ZENSHIN 2001/01/01(No1988 p16)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(1988号1面1)

帝国主義打倒! スターリン主義打倒! 万国の労働者・被抑圧民族は団結せよ!
――21世紀突入、革共同の戦闘宣言――

改憲阻止、都議選勝利、階級的労働運動の歴史的再生と大結集かちとれ!
 転向日共・分裂カクマルを打倒し 闘う労働者党建設の飛躍的前進へ

   革命的共産主義者同盟政治局

 序 章 21世紀を共産主義社会への移行をかちとる世紀に
 第1章 全戦線で革命的大衆行動の本格的発展が始まった
 第2章 戦争と恐慌・大失業の情勢は新たな段階に達した
 第3章 戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒に総決起を
 第4章 6月都議選決戦勝利・石原ファシスト都政打倒へ 前半最大の決戦
 第5章 闘争団・1047人闘争を軸に労働運動の新潮流を
 第6章 日帝の暗黒と反動、差別・抑圧を打ち破って闘おう
 第7章 学生運動の新時代を切り開こう
 第8章 修正資本主義路線と改憲派に転向した日本共産党打倒せよ
 第9章 黒田哲学を葬り去りファシスト・カクマルを完全打倒せよ
 第10章 21世紀に勝利する党の建設を

 序章 21世紀を共産主義社会への移行をかちとる世紀に

 二十一世紀を迎え、わが革共同は、二十世紀が実現しようとして実現しえなかった共産主義社会への世界史的移行という人類史的大事業をなんとしてもなしとげる不退転の決意と確信を表明し、ここに全世界の労働者階級人民への熱烈なアピールを送る。
 二十世紀は、資本主義の帝国主義段階への世界史的移行をもって始まった。それは、戦争と革命、革命と反革命のさかまく百年間を経て、世界史的反動としてのスターリン主義がついに歴史的破産をとげ、かつまた史上最大最強にして最後の帝国主義である米帝が決定的な歴史的・体制的崩壊の淵(ふち)に落ち込み、未曽有(みぞう)の世界史的大転変が始まった中で幕を閉じ、二十一世紀に移った。二十一世紀こそは、帝国主義の基本矛盾が二九年型世界大恐慌と米日帝の朝鮮・中国侵略戦争―第三次世界大戦という形で全面的に爆発し、残存スターリン主義の破産と極限的な反革命が最後的に全面化し、それに対する全世界の労働者階級人民の怒りの決起が嵐のような反帝国主義・反スターリン主義世界革命となっていく世紀であることは明らかである。
 なぜか。一九一七年という二十世紀の早い段階で「帝国主義戦争の内乱への転化」としてかちとられたロシア革命。このロシア革命がプロレタリア世界革命の時代を切り開いたという意義が、今、歴史的に破産したスターリン主義反動を突き破って、帝国主義の基本矛盾の爆発情勢の中で、全面的によみがえってきているからである。
 帝国主義とは何か。それは死滅しつつある資本主義であり、社会主義への過渡なのである。だがプロレタリア革命によって打倒しないかぎり、他民族人民虐殺の侵略戦争、世界核戦争、労働者階級への階級戦争をどこまでも繰り返す存在なのだ。資本主義とは何か。それは人間社会の歴史的一社会にすぎないものなのだ。労働者階級が社会の主人公として自己解放の事業に決起し、資本主義社会は根底的に転覆され、階級も搾取も差別も抑圧もない共産主義社会に移行していくべきなのだ。万国の労働者が団結し、抑圧民族と被抑圧民族とに分断されている全世界の労働者階級人民が階級的連帯をかちとれば、帝国主義は打倒できる。全世界の共産主義的解放へ突き進もう。こうした烈々たるアピールを発し、現に労働者人民がプロレタリアート独裁の国家をつくり、共産主義の党が全世界に強烈な感銘を与える階級的・普遍的正義性を示し、確固たる指導性をもつにいたったのが、ロシア革命であった。
 二十世紀とは帝国主義の時代であるだけではない。それはプロレタリア世界革命が勝利する時代であることを巨大な物質力をもって開示したものが、ロシア革命とその思想=レーニン主義であった。
 それを暗転させたものこそ、スターリン主義であった。世界革命の事業に敵対し、かつ勝利した革命とその獲得物をゆがめ、変質させ、官僚的特権の防衛・強化を「革命の祖国ソ連を守れ」として押し出し、それを一国社会主義論で超反動的に意義づけてきたスターリン主義。ソビエトを解体し、労働者・農民に血の犠牲を強い、諸民族人民を圧殺・虐殺し、幾多の革命家を虐殺し、全世界の革命運動をソ連防衛の一手段に落とし込め、果ては帝国主義戦争の一方の陣営に加わって参戦したスターリン主義。そのスターリン主義の一国社会主義論は、世界革命のためのあらゆる闘いを圧殺し、レーニン主義として再興されたマルクス主義、その共産主義の原理を全面的に破壊してきた。とりわけ帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制の成立以後、それは猛威を振るった。「スターリン主義=共産主義」とされ、営々たる労働者階級自己解放の闘いがどれだけゆがめられ、英雄的な決起がどれだけ敗北させられてきたことか。
 だがスターリン主義は、われわれが必然的にそうなると規定したように、ついに歴史的破産をとげた。では、帝国主義が勝利する時代が来たのか。まったくそうではない。帝国主義は、七〇年代半ばに崩壊への大きな転機をしるした上に、九一年の米帝のイラク・中東侵略戦争に加速されて、帝国主義対帝国主義の対峙・対決を基軸化させ、米欧日の争闘戦の激化、帝国主義国家間のつぶし合い戦にのめり込んでいる。米帝のバブル経済崩壊は必至であり、日帝は没落帝国主義と化し、改憲という絶望的延命路線に突進している。帝国主義は基本矛盾を世界戦争・侵略戦争として爆発させるしかない死の苦悶(くもん)にあえいでいる。
 二十世紀の動―反動―その崩壊という流れが転換的に起こる中で、二十一世紀はその幕を開けた。革命と反革命の激突とプロレタリア世界革命の完遂の時代という二十世紀の本質が全面的に開花する世紀こそ、二十一世紀なのである。
 わが革共同は、昨二〇〇〇年決戦の爆発をかちとり、この二十一世紀に勝利者として躍り出ることができたと宣言する。われわれは、二十世紀の五〇年代に誕生した反スターリン主義・革命的共産主義運動がついに偉大な発展をなしとげる新たな闘いの次元に入ったことを、誇りと自信をもって確認することができる。九一年五月テーゼ以来十年、革共同創立以来四十数年の血と汗の闘いをとおして、われわれはここに、反革命カクマル完全打倒への歴史的勝利をものにしたこと、社・共に代わる革命党、真の労働者党の建設の飛躍的前進をやりとげうる地点に立ったことを高らかに宣言する。
 七〇年闘争の発展に敵対する白色テロル集団として暴威を振るい、本多延嘉書記長を始めとする幾多の革命家、多くの労働運動・学生運動の活動家、戦闘的良心的人びとを襲い、虐殺してきたカクマル。日帝警察権力・資本と連合して階級闘争の気孔をふさぐために立ち働いてきたカクマル。古今東西の歴史上類例のない、憎むべき真正ファシスト・カクマル。そのカクマルが、一方で、JR総連内カクマルの組織的離反、カクマルとJR総連との分裂・対立を自ら招き、〈最大拠点〉であるJR総連を失ってしまった。他方で、カクマルの〈最後の砦(とりで)〉である黒田ファシスト哲学の総破産を黒田自身が自認するところにまで立ち至った。カクマルはついに全面的な党的解体的危機に突入した。革共同の四十数年の反スターリン主義・革命的共産主義運動がいよいよ全面的発展をなしとげる決定的条件をかちとったのだ。
 今や、わが革共同が、黒田・カクマル完全打倒をなしとげ、転向と堕落をとげた日本共産党や社民党など公認指導部を蹴散らし、反スターリン主義・革命的共産主義運動の真価を発揮して、唯一の労働者党の位置を名実ともに戦取すべき時が来た。六月都議選―次期衆院選での勝利=当選をかちとることこそ、その新たな第一歩である。マルクス主義・レーニン主義を復権し、反帝国主義・反スターリン主義世界革命と階級的労働運動の旗をひるがえし、二十一世紀に躍り出よう。二十一世紀のできるだけ早い時期に、死滅しつつある資本主義=帝国主義とその支配体系の全面的打倒を、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利として実現し、資本主義社会から共産主義社会への世界史的移行をかちとる闘いに総決起しようではないか。

 第1章 全戦線で革命的大衆行動の本格的発展が始まった

 (1) 5月テーゼ路線を掲げさらなる戦略的大攻勢へ

 昨年一年間のすべての闘いをとおして、革命的大衆行動がついに本格的に復権され、革命的大衆行動の論理と実践が階級の要求・利益と融合する素晴らしい歴史的経験が蓄積された。
 われわれは、二〇〇〇年にあたって、主客の情勢における世界史的・日本史的な大激動期、すなわち革命的情勢の急速な接近という認識を明確にさせ、ここでの革命党の任務を積極的に規定するものとして、衆院選決起と沖縄サミット粉砕と国鉄決戦勝利・十一月労働者集会大結集の三大決戦を軸とする二〇〇〇年決戦方針を打ち立てた。帝国主義の死の苦悶と残存スターリン主義の崩壊的危機、そこからの絶望的な帝国主義的侵略戦争の切迫の現実性、内への一大資本攻勢を軸とする階級戦争のすさまじい激化に対して、われわれは、自らの綱領的立場・戦略路線・闘争方針の正しさと労働者階級の根底的総決起を心の底から確信し、二〇〇〇年決戦に総決起してきた。
 まさに蜂起に次ぐ蜂起とも言うべき三大決戦とこれを軸とする二〇〇〇年決戦の全展開、とりわけ国鉄決戦の死力を尽くした爆発をとおして、わが革共同は、労働者階級の階級的自己解放的決起を基盤にして、革命的大衆行動の本格的爆発をなしとげつつ、情勢を揺さぶり、積極的・攻勢的に内乱的死闘の時代を切り開く党として、決定的に躍り出たと、はっきりと宣言することができるのだ。
 五月テーゼ―一九全総(二〇全総)のもつ決定的な戦略的攻勢の本領が二〇〇〇年決戦の爆発の中に鮮明に示されているのである。今こそ五月テーゼ路線のこの本領を徹底的に発揮する時なのだ。

 (2) 11月労働者集会の画期的成功がかちとられた

 昨年の二〇〇〇年決戦のすべての実践、そこでの命懸けの飛躍、新たな挑戦、数々の懸命の死闘戦を大きくひとつに集約し、二〇〇〇年決戦勝利を決着づけた闘いが十一・五全国労働者総決起集会の成功であった。十一・五労働者集会は、呼びかけ三労組と国鉄戦線を先頭に三千二百五十人の結集でかちとられた。
 この十一・五労働者集会の成功は、没落帝国主義・日帝の絶望的な戦争と一大資本攻勢の攻撃と対決する幾百千万労働者人民が、二〇〇〇年決戦、とりわけ国鉄決戦の血みどろの実践をとおしてつくりあげた階級的総反撃の砦である。ついに労働者階級の深部から偉大な革命的エネルギーが力強く噴き上がり始めたのだ。二十一世紀に向けて、闘う労働組合の新潮流の旗のもと、労働者階級の新たな決起の時代が切り開かれたのである。
 第一に、国鉄決戦勝利を高々と掲げて、日帝権力による四党合意とそれを積極的に受け入れ推進する国労本部に対する激しい非妥協的な対決を鮮明にさせた。この対極で起こったカクマルとJR総連の大分裂という現実の中に、自らの正義性と勝利性をすべての労働者が心の底から確信した。十一月集会が、国鉄決戦集会として終始一貫かちとられたことは真に画期的で偉大なことである。
 第二に、没落の危機に陥った日帝・資本が繰り出す嵐のような資本攻勢と対決するためには、労働者階級は団結して闘うという階級性がはっきりとよみがった。今日において労働組合の階級的団結を大結集させることが、帝国主義・資本主義への最も根底的で鋭い対決なのだ。「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」という闘う団結の呼びかけが、連合に取って代わり、日本共産党の全労連支配を打ち破り、ファシスト・カクマルを打ち倒して前進する真のナショナルセンターをめざす力強いうねりとなっているのだ。
 第三に、国鉄闘争の旗を掲げ、闘う労働運動の新潮流をめざす闘いが、全産別にわたってかつてなく広範に発展している。また、沖縄から闘う労働者の上京団が参加し、部落解放同盟全国連を始め、多様な戦線からの総結集が進んだ。闘争団・千四十七人の生き死にの問題が全労働者階級人民の共同の課題として強い共感を持って受け止められた。国鉄闘争が、六千万プロレタリアートの闘いの中心にあらためて決定的に位置づけられ、新潮流運動の発展と勝利の構造がしっかりと形成されたのである。
 第四に、なぜそれが可能となったのか。既成指導部の転向と裏切りの中で国労が絶滅の危機にあるという労働者的危機感から、そして闘争団が切り捨てへの怒りと苦悩と自力自闘の誇りに満ちた決起を開始したところから、国労が生まれ変わる闘いが起こった。労働組合運動全体がどんどん後退を強いられている現実への広範な労働者の共通の痛切な危機感が、ここにはある。だからこそ、国鉄を軸とする戦闘的労働組合運動の防衛と再生の闘いが、個別の経験を超え、党派を超えて共同の課題となったのである。
 第五に、今こそ、一大資本攻勢との闘いの路線と方針をすべての労働者に提示し、宣伝・扇動し、新しい潮流運動への結集をかちとらなければならない。労組交流センターが質的・量的に強化されていくことこそ、勝利の保証である。

 (3) 闘争団・1047人闘争の国鉄決戦が大前進

 千四十七人闘争の暴力的圧殺と国労の最後的解体に踏み切った四党合意の大反革命。それに対する七・一国労臨時大会の壮烈な決起、八・二六臨時大会の大結集、宮坂らのいったんは表明した総辞職の撤回と一票投票強行方針というクーデターに等しい反革命、一票投票中止の突きつけ、国労を二分した「四党合意に×」の闘いの展開、代議員選挙の攻防、そして十・二八〜二九国労定期大会での三度目の四党合意機関決定の阻止……。国鉄決戦は、分割・民営化以来の最大の決戦を迎え、まさに息つく間もない蜂起につぐ蜂起の過程であった。
 まず、四党合意とその機関決定という大反革命と格闘しつつ、国労が戦闘的に再生する基本的方向性が打ち立てられたことをともに高らかに確認したい。闘争団・家族の命がけの決起、国労共闘を先頭とするJR本体の組合員の決起、反対派代議員、国鉄闘争と連帯する支援労組陣形の決起の四つの要素が、ついに一体となったのである。
 重要なことは、国鉄決戦は、国鉄戦線における帝国主義的労働運動派との非和解的死闘戦であるということだ。日帝権力・運輸省・JR資本との階級対階級の攻防が、四党合意を開き直って強行する宮坂チャレンジ・上村革同一派=帝国主義的労働運動派との死闘戦として具体化しているのである。
 闘争団・千四十七人の被解雇者に対して、「生産阻害者」「わがまま」「会社倒産運動」などと、資本やカクマル=JR総連が悪罵(あくば)を投げつけ敵対してきただけではない。同じ国労の中の宮坂・上村一派らが闘争団を切り捨てる策動に踏み込み、ついに「暴徒」「組織を破壊する者」などと露骨に敵対するにいたった。それに対して、闘争団・家族がまさに自分の運命は自分が決めるという自己解放をかけた決起を成し遂げ、貫き通している。闘争団が苦悩し、重圧にもがきながら、自己の労働者魂にかけて、決起した。この闘争団の決起の正義性は、国労の中に闘う分岐をつくり出した。国労内の伝統的な党派フラクション系列がついに瓦解(がかい)を始め、それはどんどん進んでいるのだ。国鉄決戦の素晴らしい価値創造的意義はいくら強調してもし足りない。
 また、動労千葉の新たな進撃が国鉄決戦を牽引(けんいん)し、闘争団・反対派を勇気づけたことを確認したい。
 八五〜八七年の分割・民営化との決戦を最も原則的・階級的・大衆的に闘った動労千葉の存在と主張が、今、国労の闘う労働者に決定的に受け止められ、共感が一挙的に広がっている。
 加えて、日帝がJR東日本の大塚体制を成立させ、完全民営化に向けて背水の陣で臨んできたことに対して、JR総連=カクマルと一貫して闘ってきた動労千葉が千四十七人闘争の勝利を真っ向から突き出し、第二の分割・民営化攻撃にストライキをもって対決する方針を確立したことが、闘争団・国労の闘いを支え、勝利の展望を与えているのである。
 JR総連内カクマルが完全民営化に率先協力し、国労本部もまた対決を全面放棄している中で、動労千葉―動労総連合の存在と闘いは、ますます強い階級的求心力を発揮していくのだ。
 さらに、国鉄決戦は、今一つ松崎・JR総連=カクマルのファシスト労働運動粉砕の決戦なのである。国鉄決戦は、この闘いの歴史的大前進を切り開いたことを確認したい。(後で再論)
 また、国鉄決戦の全階級情勢的意義をしっかりと確認したい。国鉄戦線の闘いが階級本隊を揺り動かしているのだ。全労協はもとより、日本共産党支配下の全労連、さらには連合の内部に千四十七人闘争がこだまし、国鉄決戦への連帯が下から大きく生み出されてきている。
 分割・民営化以来、国鉄だけではなくすべての産別の労働者の苦しみ、耐え難い仕打ちへの怒りが職場には充満し、潜在している。その時、今日の資本攻勢の最先端である四党合意反対を貫く千四十七人闘争は、それに火をつけ、闘いの進路を指し示す意義をもっている。ここに、恐慌・大失業と戦争の時代の労働運動の総路線があることを、広範な労働者が感じとり、自らの職場・生産点で総決起を開始しているのだ。
 この項の最後に、今や、四党合意を葬れ、国鉄改革法承認を破棄せよ、宮坂・上村執行部を打倒し、国労の新しい執行部権力を奪取せよ、という闘いの段階が引き寄せられたことを確認したい。
 十月大会の中で決着はまだついていない。四党合意を粉砕する厳しい試練の闘いはこれからが正念場である。本部は、これまでのうそとペテンの言い逃れの上で、「四党合意で要求は取れない」「解決内容は知らない」(宮坂)などと、四党合意がただただ闘争団を切り捨て、国労が自殺・消滅する道であることを自己暴露した。対立は本当に非和解、非妥協なのである。宮坂・上村一派打倒、新執行部樹立をなんとしてもやり抜こう。
 ここに、われわれは、革共同一九全総、二〇全総以来の〈国労防衛・獲得〉の闘い、JR総連=カクマル打倒・解体の闘いが新段階を戦取したことを揺るぎない自信をもって宣言する。

