ZENSHIN 2000/10/30(No1979 p06)

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週刊『前進』(1979号1面1)

黒田=松崎のファシスト労働運動が大破産 労働者の敵=JR総連打倒へ
国労3万の階級的団結うち固め四党合意粉砕・新執行部樹立を
 国労大会に万余の結集かちとれ

 日本の労働運動と階級闘争にとって決定的な重大情勢が訪れている。十月五日以降、九州でカクマル=JR総連傘下のJR九州労からその八割に及ぶ七百三十七人が集団脱退し、JR総連の一角が完全に崩壊するという事態が発生した。十月国労定期大会と十一・五労働者集会に向かって、階級的労働運動と帝国主義的労働運動との真っ向からの分岐と激突が巨大な規模で始まっている中で、総評解体以来の連合を使った日帝の労働者支配を根底で支えてきたカクマル=JR総連のファシスト労働運動が、ついに全面破産の時を迎えたのだ。このことは、日本の階級闘争が、七〇年闘争後の権力とカクマルのあらゆる反動的制動を歴史的に突き破って、新たな階級的大高揚の時代に突入することを意味する。戦争・改憲と大失業=一大資本攻勢に突き進む日帝支配階級に対して、闘う労働者階級の革命的大決起の火柱を打ち立てる時が来た。十・二八−二九国労大会決戦への一万人結集をかちとり、「四党合意」粉砕・現執行部打倒への不退転の決起を死力を尽くして切り開こう。「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう!」の呼びかけにこたえ、十一・五労働者集会に総結集し、日比谷野音を埋め尽くす大成功をかちとろう。その勝利をもってJR総連解体、カクマル完全打倒へ猛然と攻め上り、二十一世紀へ向けた闘う労働運動の新潮流の圧倒的な前進を切り開こう。

 第1章 JR九州労が大量脱退で組織大崩壊

 JR九州労での大量の集団脱退は、JR総連=カクマルそのものの内部においてすさまじい矛盾と亀裂が発生し、爆発し始めたことを示している。しかもそれは九州にとどまらない。全国的な拡大は必至であり、最大の柱であるJR東労組をも直撃しようとしている。カクマル自身もそのことを認めざるをえず、今や「非常事態宣言」を発するなど、なりふりかまわぬ悲鳴を上げている。まさにJR総連=カクマルの歴史的崩壊の始まりである。
 十月五日、JR九州労の全組合員九百二十四人のうち、六百五十二人が九州労を一斉脱退し、JR連合傘下のJR九州労組に加入申し込みを行った。その先頭には、JR九州労の委員長を始め、同労組五地本のうち四地本の委員長・書記長らが立った。脱退者はその後も続出し、七百三十七人と全体の八割に達した。
 JR九州では、九一年に旧鉄労系がJR総連を脱退して以降、JR九州労組(JR連合)が多数派となり、JR九州労(JR総連)は少数派に転落した。その実体は旧動労であり、ファシスト・カクマルないしその支持者で固められてきた。委員長の北を始め、組合幹部はほとんど札付きのカクマル分子だ。それが公然と大多数の組合員を率いてJR総連からの脱退宣言を行うという事態を引き起こしたのだ。
 これに対してJR九州労とJR総連、JR東労組は動転して次々と声明を出し、「非常事態」「裏切りだ」「組織破壊者どもを絶対に許しはしない」とその打撃感をあらわにしている。さらに十月七日には、カクマル政治組織局の名で「JR九州労四人組によるクーデタを打ち砕け!」という声明が出された(十月十六日付反革命通信『解放』一六四〇号)。
 この政治組織局声明でカクマルは、「JR東労組会長」(カクマル松崎のことだ!)が「組合組織運営において『独善的』である」ことが大量脱退発生の原因である、と自認している。そして「こうしたJR九州労組織の破壊は、他の地方組織においても現にいま、着々とおし進められていると思われる」「この策略にのって蠢(うごめ)いている腐った執行部員や……JR総連組合員が存在していることに最大の警戒心を払うべき」と、事態がJR総連全体に波及する恐怖におののいている。
 さらに、この重大事態に際して「JR総連ならびに各単組・地方本部の役員たちは拱手(きょうしゅ)傍観し、どこ吹く風と決めこんでいる」と、JR総連の幹部を罵倒(ばとう)している。
 カクマル=JR総連による国鉄分割・民営化推進の路線、ファシスト労働運動の路線の歴史的破産が、ついにカクマル松崎のファシスト的指導性の喪失と、カクマルそのものの内部における深刻な亀裂、崩壊の危機を引き起こすまでに至ったのだ。JR総連解体・カクマル完全打倒への決定的情勢の到来であり、国鉄決戦勝利へ向けた画期的な情勢の進展である。
 闘う全労働者人民は、このことに圧倒的な勝利の確信を燃え上がらせ、今こそ火の玉となって革命的に決起しなければならない。

 何がこの事態生み出したか

 この超重大情勢を生み出したものは何か。
 第一に、動労千葉を先頭に、千四十七人の不屈の闘いを軸として営々と貫かれてきた八〇年代以来の分割・民営化粉砕の闘いの前進である。とりわけ七・一−八・二六に始まる闘争団の不退転の決起と、国労の再生をかけた全労働者階級の魂を揺さぶるような歴史的闘いの爆発である。
 その背景にはさらに、沖縄闘争、ガイドライン闘争の中で生み出された労働者人民の新たな政治的階級的決起と革命的大衆行動の復権がある。そして、それらを根底で支えてきたわが革共同の五月テーゼ−一九全総路線のもとでの闘いの飛躍的前進がカクマル=JR総連を決定的に追いつめ、その反労働者的なファシストの正体を全人民の前に暴き出し、内的崩壊のふちにまでたたき込んだのだ。
 第二に、こうした闘いの進展と同時に、他方で日帝の危機のすさまじい進行が、分割・民営化体制の最大の柱であったJR資本とJR総連との反動的結託体制の矛盾と危機を急速に拡大していることだ。とりわけJR東経営陣の大塚新体制への移行は、JR総連の中心であるJR東労組をぐらぐらに揺さぶっている。
 この中でカクマル松崎は、権力・資本との関係修復のためにも日帝の改憲攻撃や一大資本攻勢への屈服・転向と翼賛の路線を一層深め、JR資本による新たな大合理化攻撃への率先協力=シニア協定の締結に突っ走った。これが今回の事態の直接の引き金だ。
 すなわち、カクマル=JR総連中央は、日帝・JR資本が第二の分割・民営化攻撃とも言うべきシニア制度導入とメンテナンス部門の全面外注化の攻撃に乗り出す中で、JR東労組を守るためにはJR総連の他の地方組織は切り捨ててもよいとする政策を露骨に推進した。これまで国労や動労千葉に一切の犠牲を集中して自らの生き残りを策してきたやり方を、今度は自分の組合員にも向けたのだ。
 この東労組絶対主義に基づくカクマル=JR総連の生き残り戦略の恐るべき反労働者性、ファシスト性が、ついにJR総連の内部に組織的瓦解(がかい)を引き起こし、その一端がJR九州において衝撃的に表面化したのである。
 第三に、したがってこのことは、カクマル黒田・松崎の反革命的労働運動路線の全面的な破産を意味している。カクマル松崎は国労や動労千葉を「会社倒産運動」と呼んで攻撃し、権力・資本による闘う労働者の大量首切りへの率先協力をテコにJR総連組織の温存を図りながら、他方で連合を「左から」批判する勢力であるかのようなポーズをとってきた。この実にペテン的ファシスト的なあり方が、もはや完全に通用しなくなったということだ。これが今後、カクマルの労働者組織全体を恐るべき危機にたたき込んでいく。
 このカクマルの矛盾と危機の爆発は、日本階級闘争を今ひとつ決定的に新たな次元に押し上げる。それは、カクマルのファシスト労働運動を補完物として成り立ってきた連合支配の一層の危機をつくりだす。同時に、追いつめられたカクマルの絶望的凶暴化とさらなる反革命的純化は不可避である。
 他方で闘う労働者人民は、この事態にどよめきと歓声を上げ、新たな時代の到来を全身に感じ、決意と解放感に満ちて立ち上がろうとしている。
 今こそ燃えるような気概をもってこの激動情勢の渦中に躍り込み、二十一世紀へ向けた闘いの巨大な出発点を築くために奮闘しよう。ミロシェビッチ体制を打倒したユーゴスラビア人民の決起、パレスチナ人民の解放闘争への歴史的決起に続く、日本労働者人民の新たな階級的大進撃を、この十−十一月をもって断固として開始しよう。

 第2章 闘争団・一〇四七人の闘い守りぬこう

 この闘いの柱は第一に、十・二八−二九国労定期全国大会決戦だ。この場に一万人の大結集を実現し、全労働者の怒りで国労本部を包囲し、執行部の恥知らずな居直りを断じて許さない闘いを、これまでをもはるかに上回る勢いをもって真正面からぶちぬかなければならない。
 国労本部は「四党合意」受諾を大会で決定しようと必死の策動を強めている。ふざけるな!と言わなければならない。「一票投票」はそのやり方も結果もまったく無効だ。そもそも不当解雇された当事者である闘争団の意思を踏みにじって、闘争団の切り捨てを多数決で決めるなどということ自体が絶対に許されない。労働組合の原則を根底から破壊するものだ。
 しかもその結果は、組合機関を握ったチャレンジと上村革同一派のありとあらゆるデマとペテン、情報操作と恫喝、不正のやり放題にもかかわらず、本部への批判票が四五%にも達している。文字どおり賛否二分、真っ二つの情勢だ。
 にもかかわらず宮坂・上村らは、国労内に巨大な分裂と団結破壊をもたらすことを百も承知で、定期大会での「四党合意」の機関決定の強行という強引な反動的決着に一切をかけて突き進もうとしている。その狙いは、一切の闘争を投げ捨てて国労を解体し、それを自らの転向証明としてJR連合とJR資本にすり寄ろうという一点にある。それは、シニア協定と全面外注化攻撃のもとで労働者への新たな大量首切り・リストラの嵐(あらし)が切迫する中で、JR資本にあらかじめ忠誠を誓うことで自らの身の安全を図ろうとする大裏切りだ。
 だが、こうした反労働者的な大裏切りの路線の行き着く先が何であるかは、まさにカクマル=JR総連の末期的な姿がよく示しているではないか。「四党合意」を粉砕し、一大資本攻勢と対決して立ち上がりつつあるすべての労働者人民との間に固い団結を形成し、その最先頭で闘争団と千四十七人を始めとした不屈の闘いを貫き通す中にこそ、国鉄労働者の生きる道があり、勝利への最も現実的な展望があるのだ。国労大会決戦に勝利して、この闘いを必ず実現しよう。
 さらに、全国各地の国労組合員によって開始されている「四党合意」撤回を求める労働委員会闘争を、すべての国労組合員、すべての国鉄闘争支援勢力の闘いへと拡大し、全社会を揺るがすような一大闘争へと発展させていこう。これは五・二八反動判決に真正面から対決する闘いであり、同時に全労働者の団結権を守りぬく闘いだ。国労の階級的再生をかけた闘いとして全力で推進しよう。

 第3章 11・5労働者集会五千人の大結集へ

 第二に、国労大会決戦と一体のものとして、十一・五労働者集会に日比谷野音を埋め尽くす五千人の結集を絶対に実現することだ。
 関西生コン、港合同、動労千葉の三労組が呼びかける十一・五労働者集会は、今日の一大資本攻勢の真っただ中で、これと対決して闘う戦闘的労働組合の大同団結を、連合、全労連などの既成組織系列の枠を大胆に取り払って実現しようとするものである。そしてその中から帝国主義的労働運動とファシスト労働運動を真に打倒し、のりこえて闘う、戦闘的階級的労働運動の新たな全国的潮流を形成していこうとするものだ。
 「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう」という三組合の呼びかけは、倒産・リストラ、大失業と賃下げ、団結破壊の嵐にさらされて苦闘しているすべての労働者と労働組合に、孤立を打ち破って闘う道を指し示している。
 労働者は、資本の見境のない攻撃、文字どおり戦後最大の資本攻勢に激しく怒っているだけではない。連合など既成の労働運動指導部がこれに全面屈服し、労働者に犠牲を強いる先兵になり下がっていることに一層の憎悪と怒りを燃やしている。日共スターリン主義の大転向は、この情勢にさらに拍車をかけている。
 実際に、JR資本による新たな大合理化攻撃に始まって、全逓での人事交流・職場破壊攻撃の激化、NTTでの大量首切り、省庁再編とそれに伴う行革、特殊法人全廃の攻撃、「教育改革」と一体の教組圧殺攻撃と、画歴史的な大攻撃が相次いでいる。民間中小ではさらにすさまじい雇用破壊・賃金破壊の嵐が吹き荒れている。介護保険を突破口とする戦後社会保障制度の全面解体の攻撃もいよいよ激化してきている。
 そのすべてが、既成労組幹部の裏切りと屈服をも引き金とし、最大の水路として襲いかかってきているのだ。これへの人民の怒りは爆発寸前である。
 七・一−八・二六に始まる国鉄決戦の大爆発は、この中で、日帝の全資本攻勢に対する労働者階級の総反撃の出発点と、その対決基軸を一挙に、巨大に形成するものとなっている。そこには、権力・資本との非和解的な激突性と勝利性、労働者として人間としての尊厳をかけた決起と真の階級的団結のもつ偉大な力、その団結を踏みにじる者への怒りの爆発が示されている。それは、まさしく労働者階級の闘いの原点を荒々しくかつ生き生きと指し示すものとして、全労働者の魂を直接にとらえているのである。
 十一・五労働者集会が、この国鉄決戦の勝利を第一のスローガンに掲げて開催されようとしていることは、その意味で決定的意義をもっている。「全労働者の団結で、『四党合意』に反対し、国鉄一〇四七名闘争に勝利しよう」に始まる四つのスローガンを全国の労働者、労働組合の中にくまなく持ち込み、職場ごと、組合ごとの決起をいたるところにつくりだしていかなければならない。
 五千人大結集を絶対にかちとり、十一・五から日本労働運動の新たな闘いの歴史をつくりだそう。

 臨検法案・改憲阻止へ闘おう

 第三に、この十一・五労働者集会の成功の上に立って、改憲阻止・有事立法阻止の一大階級決戦に向かっての戦略的大前進を直ちに開始することだ。その火ぶたは、すでに九・三闘争や今秋臨時国会に始まる日帝・森政権ならびにファシスト石原都政との激突の中で、完全に切られている。
 憲法調査会粉砕、臨検法案粉砕を焦点に、臨時国会をめぐる新たな決定的闘いに立とう。名護新基地建設阻止の沖縄闘争、三里塚闘争のさらなる発展をかちとろう。北富士闘争を始め十一月日米共同統合演習粉砕闘争に断固決起しよう。中曽根・森・石原による「教育改革」攻撃粉砕へ、教育労働者と全人民による闘いの発展をつくりだそう。少年法改悪に反対せよ。十・二九狭山中央闘争に結集し闘おう。司法反動との闘いを強めよう。
 これら一切の闘いの成否を決するものは、機関紙拡大と党建設の闘いの前進だ。十−十一月をその最大の決戦として闘い、それをテコとして十一・五労働者集会の大成功のために全力をあげることを訴える。

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週刊『前進』(1979号1面2)

米帝とイスラエルによる占領・武力攻撃・虐殺弾劾
 闘うパレスチナ人民と連帯を

 イスラエルの攻撃こそ暴力

 イスラエル軍・治安部隊のこの間のパレスチナ人民虐殺、パレスチナ自治政府攻撃を徹底的に弾劾する。
 イスラエル軍・治安部隊は九月二十八日以来、百人以上のパレスチナ人民を虐殺し、十月十二日には、パレスチナ自治政府諸施設に陸海空から攻撃を加えた。他方、十月十七日の緊急中東首脳会談の共同声明は「暴力停止」と称してパレスチナ人民のインティファーダ(民衆蜂起)を禁圧しようとし、イスラエルへの肩入れを図っている。
 世界のプロレタリアート人民は、米帝・イスラエルのパレスチナ解放闘争圧殺策動を弾劾し、パレスチナ自治政府アラファト議長の屈服をのりこえてインティファーダに決起するパレスチナ人民と連帯し、米帝・イスラエル弾劾、帝国主義打倒の闘いに立ち上がらなければならない。
 イスラエル軍・警察・秘密部隊とそれらに支援され武装したイスラエル人入植者は、インティファーダの再高揚に追いつめられて、ヨルダン川西岸とガザ地区、イスラエル領内でパレスチナ人民を襲撃し、多数の人民を虐殺してきた。イスラエル軍・治安部隊は、ゴム弾や催涙弾のみならず実弾やロケット弾、小型対戦車ミサイルまで用いて非武装の人民を攻撃し、学校に通う児童・生徒たちにまで実弾射撃を加えている。
 これに対して、国連安保理は十月八日、イスラエル非難決議=「パレスチナ住民に対する過度の武力行使」を非難する決議を賛成十四、棄権一(米国)で採択した。
 正義は圧倒的にパレスチナ人民、アラブ人民にある。停止すべきは、パレスチナ人民のインティファーダではなく、イスラエルによる占領と軍・治安部隊の武力攻撃だ。パレスチナ人民から一切の抵抗手段を奪おうとする米帝・イスラエルのたくらみを許すな。
 インティファーダはパレスチナ全土で続けられている。親米国家を含め周辺アラブ諸国でもパレスチナ人民のインティファーダに連帯して数千、数万の規模のデモが闘われている。加えて十月十日、PLO(パレスチナ解放機構)の主流派ファタハが数百人規模の民兵組織の結成を決めた。
 パレスチナ解放闘争は、反帝国主義・反シオニズムを貫き、大衆的実力闘争とゲリラ・パルチザン戦争を併せもつ闘いとして新たな発展段階に入っている。
 十月十二日、パレスチナ人群衆がパレスチナ自治区ラマラの警察署に拘束されていたイスラエル兵二人を殺害した。イスラエルの占領と積年の暴虐へのパレスチナ人民の怒りが爆発したのだ。全責任はイスラエルと米帝にある。
 だが十三日、イスラエル軍はイスラエル兵殺害への報復攻撃をパレスチナ側に加えた。イスラエル軍は、ラマラの警察施設、放送施設、ガザのアラファト議長の執務室のあるパレスチナ自治政府施設などに対して戦車、武装ヘリを出動させ、小型誘導ミサイル、ロケット砲などあらゆる武器で攻撃した。
 パレスチナとイスラエルの全面衝突の危機を迎え、米帝クリントンは緊急中東首脳会談を呼びかけた。

