ZENSHIN 2001/02/19(No1993 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(1993号1面1)

KSD汚職・政府機密費弾劾 反動と腐敗の森政権打倒せよ
 教育改革=改憲攻撃粉砕、けしば都議実現へ全力を
 屈服となれあいの野党許すな

 一月三十一日、通常国会が始まり、森の施政方針演説が行われた。森はKSD(ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団)と自民党との汚職事件について、なんら陳謝もせず、居直った上で、教育改革攻撃、有事立法攻撃を前面化させ、日帝危機を超反動的にのりきろうとしている。没落帝国主義として危機を深める日帝の絶望的な凶暴化がそこには示されている。この改憲・教育改革・有事立法攻撃粉砕の成否をかけて、今ただちに都議選決戦を全力展開しよう。ファシスト・石原と真っ向から勝負することを宣言して立ち上がった結柴(けしば)誠一候補を断固支持し、その勝利のために全力を挙げよう。黒田・カクマルと松崎・JR総連との決定的分裂をさらに促進しよう。カクマル打倒、JR総連打倒の闘いを強力に進めよう。

 第1章 森の施政方針演説と徹底対決しよう

 米のバブル崩壊情勢を受けて、日本経済は重大な危機に直面している。二月八日、東証平均株価は二二七円安の一万三一三八円と昨年来の安値を更新した(一時一万三千円割れ)。これは、この日午前に発表された昨年七|九月期のGDP(国内総生産)の改定値が年率マイナス二・四%だったことなどを受けて、主力のハイテク、情報通信株が売られたためである。
 今、「二月危機説」「三月危機説」などが流れ、いつ金融危機が再爆発してもおかしくないほどの情勢が煮つまっている。こうした経済危機に加えて、日帝・森政権は、KSD汚職と政府機密費疑惑に対する全人民的な怒りを受けつつ通常国会開会を迎えたのである。
 森は施政方針演説の中で、この国会を「『日本新生』のための改革国会」と称し、教育改革、有事立法、公務員制度改革などを特に強調した。
 教育改革国民会議の最終報告を踏まえて、「新しい時代にふさわしい教育基本法の見直し」や、「基礎学力の向上ときめ細かな指導のための少人数指導等の実施」「教員としての十分な適格性を有しない者の教員以外の職への円滑な異動」「奉仕活動や体験活動の促進」などのために、「一連の教育改革関連法案を提出する」と宣言した。
 これは、教育基本法を改悪し、「不適格教員の排除」や「奉仕活動の義務化」などによって、戦争に向かっての国家体制を教育の面から進めようとする超反動的な攻撃である。そしてこの攻撃は、産経新聞などを使ってキャンペーンされている「日の丸・君が代」攻撃と、これに対する闘いへの処分と弾圧の攻撃と一体のものである。
 そして、森は、有事法制の必要性を強調し、検討を開始することを明言した。これと軌を一にして、有事立法のための関係省庁の検討会を開始することが決まった。これはガイドラインにある「包括的メカニズム」の立ち上げである。

 在沖米軍幹部の暴言弾劾

 そして沖縄では、年初以来、夜間外出禁止の解除によってせきを切ったように頻発する米軍犯罪、米軍事故に対する怒りが全島から噴出している。名護市議会や沖縄県議会が「海兵隊の削減」を要求する決議を全会一致で上げた。
 これに対して、在沖米軍の最高幹部であるヘイルストン米四軍調整官(中将)が、口汚いスラングを使って「(この決議の動きを止められなかった)稲嶺知事らは頭が悪い弱虫」という暴言を吐いた。あたかも三十年以上前の高等弁務官のように沖縄の最高権力者然としているこの発言は、怒りの火に油を注いだ。沖縄人民は米軍の存在、日米地位協定に対する闘いの爆発に向かって進んでいる。一九九五年の十・二一県民大会以来の米軍基地に対する闘いが再び爆発する情勢を迎えているのだ。
 こうした中で、那覇軍港の浦添移設を焦点とする浦添市長選が闘われ(十一日投票)、また、名護の新基地建設絶対阻止の闘いが展開されているのである。沖縄人民の怒りの決起と結んで闘わなければならない。

 第2章 森と石原への怒りを都議選の勝利へ

 都議会議員選挙が六月十五日告示、同二十四日投票と決定された。今から四カ月余の都議選決戦に一切をかけて決起しよう。労働者人民の先頭に立って、森政権と石原都政に真っ向から対決して闘うけしば都議を絶対に実現しよう。
 KSD汚職と機密費疑惑は、労働者人民大衆に大きな怒りを呼び起こしている。これは森政権に対する怒りであり、自民党支配に対する怒りである。
 KSDの古関(労働省官僚の天下り)がやったことは、中小企業が災害時などに補償がないことに着目し、毎月二千円の掛け金を取って、そのばく大な金を自民党の政治資金に回していたということである。自民党政治の集金システムの重要な部分をなしていたのである。自民党の財政基盤そのものが、中小零細企業者とアジア人労働者を食い物にし、詐欺まがいの集金とピンはねによってかき集めた金をKSD・古関から回してもらうことで成り立っていたのである。
 自民党内の参院選比例順位を上げるために架空党員(幽霊党員)をデッチあげる、その党費をKSDに肩代わりさせるというのは、大規模な有印私文書偽造に相当する犯罪である。こういう方法で、村上らの議席は確保されていたのだ。
 村上前自民党参院議員会長とはどういう人物か。江藤・亀井派の幹部であり、参院自民党の最高幹部である。昨年小渕が倒れた時には、野中、青木らとともに密室で森後継を決定した。古関の政界工作のかなめにいた人物であるこの村上が、参院憲法調査会会長として改憲攻撃の先頭に立ち、教育改革攻撃の先頭に立ってきたのだ。
 中小企業やアジア人労働者から搾り取った金の上に議席を得るという最も腐敗した人物が、憲法や教育を論じ、道徳を説いているのだ。これは自民党政治の本質を突き出すものだ。帝国主義の体制的危機、恐慌と大失業攻撃、自民党支配の行き詰まり、自民党政治資金体制の破綻(はたん)、ガイドラインと戦争国家体制づくり、そのための教育改革攻撃。このすべてが一体となって現れているのである。
 したがって、KSD汚職問題を一過性の問題にしてはならない。まさに日本帝国主義の体制的危機の現れそのものであり、日帝打倒の闘いの前進でこたえていかなければならない。
 また、政府機密費の松尾室長による横領事件は、その横領の金額の大きさ(松尾の口座に五億六千万円。競争馬十四頭やマンションの購入!)を許せないということはもちろんである。だが同時に、そうした犯罪を可能にした政府の機密費という仕組みそのものが反人民的なのである。
 それは、外交交渉における買収やスパイ活動のためであり、内閣官房の野党買収のために使われてきたものである。こうした領収書も帳簿も必要なく勝手に使える金があるということが横領事件を生み出したのである。
 河野外相は「機密費は必要であり、むしろ増額すべきだ」と言っている。身内の横領事件もチェックできなかったくせに、もっと増やせとは盗人たけだけしいというものである。
 機密費とは帝国主義国家の侵略と反動政治のための金である。そのすべてを撤廃させなければならない。こんなものがなければ国家として立ち行かないというのであれば、そんな国家はつぶれればいいのだ。

 石原は自民党政治の共犯者

 野党もまた、この機密費によって買収されてきた。本質的にも現実的にも、野党勢力は帝国主義政府となれあいの関係にある。民主党も社民党も自由党も政権参加経験がある。こうした機密費の「甘い汁」の味を知っているのだ。このような野党に機密費疑惑を追及する資格も意志もない。
 このKSD汚職と機密費疑惑の問題は、日帝・森政権の問題であると同時に、石原都政の問題でもある。
 石原は、森や中曽根を介して、古関とも関係を持っている。週刊誌『フライデー』には、中曽根のパーティーに石原が村上や古関と並んで写っている写真が大きく載せられている。
 石原は自民党を「批判」し国政を「批判」するようなポーズをとっている。だが、それは右からの批判である。実際には森政権の戦争国家化、教育改革攻撃、福祉切り捨ての最先頭を突っ走っているのが石原なのである。週刊誌などで「石原待望」論がばらまかれているが、石原の政策は、森政権の行き詰まりに対置する、デマに満ちたファシスト的政策である。断固、打ち破らなければならない。
 都議選において、森政権打倒・教育改革攻撃粉砕を掲げ、石原都政と真っ向から対決して闘おう。
 石原の排外主義、国家主義、戦争挑発の攻撃と対決することが大事である。また、都労連労働者に対するリストラ・首切りの攻撃を打ち破り、福祉切り捨てと大増税の露骨な攻撃を粉砕しなければならない。
 この中で特に、外国人労働者排除のキャンペーンに対して断固反撃することを訴えたい。内閣府がまとめた世論調査で「不法就労外国人は強制送還すべき」とする意見が前回調査より一六ポイントも多い四九%に及んでいるという結果が、二月三日、発表された。
 その理由に「日本の失業者が増えている」などがあげられている。大失業攻撃と排外主義の攻撃が結合しているのだ。この現実にわれわれは危機感をもち、闘うアジア人民との連帯を、労働者階級の不可欠の闘いとして一層強めていかなければならない。
 また、学校給食の民間委託化攻撃は、現場の給食労働者を大量に首切り、ほうり出す攻撃である。同時に、学校教育の一環である給食を民間の金もうけの手段と化してしまうものだ。
 学校給食民託化反対を、教科書問題、教育委員任命問題、奉仕活動義務化などの教育改革攻撃との闘い、三|四月「日の丸・君が代」闘争と結合して闘わなければならない。
 この学校給食民間委託を始めとする杉並区の山田区長の区職員千人リストラ攻撃は、石原都政のリストラ攻撃と軌を一にするものである。山田行革との闘いは都議選決戦勝利の重大な水路となっている。
 昨年来の介護保険制度廃止を求める闘いを、いよいよ強化しよう。その現実的な弊害が現れ、これでは生きていけないという声が高まっているのである。
 高速道路の外郭環状線の凍結解除は、石原都政が環境破壊に突進するものであることを示している。「ディーゼル車規制」で「環境に配慮」などというのは、まったくペテンである。
 総じて石原は、次々にいろいろなキャンペーンを張って攻撃をしかけてくるが、それはデマとペテンで人民に犠牲を転嫁するものだ。このファシスト石原と対決し、人民の闘いの先頭に立つのは、けしば候補と都政を革新する会しかないのだ。森の教育改革・改憲攻撃と対決し、その先兵=石原と徹底的に対決する戦闘的大衆運動を爆発させ、都議選勝利へ進撃しよう。