 (4) 名護決戦勝利の展望を開いた沖縄サミット決戦

 1 爆発した7月沖縄サミット粉砕決戦

 二〇〇〇年サミットが沖縄開催と決まって以来、われわれは沖縄現地を先頭に一年三カ月にわたってサミット重圧との闘いを続けてきた。警察・自衛隊など二万五千人を動員した未曽有の暴力的制圧体制、連続的な家宅捜索、予防弾圧の中で、七月、沖縄人民と本土人民の共同した力は、サミット戒厳体制を文字どおりずたずたにして爆発した。「沖縄サミットは戦争会議だ」「沖縄を犠牲にした新たな帝国主義的侵略戦争を許すな」の闘いを全面的にたたきつけた。沖縄人民に敗北感を植え付け、名護に新基地をもってくるというサミット攻撃と真っ向から激突して闘ったことの路線的意義と階級的威力はきわめて大きなものである。これが第一の総括点である。
 第二に、名護の闘う住民・労働者を先頭に、名護決戦の向こう五年、十年にわたる新たな永続的発展をかちとったのである。世界の帝国主義者に対して普天間基地県内移設・名護新基地建設阻止、沖縄米軍基地撤去の闘いを爆発させたことで、SACO体制粉砕の闘いを沖縄―日本階級闘争の中に打ち立てたのである。
 第三に、沖縄闘争の反転攻勢の画期をつくり出した。九八年の沖縄県知事選での大田氏の敗北以来、沖縄の闘いは厳しい力関係を強いられてきた。それをはね返したのが、六月衆院選・沖縄三区での名護新基地建設反対を掲げた東門美津子氏の勝利、七月の米兵による女子中学生暴行未遂事件への糾弾闘争―米軍基地撤去闘争の全県的な高揚であり、二万七千人の嘉手納基地包囲に始まるサミット決戦本番の闘いであった。その主導勢力は社・共既成政党や民主党、連合をのりこえて進む下からの自主的・大衆的な共同戦線である。
 しかも第四に、沖縄の米軍基地撤去闘争が、南朝鮮・韓国、台湾、フィリピン、プエルトリコでの米軍基地撤去・米軍撤退要求闘争と互いに励まし合い、学びあって発展していく国際連帯の素晴らしい一大拠点として打ち固められた。
 第五に、反戦共同行動委員会が第三次安保・沖縄闘争の推進力として、本土人民の沖縄闘争への主体的決起の意欲と力を体現し、大量派遣を組織し、沖縄人民との戦闘的交流と連帯をかちとった。全学連が現地行動隊を恒常的に派遣して闘いを切り開いた先駆的役割は絶大なものである。他方、百万人署名運動は、共同戦線を柔軟に展開し、名護現地支援の大きな力を示した。
 第六に、ここでも沖縄闘争への敵対者=反革命カクマルを闘いの戦線からはじき飛ばしたことは決定的であった。
 沖縄サミット粉砕決戦は、その準備過程が同時に衆院選決戦でありながら、われわれは、党の蜂起戦、その計画性・組織性の真価をかけて闘った。権力万能神話を吹き飛ばし、名護決戦勝利の展望を開いたこの政治的蜂起戦は、九〇年天皇決戦に匹敵する意義をもっている。革命的大衆行動のさらなる本格的発展へ、諸教訓を積極的に生かしていこう。

 2 三里塚決戦を始めとする反戦闘争の拡大・発展

 三里塚反対同盟は、市東東市さん、郡司とめさんの闘魂を引き継ぎ、暫定滑走路建設との〈一年間決戦〉を宣言した。土地強奪、農民殺しに反対し、自国の侵略戦争に反対する三里塚闘争の原点が今こそ光り輝いて、すべての労働者階級人民の闘いの前進拠点となっている。
 さらに「日の丸・君が代」強制反対闘争、八月広島・長崎反戦・反核闘争が打ち抜かれ、同時にその中から日帝の教育改革攻撃との対決の戦線を築き上げた。また、船舶検査法案(臨検法案)粉砕のガイドライン闘争、憲法調査会粉砕闘争、教育改革国民会議粉砕闘争、十一月日米統合演習弾劾闘争を徹底的に闘った。団体規制法・盗聴法・組対法反対の闘争に粘り強く取り組んだ。
 このようにわれわれは、一方での日帝の側からの沖縄問題や三里塚問題や「日の丸・君が代」問題の治安問題化の暴力的展開、他方での社・共など既成野党の全面屈服と真正面から対峙して闘った。このことは、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」という〈二つの連帯戦略と一つの打倒戦略〉の真価が現実の階級闘争の大地に物質化しつつあることをはっきりと示している。
 しかも、これらの闘いを、われわれは改憲粉砕決戦の準備として懸命に闘いとった。日帝の絶望的延命路線を粉砕する階級決戦を引き寄せて闘ったのである。

 (5) 6月衆院選決戦と森政権打倒闘争の勝利的地平

 衆院選はその結果が示すとおり、戦後政治史上の転機となった。日帝・政治委員会は、自自公体制の破裂と小渕内閣の途絶、森内閣の衆院選敗北、沖縄サミットの失敗という経過をたどりながら、自滅的な動揺と混迷の過程に落ち込んだ。
 もちろん衆院選とその結果自体は、なお中間的過渡性をもつものにすぎない。しかし、そこでは自公による大政翼賛会型政治支配を許すのか否かというぎりぎりの死活がかかっていた。われわれが、長谷川英憲氏を推し立てて戦後政治史上の最大の政治決戦として衆院選=国政選挙への挑戦を決断したこと、そして議会選挙の形態で、自公政治ノー、石原ファシスト都政ノーをはっきりと打ち出して闘い抜いたこと、何よりも二二七九九票もの支持を得たことは、戦争と大失業攻撃のための大政翼賛会型政治支配を許さない主体的要因となったのである。
 われわれは、日帝をどのように再建するかという政府・資本家階級の枠はめを拒否し、議会選挙の枠を超えて、苦悩する労働者人民大衆の怒りを結集した大きな革命的大衆行動を起こす党であること、必要なのは大衆自身が決起することであることを訴えて闘った。まさにソビエト思想を核心にすえて闘った。この闘いは、沖縄三区での勝利とあわせ、本質的に議会選挙の枠を超えた労働者階級人民の自主的で戦闘的な決起をつくりだした。これが第一の意義である。
 第二に、介護保険制度絶対反対・廃止の大衆運動がついに生み出された。それは、日帝による社会保障制度解体攻撃に絶対反対を突きつけ、財政危機の犠牲転嫁をひた押しに進める日帝国家のあり方の是非を問い、労働者人民のいのちとくらしという根源的な要求にもとづく下からの共同闘争の新たなうねりである。
 第三に、労働者を基礎とした選挙戦を展開する土台をつくった。労組選対の形成・展開はその挑戦であり、この土台を断固として発展させていくべきものである。とりわけ石原ファシスト都政下での労働者階級の怒りと苦闘にあらゆる形態、契機で結びついていく階級的労働運動の闘いにとって、国政選挙のもっている位置は決定的なものがある。
 第四に、衆院選決戦への決起を、党の革命的自己変革と全党総決起の政治的蜂起戦を打ち抜く党建設の闘いとして貫徹した。年金・医療・介護という福祉課題を階級闘争の正面課題に据えるものとして、まさに路線的飛躍をかけて闘った。自主的大衆運動創造の指導理論と実践の確立をめざして懸命に闘った。総じて、党の蜂起戦、その中央指導、指導体制、総決起体制、そのための徹底的な党内討議という燃えるような闘いの経験は、大きな党建設的意義をもっている。
 第五に、克服すべき課題も突き出された。自公(自公保)対民主・日共という枠組みの中での闘いとして、それらと対峙しうる党的政策形成・展開能力、そのための中央政策集団、その指導体系、宣伝・扇動能力を培い、創造することが絶対的課題として厳しく問われた。このことは待ったなしの課題である。
 来るべき次期衆院選にも断固として長谷川氏を推し立てて闘い、必ず勝利してみせる、日共スターリン主義との本格的な党的対決を戦略的に措定し、日共を打倒しのりこえてみせる――これがわれわれの衆院選総括の実践的結論である。
 また同時に、日本階級闘争における本格的なファシストとの闘争として、石原打倒闘争の重要な前進がかちとられた。
 森・石原が国家レベルで連携して九・三自衛隊治安出動演習が強行され、それを弾劾・阻止する闘いが真っ向から対置された。軍隊の排外主義的組織化と治安出動、全社会的な排外主義・差別主義のむき出しの扇動。この石原ファシズムの嵐に対して、在日朝鮮人・中国人の存在と尊厳をかけたすさまじい決起がたたきつけられた。それは、日本の労働者階級への痛切な告発であり、熱烈な決起の呼びかけであった。都労連の内部からの決起がさまざまな形で模索された。教労戦線の「日の丸・君が代」闘争の取り組み、部落解放運動の決起、地域住民運動の結集がかちとられていった。
 われわれは、六月都議選に、新たに結柴誠一氏を推し立て必ず当選をかちとり、石原ファシスト打倒の政治決戦を本格的に打ち抜く決意を固めたのである。

 (6) 対カクマル戦の歴史的勝利へ前進――カクマルとJR総連がついに全面分裂

 二〇〇〇年決戦のある意味で最大の勝利は、五月テーゼ下の対カクマル戦がついに歴史的大勝利の情勢を切り開いたことである。
 昨年十月、JR九州労(JR総連)から八割にものぼる組合員がカクマル指導を拒否して次々と集団脱退した。残った部分もカクマルから離反した。この事態に対して、カクマルは黒田が先頭になって「JR総連の腐った幹部たち」「裏切り者を地獄に落とせ」と叫んだ。十一月三日にはJR総連内カクマル最古参幹部・坂入充をカクマルが拉致・監禁するという白色テロルに及び、それをめぐってJR総連・家族がカクマルを警察に告発・告訴する事態となった。そしてカクマルは、ついに「われわれは当面の敗北を喫した」と自認するとともに、「JR総連労働運動が終焉したことを確認する」「JR総連本部執行部ならびに九州労残存北執行部を階級敵と断罪し、これを打倒する」と最後の言葉を言わざるをえなくなった。カクマルはもはやJR総連の中のどの地方や支部にも何の組織的影響力をもっていないという完全破産の姿をさらしたのだ。
 カクマルは、松崎をとおしてJR総連を自己の反革命的党派利害のために徹底的に利用し、ファシスト労働運動を推進させ、その存在があたかも黒田哲学の物質化であるかのように内外に意義づけ、その防衛のために白色テロルと「謀略論」デマ路線の推進を図ってきた。そのJR総連が、黒田―解放社カクマルの指導を拒否して丸ごと組織的に離反し、激しく分裂し対立するにいたった。カクマルは、最大の組織実体であり、ファシスト労働運動の最大拠点としてきたJR総連を完全に失ったのである。黒田・松崎・カクマルの政治的・組織的・路線的・イデオロギー的な全面的総破産を示す、これ以上のことがあるだろうか。
 今一つ黒田・カクマルの総破産と解体的危機を突き出すものが、黒田哲学の惨状である。黒田はこの間、『実践と場所』などを次々と発行しているが、そこで実は自らの死を宣言してしまった。わが革共同が、『資本論』『ゴータ綱領批判』『賃労働と資本』『共産党宣言』『賃金・価格・利潤』『ドイツ・イデオロギー』『帝国主義論』の研究に心血を注ぎ、マルクス主義の革命的再奪還の闘いを強力に進めてきたことに、黒田・カクマルは大打撃を受け、追いつめられ、カクマル最後の砦としての黒田哲学を押し出そうとした。だが、それは「随想ふうのものに堕してしまっている」(『実践と場所』第一巻まえがき)と自認する、まったく無内容な代物である。ただただファシストイデオロギーでしかなく、「謀略論の哲学」でしかないことを満天下に明らかにしてしまったのだ。
 われわれははっきりと宣言する。黒田哲学は今や完全に死んだ、と。残っているのは腐り果てた残骸だけである。われわれは、黒田ファシスト哲学に対して、いよいよ満を持したイデオロギー的大攻勢をかけ、黒田を打倒しきるであろう。
 同時に、今こそカクマルとJR総連の分裂・対立に革命的に介入し、その激化を促進し、カクマルを党的大破産に追い込む時が来たのである。

 (7) 労働者党建設の飛躍的前進への確固たる地平

 五月テーゼとそれ以降の闘いは、先制的内戦戦略の第一段階、第二段階、九〇年決戦の勝利をバネに、党が労働者の中に入り、労働運動の先頭に立ち、細胞をつくり、労働者階級の党を建設するという闘いに集約される。われわれは、まさに「新しい党をつくる」に等しい闘いを自らに課してきた。
 党建設は、党建設と革命的大衆行動の統一、その中での党建設の独自的取り組みを目的意識的に設定し実践することで、真に現実的で発展的なものとなる。二〇〇〇年決戦の中で、われわれは、〈労働運動をできる党〉への脱皮の闘いをしっかりとつかんできたのである。
 この闘いは、実は、革共同創立から六〇年闘争、六二年三全総、第三次分裂、六六年第三回大会、七〇年闘争、七〇年代の二重対峙・対カクマル戦、八〇年代の先制的内戦戦略の第二段階、九〇年決戦と闘ってきた革共同の歴史的全蓄積の結晶である。われわれは、反帝国主義・反スターリン主義の綱領的立脚点を確立し、歴史的に巨大な大衆運動の時代を疾駆し、権力・カクマルとの二重対峙と非合法・非公然活動を蓄積し、武装闘争の基礎的経験を積み、これらを積極的に総括して、五月テーゼを打ち立てた。われわれは、一再ならぬ党絶滅の危機に直面して、敢然と決起し、勝利への燃えるような確信を絶やすことなく闘い、その中で自己の革命的変革に不断に挑戦し、来るべき世界史的激動期の内乱的死闘への下準備をなしてきたのである。
 五月テーゼとその実践である階級的労働組合の防衛と再生の闘いが、多くの戦闘的・良心的労働者との共同の闘いとなって、国鉄決戦の前進と新潮流運動の大きな実現に寄与している。同時に、この闘いが、最大最凶悪のファシスト反革命カクマルに根底的打撃を加え、ついに彼らを分裂と解体の危機にたたき込んだ。三大決戦を軸とする二〇〇〇年決戦の前進と爆発がこの情勢をつくりだす決定的な力となったのである。このことは、日本階級闘争の主体情勢が質的な一大化学変化をとげたことを意味する。反スターリン主義・革命的共産主義運動とその党が、七一年十二・四反革命以来の、七五年三・一四反革命以来の、苦難の時代を経て、ついに全面的に発展する時代をわが手でしっかりとつかんだのだ。
 二十一世紀を迎えて、われわれは五月テーゼで武装した革共同の爆発的飛躍の主体的基礎はがっちりと打ち固めることができたと総括できる。今や党勢倍増をはっきりと掲げる時だ。いざ、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の時代に勝利する労働者党建設の飛躍的前進へ進み出ようではないか。