 「暴力停止」の声明の反動性

 十六−十七日エジプトで開かれた首脳会談は、文書による合意発表に至らず、クリントンが自ら「共同声明」を発表した。それは「暴力停止」「衝突収拾」「米・国連による調査委員会設置」「中東和平交渉再開」をうたっているが、徹頭徹尾イスラエル側に立ったものでしかなく、パレスチナ人民にとって受け入れがたい内容となっている。
 パレスチナ人民は、緊急中東首脳会談と共同声明を拒絶・非難する連日のデモに決起している。十七日には、ファタハやイスラム主義武装勢力ハマスなども、反イスラエル闘争を継続することを宣言した。
 パレスチナ人民の闘いは「暴力停止」の共同声明による恫喝を跳ね返し、ますます激化・発展している。
 今回の「暴力」「衝突」の発端は、中東和平交渉が行き詰まる中で、九月二十八日にイスラエルの右派リクードのシャロン党首がエルサレム旧市街(住民のほとんどはパレスチナ人)にあるイスラム教の第三の聖地、アル・アクサ・モスクの建つハラム・アッシャリーフ(「神殿の丘」)への訪問=突入を千人もの警官隊を引き連れて挑発的に強行したことにある。
 この間の中東和平交渉では、このエルサレム旧市街の主権をめぐって鋭く対立していた。シャロンは、アル・アクサ・モスクの境内に侵入することによって、ここが「イスラエルの主権下にある」とアピールしようとしたのだ。これに対してパレスチナ人が直ちに抗議デモに決起し、投石した。これに対するイスラエル警察の発砲で四人が虐殺された。
 この事件をきっかけに、ヨルダン川西岸やガザ地区に加え、イスラエル領内でも、反米・反イスラエルの闘いが始まったのである。
 米帝とイスラエル・バラク政権による中東和平推進政策の破綻(はたん)は、右翼の台頭、シャロンの挑発行為を引き起こした。バラクは、シャロンら右翼を取り込んで非常事態・挙国一致内閣を作ろうとしている。これは、中東和平プロセスを自らぶちこわし、パレスチナを全面的な軍事衝突に引き込み、圧殺するたくらみにほかならない。

 世界戦争危機を世界革命へ

 今や米帝は、中東支配政策の破産の危機に加えて、石油価格高騰と株価急落(一万j割れ)による二九年型世界大恐慌の本格的爆発寸前という危機にある。米帝は、この危機を帝国主義間争闘戦と朝鮮・中国・アジア−中東での侵略戦争−世界戦争でのりきろうとしている。世界戦争(の危機)を世界革命に転化する国際プロレタリアートの闘いが求められている。
 闘うパレスチナ人民、アラブ人民、朝鮮・中国・アジア人民、ユーゴスラビア人民、チェチェン人民と連帯し、米日帝の朝鮮・中国−アジア侵略戦争を阻止するために闘おう。二〇〇〇年後半決戦の勝利を全力で実現しよう。

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週刊『前進』(1979号2面1)

中野洋動労委員長にインタビュー
 11・5五千人結集から21世紀へ 闘争団先頭に「四党合意」粉砕を
 ここに日本労働運動の未来が

 十月二十八−二十九日の国労定期全国大会を目前に控え、千四十七人の解雇撤回闘争を中心とする国鉄闘争の現局面と勝利の展望について、動労千葉の中野洋委員長に聞いた。また、「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! 十一・五全国労働者総決起集会」の呼びかけ組合の一つとして、集会の成功に向けての訴えを聞いた。(編集局)

 7・1の”歴史的壮挙”が大激動生み出した

 −−国労定期大会が目前に迫っていますが、重要な局面を迎えた国鉄闘争をどう見ていますか。
 中野 現局面の国鉄闘争が今後の労働運動の未来を決めるという今の時期だからこそ、まず情勢を正確に認識する必要があると思います。
 国鉄闘争は千四十七名の解雇撤回闘争を中心としているが、単なる解雇撤回闘争ではない。戦後最大の労働運動弾圧攻撃としてあった国鉄分割・民営化をめぐる攻防が十数年続いている。国鉄分割・民営化後、総評が解散して連合が結成される中で、労働運動が大きく力を喪失して、個々の労働組合、労働者が分断支配されている。こういう状況下で、国鉄闘争の行方が全産別の労働運動の未来を決めるものになっている。
 「四党合意」は、「JR不採用問題の解決のために」という表題がついているけれど、解決案ではなくて敵の超ど級の攻撃なんです。これをまずはっきりさせておきたい。それを受諾するのは、国労の名において首切りを認めるということなんだ。それは闘争団だけではなく、JR本体で働いている労働者にとっても、大変なことなんです。
 国鉄闘争がこの攻撃をどう跳ね返すのかという攻防が五カ月間続いている。
 「四党合意」を受諾して闘争団および全国労組合員に強制しようとした国労本部に対して、闘争団や現場の組合員たちが激しく立ち上がった。演壇占拠で七・一臨大を休会に追い込むという非常に画期的なことが起こり、これが日本の労働運動全体に大変な衝撃を与えたということです。
 われわれは“七・一は歴史的壮挙だ″と言っている。なぜかと言えば、現状は、組合がおしなべて資本と一体となって労働者を抑圧する側に回っている。その中で労働者はどうやったら激しい大資本攻勢に立ち向かえるのかと苦闘している。七・一は、資本の手先となったダラ幹たちを、こうやればぶっとばせるということを示した。組合の権力に座ってのうのうとしているダラ幹に対して、いつ労働者が反乱を開始するか分からないということを、非常に鋭角的に突きつけた。その意味で歴史的な快挙だったということです。
 あの闘いは、平和的な形で行われたわけではなくて、演壇占拠という実力行動を伴う激しさを持っていた。だからなおさらインパクトを与えた。今の状況では、そういう激しさこそが労働者の魂を揺さぶる。大会代議員の三分の二くらいは賛成派という状況で、なんの代議権も持たない闘争団員が当事者として先頭に立ち、現場の労働者が駆けつけて執行部に殺到した。これが、やはり多くの人たちの共感と賛同を獲得したということではないか。
 こうした闘いが、八・二六続開大会でも中執原案を採択しないところにまで追い込んだ。本部執行部を打倒寸前にまで追いつめる大変な闘いを展開した。この意義は今でもまったく失われていない。ここに確信をもって突き進むことが大事だと思う。
 さらに、この闘いが国労内だけなくJRの労働運動全体にも大変なインパクトを与え、国鉄闘争を取り巻く多くの労働運動に大激動、大流動状況をつくり出している。
 −−その重要な現れが、JR総連・九州労の大量脱退という事態ですね。
 中野 そう。箱根以西では、九一−九二年にJR総連が分裂してJR連合がつくられた。この時はJR資本の側が、分割・民営化の手先として使ったカクマルを用済みとして切り捨てるということで、資本の意を受けた旧鉄労グループを中心に一斉に脱退した。今度の場合、九州労というのは旧動労グループだし、生粋のカクマル本隊というべき組合である。要するに、JR九州内のカクマルグループの大半がJR連合の懐に逃げ込むということが起こったわけです。
 JR総連内のカクマル中枢の対立・分裂がここまできた。これは明らかに、七・一に象徴される国鉄闘争の激動がつくり出したということを押さえなければいけない。
 分割・民営化以降十余年間、JR資本とJR総連=カクマルの結託体制で労働者を抑圧し、支配するという構造の中でわれわれは悪戦苦闘をしてきたわけです。この一角を崩すことなしに解雇撤回闘争も、反合理化・運転保安の闘いも、権利確立の闘いも、不当労働行為根絶の闘いも一歩も前進しないということを、動労千葉は組合の中心的なスローガンに位置づけて闘ってきた。
 これは九州にとどまらず、西日本、東海、そして何よりもカクマル支配の東日本に波及する。敵の支配体制が揺らぎ始め、動労千葉や国労闘争団、国労組合員にとっては絶好のチャンスが生まれてきた。
 国労の幹部は「今がラストチャンスだ。今をおいて解決する時期はない。この千載一遇の時を逃したら永久にチャンスを失う」などと、敗北主義と呼ぶのも褒めすぎのようなことを言ってきた。これは、労働者は闘っても、結局は負けてしまうという考え方です。それに対して動労千葉は、分割・民営化後十数年を経て、絶好のチャンスが来たと認識している。これは現場の組合員も身をもって感じている。千葉でも平成採の青年労働者を中心とする反乱が起こっているし、彼らとの間の戦闘的交流も具体的に開始されている。
 われわれは、労働者は絶対に立ち上がるし、その中でしか生きる道はないと確信して闘っている。だから非常に明るいし、展望を自分たちのものにしながら、「さあ、これからやってやろうぜ」という意気込みになっている。
 何よりも重要なことは、千四十七名闘争が正念場中の正念場を迎えている中で、こういう事態が生まれたということです。国鉄闘争勝利の確信をますます鮮明にさせて闘わなければいけない。

 JR総連の分裂劇は絶好のチャンス到来

 −−JR総連・九州労が分裂に至った根本的な原因は何でしょうか。
 中野 彼らは分割・民営化に協力し、「労使共同宣言」を結んでJR総連という組合の主導権を資本から与えられたわけです。資本と結託してあらゆる合理化を容認し、もっぱらカクマルという党派の組織温存を図ることをやってきた。それがいや応なしに生み出した問題だということです。
 それに加えて、JR東日本を死守するために他のエリアのJR総連を犠牲にしてきた。いわばJR東日本という帝国主義本国が、その他の植民地から収奪しているという構図です。
 東労組は、今年三月一日に「シニア協定」を他のJRに先駆けて締結した。これは年金法の改悪に伴う定年延長問題で、資本がひとつも出血しないで労働者にすべての犠牲を転嫁するというものです。しかもメンテナンス部門の全面外注化を前提としている。こんなものを「日本のあらゆる企業の中でも画期的な制度だ」と自画自賛して、「これは第二の雇用安定協約だ」などと言って組織攻撃の道具に使っている。これは全JRグループに波及すると思うけれど、そういうふうにJR東日本のカクマル体制を守るためには他はすべて犠牲になってもいいんだというあり方。だからカクマル内部でも、激しい対立が臨界点に達せざるをえない状況にあったと思う。そこが最大の原因だ。
 もうひとつは、JR東日本の中でも「シニア協定」による再就職先は東京などの都市部に集中している。東京などではそれなりに成り立つかもしれないが、地方の場合はそもそも成り立たない。これは国労や動労千葉を排除するだけではなくて、東労組の組合員も排除するということにならざるをえない。それがだんだん見えてくるから、東労組の中でも火種がくすぶっていて、いつパッと引火するか分からない状況にある。
 今度の分裂劇について、カクマルが政治組織局名で声明を出した。彼らはこれが中枢問題であるということを自認した。これはあらゆるエリアに影響する。特に貨物はベアゼロが続いているわけで、いつ爆発してもおかしくない。東日本でも近い将来同じことが起きると見ている。JR九州労の分裂劇は、地下水脈で全国につながっている。
 それがこの国鉄決戦の渦中で火を噴いた。これが階級闘争ということです。分割・民営化から十数年、闘争団を始め国労の組合員は現場で悪戦苦闘してきたわけだから、「ラストチャンス」ではなくて、いよいよ絶好のチャンスが来たという立場に立ちきるべきだ。そういうことをJR九州労の分裂問題は、はっきり示しているのではないか。

 当該である闘争団は誰よりも権利がある

 −−国労の「一票投票」の結果をどう見ますか。
 中野 一票投票の結果は「○」が五五%、「×」を始め保留を含めて四五%となった。全体的に見ると、八月二十六日の続開大会までは闘う勢力が「四党合意」推進派を土俵際まで追いつめていた。しかし、「一票投票」というトカゲのしっぽを残してしまった結果、それがまた息を吹き返して反動が開始された。「一票投票」の過程では、JR各社がチャレンジグループや革同上村派を公然とバックアップした。そういう点で、これが八・二六までの闘いの勝利を打ち消すための大反動であったことは間違いない。
 そもそも「一票投票」というのは、千四十七名にとって死活的な問題を、規約にもない全員投票で決めるというやり方です。しかも、単に「四党合意」を認めるかどうかという形ではなくて、本部を支持するのかしないのかという形でやった。「×」をつけるのは、本部を不信任するのと同じで、「そうしたらまた国労は分裂するぞ、今、国労が分裂していいのか」ということを突きつけるものだった。さらに、まったく許しがたい不正、デマ、にせ情報を駆使してやったわけです。千葉では、「四党合意」推進派は「三千万円の解決金が出る」というデマを吹聴して回った。
 千四十七名の死活のかかった問題を、直接的には利害のない人も含めて投票で決めるというやり方が間違っている。地方で原発設置を認めるかどうかという住民投票を、まったく関係のない東京でやるのと同じなんです。JRで働いている組合員も含めてやるとなれば、そちらの方が圧倒的に多いわけだから、一見、民主的な装いをこらしているけれど、実は非常に不正な、非民主的なやり方だ。
 にもかかわらず、本部案に対して四五%も「×」あるいは保留が突きつけられた。これを見れば、明らかに国労全体の総意はノンであることを示したと理解すべきだと思う。
 −−国労定期大会に向けて国労組合員に訴えたいことは何でしょうか。
 中野 「一票投票」というやり方までして千四十七名を切り捨て、国労を解体し、連合になだれ込もうとしている今の本部執行部に対して、闘争団を先頭に断固とした闘いをどうつくりあげるのかが最大の焦点だと思います。核心は、「四党合意」は絶対に反対という新たな運動をつくりあげることです。
 この闘いは定期大会でどういう方針が通ったかということだけでは決着がつかない。これから一年、二年という勝負に突入したという認識をもつべきだ。それは、国労が闘争団を先頭にして本当の意味で闘う労働組合として再生できるのかどうかにかかっている。
 だから、その核心点はなんと言っても闘争団です。闘争団の気持ちはよく分かります。解雇されて、国労内外からの支援を受けているから、自分たちが思っていることを主張しづらいということはあるんです。しかし、「四党合意」以降、「これだけはやはり認められない」「自分たちの人生を勝手に決めないで下さい」と一気に決起した。「JRに法的責任がない」ことを臨大を開いて承認しろという、国家的不当労働行為の最たるものと言える攻撃に対して、今までの怒りを解き放って決起した。
 それでも、まだまだ遠慮している要素が相当あるのではないか。だから、七・一や八・二六の時も、「大会を中止しろ」と言っているのに、闘争団が大会を中止に追い込んだ形にしてはまずいんじゃないかという、非常に遠慮深いところがあった。けれども今、国労の大会を成功させるとか中止させるとかの権利を持っているのは闘争団なんです。解雇された闘争団の処遇をめぐる方針を討議するわけだから、当該である闘争団が誰よりも権利を持っている。
 国労の一部の共産党やチャレンジグループが、やれ「暴力行為だ」とか「非民主的だ」とか言っているけど、彼らの方がよっぽど非民主的なんです。大会を中止に追い込んだって、そういう権利を闘争団は持っている。それは、国労内外ですべての人が認めている。
 闘争団が本当に人生をかけて家族ぐるみで闘っているから、日本中の労働者がその姿に打たれて支援するわけです。もちろん傲慢(ごうまん)になってはいけないけれども、やはり通すべき筋は通さなければいけない。
 もうひとつの問題は、「四党合意」推進勢力の重要な一角である革同の中でも、今回の「一票投票」過程で、明らかに反旗を翻すグループが全国で激しく動き始めてきている。全労連傘下でも、「四党合意」だけは絶対に認められない、これを認めたら労働運動の死だ、という声が多くのところから起きている。これを見ると、七・一の決起がつくり出した情勢、闘う側に本質的に有利な状況はまだあることを、はっきり認識するべきではないか。
 こうした中で、国労のあらゆる職場から「四党合意」は不当労働行為だという労働委員会闘争が起こっています。これこそが闘争団と連帯する闘いだし、何よりも闘争団自身がこの労働委員会闘争に踏み切って、「四党合意」の攻撃に体を張って闘うことが重要になってきたと思います。そうした新たな闘いに、日本全国の心ある労働者は間違いなく支援を寄せる。その中から、新たな国鉄闘争勝利の展望が切り開かれるのではないか。
 −−国労大会ではどのような闘いが求められていますか。
 中野 闘争団もこの過程で逡巡(しゅんじゅん)を取り払って、全国大会に向けてもう一回大量に結集する闘いに踏み切るべきだと思うし、やると思います。
 国労本部は、ペテンとごまかしではあるけれど「一票投票」で組合員の過半数の支持を得たということを錦の御旗にして、今度の定期大会で「四党合意」承認の方針を貫徹しようとしてくることは間違いない。しかも、本部は総辞職を表明しているにもかかわらず、開き直ってまた居座るということだってありえる。
 こういう暴挙に対して、この定期大会こそ、臨大を上回る結集を何よりも国労組合員がやるべきだ。十月二十八−二十九日、社会文化会館を十重二十重に包囲する闘いをまた展開すべきです。そのことが「四党合意」を粉砕してチャレンジや上村革同を打倒する重要な闘いになる。支援する労働組合も、国労の内部問題に介入しないなんていうきれいごとは通用しない。国労の動向が日本の全労働者の命運を決めるわけだから、公然と自らの意思を主張するのは当然だと思います。こういうことは組織介入にならないという立場に立って、大会をもう一回大きな闘いの場にすべきです。
 ユーゴスラビアでは、不正選挙で権力の座に居座ろうとしたミロシェビッチに対して、労働者がゼネストを行い、数十万の人民が首都に結集してこれを倒した。十月二十八−二十九日は、社会文化会館を取り巻いて、そういう闘いをやろうということです。

