ZENSHIN 2000/10/09(No1976 p08)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

 

週刊『前進』(1976号2面1)

国労本部総退陣、闘う新執行部の選出を
「解決は今しかない」と叫び大会で「4党合意」強行狙うチャレンジ・上村革同打倒せよ

 国鉄決戦は、国労全国大会代議員選と「一票投票」強行を経て、十・二八−二九定期全国大会に向かって本部執行部総退陣−闘う新執行部樹立をかちとる決戦過程に突入した。闘争団を先頭に、闘う国労組合員は「一票投票」に反対を貫き、「四党合意」撤回を訴えて全力で闘いぬいた。これに対して宮坂・チャレンジ一派と革同上村一派は、必死の反動的巻き返しに打って出てきた。宮坂、上村、新井らは、七・一−八・二六で根底的に追いつめられながら、なおも執行部に居座ろうとあがいている。国鉄決戦はさらに激しい対決と分岐をもって発展していくことは明らかである。今こそ現執行部打倒、「四党合意」の完全粉砕へ全力で闘いぬこう。そのために、特にチャレンジ一派と上村革同一派の反革命的主張を暴き、徹底批判する。(日共・革同上村一派の批判は4面論文参照)

 「法的責任追及」が「取引材料」になると屈服を正当化

 国労中央は、代議員選と「一票投票」の過程で、実にペテン的で卑劣な開き直りを行ってきた。高まる「一票投票中止」の声に追いつめられた国労中央は、「(一票投票は)最高決議機関としての大会決議に替わるものではなく、あくまでも組合員の総意を把握するためのもの」(一票投票禁止の仮処分命令申し立てに対する宮坂書記長の陳述書)だと言い出したのだ。
 これは、いかに「一票投票」がデタラメなものであるかを示すものである。どんなペテンを使ってでも「四党合意」を生き残らせようとする許しがたい策動である。その犯罪性が一層明らかになったのだ。その結果のいかんにかかわらず、あらためて徹底的に弾劾しなければならない。「一票投票」の結果、本部原案への賛成が過半数に達しなくても、単なるアンケート調査に過ぎないとする伏線を敷き、定期大会では再び「四党合意」受け入れの方針案を持ち出してくるということなのだ。
 現にすでに出されている第六七回定期全国大会の「二〇〇〇年度運動方針(第一次草案)」(国鉄新聞九月十五日付)において、「続開大会で方針の採択を行わずに一票投票で賛否を問うこととし」たのは、「長年積み重ねてきた政治の場における解決の道筋を残すという思いからであった」とし、何がなんでも「四党合意」を残すためであったことを自己暴露している。
 さらに「四党合意」を「政治の場での解決にむけた政党間協議の集大成」と位置付け、中央執行委員会が「“法的責任がないことを認める″という苦渋の選択をし」たことは正しかったと居直り、この流れに沿って「早期解決に全力をあげる」としているのだ。
 この国労中央の立場を最も露骨に反動的に表しているのがチャレンジ一派だ。東京地本新幹線支部のチャレンジ一派の代議員候補は選挙ビラで次のように主張した。
 「四党合意は、『JRに法的責任がない事』『解決水準の具体的数字がない事』等、多くの不満・問題点を持っています。しかし国労本部は……不満ではあるけれどもこの政治的な解決の枠組みを受入れました。私も、この本部の決断を支持します」
 これは「『四党合意』に賛成か、反対かと問われれば、『法的責任なし』を認めた『四党合意』には反対」だが、「『四党合意』を蹴って、話し合いの場がなくなることには反対です」という革同上村一派の代議員候補の主張と軌を一にするものだ。
 彼らは、「四党合意」反対の声に押され、ペテン的に「問題がある」と言わざるを得なくなっている。だが、問題があっても「苦渋の選択」として受け入れるべきだと言うのだ。
 その根拠は、相も変わらぬ「ラストチャンス」論である。新幹線支部のチャレンジ一派は、「解決は今しかない!」「国鉄闘争の全面解決か、それとも展望がない闘争継続かの選択」と叫んで、このチャンスを逃せば展望がない長期闘争になると組合員を恫喝しているのだ。
 その上で、「今回の一票投票の意義は、四党合意の内容の賛否ではなく、解決の枠組みを悔しいけれども受入れ、『解決交渉に入るか入らないか』を決める事です」と言う。
 これも実にペテン的な言い方だ。「四党合意の内容の賛否ではなく」などと言うが、問われているのはまさに「四党合意の内容」ではないか。「四党合意」とは、「JRに法的責任なし」を国労が機関決定することが大前提となっており、極悪の支配介入、不当労働行為だ。そこでの「解決交渉」なるものは、「法的責任なし」から必然的に出てくる「ゼロ回答」を認めることでしかない。
 さらに、「悔しいけれども受入れざるを得ない」理由として、採用差別事件の高裁判決が「『JRに法的責任なし』の厳しい判決内容が予想され」ることを挙げる。厳しい判決が出ればそれに従うしかないという敗北主義である。それにしても、その前に自ら進んで「JRに法的責任なし」を認めるべきとはあまりにもとんでもない暴論である。
 こうしたチャレンジのデタラメな論理の出所は、「N論文」と称される論文である(注)。そこには「『法的責任追及』という武器は、裁判の結果が出るまでは武器であり得るが、最高裁で敗訴が確定した段階では、相手側の武器に転化する……法的責任を問題にする余地はゼロになる。しかし、今ならば、ともかくも『テーブル作り』の取引の材料になり得る」と書かれている。
 「法的責任追及」とは、言うまでもなく不当労働行為責任の追及のことである。これは単なる「武器」ではなく、国鉄闘争の根幹である。千四十七人の魂そのものである。これを「取引材料」にするとは本末転倒である。しかし「取引」にもならないのだ。あらかじめ「ゼロ回答」でいいと認めてしまうのだから。
 こんなデタラメな論理で「四党合意」を正当化し、「十四年の闘いの到達点」と持ち上げているのがチャレンジなのだ。確かに屈服に次ぐ屈服を重ね、闘いを抑圧してきたチャレンジら裏切り者の行き着いた「到達点」ではあろう。それ以上には到達できないのだ。
 だが、こうした屈服路線を打ち破り、「四党合意」という全面屈服を拒否し、新たな闘う執行部をつくり出して闘うならば、別の勝利の「到達点」をつくり出すことはまったく可能なのである。