 第2章 戦争と恐慌・大失業の情勢は新たな段階に達した

 (1) 米帝のバブル経済崩壊と世界経済危機の新段階

 1 29年型世界大恐慌の新たな激浪

 米帝の極限的バブル経済化とその大崩壊の危機が世界危機の最大の震源地となっている。米帝のバブル経済は、金融政策の舵(かじ)取りでソフトランディングできるような性格のものではない。株式大暴落、ドル暴落に発展し、九八年情勢を拡大的に再現する二九年型世界大恐慌を必ずもたらす。
 第一に、株式市場に流れ込みかつ経常赤字をファイナンスしている潤沢な資金の実体をみると、その最大のものは不況下の欧州と日本からの資金、しかも超短期資金である。いつ逆流しても不思議ではない構造になっている。第二に、膨大な経常赤字(四千三百億j)を抱えたままであり、その改善の見通しはまったくない。そこには基軸帝国主義が実は世界最大の対外債務国であるという問題性が浮かび出ている。第三に、九〇年代にIT(情報技術)革命を推し進めたことが国内経済浮揚の面でも、対外競争力強化の面でも牽引力となっていると言われている。だがその実態は、企業の再編・合理化、総額人件費削減によるリストラ・解雇、低賃金化、労働組合破壊によるものである。しかも、ITは、経済のサービス化を促進するもので、経済の新たなリーディング産業とはなり得ない。第四に、個人消費支出が景気拡大を引っ張っている。だが、その消費主導型経済成長は、いったん株下落となった時、逆資産効果が働き、投資マインドも消費マインドも一挙に冷え込むものでしかない。第五に、労働需給の逼迫(ひっぱく)による賃金コスト上昇圧力、中東危機による原油価格高騰は、インフレ圧力を高め、安価な輸入品の大量流入によって隠されているインフレ経済体質を明るみに出すものとなる。
 すなわち、米帝経済の長期にわたる景気拡大の本質および実態とは、一方では、NAFTA(北米自由貿易協定)など米州ブロック化の推進と他帝国主義諸国の不況を踏み台にし、クリントン政権の「経済安保」戦略と呼ばれる攻撃的な帝国主義間争闘戦政策の展開、とりわけ対日争闘戦の先制的展開によって得たものなのである。
 他方では、それは、八〇年代のレーガン時代のすさまじい反人民的階級政策―社会保障制度解体、労組つぶしを引き継いだ資本攻勢の嵐のような展開によってもぎとっているものなのである。M&A(企業買収・合併)による独占資本のさらなる強大化、そのもとでの資本の吸収・合併、整理・統合の強行、アウトソーシング、それに対応した労働市場の流動化は労働者階級の労働と生活の状態を激変させている。
 労働者階級は、「自由な競争社会」の名で、解雇・低賃金再雇用、成果主義賃金体系の全面化を強要され、劣悪な労働条件、過酷な労働強化、ひどい低賃金のもとにいる。スト破り雇用、労働組合の団結権・争議権の破壊が強行され、社会保障制度と労働組合運動の戦後史を覆す攻撃にさらされている。
 全社会的に階級分化が著しく進んでいる。アメリカ労働者階級は、やむにやまれぬストライキに決起し闘っている。今回の米大統領選では二大政党支配の枠組みを破る無党派層が今や全有権者の三割に達することが示された(六〇年代には一割)。米帝の国内階級支配力はかつてないほど過疎化している。
 大統領選挙をめぐる未曽有の混乱の示すものは、米帝の行きづまりであり、没落の現実である。底深い国内政治分裂を背負った米帝ブッシュ政権の政策は、クリントン時代をはるかにこえる他帝国主義との争闘戦のエスカレーション(国家つぶしあい戦への突入)であり、米戦後史を画する一大資本攻勢の展開である。そして、国内での階級戦争の爆発的激化である。

 2 日帝の未曽有の経済危機とその構造的性格

 日帝経済は、九一年以来の長期大不況の中にある。しかも九七〜九八年には金融恐慌突入から経済恐慌への深化・拡大という過程に典型的な形で落ち込んだ。日帝政府は、文字どおりの全面的恐慌への進展が必至という中で、史上最大の恐慌対策を繰り広げた。九八年秋以来、九九年秋までに百兆円の国家資金(七十兆円の金融再生枠プラス三十兆円の貸し渋り代替注入)を無制限に湯水のように投入することを決定し、さらに公共事業を中心として総事業費五十六兆円にのぼる三次にわたる緊急経済対策を打ち出し、さらにゼロ金利政策を固持した。その結果、金融システムの全面崩壊に陥ることはひとまず回避されたが、恐慌過程が慢性化しつつ進んでいるのである。今後、より破滅的な金融恐慌―経済恐慌の本格的・全面的大爆発は不可避である。
 なぜなら、@過剰設備は廃棄されず温存され、過剰資本問題の解決などなんらできておらず、銀行の膨大な不良債権はなお未処理であり、企業債務の重圧は倒産の危機を爆発させ続けている。A国家の側が市場で消化不可能な膨大な国債を発行し、国家財政は天文学的な赤字額の重圧で今後とも国債を新規発行し続けなければ財源がまかなえない悪循環の破滅的状況に陥っている。B米帝が日帝の経済危機を逆手にとってバブルを極限的に肥大化させたことを外的要因にして日帝の恐慌の本格化も一寸延ばしになってきたため、米帝経済のバブルの崩壊―恐慌化との日米同時恐慌すら不可避な条件をつくってしまっている。
 また、日帝は産業基盤の立て直しをかけて「IT革命」を打ち出している。だが、米帝に十年近くも遅れているギャップをのりこえるためには、ここでも国家資金を投入するしかない。IT革命なるものは、情報通信産業の国家的育成ということであって、それ以外の産業への波及効果があるというわけではなく、企画と製造の分離やアウトソーシングなど、産業企業の展開の一手段でしかない。
 それらのことが示すことは何か。一つは、国家独占資本主義政策の有効性なるものが実は恐慌を防止することのできない限界に満ちたものであること、それどころかその執行が恐慌の現実化を撹乱(かくらん)するためにかえってより破滅的な恐慌を生み出してしまう、致命的なものであるということである。
 二つは、日帝にとって米帝の対日争闘戦の展開、それによるダメージは決定的なものであり、しかもそれはこれから効いてくるということである。日帝は米帝の市場開放、貿易・投資障壁撤廃の圧力を受け、いわゆるグローバルスタンダードを強制されて外堀を埋められ、国内産業が不況化・過剰設備の重圧という恐慌過程のために内堀も干上がっている最悪の条件で、金融、生命保険、情報通信、流通、航空宇宙などで、いわば米(欧)帝資本のなぐり込みを受けている。またアジア市場も米帝の経済安保戦略の展開の中で米帝の制圧度が強まっている。米市場からは反ダンピング対応を受けてはじき出されようとしている。
 国際協調なるものは米帝本位のそれでしかなく、日米の帝国主義的国家利害の正面衝突はいずれ避けられない。
 経済大国・日帝が、過剰資本・過剰生産力の重圧と米帝の対日重圧に押しつぶされる寸前に至っており、ついに没落帝国主義に転落しつつある。そこからの延命の道は、米帝に対抗しうる帝国主義国家へと「飛躍」する以外にない。日帝は、アジア市場に向けて、個別の自由貿易協定や通貨スワップ協定の締結と円借款、新宮沢構想を駆使しつつ、アジアの円経済圏化の政策展開に踏み込むとともに、国内の産業と労働市場を米帝以上の競争社会、労働地獄にたたき込む方向に決定的に舵を切っているのである。

 (2) 帝国主義の新たな侵略戦争・世界戦争の歴史的切迫

 1 アジア勢力圏化をめぐる日米間対立の激化と朝鮮・中国侵略戦争の歴史的切迫

 米帝体制としての戦後帝国主義世界支配体制の崩壊の中で、米欧(EU)対立と日米対立は勢力圏(ブロック形成)をめぐる対立として激化・発展している。そこでは崩壊した旧スターリン主義圏や残存するスターリン主義圏を制圧し、取り込むことが対立激化のさしあたっての突破口になっている。
 米帝は、その世界支配戦略とりわけ日帝のアジア勢力圏化絶対阻止の戦略から、中国および朝鮮への侵略戦争政策を基軸にすえている。米帝は、基本的には中国スターリン主義の究極的な国家的転覆を狙いつつ、軍事的・政治的抑圧と取り込み・新植民地主義的介入の戦略を硬軟とりまぜて展開している。NMD・TMDの二つの弾道ミサイル防衛構想を中国に対する軍事圧力として加え、日帝の新安保ガイドラインによる補完的動員体制をも柱とする東アジア十万人体制をもっていつでも台湾防衛のカードを切ることを突きつけている。米帝ブッシュ政権は、この方向をより強めようとしている。米日帝の朝鮮侵略戦争の策動は同時に、中国スターリン主義への侵略戦争政策の一環として位置づけられている。
 米帝が二〇〇一年の東アジア戦略再吟味として明らかにしている二十一世紀アジア戦略レポート類では、ほとんど内政干渉とも言える対日政策を強調しており、日帝の経済的対抗力の解体、そのもとでの軍事的補完勢力としての動員の強化をうたっている。すなわち、米帝は、中国スターリン主義の体制的危機爆発の不可避性、朝鮮半島の三八度線瓦解の不可避性をにらみつつ、中国制圧、北朝鮮転覆、米帝管理の南北統一を狙い、そこへの日帝の独自的アジア勢力圏化を絶対に許さぬ戦略から、朝鮮への侵略戦争策動を展開している。米帝は、北朝鮮の体制的崩壊と南北統一への激動的展開をめぐって、南北朝鮮人民の決起が爆発していくことを恐れている。またそれが日帝の朝鮮半島への介入の契機となることを恐れている。昨年六月の南北朝鮮首脳会談は、金大中・金正日の思惑を超えて、南北人民の統一への要求を高揚させ、朝鮮情勢の激動化を促進している。すなわち南北首脳会談は、本質的には米日帝の朝鮮侵略戦争切迫情勢を一層強めるものでしかないのである。
 こうした情勢展開の中で、日帝は真に追いつめられている。経済危機の爆発とあわせて、アジア勢力圏化と改憲攻撃=侵略戦争政策へ絶望的に突進するしかなくなっている。帝国主義的侵略戦争の現実性はますます強まってきているのだ。

 2 帝国主義の基本矛盾の爆発下のロシア・ヨーロッパ・中東情勢

 帝国主義対帝国主義の争闘戦激化の中で、崩壊したスターリン主義としてのロシアの情勢は重大な位置と意味をもっている。米帝はNATOの東方拡大政策を、ドイツ帝はEUの大拡張政策をテコにロシアへの重圧を強めている。
 プーチン政権は、そうした中で資本主義化政策の危機をのりきるため、チェチェン侵略戦争をテコに排外主義・愛国主義をあおり、また強国ロシアのナショナリズムをあおって、強権的な国内支配体制を強化している。しかし、チェチェンを始め被抑圧諸民族の決起は絶対に抑圧できないし、ロシアの労働者階級人民の反帝・反スターリン主義の第二プロレタリア革命への怒りに満ちた決起も結局は抑えることはできないのだ。
 ロシアと旧東欧諸国の情勢は激動的で、ユーゴスラビア侵略戦争の再発や、同タイプの戦争の激発の危機は強まっている。
 米欧間の帝国主義間対立もますます激化し、政治的・軍事的対立の度を強めている。EUの通貨統合―ユーロ発足は、基軸通貨・ドルに対抗する国際通貨の本格的登場である。ユーロはなお不安定とはいえ、ドル支配を掘り崩し、世界経済のブロック化を促進するものとなる。
 ユーロ発足は、EUの中軸国家であるドイツ帝国主義がEUの拡大という形をとって三度世界史に登場する跳躍台でもある。ユーゴスラビア侵略戦争の強行、NATOの「地域紛争への介入」という域外派兵の展開と一体となって、ドイツ帝国主義のさらなる歴史的超反動的踏み切りが狙われているのである。
 帝国主義の対ユーゴスラビア侵略戦争によるユーゴの破壊から一年数カ月を経て、ミロシェビッチ残存スターリン主義政権への怒りはついに爆発し、ユーゴ労働者階級の総決起の中でコシュトニツァ政権が生み出された。これはユーゴ労働者人民の偉大な前進であったが、階級的解放と民族的解放の真の獲得のためには、「帝国主義打倒! スターリン主義打倒! 諸民族の真の解放!」の立場の一層の明確化が必要となっている。
 中東における米帝支配は文字どおり危機にひんしている。九三年オスロ合意とそれ以降の米帝の中東「和平」策動に対して、パレスチナ人民は決死のアル・アクサ・インティファーダを展開し根底的な拒否を突きつけている。しかし米帝が、その世界政策・石油政策からして、凶暴かつ絶望的な中東侵略戦争へとのめり込むことは帝国主義である限り避けられない。闘うパレスチナ人民、アラブ人民と連帯して、帝国主義の侵略戦争に反対する闘いを強めなければならない。

 3 中国・南北朝鮮情勢の大激動

 中国スターリン主義は、江沢民―朱鎔基体制のもとで改革・開放政策―三大改革を強権的に推し進めている。赤字国有企業の再建を名目とする国家的大リストラはすさまじいものであり、都市・地方における膨大な失業者群の輩出、貧困者の増大、その一方での地方・農村からのおびただしい流民化が生み出されている。外資導入・経済特別区政策のための国内金融制度の整備は、労働者の無権利化を強制するものである。また農業における生産請負方式、郷鎮産業政策は、農民への資金の負担、賦役を強要するものとなっている。大々的に宣伝されている西部開発政策は、都市と農村のそれらの現実を一層促進するものでしかない。
 改革・開放政策とは、基本的にはスターリニスト政治体制による大々的な「資本主義化」政策である。江沢民―朱鎔基体制は、米日欧の諸帝国主義の中国侵略の相互競争を一定利用し、自己に有利なように帝国主義的経済力・資本力の導入を図ることに躍起である。だが、それは、スターリニスト政治体制を社会的・土台的に掘り崩すものとなる。
 中国スターリン主義の台湾政策は、台湾独立への武力行使の公然たる宣言をテコにして、国内の階級矛盾、諸民族の決起を大中華民族主義的に抑圧するものであり、何よりも台湾人民に全面敵対する反人民的路線である。
 中国の労働者階級は、激しい抵抗闘争、反乱に決起している。農民の暴動、諸民族の反乱は地方で激発している。中国情勢の大激動は不可避である。米日帝の中国侵略戦争策動に反対し決起する中国人民と連帯しともに闘っていこう。
 IMF支配下にある南朝鮮・韓国では、階級矛盾と民族矛盾の重なり合った爆発の情勢が急速に煮詰まっている。九七年危機以降の債務の重圧、欧米資本による民族系資本の再編・整理、大合理化は、金大中体制をテコとして、南朝鮮の社会的大再編を推し進め、労働者階級に一切の犠牲を転嫁している。
 それに対して、労働者階級は、民主労総を軸に「新自由主義反対・民衆生存権保障」を掲げて金大中政権―警察権力と真っ向から激突して英雄的にストライキに決起している。それは同時に、労働者階級の主導する南北朝鮮の民族統一への胎動である。そこでは、在韓米軍撤退要求の闘いが巨大な意義をもっている。
 他方、北朝鮮スターリン主義・金正日は軍事的に丸裸にされる危機の中で、しかしぎりぎりの限界点をあくまで探りつつ、死にひんする体制の延命のために米日帝からの経済援助、食糧援助を求めている。そこには北朝鮮スターリン主義の未曽有の国家的危機がある。食糧危機が構造化し、数十万人とも数百万人とも言われる餓死者が続出している。北朝鮮人民の怒りは必ず大爆発する。
 昨年六月の南北朝鮮首脳会談はこうした南北双方の危機の中で必然化した。それは和平を促進するどころか、統一への全人民的要求の爆発の中で、南北両政権を揺るがし、米日帝による侵略戦争切迫情勢を一層引き寄せるものとなっている。闘う全朝鮮人民と連帯し、日帝の朝鮮侵略戦争を絶対阻止する闘いを断固として推し進めなければならない。
 アジアでは、さらにインドネシアの大激動やフィリピン人民の闘いの進展、インド・パキスタン情勢に示されるように、帝国主義の新植民地主義支配体制が重大な危機に直面し、それに対する帝国主義の凶暴な侵略戦争策動がいよいよ強まっている。「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱へ」の路線を今こそ徹底的に貫いて闘おう。