 あらゆる労組に入り大胆な呼びかけを

 −−直後には十一・五労働者集会がありますが、この成功のために訴えたいことをお願いします。
 中野 今年の十一月労働者集会は三回目を迎えるが、例年にも増して重要な意味を持っている。それは、日本の労働運動を二十一世紀に向けてどうするかという決定的なものです。
 呼びかけ三組合でこの間討論してきたが、何よりも国鉄闘争の勝利、国鉄闘争支援を大きく打ち出す集会にしようとなった。
 関西でも九月三十日の集会に千名弱の労働者が結集して、関西の労働運動地図を塗り替えるような闘いを実現しているし、東京の十・六国鉄闘争支援集会も、今までにない多くの労働組合の賛同と結集を実現している。十一・五の大成功に向けて大きく前進していることは間違いない。
 「国鉄闘争に関心を持つすべての労働者は全部結集すべきだ、結集しよう」と大々的に打ち出すことが非常に重要です。
 もうひとつは、大資本攻勢との闘いです。戦後的な労働運動のあり方を根本的に解体する攻撃が吹き荒れている。これは労働組合の存在を認めないということです。今までは一応、憲法第二八条があり、労働三権があり、その枠内では労組を許容するというあり方が続いてきた。でも、それでは今の資本主義の危機は乗り切れない。労働組合、労働運動は資本の自由な運動を阻害するから、その存在を許さないという攻撃が始まっている。単純に闘う労働組合は許せない、ということではない。
 もうかるところに自由に資本を投下して、誰にも文句を言わせない。もうからなくなったら、すぐに資本を引き揚げる。資本が好きな時に好きなように労働者を雇い、好きなようにこき使い、好きな時に首を切れる、そういう仕組みにしようというわけです。
 この間、民事再生法、産業再生法、会社分割法制などが出てきたし、労働者派遣法や労働基準法の改悪など、法的な手だては全部やってしまっている。それが発動されている。
 今春闘でのNTTのゼロ回答のようなやり方に対して、鷲尾連合会長が「これ以上われわれを無視したら変な労働運動が出てきてしまう。そうなったら経営者の方だって困るじゃないか」というあけすけなコメントを出したけれど、これは非常に象徴的だ。
 労働法制の解体だとかいろんなことをやってきているが、その最たるものが「四党合意」なんです。これは、労働委員会制度や労働組合法を少しは尊重しようという機運が、もう権力党派にはさらさらないということです。それを考えると、この大資本攻勢の中で、今こそ闘う労働組合、労働者が結集しようというのは、労働者の、労働組合の共通の願いではないか。
 労働者は、闘うことでしか生きていけない。だから労働組合があるわけです。その原点に返らなければならない。労働者の決起に依拠し、労働組合を守り、団結させていくことが、今問われている。“団結″という古くして新しい言葉をキーワードにして結集しようと呼びかけている。
 さらに十一・五は、臨検法案や有事立法、教育基本法改悪を強行し、改憲に突き進もうとしている森政権やファシスト石原都政と対決する闘いでもある。
 今度の十一・五集会は、大資本攻勢との闘い、その軸に座っている国鉄闘争にとって、きわめて重要な意味を持っている。われわれは日比谷に五千人を集めようと言っているけど、それに成功した時、今の力関係を大きく逆転させて、労働運動が、労働者が二十一世紀に怒濤(どとう)の進撃を開始する大きな出発点になる。
 五千人が結集するということは、背後に五万、十万の労働者がいるということです。その一人ひとりに対するオルグがなされない限り、五千人は集まらない。労働組合だって、一割動員というのは大変なことです。そういう闘いをしなければならない。
 多くの労働者、活動家に訴えたいことは、今までの逡巡を取り払って多くの労働組合の中に入り、大胆に呼びかけてほしいということです。そうすれば必ず、今までとは違った反応が生まれるだろうし、大きな成果をかちとれる。あらかじめここはいいとか悪いとかレッテルを張らないで、あらゆる労働組合、労働者に分け入って、十一・五日比谷に集まろうと訴えてほしい。労働者がどうやって生きていくのか、未来を語ろうという呼びかけを是非してほしいと思います。

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週刊『前進』(1979号2面2)

資本攻勢&労働日誌 10月4日〜16日
 ●教組の時間内活動に攻撃
 ●労働省が会社分割指針案
 ●鳥取でダブルマイナス人勧

●4日 三重県教育委員会は、97年4月以降に三重県教組組合員が行った時間内組合活動約60万時間分の賃金の返還を請求する方針を明らかにした。
◇日本人材派遣協会のまとめでは、大手23社による1〜6月の首都圏での派遣実績は延べ人数で50万4750人で、過去最高を記録。年間で100万人に迫る勢い。
◇連合は中央執行委員会で「連合ハローワーク(仮称)」の事業計画を承認した。パートのみの組合を別につくること(一企業二組合)もやむを得ないとした。
●5日 電機連合は「公的年金制度の現状・課題に関する電機連合の考え方素案」を明らかに。年金目的消費税を創設し、消費税の税率は10%にするとした。
●6日 労働省は来春から施行予定の会社分割法制に関して、実施企業に義務付ける労資の事前協議についての指針案をまとめた。@会社と組合で転籍対象者の選考基準、分割後の労働条件を協議、Aその後、転籍の是非について会社と本人が話し合う、と2段階の協議を行うとしている。(日経)
●11日 榎本自治労委員長は大阪府本部の定期大会であいさつし、鳥取県ではベア改定なしに加え手当も一切改善しない「ダブルマイナスの勧告」が出されたと報告。
◇裁判所書記官や家裁調査官などでつくる全司法労組(全労連傘下)は、国会審議中の少年法改悪案に対し「たいへん危惧(きぐ)を抱いています」との意見書を発表。
●12日 労働省は、過労死の労働災害認定基準の見直しに向け検討を開始すると決めた。今年7月に最高裁が国側敗訴の判決を出したことなどを受けたもの。現行では具体的な評価要因までは明示していない。7つの具体的要因を認定基準に取り込むことが必要だと判断した。
●13日 連合は中央女性集会を開き、「仕事と家庭の両立支援法(仮称)」制定を要求した。
●14日 自民党の野中幹事長は彦根市で講演し、与党3党の行財政改革推進協議会で、国家公務員と地方公務員に労働三権を認めることと引き換えに人事院勧告の改廃や成果主義賃金の導入を検討している事実を明らかにした。
●16日 介護労働者でつくるゼンセン同盟日本介護クラフトユニオンは「介護事業従事者の就業実態調査」の結果を発表した。それによると回答者の85.2%が女性で、20−40代が中心。雇用形態は正社員が36.1%、パート・ヘルパーが23.7%、登録型ヘルパーも15.5%。雇用形態はパートだが正社員並みに働いている「常勤ヘルパー」(1日6時間以上週5日以上勤務)も14%を占め、全体の約半数がパート扱い。賃金は時間給がほとんどで、月収15−20万円未満が53%、20−25万円が23%だ。(ヘルパーの声は下欄参照)

 介護労働者調査に寄せられたヘルパーの声

 ●全体的課題
 介護保険が導入されて仕事が減り、雇用に不安を感じている。
 ●労働条件
 重労働の仕事内容が世間にあまり認識されていない。
 当日でないと仕事の予定が分からず、生活の計画が立たない。
 ●賃金
 訪問先への移動も含めて考えると家事援助の報酬が低い。
 介護経県が実施されて、給与が減少した。
 突然キャンセルが出た時も賃金を支払ってほしい。
 ●交通費
 移動距離が長くても交通費が支給されない。

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週刊『前進』(1979号3面1)

国労闘争団労働者は訴える
 ”四党合意は撤回すべき” 「解雇撤回」の一点で団結を

 「四党合意」をめぐる国労の「一票投票」の結果を受けて、圧倒的多数の闘争団が「四党合意」撤回、大会決定阻止を訴えて闘っている。十月二十八、二十九日に開かれようとしている国労定期全国大会に向けて、二人の闘争団員に闘いの決意を聞いた。編集局の責任でまとめました。(編集局)

 北海道 Aさん 「一票投票」は大善戦だ 反対派が国労担う決意

 「一票投票」の結果は結果だけど、それは決定ではないし、各地方でチャレンジだとか革同が権力を握っている中で、おれは大善戦したと思っていますよ。五五%なんて過半数に毛の生えたような票で押し通そうなんて無理です。八割方というのなら、おれたちもガクッとくるけれど。
 JRの組合員の声は、「闘争団が決めることだ」というのが圧倒的です。それに、いまだに職場で差別されているんだから、「JRに責任なし」はいただけない。おれは、何々グループに言われたから「○」とか「×」とかじゃなくて、自分がこれまで闘ってきたことを考えれば、おのずから結論が出るだろう、と言いました。
 やっぱり、職場にこんなにも亀裂を生んだ元凶である「四党合意」は引っ込めるべきだ。何のために「総団結」を訴えているのか。今、亀裂が入っているからでしょう。その亀裂を生んだのは「四党合意」なんだから、それは引っ込めなければ団結できない。組合員同士が口もきけなくなる。それは本部がこういうものを出したからだ。
 もろ手を挙げて賛成した人はだれもいない。反対した人は「こんなものは許されない」とはっきりしている。ところが賛成する人たちは、その後に「しかし」とつける。これが良くない。屈辱的だと言っていて、なんでけらないんだ。「改革法承認」から「四党合意」まで、こうやってひれ伏しているけど、労働者としての意地がないのかと思うよね。国鉄労働組合は右に急カーブばかりで。
 支援共闘の組合を回っていると、機関と機関との話し合いの場では「それは国労が決めることでしょう」と言います。しかし、「政党が労働組合にこうしろと言うのはおかしいぞ」とみんな思っています。それを国労は「はい」と言ってくるんだから、「どうなっているんですか。裏があるんじゃないか」と。
 五・二八判決から「補強五項目」のあたりで仕組まれていた。あのころ、「地裁で負けた方が解決が早まる」という話がチャレンジあたりから出ていた。早くおれたちを整理して、JR連合と一緒になる。その時、おれたちは国労組合員の資格がなくなっている。騒ぐのは切っておくと。もう待てないと相手から言われているのかもしれない。
 「四党合意をけって展望があるのか」と言う人がいるけれど、あれは旗を降ろしたい人の逃げ口上だ。焦っているのは敵なんだ。そこを分かっていない。けることを相手が恐怖している。それなのに、国労の側が脅えきっている。本末転倒だね。交渉のテーブルどころか「はいこれだよ」で終わりなのに。
 「力関係がこうだから、四党合意しかないんだ」とも言うけれど、巨象にアリのような関係で闘いは始まっている。「力関係」と言うなら、始めから闘いをやめるべきだったんだ。
 「改革法承認」の時も「苦渋の選択」、今度も「苦渋の選択」。何回やればいいんだ。ひどいものが出たら、ければいいと言う人もいるけれど、「JRに責任なし」を認めて、裁判も取り下げて、何を手がかりに闘うのか。今度は、やっぱり「責任がある」と言うんですか。そんなことが成り立たないのは子どもでも分かるでしょう。
 当面の定期大会、なんとしてでも原案否決で頑張らなければならない。「×」を書いた人たちが、今度は国労運動を担っていくという決意でやっていかなかったらダメだと思いますよ。
 ただ、闘争団の中には「おれたち闘争団のせいで大会を壊されたと言われたくない」という気持ちがあるんだね。ここまで来たんだから、そんなことを言ってられない。とにかく「四党合意」を撤回させること、機関決定を阻止すること、これしかない。
 本部が「四党合意」を受けてくるという弱さをつくりだした、五・三〇以前の闘いのあり方、大衆行動が弱かったことを、闘争団としても総括しなければならない。おれたちの敵は本来は政府やJRだ。敵と闘うべき時に、国労本部との闘いで、どれだけ無駄な時間を過ごしてきたか。本当に悔しいですよ。
 JRではメンテ合理化(保守部門の全面外注化)が問題になっている。職場がなくなるわけだから、スト一発打てないようじゃしょうがない。国労本部は、「採用差別の問題で大事な時期だから」と闘争団のせいにして、この間、闘いをやってきてない。
 闘争団ははっきり言って、ほっぽり出されても頑張れる。問題はJR本体がどれだけ頑張るかです。JR総連やJR連合と同じになって、どうして組織拡大ができるんですか。今、労働者は闘いを求めているんです。最近、労働組合は、要求は闘ってかちとるものだということを忘れているけれど、国労が一番忘れているんじゃないか。
 十一・五労働者集会を成功させてほしいですね。
 おれも好き嫌いはあるし、行きたくない集会もある。だけどそんなことを言っている時じゃない。いくつもの闘争団の旗を立てるべきですよ。動労千葉も全動労も国労闘争団も、「解雇撤回」の一点で団結すべきだ。ぜひ多くの闘争団にも参加してほしいよね。

