ZENSHIN 2000/07/17(No1965 p01)

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週刊『前進』(1965号1面1)

 マル学同中核派から決戦アピール

 戦争会議=サミット粉砕を

  在韓米軍基地撤去へ闘う朝鮮人民と連帯

   米兵の少女わいせつ事件弾劾 クリントンと森の来沖許すな

 

 革共同は、衆院選決戦で長谷川英憲候補を押し立て、ファシスト石原伸晃を先兵とした自公政治、大政翼賛会的政治と全面対決する戦後最大の政治決戦を闘いぬき、国政初挑戦で二二、七九九票を獲得した。とりわけ、介護保険闘争の大衆的発展を切り開き、新しい政党・政治勢力として日本階級闘争に登場することに成功した。また、七・一国労臨大では、「JRに法的責任なし」という闘争団の切り捨てと国労の無条件全面降伏に、国労闘争団を先頭とする国労組合員の怒りが爆発し、「四党合意」の採決強行を粉砕した。他方、在韓米軍の撤退を求める朝鮮人民の闘いは、沖縄人民の米軍基地撤去闘争と結合して、東アジアの戦後体制を根底から崩壊させる闘いとして発展しようとしている。ますます沖縄サミット決戦が二十一世紀を左右する大決戦となった。闘う朝鮮人民、沖縄人民と連帯して、沖縄サミットを粉砕する大デモに決起しよう! 全国の学友諸君! 君の決起を沖縄人民は待ち望んでいる。今、君が決起することが沖縄人民を鼓舞激励し、戦争を阻止する力になる。全学連の大隊列を沖縄現地に登場させ、沖縄サミットを粉砕せよ!

 第1章 世界ゆるがす戦闘的大デモ爆発させよう

 まず何よりも在韓米軍撤退を求める朝鮮人民の闘いに、日本プロレタリアート人民がどうこたえるのかが沖縄サミットに対する態度として鋭く問われている。
 米帝クリントンやオルブライトは、「在韓米軍は撤退しない。統一後も撤退しない」「南北統一は過度な幻想だ」と言い放ち、朝鮮人民の民族統一の願いを軍事力を発動しても踏みにじることを沖縄サミットで宣言しようとしている。
 日本プロレタリアート人民は、「沖縄サミットの成功」などと言って帝国主義の朝鮮南北分断支配に加担するのではなく、朝鮮人民の南北統一への闘いと連帯し、「戦争会議=沖縄サミット粉砕! 米・日帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争絶対阻止!」を掲げて決起しようではないか。日本プロレタリアート人民にとって、朝鮮人民の闘いと連帯していく中にこそ、自らを抑圧してきた帝国主義とスターリン主義を打倒して、自らの解放をかちとっていく道があるのだ。
 沖縄サミットを根底的に規定しているのは、朝鮮人民の南北分断打破=革命的統一への闘いが戦後世界体制を全面的崩壊へとたたき込むものとして開始されたということであり、それをめぐる米・日帝国主義間の争闘戦の激烈化と朝鮮・中国侵略戦争のより一層の歴史的切迫である。
 朝鮮人民の民族統一への闘いは、南北分断体制を護持するための帝国主義軍隊=在韓米軍への怒りとして爆発している。ソウルに近い梅香里(メヒャンリ)では、在韓米軍の爆撃機の爆弾投棄で多数の農民が負傷したことによって労働者人民の怒りが爆発し、警察・機動隊と激突して米軍基地突入や抗議デモが闘われている。朝鮮人民の民族統一への願いは、南北首脳の思惑がどうあれけっして押しとどめることはできない。
 朝鮮人民は、帝国主義とスターリン主義の南北分断体制の中で、民族統一への願いを徹底的に踏みにじられながら闘ってきた。朝鮮人民の民族統一への願いや自己解放のエネルギーは、戦後世界体制を根底的に突き破って、解き放たれていくしかないのだ。
 すでに、ソ連スターリン主義崩壊以後、帝国主義は崩壊したスターリン主義圏や残存スターリン主義圏の取り込みと再分割をめぐって激しい争闘戦を展開し、ユーゴスラビア侵略戦争に示される軍事的再分割の時代が今や到来している。アジアにおける戦後体制の全面的崩壊過程への突入は、南北朝鮮情勢と中国・台湾情勢を最大の焦点として米・日帝国主義間のアジア勢力圏化をめぐる争闘戦を戦争的に激烈化させる。朝鮮・中国−アジアをめぐる世界大戦級の戦争が歴史的に切迫しているのだ。
 沖縄サミットこそ、米帝を先頭とした国際帝国主義が朝鮮人民の民族統一の願いを軍事力でたたきつぶし、帝国主義のアジア支配−世界支配を暴力的に貫徹することを宣言する場だ。「北朝鮮の核・ミサイル開発は脅威」と言いなし、朝鮮人民の在韓米軍撤去闘争や民族統一に向けた闘いを「周辺事態」と決めつけ、米・日帝国主義が軍事介入=侵略戦争に踏み出そうという会議が、どうして「平和の発信」なのか!
 朝鮮人民の闘いに対する日本プロレタリアート人民の熱い連帯の決意を沖縄サミット決戦で示そうではないか。サミット会場を包囲する怒りの大デモで、沖縄サミットを粉砕せよ!