 (3) 没落日帝の絶望的延命路線=改憲攻撃の開始

 日本階級情勢は、七月参院選・六月都議選から逆規定された重大な政治決戦過程に突入している。日帝・政治委員会は森第二次改造内閣の極反動性の露呈、支持率低下、自民党の内部分裂という形で、自滅的な動揺と混迷を深めている。
 日帝政治危機の諸要因は、第一に、九〇年以来の長期大不況、九七〜九八年恐慌過程への突入、国家財政危機、アジアをめぐる米帝との市場争奪戦での敗勢という未曽有の経済危機である。第二に、米帝が対日争闘戦を国家間つぶし合い戦にエスカレートさせ、日米安保をより強く米帝的利害から展開してきていることである。第三に、国内階級支配が、一方での社・共や連合の総転向にもかかわらず、他方での戦闘的労働組合運動の台頭、沖縄人民の基地撤去・反戦・反安保の闘い、議会選挙での無党派層の拡大という形で危機と動揺に落ち込んでいることである。第四に、アジアの新植民地主義支配体制が、残存スターリン主義・中国および北朝鮮の危機と相まって、南朝鮮人民の南北統一への胎動を始め、台湾、フィリピン、インドネシアなどで崩壊的危機に揺らいでいることである。
 しかし既成野党勢力の総翼賛化は一線を越えた。連合の帝国主義的労働運動派としての腐敗はますます強まった。
 したがって日帝は、既成勢力の総転向に助けられつつ、体制的危機からの反革命的生き残りをかけて、米帝的戦後世界体制および敗戦帝国主義としての戦後日帝体制に対する右からの現状打破=改憲攻撃に打って出るしかない。
 日帝支配階級は、橋本−小渕−森へと政権交代する中で、小沢路線を実質的に取り込みつつ、〈外への侵略戦争、内への階級戦争〉のための国家改造を推進しようとしてきた。九一年湾岸戦争を第一衝撃とし、九七〜九八年金融恐慌・経済恐慌過程への突入を第二衝撃として、改憲への帝国主義的内的衝動を高めてきた。九九年のガイドライン関連三法の成立は、戦後憲法体系の破壊であり、改憲への決定的な攻撃であった。加えて、衆参両院での憲法調査会の設置、そこでの改憲指向の前面化、教育改革国民会議での教育改革論の押し出し、一月の中央省庁再編と、改憲攻撃は進められてきた。
 重大なことは、押しつけ憲法論やアメリカ式戦後教育元凶論、それと結びついた「国家」「民族」の価値的な絶対化など、日帝の胎内から対米対抗の反動的エネルギーが強まっていることである。そしてそれを最もストレートに強調するのがファシスト石原の全言動である。日帝は、石原ファシズムの非合理的で好戦主義的な反米国粋主義、反中国・反北朝鮮の排外主義・差別主義、伝統的権威主義、左翼や在日アジア人民への敵意の前面化をもって、プロレタリア階級闘争を壊滅させ、改憲への疑似的な「国民運動」を展開し、日帝の侵略戦争国家化をやり抜こうというのである。
 日帝の政治的統治能力の喪失が危機ラインを越え、超反動・森政権が石原ファシズムと抱合しつつ、軍部が台頭するという、危機の時代の帝国主義国家権力の構造が生み出されているのである。だが、日帝が改憲攻撃を推進すればするほど、日帝政治危機の諸要因を激化させ、支配階級の政治的分裂をも引き起こすものとなる。二〇〇一年の階級情勢は未曽有の大流動化に突入しているのだ。

 (4) 日帝の深刻化する経済危機と労働者階級の状態

 1 大失業攻撃の歴史的展開の実相

 日帝・資本家階級は、「新時代の日本的経営」をうたう九五年日経連報告路線にもとづく「総額人件費の抑制」を基本戦略として大失業攻撃を強めてきた。
(a)日帝・資本家階級は、低賃金化攻撃にまず全力傾注してきた。その結果、九七年からは、実質賃金がマイナスに転じた。そして九八年には、月間給与総額が名目(現金額)で低下するという事態となった。日経連は二〇〇〇春闘に対してベースアップゼロ方針を打ち下ろした。この年はベア二%割れとなった。
 国家的大リストラとして、人事院勧告は二年連続で公務員のベアゼロを打ち出した。地方はすでに人勧見送りを始めており、石原都政は賃金カット方針を強行している。人勧の変化が民間に逆連動する展開となっている。
 全産業で、「新賃金制度」の名によって、定昇の廃止、能率主義・成果主義への移行が強行されている。一時金も退職金も業績連動とされつつある。年俸制の導入は相当規模で進められている。退職金・企業年金の前払い(短期決済化)も広まっている。そこでの核心点は、生活給の解体ということである。
(b)同時に、恐慌過程に陥ったことをテコにして、「労働力の流動化」「労働市場の柔軟化」の名のもとに首切り・リストラを激しく進めてきている。とりわけ日産自動車の二万一千人の大首切りという労働政策史上類例のない攻撃は、戦後日本社会に根底からの衝撃を与えた。
 国家的不当労働行為を合法化する九八年五・二八反動判決、JR東日本の大塚体制の形成、さらに「JRに法的責任なし」の四党合意が打ち出された。国鉄労働運動解体の国家的レベルからの攻撃である。それは、具体的には、完全民営化をにらんだJR東「ニューフロンティア21」=大合理化計画であり、その突破口としてのシニア制度と徹底的な外注化・委託化であり、労働委制度の無意味化、解雇四要件の解体である。
 五・二八反動判決は民間産業にすさまじいインパクトを与えている。国鉄改革法第二十三条方式の攻撃として、分割・分社化あるいは倒産(偽装倒産)→解雇→新会社設立→労働者選別採用の攻撃が全社会を覆い尽くさんばかりである。
 さらに国家的リストラの一環として二〇〇一年中央省庁再編と公務員労働者の削減、加えて特殊法人の大幅な整理・統合、行政改革の名による一大人員削減が打ち出されている。とりわけ郵政三事業の民営化、NTT再編のための首切り・リストラ・組合破壊が激化している。
 重大なことは、中小企業労働者への集中的犠牲転嫁である。とくに大企業の周辺地域経済の崩壊の犠牲にされている。
 今や企業倒産一万五千件、完全失業率四・七〜四・九%が続き、完全失業者三百数十万人(完全失業者は九一年から九九年までに百五十万人も増大)、潜在的失業者四百四十五万人、自殺者三万三千人という事態が現出しているのだ。
(c)企業法制の改革と一体で労働法制の大改悪が激しく進められている。
 労基法再改悪(八時間労働制の解体、女子保護規定の全面的撤廃など)、職業安定法改悪、労働者派遣法改悪、さらには産業再生法と民事再生法の制定、株式交換・株式移転制度の創設、会社分割法(商法改悪)、それと一体の労働契約承継法(解雇四要件の解体など)が次々と強行されてきた。雇用・労働条件の決定の個別化が拡大していることは重大だ。
 その実態としては、アウトソーシング、外注化・委託化が広がり、ワークシェアリングも導入され、裁量労働制の拡大、変形労働時間制の拡大が進んでいる。派遣労働者・パート労働者・フリーターが膨大化し、かつ無権利化され、低賃金を強制されている。女性労働者への差別、低賃金、パート化、「現代の強制連行」と言うべき外国人労働者への差別・抑圧がますます激化している。
 八時間労働制の解体は決定的であり、正規労働者、不正規労働者全般にわたる労働条件の劣悪化は著しいものである。
 こうして正規雇用の縮小と契約社員・派遣社員の拡大が進み、不安定雇用労働者が総労働人口の二五・六%(九九年八月)にのぼる。
(d)国家財政の歳出削減路線による労働者人民への犠牲転嫁として戦後社会保障制度の反動的解体が策動されている。
 それは、年金制度の改悪、医療保険制度の改悪(老人医療費の定率化、一割自己負担)、介護保険制度の導入と固定化、雇用保険制度の改悪(保険料率引き上げ、失業保険の削減―給付日数短縮)と矢継ぎ早の攻撃である。
 また大増税攻撃も狙われている。
(e)連合の裏切り、カクマルのJR総連路線をテコにした労働組合の翼賛組合化・御用組合化、戦闘的労働組合の暴力的解体、職場からの闘う労働者の追放が強行されている。そのための組対法攻撃、チェックオフ制度の禁止攻撃などはきわめて激しいものである。

 2 今日の資本攻勢の階級的性格

 日帝・資本家階級にとって九七〜九八年恐慌突入のショックは決定的であった。日帝・資本家階級は、今や「新日本的経営」などと言っていられない、「三つの過剰の早急の処理」のためにはグローバルスタンダード、すなわちアメリカンスタンダードにキャッチアップせよ、アメリカが強い経済に脱皮したのは無慈悲で非人間的な労働者切り捨て、労組解体の暴力的な資本攻勢をやったからだ、アメリカ型資本攻勢以上の徹底的な資本攻勢に転じよ、米帝に打ち勝てる帝国主義国家になれ、というのである。
 つまり、対米争闘戦の観点から資本攻勢を国家戦略化し、国家的不当労働行為を全産業的に展開する。争闘戦原理でもって産業政策を戦略的に強化し、それに従属させた労働政策を戦後史的大転換として打ち下ろすというのだ。
 第一は、対外競争力の強化―産業構造の構造的改革・強化である。
 一方で国家資金の無際限の投入による恐慌対策、他方で資本の抜本的再編――吸収・合併・統合、工場閉鎖、分社化、売却――をめざす。そして、それをスムーズにやるために労資関係の反動的大転換を強行し、企業法制・労働法制の改悪を図るということである。それは、国際競争力強化=資本効率高度化の目的のために資本の再編に都合のいいように労働者の雇用問題を従属的に扱ってもいいとするものだ。
 第二は、労組破壊攻撃と結びついた大失業攻撃である。
 日帝・資本家階級は、賃金の切り下げ攻撃を遂行してきているが、それは賃金制度(賃金水準、賃金体系、賃金決定方式)総体の実体的改悪に転化している。資本は、「総額人件費抑制」のスローガンを掲げつつ、同時に「政治・行政・社会にわたる高コスト構造の是正」を押し出してきている。賃金抑制・切り下げ攻撃がこれまでと次元を異にするエスカレーションをとげているのである。
 同時にそれは、雇用問題での労資関係の反動的再編に発展する。実際、日帝・資本家階級は、「雇用市場に市場原理あるいは競争原理を導入する」とか「エンプロイヤビリティー(雇用される能力)が求められる」とか言いつつ、労働契約のあり方の転換に踏み込んできている。
 こうして、日帝・資本家階級は戦闘的労働組合運動の解体をかけた階級決戦に出てきた。その最大の戦場は、@JR完全民営化とそのための第二の分割・民営化攻撃である。A「春闘改革」の名による二〇〇一春闘の解体攻撃である。それを「雇用・賃金・労働時間を総額人件費抑制の観点から総合的に検討する」と位置づけている。B二〇〇三年郵政公社化・郵便事業民間参入、そして郵政民営化という国家的大再編をかけた合理化攻撃である。C自治体労働者への首切り・リストラ攻撃である。公務員労働運動の粉砕なしに日経連報告路線の貫徹とはならないからだ。今日の資本攻勢は、徹底的な労組破壊、労働運動解体に攻撃の狙いをすえ、連合の基盤をも破壊するものとしてかけられているのである。
 第三は、アジア侵略・アジア勢力圏化である。日帝・資本家階級は、結局、内需縮小の中では外需依存・対外輸出拡大にかけるしかない。労働者の雇用・賃金・生活の一方的な生殺与奪の権を握り、低賃金社会化を図り、アジアの労働者を植民地的労働条件と低賃金で搾取し、それによって対外的にソシアル・ダンピングを展開していくことに活路を見いだすしかないのである。
 二〇〇一年決戦は、日帝・資本家階級との真正面からの歴史的階級決戦である。猛然と総決起していこう。

 第3章 戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒に総決起を

 革共同の改憲阻止闘争スローガン
 A 戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!
   闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!
  米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!
 B 有事立法阻止・改憲粉砕!
   教育基本法改悪阻止・改憲粉砕!
   徴兵制・学徒動員への道=改憲粉砕!
   戦争への労働者人民の総動員体制づくり=改憲粉砕!
 C 改憲の地ならしをする憲法調査会を粉砕せよ!

 (1) 改憲粉砕闘争の大衆的爆発に総力傾注せよ

 日帝の本格的な改憲攻撃に対し、最大最高の階級決戦を爆発させるために、二〇〇一年を期して全力決起しよう。
 改憲に向けての日帝の国家意志と政治プログラムは、急速に固まりつつある。@自衛隊有事出動是認―有事立法制定で全既成勢力を糾合する。A教育基本法改悪を憲法改悪への突破口とする。Bファシスト石原が突出し改憲情勢を扇動する。C池田大作や菅が首相公選制論を唱えていることをテコに、首相公選制論で民主党、公明党を引きつける。D憲法調査会開始から三年間で論憲を終え、四年目にそれぞれの改憲試案を出し、五年目から改憲の国民運動を展開し、六年目に改憲を完了する。E改憲問題を党派的分岐点に、鳩山民主党の取り込みなど新たな政界再編によって、議会の三分の二勢力の形成をはかる。――このように攻撃はすでに重大な段階に来ている。
 重要なことは、日帝の改憲攻撃の最大最高の核心は、やはり憲法第九条の廃止(撤廃)にあるということである。
 二九年型世界大恐慌への突入開始、帝国主義間争闘戦激化=ブロック化という情勢の中で、日帝は今日、日米争闘戦における敗勢と没落帝国主義化を極度に強め、絶望的に凶暴化しつつある。その攻撃方向は朝鮮・中国―アジアへの帝国主義的侵略戦争であり、そのための侵略戦争国家化である。
 日帝は、没落帝国主義化からの絶望的延命をかけて、再び侵略戦争への道を歩み、九条改憲をもって帝国主義的軍隊を形成・確立(合法化)し、侵略戦争国家化に向けて全力を挙げている。改憲とはすなわち戦争・侵略戦争のことなのだ。そのために同時に、天皇の元首化による天皇制的国家主義的強権体制(天皇制ボナパルティズム化)の確立をも図ろうとしている。さらにまたこの攻撃は、国民主権概念(国家と国民の関係の戦後民主主義的あり方)から国家主義的概念への憲法の超反動的転換としてある。まさにこのエレメントが、読売改憲試案での「公共の利益」なる反動的概念として打ち出されてきているのである。
 そして、排外主義的危機意識や帝国主義的ナショナリズムの扇動、有事立法、教育基本法改悪、労働法制改悪、司法改革など一切の攻撃が、戦後民主主義体制を反動的全面的に転覆し、戦争国家化、軍国主義国家化を図るための改憲攻撃の一環としてある。
(a)こうした改憲攻撃に対して革共同は、「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」のスローガンを、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」と一体のものとして打ち出す。日本革命の過渡的綱領的意義をもつ三本の戦略的スローガンを改憲阻止決戦のスローガンとして掲げ、断固として闘うものである。
(b)同時に、「有事立法阻止・改憲粉砕!」「教育基本法改悪阻止・改憲粉砕!」「徴兵制・学徒動員への道=改憲粉砕!」「戦争への労働者人民の総動員体制づくり=改憲粉砕!」のスローガンを掲げ、広範な統一戦線を形成して、これらの闘争契機をも水路とした改憲阻止闘争を創造的に闘いぬいていこう。
(c)さらに、憲法調査会粉砕の強力な闘いを断固として展開しよう。
 改憲阻止決戦は、革命的情勢の急速な接近という現実の中で闘われる。これは没落帝国主義・日帝の絶望的延命路線としての改憲攻撃=侵略的軍事的体制の確立を粉砕する闘いである。したがって、《日帝を帝国主義として成り立たない状態》にたたき込むものとして、日帝打倒の決意と戦略なしには絶対に最後まで闘いぬくことはできない。社民党のように単なる護憲としての護憲の立場では、「帝国主義の延命のためには改憲は必要だ」論に粉砕されてしまうのである。
 われわれが「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」を、日本革命の戦略的総路線を示す三つ目の新たなスローガンとして提起するゆえんである。
 改憲阻止決戦は、日帝が行おうとする帝国主義的侵略戦争と戦争国家化の粉砕をかけて闘う巨大な反戦・反安保闘争である。このように位置づけることで、改憲阻止闘争を、ガイドライン闘争以来の闘いの流れと接続した闘いとするのだ。また同時に、沖縄闘争、第三次安保・沖縄闘争と一体的に接続して一大階級決戦を切り開く闘いとするのである。
 さらに、国鉄決戦を先頭として労働者階級への一大資本攻勢と対決し、戦闘的労働運動の再生・防衛をかちとる闘いは、反戦闘争の最大の階級的主体を解体・圧殺する大反革命でもある改憲攻撃との対決である。だからこそ、資本攻勢との対決の闘いと改憲阻止闘争は、完全に一体の闘いなのである。
 われわれは、絶望的に凶暴化する日帝の帝国主義的侵略戦争、戦争国家化への攻撃と全面対決する改憲阻止闘争の立場から、第二次大戦の侵略戦争としての暴露、沖縄戦やヒロシマ・ナガサキの暴露、十五年戦争や南京大虐殺、強制連行・軍隊慰安婦政策の暴露、明治以来の侵略戦争の暴露を、全面的に組織して闘う。また、労働者の戦争動員、徴兵制や学徒動員の暴露を大々的に行い、改憲阻止闘争を大爆発させていく決意だ。
 超反動中曽根、森、そしてファシスト石原を最先兵とした日帝の改憲攻撃と全面対決し、民主党の鳩山・菅らの改憲論の扇動を粉砕して闘いぬこう。自衛隊・安保・改憲擁護に転落した黒田とカクマル、九条連の反動的運動を粉砕し、今や改憲派政党に移行した日本共産党スターリン主義を打倒して、改憲阻止の大決戦に打って出ようではないか。