 北海道 Bさん 強引に通せば禍根残す 闘う路線は曲げられぬ

 「一票投票」は「賛成」が過半数からわずか五%しか上回っていない。この結果で「四党合意」が信任されたと言うには無理がある。執行部が強引に「四党合意」を通そうとすれば、また混乱を招いて禍根を残すことになります。
 そもそも事の発端は、完全な路線の変更を執行部だけで受け入れたところにあるわけだから、中央執行委員会として「四党合意」の受け入れを戻すのが最も民主的だと思います。
 ただ、執行部の「見解」はトーンが落ちていると思います。完全に失敗したということが表れている。マスコミでも「七〇%、八〇%とれる思惑があったようだ。しかし結果としてあの数だ。執行部はそうとうショックを受けている」と言っている。もうひとつは、政府やJRが「良くやった」と拍手しているのか、「こんなものでは今の執行部を相手にできない」と思っているのか。少なくとも拍手はしていない。
 マスコミは、「四党合意」イコール「解決案」という言い方をしている。「四党合意」とは「解決案」でもなんでもなくて、「JRに法的責任なし」を認めろということなのに。
 闘争団でも、反対してたのに、上村学校(革同)の意志統一で手のひらを返して「賛成」に回った人がいる。「おれはもう年だから、戻れなくてもいい。若いやつを一人でも二人でも戻したい」と団員をオルグしたようです。三好先生(北海道教育大元教授)が「解決金は四けた。復帰は三けた。数字は一ではない」と言って、それを信じている人も多い。革同ルートの話だけど、どこからの情報かも分からない。上村副委員長あたりは「確証がある」と言うだけだ。ダメだったら責任をとって辞めると言ったって、そんなものは許せない。
 年配者には「生活が苦しい」と言う人はいます。そういう弱さを突いてきた。本物のえさではなくて毛針みたいなえさでね。
 それにしても、五五%しか「賛成」がいなかった。国労組合員の意識はたいしたものだと思いますよ。組合員は、率直に言って、自分の生活と闘いをてんびんにかけざるを得ない。今の執行部もそのことを知っていて、組合員の弱さを利用した。逆に組合員を指導すればいくらでも強くなるのに。きわめて悪らつだ。それでも五五%というのは、さすが国労だ。
 闘争団というのは、やはり日本労働運動の象徴だと思うんです。分割・民営化の時に、国労つぶしは総評つぶしだ、それを許さない、闘う労働運動を構築しようと覚悟したわけだからね。つらいけれど、その覚悟を貫き通すしかないじゃないですか。相手も金とかの問題じゃなくて、どうやってその路線をつぶすかというところに力を入れているわけだから。
 最終的には「補強五項目」だ。国労の存亡がかかっているときに、一千万円やるから路線を曲げろと言われても、曲げられない。
 闘争団を支援している人びとは、さまざまな思想を持っている。カクマル以外は。その意味では「解雇撤回・JR復帰」の闘いはあらゆる人を集め得る要素を持っている。だからつぶしたいんです。
 もうちょっとの辛抱なんだ。やはり指導部の問題ですよ。指導部がどうやって組合員を引き上げていくか。組合員はそうするとついてくるし、そうでない指導部は辞めさせるしかない。年をとってきて、闘争をそろそろたたみたい、小銭をもらってゆっくりしたいという気持ちは分かります。だけど指導部が自分の目的と闘争全体の目的をごっちゃにしたらダメだと思うんです。僕はどんなことがあっても生き方として最後まで運動をやっていこうと思う。もうやめたいというなら、静かにやめていけばいいんだ。それを、「四党合意」はみんなの幸せのためだみたいに言って、引き連れていくんだから、それは犯罪的だよね。
 一方で「団結」と言いながら、七・一を極端に「暴力」だと批判する。そもそも五・三〇自体、本部はペテンにかけてきた。これをのめば解決案が出ると言いながら七・一を迎えた。物事の発端はそこにある。だから五・三〇以前に戻して議論するしかない。
 五・三〇の時は、僕は基本的には認めたくないけれど、解決案が出て判断すればいいと思った。それが間違いだった。決意を固めて反対を表明した。
 もう少し頑張って闘争団の闘いの成果とか反省点をきちっと出して、その上に立って反対なんだということを各闘争団、活動家が出すべきだと思う。
 大会では、万が一にも闘い続ける部隊を力をもって切り捨てるという最悪の事態だけは避けたい。闘争だから敗北することはあるけれど、そういうやり方は自殺になるからね。
 大手の民間労組では、首切りに反対する場合は個人で孤立してやらなければならない。国労の場合は国労本体が闘い、そこに闘争団がある。首を切られたけれどそう不幸ではなかった。労働者にとって最も不幸なのは、首を切られて、しかも本体からも切られることです。そうならないことを願っています。なんとしても頑張ります。

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週刊『前進』(1979号3面2)

連載 新潮流運動の大躍進へ 資本攻勢の嵐と対決を (8)
 労働組合の解体狙う 首切りの承認を強要
 「四党合意」が最先端の攻撃 闘う労組の団結で反撃を

 団結権を破壊し資本の延命図る

 これまで見てきたように、今日の一大資本攻勢は、賃下げ−賃金破壊、首切り・不安定雇用化−雇用破壊、年金・社会保障解体、権利破壊などまさに全面的なものである。それは、日本帝国主義が九七年秋以降、深刻な恐慌に突入する中でますます「戦争と大失業」の攻撃となって激しく襲いかかっている。米ニューヨーク株式市場で一万j割れ、東京株式市場で一万五千円割れ(十月十八日)という事態は、さらに二九年型世界大恐慌の危機と資本攻勢の激化を加速させる。
 日帝資本は、その一大資本攻勢の核心として、労働者の団結権を奪い、労働組合を解体する攻撃に全力を挙げてきている。
 戦後、憲法二八条のもとで、労働者の団結権、団体交渉権、争議権が認められてきた。こうした労働基本権、その核心である団結権の一定の保障の上で、戦後的な労働者支配があった。
 だが今や、労働者の団結権すら許容できないほどに資本主義の危機が深まっている。労働者の団結を徹底的に破壊して労働者をばらばらに分断し、抵抗を封じ込め、リストラを行い、搾取を強めることでしか、資本は延命できないのだ。

 労働委制度解体する「四党合意」

 そうした資本攻勢の最先端であり頂点をなすものが、国労に「JRに法的責任なし」の大会決定を強要してきた五・三〇「四党合意」である。
 「JRに法的責任なし」を認めよ、しかも「大会決定せよ」と強制するとは、何よりも労働組合に対する最も悪質な支配介入である。労働組合に首切りの承認をしろ、ということだ。しかも、国鉄分割・民営化、国鉄労働運動解体攻撃を国家的不当労働行為として強行した張本人である自民党を始めとする四党、そのバックにいる運輸省、JR資本などが、その国家的不当労働行為の総仕上げとして、「四党合意」を国労に強制しているのだ。
 JRに採用差別の不当労働行為責任があり、JRに採用すべきとする救済命令が全国の地労委で出され、中労委も不当労働行為を認定している。中労委命令は、救済内容において大きく後退したが、「JRに法的責任あり」は生きている。それに対する行政訴訟の東京地裁五・二八反動判決が出されたが確定したわけではない。JRは労働委員会命令を履行する義務を負っている。これを無視し、居直り続けるJR資本、またそれを放置し続けてきた政府・自民党、運輸省などは、不当労働行為の上に不当労働行為を重ねてきているのだ。
 何重もの不当労働行為を容認し、国労が進んで労働委員会命令を否定しろ、というのが、「四党合意」なのだ。こういう形をとって、労働委員会制度そのものの解体を推し進めようとしているのである。
 またこれは、JRの採用差別、清算事業団からの首切りという「二度の首切り」への怒りをもち、そして地労委命令によって自らの闘いの正義性への確信を深めて闘ってきた国労闘争団を始めとする千四十七人の闘いの根幹をたたき折るものだ。それだけではなく、労働委員会闘争を武器に争議を闘ってきた中小労組を始めとする労働組合に対する大攻撃でもある。
 労働委員会制度とは、使用者が労働組合に対して妨害行為を行った場合、団結権を侵害する不当労働行為(労組法七条)であると規定し、それに対して労働委員会が救済する権限をもつというものである。団結権を保障するための制度である。これを否定するということは、団結権の解体そのものである。
 この間、日帝は、労基法改悪や労働者派遣法の制定とその改悪など戦後労働法制解体を強行してきたが、次は労組法の解体にまで踏み込もうとしている。
 資本は、「労働組合の不当労働行為を規定しろ」と叫んでいる。労働省は、各都道府県の労働局が個別の紛争処理にあたるという「個別紛争処理法案」を準備している。連合は労働委員会が個別紛争処理にあたるという案を検討している。激しい資本攻勢で首切りや権利侵害を受ける労働者が激増する中で、個別の紛争を処理しようとするものだが、いずれにしても、労働組合と資本の関係という集団的労資関係を否定し、団結権を解体するものにつながる。
 また、組織的犯罪対策法の成立を機に、労働組合運動をも「組織的犯罪」として刑事弾圧を加える攻撃が襲いかかっている。「営業妨害」や「名誉棄損」を名目にして損害賠償を求めるという民事的手法を使った弾圧が激化している。
 こうした中で今、その最先端の攻撃である「四党合意」を粉砕し、労働者の団結を守り抜く闘いが決定的に重要なのだ。多くの労働組合が「四党合意」に反対し、国鉄闘争への支援を強めているのは、自らの労働組合の団結を守り抜くためでもある。そして、国労闘争団の七・一−八・二六の決起に、団結を守りぬく労働者階級の根源的力を見たからである。

 「分割・民営」攻撃に全産別で対決

 今日の一大資本攻勢、大リストラ攻撃は、まさに国鉄分割・民営化のあらゆる悪らつな手法を駆使してかけられている。これを打ち破るためにも、絶対に国鉄闘争に負けるわけにはいかない。
 国鉄分割・民営化型の手法の一つは、国鉄改革法二三条によって国鉄とJRを別法人とすることで、選別採用を可能としたやり方を普遍化させようとしていることだ。国鉄がJRに移行する際に、物と機構はそっくり引き継いだが、人は選別するという手法である。これが企業再編、企業組織の変更の名のもとで、一連の企業再編法制を先取りする形で起こっている。
 日本労働弁護団によると次のような事例がある。
 大阪の十三の信用金庫のうち三つを残してあとは廃業するという大統合問題では、事業譲渡の契約書に、譲渡を受ける会社は雇用を引き継がないことを明確に合意している。労働者の整理、退職金の処理は譲渡した会社が行うとされた。一部は譲渡先に採用されたが、残った会社には仕事がなく、あとは解雇された。
 日興証券では、二つの部門に分割し、一部門を営業譲渡した。これによって八百八十二人が早期退職に追い込まれた。
 二つは、国鉄分割・民営化直前に設置された「人材活用センター」のようなものをつくり、そこに隔離した労働者を退職に追いやる攻撃である。
 前述の日興証券の例では、「職務開発室」がつくられ、そこに支店長らを入れて退職に追い込んだ。大手ゲームメーカーのセガエンタープライズは、退職に応じなかった労働者をパソナルームという所に閉じこめた。窓のない“座敷牢″と呼ばれた部屋だ。私物の持ち込み禁止で一切の業務を与えられず、退職勧告を拒否したら解雇された。
 このような攻撃が全産業で吹き荒れているのだ。
 そして、国鉄分割・民営化攻撃に続く大行革攻撃として、二〇〇一年一月の省庁再編−大行革攻撃がある。これは全国家・行政機構の大再編であり、国家公務員二五%削減(さらに半減)の攻撃がいよいよ本格的に始まるのだ。
 この中で郵政「公社化」−民営化をめぐる二〇〇一−〇三年の攻防が一大階級決戦になっている。省庁再編で、総務省・郵政事業庁を設置し、さらに二〇〇三年の公社化に向けて、人事交流−強制配転攻撃が「公社化への阻害要因を排除する」として、活動家を強制配転し、職場の団結を破壊する攻撃が強まっている。
 特殊法人の整理・全廃の攻撃も迫っている。
 国鉄に先がけて民営化されたNTTでは、民営化後にすでに労働者が半分以下に削減されているが、さらに今、二万一千人の削減、それに加えて六千五百人の希望退職など大合理化が強行されようとしている。
 教育労働者に対しても、国鉄分割・民営化の「ヤミ・カラキャンペーン」のような服務規律是正攻撃が「日の丸・君が代」闘争圧殺と一体でかけられ、教育改革攻撃のもとで、「不適格教員」排除の制度化が行われようとしている。
 まさに全産別で闘わなければ生きていけない情勢が訪れている。それぞれが階級決戦的質をもっている。各産別の決戦を全力で闘い、国鉄闘争と結合し、闘う労組の団結を広げよう。資本と闘うための本来の労働組合の団結を取り戻すことが、資本攻勢を打ち破る核心である。
 当面の十・二八−二九国労大会決戦への総決起と十一・五労働者集会の大成功をかちとろう。
 〔大沢 康〕
 (シリーズおわり)

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週刊『前進』(1979号3面3)

資本の先兵化路線を粉砕し職場に闘う新潮流の確立を
 11・5へ電機労働者の決意

 産業報国会化へと走る電機連合

 今年の十一・五労働者集会五千人結集に、連合労働運動を打倒し、労働運動の産業報国会化を阻止する闘う労働運動の新しい潮流の形成がかかっている。その先頭で闘っているのが決戦を迎えた国鉄闘争だ。国鉄闘争勝利と一体の闘いとして電機連合中央打倒の闘いを前進させることが求められている。資本攻勢への電機労働者の怒りを根底から解き放ち、電機産別からの大結集を実現しよう。
 七月に開かれた電機連合の第四八回定期大会は、電機労働運動の産業報国会化を推進する方針を打ち出した歴史的な大会だった。
 日帝経済のバブル崩壊とその後の恐慌過程への突入の中で、日経連は九五年に「新時代の『日本的経営』」を発表し、戦後の労働者支配の全面的転覆を狙う画歴史的大攻撃を打ち出した。これに呼応して、電機連合は九八年の第四六回大会で「新しい日本型雇用・処遇システムの構築」方針を出し、さらに同年十二月には「当面するデフレ構造危機からの脱出策と我々の二十一世紀運動戦略」を発表した。これらは日経連の方針と完全に同じ内容であり、労働組合運動を資本救済の運動へと大改悪することを打ち出したものである。
 今年の大会はついに「春闘改革」の名のもとに春闘の完全な解体方針を打ち出した。その上、「中期運動方針」は、「制度疲労を起こした産業システムや社会システムを改革する」と称して「参加型」の運動へ転換し、資本との「共生」を大々的に打ち出している。
 かつて「日本主義労働運動」をかかげた石川島自彊(じきょう)組合が「産業報国会」第一号となってその先兵の役割をはたしたように、電機連合は連合全体の産業報国会化を主導・先導しようとしているのだ。絶対に許してはならない。
 今年の夏の各産別大会ではあまりにも激しい攻撃に対して何ひとつ闘えない指導部への反乱が一斉に噴出した。電機連合大会でも春闘を解体し、二年に一回の協約改定にする方針に対して、「電機産業は、賃金は決して高水準にはない。二年サイクルで格差是正等ができるのか」「賃上げや一時金が、個人の努力・能力次第、業績リンク方式となるのでは、労組の役割は何かという話になる」と厳しい批判が続出した。

 海外や中小から反撃が始まった

 電機における資本攻勢は他の産別と比較して突出している。各資本は生き残りをかけた企業再編・大リストラ攻撃を労働者階級を犠牲にして次々としかけてきている。産業再生法や民事再生法を利用した攻撃、企業分割のための商法改悪と労働契約承継法を先取りしたような分社化・転籍攻撃が吹き荒れているのだ。さらに労基法改悪を受けて、十二時間二交代制というものまでが生産現場で導入されつつある。二日働いて二日休みというような八時間労働制を根底から破壊する、もはや「変形労働時間制」とも言えないこのような攻撃を許してはならない。さらに九九年四月の労基法女子保護規定撤廃を受け、女性の深夜労働導入が連合の屈服のもとで進行している。いまや電機労働者は闘わなければ生きていけないギリギリのところに立たされているのだ。
 賃金制度では人事処遇制度の改悪と一体で、成果主義賃金を労組が先頭になって導入しているのが特徴だ。昨年から導入された業績連動型一時金の導入は今年は大手の十社にまで拡大した。労働者同士を競わせ賃下げしか意味しない成果主義賃金の導入を許すな。
 電機連合は、政治的にも安保・ガイドライン容認の連合新政治方針の先頭を走っている。その背後には、軍需産業でもあり、他産業に比較して格段に多く海外(とくにアジア)に進出している電機資本擁護がある。日本の電機資本のもとに働く海外の労働者の数は九八年の電機連合の調査でも八十万人を上回る。ソニーのインドネシア工場では労働者がストライキに立ち上がっている。アジアの労働者との連帯が求められているのだ。
 電機産別でも、中小の反乱が始まっている。その背景には、日帝経済の恐慌への突入の中、自動車同様、今までの「系列」を維持できなくなり中小企業を切り捨てる独占資本の動向がある。その結果、企業倒産を含むすさまじい矛盾が中小に集中し、中小の労働者のやむにやまれぬ決起が始まっているのだ。
 今回の大会で決定された「中期運動方針」でも、中小企業対策が盛り込まれた。だがその中身は、電機連合が先手を打って中小の労働者の反乱を制圧し、労働代官としての自らの価値を資本に売り込もうというものだ。これまでは十七中闘に代表される電機大資本の利害を代弁してきた電機連合中央だが、中小労働者の反乱に直面したとき、中小対策を自らの存亡にかかわる問題として対象化せざるを得ない。なぜなら実際にものを作っているのは中小の労働者だからだ。今までも電機連合は企業の吸収合併に際して、組合本部から役員を送り込んで専制的に御用組合を作ったり、戦闘的組合がすでに存在する時には第二組合をデッチあげたりして徹底的につぶしてきたのだ。

 IT合理化容認する鈴木許すな

 日経連の夏期セミナーで奥田会長は「IT革命」を振りかざし、IT合理化を徹底することを叫んだが、これに率先して賛成したのが電機連合委員長の鈴木だ。鈴木は「IT革命にかかわる労組のあり方こそ日本の二十一世紀の労働運動に新たな息吹を吹き込む」とまで言って、IT合理化の先兵になることを日帝・資本に誓った。電機労働者の敵・鈴木を許すな。
 私たちは十一月労働者集会に向かって昨年の地平を踏み固め、電機産別の中に闘う労働運動の新しい潮流を確固としたものとして作り出そうと決意している。
 〔工藤浩二〕

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週刊『前進』(1979号4面1)

国公立大の国家統制と国策貫徹狙う 独立行政法人化阻止へ
学生の権利と自由圧殺し大学を侵略戦争へと動員
 11月全国学生統一行動に立て
 マルクス主義学生同盟中核派