 第3章 「ダラ幹」松崎擁護でカクマルが墓穴

 一・二七国労続開大会決戦において、闘争団と戦闘的国労組合員、支援の労働者は、会場内外での激闘を貫徹し、「四党合意反対」の意志は絶対に揺るがないことを突き付けた。機動隊暴力に守られた大会など労働組合の大会とは認められない。この国家暴力の発動こそ、国家的不当労働行為だ。このことを弾劾して不屈に闘いぬいたことで、解雇撤回・JR完全復帰を掲げた千四十七人闘争の新たな出発が切り開かれた。闘う闘争団を守り抜き、国労再生へ前進しよう。
 チャレンジとともに「四党合意」受け入れを強行する裏切りを行った日本共産党スターリン主義は、二月二日、「JR採用差別問題と国労大会」なる「解説」を『赤旗』に発表した。
 そこで日共は、一・二七国労続開大会での「決定」を「採用差別問題をはじめ切実な要求の実現をめざして、団結の方向を示したもの」と、党として正式に完全承認している。機動隊で固められ、闘争団を始め国労組合員の怒りの声を圧殺したこの大会ならざる大会を「総団結の回復」として全面的に居直っているのだ。これは反革命的裏切りの態度表明をついに行ったということだ。だがこれは、日共にとって命取りとなるであろう。労働運動に対する反革命的敵対者として日共を断罪し、その打倒をかちとろう。
 一方、ファシスト・カクマルは、われわれがカクマルとJR総連の全面分裂・対立を暴き、JR総連の頭目である松崎が十二月九日に「カクマルと手を切った」と発言したことを暴露したことに大打撃を受けている。カクマル反革命通信『解放』二月五日付で、「松崎講演はデッチあげ」だとか、「カクマルとJR総連の分裂はデマ」だとかわめいている。
 われわれがさんざん「松崎はどうした」「松崎こそJR総連ダラ幹の頭目ではないか」と言ってきたことに、カクマルは沈黙を続けてきた。そのカクマルが、ついに居たたまれなくなって松崎に言及したのだ。ところが、松崎は「敵」ではないというのだ。その発言はカクマルと対立するものではないなどと言いだしたのだ。これは漫画以外の何ものでもない。
 松崎こそ、国労・総評解体攻撃の先頭に立ち、分割・民営化を推進した張本人ではないか。今日までJR総連を牛耳ってきた人物であることは明白だ。JR総連幹部を「階級敵」と規定し、「打倒」宣言をしながら、その頭目でありダラ幹中のダラ幹である松崎を弾劾するどころか、擁護するとはどういうことか。
 松崎自身が「カクマルと完全に手を切っている」と言っている。カクマルはこれをデマだと言い、松崎にあくまでしがみつくという姿勢を示したのだ。松崎を否定し、打倒することは、黒田・カクマルのよって立つ基盤を自己否定してしまうことになるからだ。
 今や松崎問題がカクマルの最大の弱点であることは一層明らかになった。黒田・カクマル自身が国鉄分割・民営化攻撃の先兵である。その原罪から逃れることができずに、今のたうち回っているのだ。JR総連との分裂を、一層深刻化させよ。
 国鉄労働者を踏みにじって自分たちの延命を図ってきた黒田・カクマルと松崎・JR総連をもろともに打倒しよう。その絶好機が到来しているのだ。
 三・一一革共同集会に大結集して闘おう。

 収用法改悪に反対する闘い

 二・二八土地収用法改悪阻止シンポ|国会闘争に立とう。これは三里塚軍事空港の暫定滑走路建設攻撃に行き詰まった日帝権力が、暴力的な土地強奪を可能としようとする攻撃である。同時に戦争に向かって土地取り上げを図るものである。三里塚反対同盟とともに、国会提出を阻止する闘いに立とう。
 三・四|五、部落解放同盟全国連合会の第一〇回全国大会に結集しよう。
 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧の超長期未決勾留を弾劾し、ただちに保釈することを要求する十万人署名運動を進めよう。とりわけ、つい間板ヘルニアで三年間も車いすでなければ出廷できない須賀同志に対する治療を放置していることは許せない。怒りをたたきつけ、必要な医療を絶対にかちとろう。
 六・二四都議選勝利へ、この二、三月、すべての力を結集して闘いぬこう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号1面2)

”無実の4人取り戻そう” 10万人保釈署名運動 有楽町町街宣に反響

 一九八六年の迎賓館・横田のロケット弾戦闘でデッチあげ逮捕・起訴され、超長期の未決勾留を強いられている四人(須賀武敏さん、十亀弘史さん、板垣宏さんが十四年、福嶋昌男さんが八年)の保釈を求める十万人署名運動が全力で展開されている。
 二月三日、「十万人保釈署名運動」による有楽町街宣署名活動に参加した。立春を前にしてぽかぽか陽気になった土曜の午後、絶好の街宣日和。有楽町マリオン前は予想以上の人出であった。
 被告の家族と友人たち総勢十六人が参加した。未決勾留十四年、あるいは八年というあまりの人権侵害のひどさ、それゆえに引き起こされている健康破壊の実態、さらに前代未聞の長期裁判にもかかわらず検察立証がいまだできないという異様な裁判の現実、不当・違法な現実をひとりでも多くの人に聞いてもらおう、署名を集めようと、必死になって大きな声で訴えた。結果は全体で三百四筆の署名が寄せられ大成功した。
 「不当長期勾留弾劾」「須賀さん、十亀さん、板垣さん、福嶋さんを釈放せよ」と大書した横断幕と「デッチあげ裁判13年」「無実の4人をとりもどそう」ののぼりをひろげ、家族を先頭にハンドマイクで訴えかけながらの街宣はその必死さと迫力で周囲を圧倒し、断然注目を浴びた。道行く人たちが足を止め、次々と署名に応じてくれる。「なんの署名なの?」と聞いてくる人に説明しているとそばを通りかかった人が一緒に話を聞いてくれて、三、四人まとめて署名してくれることもあり、こちらの気持ちも一気に盛り上がっていった。
 十万人保釈署名運動はこれまでも駅頭での宣伝活動を定期的に行ってきたが、都心有楽町での街宣は初めてである。下町、労働者の街錦糸町と違ってどんな反応が返ってくるか多少の心配があったがそんな杞憂(きゆう)を吹っ飛ばして人びとの関心は非常に高く、こちらの訴えかけを聞いてくれた人のほとんどが署名に応じてくれた。また若い人びとが関心を示してくれたのも特徴的だった。
 ともかく四人が強制されている現実はあまりに不当、違法であり、異常すぎる。どこでも、誰でも訴えかければこたえてくれる。この点に確信をもち、獄中で苦闘する四人にこたえ、今こそ保釈・奪還するために全力で決起する時だ。のどをからしての三時間だったが、大きな成果だった。近いうちに再び有楽町に登場しようと全員で勝利を確認した。(投稿 I・S)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号2面1)

「会社を守る」と誓うダラ幹松崎を『解放』で擁護し墓穴
 「松崎講演はデッチあげ」だと!?

 われわれが、黒田・カクマルと松崎・JR総連カクマルの大分裂という事実を暴露し゛なぜカクマルは松崎を弾劾できないのか″と迫ったことに対して、カクマルはいたたまれず、とうとう松崎に言及せざるを得なくなった。反革命通信『解放』一六五四号(二月五日付)の「デッチあげられた『JR東労組会長・松崎講演』」という駄文で、松崎が「カクマルと手を切った」というのは国家権力がねつ造したデマだと叫び始めたのだ。JR総連執行部を「打倒する」と宣言したカクマルが、JR総連の「ダラ幹」の頭目・松崎をカクマルの味方として擁護しなければならないとは、なんとも哀れで危機的である。今こそ、分裂カクマル打倒の大攻勢に立とう。

 カクマルとJR総連の分裂も「デマ宣伝」と苦しい強弁

 昨年十二月九日、JR東労組全支部委員長会議においてJR東労組会長・松崎明が講演した。「私は、かつてカクマルの活動をやっていたことがあるが、今は、完全に手を切っている」と公言し、「カクマルの攻撃から会社を守る」と、国家権力・JR資本に対して誓約した。そして、「これからも、カクマルの攻撃から会社を守っていこう」「日本中の鉄道の中枢を担っている会社をカクマルにいいようにされないように頑張る必要がある」と呼びかけた。(本紙一九九〇号2面に要旨掲載)
 この十二・九松崎講演は、JR総連カクマル(組合権力グループ)が党派としてのカクマルから集団離脱・脱党したこと、それを松崎が先頭に立って承認し推し進めていたことを示すものにほかならない。
 この決定的な事実の暴露に動転したカクマルは、中核派が「革マル派とJR総連が『大分裂』しているかのようなデマ宣伝」を行っているとか、「『松崎は、かつては革マル派に所属していたことを自認』し、しかし現在は『革マル派から離脱』しているだけでなく『革マル派に敵対』している――これはまさしく権力が描いているシナリオそのものであり、そのデタラメなシナリオにもとづいて、この『講演要旨』なるものをデッチあげた」などと口走ったのである。
 だがカクマル『解放』はわれわれの暴露と追及の肝心な点については、何も答えていない。ただ、松崎とカクマルは対立していないのだと、なんとか見せかけたがっているだけである。
 第一に、カクマルとJR総連は分裂していないということなのか。「JR総連労働運動は終焉した」と言い、JR総連本部執行部を「階級敵」と断罪し、「打倒する」と宣言したのに、なおも分裂は「デマ宣伝」だというのか!
 第二に、松崎が最近までカクマルに所属していたのはウソだというのか。わが革共同から脱落・逃亡し、一九六三年に議長・黒田寛一、副議長・倉川篤(=松崎明)としてカクマル結成に名を連ねたのは松崎その人ではないか。黒田「組織現実論」の最も忠実な体現者として国鉄分割・民営化推進の反革命路線を実践したのが松崎ではなかったのか。今回の講演に限らず、これまでも松崎は何度となく「カクマルに所属していた」と公言しているではないか。その上で、今回の離反は事実であり決定的なことだと、われわれは追及しているのである。
 第三に、それでは逆に、松崎はカクマルから離脱していないし、カクマルと敵対もしていないと、カクマルは言いたいのか。松崎は今もカクマルに所属し、カクマル組織の先頭に立っているということなのか。そうすると、JR総連・小田執行部やJR東労組執行部の「ダラ幹」ども、坂入らJR総連OBの幹部連中らの「反党陰謀分子」は、松崎に背いてカクマルからの離反・分裂・敵対をやっているということなのか!
 カクマルは墓穴を掘ってしまった。「デマだ」「デッチあげだ」と叫べば叫ぶほど、それでは事実はどうなのかということが逆にカクマルに突きつけられる。だが、カクマルは答えられない。やはり松崎問題は黒田とカクマルの死命を制する最大の弱点なのである。
 そもそも、この松崎講演が行われたJR東労組全支部委員長会議で何が確認されたのか。JR東労組の機関紙『緑の風』十二月十五日付によれば、委員長・角岸が「カクマル派は坂入さんを拉致・監禁するなど、組織破壊攻撃を強めている。これを放置するわけにはいかない。……社会に対してカクマル派の悪質さを明らかにしていこう」とあいさつしたのを始めとして、ほとんどの支部委員長が坂入拉致問題に触れ、「押さえ切れぬ怒りをぶつけ」たのである。〔われわれは、松崎講演とともに、この角岸のあいさつも暴露したが、カクマルはこれには一切触れていない!〕
 そこに登場した会長・松崎が、カクマルとの関係をあいまいにした発言をすることなどできるはずがないではないか。松崎が言っているように、「私が彼ら(カクマル)と手を切っていなければ、会社や組合は私をこの場に置いておかない」のである。カクマルは、JR東労組の委員長を先頭とする執行部、そして全支部の委員長がカクマルを弾劾しているという事実を突きつけられながら、なおも「ダラ幹」の頭目・松崎だけはカクマルの側にいると見せかけなければならないのだ。

