ZENSHIN 2000/10/09(No1976 p08)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

 

週刊『前進』(1976号2面2)

動労千葉総決起集会
 「シニア協定」−全面外注化粉砕へ”スト含め反撃に立つ”
 JR総連解体へ大攻勢訴え

 九月二十六日夕方、動労千葉は「『シニア制度』−検修・構内全面外注化阻止! 九・二六動労千葉総決起集会」をDC会館で開催した。
 JR東日本は九月十三日、検修・構内業務、施設関係の全面外注化計画を提案した。計三千人を削減し、二千人を関連会社に出向させるというすさまじい大合理化攻撃だ。これは、東労組がJR資本と一体となって推進した「シニア協定」と完全に一体のものである。
 「シニア協定」は、全面外注化に協力する労組の組合員に対してだけ、定年後の再就職先を紹介するというものだ。年金の支給開始年齢引き上げに伴い、定年後の労働者が大変な苦況に陥ることに付け込んだ、悪らつきわまる攻撃である。JR東日本は、来年度に六十歳定年を迎える三人の動労千葉組合員に対して、「シニア協定」を結んでいないことを理由に、再就職先の紹介さえ拒んでいる。
 動労千葉は、この攻撃に総力で反撃するため、この日の集会を設定した。午後六時過ぎには、勤務あけの組合員が続々と結集して会場にあふれた。
 中野洋委員長が闘いの方針を提起し、まず、動労千葉組合員だけを差別して再就職先を紹介しないというJRの不当労働行為に対して、この日、当該の組合員を先頭に千葉地労委に救済申し立てを行ったことを明らかにした。
 また、「千四十七人の解雇撤回闘争は重大な局面にある」として、「『四党合意』は労働組合への支配介入であり、労働組合の存在さえ認めない攻撃だ」と弾劾し、「一票投票」を強行する国労本部の背後には、国鉄闘争の解体をもくろむJR資本や国家権力の意向があることを暴き出した。そして、「千四十七人の中には動労千葉の九人もいる。千四十七人の解雇撤回闘争は、日本の労働運動が大きく後退している中で全体を牽引(けんいん)する闘いだ。正しい解決のため、九人の仲間を先頭に闘い抜こう」と訴えた。
 次に、全面外注化攻撃について「JRの狙いは保守部門の全面外注化だ。三千人が一挙に職を失うことになる」と、攻撃のすさまじさを指摘した。
 さらに、この攻撃が「シニア協定」と一体であることを明らかにし、「六十歳で年金を満額もらえないのは、労働者にとって詐欺にあったようなもの。JRはこの年金制度の改悪を悪用した。雇用延長ではなく、再就職先として関連会社を紹介するだけだ。その関連会社に仕事を回すため、外注化の話が一気に出てきた。関連会社は技術を持った労働者を安い賃金でこき使える。JRは外注費を削減できる。目的は総額人件費の削減だ。損をするのは労働者だけ。東日本でこんな制度ができたのは、東労組が積極的に妥結したからだ」と弾劾した。
 再就職先の会社の賃金は、労働者が在職老齢年金を受給することを前提に、極端に低く抑えられている。しかも在職老齢年金は、賃金が上がれば上がるほど減額される仕組みになっている。「雇う側は、どうせ年金が減るからほどほどでいいだろうと賃金を下げてくる。労働者にとっていいことは一つもない。こんなものを日本の企業の中で一番いい制度だなどと宣伝している東労組は許しがたい。微々たる給料しか出さない会社に再就職するために、なんで六十歳の労働者が試験を受けなければならないのか。六十歳になっても組合で差別する。こんなことは怒りに堪えない」と語気を強めた。
 そして、「こんなやり方を認めたら何のために分割・民営化と闘ったのか。『シニア協定』は断じてのめない。団結を守って闘えば外注化は阻止できる。外注化に対しては拠点職場のストを含め徹底的に闘う。労資対立が激しくなれば、関連会社はそういう職場の業務を請け負えるのか。会社が決めたことが何でも通ると思ったら大間違いだ。われわれにも意地がある」と闘いの方針を提起した。
 最後に、JR総連=カクマルによる労働者支配が根底から崩壊し始めたことを明らかにし、必ず組織拡大を実現しようと訴えた。

 組合差別弾劾し地労委申し立て

 続いて、動労千葉弁護団の佐藤昭夫早大名誉教授が地労委への申し立てについて報告し、「シニア制度」は不当労働行為に該当するだけでなく、職業安定法や高齢者雇用安定法にも違反するでたらめなものだと力説した。また、国労本部が「四党合意」をのむために「一票投票」を強行していることを厳しく批判した。
 来年度に定年を迎える組合員二人が登壇し、「動労千葉だから再就職の支援は受けられない、東労組に換わるかと支社から言われた。怒りをもっている」「組合差別は許さない」と訴えた。外注化攻撃の対象となる検修職場の組合員が、「総力をあげた闘いをする決意だ。今こそ怒りの声をあげよう」と発言した。解雇撤回闘争を闘う動労千葉争議団の組合員は、「自分の職場の国労組合員に『四党合意』反対を訴えよう」と呼びかけた。
 田中康宏書記長が基調報告を行い、「動労千葉定期大会の前にきょうの集会を持ったのは、本部として重大な決断を持ったからだ」と切り出した。そして「@千四十七人の解雇撤回闘争、Aシニア協定−全面外注化との闘い、BJR総連の崩壊が目の前で始まる中で、動労千葉の組織拡大の闘い、の三つを柱に大闘争に入る」と宣言した。
 また、「シニア協定」で再就職先とされている会社の賃金は月十三万円程度でしかなく、交通費も満額出ないところばかりだと暴露した。また、そうした会社の求人票さえ、動労千葉組合員には送ってこないとJRを激しく弾劾した。そして、この攻撃にはストも含めて反撃すると訴えた。
 さらに、JR総連に対する青年労働者の反乱が広がっていること、運転士登用差別を打ち破って分割・民営化以来初めて一人の組合員の運転士への発令を実現したことを報告し、強制配転を粉砕して組織拡大を実現しようと訴えた。最後に、十月一−二日の動労千葉定期大会から十一・五労働者集会の大結集へ、全力で闘おうと呼びかけた。
 各支部の代表が並び、それぞれに決意を表明した。全員で団結ガンバローを行い、闘いの決意を固めた。
 

TOPへ