 第2章 クリントンの「平和の礎」演説など許せない

 沖縄サミット期間中、米帝クリントンは平和の礎(いしじ)で演説し、「沖縄が米軍駐留を受け入れ、世界の平和維持に貢献しているとの立場から、県民に謝意を表す」という。
 戦争の放火者=米帝クリントンが沖縄戦の戦没者の名前が刻まれている平和の礎に足を踏み入れることを許してよいのか。沖縄戦で犠牲になった二十万沖縄人民を、死してなお踏みにじることを許してよいのか。否だ。
 沖縄米軍基地とは何か。米帝・米軍は、沖縄人民に何をしてきたのか。
 「一番心が痛むことは、私たち自身が沖縄戦で体験したこと、軍隊のために、国益のために庶民が一番の被害者となっていることです。近代戦争では、局地戦であっても最も大きな犠牲を受けるのは民衆です。そうしたことが、沖縄から出ていった米海兵隊などによって引き起こされている。 沖縄の米軍基地が戦争のために使われていることが、いたたまれないわけです。だから基地反対運動をやっている。また、外に向かって侵略する軍隊は、人殺しのストレスから、後方の沖縄でも犯罪を行い、沖縄の人たちの人命を奪ったり、人権を侵害したりする。こういう犯罪が枚挙にいとまがない。外にも大きな被害、内でも被害が出る。こういうことから、沖縄と日本全体から、米軍基地は絶対になくしてほしい」(元沖縄違憲共闘会議議長・宜保幸男さん。本紙前号7面)
 米帝クリントンは、沖縄人民に謝罪し米軍基地撤去を約束するのではなく、「ありがとう。これからもよろしく」と言い放ち、新たな米軍基地を建設しようとしているのだ。
 クリントンが沖縄に来ること自体が絶対に許せない。七月三日未明、沖縄市の民家に米海兵隊員が侵入し、寝ていた女子中学生にわいせつ行為を働くという米軍犯罪が発生した。巨大な米軍基地があるからこそこういう事件が続発するのだ。今、沖縄人民の怒りが爆発している。サミット粉砕! 米軍基地撤去! クリントンと森の来沖を絶対に許してはならない。
 だが森は、「世界を代表する各国首脳に非礼があってはならず、県民あげて心から歓迎しなければならない」と言い放っているのだ。
 しかも、米帝クリントンが「沖縄サミットは、日米同盟の戦略的重要性を示すよい機会」などと言うことに対して、日帝も沖縄サミットで、「沖縄が北東アジアの安全保障で重要な役割を担っていることを伝える」(河野外相)などと、沖縄米軍基地は日帝の沖縄差別政策によって初めて存在できるということを米帝と他帝国主義に認めさせようとしている。
 六月二十七日には、日帝・森は昨年改悪された米軍用地特別措置法に基づいて、「象のオリ」などの使用認定を行い、新たな土地強奪に手を染めた。
 そして沖縄サミットでは、米・日帝国主義の双方から沖縄米軍基地の戦略的重要性なるものが確認され、沖縄をどの帝国主義が制圧しているかを競い合い、新たな米軍基地建設を行おうとしている。
 「本土の人たちも僕たちが今抱えている苦しみ、基地があることによって受けているすべての苦しみに共感して、基地を取っ払うために一緒に本気で頑張ってもらいたい」(宜保幸男さん)
 今こそこの訴えに日本プロレタリアート人民はこたえよう。沖縄米軍基地の撤去をかけて、沖縄サミット決戦に立ち上がろう!