 松崎の離反を認めることは黒田とカクマルの死に直結

 ところで、カクマルは、松崎講演要旨が「デッチあげ」と言う「論拠」として、JR東労組の機関誌『セミナー』一月号に掲載された十二・九松崎講演(編集委員会の「文責」で掲載されているもの)に、『前進』などで暴露した部分がないことを挙げている。だが、この部分は松崎とカクマルの関係についてあまりにも露骨に言っているため、JR東労組は『緑の風』でも、講演した事実さえ伏せていた。したがって『セミナー』掲載にあたって、この部分は削除したというだけの話なのだ。
 もう一つ、「『国労共闘』のホームページにアップされた内容と異なったもの」であることを「デッチあげ」の「論拠」としているが、それは、JR内に広く出回っている「講演要旨」の文書から、直接にカクマルに言及していない部分をカットして掲載しただけのことである。
 こんな「論拠」しか持ち出せないのは、松崎「講演要旨」の内容が真実であることを逆に証明している。
 カクマルとしては、カットされた部分、すなわち松崎がJR連合の「民主化闘争」について述べた部分が松崎講演の核心部分であると言いたいようである。
 いわく、「二〇〇〇年十二月八〜九日の二日間にわたっておこなわれたJR東労組の全支部執行委員長会議の二日目に講演した松崎会長の講演内容の核心は、東労組の『最大の課題』を『東日本の会社を守ろう』と呼びかけつつも、『葛西』らJR会社の一部経営陣の腐敗と、この経営陣と結びついた養殖組合の『民主化闘争』と対決し、東労組を『世界に冠たる労働組合』として成長させようというものである」と。
 ここで重大なことは、カクマルは、松崎が「東日本の会社を守ろう」と呼びかけていることを「……つつも」などと言いながら、松崎を明らかに評価していることだ。要するに、カクマルは、松崎の「東日本の会社を守ろう」という呼びかけに賛同して、会社を守ることを党派として誓っているのである。
 だが『解放』一六五二号(一月二十二日付)の吉田論文は、「JR東日本の一万人要員削減攻撃に反撃せよ!」「JR総連・東労組悪質幹部の裏切りを弾劾して闘いぬこう」などとペテン的に呼びかけている。
 松崎が言う「東日本の会社を守ろう」とは、JR東の一万人削減=「ニューフロンティア21」の大合理化攻撃に協力するということではないのか。JR東日本の合理化・労組破壊攻撃に屈服し、裏切っている「東労組悪質幹部」とは松崎のことではないのか。
 そもそもカクマルは、JR東の大合理化攻撃であるシニア協定を「改善」として賛美している。「会社を守ろう」と叫ぶ松崎の擁護といい、吉田論文のスローガンなどまったくウソであり、ペテンなのである。
 カクマルは今や、JR総連カクマル(組合権力グループ)が黒田・カクマルを足蹴にし、集団脱党した事実を絶対に隠すことはできない。だが、なんとか松崎だけは黒田・カクマルの味方であるかのように装い続けなければならない。松崎を徹底的に弾劾してしまったら、黒田=松崎路線でやってきた黒田の責任問題となる。そして、教労や自治労を始めとしてカクマル組織の総体が空中分解しかねないからだ。
 だが、ついに松崎問題に言及せざるを得なくなり、しかも松崎を擁護してしまった。カクマルは自ら決定的な墓穴を掘ったということだ。大分裂にあえぐ黒田・カクマルと松崎・JR総連を、ともども打倒・解体することこそ、国鉄労働者を始めとする全労働者人民の階級的な任務である。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号2面2)

闘う闘争団を守りぬけ
闘争団を「団結阻害者」とののしる国労本部許すな

 「大会決定」に無条件に従えと電送で恫喝

 宮坂・チャレンジと上村革同および東京地本の酒田らは、機動隊制圧下の一・二七続開大会で「四党合意」の受諾を強行した。こんな大会の「決定」など断じて認める余地はない。
 大会が突き出した現実は、「四党合意」が国労組合員とは絶対に非和解であるということだ。他方、宮坂・チャレンジ、上村革同による闘争団切り捨ての反革命策動は、権力・機動隊の国家暴力に全面的に依拠せずには貫徹できなかったことも明白になった。
 闘争団は大会後ただちに、「解雇撤回・地元JR復帰を闘う闘争団有志(仮称)」の名で、機動隊導入を弾劾し、「解雇撤回・地元JR復帰を基本とした三十六闘争団の提出した解決要求の実現に向け、政府・JRの責任を追及し、今後も団結して闘い続けることを宣言する」という声明を発表した。
 これに対して、高嶋−寺内の極悪チャレンジ新執行部は二月六日、「第六七回国労全国大会(続開)決定に対する一部闘争団員の阻害行為に対する対応について」と題する「国労本部電送10」を出して、闘争団圧殺者としての正体をむき出しにした。そこで本部は、闘争団有志による支援勢力への共闘の呼びかけに対し、「国鉄労働組合として、このような行動は、認めることも許すことも出来ない状況であり、総団結作りを阻害する行動と言わざるをえない」などと、口汚くののしっている。
 東京地本も同日、同様の電送を傘下の機関に送付し、酒田自らが強行した機動隊導入を居直った。
 戒厳令下の大会で選出された新執行部の最初の行為が、こうした露骨な闘争団への敵対だったのである。ひとたび権力に魂を売り渡した裏切り者は、闘争団を「妨害者」と決めつけて権力に差し出すことをもためらわず、権力の庇護(ひご)のもとに生き延びようとしているのだ。
 この電送の中にあるのは、ただただ、機動隊に制圧された大会ならざる大会の「決定」に従え、という恫喝だけである。だが、JR不採用以来十四年の苦闘を貫いてきた闘争団の「人生を勝手に決める」権利など誰にもない。権力と資本の恥ずべき先兵に転落した裏切り者が、闘争団の闘いを泥靴で踏みにじることなど断じて許されない。
 また、上村革同の反労働者的・反国労的裏切りをペテン的言辞で擁護し続けた日本共産党スターリン主義は、二月二日付の『赤旗』で、「今回採択した運動方針は……採用差別問題をはじめ切実な要求の実現をめざして、団結の方向を示したもの」と明言した。しかも『赤旗』は、昨年十二月十四日の東京地本「見解」を「団結を回復しようとする模索」などと持ち上げて、それが一・二七続開大会で「団結を回復する具体的な方向」につながったなどと強弁している。
 だが、あの東京地本見解こそ、「続開大会成功のため、妨害勢力に対して毅然(きぜん)たる態度をとり万全を期す」などとして、大会への機動隊導入を居直り的に宣言した、反革命文書だったのではないか。
 日共スターリン主義は、戒厳令下の大会を賛美し、警察労働運動への国労の転落を推進する極悪の役割を果たすに至った。
 こうしたすべての反動に結集軸を与えたのは、東京地本見解である。
 今、チャレンジ一派と日共・上村革同、東京地本の酒田らは、「大会決定」を盾にとり、傲慢(ごうまん)きわまる態度で闘争団に屈服を迫っている。
 だが、一・二七続開大会のどこに正当性があるというのか! あの大会は労働組合の大会と言えるのか!
 国鉄闘争の解体を狙う権力・資本に開催を強いられ、機動隊の制圧下に置かれた大会など、労働組合の大会では断じてない。そこでの「決定」なるものは一切無効である。選出された新執行部も、初めから組合員の不信と拒絶をたたきつけられている。
 宮坂・チャレンジと上村革同、東京地本の酒田らは、国労大会を権力の蹂躪(じゅうりん)に任せ、大会の名において国労の歴史と組合員の闘いの一切を権力に売り渡そうと企てた。
 組合員には、そんな大会の「決定」に従う義務など存在しない。ましてや、闘争団は解雇撤回闘争の当事者である。解雇撤回・地元JR復帰まで闘うのは、当然のことではないか。それを「総団結作りを阻害する行動」などと言いなす労働組合がどこにあるのか! 
 この一言で本部の高嶋、寺内、田中は労働組合指導部としての資格など一片も持ちあわせていないことを自己暴露した。もちろん、東京地本の酒田らも同罪だ。彼らを一人残らず、ただちに執行部の座から引き降ろさなければならない。

 居座るチャレンジ、上村革同を引き降ろせ

 さらに許しがたいことに、一月三十一日の第一回中央闘争委員会は、大会で辞任したはずの宮坂・上村・新井・鈴木を本部に残し、「解決交渉」に当たらせることを決めたという。
 チャレンジと上村革同は、自らの力で闘争団を押しつぶすことができないことを自覚しているからこそ、とことん権力・資本の反革命的暴力に依存して、闘争団の切り捨て、訴訟の取り下げ、JR連合への合流などを一気に強行しようと画策しているのである。
 彼らは、すでに取り下げる訴訟のリストアップを終え、「解決のめどが立ったら取り下げる」と公言している。だが、チャレンジや上村革同は、これまで何度も「解決のめどが立った」と称して組合員をだまし続けてきたではないか。「改革法承認」も「四党合意」も、みなその口実で強行されたのだ。取り下げの対象となるのは、採用差別事件だけでなく配属差別事件なども含まれる。当事者を無視した勝手な訴訟の取り下げなど断じて許せない。この策動に怒りの総反撃をたたきつけよう。
 当面の最大の攻防点は、各エリア・地本大会である。戒厳令下の全国大会強行を徹底弾劾し、「四党合意」絶対反対の揺るぎない決意をたたきつけよう。機動隊導入に手を貸し、国労の歴史にぬぐいがたい汚点を残したチャレンジと上村革同を徹底的に追及し、すべての機関役員から引き降ろそう。
 とりわけ、東京地本をめぐる攻防は決定的である。機動隊導入を最先頭で強行した酒田委員長ら執行部の責任を追及し、機関から放逐しよう。闘争団の十四年にわたる苦闘を敵に売り渡した裏切りの代償の重さを、彼らは思い知らなければならないのだ。

 「四党合意」を死に追いやった1・27攻防

 一月二十七日、闘争団を先頭とする国労組合員は、吹雪の中、機動隊と対峙して十二時間の激闘を全力で貫徹した。会場内外が呼応して、機動隊導入と「四党合意」受け入れの強行を弾劾しぬいた。三分の一の代議員が「四党合意」絶対反対を貫き、闘争団とともに必死で闘った。
 こうした闘いは、「四党合意」を本質的に死に追いやっている。史上類例のない最悪の形で「四党合意」を強行した瞬間、それはただちに崩壊するしかないものになったのである。
 日帝権力とJR資本が「四党合意」にかけた狙いは、国鉄労働運動と闘争団・千四十七人闘争を最後的に解体することにあった。だが、一・二七は、闘争団を始めとする国労組合員の怒りをますます燃え上がらせ、不屈の闘志を一層打ち固めただけである。敵の狙いは、最も根幹的なところで打ち破られたのだ。
 この闘いは、国鉄分割・民営化以来の権力・資本による暴虐への闘争団を始め国労組合員の怒りを根底から解き放った。それは、国労の階級的再生への新たな出発点を築くものとなった。今起きている反動は、この闘いへの絶望的な悲鳴である。「大会決定」の強行は、闘う国労組合員にいささかの敗北感ももたらしてはいない。チャレンジや上村革同が闘争団への反動的非難を強めれば強めるほど、彼らが組合員の手によって引き降ろされる時は近づくのである。
 そもそも、三度にわたって「四党合意」受諾を粉砕した闘争団と国労組合員の闘いは、機動隊の力で反対派を排除しなければ「四党合意」を強行できないところにまで本部を追い詰めていた。だから、宮坂・チャレンジと上村革同、東京地本の酒田らは、なりふり構わず機動隊制圧下の大会強行へと突っ走ったのだ。
 他方、権力は「国労本部の要請」にかこつけ、国労をどこまでも踏みにじるような露骨な介入を行い、大会を警察支配のもとに組み敷いた。
 だが、こうしたやり方の一切が、「四党合意」の本質を暴き、敵の墓穴を掘ったのである。