 (2) 沖縄・名護決戦を全力で推進しよう

 名護に新米軍基地を建設する攻撃を粉砕する闘いは、単なる個別的な課題とか一時的な闘争ではなく、日本革命のきわめて路線的な意義をもつ闘いである。
 なぜなら、従来からの米軍基地の存在は第二次世界大戦―沖縄戦の結果として強制されたものである。それに対して、現在の名護への基地移設問題とは、七二年のペテン的沖縄「返還」の歴史的破綻を開き直り、新安保ガイドライン=SACOにもとづく歴史的にまったく新たな基地の再編・増強であるからだ。
 日米帝国主義にとって、新ガイドライン・SACOにもとづき普天間基地移設=基地統合・強化を果たした沖縄とは、文字どおり中国・朝鮮に向けた侵略戦争のために最強に武装された最前線基地であり、改憲体制の最大・最先端の実体となる。それは端的に言って、報復反応としてのミサイル攻撃を真っ先に受ける基地の島ということを意味する。再び沖縄人民に本土防衛の盾となれ、真っ先に戦場となれと強要する攻撃なのだ。そこに日帝の国家的な沖縄差別政策の現実がある。戦後五十五年間も基地重圧に苦しめられた沖縄人民に対して、その基地を二十一世紀にも持ち越せ、なおも基地監獄と戦争の犠牲に甘んじよというのだ。
 これからますます決定的に沖縄奪還綱領の立場と実践が求められている。沖縄人民の自決権とその断固たる行使をかけた決起へともに闘おう。
 第一の課題は、名護新基地建設阻止―SACO体制粉砕である。辺野古の命を守る会、二見以北十区の会、反対協と連帯し、現地を全国の力で支えよう。
 第二の課題は、改悪特措法による軍用地強制使用を拒否する闘い、その支援の大運動である。
 第三の課題は、普天間基地撤去、嘉手納基地撤去、那覇軍港浦添移設阻止、核基地化阻止などすべての米軍基地撤去の闘いである。あらゆる基地被害――実弾演習、戦闘機墜落、山林火災、爆音、民家射撃、基地周辺での交通事故、殺人、強盗、強姦、有害物質散布――に対する大衆的怒りの運動を大きく推進し、すでに開始されている韓国の基地闘争と連帯し、日米地位協定粉砕へ闘おう。
 第四の課題は、国鉄決戦と連帯し、戦闘的労働組合運動の新潮流をつくり出す闘いである。NTT大合理化粉砕の闘いを先頭に、全駐労労働運動の解体攻撃を許さず、基地労働者運動を再建・強化し、教労、自治労、民間の労働運動を、米軍基地撤去と資本攻勢との対決を柱に強力に展開していこう。
 第五の課題は、ファシスト・カクマル打倒の闘いである。以上のすべての課題は、ことごとくカクマルの敵対・介入との死闘戦である。今こそ沖縄カクマル打倒・一掃の大攻勢に出る時である。

 (3) 有事立法粉砕闘争の新たな発展へ

 改憲粉砕闘争としてガイドライン闘争を位置づけ返して闘おう。とりわけ重大なものは、有事立法粉砕闘争である。@有事法制においては現憲法破棄が前提になっている。有事立法阻止の闘いはしたがって直接に改憲粉砕の闘争である。A有事法制の実体は、一つには自衛隊を「国防と治安」を担う帝国主義軍隊として確立する攻撃である。二つには土地収用・工作物撤去、交通運輸の軍事優先使用、物資徴発、野戦病院であり、今一つにはそのための労働者階級人民の戦時動員体制の構築の攻撃である。これに反戦反軍闘争をたたきつけ、戦争に反対する労働組合運動の強化、三里塚を先頭とする闘いをもって立ち向かおう。B具体的には通常国会への有事立法提出を阻止することが急務である。
 日米共同演習、自衛隊三軍統合演習に怒りの阻止闘争をたたきつけよう。
 日帝政府・石原の連携した東京都―関東三県にわたる九・二自衛隊治安出動演習を、昨年の九・三闘争を上回る戦闘的・大衆的弾劾運動の嵐で粉砕しよう。
 PKF(国連平和維持軍)凍結解除のPKO法改悪案国会提出を阻止しよう。
 新ガイドライン体制とその発動攻撃に対して、三里塚・沖縄の闘いを先頭に、そして陸・海・空で働く運輸労働者、港湾労働者、教労、自治労などすべての労働者の総決起をもって、戦時動員粉砕・拒否の闘いを大きくつくり出そう。

 (4) 正念場の教育闘争の一層の強化を

 教育問題を階級闘争の正面の課題とする闘いが「日の丸・君が代」闘争として沖縄、広島、東京・国立市を始めとする学校現場・地域で取り組まれ、全国政治闘争へと発展しつつある。この流れをさらに推進していこう。
 @教育基本法改悪粉砕の闘いを改憲粉砕決戦そのものとして闘うことである。「日の丸・君が代」法制化と一体のものとして改憲=教育基本法改悪があることを突き出して猛然と闘おう。A奉仕活動の義務化は青年・学生への徴兵制・学徒動員の道であり、断固粉砕しよう。
 B教育労働者の国家的管理、聖職化攻撃、「不適格教員」排除の攻撃に対して、教師は労働者であることをますます鮮明にさせ、教育労働運動・日教組解体攻撃を真っ向から打ち砕くことである。
 C「問題を起こす子どもから他の子どもを守る」などとして「問題児」決め付けと排除を合法化するエリート教育、差別・選別教育は、子どもたちを分断し、支配・被支配関係を持ち込み、警察力で抑圧するものである。絶対に許すな。
 教育労働者、部落大衆、父母の総決起と、若もの、子どもたちの自主的決起をつくり出して闘おう。

 (5) 反対同盟と固く連帯し三里塚決戦の勝利へ

 日帝・運輸省・公団による暫定滑走路二〇〇一年十一月「完成」―二〇〇二年春「供用開始」を絶対に許さない。
 第一に、東峰神社立木伐採、団結街道封鎖=廃道攻撃、営農と生活の破壊に怒りを燃やして三・二五三里塚現地闘争に全国から総結集して闘うことだ。そこには、現闘本部や一坪共有地などの闘争拠点への収用攻撃が計画されており、私有地の農地強奪がたくらまれている。敷地内農民を強制収容所に投げ込むような軒先工事の強行を断じて許すな。未買収地をそのままにした工事強行という暴虐を許すな。三里塚反対同盟に対する極限的破壊攻撃に全国の労働者人民の怒りを大爆発させよう。
 第二に、空港完成のために反対同盟の土地を強奪することはまさに戦時徴発そのものであり、有事法制―改憲の先取りであり、断じて認められない。十二年間も千葉県収用委員会が崩壊したままの事態を反動的に突破しようと、通常国会で土地収用法改悪案の成立を図る攻撃を総力で粉砕しよう。
 第三に、三里塚反対同盟との血盟を貫いて、日帝の帝国主義的航空政策を破綻させ、三里塚闘争の歴史的勝利をかちとるために奮闘する時である。三里塚闘争は改憲粉砕―反戦闘争および全国住民運動の最大の拠点であり、権力万能神話を打ち砕く大衆的実力闘争、革命的ゲリラ戦争を生み出す大地であり、労農同盟の砦である。三月全国闘争に総結集し、三里塚闘争の新たな発展をかちとろう。
 北富士闘争は、本土における自衛隊および米軍演習場撤去の最大かつ不屈・非妥協の闘いである。新安保ガイドライン体制づくりの攻撃の強まりの中で、入会地無断使用を拒否する闘いは、改憲・有事立法に対する先制的な反撃である。激化する米軍演習、入会権抹殺・桧丸尾強奪の策動に対して、忍草母の会を先頭とする北富士農民と連帯して、入会地・梨ケ原桧丸尾奪還、演習場撤去へ闘おう。
 関西新空港闘争は、成田と並ぶ日帝の国際空港を存亡の危機にたたき込む闘いを積み重ねてきている。滑走路一本の強行開港から六年、今や関空財政の完全破綻と地盤沈下による空港機能の崩壊寸前という重大な危機を生み出している。それは帝国主義間争闘戦における日帝の敗北の要因となっている。軍事空港反対、二期工事を直ちに中止せよと、闘う泉州―大阪湾岸住民と固く連帯して、関西新空港粉砕の勝利へさらに前進しよう。
 日本原闘争は、絶対反対派の農民の権利行使と実力抵抗の闘いによって、自衛隊の演習を阻止し続けている。日本原農民との血盟にかけて、新安保ガイドライン体制づくりを粉砕し、自衛隊の西方重視戦略への転換にもとづく陸自一三旅団の実戦化を阻止して闘おう。
 佐世保闘争に決起し、朝鮮侵略戦争の最前線基地に位置づけられ増強されている米軍および自衛隊佐世保基地に対する怒りをたたきつけ、新安保ガイドライン体制づくり粉砕の闘いをさらに強化しよう。

 (6) 8・6広島―8・9長崎反戦・反核闘争の大衆的発展を

 八・六広島−八・九長崎反戦・反核闘争は、原水禁運動の破産をのりこえ、今日の帝国主義の侵略戦争・世界戦争、核戦争政策と真っ向から対決する新たな全人民的な闘いへと成長してきている。同時に、日帝の改憲=教育改革攻撃と闘う巨大な統一戦線の中心軸をも形成している。今年の八・六―八・九を、昨年を上回る大衆的大結集としてかちとろう。
 六ケ所村再処理工場建設阻止の闘いともんじゅ再開策動粉砕の闘いは、日帝の核武装=核燃料サイクルを阻止する一体の反核・反侵略闘争として発展しつつある。アジア人民の注視にこたえ、日帝の原子力政策・核武装化阻止へ、カクマルの敵対を粉砕して闘おう。JCO臨界事故弾劾を闘う東海村住民と連帯しよう。

 (7) 朝鮮・中国―アジア人民との国際主義的連帯闘争を

 帝国主義国家日本がついに本格的改憲攻撃に突入し絶望的な対米対抗と帝国主義的侵略戦争へと舵を切っていることをはっきりさせ、われわれは、第一に、改憲粉砕闘争を基軸に自国政府の戦争・侵略戦争を絶対阻止する階級的=国際主義的闘いを、歴史的に本当にやりとげなければならない。第二に、沖縄闘争をすり抜けた反戦闘争も安保闘争も空語である。沖縄闘争=安保闘争、安保闘争=沖縄闘争をしっかりと構築し、本土・沖縄の階級的連帯をさらに強化して闘おう。第三に、社・共、連合、JR総連、カクマルらの祖国防衛主義への階級移行を粉砕するとともに、英雄的に決起する朝鮮・中国―アジア人民との国際主義的連帯闘争を画然と創造して闘おう。反戦共同行動委員会のさらなる戦闘的・大衆的強化を責任をもって担い、二〇〇一年をこの闘いの飛躍の年としよう。

 第4章 6月都議選決戦勝利・石原ファシスト都政打倒へ 前半最大の決戦

 二〇〇一年において、われわれは、七月参院選とほぼ重なる形で、しかもいつ国会解散・衆院選となっても不思議ではない政治情勢の中で、六月都議選を闘う。この闘いは、今日進行する日帝政治危機のさらなる爆発的進展の真っただ中で闘われる国政選挙級の大決戦である。日帝政治支配体制の行きづまりの中で、森・自公政権の自滅的動揺と一層の絶望的凶暴化、これへの労働者人民の怒りの大爆発は不可避である。既成政党の危機と腐敗、没落、野党の無力化と変質が進行する中で、この政治危機が「現状打破」を掲げた石原ファシズムの台頭に結びつくことを許すのか、それとも労働者階級人民の鮮明な階級的利害を貫くまったく新たな政治勢力の登場を断固として闘いとるのか。この一点に、全人民の未来がかかっている。
 六月都議選決戦はこの意味で、二〇〇一年前半の最大の決戦である。われわれは、都政を革新する会の結柴誠一氏の立候補を断固支持し、結柴氏の都議初当選のために総決起することを宣言する。
 何よりも、石原ファシズムの歴史的必然性をしっかりとつかみ、怒りを燃やして石原ファシスト都政打倒のために闘わなければならない。石原ファシスト都政は、都労連解体攻撃に存在意義をかけてきている。同時に、財政リストラとその一環としての社会保障制度解体と大増税に率先して突っ込んできている。
 闘う労働者階級にとって、革命的議員を持つことは、危機に立つ帝国主義やファシストの凶暴な攻撃と政治的に対決し、打ち破る上で絶対不可欠である。六月都議選はその決定的な正念場だ。都労連を始めとする首都の労働者階級の決起と結合し、また国鉄決戦と連帯しともに合流して闘う都議選にすることで、勝利の道を切り開かなければならない。
 そして昨年の九・三自衛隊治安出動演習に続いて今年もまた九・二に規模をより大きくした自衛隊演習を策動している。日帝の新安保ガイドライン体制づくりの柱である治安弾圧・内乱鎮圧―戒厳令体制の攻撃が、まさに石原都政という形で激化しているのである。改憲=戦争推進の石原は、ガイドラインに自治体として積極協力すると公言し、その一環として首都広域圏での空港建設の推進もたくらんでいる。首都の軍都化を意識的にめざしているのだ。
 石原登場を契機にして排外主義・差別主義が堰(せき)を切ったように激化している。その元凶こそ石原なのだ。
 こうした石原都政の問題点は、石原の超反動性を示すだけでなく、石原の弱点でもある。都の労働者とともに石原ファシスト都政打倒の大衆運動を巻き起こして闘うことが、われわれの都議選決戦の大きな柱である。さらに、石原が最も反動的でファシスト的な改憲推進派であることを徹底的に暴露して闘うことである。都議選闘争はそれ自体、改憲粉砕闘争としての絶大な意義をもっている。
 都議選決戦は、都革新―地域住民の自主的で自己解放的な決起を軸にそれと固く連帯する闘いである。すでに動き始めている介護保険廃止運動、教育委員会の反動的再編との闘い、区職員一千人の行革・リストラ反対運動、学校給食民間委託反対運動などの圧倒的展開をかちとることは、杉並から自主的な運動を巻き起こし、全都・全国の人びとを励ますものとなる。とりわけ介護保険制度に反対し、必要な人に必要な介護を要求して立ち上がっている杉並住民の会の闘いは、日帝の社会保障制度解体攻撃と全面対決し、自らのいのちとくらしを守る自主的決起の大きなうねりをつくりだすものだ。ともに全力で闘おう。
 都議選勝利の直接の火点は、日本共産党との対決、その打倒にある。修正資本主義路線と改憲派への転向に踏み切り、労働者人民の下からの自主的・戦闘的決起を押しつぶしにかかる日共の打倒なしに、都議選の勝利はないのだ。
 都議選決戦は、七月参院選に対する戦略的対決の意義をももっている。と同時に、来るべき衆院選の勝利をかけた闘いでもある。都議を擁した党として衆院選に挑むことができた時、われわれの衆院選闘争はいまひとつ決定的な勝利の条件をもつものとなる。ここにおいて、長谷川氏を押し出し、結柴氏を押し出し、ともに一体化して闘うことである。
 この都議選を革共同の労働者党としての全社会的認知を獲得する闘いとして、党の飛躍をかけて闘うこと――ここに都議選の最深の意義があるのだ。首都圏・全国の力を傾注し、何としても結柴氏の当選をかちとろう。

 第5章 闘争団・1047人闘争を軸に労働運動の新潮流を

 (1) 動労千葉、国労・闘争団を先頭に新たな国鉄決戦へ

 国鉄決戦は、これまで以上に今後の日本労働運動の戦略的水路である。
 国労をめぐる激しい攻防の直接の背景には、大破産している分割・民営化体制を修復し、JRを完全民営化する一環としての大合理化攻撃がある。通常国会にもJR完全民営化法案が出されようとしている。
 完全民営化のため日帝権力とJR資本は、JR東日本の「ニューフロンティア21」を打ち出した。五年間で一万人削減する大合理化攻撃である。そこに向けてまず反労働者的で非人間的なシニア制度をJR東労組との間で取り決めた。そして企業再編を掲げて、総額人件費の抑制と設備部門のメンテナンス体制再構築などによる外注化、人員削減、シニア労働者の選別再雇用・超低賃金の強制という首切り・リストラ攻撃を打ち出し、国労および動労千葉―動労総連合の暴力的解体の強行、他方でのJR総連との結託体制のより反動的な再編をもって、完全民営化に向かおうと躍起になっている。貨物を始めJR各社で業務委託、施設廃止、人員削減を強行している。かつて国鉄四十万人体制を二十万人体制に強行移行した分割・民営化に続いて、十万人体制にもっていく第二の分割・民営化攻撃が本格的に打ち出されたのである。
 四党合意とその承認とは何か。四党合意とは、不当労働行為を受け首を切られた当事者に対し、不当労働行為はなかった、首切りは正当だったと言えと強制するものである。それは国労をJR連合に統合し、闘争団を分裂・解体に持ち込もうとするものである。さらに第二の分割・民営化攻撃の暴力的強行と日帝権力による国労解体・労組破壊の攻撃として、四党合意は打ち出されたのである。
 動労千葉は、シニア制度と外注化に対決して今春、ストライキ体制をもって闘うことを決定している。この闘いは、今日の資本攻勢との対決の最先端の闘いであり、闘争団・千四十七人の解雇撤回・職場復帰・生活保障を貫く闘いそのものである。
 宮坂・上村一派はこの攻撃に屈服し、日帝・資本の手先と化し、国労を自己解体してJR連合に合流する道に引きずり込もうと策動している。だが、国鉄分割・民営化―国家的不当労働行為に歯を食いしばって耐えて闘ってきた国労組合員は、新たな分割・民営化攻撃に対して国労が今こそ団結して敢然と闘うことを求めている。闘争団・千四十七人を守りきれなくてどうして新たな大合理化に立ち向かえるだろうか。闘争団・千四十七人闘争の貫徹と直面する資本攻勢との対決はまさに一体の闘いなのである。
 国労一・二七続開大会に向かって、一つは、四党合意絶対反対を徹底的にはっきりさせることである。解雇撤回、職場復帰、生活保障をかちとることは、けっして不可能ではないのだ。政府・JR資本の側は追いつめられている。十四年間の正義の闘いは壁を必ずぶち破るという確信を深めて闘おう。
 二つは、四党合意を推進し、組合民主主義を踏みにじり、かつ昨年十一月、十二月の高裁反動判決やILO最終勧告を受け入れる宮坂・上村執行部を打倒しきり、闘う新執行部を樹立するために闘うことである。闘争団を核とする四党合意絶対反対派をさらに大きく形成しよう。
 三つは、四党合意の撤回・謝罪を求める労働委員会闘争と全国的支援陣形を強め、千四十七人闘争の当事者である国労闘争団、動労千葉争議団、全動労争議団の分断をのりこえ、連携して闘おう。
 四つは、完全民営化―新たな大合理化と真っ向から対決する闘う路線と方針を早急に確立することである。
 五つは、カクマルとJR総連との組織的大分裂をとらえ、カクマルの「国労解体」「国鉄改革完遂」を掲げたファシスト労働運動の大破産を暴露し、国労強化・拡大を積極的に闘うことである。
 動労千葉―動労総連合、国労、闘争団・千四十七人の一体となった国鉄決戦の推進こそ、一大資本攻勢の嵐に抗して闘う戦闘的労働組合運動の中心軸であり、闘いの発展の原動力である。