 すべての学生・教職員の運命決する大問題

 二〇〇〇年後半決戦は重大な決戦となった。米帝バブルの崩壊と二九年型世界大恐慌の本格的爆発の危機が日々現実化し、中東と北東アジアという戦後世界体制における米帝支配の破綻(はたん)点において矛盾が本格的に爆発し始めた。他方で、全世界で帝国主義の世界支配を食い破ってプロレタリアート人民の決起が開始されている。
 国際階級闘争の焦点として、日帝危機が一層重大な位置をもってきた。日帝は恐慌状態にあえぎながら、一切を改憲攻撃に絞り上げ、戦後の国家体制の一切合切を転換させる階級戦争をかけてきている。有事立法と教育改革を進め、さらに一大資本攻勢を労働者階級にかけている。
 この改憲攻撃に対して、国労「四党合意」粉砕を軸にした階級的労働運動の防衛と発展をなしとげ、十一・五労働者集会の圧倒的成功をかちとることに全力を挙げなければならない。学生戦線も戦闘的労働運動に連帯して総決起することを決意する。他方で今臨時国会における、船舶検査法・PKO法改悪を始めとした侵略戦争法案を阻止するために、闘うアジア人民と連帯して大衆闘争を爆発させなければならない。また普天間基地の県内移設を絶対に阻止し、沖縄闘争の新たな爆発をつくりだしていかなければならない。
 もう一つ、すべての学生・教職員の命運を決する重大なテーマとして、「国公立大学の独立行政法人化(以下独法化)」をめぐる攻防がある。これは大学の戦争動員の問題であり、さらに学生の権利と自由の圧殺であり、改憲攻撃の一環である。わがマル学同は、全学連運動の一大飛躍をかけて、三百万学生全体を組織する決定的闘いとして、独立行政法人化阻止の十一月全国学生統一行動に立ち上がることを宣言する。

 全国一斉の独法化をめぐって決戦に突入

 独法化阻止の十一月全国学生統一行動を爆発させねばならない根拠は何か。
 第一は、独法化をめぐる攻防が重大な局面を迎えていることである。今年五月二十六日に開催された国立大学学長会議において、中曽根弘文文相(当時)は「独法化見送りはありえない」と語り、二〇〇三年の特例法成立−全国九十九大学一斉の独法化構想を打ち出した。自民党は「二〇〇一年度中に制度の検討を終了する」とした。独法化をめぐって一年余りの決戦に突入したのだ。
 第二は、独法化は大学が国家に統制され国策に動員されるかどうかという深刻な問題だからだ。このことは次章で明らかにしたい。
 第三は、この問題に無関係な大学構成員は存在しないからだ。学生全員が日帝の攻撃対象であり当事者である。また全教職員の運命を決する問題でもある。支配階級は全国九十九の国立大学の再編・統廃合と予算投入形態の変更をとおして六百の国公私立大学すべての大転換を狙っている。全国学生と教職員の全員が、戦争に対して、国家の動員要請に対して、自由と権利の剥奪(はくだつ)に対して、いかなる態度をとるかが突きつけられている。だからこそ独法化反対の全国的な大運動がたたきつけられなければならない。
 重要なことは、大学内部の積極的な推進者との論争を全学的・社会的に巻き起こしていくことだ。とりわけ文部省の「調査検討委員会」の組織業務委員会委員長となった阿部東北大学長、さらに国大協の「設置形態検討委員会」の委員長の長尾京大総長などは大学を売り渡そうという先兵であり、大衆的に包囲し打倒しなければならない。
 第四は、独法化攻防の中に実は大学とは何であり、主体は誰なのか、というテーマが問われているからである。大学の教育と研究を成りたたせているのは、学生の意欲と主体的活動なのか、それとも帝国主義の国家政策なのか、という問題である。この闘いをとおしてあらためて大学とは何であり、国家権力とは何であり、学生はどうするべきか、をつかんでいくものとなる。
 第五は、のちに詳しく述べるが、独法化攻撃は改憲攻撃の一環だからである。支配階級は大学を戦争体制を担うものへと転換するために全力を挙げている。
 第六は、闘いはこれからだということだ。攻撃が吹き荒れているように見えるが、実はまだ、法律的にも実質的にも、力関係においても、まったくの白紙なのだ。ここからが勝負だ。独法化絶対反対をはっきりさせ、大衆闘争を巻き起こすならば、白紙撤回に追い込むことは可能なのだ。

 核心は大学自治解体と大学への国家統制

 国公立大学の独立行政法人化の核心は、大学の国家統制である。それは大学が日帝の国策を担うもの、つまり戦争に動員される機関となるということであり、従わないものを排除していくものとなるのだ。それについて、以下見ていく。
 第一に、独法化とは大学自治の解体であり、大学を国家が統制する一機関につくりかえる攻撃である。
 一つに、〈中期目標−中期計画〉制度を導入し、文部科学省が大学ごとの教育・研究から学生生活に至るまでの事細かな基本方針と実現目標を設定するとしている。その実現度合いを〈評価委員会〉なる新設機関が点検し、それによって次期予算を決定するのである。設定した目標に従っていないと判断されるや、研究室や学部を改廃し、さらに大学そのものの統廃合を進めるものだ。五月に出された自民党文教部会の「提言」では「独立行政法人制度は、目標・計画の設定や定期的な業績評価といった仕組みを通じて国の意志を法人運営に反映させうる法人制度」と語っている。
 これがもたらすことは、各大学の研究内容や授業内容の激変である。各学部は必死になって国策を貫徹しなければならない。研究テーマは国家によって与えられる。授業カリキュラムは国策に沿ったものになる。また単位の取得がきわめて難しくなり、成績の悪い学生は排除されていく。サークルの部室の管理が大問題になり、自治寮などもってのほかとなっていく。要するに一切の自己決定権が剥奪されるのだ。
 二つに、国家の高等教育予算を〈競争的経費と基盤的経費〉に区別し、各大学の最低限(以下)の運営資金と別個に巨額の資金を用意していることだ。国公私立六百大学全体で日帝への翼賛を競わせ、貢献の度合いに応じて投入していく制度につくりかえようとしている。つまり、今日の研究・教育費用全体の悲惨な現状は変更せずに、国家権力の研究スタッフとなるところのみが別格的扱いを受け、全大学がそのためにしのぎを削るという状況をつくろうとしているのだ。
 三つに、〈運営体制の抜本的転換〉である。学長を学内選挙で決定するあり方を廃止し、政界・財界の有力者を人事問題に強力に介入させようとしている。その上で学長に独裁的権限を与え、教授会の権限を限りなくゼロにしていくのである。さらに各教員に対しては「任期制」を導入し、都合の悪い人物は首切りできるように変更しようとしている。こんなことになったら、ブルジョアジーに選出された学長が、大学のすべてを決定し、良心的な学者や学生は一掃されていくことになる。いや、大学における集会や表現の自由さえ認められなくなる。
 第二に、国家統制をとおして、国策を貫徹する攻撃である。
 独法化によって狙われていることは、大学に国策を担わせようということである。では国策とはなにか。それは今日の日帝の体制的危機からの脱出のための、戦争と大失業の攻撃の全面的貫徹である。
 戦前・戦中、大学は侵略戦争の道具とされた。七三一・石井細菌部隊の創設、原爆研究など軍事研究の中心を担ったのは大学だった。文部省は一九四〇年十二月に「大学教授の責務」なる訓令で、「大学教授ハ須(すべから)ク国体ノ本義ニ則(のっと)リ教学一体ノ精神ニ徹シ」て学生を指導しなければならないと義務づけ、「問題教官」を次々追放し、「新学生道樹立運動」など戦争賛美運動がつくられた。そして四三年十月から十数万におよぶ学徒出陣で、侵略戦争と日米戦争に動員された。
 この戦争協力の歴史に対する反省として、戦後の大学自治・学生自治を要求した学生の闘いがあった。四五年十月から、戦犯教官の追放と追放教官の奪還の取り組みが盛り上がり、戦後革命の息吹の中で、四八年六月には「学問の自由と学生自治運動への干渉弾圧反対」など四項目を掲げたストライキに全国百十四校、約二十万の学生が立ち上がった。日帝は大学への介入のために大学理事会制度策動など手を尽くすが、五〇年のレッドパージ反対=反イールズ闘争や、五二年の東大ポポロ事件をめぐる闘いの過程の中で、学生の力で大学自治の一定の認知を定着させていった。
 今日の独法化攻撃は、こうした歴史と現実を覆し、大学自治を最後的に一掃して、国策を貫徹する武器にしていくものだ。元首相の中曽根康弘は九月十日の読売新聞紙上で、「米国、英国、ロシアなどの大学に国際政治上の戦略を専門的に研究教育する大学や学部が多い。……日本の大学にはこのような学部学科は皆無であり、……このような専門の学問分野を設け、戦略要員を育て、そのような人材層の基盤を拡大する必要がある」と述べている。
 独法化によって大学は侵略戦争と帝国主義間戦争に動員されることになる。その過程は、闘う学生、自治会、寮、サークルをあらゆる手段で弾圧し、反戦闘争を壊滅させようとするものとなる。その行き着く先は、再びの学徒動員だ。

 憲法改悪攻撃と一体戦後大学体制を転覆

 独法化攻撃は改憲と完全に一体である。改憲決戦を不可避としているのは、ソ連の崩壊を契機として、長きにわたって蓄積された帝国主義の基本矛盾が、全面的に爆発する時代を迎えたからである。二九年型世界大恐慌の現実化の中で、スターリン主義の崩壊が帝国主義の世界支配の危機をつくりだし、破綻点を形成している。朝鮮半島、中東、ユーゴスラビア、インドネシアなどで、帝国主義には世界を支配する力がないことを突き出している。
 アメリカ帝国主義が争闘戦に勝つために、世界大的軍事力を駆使する戦略をとっていることが、世界全体の戦争危機を激しく促進している。米帝は、軍事技術を転用してITや宇宙工学、バイオテクノロジーなどを積極的に争闘戦の武器として使ってきた。
 日帝はこうした情勢の到来に圧倒的に立ち遅れており、絶望的危機に立っている。とりわけ朝鮮・中国情勢の大激動の中で、まるでヘゲモニーをとれない状態は致命的ともいえる。
 日帝は米帝に対抗するために、存亡をかけて戦後体制全体を打破する攻撃に踏み切っている。それが改憲攻撃である。
 ここにすべての攻撃を絞り込んで、重大な階級決戦をしかけているのだ。そして大学自治の解体と戦後大学体制の転覆は完全にその一環としてあるのだ。米帝の先端技術に次々と対応できる技術研究、新たな軍事技術の開発、若者の戦争動員、こういった帝国主義的課題を突破する必要があるのだ。そのための大攻撃が国公立大学の独立行政法人化なのである。

 帝国主義の救済者に成り下がる日共・民青

 独法化攻撃の先兵として日共・民青が登場してきている。昨年来「総力で闘いをつくる」と声明していた日共・民青の独法化反対の取り組みは、五月九日の自民党「提言」を受けて、急速に極小化した。およそ阻止する気などなく、祖国擁護・国益の立場から日帝の意図を理解し、推進者になりさがったのだ。
 日共の犯罪性の第一は、独法化攻撃が日帝の危機の爆発の問題であるという真実を否定し、政策問題に切り縮め、国益擁護の立場から「大学の予算が削られるから反対」とし、「政府が責任を放棄する」ものとして描き出していることだ。
 独法化とは世界恐慌と世界戦争の時代に日帝が生き残りをかけて、戦後的あり方を暴力的に解体する、という問題である。改憲と一体の攻撃としてここに日帝の存亡をかけている。支配階級は「世界のフロントランナーとなる時代を迎えるためには、……公的投資も欧米諸国並みの水準に拡充すべきである」(五月九日自民党文教部会提言)と、争闘戦に勝つために研究・教育費を拡大することを打ち出している。単純な削減論ではないのだ。
 問題は、こうした日帝の存亡をかけた攻撃の意図を正しく見抜き、対決していくのかどうか、ということだ。日共は逆に帝国主義の救済者として登場し、独法化を賛美しているのだ。
 第二は、大衆闘争の爆発に敵対していることだ。独法化問題は、全国学生の蓄積された怒りをついに解き放ち、教職員も含めた大闘争になる。こんなことを強制されて学生がおとなしく従うわけがない。十一月統一行動は日共・民青を打倒していく方針でもある。
 独法化の結果は大学の国家統制ではなく、全学連運動の発展と巨大なマル学同の建設、階級闘争の内乱化の発火点となることを思い知らせてやろう。十一月全国統一行動をあらゆる大学あらゆる学生に持ち込み、大闘争を爆発させよう。

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週刊『前進』(1979号4面2)

闘う新潮流先頭に秋闘勝利・行革リストラ粉砕かちとれ
 11・5労働者集会に総結集を
 マル青労同自治体労働者委員会

 「四党合意」に労働者の怒り

 十一月五日は「四党合意」絶対反対派が総結集する歴史的な労働者集会になろうとしている。
 「四党合意」は不当労働行為そのものであり、国鉄千四十七人の闘いを否定し、国労自らJR当局の首切りを追認するものでしかない。労働組合が一人の首切りを認めた時、階級的団結は解体し変質する。今まさに「四党合意」に対してあらゆる労働組合がいかなる態度と立場をとるのかを巡って、激しい分岐が開始されている。この分岐は階級的立場を取るのか、資本に屈服して翼賛組合に転落するのか、激しく択一を迫るものである。
 五月三十日の国労中央の「四党合意」から、七月一日、八月二十六日の二度の国労臨時大会への《暑い三カ月》の闘いによって、日本の階級闘争は何を生み出したのか。連合と全労連支配の闘わざる労働運動を一蹴し、さらに都労連と国労を二本柱とする全労協の中間主義的限界をのりこえて、階級的で戦闘的な労働運動がいままさに産声をあげ始めたのである。この事実を直視する労働組合は、既成のナショナルセンターの枠をも大胆に突き破り、国労中央の裏切りを弾劾し、産別や単組を超えて「四党合意」粉砕の態度を率直に表明した。その先端で、臨時大会での「演壇占拠」を支持し、「四党合意」阻止のために国労大会に動員をかける組合が続々と登場した。この階級的で力ある正義が、依然として「四党合意」を阻止し続けている。
 「四党合意」を阻止した闘いは、ついにJR総連=カクマルの決定的分裂を促進している。JR総連九州労=カクマルの崩壊を見よ! 全労連大会での国労を巡る日本共産党指導の崩壊を見よ! 全逓大会でも自治労大会でもNTTの大会でも闘わざる本部、資本に屈服する本部への烈々たる反乱が開始されているではないか!
 自治体労働運動も、まさにこの「四党合意」阻止の死闘の鉄火をくぐる中から新しい力を生みだしている。国鉄の解雇者千四十七人とその家族を守り続けた最大の支援母体こそ都労連であり、都職労であり、東京清掃労組であり、自治体労働組合なのである。まさに国鉄決戦と結合する中にこそ、新しい闘う自治体労働運動の組織化の環があり、今こそ大胆に十一月労働者集会に総結集を呼びかけることこそ、最大の結集方針である。
 全国の自治体労働者諸君! 都労連、都職労、東京清掃とともに十一月労働者集会に総結集せよ!

 秋季賃金確定闘争に立とう

 十一月労働者集会の結集は同時に、秋季賃金確定闘争の決戦過程である。
 今年の人事院勧告は、一般職国家公務員の給与に関して、一九六〇年以降初めて俸給表の改定を行わず(ベアゼロ)、官民格差〇・一二%、四百四十七円を扶養手当のみに配分、一時金〇・二カ月分の削減など二年連続の賃下げを勧告した。平均年間六万九千円の賃下げとなる。各都道府県人事委員会も、これにならった勧告を出している。
 今や「人勧完全実施!」なる要求スローガンは「賃下げを完全実施せよ!」というに等しい労働組合からの賃下げ要求となり、こののスローガンの裏切り性はもはや誰にも明らかとなった。人勧制度の破綻(はたん)は明白である。
 そもそも人勧制度は公務員賃金の抑制機構である。これに依拠することは賃闘の放棄である。連合・自治労中央の人勧に依拠した賃闘ではもはや闘えない。人勧制度の破綻は、同時にこれまでの連合・自治労中央による組合支配に深刻な亀裂を生みだしている。今こそ人勧体制に閉じ込められている公務員賃闘を解き放ち、階級的実力闘争で賃上げをかちとろう!
 今秋闘の課題は、来年四月からの共済年金支給開始年齢の繰り下げにともなう新再任制度の導入、五十五歳定期昇給停止、一般職員の一時金への成績率の導入など、どれをとっても正面対決となる。十一・五集会結集勢力が核となって反撃を開始しよう!