 権力の支配介入を断罪する労働委闘争へ

 一・二七の攻防はまた、国労の団結を引き裂き、国労組合員の人生と闘いを踏みにじる「四党合意」の権力犯罪としての本質を、曇りなく暴き出すものであった。「国労運動史上最悪の大会」を現実化させたものこそ、「JR完全民営化」を強行するために、闘争団・千四十七人闘争の解体を強行しようと企てた権力の意思だったのである。
 「四党合意」とは、国労組合員の首を切り、ありとあらゆる不当労働行為を行ってきた権力と資本が、それを居直り、逆に「JRに法的責任なし」を国労に認めさせ、不当労働行為の罪証を隠滅しようとした、究極の支配介入であった。
 今、闘う国労組合員は、「四党合意」の撤回を求めて労働委員会闘争に立ち上がっている。それは、自民党、運輸省(現国土交通省)など権力機構そのものによる国労への支配介入を真っ向から弾劾し、国鉄分割・民営化という国家的不当労働行為の総体を断罪する闘いだ。
 権力はこの労働委員会闘争の発展に恐怖し、労働委員会を恫喝して早期却下を必死に追求した。この策動と激突し、打ち破りつつ、闘いは進んでいる。
 「四党合意」を認めず、解雇撤回・地元JR復帰まで闘いぬく決意を固めた闘争団に、この労働委員会闘争をともに闘うことを心から訴えたい。それは、国鉄闘争の抹殺を狙う権力と、それに屈した国労本部の策動を打ち破る、絶好の武器になるものだ。また、国鉄闘争に心を寄せるすべての労働者に、労働委員会闘争への支援を呼びかける。
 今一つ、決定的に重要なのは今春闘をめぐる攻防である。権力・資本は、JR東日本の「ニューフロンティア21」を切っ先に、「完全民営化」=第二の分割・民営化攻撃の貫徹へと突き進もうとしている。
 チャレンジと上村革同によって反動的に封印されてきた春闘ストを、今こそ組合員のもとに奪還しなければならない。動労千葉は、シニア制度−「ニューフロンティア21」粉砕へ、ストライキで闘う方針を打ち立てた。この闘いに続こう。
 第二の分割・民営化攻撃の反革命先兵となることを決断した松崎・JR総連は、黒田・カクマルから離脱し、両者は醜悪な対立・抗争へとのめりこんでいる。今こそJR総連を打倒し、国労・動労千葉の組織拡大を実現しよう。
 機動隊制圧下の「四党合意」受諾を強行した宮坂・チャレンジと上村革同、東京地本の酒田らを徹底弾劾し、闘う国労の再生をかちとろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号2面3)

”関空二期中止せよ” 泉佐野現地で集会・デモ

 一月二十八日、朝からの小雨もやみ、晴れ渡る青空のもと、泉佐野りんくう公園で大阪湾岸住民四団体、関西反戦共同行動委員会の主催で「関西新空港二期事業を中止せよ! 関空の軍事使用反対!」の現地集会が行われた。地元泉州の労働者、住民を始め全関西から百八十一人が結集した。
 淡路町空港反対同盟の安藤眞一さんの司会で集会が始まった。
 森田恒一泉州住民の会代表が主催者あいさつをし、「不必要な公共事業の筆頭が関空二期事業だ。二期は、ガイドライン、周辺事態法に基づく空港・港湾提供のためだ。日本を戦争に引きずり込む野望と闘おう」と力強く訴えた。
 関西反戦共同行動委員会の入江史郎代表は、「戦争反対の軸なくして闘いはない。日本の労働運動は、朝鮮・アジア侵略戦争を絶対阻止する」と発言した。
 続いて、三里塚反対同盟と宮城康博名護市議からのメッセージが紹介された。
 泉州住民の会事務局長の国賀祥司泉佐野市議が基調報告を行い、KSD汚職、外務省機密費横領など汚職と腐敗にまみれながら改憲に突き進む森・自公政権の打倒と、沖縄人民の闘いとの連帯を呼びかけた。
 また、関西新空港闘争が三十数年の闘いの中で最大の好機を迎えていること、関空の沈下と経営破綻(はたん)の現実を暴露し、大衆運動で関空二期を中止に追い込むことを訴えた。
 さらに、一般会計約四百億円の泉佐野市が千三百二十五億円もの空港関連事業を押しつけられ、新市長がその赤字のつけを市民に回そうと公共料金値上げと職員給与カットを提案したこと、市議会は国賀議員を先頭に公共料金値上げの大部分を否決したが、日本共産党が裏切って値上げに賛成したことを弾劾した。
 明石住民の会の日原年和さんのカンパ・アピールの後、参加各団体が決意表明を行った。関西労組交流センターの代表は、「国鉄闘争支援集会を成功させた力で闘う闘争団を守り抜こう」と述べ、公務員制度改悪、教育改革攻撃の狙いを暴露し、今春卒・入学式での「日の丸・君が代」攻撃との対決と改憲阻止の大闘争に立つことを促した。
 二千人を超える二期中止要求署名を集めた地元泉州住民の会は、役員二人が登壇し、「田中角栄が軍事併用ならすぐできると言ったように関空は軍事空港。今年は二期を中止に追い込む正念場」「私たちの血税を私利私欲のために勝手に使う連中が、私利私欲のために戦争も平気でする。三里塚とともに関空二期を実力で止めよう」と訴えた。
 神戸空港に反対して闘う住民は、「神戸空港ができれば関空の航路と重なりニアミス事故が起こりかねない。阪神淡路大震災で亡くなった方への慰霊のためにも神戸空港に反対する」ときっぱりと述べた。
 部落解放同盟全国連の代表は、「二十一世紀を部落完全解放を成し遂げる時代にする決意をこめて三月第一〇回大会を開く。総結集を」と呼びかけた。
 婦人民主クラブ関西協議会、全学連が改憲阻止への決意を述べた。
 最後に、東灘区住民の会の山本善偉代表が「沈みゆく関空、経済的に成り立たない関空に二期などとんでもない。戦争のできる国に変えるのをくい止めるのは、私たちが多くの仲間をつくることだ」と訴えた。
 集会後、南海泉佐野駅前までデモに出た。りんくうパパラ、アウトレット・モールでは若者たちの圧倒的な注目を浴びた。「関空二期を中止に追い込むぞ」「軍事使用を阻止するぞ」「沈没空港に税金を使うな」の訴えは沿道の市民に注目され、ビラは吸い込むように受け取られた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号2面4)

改憲阻止へ決意 関西反戦共同行動 反戦連続講座開く

 関西反戦共同行動委員会は一月十八日、六十人の参加で「反戦連続講座」を開き、憲法学者の小林武南山大学教授の講演を受けた。
 小林教授は、昨年十一月の衆院憲法調査会で参考人として意見陳述し、「憲法九条の精神を守れ」と述べている。
 小林教授は講演で、改憲調査会と化した憲法調査会を批判し、憲法を見る上で天皇制の問題、生存権、平和主義の三つの観点で考るべきことを強調、さらに石原都政批判も展開した。
 関西反戦共同行動委の国賀祥司事務局長と入江史郎代表が、それぞれ憲法問題に切り込んで大衆運動をつくり出そうと訴えた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号3面1)

都民に犠牲の石原予算案 5千人の労働者をリストラ 公共事業で大資本にはカネ
 石原は森自民党政治の先兵

 石原都知事は森政権=自民党政治の共犯者だ。「国と闘う」などというのは、まったくの大ウソ、ペテンであり、真の姿は「自民党政府の先兵」「自民党の危機の救済者」だ。〈石原都知事の六大悪政〉すなわち、@改憲と侵略戦争のための都政、A超反動的な教育改革攻撃の手先、B福祉切り捨てと大増税、C首切り代官、D東京を軍都にする行政、E自民党の先兵、別働隊||を徹底的に追及し、ファシスト石原知事を打倒しよう。一月二十四日に発表された二〇〇一年度東京都予算案の反人民性を暴露する。

 狙いは福祉破壊だ 営利事業に「市場開放」

 二〇〇一年度の都予算案は、一般会計六兆二千六十億円で、前年度比三・六%増。その内実たるや、労働者人民に犠牲を押しつけ、福祉を切り捨てる、反人民的な内容である。
 (1)大リストラ
 石原都知事は四年間で都職員五千人の定数削減を狙っている。今年度二千百三十八人、来年度千二百七十九人で計三千四百十七人(計画の七〇%)の削減となる。知事部局の組織統合などで八百七十九人削減、交通・水道など公営企業で三百十六人、学校職員は六十九人削減。これで九十億円を削減し、賃金の四%カットを来年度も強行して七百億円を削減する。
 このように都職員の賃金を削り取って、それを大資本のための事業に回そうというものである。
 しかもこれだけ人員削減を行い、職員に犠牲を押しつけながら、石原はヌケヌケと「警視庁には八億円増やした。都の警察官の絶対数は足りない。外国人の犯罪者は政治家なんか襲わない。都民、市民を襲う。それに対する力が足りないなら警察官を増やす以外にない」(一・二四記者会見)などと、許すことのできない排外主義の扇動と、「警察都市=軍事都市」化を進めているのだ。
 (2)福祉切り捨て
 歳出費目のうち「福祉と保健」関連は全体のわずか一一・四%に過ぎない。他方で「都市整備」などの公共事業支出には一四・〇%を支出する。
 二〇〇〇年度から強行された「福祉施策の見直し」の継続で、来年度も福祉切り捨ての大悪政が強行されようとしている。予算の削減や新たな負担増が押しつけられる。
 ▽シルバーパス(都営交通などの利用券) 所得基準の引き下げで段階的に負担増となる人は、今年度五千円→来年度一万円の負担に。
 ▽高齢者福祉手当 九九年度に月五万五千円支給されていたものが毎年四分の一ずつ減額され、〇三年度で全廃に。
 ▽高齢者医療費助成(マル福) 対象年齢を一歳引き上げて六十六歳〜六十九歳に。新規対象者はゼロ。二〇〇七年で制度廃止。七十歳以上は国の医療保険制度が適用されるが、これも今年一月から改悪され、定額負担から一割の定率負担(大幅負担増)となった。
 ▽重度障害者手当 所得制限で対象外となった人は、経過措置で現行月額六万円→四万円(〇一年度)に。
 このほかにも特別養護老人ホームへの補助費の減額など、福祉の削減がさまざまな面で強行される。
 マスコミは「都議選にらみ福祉増額」(朝日)とか「環境・福祉に石原カラー」(東京)などと持ち上げているが、ひどいデマだ。前述した切り捨てには一切言及していない。予算がつけられたものも、民間資本の参入を助けるために都が補助金を出すものが大部分だ。それは自治体が当然行うべき福祉行政の義務を投げ捨て、保育、介護などを利潤追求のみの営利事業にゆだねるものでしかない。
 「保育所不足の解消」のために「駅前保育所の設置」が宣伝されているが、それも民間事業者を参入させ、そこに補助金を与えるものだ。
 (3)「教育改革」
 石原は「東京が二十一世紀の教育改革をリードする」と公言し、「心の東京革命」をファシスト的な社会運動として展開しようとしている。そのための予算をつけている。
 具体的には、「社会貢献」「個人の義務と責任の自覚」を押し出し、小中高校で奉仕活動を先行的に実施しようとしている(「総合学習」の名目で、部分的にはすでに実施されている)。それは、日帝の朝鮮・中国|アジア侵略戦争策動と一体の勤労動員、学徒動員、徴兵制への道だ。
 また、「日の丸・君が代」強制反対を闘う国立への処分弾圧に見られるように、闘う教育労働者のパージ、教育労働運動の暴力的解体を狙っている。