 (2) 2001春闘を爆発させ資本攻勢の先兵=連合路線を打ち砕け

 今日の資本攻勢は質的にまったく新しいエスカレートをとげている。それと真っ向から対決する路線・方針とは、「資本の侵害に対する抵抗の中心」(マルクス)である本来の労働組合を復権して闘うこと以外ではない。
 まず何よりも、春闘解体攻撃をぶち破って二〇〇一春闘を爆発させ、資本家階級の「総額人件費抑制」「高コスト構造是正」路線と対決する賃金闘争を原則的に復権して闘うことである。ここにおいては、資本=連合一体となった国際競争力強化論とその国家主義・企業防衛主義を打ち破ることが必須である。これは資本=連合による体制選択の思想攻撃を粉砕する「資本主義にノー」の闘いそのものである。労働者階級・家族の切迫した生活防衛の叫び、権利剥奪(はくだつ)反対の怒り、団結こそ生命線という確信こそ、最もよく闘うことのできる根源的力である。
 賃金闘争と不可分の闘いとして、年金・医療・介護など社会保障制度解体攻撃との闘いを労働運動の正面テーマに据えることである。
 全産別、いや全社会にわたる首切り・リストラ・大合理化攻撃との対決が一大階級決戦となっている。これからの首切り反対、反合闘争、反失業闘争はこれまでの比ではない激しさ、不退転の決意、団結力が求められる。今日の資本攻勢が没落帝国主義・日帝の死活をかけた国家総がかりの資本攻勢として繰り出されているからである。
 職場・生産点では実際には資本の先兵=連合によって資本攻勢がかけられている。電機連合の「新賃金制度」の提唱、公務員連絡会の反労働者的路線を見よ。連合指導部が賃闘を投げ捨て、解雇反対を掲げもせず、労働組合の基本原則を踏みにじり、日帝経済の景気回復と国際競争力強化を自己の至上目標にするという逆転した腐敗した姿をさらしている。現実には、いわば資本との闘いの前に連合・連合路線を粉砕する闘いがなければ一歩も闘えないのである。
 では、なにゆえに今までの一線を越えるような連合―既成労働運動の大裏切りと堤防決壊的退却が起こっているのか。
 結論的に言って、今日の資本攻勢の階級的性格に原点的に総屈服しているからである。帝国主義間争闘戦―対米争闘戦の論理に総屈服し、翼賛組合・御用組合へと純化してしまっている。九九年連合の新政治方針=戦争協力宣言が示すように、戦争前夜情勢における祖国防衛主義の一挙的な暴力的・イデオロギー的浸透がすでに既成労働運動で起こっている。
 帝国主義間争闘戦の激化と日帝国家・総資本の没落の危機を前にして、労働者階級はどういう態度をとるべきなのか。国家が沈没し、資本が陥没してしまえば労働者もまた未来がなくなってしまうと言うのか。対米争闘戦に勝たなければ労働者もまた生きられないと言うのか。そこに決定的な誤りがある。帝国主義の打倒、資本主義の根底的転覆の立場がないことが、恥ずべき総転向に走るものとなる。旧社会党がそうであり、日共も、カクマルもまたそうなのだ。
 革命的祖国敗北主義という根底的に階級的=国際主義的な立場こそが、連合路線を打ち砕き、賃金、社会保障、生活、権利にかかわる日常のあらゆる闘いを成り立たせ、勝利に導くのである。
 だからこそ、今年の十一月全国労働者総決起集会を年間を通じての最大の決戦的闘争として取り組み、昨年を上回る大結集をかちとることが決定的なのである。労働戦線が党派的大再編・大流動の情勢の真っただ中にある中で階級的労働運動の再生の道を切り開いていくのである。社民や日共スターリン主義やファシスト・カクマルとの激しい党派闘争を全力で闘い抜くとともに、階級全体の利害を体現して、味方勢力の総結集―闘う広大な統一戦線のためにわれわれ自身の飛躍をかけて闘うことである。
 また、改憲粉砕闘争を頂点とする階級的政治闘争路線の断固たる推進を大きくかちとっていこう。
 そのためにも、百万人を超える国鉄闘争支援陣形が確固として形成されていることを戦略的に重視し、四党合意に対する地労委闘争を新たな軸としてこの一大陣形をもっと大きくしていくことである。国鉄闘争の勝利はイコール日本労働運動の戦闘的再生そのものなのである。

 (3) 各産別の闘いを強化・発展させよう

◎全逓
 全逓戦線は、中央省庁再編による総務省・郵政事業庁設置、〇三年郵政公社化・郵便事業民間参入―郵政民営化をめぐって、すでに一大決戦に突入している。日帝・郵政省は、これまで以上の激しい強制配転=人事交流攻撃をしかけてきている。それは、「〇三年公社化に向けて阻害要因を排除する」と公言する暴力的な配転攻撃であり、全逓職場に深く形成されている団結を破壊するあからさまな不当労働行為である。郵政民営化のために全逓労働運動を根こそぎ解体する一大階級攻勢が激化しているのだ。
 連合全逓は、郵政民営化の反動的先兵となり、人事交流攻撃を承認し、帝国主義的労働運動路線を純化している。「ニューユニオン」構想という、全逓内の階級的・戦闘的翼を一掃する悪らつな反労働者的裏切りに踏み切っている。全逓労働者は、この連合全逓に対して、昨年、ついに激しい反乱に広範に決起し始めた。多くの自殺者のくやしさ、血叫びを受け止め、七八越年反マル生闘争以来の一大反撃に打って出る機運が高まりつつある。まさに連合全逓中央とその反労働者的大裏切りこそ、郵政民営化攻撃の最大の弱点である。今こそ連合全逓を打倒し、郵政民営化攻撃粉砕、人事交流攻撃粉砕、「ニューユニオン」構想粉砕の大反撃を爆発させよう。全逓十六万人の団結強化と職場丸ごとの決起をかちとろう。四・二八反処分闘争を強化し、闘う統一戦線をさらに発展させ、全逓内の新潮流運動を拡大しよう。
◎教労
 日帝が改憲の突破口として教育改革攻撃をしかけてきている中で、全国の教育労働運動の存亡をかけた戦闘的飛躍が強く求められている。何よりも、激しい処分攻撃をテコとした「日の丸・君が代」強制および教育基本法改悪攻撃との対決こそ、「教え子を再び戦場に送るな」の切迫した闘いである。これは、教育闘争の復権と日教組運動の階級的再生をめざす闘いである。日教組本部のパートナー路線を打ち破って、広教組・広高教組、国立の闘いに続いて、全国で侵略戦争国家づくりのための教育改革―教育国会粉砕闘争、卒入学式闘争を発展させよう。同時に、新たな勤評である教員用人事考課制度導入、不適格教員免職・転職制度の創設、そして時間内組合活動の権利剥奪、過去にさかのぼる給与返還請求や強制配転など、教育労働者の分断、パージ、直接的な組織破壊攻撃をはねのける不退転の職場闘争を推進しよう。
◎自治体、都労連
 日帝の公務員制度改革攻撃に対して、総反撃をたたきつけなければならない。中央省庁再編をもって本格的に始まる行革リストラ、すなわち能力主義・実績主義による賃金制度・人事管理制度への大転換と真っ向から対決することこそ、最大の課題である。公務員の賃金も人事・雇用も、国家への忠誠度いかんで決定するというこの攻撃は、再び「赤紙を配る官吏になれ」という攻撃に直結している。それは、改憲攻撃と一体となって、労働組合的団結を徹底的に破壊する攻撃である。労働組合の原則を貫いて職場から巨大な怒りをたたきつけよう。
 石原都政のベアゼロおよび一時金大幅カットの賃下げ人勧、新・再任用制度の導入、成績昇級制度への全面的な一元化攻撃に対して、都労連労働者の怒りをたたきつけよう。新安保ガイドラインによる戦争協力に反対し、石原ファシスト都政を打倒し、国鉄決戦と固く結合して、新たな自治体労働運動を構築しよう。
◎電通
 日帝にとって、情報通信産業は、対米争闘戦の死活のかかった絶対に負けられない領域である。日帝はそのために、NTT大再編・大合理化攻撃である「中期事業計画」と新賃金制度導入攻撃に出てきている。全国の営業所、事業所の大半を廃止し、二万一千人の要員削減による十万人体制に移行するとともに、成果・成績主義の導入、五十歳以上昇給なしの制度化をもって現行賃金制度を根本から解体するものである。NTT労組は早々と総屈服を決め込んでいる。だが、電通労働者は、長期にわたって職場から労働運動が一掃され、組合内の反対派の存在が許されてこなかった中から、決起を開始している。資本と組合への積もり積もった怒りの爆発は不可避である。この先頭に立って、中期事業計画との対決、新賃金制度粉砕に断固決起しよう。
◎医療・福祉
 戦後社会保障制度解体攻撃は、医療・福祉産別労働者への資本攻勢の激化を伴っている。介護保険制度実施によって、自治体や社会福祉協議会の福祉労働者の職が大量に奪われた。ヘルパー労働者は、民間の低賃金と劣悪な労働条件のもとで介護労働を強いられている。特別養護老人ホームなどの福祉労働者も劣悪な労働条件で酷使されている。民間資本のコムスンなどは、次々と事業を縮小・撤退し、リストラ攻撃を加えている。医療職場でも、医療費削減路線によって賃金の引き下げ、諸手当・一時金の削減が強行され、労働条件の改悪、諸権利の剥奪が次々と進められている。極限的な労働強化が強いられ、続発する「医療事故」を結果している。介護保険制度導入の手先・連合自治労中央や医労連を打倒し、医療・福祉産別の職場に闘う労働運動を築く闘いをさらに強化しよう。
◎民間―鉄鋼・電機・自動車・金属・中小産別
 連合指導部の春闘解体の策動を絶対に許さず、「純ベア引き上げ一%のみ、定昇分要求切り捨て」なる方針を打ち破って、二〇〇一春闘を爆発させることだ。鉄鋼の隔年春闘方式、電機連合の二年に一度の「労働協約改定闘争」への移行なる春闘改革路線、さらに年功賃金廃止賛成、成果・業績給推進をうたう第五次賃金政策を徹底批判し、職場の要求と怒りをくみ上げ、賃上げ春闘をかちとろう。さらに連合指導部は、「時短、政策・制度要求」などと日本型ワークシェアリングを強調し、賃闘解体を策している。賃金闘争の復権をかちとり、年金制度改悪反対、医療制度改悪阻止の闘いを路線的に位置づけ、首切り・リストラ反対の闘いを必死に展開し、職場の中に、新しい労働運動潮流をつくりだしていこう。
 全金本山闘争は、七〇年代以来の苦闘を経て、和解協議段階に入り、原状回復の具体的要求を突きつけて、争議解決へ全力を挙げている。全国の力で支援し、全金本山の「一人の首切りも許さない」闘いの勝利をともにかちとろう。
 三一書房労組の闘いは、出版労働運動の柱として、職場確保の闘いを基礎に、不当労働行為撤回まで原則的に闘っている。首都圏の労働組合運動の砦としての三一闘争支援を強めよう。
◎阪神被災地の闘い
 阪神被災労働者の闘いは、六年目を迎え、要求者組合、就労者組合、労働者企業組合、合同労組の四つの組合を結成して闘い抜いている。国による失業対策事業再開への要求は、失業労働者の血叫びとなっている。反失業の旗を掲げ、自力自闘をめざした闘いは、大失業時代の労働運動の先駆けの地平を切り開き、新潮流運動の重要な一翼となっている。今、失業労働者の組織化は、全国全地域、全労働運動の死活のかかった課題である。被災地の闘いを支援し、ともに闘おう。
◎女性労働者
 女性労働者の上に、激しい資本攻勢と政治反動の攻撃が集中して襲いかかっていることに対し、全国の女性労働者は、屈することなく、怒りをたぎらせて闘い抜いている。十一・五労働者集会への意欲的な取り組み、沖縄闘争への職場からの決起、「日の丸・君が代」闘争の推進、連合下での労組女性部の大衆的な組織化の展開など、職場・地域で粘り強い闘いが前進している。労組交流センター女性部を強化・拡大し、新潮流運動の巨大な発展をつくり出す先頭で闘おう。

 第6章 日帝の暗黒と反動、差別・抑圧を打ち破って闘おう

 (1) 生活と権利の防衛・発展の闘い

 われわれは、年金・医療・介護など福祉、いのち、くらしをめぐる闘いを、反スターリン主義・革命的共産主義運動の新たな綱領的意義をもつ闘争分野として、階級闘争の正面課題にしていく。
 まず、介護保険制度とは、「保険」とは名ばかりの事実上の増税である。「保険料」を賃金あるいは年金から強制的に天引きする。高齢者の八割は非課税なのに、選択の余地なく、強制取り立てされる。また、要介護度の認定制度によって本当に介護の必要な人を排除し、対象を限定している。施設入居者のうち、認定の結果「自立」「要支援」とされた人は経過措置後追い出されることになる。要介護度が福祉・医療の立場からのものとなっていない。加えて、利用料負担は二重取り、しかも生活保護基準以下の年金受給者や無給の人にも賦課する。これも、最低生活費非課税という戦後税制原則を踏みにじるものだ。
 利用料が払えないために、家族に介護の負担が集中する実態が明らかになった。同時に、介護労働者が労働強化と低賃金を強制されている。
 介護保険利用料は行政が全額負担せよ。要介護認定制度を廃止せよ。保険料強制取り立てをやめよ。罰則適用をやめよ。杉並、高槻、東大阪を始め全国で怒りを持つ広範な人びと・団体の自主的決起に学び、支持し、ともに「介護保険制度廃止、必要な人に必要な介護を」を要求して闘おう。対厚生省交渉、不服申し立て、違憲訴訟を展開して闘おう。