 行革リストラ攻撃との決戦

 さらに待ったなしで行革リストラ攻撃との決戦である。
 行革攻撃の狙いは、国家体制の改造にある。帝国主義の体制的危機、経済的危機が深まる中で、一切の矛盾を労働者の犠牲に転嫁する資本攻勢をかけている。自治体の統廃合・改編、業務廃止や民間委託・民営化による定数削減、首切りの動きも強まっている。しかも行革リストラ攻撃は、労働組合の活動を抑圧・解体することと一体で襲いかかっている。とりわけ現業部門に集中して、丸ごとの職場消滅を狙っている。
 来年一月の中央省庁再編は、現業の公社化・民営化、独立行政法人化、地方自治制度の改編と一体で進められている。これらの攻撃は公務員制度改革抜きにはありえない。この核心的攻撃こそ能力主義、実績主義への賃金・人事制度の転換である。
 これに対して公務員連絡会は、「人事管理・評価システムについての考え方(案)」で、こともあろうに労組の側から〈格差と差別、競争をあおる賃金・人事体系〉をすべて積極的に「受け入れる」ことを表明したのである。勤務評定反対闘争や吏雇傭(よう)員制度反対闘争として、これを阻止し続けてきた公務員労働運動の大転向である。断じて認められない! 
 八月の自治労大会では、本部提案に対して十三県本部からの共同修正案が出され、組合員の中から「新たな差別と競争・分断を持ち込み、組織の団結を崩すものだ」という怒りの声が噴き出した。能力・実績主義の差別賃金・人事制度を認めることは自治体労働運動の解体を意味する。「白熱した討論」を徹底的に全国に押し広げ、「考え方(案)」の反労働者性を徹底的に暴露し、粉砕しよう。
 さらに臨検法案阻止、教育基本法改悪阻止、改憲阻止決戦である。
 都知事ファシスト石原は九月三日、自衛隊七千百五十人、軍用車両・航空機・艦船を多数動員して、首都三軍大演習を強行した。これは新ガイドライン体制のもとでの朝鮮人・中国人に対する排外主義の扇動であり、侵略戦争と治安弾圧の訓練そのものである。都職員も多数動員された。
 新ガイドライン体制のもとで、自治体労働者の戦争動員の攻撃が強まっている。侵略戦争への協力拒否を、日常の反戦闘争として展開しよう。全人民と連帯し、反戦闘争を積み重ね、議会や首長・自治体当局、自衛隊基地に対する反戦行動をつくり、強めよう。第三次安保・沖縄闘争と有事立法・改憲阻止の闘いを全人民的な戦略的課題として闘いとろう。

 新潮流運動の攻勢的決起を

 三労組の呼びかけにこたえて、闘う労働組合のネットワークを全国の職場・地域に広げる決定的チャンスが到来した。二度にわたる国労臨時大会は、内外に労働者の反撃の開始を告げ知らせた。個々の職場をつなげる新潮流とは何か。それこそ国鉄闘争の「四党合意」を許さない、国労闘争団を先頭とした膨大な支援陣形にあった。
 自治体労働者諸君! 連合・全労連の路線で展望をもてるのか。まったく否である。それどころか連合・日経連の春闘総括を見よ!
 「実力行使して要求をかちとろうという労組や労働運動に対しては、毅然(きぜん)たる態度で臨まなければならない」(奥田日経連会長)。「こうした事態が続くといまの労組リーダーに批判が集中し、変わった運動が出る。それは経営者にとっても好ましくないはずだ」(鷲尾連合会長)。このように敵は階級的な労働運動の前進の予兆に恐れおののいている。
 ところが、日本共産党は綱領・路線を転換し、帝国主義軍隊=自衛隊を承認し、日帝・資本を擁護する運動に踏み込んだ。JR総連=カクマルは、松崎路線の破綻にあえぎながら「シニア協定」による「選別再雇用」という日帝・資本の雇用破壊・賃金破壊、団結破壊の先兵となっている。
 自治労中央や自治労連中央の屈服・転向、資本の危機救済者への転落の中で、〈闘う新潮流運動〉の決起の条件は熟している。いま立たずしていつ決起するのか。十一・五労働者集会に五千人大結集を実現することこそ、二十一世紀の労働運動の勝利を切り開くのだ。ファシスト石原打倒! 国家的行革リストラ攻撃粉砕! 自治体労働者の戦争協力拒否! 闘う自治体労働運動の再生をかけて十一月労働者集会に数百の隊列を登場させよう!
 『前進』を武器に、権力・資本攻勢の大リストラ、労働運動つぶしと断固対決し、「資本主義にノーと言える労働運動」の圧倒的前進をかちとろう!
 自治体労働者委員会はその最先頭で闘う。
 

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週刊『前進』(1979号4面3)

デッチあげ逮捕弾劾 重病者への殺人的な弾圧

 警視庁はまたしても、デッチあげ逮捕という反革命的犯罪を強行した。革共同は心の底からの怒りを込めてこの弾圧を弾劾する。そして、この弾圧に全力で反撃し、完全に粉砕するまで闘うことを宣言する。
 警視庁は十月二日、「詐欺罪」をデッチあげて、Aさんを不当にも逮捕した。十月八日には、「免状不実記載」「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」をデッチあげて、全学連の学生B君を十・八三里塚全国総決起集会の会場入り口で不当逮捕した。絶対に許すことはできない。
 この不当弾圧は、日帝・国家権力=警視庁が労働者人民の二〇〇〇年決戦勝利の進撃をいかに恐れているかを示すものだ。国鉄決戦の爆発と戦闘的労働運動の階級的再生に向かう労働者階級の歴史的決起、沖縄闘争の新たな発展、臨検法案粉砕=新ガイドライン体制粉砕の闘いの前進、三里塚暫定滑走路粉砕一年間決戦への突入、教育基本法改悪攻撃粉砕、有事立法阻止・改憲策動粉砕の闘いの前進など、労働者階級人民は日本帝国主義打倒に向かって重戦車のように確実に歩を進めているのだ。そして、それら一切の力を、十一・五全国労働者総決起集会への大結集として実現しようとしているのである。
 まさにこれへの反動として、警視庁のデッチあげ逮捕の暴挙が強行されたのである。階級闘争の革命的発展を阻止するという反革命的目的のために、手段を選ばぬ弾圧に出てきたのだ。
 Aさんに対する「詐欺の容疑」は、逮捕のための言いがかりだ。Aさんは肝硬変という持病のため、当然の権利として生活保護費を受給していた。しかし、生活保護費だけでは生活が苦しいために働いた。しかもその給与については、不当な弾圧を許さないためにも給与明細を添付して福祉事務所に所得申告をしていたのである。
 だがAさんはその後、違法な解雇を受けた。そのショックと労働による疲労の蓄積のため、入院せざるをえない状態となってしまった。そのため、解雇手当に相当する所得の申告ができなくなってしまった。それを警視庁は「収入を隠して生活保護費を受給したのは詐欺だ」と言いがかりをつけて逮捕したのだ。逮捕のための逮捕なのだ。不当な政治弾圧そのものだ。
 しかもAさんは肝機能の低下によって、出血しやすく、出血してもなかなか止まらないという症状を抱えたままなのだ。Aさんを逮捕して、勾留すること自体殺人的弾圧である。
 Aさんは全力で闘いぬき完全黙秘を貫いて弾圧のもくろみを粉砕し、十月十二日奪還された。
 B君に対する不当逮捕もまったくデッチあげだ。B君がいま住んでいるところに住民登録を行い、運転免許証の更新を行ったことが、「違法であり、犯罪」だと警視庁はデッチあげているのだ。しかもB君への「取り調べ」の中で、警視庁の公安刑事は「半殺しにするぞ」などと大声で叫び、机をたたいて脅迫して、転向を強要している。
 警視庁の不当なデッチあげ逮捕攻撃を全人民の反撃で粉砕しよう。

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週刊『前進』(1979号5面1)

JR総連打倒と国労再生へ攻勢を JR九州労から737人が大量脱退
 黒田=松崎の”東労組絶対主義”とシニア協定締結の大屈服が元凶

 現代のナチス、カクマル=JR総連打倒へ総決起すべきかつてない重大情勢が到来した。十月五日、JR総連傘下のJR九州労から六百五十二人という大量の組合員が集団脱退したのである。その後、脱退者は七百三十七人に増え、全組合員九百二十四人中の八割に達している(十八日現在)。JR九州労は壊滅状態となった。国鉄分割・民営化以来十三年間のJR総連=カクマルのファシスト的組合支配は完全に破産し、全矛盾がついに劇的な形で火を噴き始めたのだ。しかも重大なことは、「自作自演の対立劇」がカクマル組織の大規模な内部分裂・対立として進行し、ファシスト労働運動の大崩壊の始まりを告げていることである。カクマルは異例の「政治組織局声明」を出して、受けた衝撃の大きさをさらけ出し、脱退したJR九州労カクマルとJR総連指導部を口汚くののしっている。この大亀裂が、さらに西日本へ東海へ北海道へ貨物労組へ、そして何よりもJR総連=カクマルの最大実体であり矛盾と危機の集中点である東労組へと波及していくことは不可避である。さらに、JR総連のみならず、教労・自治労・全逓などカクマルの全産別組織へ拡大していくことも避けられない。いよいよカクマル完全打倒の決定的情勢が到来したのだ。この情勢こそ、五月テーゼ−一九全総−二〇全総路線のもとでの革共同の闘いと、動労千葉および国労闘争団を先頭とする国鉄労働者の不屈の闘いがたぐり寄せた勝利の情勢にほかならない。全党・全労働者人民はこの決定的情勢の到来に奮い立ち、まなじりを決してカクマル=JR総連打倒の闘いに総蜂起せよ。そして、今こそ国鉄決戦に勝利しよう。十・二八−二九国労定期大会決戦に勇躍、大結集して「四党合意」を完全粉砕し、闘う新執行部を確立し、JR総連打倒、千四十七人闘争の勝利へ攻め上ろう。十一・五労働者集会に大結集しよう。

 札付きカクマル筆頭にJR連合に加入届

 脱退したのは、小椿次郎(福岡地本委員長)、谷川常水(鹿児島地本委員長)、内川聖司(熊本地本委員長)、一万田秀明(大分地本書記長)ら四人の札付きのカクマル分子とその同調者を先頭とする七百三十七人の組合員だ。カクマル「政治組織局声明」では、分裂・脱退の「黒幕」は九州労結成(九一年十二月)以来の委員長・北弘人そのものであると「断罪」している。
 脱退したグループは、即日JR九州労組(JR連合)に加入届を出したが、九州労組は「さまざまな状況を分析する必要から」直ちに受理はせず、いったん保留扱いとなっている。
 脱退者たちは、九州労組への「加入にあたっての声明」で次のように言っている。(別掲資料参照)
 「私たちは内部からJR九州労の改革に向けて、対決型の労使関係からの脱却・改善をめざしてきました。また、独善的な組織運営での職場の引き回しやJR総連の革マル疑惑の解消に向け奮闘してきました。しかし、その体質は何ら改善されることなく……」「本当にこのままでよいのか? 常識ある仲間との論議を行い、今日の厳しい経済状況から将来への不安を痛切に感じない訳にはいきませんでした」
 脱退カクマル分子はこのように言って九州労脱退の「理由」を弁解し、「JR九州の発展と社員・組合員の利益を守るため、今後はJR九州労組の方針に基づきがんばっていく決意です」と結んでいる。
 これに対してカクマルは激しい危機感を持って「JR九州労四人組によるクーデタを打ち砕け」と題する異例の「政治組織局声明」を出し、九州のJR社宅などに配布し、また反革命通信『解放』に掲載した。
 その内容は「日本労働運動の良心を体現し闘いの炎を燃えたたせてきたJR総連労働運動」などと、労資結託のファシスト労働運動を全面的に賛美・擁護した上で、「十月五日、異常事態が発生した」と大量脱退が出たことを伝え、「JR九州労四人組」を「裏切り者」とののしっている。そして、九州労組合員に向かって「クーデタに断固としてたたかいえなかったことを恥じ」よと罵倒(ばとう)し、「彼ら(四人組)を打ち砕くことをただちに開始せよ!」とけしかけている。
 これはカクマルによるJR総連の党的所有意識、私物化意識、支配意識をむき出しにしたファシスト的声明であり、焦りと危機感にかられた異様な声明である。
 さらに「政治組織局声明」は、JR総連からの脱退、カクマルの内部分裂がこれからも拡大していくであろうことを示唆している。いわく「JR九州労組織の破壊は、他の地方組織においても現にいま、着々とおし進められていると思われる」「JR総連ならびに各単組・地方本部の役員たちは拱手(きょうしゅ)傍観し、どこ吹く風と決めこんでいる。これは意味深な事態としてわれわれはうけとめざるをえない」と。
 今回の九州労からの大量脱退が、北、小椿、谷川ら札付きのカクマル分子に率いられた組織的な大量脱退であること、しかもそれが全国的な波及性を持っていること、ゴリのカクマル分子が集団的・組織的に松崎とカクマル中央に反発し離反し、九州地方組織が崩壊的状態に陥ったことに、カクマルは根底から震撼(しんかん)し衝撃を受けている。このことをカクマルは「声明」で、「組合内党活動の弱体化に起因する痛ましい教訓」と自認している。そしてカクマル中央の指導が貫徹しなくなったことへの無力感と怒りを込めて、「JR総連執行部のかたくなな態度と無思想と無思考」などと、JR総連の「ダラ幹」を罵倒しているのだ。

 “東労組カクマルだけ生き残る”路線に反発

 決定的な情勢の到来である。これは何よりも、国鉄分割・民営化以来のカクマル頭目・黒田と松崎明(カクマル副議長、JR東労組会長)によるファシスト運動路線、労資結託体制の完全破産である。
 JR総連カクマル分子の大量脱退の第一の決定的な原因は、JR総連カクマル分子どもがJR資本による゛カクマル使い捨て゜の動きにおびえると同時に、黒田・松崎の自己保身丸出しの゛東労組絶対主義゜に愛想を尽かし、おのれの生き残りをかけて真っ二つに分解し、醜悪ないがみ合いを始めたということである。
 この間、黒田・松崎とカクマル中央は、JR東では「ニアリーイコール」路線と称する、会社とのべたべたの労資結託体制をとって甘い汁を吸い、その一方でJR西労やJR九州労などに向かっては、「ストをやれ」とか「対決型労働運動をやれ」などとけしかけてきたのである。それを結局は、東労組の資本との交渉力の強化をはかる材料として使ってきたのだ。
 もともと地方のJR総連組織は、カクマルにとって東労組の生き残りのための道具でしかない。この東労組絶対主義をとるカクマル中央、黒田=松崎への不満と反発が地方のJR総連カクマルにうっ積してきた。
 そのことは、九州の脱退カクマル・グループの「声明」からも明らかだ。「私たちは独善的な組織運営での職場の引き回しやJR総連の革マル疑惑の解消に向け奮闘してきました」などと言っているが、「独善的な組織運営」とは、地方のJR総連組織を犠牲にして東労組の延命をはかる松崎らの指導方針に対する反発にほかならないのだ。
 九州労の脱退グループの本音は、゛このままJR総連にとどまっていても、黒田・松崎にいいように利用されるだけであり、大合理化攻撃で真っ先に少数組合の自分たちの首が切られるだけだ゜ということである。「今日の厳しい経済状況から将来への不安を痛切に感じ」て、なりふり構わずJR連合の懐にもぐり込もうと考えたのだ。
 同様の動きはJR西労=カクマルでも起きている。昨年は安全問題でインチキなストまでやらされた西労カクマルだが、会社が四月から能力・実績主義の「新昇進・賃金制度」を導入した中で、「このままでは自分たちの首が危ない」と焦りを深め、「分割・民営化以来の決断」と称して「会社の増収活動に協力しよう」とか「会社の行事に積極的に参加しよう」という運動に突っ走っているのだ。彼らもまた、黒田・松崎の手先となって分割・民営化攻撃の先兵となってきた歴史を棚にあげて、東労組絶対主義の黒田、松崎らカクマル中央の生き残り戦略に反発と危機感を深め、勝手に自分たちの生き残りの道を探り始めたのだ。
 実際、二九年型世界大恐慌過程への突入の中で、JR資本がシニア協定や全面外注化という、「第二の分割・民営化」と言うべき大合理化攻撃をかけている中で、JR総連と東労組自身が、どんなに権力・資本に屈服し忠誠を誓おうとも、これまでのようには生きていけないという絶望的な危機に立たされているのだ。
 この中で黒田と松崎、JR総連カクマルは、階級的労働組合として大資本攻勢に真っ向から対決するという立場に全面敵対して、ますます東労組のカクマル組織だけが生き残ることを必死に追求し始めたのである。これに反発し、誰が切られ、誰が生き残るのかをめぐって、カクマル=JR総連の決定的な亀裂と大崩壊が始まったのだ。