 軍事都市化、アジア侵略外交

 (4)公共事業
 都民生活に密着した事業は「投資効果が上がらない」として、どんどん削減の対象とされている。都営住宅の新築は前年度に続いてゼロ、建て替えは三千戸と横バイである。高家賃に苦しむ都民のための低家賃・良質な住宅の提供という行政義務を投げ捨て、都営住宅からの住民の追い立て(「期限付き入居制度の創設」)や、新規入居者の削減(「募集方式の見直し」)すら狙っている。これもまた、大資本の利益のために、都民を高家賃の民間賃貸住宅に追い立てようという狙いだ。
 他方、道路建設や交通網の整備など大型土木事業に財源を重点的に投入している。石原は、「東京圏の道路整備に国家予算を集中配分すること」を日帝・森政権に要求している。一月には扇国土交通相とともに、計画が凍結されている外郭環状道路予定地を視察した。外環道は途中、杉並区の善福寺地区などを通る。反対している住民の土地の強制収用すら狙っている。外環道は軍用道路そのものであり、土地収用攻撃は、戦争のための土地取り上げだ。
 石原は膨大な赤字を抱える臨海副都心のためにさらに金をつぎ込み、臨海高速鉄道の全線開業や「ゆりかもめ」など、関連の交通施設の強化を狙っている。
 (5)都市外交
 秋に東京で、アジア都市ネットワーク21の本会議を開催する。そこでは東京都の友好都市である北京を完全に無視している。中国、北朝鮮を敵国とみなすアジア侵略外交である。
 また、一・二四記者会見で石原は「マハティール首相と会ってきたが、場合によったら、大田区をマレーシアに移すことも考えている。零細工業地帯を、日本の技術を、生産の幅が膨らむなら、移転して新天地を造成することもある」などと言っている。「新天地造成」などというかつてのニセ「満州国」デッチあげ・植民地支配の言葉をも使い、「満蒙開拓団」の再現さながらのとんでもない侵略の野望をむき出しにしている。秋の会議は、石原の手で「大東亜会議」の復活を狙うものだ。
 (6)大増税
 また歳入面では、初年度となる銀行新税(外形標準課税)で千四百十六億円を見込む。また、滞納者からの無慈悲な徴税で八百六十億円を見込む。
 都税調は昨年十一月の答申で、石原の意向に沿って、パチンコ税、ホテル税、大型ディーゼル車高速道路利用税、産業廃棄物税などの新税導入を打ち出した。今後、都議会で審議されるが、「環境保護」を口実にした大衆課税そのものである。負担はすべて労働者人民に転嫁される。大型道路建設や東京湾の漁場破壊(旧有明貯木場埋め立て)など、大資本の利益のために環境破壊をどしどし進めながら、「環境保護のため」という口実を設けて増税をするのは、卑劣なファシスト的手口だ。

 石原翼賛の都議会 改憲=戦争の道にノーを

 ほかにも弾劾すべき点はいくつもあるが、石原は「東京の危機は日本の危機」などと言いながら、戦争と大資本救済の都政に突っ走っている。石原都政は森政権=自民党政治を先取りするファシスト行政だ。
 恐慌過程の中で賃下げ、首切りのあらしが吹き荒れ、生活困窮者が急増し、高校の授業料を払えない家庭も増えている状況や、介護保険強行、福祉切り捨てで、家族介護の負担が重くなっている現状に対して、石原は「競争原理」「自助努力」を振りかざして開き直り、なお一層の労働者階級への犠牲転嫁に突き進んでいるのだ。
 石原都政の行く先は日本を再び戦争の道に向かわせるものだ。首切り・リストラとアジア侵略戦争の道を再び繰り返すことになる。石原オール翼賛都議会は都民の利益を踏みにじるものだ。
 六月都議選は、二十一世紀をどのような世紀にするのかをかけた歴史的な政治決戦だ。〈平和・教育・暮らし・福祉・いのち〉の政治を実現しよう。労働者民衆の手に、政治を取り戻そう。都議会にけしば誠一候補を送り込もう。

 

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号3面2)

有事体制の確立を狙う 土地収用法改悪阻止を
 2・28シンポ−国会闘争へ

 土地収用権を戦前なみに

 今回の土地収用法改悪の要点は「収用手続きの簡素化と迅速化」(原案)だ。
 国家による土地収用権を戦前なみに強化することをめざしている。一坪共有運動の実質的禁止措置も打ちだされた。改悪法の強権性を隠すために、事業認定段階における「情報公開と住民参加」がうたわれているが、例によって権限のないお題目だ。住民(地権者等)が決定プロセスに異議をはさむ権利は完全に封殺され、認定庁(国土交通省)の独裁的決定権が徹底的に強化されている。
 まず、現行土地収用法の手続きの概略を押さえておこう。
 収用手続きは大きく三つの段階に分かれる。@事業認定、A収用裁決、B行政代執行である。
 事業認定とは「公共事業」が民有地を強制収用するだけの「公益性」を有することを国が認定する制度。建設大臣(現国土交通大臣)もしくは都道府県知事が認定する。議会等の承認は不要で、認定前に「公聴会」を行う規定もあるが、あくまで任意だ。認定庁の義務ではない。
 収用裁決とは、各都道府県に設置された準司法機関である収用委員会(委員は知事が任命する)が、地権者の土地所有権はく奪、明け渡しの決定を下す手続きだ。収用委の審理内容は、法的には補償問題の論議に限られる。
 行政代執行は、地権者が収用裁決の明け渡しを拒んだ場合、都道府県知事が国に代わって土地を収用する行為。一般的に「強制収用」や「強制代執行」と呼ばれる。警察力などの強制力が行使される。
 今回の土地収用法改悪(原案)は、以下の点が焦点となっている。
 第一に、収用委員会制度の形がい化である。審理の「簡素化・迅速化」の名のもとに、収用委の場で事業認定の是非を論ずること自体を明文化して禁止するとしている。これで収用裁決は戦前なみの即決裁決に限りなく近づくことになる。
 戦前の土地収用法には収用委員会制度はなかった。国の一方的裁断で収用できた。これを形式上「機関委任事務」として都道府県知事に委託したところに戦後土地収用法の特徴があった。収用委員会制度は、ある意味で「戦後民主主義」を象徴する制度だ。ただし実際には戦後多くの収用事件が流血の事態となり、土地収用の本質(国家の強権発動)は戦前と同じであることが暴かれてきた。
 収用委員会の審理は、法的には補償問題の審理であり、地権者は収用そのものには反対できない仕組みになっている。しかし現実には収用審理が地権者にとって唯一の死活的な発言の場であることから、審理の場が事業認定の「公益性」や是非を争う場に転化するケースも多い。沖縄の反戦地主の闘いでも、収用審理をめぐる攻防が大きな政治的焦点になっている。
 千葉県収用委員会に至っては八八年に、かつての強制収用と同じやり方で収用手続きを一方的に始めたことに人民の怒りが集中、委員会が解体に追い込まれるという事態も生まれた。
 今回の収用法改悪は、こうした戦後的収用制度の弱点を正面から反動的に突破しようとしているのだ。 
 第二に、こうした収用審理の「迅速化」=収用委員会制度の形がい化のために、事業認定の絶対化をはかっている。その論理はきわめて倒錯的だ。事前の「情報公開」や「住民参加」で事業認定の「公益性」を確定するので、認定後はその是非を争ってはならないとするのである。
 具体的には「事業説明会」や「公聴会」「第三者の意見聴取」を義務化するが、いずれも認定の決定プロセスには介入できない。意見は言わせるが権限は与えないということである。
 第三に、一坪共有運動の実質的な禁止措置である。
 改悪原案は「反対のための土地所有」を禁止すべきと明言し、一坪共有運動自体が抵抗手段たりえなくなる措置を細かく講じている。具体的には、@土地・物件調書の作成について、現行法では「土地所有者本人の立ち合い及び署名」が必要だが、これを自治体の「公告・縦覧」で代替可能とする、A地権者が多数にのぼる収用審理では、関係人を「代表者」に限定できる、B強制収用に先立つ補償金の支払いについて、現行法の「本人受取」を廃止し、「現金書留の発送証明で代替可能」(受取拒否ができなくなる)、C共有物件の移転補償は全員の合意から、四分の三の合意とする、などの内容である。
 これによって、これまで一件一件厳密さを必要とした一坪共有地の強制収用手続きが必要なくなる。起業者と自治体の書類上の作業だけで一方的に手続きが完結するのである。地権者側の唯一の合法的抵抗手段だった一坪共有運動が禁止されるに等しい内容だ。
 一坪共有運動は、強大な国家権力の土地収用に対する民衆側の有効な抵抗手段として発達してきた。近代資本主義社会の根本原理である私有財産制度を活用した合法的な抵抗手段だ。現在、国土交通省で掌握しているケース(立木トラスト運動を含む)だけで全国で二十五カ所にのぼる。
 建設省の研究会で「反対のための反対は禁止すべき」という議論がなされ、一坪共有運動への敵意を公然と表明したことは特徴的だ。三里塚闘争そのものの破壊、民衆側の抵抗手段を一掃しようとする政府権力の意図がむき出しである。

 米軍用地特措法改悪の上に

 土地収用法の改悪は、沖縄など米軍基地のための土地収用(または強制使用)に反対する人々に重大な影響をもたらす。米軍用地特措法による強制収用(及び強制使用)は、土地収用法の規定と手続きが準用されるからだ。
 米軍用地特措法では使用認定(または収用認定)の申請者は防衛施設局長(防衛施設庁)で、認定権者は内閣総理大臣だ。申請と認定まで特措法で行い、以降の収用手続きは土地収用法の規定が準用される。
 したがって今回の土地収用法改悪による収用権の強化は、沖縄の反戦地主を始めとする反基地闘争の抵抗手段を徹底的に封殺するものとなる。とくに収用委員会の場で反戦地主たちが実質的に獲得してきた発言権を奪うという問題は重大だ。前記のように収用委員会審理は地権者の反対を大衆的にアピールする場となり、収用審理闘争自身が有効な政治闘争として発展し焦点化してきた。これを完全に封じるのが今回の収用法改悪である。
 しかも米軍用地特措法では、改悪収用法(原案)が強権性を隠すためにうたっている「認定以前の情報公開」や「住民参加」は問題にもなっていない。日米安保の問題、軍用地の問題に「住民参加」もへちまもないというのが国の考えだ。
 米軍用地特措法は、一九九九年七月の国会で「地方分権一括法」(関係法律四百七十五本)の一環として改悪された。概要は、@知事・市町村長が握っていた代理署名権(土地・物件調書)を国の「直接執行事務」として取り上げる、A収用委員会が「却下」の裁決をした場合、国は「緊急裁決」の申し立てができる、Bそれも「却下」されれば内閣総理大臣自らが「代行裁決」できる、というもの。裁判長と検察の役を国が一手に握った上で被告の発言権を封じるようなもので、多くの沖縄県民が「まるで戦時立法だ」と厳しく批判するのも当然だ。
 米軍用地特措法は実質上沖縄だけに適用されている法律だが、この戦時立法に等しい改悪特措法の上に、さらに土地収用法改悪がのしかかる意味はあまりに大きい。「財産権」や「地方自治」といったブルジョア民主主義の建前すら完全に破壊するものである。

 有事法制の核心なす攻撃

 土地収用問題は、戦時体制の中心問題である。戦前の土地収用法も、収用対象事業の筆頭項目が「国防上必要となる土地」だった。現在防衛庁などが研究・準備している有事法制も、中心的テーマは「政府による土地収用」だ。
 有事法制の分野は、@人、物、土地の徴用・徴発など「国家総動員」にかかわる領域、A自衛隊(軍隊)の行動制約の撤廃、B政府機関の臨戦化、の三つの分野にまたがる(自衛隊『三矢研究』の分類)。この中の@とAの中心的問題が土地収用問題だ。有事法制がついに立法化の段階に突入したのと同時に、土地収用法改悪が動き出したことは偶然ではない。前記のように、改悪原案が収用委員会を徹底的に形がい化させたことも戦前型収用法への回帰を象徴している。
 土地収用法改悪策動は、有事法制の核心部の先取りだ。そこには国の施策に盾つくような民衆の闘争を許さないという国家意志がむき出しになっている。その意味で沖縄闘争や三里塚闘争、さらにはすべての労働者人民の階級的な闘いに対する破壊攻撃である。
 有事法制・改憲攻撃阻止の闘いの大衆的突破口を、土地収用法改悪阻止の闘いの中から切り開かなければならない。
 三里塚反対同盟と反対同盟弁護団が主催する二・二八土地収用法改悪阻止シンポジウム(1面に要項)に参加し、対国会闘争を闘い抜くことを訴える。
〔赤坂潤〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号3面3)