 暴力キャンペーンで「反対派一掃」をあおるチャレンジ

 さらに許せないのが、性懲りもない新たな「暴力キャンペーン」だ。
 神奈川党員協のチャレンジのビラでは、「(七・一臨大が)一部闘争団をはじめ国労支援と称するセクト集団の暴力的演壇占拠により続行不可能となり、続会(ママ)大会となった」「また、続会大会をめぐってまたもやそうした人達による『中止』をもとめる本部要請行動を数日間展開したため『現局面の混乱を回避し、組織の統一と団結を守るため』その判断を全組合員の一票投票に求めることとなった」と許せぬ言辞を吐いている。
 七・一の「演壇占拠」はやむにやまれぬ闘争団・組合員の正義の行動であった。いったい闘争団・組合員以外の誰がやったと言うのか。こういうデマで組合員をだまし、闘争団切り捨てをあおっているのだ。
 さらに八・二六続開臨大で本部が採決強行を断念したのも、「そうした人達が本部要請行動を展開したため」だと言うに至っては言語道断である。
 新幹線支部のチャレンジのビラでは「八月二六日の続開大会を前に『四党合意反対』派は、長時間に渡って本部役員を吊(つる)し上げ」たと言う。二十闘争団と有志の申し入れを受けて本部が交渉に応じたものを「吊し上げ」と描き、臨大で採決できなかったことの責任をすべて闘争団に負わせているのだ。
 八・二六において本部は機動隊を要請し、チャレンジと革同上村派が機関を私物化し勝手に五百人もの「自警団」を動員して暴力的に大会を強行しようとした。七・一を上回る巨大な暴力で闘争団を圧殺しようとしていたのだ。この自らの暴力的策動には口をつむぎ、「この間の混乱の責任は免れない」と表明した本部の責任も棚に上げて、一方的に闘争団を非難するとは卑劣きわまりない。
 その上で「この様な行動・思想を、国労運動から一掃しなければなりません」と叫んでいる。要するに反対派の闘争団を一掃しろということだ。七・一臨大に対する「暴力」キャンペーンを上回る闘争団切り捨ての扇動である。断じて許しがたい。