 第3章 日帝の朝鮮・中国侵略戦争参戦を阻止せよ

 沖縄サミットは戦争への道だ。日本プロレタリアート人民にとって、自国帝国主義が朝鮮・中国侵略戦争に参戦するのを認めるのかが問われているのだ。
 朝鮮情勢の革命的激動情勢への突入は、日帝を激しい政治危機と体制的危機にたたき込んでいる。この間日帝は、日韓投資協定の年内締結や東南アジア諸国との二国間貿易協定の推進などアジア勢力圏化を必死に追求してきた。だが日帝にとって、激動する朝鮮・中国情勢に帝国主義として対応できなければ、日帝のアジア勢力圏化は根底のところでたたきつぶされる。
 日帝・支配階級は、「このままでは日本だけが取り残される」という絶望的な危機感と焦りの中で、沖縄サミットにおいて最も凶暴な侵略帝国主義として登場しようとしている。
 日帝・森は、沖縄サミットで朝鮮情勢を最大のテーマとしてとりあげ、「南北首脳間の合意で始まった前向きな動きを全面的に後押ししていくようG8の議論をリードしていきたい」と、サミット議長国の立場を利用して朝鮮情勢に必死にかみこもうとしている。
 日帝は、朝鮮情勢の大激動に恐怖しながら、対米対抗的突出と戦争国家化の道に突進する以外にない。日帝は、沖縄サミットで「アジアにおける唯一の帝国主義」として登場し、朝鮮・中国侵略戦争に積極的に参戦し、対米対抗的なアジア勢力圏化を前進させようとしている。新安保ガイドライン体制の本格的確立の攻撃、有事立法・改憲攻撃に打って出ようとしている。都知事ファシスト石原の九・三自衛隊首都制圧大演習は、沖縄サミットに続く戦争国家化への大攻撃だ。
 また、日帝は、今年秋の国連安保理常任理事国入りを狙って、沖縄サミットの主要議題に国連改革をねじこんだ。「紛争予防」での国連の機能強化を促し、その中に日帝の役割を位置づけ、国連をとおした自衛隊出兵を狙っている。
 朝鮮南北分断体制の根底的崩壊過程への突入は、日米争闘戦を一層激化させ、日帝の体内から対米激突に向けた衝動をますます激化させずにはおかない。
 日帝の沖縄サミットにかけた野望を根底から粉砕する日本プロレタリアート人民の闘いが求められている。闘う朝鮮・中国−アジア人民と連帯して、日帝の侵略戦争を阻止せよ!

 第4章 嘉手納基地包囲-名護新基地建設を阻もう

 日帝の言う「日米安保のために沖縄米軍基地は必要」ということ自身が「沖縄は日本=本土防衛の捨て石になれ」という沖縄戦の考え方であり、沖縄差別だ。日本プロレタリアート人民は、これ以上、沖縄に犠牲と攻撃を集中する日帝を許してはならない。
 沖縄サミット粉砕の闘いは、在韓米軍撤退を求めて闘う朝鮮人民と連帯し、沖縄米軍基地を全面的に撤去していく闘いだ。極東最大の侵略戦争出撃基地=嘉手納基地を数万の人民の怒りで包囲し、全世界に向かって「沖縄米軍基地全面撤去!」を発信しよう。
 海兵隊の出撃基地=普天間基地に対して、「普天間基地の即時無条件返還! 名護新基地建設阻止!」の大デモをたたきつけよう!
 沖縄人民の不屈の闘いは、名護新基地建設問題の決着を沖縄サミット後に追い込んだ。沖縄サミット決戦の爆発で、名護新基地建設を粉砕する巨大な展望を切り開こう。
 日帝は、朝鮮人民の闘いと沖縄人民の闘いが結合し、日本プロレタリアート人民の決起が爆発することを心底恐怖している。沖縄の闘いは、日帝の新安保ガイドライン体制の確立=戦争国家体制への全面的転換攻撃と対決し、日帝にとっての最大の困難として立ちはだかっている。
 沖縄人民は、沖縄戦の血の教訓、「軍隊は住民を守らない。軍隊と人民は共存できない」「命(ぬち)どぅ宝」の立場を貫いて闘ってきた。
 これに対して日帝は、沖縄人民の「沖縄の心」を沖縄サミット翼賛の中で圧殺しようとしてきた。日帝は、稲嶺県知事や岸本名護市長らを使って、沖縄の側から進んで基地を受け入れさせる攻撃をしかけてきた。日帝と稲嶺知事は、平和祈念資料館の展示内容を改ざんし、沖縄戦が国体護持=天皇制護持のための「捨て石」作戦という日帝の沖縄差別政策であったことを抹殺しようとした。琉球大学教授の高良倉吉などが、「日本国民たるかぎり安保とその一環としての沖縄基地は認めよ」という「積極的な侵略の先兵」論を主張している。
 問われているのは、本土プロレタリアート人民が日帝の沖縄差別・抑圧政策と対決して闘うことである。
 日帝は、本土プロレタリアート人民を沖縄圧殺の加担者にしようとしてきた。その先兵がファシスト・カクマルだ。カクマルは、「中核派の沖縄差別反対を内実とした方針は、沖縄労働者・人民の内面に形成されてきた“ウチナー主義”的な心情を固定化するもの」「反プロレタリア的なもの」などと言って、日帝の沖縄差別政策の先兵になって、闘う沖縄人民に襲いかかってきている。
 日米安保の最大の実体は沖縄米軍基地である。沖縄米軍基地こそ、人民大虐殺戦争のための出撃基地だ。
日帝は、沖縄に差別的に基地を押しつけることによって日米安保体制を護持してきた。日本プロレタリアート人民にとって朝鮮・中国侵略戦争に反対することは、日米安保体制と根底的に対決することであると同時に、日帝の沖縄差別政策を同じ階級にかけられた攻撃としてとらえ、日帝の沖縄差別政策粉砕を掲げて闘うことなのだ。
 沖縄米軍基地全面撤去を掲げ、嘉手納基地大包囲行動に立とう!