新連載 社会保障解体を許すな 奪われる介護・医療・年金 (1)
 全面解体への踏み切り 介護保険導入が突破口 帝国主義体制の存否問う闘い

 戦争と大失業の時代への突入の中で、帝国主義者たちは、「持続可能な社会保障」「社会保障の財政負担削減を」「自己責任を」などと言いながら、社会保障の全面的な解体に踏み込んできている。
 労働者人民が生きるためにこの攻撃を打ち砕かなければならない。今号から、都議選勝利に向けて、日帝の社会保障解体攻撃の現実をシリーズで暴いていく。第一回目は、社会保障解体攻撃の核心問題について明らかにしておきたい。

 改憲・戦争国家化攻撃と一体

 革命と反革命の二十世紀において、かろうじて延命した帝国主義は、労働者人民を資本家階級の支配の枠内におさえこむための譲歩として「福祉国家」論をもって社会保障政策を展開してきた。しかし今や帝国主義は基本矛盾の爆発の中で、ぼう大な労働者を街頭に放り出し、戦後的社会保障を投げ捨て、労働者人民に犠牲を全面的に転嫁しようとしている。
 没落帝国主義化にあえぐ日帝は、二十一世紀初頭において、憲法調査会による改憲の地ならし、有事立法、教育改革攻撃、司法改悪などを突破口に、帝国主義としての延命をかけた戦争国家化=改憲攻撃に突進し始めた。戦争国家化のための改憲攻撃と一大資本攻勢をもって戦後的な社会関係、階級的力関係の転覆をはかる攻撃が、全面的に激化している。日帝の凶暴な危機意識を体現して、都知事の権限を手にしたファシスト石原は、国家主義・排外主義・差別主義の扇動の先頭に立っている。
 日帝・森政権は一月二十五日、社会保障改革協議会を発足させた。その中で宮沢財務相は「社会保障費は一般歳出の三分の一をしめる」と露骨に給付削減を要求している。
 「社会保障構造の在り方について考える有識者会議」の最終報告(昨年十月)は、「経済効率を害した高福祉・高負担」「過剰給付やモラルハザード、既得権益化」と主張し、そうしたイデオロギー攻撃によって戦後的社会保障を否定し、それにかわって、「自助努力を基礎とした国民連帯」と「党派をこえた国民的合意」を主張している。
 同会議は「持続可能な社会保障」のために「給付削減」と「高齢者と女性も負担を分かち合い、負担の支え手を増やす」と提言し、高齢者と女性からの収奪の強化と社会保障の解体を政策の柱にしている。「障害者」や出産・育児期の女性や高齢者などを標的にして労働者の「現役世代」から分断・差別することで階級的団結を破壊し、戦後的獲得物である権利としての福祉を奪う攻撃である。

 労問研報告で日経連も要求

 この攻撃は、年金・医療・介護・福祉の全領域を社会保障とは名ばかりの戦時型の大衆収奪機構と戦時動員、国民統合の武器に変えてしまうものである。日帝の戦後的社会保障解体攻撃は、改憲=戦争への攻撃と一体なのである。
 日経連は、九五年のプロジェクト報告「新時代の日本的経営」で戦後的労資慣行の見直しを主張し、終身雇用制・年功序列賃金・企業内組合の三本柱による労資関係・階級関係の解体を宣言した。八〇年代に始まる中曽根の国鉄分割・民営化攻撃が資本攻勢の先端的攻撃であった。それ以後、全産業で首切り・リストラとパート・派遣など不安定雇用化、賃下げと新賃金制度による家族単位の生活給の解体、企業年金・健保組合・福利厚生などの労資協定改悪などが激しく襲いかかっている。
 橋本政権の九七年「六大改革」は、行政改革・財政構造改革・経済構造改革と連動して社会保障構造改革を打ち出した。社会保障費の半分をしめる年金給付では、昨年四月に改悪年金制度関連法が施行され、諸方策合計で給付額を二〇%削減している。すでに新規受給者から年金給付額の五%削減が始まっている。
 今年一月の日経連労問研報告は「多様な選択肢をもった経済社会の実現」を表題にし「果敢な構造改革」を掲げている。その特徴の一つは、「教育改革の推進」と「社会保障改革、税制改革」を独立した章にしていることだ。政府の社会保障構造改革と一体で、「社会保障改革、税制改革」を資本攻勢の重大課題としてすえてきた。また労問研報告は、「社会保障負担増大によって財政赤字が肥大化」などと警告し、「自助・共助・公助のバランス」「高齢者も応分の負担を」と主張し、国家と企業の負担を軽減して労働者人民から収奪すべきとしている。
 すでに介護保険強行に続いて、年金改悪、老人医療費改悪などが強行されている。電機連合やJR東のシニア協定など、労組の屈服をとりつけて終身雇用制や退職金と企業年金などをめぐる既得権を奪い、労働者を老後までの生涯にわたって極限的に搾取・収奪する攻撃が開始されている。
 国家財政危機と日帝経済の国際競争力回復のための国益論をもって、改憲攻撃と資本攻勢と一体で社会保障制度改悪と大増税攻撃が展開されている。

 高齢者医療費の自己負担増

 昨年四月、介護保険制度が強行された。「措置から契約へ」「高齢者自身の選択」「介護の社会化」をうたった介護保険は、「民間活力」の名によって介護を企業の営利ビジネスに投げ出し、公的責任を放棄した。介護を金銭で売買するサービスに変え、しかも利用料・保険料の形で収奪を強めることで、多くの介護が必要な高齢者から介護を奪った。「介護の社会化」はまったくのうそであり、家族の介護の負担を一層重くしたのである。
 まさに介護保険は、戦後憲法の「基本的人権」の保障、国家による生存権の保障の「義務」を解体する攻撃である。戦後的な社会保障解体の突破口である。
 昨年五月、介護保険発足をうけて社会福祉事業法などの社会福祉八法が改悪された。憲法二五条にもとづく福祉制度(措置制度という法的形態をとった)の全面解体への踏みこみが始まった。措置制度の受け皿だった社会福祉法人が見直された。二〇〇三年から二〇〇五年までの福祉構造改革がうたわれている。六十四歳以下の「障害者」の介護保険への包摂による福祉切り捨てが予定されている。
 昨年十一月には医療保険制度改革が国会を通過し、高齢者医療費の自己負担が「介護保険利用料なみ」の一〇%負担に増額された。年金・医療・介護・福祉の全面で福祉を切り捨て、大衆を収奪し高齢者にも負担を強いる介護保険方式への転換が進められている。
 大恐慌と世界戦争情勢への突入、日帝の没落と戦争国家化=改憲攻撃への踏み切り、国家財政の破綻、階級的激動期において、社会保障をめぐる闘いは戦略的課題となった。
 社会保障をめぐる階級的対決は、階級的団結と労働者人民と諸階層の連帯を強化し、資本主義・帝国主義の体制の成否を問うところまで行きつかざるをえない。なぜなら、帝国主義は失業と社会的貧困を生み出しながら、それを解決できないばかりか「社会的弱者」を分断し、差別し、帝国主義支配のテコとしている。この帝国主義を打倒することなしには労働者人民はもはや生きていけないからである。
 介護保険闘争を始め社会保障をめぐる闘いの領域は、生きるために労働者人民が、激しい大衆的決起をせずにはおかない課題である。階級闘争の重要課題として、革命党の決定的任務として闘おう。都議選勝利に総決起しよう。
〔林佐和子〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号4面1)

革命軍の2001年決戦アピール
分裂カクマルの完全打倒へ全党・全軍・全人民は攻勢を 21世紀を世界革命完遂の世紀に
 新庄 柊二

 はじめに

 二十一世紀の劈頭(へきとう)にあたり、全党・全軍は結党以来の最大の飛躍期に突入したことを戦闘的に確認する。革命軍は、二十一世紀が人類史に輝くプロレタリア世界革命完遂の時代であることを断言し、必勝の覚悟で戦う。
 昨年二〇〇〇年決戦の闘いは、労働者階級人民が時代変革の原動力であり、世界革命の主人公であることを示した。
 二〇〇〇年国鉄決戦は、二十一世紀の勝利者と敗北者を鋭く峻別(しゅんべつ)した。国労闘争団を先頭とする「四党合意」粉砕勢力の闘いは、階級的正義を原則的に貫くことが労働者階級の勝利の総決起を呼び起こすことを明らかにした。二十一世紀の勝利者がここにいる。
 逆に、反階級的な屈服、裏切り者の末路も明らかになった。国労本部=宮坂・上村一派は、現場労働者からの怒りの糾弾の嵐(あらし)の中で死の淵(ふち)に追いつめられたのである。
 カクマル反革命の大分裂と解体的危機は、黒田=松崎路線によるファシスト労働運動の破産、崩壊として、カクマルの全組織の隅々まで進行している。これは、闘う労働者階級人民、全党・全軍の闘いの蓄積の一大成果であり、血と汗でかちとった偉大な歴史的大勝利である。
 ついに全党と革命軍、労働者階級人民は、ファシスト・カクマル、権力、資本=当局の反革命制圧体制をぶち破り、闘う労働者階級の一大飛躍期に突入したことを腹の底からの喜びと燃え上がる闘争精神で戦闘的に確認することができる。
 大分裂で危機を深める反革命カクマルは、追いつめられ、のたうちまわりながら革命的労働者人民への絶望的な白色テロル衝動を強めている。全党・全軍、全労働者階級人民は、五月テーゼ、一九―二〇全総路線で完全武装し、反ファッショ解放戦争の旗のもとに結集し、全戦線で分裂カクマルを追撃し、反革命カクマル完全打倒を闘いとろう。
 全党・全軍・全労働者階級人民は、改憲阻止、六月都議戦勝利、国鉄決戦勝利と秋の労働者集会の歴史的勝利をかちとる二〇〇一年決戦に総決起せよ。「連帯し侵略を内乱へ」の戦略的総路線の全面的展開、圧倒的物質化をかちとれ。
 革命軍は、プロレタリア世界革命・日本革命の体現者として二〇〇一年決戦勝利の決意も固く最先頭で戦うことを宣言し、二〇〇一年決戦アピールを発する。