 松崎路線の完全な大破産

 そもそも危機の元凶は黒田=松崎そのものであり、彼らカクマル中央の対応が最も破廉恥なのだ。
 彼らは九州の脱退分子やJR総連の「ダラ幹」を非難するために「動労型労働運動の全面否定を許すな」などと言い、あたかも自分たちが「階級的」であるかのように格好つけている。
 だが、こんな恥知らずな口実が、通用するはずがない。そもそも「動労の歴史的使命は終わった」(『解放』八六年十月)だとか、「過去の違法ストを国民の皆さんにお詫びする」(松崎、八七年二月の勝共連合『世界日報』)などと叫んで、動労カクマルの反革命的路線転換を全面的に開き直り、ズブズブの労資結託体制にのめり込んでいった首謀者は、黒田と松崎そのものではないか。
 黒田・松崎は今や、東ではJR東会社との間で差別・選別、首切り容認のシニア協定を締結し、三千人削減の保守部門全面外注化攻撃の先兵となり、なりふり構わず生き残りに必死になっている。これは、国労・動労千葉などへの組合破壊攻撃であると同時に、JR東労組の地方組織など「身内」の切り捨てすら不可避とするものである。黒田・松崎はそれを承知でおのれの生き残りのために、そこに踏み込んだのだ。
 最も恥知らずで卑劣なのは松崎である。一切の混乱をつくり出してきた張本人である松崎は、ここに来てまったく沈黙している。JR総連に「風」が吹いている時は反革命の言いたい放題で政府と資本におもねり、ごう慢な態度をとり続けてきた松崎。その松崎が、JR総連とカクマルの組織存亡の危機という重大情勢の中で何ひとつ指導性を発揮できず、一言の発言もできないでいるのだ。まさに松崎の超無責任さ、卑劣さが全面開花しているのだ。
 黒田・カクマルの唯一の方針は、゛権力・資本とは一切闘うな。大合理化に全面協力せよ。JR総連をどうするなどと考えるのは「JR総連産別主義」であり、反カクマルの「セクト主義」だ。黒田本の学習会をやって、カクマル組織を生き延びさせることが絶対命令だ゜−−という完全屈服の路線である。
 だが、それは組合としてのJR総連の直面する危機に一切対応不能、無方針、無展望ということであり、JR総連=カクマルの亀裂と混乱を一層泥沼的に深めるものでしかない。

 国鉄決戦爆発で矛盾が激化

 JR総連カクマル分子の大量脱退の第二の決定的原因は、資本・カクマル一体の卑劣な組織破壊攻撃をはね返して国鉄闘争が不屈に闘われてきたこと、それと結合してわが革共同がカクマル=JR総連打倒の闘いをねばり強く闘い抜いてきたことが、JR総連内カクマル分子に大重圧を与え、カクマルの危機を大爆発させるに至ったことである。
 革共同は一九全総−二〇全総路線で、国鉄決戦の勝利とカクマル=JR総連打倒を一個二重の闘いとして位置づけ、全党をあげてその闘いに突入した。
 他方では、動労千葉と、闘争団を先頭とする国鉄労働者の千四十七人闘争が、分割・民営化=二十万人首切りの手先となったJR総連の不正義性、反労働者性を暴き出し、ぐいぐいとJR総連カクマルを絞め上げてきた。「国労解体」「動労千葉解体」などと叫べば叫ぶほど、組合員大衆から疑問の声が噴出するという化学変化が生み出されていったのである。
 カクマルは、これを暴力支配で抑え込んできたが、それは逆に至るところで組合支配の危機と破たんをつくり出していったのだ。それがまず、九州から劇的な形で火を噴いたのである。
 その危機は、実は松崎のひざ元=東労組と東京地本でこそ最も深刻であり、事態は泥沼的に進行しているのである。

 全国的波及は不可避 労働者の敵打倒せよ

 今回の事態は、二重対峙・対カクマル戦の歴史を画する重大事態である。九一年からのいわゆる「賃プロ魂注入主義者」の台頭と黒田による粛清、それときびすを接して、九二−九五年に発生した沖縄カクマル粛清(高橋利雄の拉致・監禁・殺害と、山里章の逃亡を頂点とするカクマルの白色テロ、沖縄カクマルの分裂的崩壊)などをとおしてカクマルの危機とファシスト的転落はますます深まってきた。そして「神戸謀略論」デマ運動の完全な破産である。その中で、ついにカクマルの最大実体であるJR総連に決定的な亀裂が走り、組織のタガが外れ、ばらばらになるような事態に発展しつつあるのだ。
 このような決定的事態だからこそ、宮坂・チャレンジ、革同上村派ら国労中央による国鉄闘争の売り渡し、闘争団切り捨てのための「四党合意」策動を絶対に許すことはできない。
 労資結託のJR総連=カクマルがついに決定的な亀裂と大崩壊を開始したことは、国労の戦闘的労働者が闘争団を先頭に国家的不当労働行為と闘い、国労の階級的団結を守って闘ってきたことの成果であり、その正義性、勝利性を証明する事態だ。それなのに、いったいどこを見て「ジリ貧」とか「ラスト・チャンス」などと言っているのか!
 こんな連中を一刻も早く執行部から引きずり下ろし闘争団とともに闘う新たな執行部を確立し、JR総連を決定的に追いつめ、闘う国労の組織拡大をかちとる一大組織戦に突入していかなくてはならない。
 国労の戦闘的階級的再生と、JR総連の革命的打倒をとおして、戦争・大失業と対決する日本労働運動の戦闘的階級的発展を切り開く絶好機が到来した。
 革共同は、九州から始まったカクマル=JR総連の大崩壊の過程に断固、革命的に介入し闘い抜き、ファシスト・カクマルの積年の反人民的悪行への階級的怒りを今こそ大爆発させて、カクマルのおぞましい生き残り策動の一切を必ず粉砕する。日本階級闘争の革命的前進の道に立ちはだかる日帝の先兵、カクマル=JR総連を完全に、跡形もないまでに解体し、息の根を止める決意である。
 すべての国鉄労働者、全国全産別で闘う労働者の皆さん! 今こそ反転攻勢の絶好のチャンス到来だ。国労定期大会決戦に総決起し、十一・五労働者集会に大結集しよう。

 資料  九州旅客鉄道労働組合への加入にあたっての声明

 私たち志を同じくする組合員は、10月5日、JR九州労を脱退し、JR九州労組への加入をここに明らかにします。
 ご承知のとおり、私たちの所属していたJR九州労は、1991年JR九州労組のJR総連脱退に端を発して結成されました。
 しかし、現実はJR総連、JR九州労に対する様々な内外からの批判や指摘がなされ、民間労働組合としての在るべき姿が問われてきました。
 そのような中で、私たちは内部からJR九州労の改革に向けて、対決型の労使関係からの脱却・改善をめざしてきました。また、独善的な組織運営での職場の引き回しやJR総連の革マル疑惑の解消に向け奮闘してきました。しかし、その体質は何ら改善されることなく、革マル疑惑が解消されないばかりか、革マルの介入を手引きする者が明らかになるにつけ、益々、私たちの改革の志は不満へと増大していきました。
 私たちは、JR九州労組脱退以後、10年目を迎えるに当たり、原点に立ち返り、本当にこのままでよいのか?常識ある仲間との論議を行い、今日の厳しい経済状況から将来への不安を痛切に感じない訳にはいきませんでした。
 その結果、JR九州労にこれ以上とどまっていても、私たちが目指す労働組合の実現を果たすことは困難であると判断し、この思いを多くの仲間に訴え、600数十名の仲間の同意を得ることができました。
 いまや、JR九州内におけるJR九州労組の組織力は他に比するべくもなく、歴然としています。
 わたしたちは、JR九州会社と対等にして、健全な労使関係を築いておられるJR九州労組の仲間と共に、JR九州の発展と社員・組合員の利益を守るため、今後はJR九州労組の方針に基づきがんばっていく決意です。
 九州労組組合員の皆さんのご理解とご指導をよろしくお願いいたします。
 2000年10月5日
 小椿 次郎  谷川 常水
 内川 聖司  一万田秀明

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週刊『前進』(1979号5面2)

2000年日誌 阻もう! 戦争への動き 10月11日〜17日
 米朝が共同コミュニケ発表 鳩山「集団的自衛権明記を」

●米超党派専門家が新対日政策 米国のアーミテージ元国防次官補やナイ元国防次官補ら超党派のアジア専門家のグループが、来年の新政権発足に向け対日政策の指針となる報告書を発表した。日本の集団的自衛権の行使や新ガイドラインの履行、国連平和維持軍(PKF)本体業務への参加凍結の解除などを求めている。また在沖海兵隊の訓練をアジア太平洋全域に分散するなどの考えを示している。(11日)
●反対協が県に代替協の解散求める ヘリ基地反対協の代表が、沖縄県の親川盛一知事公室長を訪ね、米軍普天間飛行場の代替施設の受け入れ表明撤回と代替施設協議会の解散を求めた。親川公室長は「解散を申し入れる考えはない」とし、代替施設の十五年使用期限問題を議論する協議会の設置を国に求める考えのないことも強調した。(11日)
●JCO前所長ら6人逮捕
 昨年九月のJCO東海事業所の臨界事故で、前所長ら当時の事業所幹部と、自らも被曝(ひばく)した作業員ら計六人が業務上過失致死の疑いで逮捕された。国内の原子力施設での事故で、同容疑で逮捕者が出たのは初めて。(11日)
●公明党「憲法改正、10年で結論」 公明党が十一月四日の党大会で決める重点政策案をまとめた。改憲問題について「衆参両院の憲法調査会での五年をめどにした論議の方向をふまえ、次の五年で第一段階としての結論を出す」と明記した。(11日)
●名護市と辺野古など地元3区の協議機関が発足 名護市が、米軍普天間飛行場の移設先とされた辺野古区など地元三区との協議機関を発足させた。地元では工法や受注をめぐって建設業者らの水面下での綱引きが激化、住民の集団移転、工事獲得に向けた覚書などが飛び交っている。(11日)
●防衛情報漏えい罰則強化を提言 自民党国防部会の「自衛隊と秘密保全に関するプロジェクトチーム」が、海上自衛隊三佐による駐日ロシア大使館武官への秘密漏えい事件を受けて、罰則強化に向けた自衛隊法改悪などを盛り込んだ緊急提言をまとめた。(12日)
●自衛隊機が異常停止 航空自衛隊那覇基地第八三航空隊所属のF4EJ改戦闘機が那覇空港に着陸する際、減速できず、滑走路に設置されているワイヤーロープに機体のフックをかけて停止した。原因は電気系統のショート。このため滑走路が二十三分間閉鎖した。同空港での自衛隊事故は九月下旬にも二度あったばかり。(12日)
●米朝が共同コミュニケ
米国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、「双方が敵対的な意思を持たないことを宣言する」などとする共同コミュニケを発表した。(12日)
●空母キティホークが小樽に入港 米海軍横須賀基地を拠点にする米第七艦隊の空母キティホークが、北海道小樽市の小樽港に入港した。米空母の同港寄港は九七年九月のインディペンデンス以来二度目で、新ガイドライン関連法施行後としては、初めての民間港への寄港。(13日)
●名護でIUCN報告集会
 ジャンヌ会や二見以北十区の会などの団体が、名護市で、ヘリ基地反対の集会を行い、ジュゴン保護基金委員会の東恩納琢磨事務局長が、国際自然保護連合(IUCN)の世界自然保護会議会場での活動を報告した。(14日)
●自衛隊の結集地確保へ
防衛庁が、自衛隊の災害派遣部隊の宿泊や駐車場に使用する結集地を確保するため、防災計画を策定する都道府県との事前調整を強化する方針を固めた。この方針は、九月三日に東京で行われた治安出動演習が契機になったという。(14日)
●集団的自衛権明記せよ
民主党の鳩山由紀夫代表と自由党の小沢一郎党首がテレビの報道番組で対談し、鳩山は集団的自衛権について「いまの国際環境の中で一切認めない発想だと、国際的な貢献が十分に行えない。行使できる場合と、行使できない場合を国会の議論で結論を出すべきだ。憲法にもしっかりうたうのがいい」と述べた。(15日)
●オスプレイ年内生産を示唆 米海軍が、二〇〇五年の沖縄配備が計画されている最新鋭垂直離発着機MV22オスプレイの本格的生産を年内にも開始する可能性を示唆した。性能テストで「操作上効果的で適当と判断された」という。同機は今年四月、米国内で十九人の死者を出す事故を起こした。(15日)
●自衛隊の多国間共同演習参加へ条件整備 防衛庁が自衛隊がアジア太平洋地域での多国間共同演習に参加しやすくするため、計画立案の初期段階から日本の要望を伝えるなどの条件整備を各国に働きかけていく方針を固めた。(15日)
●PKO5原則が制約と米大使 米国のフォーリー駐日大使が講演で、日本の国連平和維持活動(PKO)について、参加五原則が大きな制約になっているとの認識を示した。(16日)

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週刊『前進』(1979号6面1)

反戦地主、読谷村議 知花昌一さんに聞く
 軍用地強制使用と再び対決 “公開審理で国の不当暴く”

 沖縄・読谷村の米海軍楚辺通信所(通称「象のオリ」)の土地の強制使用をめぐる闘いが再び始まっている。二度にわたって改悪された米軍用地特措法の最初の発動の攻撃に、象のオリに土地を持つ反戦地主・読谷村議の知花昌一さんは、怒りも新たに反撃に立ち上がっている。知花さんに、この強制使用手続きとの闘い、名護新基地建設との闘い、国際連帯行動の意義などについて語ってもらった。(編集局)

 来年3月末の期限切れで契約拒否

 九六年四月一日にぼくの土地は、不法占拠になった。前年の九月に少女の事件が起こって、ぼくの土地の強制使用の手続きで、当時の県知事の大田さんが代理署名を拒否し、使用期限切れの四月一日に国側として使用権を取得することができなかった。それで地主として二度の立ち入りとか一連の流れがあって、その後、公開審理が始まった。ぼくに関しては五カ年の使用申請がされていた。それに対して、沖縄県収用委員会は、審議の過程の中で来年二〇〇一年三月三十一日まで三年の裁決をした。
 SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)の最終報告によると、象のオリは来年の三月三十一日までで返還ということで、当初国が申請してあった五カ年を縮めて、国自体も承諾して来年の三月に返還、ということになっていた。これは金武町のキャンプ・ハンセンに移設した後に返還という条件が付いていた。
 ところが、この五月に、防衛施設庁は、また使用したいとぼくの所にきたんです。「来年の三月三十一日に返すと言ったじゃないか」と言ったら、移設先の金武町の受け入れがまだ出来ていないと。「じゃあいつまで使用しようと思っているんだ」と言ったら、わからないということで契約を求めてきた。ぼくは契約を拒否した。それで防衛施設庁は、米軍用地特別措置法の適用をする、ということになったわけですね。

 特措法と対決し

 ご存じのように米軍用地特別措置法は、一九九七年の四月に改悪された。そして九九年の地方分権推進一括法案でまた改悪されたわけです。再改悪された米軍用地特別措置法の初の適用として、六月二十五日に、総理大臣がぼくの土地ともう一つ、浦添市のキャンプ・キンザーにある土地の二人の土地に対して使用認定をした。そうすると後は、収用委員会で形だけの公開審理だとかいろいろ権限のない審理がされる。
 ぼくらのまず一回目の抵抗は賃貸借契約を拒否すること、二番目は総理大臣の使用認定がおかしいということで、認定取り消し訴訟を九月二十五日に総理大臣を相手に提訴した。一方では、以前から使用認定取り消し訴訟を起こしているんですが、防衛施設庁はそれとはおかまいなしに、ぼくの土地の強制使用手続きを進めている。
 二度にわたって改悪された米軍用地特措法によると、たとえ収用委員会が却下の裁決をしても、最終的には総理大臣が裁決を下すことになる。沖縄側の収用委員会の権限は、もうすべてなくなっている。でも、公開の場で、国のやっていることを暴くという意味でその場を利用しようと。反戦地主会も、これまでどおり違憲訴訟共闘会議を中心とした闘いを組んでいこうと意志一致しています。
 公開審理は十一月ころじゃないかと思います。弁護団は、三、四回で終わるんじゃないかと言っている。一回目は申請の理由を説明して、二回目に弁護団と土地所有者の主張がある。

 首相権限強め米軍有事の強制収容

 地方分権一括法での改悪には、二つの重要な問題があります。一つは、総理大臣が使用認定した土地に関する使用問題で、これは手続きも全部総理大臣がやるとなっている。もう一つは「特定土地等」というもの。米軍用地特措法は、特定の土地を収用することができるとなっている。有事の時に塹壕(ざんごう)を掘ったり、あるいは兵舎を造ったりする時に、手続きをしていると間に合わない。そういう特定土地として米軍が使うために、総理大臣の一括で土地の使用ができるようになっている。これは有事法の先取りだと言われている。
 九七年四月の国会では、傍聴席で「土地ドロボー」と叫んで逮捕されたんですが、九九年の地方分権一括法案、四百七十五の法案の中に潜り込ませてやられた。問題が運動体の中でも認識されないできてしまった。とんでもない恐ろしい、差別的な有事法的な法律だとみんなが認識することが必要です。そういった意味では公開審理は実効力はないとしても、ことの重大性を打ち出す場としてやりたいと思います。

