対立・抗争の世界戦争への転化に向かって突き進んでいる。
 帝国主義が大恐慌と戦争によって、世界の労働者階級人民にその犠牲を強制しようとしているのである。沖縄サミットはその歴史的転換点を画するものになろうとしている。全世界の労働者階級人民、被抑圧民族人民は、団結して大恐慌と戦争の元凶=帝国主義を打ち倒すために闘おう。

 第2節 「朝鮮」を議題に再侵略策す

 帝国主義の戦争会議・沖縄サミット粉砕を掲げ、戦闘的な総決起をかちとることは、日本の労働者階級の国際主義的責務だ。
 それは、アメリカ帝国主義やヨーロッパの帝国主義と並んで、ほかならぬ日本帝国主義が沖縄サミットで朝鮮・中国−アジア侵略戦争突入を宣言しようとしているからだ。世界大恐慌過程の深まりの中で、日帝が生き残る道は、アジア侵略と勢力圏化以外に残されていない。台湾、朝鮮、中国東北部の植民地化とそこを前線拠点にした、中国への全面的な侵略戦争、アジア太平洋への侵略戦争、そして第二次世界大戦に突入していったあの十五年戦争の歴史を再び繰り返すことを沖縄サミットで宣言しようというのだ。
 今度こそ、日本労働者階級は、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」のスローガンのもとに総決起し、日本帝国主義を打倒しなければならない。
 日帝は、南北朝鮮首脳会談を受け、「紛争予防・地域情勢」で朝鮮半島問題を首脳会合のテーマに取り上げ、「特別声明」を出そうと画策している。日帝は、独自の朝鮮半島政策をもって、朝鮮再侵略を狙っているのである。日朝国交正常化や朝鮮半島をめぐる六カ国協議(日、米、中、ロ、南北朝鮮)、さらには「南北経済交流」などを水路にして新植民地主義的再侵略に道を開こうとしているのである。
 かつて日本の労働者階級が、十五年戦争を阻止しえず、日帝による朝鮮・中国−アジア侵略戦争によって数千万人のアジア人民を虐殺し、侵略しじゅうりんした歴史を断じて繰り返すな。今度こそ、闘うアジア人民と連帯し、日帝の朝鮮・中国−アジア侵略と侵略戦争を阻止し、日帝を打倒しなければならない。第一次世界大戦が生み出した帝国主義の危機をロシア革命に転化したロシア労働者階級の歴史的事業を引き継ぎ、必ずや勝利しよう。

 第3節 森の「英霊」発言に怒りを

 そのためにも、沖縄人民と連帯して、沖縄現地でこそ、戦争会議・沖縄サミット粉砕の大デモンストレーションをたたきつけることが求められている。
 日米帝国主義が、新安保ガイドライン体制の発動をもって、朝鮮・中国−アジアに侵略戦争を強行するとき、沖縄米軍基地こそその最大拠点となる。沖縄には、沖縄戦−米軍占領下での土地取り上げによる基地建設、日米安保体制のもとで米軍基地の強化・固定化を押しつけてきた歴史がある。日米帝は、今度は新安保ガイドライン体制のもとで、侵略戦争と新基地建設の犠牲を強要しようとしているのだ。そのためにこそ、サミットの沖縄開催に踏み切った。これは沖縄圧殺の攻撃そのものだ。
 しかも、あろうことか、クリントン米大統領は沖縄戦の最激戦地であった糸満市の摩文仁(まぶに)の丘にある平和祈念公園を訪問し、沖縄が米軍駐留を受け入れ、世界平和維持に貢献しているとし、沖縄県民に謝意を表すというのだ。
 帝国主義による戦争の犠牲者の前で、沖縄人民にもう一度“戦争と基地の犠牲を受け入れ続けよ”“帝国主義の戦争に貢献せよ”とクリントンに演説させることなど絶対に許さない。クリントンを摩文仁の丘に一歩たりとも踏み入れさせてはならない。
 また、六月二十三日に沖縄全戦没者追悼式に出席した森喜朗はその日の午後、名古屋市の街頭演説で「国民を代表して英霊の御霊に哀悼の意を捧げて参りました」と発言した。帝国主義の戦争犠牲者を「英霊」と呼び、再び日帝の侵略戦争の先頭に立ち、「天皇を中心とする神の国=日本国家」のために貢献せよと言い放ったのである。
 沖縄サミット攻撃の正体はあまりにも明らかだ。森やクリントンが朝鮮・中国−アジア侵略戦争を宣言することを絶対に阻止しよう。沖縄人民の反対の声を圧殺して名護新基地を押しつけ、新安保ガイドライン体制のもとに沖縄人民を組み敷こうとする攻撃を実力で粉砕しよう。
 沖縄人民と連帯して沖縄サミット粉砕決戦に総決起しよう。反戦共同行動委員会が呼びかける七月十九日の那覇市内デモをかわきりに、二十一日サミット会場を直撃する名護市内デモを空前の戦闘的デモとしてかちとろう。このサミット粉砕デモを頂点に、二十三日のサミット閉幕にいたるまで連日大衆的に、戦闘的な行動を繰り広げよう。
 帝国主義の戦争宣言に対して、「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」の旗を高々と掲げ、権力の超厳戒体制を打ち破り、カクマルの敵対を粉砕して、全世界を揺るがす戦闘的デモを実現しよう。

 

 

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