 2000年三大決戦の歴史的勝利を切り開く

 われわれは二〇〇〇年決戦を歴史的大勝利としてきっぱりと総括できる。
 それを可能にしたものは、五月テーゼ、一九―二〇全総路線に基づく二〇〇〇年三大決戦方針の提起=貫徹とその勝利である。三大決戦方針の勝利によって日帝の戦争と大失業の攻撃との闘いを前進させ、開始された改憲阻止決戦の挑戦権を戦闘的に獲得したのである。
 衆議院選挙への挑戦での勝利的地平、沖縄サミット粉砕決戦での勝利を確認するとともに、十一・五労働者集会=国鉄決戦勝利を圧倒的に確認する。
 この集会には、全国で最も戦闘的に組合運動、階級的労働運動を闘う活動家が多数結集した。戦争と大失業の激動の時代に「資本主義にノー」を突きつけて闘う階級闘争の主人公が勢ぞろいした。まさに歴史を動かす戦闘的、革命的な集会となった。
 十一・五労働者集会が国鉄決戦勝利に向けて圧倒的に成功し、日本階級闘争の戦闘的再生が本格的に始まったことを、結集した労働者階級人民の一人ひとりが確信し、二〇〇一年決戦勝利に向かって全国の職場で、地域で、戦闘的な闘いを猛然と開始した。
 国鉄決戦は熾烈(しれつ)を極めた。国家権力、JR資本、国労本部、JR総連=カクマルの反革命連合の「四党合意」攻撃を一度、二度、三度と闘争団を先頭に全国の職場の闘う仲間と支援・共闘勢力とで跳ね返し、国労再生への団結をつくり出した。〔機動隊に守られて強行された一・二七続開大会は、労働運動史上最悪の汚点を残したが、今、怒りをこめた新たな闘いが始まっている。〕
 この偉大な二〇〇〇年国鉄決戦勝利の原動力は何だったか。勝利の鍵(かぎ)はただひとつ。労働組合運動の原点に立って、ひとりの首切りも絶対に許さないという怒りだ。労働者階級の不利益を絶対に許さない階級的怒りであり、階級的正義を貫く闘いである。
 国鉄決戦方針こそが、階級的力関係を革命的に変革し、生き生きとした労働運動を復活し、決戦勝利のレールを築き、二〇〇一年決戦勝利の主体的力量を戦闘的に形成したのだ。
 この勝利の総括の第一は、五月テーゼ、一九―二〇全総路線に基づく二〇〇〇年三大決戦方針の提起と貫徹である。
 総括の第二は、反革命カクマル完全打倒への展望を切り開いたことである。
 われわれは、一九六三年カクマルとの第三次分裂以来の対カクマル戦史上、最大最高の歴史的大勝利をかちとった。
 革命軍は、凄絶(せいぜつ)な内戦的死闘の中で「流し、流された血、せん滅に次ぐせん滅戦」に立ち向かい、戦って、戦って、戦い抜いた全成果が「カクマル大分裂」として結実したことを喜びをもって確認している。われわれは、ボルテージを最高度に高めて三・一四復讐(ふくしゅう)戦貫徹=総反攻完遂、カクマル完全打倒の戦場に決起する。
 カクマルの大分裂は、黒田寛一と「黒田哲学」の壊滅的破産、大敗北を意味しており、組織解体的危機となっている。
 われわれは、この歴史的勝利を確認するとともに階級的リアリズムをもって即座に戦闘配置についている。
 つまり、カクマル大分裂の情勢は、警察=カクマル連合下でのファシスト・カクマル的制動が崩れ、闘う人民の決起と激動の開始となることから、「階級闘争の前進は密集した新たな反革命を生起させ、これを打ち砕いて前進していく」という鉄則を鮮明にさせ、警察=カクマル連合の再編強化のもとでのカクマル反革命の白色テロル的延命策動を戦闘的に確認し、粉砕するということである。
 このことは、「革命的自衛武装を一切の闘いの前提条件」として五月テーゼ、一九―二〇全総路線を貫徹することを全党・全軍の共通の確認とし、革命勢力の戦闘性、躍動性を全開させ、階級闘争を大いに闘うことを求めている。
 総括の第三は、わが革命軍が三里塚反対同盟との血盟をかけて全国の労働者階級人民と暫定滑走路工事粉砕闘争を闘い抜き、二〇〇一年十一月工事完成プランをズタズタに粉砕したことである。
 わが革命軍は、三里塚現地集会と固く連帯し、合計三波のゲリラ・パルチザン戦争を敢行し、運輸省幹部(八・二六戦闘と九・一三戦闘)、空港公団幹部(十一・八戦闘)に対して強烈な爆破・火炎戦闘を戦い抜いた。
 三里塚闘争は、日帝の戦争国家化攻撃=軍事空港化政策と航空宇宙産業を破綻(はたん)させ、全国の闘う労働者階級人民の最大最強の大衆的で武装された反戦闘争の砦(とりで)としてそびえ立っている。革命軍は、ありとあらゆる手段と方法を駆使して勝利のゲリラ・パルチザン戦争を断固敢行する決意である。
 総括の第四は、日帝の警察国家化攻撃との闘いで勝利したことである。
 二〇〇〇年三大決戦は、国家権力の七・二一弾圧体制(沖縄サミットが決定された九九年四月以降の「サミット成功」を口実に敷かれた革命党と階級闘争への解体・絶滅攻撃)をぶち破ることなくして勝利することはできなかった。
 国家権力は、二〇〇〇年「サミット成功」に向けて、十三波五百三十カ所以上の不当な家宅捜索、予防検束での不当逮捕、尾行、スパイ化攻撃、コンピューターシスタムを駆使した機器・機材の大量投入など、非合法的手段を含むありとあらゆるやり方で政治的弾圧を加えてきた。この国家権力の七・二一弾圧体制は、大衆闘争と革命党を解体する攻撃であり、矛先はその核心である地下党=革命軍解体攻撃として強力に展開された。
 われわれは、対国家権力の防衛闘争を第一の課題として白熱的攻防戦を闘い抜き、二〇〇〇年三大決戦の勝利をかちとる中で、同時に超長期指名手配攻撃をぶち破る防衛闘争の大勝利をかちとった。
 七四年一月二十四日の反革命カクマル完全せん滅戦闘から実に二十六年間に及ぶ「殺人罪」攻撃を粉砕した。沖縄サミット決戦中の四月十二日には、高田武同志が十五年間にわたるデッチあげ「爆発物取締罰則違反」弾圧攻撃を粉砕した。
 夏の革共同政治集会で四同志が壇上に立ち、非転向・不退転の革命家として全身に勝利感をみなぎらせて「国家権力の万能神話」=指名手配攻撃粉砕の感動的な勝利宣言を発した。これは、われわれ非公然・非合法を戦うものにとって、こみ上げてくる喜びを抑えることができない大勝利であり、革命党と労働者階級人民の歴史的な一大戦果である。
 「権力万能神話」を粉砕した歴史的勝利、国家権力の大敗北の核心は、全党・全軍・全労働者階級人民の防衛闘争の勝利であり、その勝利の結晶である非公然・非合法の党建設の勝利である。
 この「権力万能神話」粉砕の闘いは、日本階級闘争の中に色濃く染みついた敗北主義を粉みじんに粉砕し、労働者階級人民の闘う勇気と闘争精神を限りなく解き放ち、闘争勝利の確信を強烈につくり出すきわめて攻撃的な闘いである。
 われわれは、不当な超長期投獄と闘う同志の奪還闘争を強めるとともに、今なおデッチあげ長期重罪指名手配攻撃を加えている国家権力に激しい怒りをたたきつけ、勝利の核心である非公然・非合法の党建設の闘いを圧倒的に強化する。
 革命軍は、非公然・非合法の戦闘的実戦者として防衛闘争の最先頭で闘う。
 総括の第五は、党建設の闘いを猛然と勝利的に開始したことである。十一・五労働者集会の勝利の大半は党建設の意識的闘いの成果である。十一・五集会の圧倒的勝利、全成果を党建設の一大飛躍に転化することが求められている。革命党の最も原理的で意識的な闘いは、労働者階級の実体的組織化・量的拡大にあり、労働者階級の自己解放を基礎に共産主義をめざす労働者階級人民の階級的蜂起を実現することである。
 われわれには、十一・五労働者集会の圧倒的勝利、国鉄決戦での勝利的地平を、革命党の強化、労働者階級の組織化の意識的、計画的な闘いへの取り組みに結びつけることが最も重要な任務として求められている。さらに「労働者の中へ」を強化せよ。二〇〇一年決戦の勝利の鍵がこの任務の貫徹にかかっている。

 内戦的死闘が引き寄せたカクマル大分裂情勢

 反革命カクマルの歴史的大分裂が始まっている。松崎を先頭としたJR東労組(カクマル)は、資本への一層の投降を深め、一万人首切り攻撃の先兵となり、一方で黒田・カクマルは、黒田と「黒田哲学」を旗印に個人崇拝的のめりこみを強め、真正ファシスト集団として純化し、大分裂した。
 カクマル大分裂の情勢は、全党・全軍・全労働者階級人民のカクマルとの内戦的死闘の勝利とその土台の上で発せられた五月テーゼ、一九―二〇全総路線による闘いという、対カクマル戦争の全歴史をとおした闘いがカクマル組織を直撃し、実現した歴史的な大勝利である。同時に黒田・カクマルと「黒田哲学」の歴史的破産がこのカクマル大分裂情勢の最大の震源地であることを確認できる。
 黒田・カクマルの破産の第一は、戦略、路線の全面的破産である。
 反革命カクマルの戦略、路線の破産は、「帝国主義とスタ−リン主義の千年王国論」に象徴されるように、帝国主義とスターリン主義が歴史的有限性=限界性、制約性をもった体制であることを「永遠の彼方」に葬り去り、「革命の現実性=実現性」を強固な反革命意識で否定したファシスト戦略、路線の必然的破産として現れている。とりわけ、九一年のソ連スターリン主義の崩壊後の現代世界の対決構造の把握における支離滅裂の大混乱状態は、カクマルの戦略論、路線論の破産を加速するものとなった。
 破産の第二は、労働運動(論)、大衆闘争(論)での大破産、大敗北である。
 これは第一の破産と連動するものであり、革命の現実性を否定し、革命闘争と戦闘的労働運動に敵対するファシスト的「党づくり」の必然的破産である。
 はっきりしていることは、われわれの九一年の五月テーゼ、さらに一九―二〇全総路線で武装された国鉄決戦の前進がカクマルのファシスト労働運動、大衆闘争を闘争現場で直撃し、カクマルのファシスト性を百パーセント暴き出したことである。九九年の五・二一ガイドライン反対五万人集会での破産、六・二四組対法反対集会での「JR総連=カクマル帰れ」コールは、カクマル大分裂の直接的引き金になるようなファシスト労働運動・大衆闘争の大破産を突き出した。
 松崎・JR総連の黒田・カクマルとの大分裂は、ストレートに黒田組織論の誰にもわかる見事な理論的実践的破産だ。
 第三の破産は、わが革共同との内戦におけるカクマルの軍事的敗北と「謀略論」への逃亡、それが現実化させたカクマル組織の対立と分裂という組織的破産である。簡単に振り返ってみよう。
 (一)われわれの七〇年安保・沖縄決戦の歴史的勝利。これに対してカクマルの戦略的、路線的破産としての七一年十二・四反革命の凶行があった。
 (二)われわれは、七一年十二・四のカクマル反革命に対して「戦略的防御、対峙、総反攻」の段階的な戦争論に基づき、満を持して七三年の九・二一戦闘をもって革命的報復戦=戦略的対峙段階に敢然と突入した。
 (三)われわれのすさまじい猛攻の前にカクマルは、七四年六・三〇のホヲトク印刷粉砕戦闘から「謀略論」を叫び出した。
 われわれが対カクマル戦争の戦端を開いた七三年九・二一戦闘から一年もたたない戦争=内戦でカクマルは、事実上の敗北=「謀略論」に逃げ込んだ。
 彼らは、七四年六・三〇戦闘を「権力の仕業」だと叫び出し、われわれとの戦争的激突=内戦の唯物論的現実から逃亡し、カクマル組織をデマとペテンの観念的操作=「謀略論」で組織の立て直しに走り出した。六・三〇戦闘は、カクマル組織の崩壊的危機=「謀略論」に駆り立てた輝ける戦闘となった。
 (四)われわれは、七五年三・一四反革命という大反動をも革命的リアリズムで直視して、復讐戦突入、内戦勝利=総反攻完遂、カクマル完全打倒の戦いを貫き通した。
 (五)逆に、カクマルは三・一四凶行の反革命性・不正義性ゆえに、われわれの戦争路線の猛攻に耐えきれなかった。そして新たな「謀略論」展開に走り出した。それが清水丈夫議長の「病気、逃亡、失脚説」である。「権力の仕業」というだけではカクマル組織が戦争的現実から逃避することができないため、「中核派の内部崩壊=戦争実体の抹殺=清水失脚」説というとんでもないデマをデッチあげたのだ。
 (六)七八―七九年過程のカクマル組織内のこうしたデマ謀略による組織立て直しの狙いは、黒田の思惑とは百八十度反対に、カクマル組織内に当然にもこれを認められないとする「実感主義者」を生み出し、その代表バッターであるカクマル最高幹部・山代冬樹の逃亡・拉致=内部テロル事件にまで、組織の対立と分裂が発展していった。そして一方で「労働運動の冬の時代」と称して国鉄の分割・民営化攻撃の先兵となっていった。
 (七)以後、カクマル組織は組織の重心性を喪失し、組織的集中性を欠き、党的一致なき恒常的な対立的、分裂的集団に急速に転落し、解体的な組織的危機に陥る。目まぐるしく組織的重心が大きく揺れ動き、その度に血の粛清=内部テロルが吹き荒れた。
 八〇年代の左右の組合主義的偏向、それに対する賃プロ主義者の黒田による登用と組織支配(九一―九三年)。この過程での沖縄の古参教労幹部・高橋利雄の拉致・監禁・殺害(九二年)。九三年夏の「清算主義となじられようとも」決断した「賃プロ主義」粛清。そして九六年の黒田の議長辞任。ついには松崎・JR総連(カクマル)との大分裂にまで組織的危機が大きく発展していくことになる。
 現在、カクマル組織は修復不可能な重層的な対立、分裂、分解的様相を深めて、カクマル派結党以来の組織の解体的危機に突入している。
 (八)この間、黒田『政治判断と認識』(九九年十一月発刊)、朝倉文夫『反戦・平和の闘い』(二〇〇〇年五月発刊)など、その後も連続的にカクマル組織内で発生している組織問題(左翼的偏向、大衆運動主義者、実感主義者的存在への内部テロル的恫喝)を書いた本が出版された。カクマル組織の絶望的危機は深まるばかりである。
 (九)分裂カクマル打倒の闘いはいよいよこれからである。われわれの対カクマル戦争は、カクマルに軍事的敗北を強制し、カクマル組織をガタガタにし、その組織的重心を破壊し、カクマル組織の中に対立と分裂のくさびを打ち込んだ。われわれの五月テーゼ、一九―二〇全総路線の対カクマル戦争路線の戦略的大攻勢の闘いによって始まったカクマルの大分裂は、いよいよ音を立てて進行していくだろう。カクマルの中枢危機、全産別的危機は不可避である。
 今こそわれわれは、清水丈夫選集や『共産主義者』一二七号の仲山論文をわがものにして黒田組織論と「黒田哲学」を批判しつくし、その実践に向かって理論的、運動的、軍事的総攻撃を加え、カクマル完全打倒をかちとるであろう。