 SACOの狙い

 SACOの内容は、一九六〇年代のアメリカ軍が計画していたことを四十年後の今日、日本政府の金で基地の再編強化しようということなんです。ぼくらが作ったSACO究明県民会議でアメリカの文書を洗い直していたら、那覇軍港も一九六七年には浦添移転が決定されていたが、財政的にもピンチで実行できなかった。辺野古にも飛行場の計画があった。それを今またやろうとしている。SACOで二〇%基地を減らすというけれど、実はとんでもない基地強化で、しかもアメリカがやろうとしてできなかったことを日本政府がやるということです。

 象のオリは解体

 象のオリは一九九八年六月一日をもって部隊を解体するというアメリカ海軍省の命令書があります。解体式を九七年の九月にやっている。海軍省の海軍安全保障局の施設だったんだけど、今、全部看板が外され、アメリカの民間企業が委託されて管理している。使っていないんです。象のオリは一九五四、五年に作られた。もう四十五年もたつんです。通信施設としては古くて使いものにならない。だからもう返還するというふうになる。
 今の通信傍受は、宇宙衛星などを通じてやっている。金武町に作るのは象のオリの半分くらいの、小さくて近代的な装備を備えた軍事施設になる。

 名護の新基地建設阻止へ闘い進む

 サミットでみんな運動体がぺしゃんこになるんじゃないかと心配したんだけど、逆にみんな元気が出てきた。サミットに負けないで、運動をやりきったというのが実感ですね。七・二〇の二万七千人集めた嘉手納基地包囲の行動もそうだし、部瀬名のサミット会場や首里の晩さん会に向けてのデモもそうだし、対抗する国際会議も二十くらい開かれた。逆にサミットは何も成果なしに終わった。
 だけど彼らは今、大きなイベントが終わった、次はSACOの実行だということで、稲嶺と岸本を引き入れて、移設の受け入れ準備の体制に今入っている。しかし十五年問題をアメリカ政府は受け入れない。日本政府も一貫して議論しない。稲嶺は十五年使用限定という公約で知事になったわけだし、岸本もそうなんです。ところが二人とも十五年という期限の問題を明確にしないで移設条件整備の会議に参加している。
 名護市では毎日、抗議や要請行動がされている。特に二見以北十区の会や命を守る会が毎日要請をしています。名護市の反対協は役員の再選を経て、今新しい段階に入っています。特に東海岸は一人ひとりが頑張っている。辺野古には海の汚染とか、騒音被害とかあるし、その発着コースの真下に入る二見以北十区も厳しい状況にある。岸本名護市長はその人たちとの話し合いを一切拒否している。それで毎日市の方に出向いて要求して闘っている。
 これはけっして名護市のあるいは東側の問題ではなく沖縄全体の問題だから、もっとぼくらもなんとかしなければと、いま十・二一の県民大会を打とうとしている。一九九五年の十・二一に八万五千人集まったその日を、もう一度自分たちの原点にしようと準備を進めている。

 振興策は麻薬だ

 振興策として十年間に千億円投入すると言っているけど、これは麻薬になると思う。十二市町村で年間百億だから、ほぼひとつの自治体で八億くらいを毎年使えることになる。ぼくが議員をしている人口三万七千人の読谷村の一般会計が決算で百二十億円です。普通の町村は約一万人で金額も三分の一だと思う。
 三十億くらいの一般会計の規模の中に毎年八億くらいがくるとどうなるか。学校を作り替える、道を作り替える。だけどそれは四、五年であって、十年間それを使うとなると、必要ないのに山を削り海を埋め立てることになる。金を使うために工事をする。その十年の間にその地域の体質が公共事業と土建屋に依存した体質になってしまう。持続的な経済発展が阻害されてくる。だからそれをいかにぼくらが跳ねのけ切れるかが、今からの闘いだと思います。
 韓国の反基地闘争に学び連帯する
 韓国とは公開審理以来、行き来が活発になり、沖縄と韓国の関係が非常に密になってきた。同じ米軍のもとで、韓国の基地被害が沖縄とあい通ずるものがたくさんある。韓国の人たちは沖縄から、韓米地位協定と日米地位協定の違いとかいろいろ勉強しているし、ぼくらもまた向こうの闘いを学んできている。
 それがまた韓国、沖縄だけでなく、プエルトリコやフィリピンの人たちとのつながりもできてきて、お互いの成果を持ち寄る、近い連帯関係ができてきています。それはますます強めなければいけない。米軍は、沖縄も韓国もプエルトリコも同じ米軍だけど、民衆がバラバラになっては闘いの成果を蓄積できない。民衆の連帯をとおしたお互いの闘いの蓄積ができると、大きな力にできるという気がしますね。特にサミット時には、沖縄で人間の鎖に参加してもらうなど、交流が深まりました。
 韓国の梅香里(メヒャンニ)という所に国際射爆場があるんですけど、沖縄からもいって訓練している。民家の近くでバンバンやっているところで、韓国ですごい激しい闘いが起こっている。毎回沖縄からも行って、連帯して、学んで帰ってくる。
 沖縄の闘いは日本を含めて六〇年、七〇年に結構激しい闘いをしたんだけど、そのあとあまり、突破する力がつくれなかった。ところが、今、世界的に、プエルトリコのビエケスや、韓国の梅香里がそうですが、本当に実力闘争を含めた激しい運動をしているんです。そういうラジカルな、根底的な怒りを学んでいく必要があるんじゃないか。既成左翼によって怒りをたたきつけるという場が抑ええ付けられてきた。それではいくら集まっても、自己満足に終わってしまう。それを突破するような動きが国際連帯の中でつくられてきたらいいなという希望をもっています。

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週刊『前進』(1979号6面2)

臓器移植法撤廃へ集会 「見直し」改悪に怒り

 十月一日、東京・豊島区民センターで、「いらない『臓器移植法』!『見直し』なんてとんでもない!全国市民集会」と題して、臓器移植法撤廃を求める集会が開かれ、八十五人が参加した。「脳死」・臓器移植に反対する東京、関西、宮城の三市民団体が主催となり、各地の「障害者」、医療従事者、人権擁護団体などが参加した。臓器移植法施行三カ年を弾劾し、臓器摘出年齢の引き下げ・小児移植推進を始めとする見直し改悪案の今国会提出策動に反対して、活発な討論と報告を繰り広げた。
 最初にジャーナリストの福本英子さんが講演に立ち、臓器移植法施行後の適用九例(一例は移植はなし)の法的ずさんさを暴き、厚生省の狙う見直し案は「脳死=人の死」を広く一般化させ、人体各部の切り売りとしての商品化・資源化や遺伝子操作等「生命操作」を横行させるものだと、その危険性を訴えた。
 続いて各地の団体からのリレートークに移った。関西医療を考える会の看護労働者は「ドナーカード所持は治療ではなく死を早める片道切符そのもの」と訴え、現代医療を考える会の脳神経外科医は、皮膚や組織での「再生医学」推進の正体は人体の商品化そのものと批判した。
 茨城青い芝の会の「脳性まひ」の「障害者」は、「脳死」推進は「障害者」を死人扱いし「脳力主義」という優生主義的差別をあおると弾劾。
 関西市民の会、人権監視委員会は九例目となった福岡徳州会病院で脳幹の咳(せき)反射がありながら「脳死判定」で死が宣告された事例への人権救済申し立ての運動を紹介した。
 東京八王子の「精神病者」は臓器移植法の改悪策動に手を貸した法学者町野は「触法精神障害者対策」と称した保安処分導入にも加担していると弾劾した。
 宮城からは古川市立病院の移植例では交通事故でドナーカードが警察の身分照会に使われた事実を暴露。
 東京の市民会議は厚生省試案としての町野案(臓器摘出要件を本人から遺族承諾へ変更する)も、これに対案を提出した森岡案(十歳位の小児にも臓器提供の自己決定権を認める)も、ともに改悪世論づくりでしかないと批判した。
 「視覚障害者」グループは臓器摘出への自己決定権は社会的な生きにくさの中で強制されたものと指摘。大本教団体からも「脳死は人の死ではない」という八十万人の署名を集めたとの報告があった。
 水産大の小松教授は町野改悪案が臓器売買解禁にまで手を伸ばしている事実を指摘、薬害医療被害をなくす厚生省交渉実行委員会、優生思想を問うネットワークの発言が続いた。最後に社民党の阿部知子議員が発言に立ち「脳死は人の死ではなく殺人である」「国会でなんとか改悪の歯止めをかけたい」と訴えた。
 翌十月二日、参加者の代表は集会決議を携えて国会を訪れ、衆参の厚生委と国民福祉委の全委員六十一人に臓器移植法撤廃の申し入れ行動を行った。
 臓器移植法改悪を絶対に許さず、法そのものの廃止まで全力で闘いぬこう。

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週刊『前進』(1979号6面3)

連載 部落解放運動−−その課題と展望 第7回
 今こそ差別糾弾闘争を 解放戦士への飛躍かけて
 帝国主義こそ差別の根源

 狭山闘争の歴史的復権かちとれ

 差別糾弾闘争は部落民が人間として生きるためのギリギリの闘いであるばかりでなく、差別の根源である帝国主義そのものの打倒をめざし、部落差別という日帝の体制的な存立を支える階級支配の特殊的あり方を打ち砕く闘いである。そのようなものとして差別糾弾闘争は、身分的差別撤廃の論理をもってする階級闘争そのものである。
 戦後部落解放闘争において、この差別糾弾闘争の基軸をなしてきたものこそ狭山闘争である。日帝の戦後的同和政策や、解同本部派のそれへの屈服・腐敗にもかかわらず、戦後解放運動はこの狭山闘争を推進基軸にして戦闘的発展をかちとってきた。全国連の大衆的創立はその歴史的地平の上にかちとられたのであり、狭山闘争こそ部落解放闘争と日帝との攻防の最大の焦点であり、一切の力関係の総括軸となってきた。
 それはなぜか。
 第一に三十七年余に及ぶ石川さんに対する国家権力の扱いのすべてが日帝のもとでの三百万部落大衆が日々直面している現実そのものだからだ。と同時に石川さんの不屈・非妥協の闘いは、部落差別と闘うすべての部落大衆のものであり、石川さんの運命と三百万部落大衆の運命はひとつだからである。
 逆に日帝にとってこの石川さんの闘いと狭山闘争を解体できないかぎり、人民分断支配は貫けず、部落大衆を翼賛勢力とすることも侵略戦争国家体制づくりも成り立たないのだ。
 石川さんは「私は無実の罪で三十二年間も拘禁生活を余儀なくされ、貴重な人生を奪われてしまった、この怨念(おんねん)と屈辱を晴らす」「近い将来必ず権力に思い知らせる」「全国の部落兄弟はもとより労働者階級人民とともに階級的共同闘争として」取り組む、とアピールしている。この石川さんの不屈の決意、国家権力の差別犯罪を徹底糾弾する激しい怒り、復讐(ふくしゅう)の決意に日帝は心底から震えあがっている。まさにこの石川さんの孤立無援の中からの全存在をかけた決起、峻厳(しゅんげん)な反権力性、不屈性、徹底性こそ差別糾弾闘争の真髄であり、日帝を打倒して「人の世に熱と光を」取り戻す部落民の自己解放の闘いなのだ。
 部落解放闘争にとってこの狭山闘争の歴史は、浦和地裁占拠闘争の衝撃を合図に、石川さんを先頭に「一人は万人のために、万人は一人のために」の思想をもって、全国三百万部落大衆の日帝打倒に向けた総決起をつくりだしていく血みどろの歴史だった。
 識字によって一つひとつ文字を奪い返し、石川さんの無実と権力の差別犯罪を知り、怒りに身を震わせて立ち上がった婦人。学校で部落民宣言を行い、大人にも負けない決意で「石川にいちゃん返せ」と同盟休校やゼッケン登校で闘いぬいた子どもたち。その先頭に立って全国の部落に入り、ビラをまき、オルグをし、無実を訴え、激しいデモで機動隊と闘った青年たち。みんなが職をかけ、人生をかけて闘いぬいてきた。そして、この部落大衆の必死の闘いにこたえて、共闘の労働者階級も全国の駅頭にたって石川さんの無実を訴える署名活動に立ち上がった。こうした闘いが一つになって、七四年の東京高裁・寺尾糾弾の十万人中央集会を実現していった。
 日帝に対する石川さんの全存在をかけた渾身(こんしん)の徹底糾弾の闘いが三百万部落大衆の決起をつくりだし、それがまた全人民を揺り動かし、日帝の階級支配の根幹を打ち砕く巨大な情勢を切り開いていったのだ。それは全国水平社の高松差別裁判糾弾闘争を引き継ぎ、のりこえる闘いだった。だからこそ日帝はこの狭山闘争を圧殺するために総力をあげてきた。しかし、それは今もって決着はついていない。
 差別糾弾闘争の復権とは、何よりもこの狭山闘争の歴史的復権であり、七〇年代を超える大人民運動として狭山闘争を大爆発させることである。そうして狭山闘争を日本の階級闘争の大地に再びしっかりと打ち立てることができた時、われわれはいかなる日帝の差別主義・排外主義攻撃をも決定的なところで打ち破ることができるのだ。

 虐げられた民衆の解放の先駆者

 第二に部落大衆は、差別糾弾闘争に立ち上がることによって、帝国主義のもとで自己がどのような差別と迫害を強制されているかを闘いをとおして自覚し、それを出発点とすることによって、自らを人間の普遍的解放の主体として打ち鍛えていく契機をつかみとっていくのである。
 狭山闘争の歴史はまさにそのようなものだった。部落大衆は一人ひとりが自らの人生と石川さんの荊(いばら)の人生を重ね合わせ、石川さんの獄中の苦闘を我がものとし、石川さんの闘いに学び、励まされながら部落解放の戦士、人間解放の戦士として生まれ変わっていった。それは「虐げられた民衆の解放の先駆者たらんとする」(全国連創立宣言)ものだった。差別糾弾闘争は部落民にとって、自己解放をかけた普遍的根源的闘いなのだ。
 すべての差別糾弾闘争を狭山闘争のように差別の根源としての日帝に対する糾弾闘争として、反政府闘争、反権力闘争へ発展させ、国家権力を打倒する政治闘争へと発展・転化させていかなければならない。

 労働者は共闘して階級性奪還を

 第三に、差別糾弾闘争を労働者階級との階級的共同闘争として闘いぬかなければならない。
 部落差別の根源は日帝の階級支配にある。日帝は部落差別攻撃を侵略戦争国家づくりのための人民分断政策のかなめとし、労働者階級人民の搾取と収奪のテコにしている。この階級支配を廃絶しないかぎり、部落の解放はない。
 そうであるがゆえに差別糾弾闘争をこのプロレタリア革命の主体としての労働者階級との階級的共同闘争として闘いぬき、勝利していかなければならない。
 同時に差別糾弾闘争は部落差別という支配階級の虚偽のイデオロギーのもとに屈服させられているプロレタリアートを階級へと形成し、分断支配を打ち破っていく決定的イデオロギー闘争でもあり、部落解放闘争の側からの階級的援助でもある。労働者階級は部落大衆の闘いから学び、ともに差別糾弾闘争を闘う中で真剣な主体的格闘をとおして、階級性を奪還し、自らの解放をとおして全人民を解放するプロレタリア独裁の能力を形成していかなければならないのである。
 こうした石川さんを先頭とした一人ひとりの部落大衆の差別糾弾闘争への決起と、労働者階級の自己批判的決起がしっかり結びついたとき、部落大衆の歴史的に蓄積された怒りと自己解放のエネルギーが、共産主義の党を媒介として、プロレタリア革命闘争に合流し、力強い発展を切り開くことができるのである。
 〔永倉 俊〕

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週刊『前進』(1979号6面4)

機関紙活動 実践の中から
 部落解放巡る討論で定購に(関西S生) 

 この九月に、『前進』の定期購読者を二人獲得しました。いずれも部落解放闘争をめぐっての討論をとおしてです。
 Aさんは、以前、「共産党の同和問題に対する考え方はおかしい。あれにはついていけない」と言っていたので、「部落差別とはなにか」「プロレタリア革命と部落解放闘争」という内容でオルグすることにしました。
 まず『前進』を開いて全紙面を見てもらい、どういう新聞であるかを大体説明した上で、シリーズ「部落解放運動−−その課題と展望」を強調してオルグしました。特にシリーズの一回目が非常によかったようでした。「たしかに、現代社会においては、身分差別を規定する法律も、制度もない。しかし部落民は、法や制度としての身分があるのと同じように差別されるのである」(一九七二号)という内容をめぐって討論しました。その結果、Aさんは「うん、なるほど」と納得し、九月から定期購読することになりました。
 また、Bさんはまじめな人柄なので、思い切ってオルグすることにしました。Bさんも「うん、いいよ。勉強させてもらいます」と言って、定期購読することになったのです。
 二人とも部落問題には行政関係で長い間かかわっていたのですが、このように解明された内容に出会ったのは初めてのようでした。
 これまでは『前進』を勧めるのを遠慮していたのですが、思い切って話をして本当によかったと思っています。これからも、つき合っている人の問題意識をとらえて、どんどん読者を増やしていくつもりです。

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