 「賛成意見」組織しペテンで闘争団に全面敵対する革同

 さて、チャレンジや革同上村一派がこのように闘争団に敵対する論拠として持ち出すのが「闘争団にも賛成意見がある」というペテンだ。
 新幹線支部のビラは、「『国労本部に首を切られる』と悪意ある宣伝が行われ、闘争団員を『居ても立っても居られない』気持ちに追いやり、暴力的に臨時大会破壊が行われ、全ての闘争団員が反対しているかのように宣伝されていますが、現実は全ての闘争団の中に賛成・反対の意見があります。『反対する闘争団の気持ちを大切にしろ』と声高に言われていますが、逆に『ここで解決を図るべきだ』との意見を持っている闘争団員の気持ちは、大切にしなくて良いのでしょうか。安定した雇用・生活の場の確保がかかっているのです」と言っている。
 ここにもいくつものペテンがある。「国労本部に首を切られる」とは闘争団員の実感である。それを、あたかも「外部」から宣伝されて闘争団がだまされているかのように言うのは許しがたいことだ。
 さらに「『ここで解決を図るべきだ』との意見を持っている闘争団員の気持ち」などと言うが、ではその闘争団員は、「JRに法的責任なし」が必然的に導く「ゼロ回答」での解決でいいと言っているのかということだ。「四党合意」で解決を図れば「安定した雇用・生活の場の確保」ができるかのように言うのもとんでもないペテンだ。
 この間、「四党合意」に積極的に賛成しているのは札幌闘争団の革同上村一派などごく一部であるが、札幌の牧田団長などは、地元JR復帰などなくてもいいという徒輩だ。ゼロ回答で闘争を終結しても、日本共産党の庇護(ひご)のもとで「食っていける」という背景があるからだ。
 そのくせ彼らは、「四党合意」を承認すればJRに復帰できるとか、解決金が「一人三千万円」出るとかのデマを流しているのだ。
 この間、革同上村一派が組合員に配布している「札幌闘争団家族会ニュース」には、「この四党合意で国労が、家族が統一して団結し、夫が一日も早くJRに復帰し生き生きと働いている姿が見たい」などの声が載っているが、これは牧田団長らが家族会の日共党員グループを組織して書かせたものである。これらを「家族の思い」として持ち上げているのだ。
 その一方で「当事者は闘争団」という闘争団・家族の訴えには敵対するのだ。
 「N論文」では「音威子府の家族の方は……『本部の独断で、無責任に私たちの人生を勝手に決めないで下さい』と訴えた。……『冗談じゃない。当事者は、国労組合員全員だ』と言いたい」と闘争団家族の声に真っ向から敵対している。
 この問題にまさに自らの生き死にがかかっているのは闘争団とその家族である。その当事者に一言の相談もなく「四党合意」受け入れを勝手に決めた本部に対して、闘争団・家族が当事者としての叫びを上げることは当然ではないか。これに対して「当事者は国労組合員全員だ」という言葉を投げつけているのだ。
 この「N論文」の論旨は、「四党合意」は問題があるが、本部が情勢や力関係を判断して決めたこと、その判断を組合員全体が受け止めて議論すべきで、その結果、決定されたことには闘争団員も一組合員として従うべきだ、という点にある。実に悪質な「闘争団切り捨て」論である。
 この主張はまた、「国労ジリ貧」論や組合員蔑視(べっし)と一体である。「N論文」に貫かれているのは、「(闘争団への)カンパの増額を提起するときは……脱退者がでるのではないかと、ヒヤヒヤする」という党員協の「一同志」の発言に表される組合員観である。そこには十四年間、闘争団とともに闘い続ける組合員の力に対する信頼などひとかけらもない。このような指導部のもとで組合員が闘えるはずがない。
 チャレンジや革同上村一派の反革命的主張を粉砕し、今こそ彼らを国労中央や機関役員から引きずり下ろそう。問われているのは、それにとって代わる指導部を現場組合員と闘争団の総力を結集してつくり出すことである。
 十月定期全国大会への決戦で「四党合意」を粉砕し、現執行部総退陣、闘う新執行部の樹立をかちとろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1976号2面3)