 (2) 激化する排外主義・差別主義を粉砕せよ、諸戦線の闘いを発展させよう

☆入管闘争
 激化する帝国主義的排外主義・差別主義の扇動、入管法・外登法―入管体制の戦時的再編攻撃を真っ向から粉砕する入管闘争を総路線的にも、具体的課題においても一段と強めなければならない。
 第一に、在日・滞日外国人への融和・同化あるいは追放という分断的管理の攻撃を許さず闘うことである。在留特別許可を要求する闘い、国籍条項をめぐる課題、参政権問題をめぐる課題を推し進めることだ。第二に、牛久、茨木、大村の各収容所に対する闘い、東京入管収容所新設攻撃を粉砕する闘いを重視して取り組もう。第三に、軍隊慰安婦とされた人びとを始め日帝の戦争責任を追及し、戦後補償を要求するアジア人民の烈々たる怒りの決起を支援し連帯して闘おう。
 日本階級闘争のすべての闘いに血債の思想を貫くとともに、入管闘争の地域闘争と中央政治闘争の両輪的展開の力を発揮して闘おう。
☆部落解放闘争
 日帝の戦争国家化攻撃と一大資本攻勢の激化の中で強まる部落差別攻撃と、三百万部落大衆の怒りの決起とが非和解的に激突している。この中で部落解放同盟全国連合会の存在と闘いが、部落差別の洪水をせき止める唯一の力強い防波堤となっている。住宅家賃値上げ反対闘争、介護保険制度廃止闘争を突破口にして、部落大衆の生存権をかけた根源的決起を大きくかちとっていこうとしている。この闘いの牽引車こそ、石川一雄さんの告発・糾弾の闘いを導きの糸にする狭山闘争である。国家権力の差別犯罪に対し、部落大衆の自己解放的決起と労働者階級の階級性をかけた決起との階級的共同闘争をさらに全面的に復権して闘い、東京高裁・高橋体制の異議審棄却策動を粉砕し、なんとしても再審を貫徹し、狭山闘争の歴史的勝利をかちとろう。
 帝国主義の最も悪らつな差別主義的先兵となってうごめく日共スターリン主義を真っ向から打倒し、労働者階級自己解放の闘いと部落解放闘争との歴史的合流を真にかちとっていこう。
☆在本土沖縄出身者の闘い
 在本土沖縄出身者は、本土において日帝の歴史的・今日的な沖縄差別の中で生きぬいている存在である。同時に、本土での日帝のあらゆる沖縄差別に抗して、日々死活をかけて生活と権利を守り、解放を求めて闘う主体である。全国沖縄青年委員会が、在本土沖縄出身者の闘い―在本土沖縄青年運動の共同の指針として確立した三本柱の闘いが熱烈かつ切実に求められている。@米軍基地撤去・沖縄差別撤廃・安保粉砕を沖縄・本土を貫いて闘う、A在本土の差別を打ち破って生活と権利をかけて闘う、B差別・分断を突き破る労働者階級との共同闘争を推進して闘う。この三本柱の闘いをともに貫き、新たな飛躍をなしとげよう。
☆「障害者」解放闘争
 日帝の戦後社会保障制度解体攻撃の一環として、「障害者」福祉切り捨てが強まっている。臓器移植にフリーハンドを与え、「脳死」を「人の死」と普遍的に定める臓器移植法改悪の策動、昨年の精神保健福祉法改悪による強制移送制度導入、それに加えての保安処分制度導入が策動されている。石原都政は、都立「障害者」施設の民間委託・廃止や「障害者」手当・医療費助成削減の攻撃を強め、さらには「安楽死」是認の「障害者」差別を扇動している。「障害者」にとってまさに日帝打倒なしに生きられない情勢である。侵略翼賛攻撃に屈服した既成の「障害者」運動をのりこえ、中央政治闘争と地域日常闘争を両輪に、労働運動の新潮流運動と連帯して、「障害者」解放闘争の新たな流れを拡大していこう。
☆被爆者解放闘争
 死の苦悶にあえぐ帝国主義も残存スターリン主義あるいはロシアも、核戦争戦略を強めている。日帝は独自の核武装を準備している。JCO臨界事故開き直り、もんじゅ再稼働策動、TMD参画策動、核ミサイル・軍事偵察衛星開発、原発防災訓練、石原都知事などの公然たる核武装の扇動など、許し難い事態である。被爆者抹殺、差別・分断、英霊化、ヒロシマ・ナガサキの階級性解体の攻撃の強まりを許さず、「繰り返すなアジア侵略、繰り返すなヒロシマ・ナガサキ・オキナワ」の大運動を発展させよう。原水禁・原水協の「再統一」の名による闘争歪曲を許さず、反戦被爆者の会、全国被爆者青年同盟とともに、八・六広島、八・九長崎へ総進撃しよう。
☆女性解放闘争
 日帝の恐慌過程への突入の中で、労働者と労働者家族への犠牲の転嫁が強まっている。女性労働者にとって、この数年、男女雇用機会均等法下に、労基法の女性労働者保護規定の撤廃、派遣法改悪が強行されてきた。圧倒的多数の女性労働者が差別的な不安定雇用、低賃金、深夜勤務、無権利に追い込まれている。また社会保障制度解体攻撃が、労働者家庭の崩壊をもたらしている。プロレタリア女性に対する二重の抑圧が強まっている。その中で、国労闘争団家族会を始めとして広範な女性たちが決起してきている。三里塚反対同盟婦人行動隊、北富士忍草母の会、沖縄の闘う女性たちと連帯し、婦人民主クラブ全国協議会、労組交流センター女性部の闘いを軸に、女性労働者・労働者家族・女性大衆の自己解放をかけた決起を大きくつくりだしていこう。
☆アイヌ民族解放闘争との連帯
 先住民族としての自決権、先住権を掲げるアイヌ民族の要求を、われわれはアイヌ民族の民族的復権をかけた闘いとして断固支持する。日帝権力および日帝社会の根深いアイヌ民族差別を弾劾し、ともに闘っていこう。
☆反軍闘争
 激化する改憲攻撃のもとでの自衛隊の「周辺有事」出動=朝鮮・中国侵略派兵と治安出動、戦時を想定した実戦的演習の強まりに対して、自衛隊包囲・解体・獲得の反軍闘争の新段階を大きく切り開いて闘う時である。自衛隊兵士は軍服を着た労働者・農民であり、隊内の命令と服従の関係に縛られながら自己疎外からの解放を求め苦悩する主体である。他民族人民を虐殺し、自国人民に戦車・銃を向けるための隊内思想教化の激化に対して、隊内からの反乱は、改憲粉砕闘争―第三次安保・沖縄闘争の大衆的高揚と結びつくことによって可能となる。帝国主義軍隊の労働者階級人民の軍隊への革命的解体的移行をつくり出す展望をもって、反軍兵士と連帯し労働者階級自身の闘いとして反軍闘争を強めていこう。
●農民戦線
 われわれは、闘う農民たちとの真剣な学習と討論の積み重ねの上に、新たな決意をもって農民戦線の組織化に着手する。新農業基本法は、食糧安保論と市場原理導入路線をもって、戦争への農民動員と農民の戦後的既得権の一掃に乗り出す攻撃である。全国の闘う農民は、闘うアジア人民との連帯、帝国主義打倒、労農同盟の旗のもと、労働者階級との合流をめざして決起するであろう。

 (3) 警察国家化攻撃粉砕、司法改革攻撃粉砕へ

 日帝権力は、昨年、沖縄サミット戒厳体制を頂点に、衆院選決戦、国鉄決戦の展開に対して、予防検束の不当逮捕、無差別の家宅捜索、尾行・監視、スパイ化攻撃などあらゆる政治弾圧を加えてきた。国家権力は、組対法とその二〇〇二年改悪策動、盗聴法、団体規制法(第二破防法)、さらには五年間で警察官一万数千人増強という警察改革法案、また司法制度の全面的な戦時的再編と日弁連の変質=総翼賛化をはかる司法改革―刑事弁護ガイドラインなど、新安保ガイドライン―改憲攻撃の一環としての治安法体系をつくり上げようとしている。
 その警察国家化攻撃を、われわれは広範な闘う人民とともに打ち破ってきた。そして、この最先頭でわが獄中同志たちが壮絶な死闘戦を闘っている。獄中十五年の須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志、同八年の福嶋昌男同志への超長期勾留は、革命家の予防拘禁であり、前代未聞の人権侵害である。獄中二十六年の星野文昭同志は、無期懲役攻撃と対決し、再審棄却に対する異議審闘争を全力で闘っている。富山再審闘争は新たな鑑定書提出、検事証拠の開示要求の闘い、神藤上告審は、補充書提出の闘いを推進している。一切の獄中弾圧を許さない闘いを、獄中同志、家族、弁護団、全国の救援運動から学び、固く連帯して、一大大衆運動としてつくり上げていこう。
 司法改革攻撃粉砕へ、正義に反する懲戒策動を粉砕して、全国の闘う弁護士と連帯して闘おう。

 (4) 統一戦線の広大で柔軟な発展へ

 ここ数年間、新しい戦闘的で自主的な統一戦線がさまざまに発展してきている。戦争への道と対決する百万人署名運動は、日常的・持続的で柔軟な最大の大衆運動機関である。石原ファシスト打倒をめざす統一戦線、組対法・団規法と対決する統一戦線、救援運動の統一戦線は一層重要な意義を発揮していく。
 われわれは、日共の改憲派への移行を弾劾し、階級配置、党派関係の大再編を積極的につくり出し、一大統一戦線の広大で柔軟な発展を実現するためにさらに全力を尽くす決意である。

 第7章 学生運動の新時代を切り開こう

 学生戦線は今、新たな政治的大流動と党派的大再編の真っただ中にある。戦後日帝社会の全面的な行き詰まりと腐敗と矛盾の爆発、戦争への突進の中で、日帝の改憲攻撃の本格化、国立大学の独立行政法人化および教育改革攻撃の具体化が開始されたこと、他方、日共の綱領的大転向、カクマル・ファシスト運動の総破産がつくり出されていることなどが、その重要なメルクマールである。戦闘的学生運動はこの情勢全体を牽引し、全国学生戦線の圧倒的統一を実現していくという重大な飛躍点に立っている。
 学生戦線は、三大決戦を柱として二〇〇〇年決戦を闘い抜き、改憲阻止決戦を戦略的に準備してきた。同時に教育闘争や独法化闘争といった領域に本格的に進攻し、両者を両輪的に闘い抜くことに画期的に成功してきた。学生大衆の獲得をめぐり、日帝との全面的な綱領的対決を開始したのだ。この中で日帝の攻撃の激しさが学生の主体にもたらす矛盾と危機を、学生大衆の自己解放性をもった戦闘的学生運動の爆発に転化する方向をつかみつつある。
 二〇〇一年、何よりも、改憲粉砕を頂点とする中央政治闘争を先頭に立って切り開き、戦闘的大衆運動の爆発をかちとることだ。キャンパスと街頭を結び、国会攻防を焦点に戦闘的かつ広範な闘いを発展させよう。
 同時に、昨秋十一月の東北大ストを頂点にした全国大学統一行動が切り開いた地平を発展させ、戦闘的大衆運動のいまひとつの決戦方針として、全国大学闘争の大高揚を切り開くことである。一つは独法化闘争の大闘争化であり、二つには、法政大を先頭とする学費値上げ阻止闘争の爆発である。これらと結びつけて、自治会、寮、サークル団体、大学祭をめぐる権力・当局・反動派の破壊攻撃を大衆的反撃ではね返そう。各大学での総決起から全国学生戦線の歴史的大統一、自治会運動−全学連運動の本格的再興へ発展させる展望をもって闘おう。
 この中で、沖縄・名護現地の闘いに、闘う沖縄人民と責任を共有する立場で全力で恒常的に取り組み、本土−沖縄の階級的連帯の先進部隊として闘うことは、崇高な任務である。
 さらに〈労働者階級と連帯する学生運動〉として、戦闘的労働組合運動の新しい潮流形成の闘いとしっかりと結びついて闘うことだ。また、二〇〇一年前半の最大の決戦である六月都議選決戦を自らの決戦として闘うことである。
 重要な使命は、反スターリン主義・革命的共産主義の理論闘争、政治闘争、自治会運動、大学闘争など全分野で常に最先端を切り開く学生共産主義者を大量につくり出すこと、それを同時に目的意識的な拠点建設の観点で集約すること、対カクマル戦を強化することだ。これらの闘いこそ、学生戦線の真骨頂であり、革命運動、労働運動の担い手を大量に輩出する源泉である。
 カクマルによる革命党と戦闘的大衆運動への敵対を粉砕し、学生戦線から一掃し、全国学生運動の壮大な爆発情勢をつくり出そう。二〇〇一年はこの闘いの大攻勢の年だ。
 高校生運動は、かつてなく重要な位置と使命をもってきている。日帝の教育制度改革攻撃の強まりと管理と差別・選別の学校教育は、高校生に緊張と重圧を強い、そこからの解放を求める不満と怒りを拡大させている。マルクス主義の理論と実践こそが、「十代の苦悩」にこたえ、社会の革命的変革と自己解放の展望を与える。革共同の隊列に高校生を獲得する闘いを積極的に強化し、新しい高校生運動を大胆につくり出そう。

 第8章 修正資本主義路線と改憲派に転向した日本共産党打倒せよ

 昨年十一月の日本共産党第二二回大会の反革命は断じて許すことができない。
 同大会では、前文を削除した規約改定、支配階級・資本家階級も資本主義賛成派も含むという「日本国民の党」規定、有事における自衛隊の活用の積極的肯定などを決定した。次は綱領改定を行うという。それは、日共スターリン主義が、綱領路線における総退却・総屈服をしたことを示すだけではない。日帝打倒に向かって闘う運動と党を破壊するために立ち働くことを決断したということにほかならない。そこには果てしなく社民化し帝国主義・資本主義にすり寄りながら、〈日帝の最後の番兵〉として、スターリニスト的党派性をますます強めている日共の姿がある。
 最も重大なことは、修正資本主義路線への急傾斜をとげていることである。
 大会の核心的内容をあらかじめ提起するとした不破講演(昨年七・二〇「日本共産党の歴史と綱領を語る」)では、何と言っているか。そこでは、「未来に属する大きな展望、利潤第一主義をのりこえ、本当に人間が主人公だといえる理想社会の建設をめざす志を失わない」と言う。同講演では「社会主義」「搾取をなくす」という言葉はペテン的に使ってはいるが、未来社会について「利潤第一主義をのりこえる」ということを基軸的規定にしたのは初めてのことである。つまり「利潤第一主義」はのりこえるが、利潤そのものは是認するというのである。おまけに「志は失わない」と言って、「理想社会」を実現すべきものではなく、志のレベルにすり替えている。不破指導部は、社会主義・共産主義の実現を究極目標とする建前をかなぐり捨てて、゛理想の資本主義社会″をつくることを究極目標にするというわけだ。
 日共が、修正資本主義を自らの綱領的立場に据えたことは、私有財産制防衛の立場をとることを意味する。つまり、資本への専制的侵犯であり、私有財産制を廃絶する真の共産主義に対抗して、日共はスターリニストとしての存立をかけて、私有財産制を守るためにその反革命のエネルギーを投入するということである。スターリニストのスターリニストであるゆえんは、ここにある。
 だから日共は、「社会主義革命」「マルクス、エンゲルス、レーニン」「前衛党」「階級闘争」などの用語のある規約前文を破棄する必要があったのだ。
 加えて、改憲派としての完全な階級移行をとげたことである。「憲法九条の完全実施への接近過程では、自衛隊が憲法違反の存在であるという認識に変わりはないが、自衛隊が一定期間存在することは避けられない」「必要に迫られた場合には、存在している自衛隊を国民の安全のために活用する」という決議は一線を越えた反革命である。
 帝国主義がその基本矛盾を全面的に爆発させる時代において、日共スターリン主義は、自国帝国主義の国家的利害の側に階級移行し、自国政府の戦争に率先賛成し、資本家階級の私有財産制の擁護のために、真に闘う革命勢力に襲いかかる〈日帝の最後の番兵〉として生き残ろうというのである。国鉄戦線で上村革同が宮坂チャレンジと結託して、闘争団に露骨に暴力的に敵対する姿が、実は今日の日共の本当の姿なのである。
 日共は、自公保政権への屈服を深め、連合への屈服、帝国主義的労働運動への迎合に走るだけではない。労働者階級人民の自主的な大衆運動の高揚を目的意識的に抑圧し、革命的大衆行動への敵対者として立ち現れているのである。
 反スターリン主義・革命的共産主義運動の真価をかけた対日共打倒闘争へ総力をあげて突き進もう。その一環として都議選決戦の中で日共を打倒せよ。日共第二二回大会に憤激し、真の共産主義を求める労働者・諸人士と積極的に討議し、共同の闘いをつくりあげていこう。労働戦線、学生戦線から日共を放逐せよ。