 第5章 21世紀はプロレタリアート勝利の時代だ

 日本プロレタリアート人民は、沖縄サミット粉砕決戦で、現代世界を根底から変革する主人公として登場しようではないか。
 沖縄サミットの議題は、すべて帝国主義による世界支配のためのものであり、プロレタリアート人民の階級的利益とまったく相入れない。粉砕あるのみだ。
 @経済分野の「一層の繁栄」とは、IT革命なるものをとおして新植民地主義体制諸国への侵略と一層の従属を強いていくものだ。サミット参加の米、日、独、仏、伊、英六カ国で、世界の富の六〜七割をも独占している。帝国主義の「一層の繁栄」のための強盗会議が沖縄サミットだ。
 A社会分野の「心の安寧」とは、“延命しすぎた帝国主義”が生み出した環境問題や食品安全問題であるが、一切の原因は帝国主義にあるのだ。労働者が社会的生産の担い手でありながら、社会の主人公ではなく、資本の価値増殖のためにのみ生かされているという資本主義の転倒性こそが問題なのだ。
 B政治分野の「世界の安定」とは、「紛争予防」などと言ってユーゴスラビア爆撃のような侵略戦争を発動し、帝国主義による世界支配を維持しようというもの以外の何ものでもない。
 朝鮮情勢と中国・台湾情勢を最先端として、帝国主義のアジア支配を支えた一切の戦後的枠組みが根底的に崩壊する情勢が到来した。朝鮮情勢の革命的激動情勢への突入は、中国スターリン主義の大崩壊の危機、ロシア危機、インドネシアなど東南アジアでの危機とも連動し、米・日帝国主義による朝鮮・中国侵略戦争への凶暴な突進と、アジアの再分割をめぐる帝国主義間争闘戦にいよいよ拍車をかけていく。
 他方、帝国主義の侵略と闘うアジア人民の民族解放・革命戦争は、根底から爆発しようとしている。帝国主義に対する世界の労働者人民、被抑圧民族人民の怒りは満ちている。朝鮮人民の闘いは、戦後世界体制を根底から崩壊させる闘いとして爆発する。沖縄人民の米軍基地撤去の闘いは、新安保ガイドライン体制を根底から揺さぶって爆発する。それは不可避だ。
 まさに、帝国主義とスターリン主義の世界支配という共通の打倒対象に向かって、国際プロレタリアートの闘いが「一個の軍勢」「新たな人民決起」として開始されたのだ。
 それは、帝国主義とスターリン主義のもとでは生きられないという、プロレタリアート人民の「命の叫び」としてある。
 こうした中で、プロレタリアート人民の自己解放性を否定し、圧殺してきたスターリン主義を打倒することが、一九三〇年代国際階級闘争の敗北をのりこえるためにも決定的に重要だ。
 二十一世紀は「世界戦争か世界革命か」が問われる時代だ。ところが、日共スターリン主義は、「アメリカが横暴をほしいままにする戦争と抑圧の国際秩序か、国連憲章にもとづく平和の国際秩序か――二十一世紀にどちらの国際秩序をうちたてるのかが、人類に問われています」(書記局長・志位)などと許しがたい選択肢をプロレタリアート人民に提起し、日帝の対米対抗的、反動的突出の先兵となっている。
 沖縄サミットに対しては、「沖縄を、世界の首脳部に心おきなくみてもらう」などと翼賛し、「帝国主義の平和」の発信を訴えているのが日共だ。
 沖縄サミット決戦は、二十一世紀を「世界革命の世紀」とすることをかけた歴史的決戦だ。
 朝鮮人民に、全世界人民に、日本プロレタリアートの決意が届くような激しい闘いをやろうではないか。サミット会場=万国津梁館に向かって大デモをたたきつけ、沖縄サミットを粉砕せよ! 日本プロレタリアートの決起で、二十一世紀はプロレタリアートの時代であることを全世界に発信しようではないか!
 全学連は、この歴史的大決戦の先頭に立とう!

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