”四党合意に断を” 闘争団を先頭に集会 福岡

 九月二十四日、福岡市内で「四党合意に断を! 国鉄闘争勝利 九・二四国鉄集会」が集会実行委員会の主催で開かれた。国労全国大会代議員選挙と「一票投票」をめぐる激しい攻防の中で、緊迫感あふれる集会となった。
 七・一国労臨時大会のビデオが上映された後、連帯のあいさつが行われた。女性解放を闘う戦線の代表が「労働運動の原点を崩壊させずに闘っている国労は素晴らしい。実力行動が重要だ。力を持とう」と訴え、反戦共同行動・福岡の代表が「戦後労働運動のともしびである国鉄労働運動を二十一世紀に向けて大きくしよう」と発言した。
 国労小倉地区闘争団の労働者が基調報告を行った。
 まず、「四党合意」による国鉄闘争・闘争団の解体攻撃とこれに反撃する闘う国鉄労働者の決起が開始され、現在「一票投票」と執行部の責任追及、本部総退陣−闘う執行部の確立をめぐる代議員選挙決戦の渦中にあることを報告した。
 また、「四党合意」という形で支配階級が国鉄闘争解体に直接乗り出してきたことを明らかにした。JR総連を使って闘いをつぶすやり方が破産し、チャレンジと革同上村派の屈服を突いて国労を内部から破壊する以外になくなったのだ。
 さらに、七・一から八・二六に至る闘いで「四党合意」を粉砕した闘争団と国労組合員の闘いの地平を明らかにした。だが、現執行部は組合権力にしがみつくために「一票投票」を持ち出してきた。国鉄闘争をめぐり日本労働運動の一大分岐が始まった。ここに階級闘争の一大攻防点がある。
 最後に「これからどう闘うのか」として、@一票投票はまったくインチキでナンセンスだ、A代議員選挙に勝利しなければならない、B「四党合意」は新たな不当労働行為だ、九月二十一日に闘争団員として福岡地労委に申し立てを行った、C国労支援陣形の圧倒的強化をかちとろう、Dカンパ闘争と物販運動を全職場で取り組もう、と訴えた。
 大きな拍手の中、小倉地区闘争団と佐世保地区闘争団の労働者が登壇し、闘いの報告と決意表明を行った。「(七・一を闘って)闘争団の怒りと思いはあんなものではない。血を流してでも阻止する決意だ。今はJRの職場に徹底してオルグに入ることだ」「日本労働運動の歴史的転換が始まった。闘争団の闘いの中から階級的労働運動が生まれてくることを支配階級も労働者階級も見てとった。ここに日本労働運動の未来がかかっている」と訴えた。
 続いて、教労、自治体、医療、民間などの労働者が発言し、国鉄闘争で始まった労働運動の分岐を自らの産別・職場に持ち込み、一大資本攻勢に反撃する闘いの先頭に立って階級的労働運動の再生をかちとる決意を表明した。
 この集会の成功を起点に十一・五労働者集会への大結集をつくりだすことを誓い合って、全員で団結ガンバローを行った。
 

TOPへ