 第9章 黒田哲学を葬り去りファシスト・カクマルを完全打倒せよ

 (1) 国鉄決戦の爆発でカクマルを労働戦線から一掃せよ

 わが革共同は、反スターリン主義・革命的共産主義運動の思想で不断に自己を打ち鍛え、階級的な基盤と正義性に立脚し、中核派精神を発揮して、日本革命の勝利へ一歩一歩闘い進んできた。この中で、黒田・松崎・カクマルのJR総連=ファシスト労働運動路線をこなごなに粉砕する歴史的大勝利をついにかちとったのだ。
 カクマルからのJR総連丸ごとの離反は、なぜ起こったのか。それは、わが革共同の反革命的対極にある黒田・松崎―カクマルのJR総連指導のあらゆる意味でのファシスト性、ファシスト党の党派利害むき出しのでたらめきわまる反階級的路線のゆえなのである。
 第一には、日帝・JR資本の側が、JR東の大塚体制の成立をもって第二の分割・民営化と大リストラに踏み切り、そのために松崎らJR総連との反革命結託体制を抜本的に再編して、より忠実な手先として再び飼いならそうとしてきた。それは日帝権力・資本とファシストとの矛盾とあつれきの一層の激化であるが、それに対して、カクマルのJR総連=ファシスト労働運動路線が対抗力を失ってしまったのである。
 カクマルは、JR東労組のカクマル部分と周辺だけでもカクマルと共同歩調をとって生き残れば、あと全部が犠牲になってもいいという得手勝手な「指導」を強行した。だがそれは、新たな大合理化攻撃に対応しうるものではなく、ファシスト労働運動であろうとも労働組合であるという現実を無視したものであり、JR東労組カクマル自体がそんな指導にはとてもついていけないとなった。
 ましてや、九州労のような地方の少数派的存在にとっては、「一企業一組合」主義のもとでは、露骨に首切り対象になれというものとなる。長年にわたって動労―JR総連に依存しておきながら切り捨てるのかという反発が、必死の集団的脱退となった。身を守るためには、黒田・カクマルから離反し、対決するしかないとなった。九州労だけではない。JR東労組―JR総連全体にとって、きょうの九州は明日のわが身なのだ。
 第二に、資本攻勢の激化によって暴かれたわけであるが、黒田の松崎をとおしたJR総連指導、とりわけ組織現実論とその破産の所産として、今日のJR総連の離反がつくり出されたのである。
 黒田は、昨年の年初からJR総連に対してカクマルJACを動員して毛沢東的な文革的手法の「ダラ幹」攻撃を繰り出した。「動労型労働運動の伝統を守れ」「労使一体型ではなく、労使協力路線をやれ」「謀略論の感性を磨け」「カクマルらしくケルンづくりをやれ」「黒田の本を読め」というのである。
 だがそれは、一つには、カクマル中枢内の一定部分への党内闘争と一体のものとして、黒田自身の指導責任を不問に付した実に唯我独尊的なものである。分割・民営化への率先協力以来、黒田指導に忠実に従ってきたというのに、手のひらを返したように、やれ偏向だ、誤りだ、未熟だと攻撃し、JR総連の現実を自分の指導の所産として思想的・組織論的に反省することなどけっしてしない黒田とはいったい何なのだ。都合のいいときにはJR総連を私物化し、危機となったら他人事のように上から文革式攻撃をしかける黒田のやり方が、まさに必然的にJR総連の今日の空中分解をつくりだしたのだ。
 二つには、黒田は、労使協調でも労使一体でもなく、労使協力型でやれ、それがわからないのは「考える力が不足しているからだ」「黒田の本を勉強しろ」などと言うが、では黒田本人は労使協力型とは何かを説明できるのか。労使協力型とは、もともと黒田が松崎をとおしてJR総連に適用してきたファシスト労働運動路線なのだ。黒田には説明できなければならないはずだ。
 労使協力とは、労組が、利潤の追求、労働者からの搾取の強化という資本の論理に主体的に協力し推進するということではないか。JR会社の産業的発展のために率先して立ち働くことではないか。それは、労使一体化よりももっと腐敗した反労働者的路線ではないか。労働組合運動そのものを「会社倒産運動」として否定するものである。それを「革命的労働運動」と称するのが黒田である。意識的・自覚的だから「革命的」だというのである。賃労働と資本は非和解的関係であることを百も承知の黒田がやってきたことは、マルクス主義の破壊、労働組合の原理的否定である。そんな指導路線をJR総連に適用してくれば、どんな「労働組合」ができるかは明らかだ。黒田はそのことを反省しないのか。
 三つには、カクマルのJR総連指導において、今日、実践的に破産しているのは、黒田の哲学であり、いわゆる組織現実論である。組織現実論とは、黒田式えせ「実践論」の原型であり核心である。それは、革命情勢および革命運動を永遠の彼岸に追いやって、それと区別して「場所的現在においては党づくり」とするものである。そんなものは、階級的激動の中で、繰り返し破産し、黒田自身が破産を自認してきた。その反革命的具体化と破産の頂点こそ、七〇年闘争での大パンクであり、カクマルの延命のためには首切り攻撃の先頭に立つという、分割・民営化への率先協力である。黒田・カクマルは、その組織現実論の破産を「白色テロル」論や「謀略論」デマ路線、「冬の時代」論などによってとりつくろい、松崎らJR総連を労使協力型のファシスト労働運動として指導してきた。だが、今や資本の大攻勢を前にして、対応策を何ひとつ打ち出せないのだ。組合員にどう資本と闘うべきかを黒田は何ひとつ打ち出せていない。戦略も政治路線もないのに、ただ「ケルンを作れ」「思考力を強めよ」などとわめいている。ここに、マルクスの革命的実践論とは似ても似つかぬ黒田のえせ「実践哲学」の観念論的本質が暴露されているのだ。
 こうして、JR総連は、黒田指導にこれ以上耐えることができず、ついに黒田・カクマルとの対決に踏み切らざるをえなくなった。これは松崎自身の大破産でもある。JR総連傘下の労働組合員は、カクマルの反革命的介入や引き回しを拒否し始めている。そのことは、これまでのカクマルのJR総連支配が過疎支配でしかなかったことを物語っている。
 第三に、国鉄線戦における国労防衛・獲得の闘い、動労千葉の先駆的闘いが、JR総連組合員に鮮烈で巨大なインパクトを与えてきたことをはっきりと確認できる。まさに国鉄決戦の激しい勝利的前進こそが、カクマルのJR総連路線をこなごなに打ち砕き、JR総連のカクマルからの総離反をつくり出したのだ。
 われわれは、国鉄戦線における大合理化攻撃粉砕の闘い、国労防衛・再生の闘い、JR総連解体の闘いをさらに強力に推進し、JR総連傘下の労働組合員のカクマルからの根底的決別をうながし、彼らを積極的・変革的に獲得し、カクマルを労働戦線から一掃する闘いにいよいよ攻勢的に突き進もうではないか。

 (2) 綱領的破産の極致―黒田の驚くべき21世紀観

 カクマルは、JR総連内カクマルが丸ごと離反した破滅的危機の中で、ますます黒田哲学なるものへの個人崇拝的のめりこみを強め、それを組織維持の基本政策とするしかない。ところが、黒田哲学なるものは、今やえせマルクス主義の装いをとり続けることもできず、おぞましい真正ファシストの本性をあらわにするばかりである。真正ファシスト黒田のいわば本領は「帝国主義とスターリン主義の千年王国支配」観と「反ヤンキー」イデオロギーにあると言っていい。
 「スターリン主義的官僚システムを残したままでの『市場経済』は、おそらくは百年ないし百五十年以上も継続されるにちがいないのであって、そのかぎり、右のこと――『資本の文明化作用』、帝国主義的植民地政策、後進諸国経済の『近代化』、資本主義化は必然なのである」
 「破産国ロシアが『改革・開放』中国に助けられて、二十一世紀末葉ごろに立ち直るようなことがあるという仮説にもとづいて、百年後の予想される事態への過渡における帝国主義間の経済的争闘戦は、すでにはじまっているともいえる」(『実践と場所』第一巻六一二〜六一六n)
 つまり、二十一世紀もまた帝国主義の支配が続き、資本は全世界を資本主義化し文明化し続けるし、中国スターリン主義も旧スターリン主義国ロシアも生き延びているというのである。帝国主義やスターリン主義にとことん拝跪(はいき)した反階級的な驚くべき二十一世紀観を平然とひけらかしているのである。黒田は、スターリン主義の歴史的破産を絶対に見据えられない。同時に、マルクス主義の実践的唯物論をすっかり否定し去り、資本主義社会の根底的転覆―共産主義社会の実現の立場などくそくらえと言っているのである。
 しかも黒田は、「ヤンキー権力者は日本を第五十一番目の州にしようとしている、『日本の保護国化』という政策をとっている、それを軍事的に露出させたのが新ガイドラインの締結である」などと興奮して言いつのっているのである。「ヤンキー民主主義、アメリカ式教育法がいわゆる五無人間を大量に生産し、モラトリアム人間の拡大再生産はいよいよ深刻になっている」「アメリカ現代文明を絶対視するヤンキー精神は今や鼻もちならぬものとなっている」とまで言い放つ始末である(『実践と場所』の各所、矢久安仁論文[九八年二・二付反革命通信])。
 そこでは、日米関係が帝国主義と帝国主義との争闘戦としてあることが完全に蒸発させられている。だから黒田は、平然と日帝と一体となって反米国粋主義を扇動しているのだ。
 根本的には、ソ連スターリン主義崩壊以後の現代世界をどうとらえるかがまったくできないのである。黒田は、「ナショナリズムの相互衝突」論への逃げ込みを策しているだけである。解放社官僚どもは補完的に「新東西冷戦」論をこねまわしているだけである。それは、帝国主義規定の蒸発、スターリン主義規定からの逃亡という黒田・カクマルの容帝・反共主義を自己暴露するものである。
 こうして黒田・カクマルは、えせ「反帝・反スタ」が空中分解し、ファシスト的な日本民族綱領に先祖帰りするしかない。「謀略論」デマ路線が「神戸謀略論」もろとも大破産し、そしてついに最大拠点のJR総連を失った。もう黒田哲学だけが「最後の砦」となってしまった。
 われわれは、黒田哲学に猛然と攻め込み、黒田哲学を葬り去り、ファシスト・カクマルの「党」としての息の根を断つ闘いに断固突入する。
 ここまでカクマルを追いつめてきたのは、先制的内戦戦略の第一段階、第二段階の死闘戦と、それを踏まえた五月テーゼによる路線転換にもとづく営々たる闘いである。二重対峙・対カクマル戦の血みどろの勝利的前進と五月テーゼ路線の全実践が、カクマルに決定的打撃を加え続け、ついにカクマル情勢の質的変化をつくり出したのだ。とりわけ一九全総以来の国鉄決戦の猛然たる推進と資本攻勢と対決する階級的労働運動のための闘いが、資本の手先であるJR総連=カクマルのファシスト性を全労働者人民の前に明らかにした。第三次安保・沖縄闘争、ガイドライン闘争の大衆的爆発と統一戦線の豊かな発展が、カクマルの「左翼」の仮面をひきはがし、ファシスト的敵対者の姿を満天下に引きずり出した。革命的大衆行動の発展の力が反革命カクマルをとことん追いつめ、カクマルの真正ファシストの本質と「労働組合」「左翼」の仮面との矛盾は極点に達し、ついに全面爆発したのである。
 全戦線での革命的大衆行動の発展のための闘いをさらに大きく推進し、この闘いを防衛する革命的武装自衛戦争で勝ち抜き、対カクマル情報活動を強め、強力な革命的報復戦力を堅持し、反革命カクマル完全打倒へ攻め上ろう。二〇〇一年を対カクマル戦の大攻勢勝利の時としよう。われわれは、黒田・松崎・土門ら三頭目処刑、三・一四復讐戦貫徹=総反攻完遂、カクマル完全打倒を必ずやりとげることを断固宣言する。

 第10章 21世紀に勝利する党の建設を

 二〇〇〇年決戦はそのまま五月テーゼの本格的達成をかけた党建設の闘いであった。そこでの党的到達地平は、全面にわたるものであり、かけがえのない貴重なものである。
 @警察・公安調査庁権力のあらゆる手段を使った革命党破壊攻撃との対決の前進を確認したい。Aマルクス主義復権の諸出版物、『清水丈夫選集』によるイデオロギー闘争の飛躍的前進、「学習会の体系としての党」をめざす党学校建設はきわだった成果である。
 B革命的大衆行動の発展軌道を切り開いたことは、この十年間の闘いにおいても顕著な党的前進であった。C国鉄戦線で、沖縄・ガイドライン闘争で、対カクマル戦を闘ったことの積極的な党建設的意義が大いに発揮された。D党中央指導部の指導内容の変革的強化の契機と労働者党員の猛然たる決起の契機が一体的に結びついて、学びつつ闘い、総括しつつ前進するという党のあり方をつくり出しながら闘った。
 E機関紙活動、機関紙拡大運動の日常的推進の闘いの現段階を直視しつつ、その前進を切り開く新たな組織的決起をかちとった。F白井反革命を粉砕する闘いを党建設的意義をもつものとして推進した。この闘いをわれわれはさらに強化する。G総じて党中央、各細胞における細胞性の確立の闘いを意識的に設定して闘ったことが、二〇〇〇年決戦の画期的な前進を可能としたのである。
 その上で、われわれは、二十一世紀に勝利する党への飛躍をなしとげなければならない。これは、レーニン的オーソドキシーと先制的内戦戦略(五月テーゼ下の新たな展開)の党として、自らをさらに打ち鍛えることである。
 ではレーニン主義的な労働者階級の党とはどうやって建設できるのか。この闘いは、党への労働者の組織的結集の拡大と、他方での労働組合的団結形態の強化・発展との有機的で相互媒介的な一体的前進の中でこそ可能となる。今日、スターリン主義の歴史的破産、日共の変質と転向の深まりや国鉄決戦の爆発の中で、労働戦線において真剣な潮流選択と党派選択が大規模な形で起こっている。われわれはこれに対し、膨大な戦闘的・良心的労働者、先進的活動家と大胆に接点をつくり、積極的に党への結集を訴え、同時にそれに応じられる党自身の変革をかちとることが求められている。
 党建設としての党建設の根幹は、実は、党の拡大闘争を目的意識的・計画的に実現することにある。党勢の拡大闘争が党建設の核心中の核心なのである。党勢拡大への取り組みが自己をボルシェビキに鍛え上げるのである。
 このことを決定的に明確にさせ、党建設を党勢拡大闘争の不断の発展として具体化していかなければならない。われわれは、二〇〇一年の党建設において、党勢倍増を目標に掲げ、具体的計画を立てて闘う。多くの闘う労働者、活動家に大胆に党への結集を訴えよう。
 この党勢拡大闘争の鍵(かぎ)は、機関紙・誌活動の生き生きとした展開である。機関紙・誌の学習と拡大の計画を立て、機関紙・誌活動を組織的=個人的に体質化して闘うという革共同の優れた伝統的資質をますます強化し、機関紙・誌活動を日常的な恒常的活動とすることである。このことで、機関紙・誌の内容形成・改善と組織的活用能力の向上との相互媒介的発展の力を発揮し、拡大運動を飛躍的に実現することができる。
 ここにおいて、革命的大衆行動をつくり出す党、その政治能力、大衆運動づくりの論理と実践、とくに労働戦線におけるその実現こそ、一切の党建設の環であることを確認したい。
 この闘いの領域には、一つは、嵐のような資本攻勢の理論的・実体的な把握、その階級的な認識の確立、二つは、宣伝・扇動の強化の闘い、三つは、闘争論・運動論の形成がある。
 このすべてを貫く主体的な核心点は何か。われわれ自らが゛闘う大衆″として階級の真っただ中に躍り込むことである。すなわち、階級の深部で、階級の全実存、そこからの怒り、悲しみ、悔しさ、喜びを真に共有すること、誰よりも゛闘う大衆″として、労働者の要求を掘り起こし、全体の階級的要求となるものをまとめ上げ、その要求の先頭で闘うことである。労働者のもつ階級意識を引き出し、階級的団結をつくり出すことである。レーニンが『なにをなすべきか』で強調しているように、労働者の階級的覚醒(かくせい)を、労働者大衆の実感的につかんでいるものの「俯瞰(ふかん)図を描くこと」で実現していくのである。この闘いは実践と学習の繰り返し、その成功と失敗の教訓化をとおして初めてなしとげられる。
 二〇〇一年に、青年労働者運動の再構築、労働組合運動の拠点建設の前進を死活的課題として設定し、やり抜かなければならない。労組交流センターの倍増が提起されていることを断固支持し、会員二倍化をともに達成しよう。
 政治闘争、経済闘争のすべてにわたってこのように闘い抜くことで、だからこそまた、この闘いと区別して党の党としての独自の建設の領域を目的意識的に設定し、不断に闘い取ることも可能となるのである。
 昨年、印刷局は、経営局と一体となって、印刷体制の一新に取り組み、一号の休刊もなく、新体制確立を完璧にやりとげた。この地平を踏まえ、編集局、経営局、出版部、印刷局と全党の共同の努力で機関紙・誌のさらなる改革・改善をかちとろう。これこそ、党勢拡大闘争の土台中の土台である。
 われわれは、非合法・非公然の党の建設を党の存立、党の原点をかけて遂行してきた。あえて言えば、この闘いを非妥協的に推進している。また不当に指名手配されている同志たちを絶対に守り抜き、ともに連帯して闘っている。
 超長期勾留攻撃と闘う須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志、福嶋昌男同志、下獄して再審闘争を闘う星野文昭同志、そして鎌田雅志同志、倉持嘉之同志、片山武夫同志、浦山正博同志らの存在と闘いこそ、わが革共同の闘いの最先端である。獄中同志・家族の闘いに学び、連帯し、全獄中同志奪還のために闘うことを固く誓う。
 こうした革共同の他の何ものにも代えることのできない党建設の闘いが、これからの二十一世紀に通用する党としての今日を築いているのである。
 二十一世紀に反帝国主義・反スターリン主義世界革命とプロレタリアート独裁を実現し、共産主義社会への移行をかちとる歴史的任務を果たす党。こうした党は、ただ共産主義者への不断の苛烈(かれつ)な主体形成の闘い、思想闘争の積極的な取り組み、党勢拡大闘争の目的意識的・計画的推進によってのみ建設される。党的共同体性、組織的団結、細胞性の確立のための闘いが、二十一世紀における労働者階級の崇高な世界史的使命の達成を根底で支えるのである。
 二〇〇一年を、わが革共同の党勢倍増をかちとり、唯一の労働者党の位置を戦取する年としよう。いざ、反スターリン主義・革命的共産主義運動の偉大な全面的発展へ突き進もう。
 (おわり)

 

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