 3・14復讐戦と革命的武装闘争を貫徹しぬく

 革命軍は「二十一世紀突入、革共同の戦闘宣言」の全面的提起を党活動=軍事活動の基軸にすえて、革命軍を党の政治的軍隊として成長させ、二〇〇一年決戦のすべての領域で決起する。五月テーゼ、一九―二〇全総路線の勝利的前進と歩調を合わせて革命軍の前進もかちとることができるのである。ここでは革命軍の戦いに絞って戦闘任務を確認する。
 第一の戦闘任務は、三・一四復讐戦貫徹=総反攻完遂、カクマル完全打倒の戦いである。
 黒田、松崎、土門の三頭目の革命的処刑、三・一四復讐戦貫徹=総反攻完遂、カクマル完全打倒の戦いは、革命軍の最も厳粛な戦闘任務であり、階級的使命をかけた戦いである。
 三・一四反革命とは、革命党の党首暗殺として実行された、革命党ならびに闘う労働者階級人民全体に加えられた階級的絶滅攻撃である。わが革命軍は、三・一四反革命を許さず、わが手で三頭目の革命的処刑を必ず実現する。
 革命軍は、五月テーゼ、一九―二〇全総路線の旗のもと、革命軍の戦争=戦闘方針を明確にさせて戦う。
 三・一四復讐戦を強固に戦うことはもとより、革命軍は、改憲阻止闘争へのカクマルの敵対、特に六月都議会選挙への反革命カクマルの白色テロル的妨害策動に対しては、強力な赤色テロルの猛攻を発動することを決定している。
 革命軍は、カクマル大分裂情勢を好機とし、鍛え上げた赤色テロルを渾身(こんしん)の力をこめて反革命カクマルの頭上に炸裂(さくれつ)させ、カクマル完全打倒を戦い取る。
 第二の戦闘任務は、三里塚闘争勝利、革命的武装闘争=ゲリラ・パルチザン戦争の戦いである。
 「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」の戦略的総路線の闘いの最前線に三里塚闘争がそびえ立っている。
 三里塚闘争は、日帝の戦争国家化政策=治安政策を最も攻撃的に粉砕している偉大な革命的反戦闘争である。三里塚闘争は、階級的正義を貫く大衆性、武装性をもちあわせた革命的階級闘争である。
 わが革命軍は反対同盟との血盟にかけて、「二〇〇一年十一月工事完成=三里塚闘争解体」攻撃を粉みじんに粉砕するゲリラ・パルチザン戦争方針を決定し、作戦行動に入っている。
 第三の戦闘任務は、防衛闘争である。
 没落の危機にあえぐ日帝は、日米争闘戦の激化のもとで戦争国家化攻撃を加速させ、改憲攻撃を強めている。
 改憲情勢の現実化は、戦後最大最高の階級決戦情勢を加熱化し、日帝の治安攻撃を激化させるものとなっている。日帝・国家権力は、改憲攻撃=階級決戦情勢の到来に合わせて、この五年間で警察官の一万数千人の増強を決定し、また、対武装ゲリラ対策として「警察庁と自衛隊との協定」を結び、戦時的治安体制づくりを強行してきている。
 全党は、革命的武装自衛戦争をすべての闘いに優先すべき闘いとして、全力で闘い抜こう。革命軍は、階級闘争の勝利の体制づくりとしての非公然・非合法体制建設の最前線で闘う。
 第四は、建党・建軍の闘いである。
 革命情勢の現実化は、革命軍の生命活動である「建党・建軍」闘争を死活的に求めている。革命軍は、党=路線の政治的軍隊として階級的武装を強化する。

 党の政治的軍隊として革命軍を建設しよう

 革命軍の精鋭的確立をかちとるための第一の闘いは、党=路線の軍隊、革命軍を党の政治的軍隊として形成していくことを原点的に確認することである。
 党の政治的軍隊建設の闘いは、党活動の三原則(会議、機関紙、財政)とりわけ会議の定期的開催とマルクス主義、レーニン主義の理論学習をかちとる闘いの貫徹から始まる。
 革命軍は、会議開催を武装された軍事行動として闘い取ることから始まり、党活動三原則を実現するものとして、会議での白熱的討論(相互批判・自己批判)をもって方針の決定=貫徹の闘いをかちとり、次回の会議開催=再会を誓い合って一回ごとに決戦を闘い取っている。革命軍の最大の闘いは会議と会議の開催=貫徹の闘いである。
 第二の闘いは、防衛闘争を死活的に闘うことである。その勝利のポイントは、全党・全軍と全労働者階級人民が共同闘争的に非公然・非合法闘争を闘い、習熟することである。この闘いこそ、国家権力の最後の弾圧である革命党の非合法化攻撃を根底から打ち破る闘いである。
 防衛闘争勝利の三つの確認をしたい。
 (1)「人民の大海」の形成が決定的である。この闘いでは、党が労働者階級人民への防衛責任をとおして彼らの信頼をかちとることで、初めて労働者階級人民の支援、結集が可能になることを確認するものである。戦闘的で原則的な防衛闘争をあらためて決意する。
 (2)公然部門の同志の非公然・非合法闘争の習熟の闘いこそが、圧倒的に非公然・非合法体制を防衛、強化するということである。
 非公然部門の生命活動の過半は、公然部門の同志の闘いによって維持・強化されている。財政的支援、機関紙の定期的発行はもとより、公然部門同志の国家権力の包囲・追尾を粉砕する戦闘的闘いによって、非公然部門への国家権力の突撃路の過半を粉砕できるからである。
 (3)革命軍は、脈管活動を重視し、防衛闘争の最大の闘いとして貫徹し、非公然・非合法体制を強化する。
 脈管活動とは、党活動三原則を貫徹する革命的活動=生命線的活動そのものである。したがって脈管活動は国家権力との熾烈な戦場そのものである。
 脈管活動を蜂起的に闘い、党派性を養い、組織性を培う最大の組織建設として闘う。革命軍は、公然部門の同志と勝利に向かって心をひとつにして非公然・非合法党建設の闘いを推進する。
 第三の闘いは、対カクマル情報戦争である。この闘いは、党と革命軍が反革命カクマルの組織的、運動的、理論的弱点を掌握し、最も有利な手段と方法で戦略的打撃力のある対カクマル戦争を自由自在に発動することを可能にする。全党・全軍は対カクマル情報戦争に総決起しよう。
 第四は、戦闘=戦争任務の貫徹である。革命軍は「戦争は戦争で養う」の鉄則を厳守する。
 革命軍は、大衆闘争の爆発的闘いを支える戦略的攻撃体制として、対カクマル赤色テロル戦、対三里塚革命的武装闘争を、全党、労働者階級人民の武装と武装闘争の意識的推進者として、武装と武装闘争の先陣を切って戦う。
 最後に、革命軍は、国家権力による超長期拘禁攻撃=「革命家抹殺攻撃」と対決して獄中闘争を不屈・非転向・不退転に闘う同志、またデッチあげ指名手配攻撃と闘う同志と固く連帯し、二〇〇一年決戦を戦う決意だ。
 ここに革命軍は、カクマル大分裂情勢を党と革命勢力の歴史的一大飛躍期として、反革命カクマルの白色テロル策動を正義の赤色テロルで粉砕し、二〇〇一年決戦を決意も固く激烈に戦う戦闘宣言を発する。ともに戦おう!

------------------------TOPへ---------------------------

 

週刊『前進』(1993号5面1)

2001年 戦闘的学生運動の任務
改憲阻止決戦の歴史的爆発と都議選決戦の勝利をかちとれ
 革共同中央学生組織委員会

 はじめに

 学生戦線は、本紙新年号政治局論文の「二十一世紀を共産主義社会への移行をかちとる世紀に」を始めとしたすべての提起を「階級の深部で、階級の全実存、そこからの怒り、悲しみ、悔しさ、喜びを真に共有する」立場から主体的に把握し、“闘う大衆゜として労働者階級と全学生の真っただ中に躍り込み、物質化する闘いの最先頭に立つ。
 学生戦線の任務は何か。第一は、新年号政治局論文で武装し、二〇〇一年決戦に決起することである。
 新年号は、二十一世紀冒頭において帝国主義の基本矛盾の侵略戦争・世界戦争としての爆発の切迫を明らかにし、それに対して反帝国主義・反スターリン主義世界革命が必ず勝利することを高々と宣言した。学生戦線は、この戦闘宣言に圧倒的確信を持って、二十一世紀の早い段階で反帝国主義・反スターリン主義世界革命を闘いとる決意を圧倒的に打ち固めた。新年号の精神と立場で武装し、労働者階級、学生の中に飛び込もう。
 第二は、改憲阻止決戦の大爆発と都議選決戦の勝利をかちとることである。
 「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」のスローガンが決定的だ。「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!」「米軍基地全面撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」と合わせた三本のスローガンを全面的に物質化する時代が到来した。没落帝国主義へと転落した日帝の絶望的な戦争国家化=改憲攻撃を粉砕し、革命的情勢をたぐりよせ、日帝打倒へ突き進もう。そしてそのためにも、自民党政治・既成政党の腐敗と閉そくを荒々しく突き破って革命的議員を獲得しよう。
 第三は、改憲阻止決戦と大学闘争を両輪的に闘うことである。これが、革命的情勢の急速な接近に対する学生戦線の重要な歴史的任務だ。国立大の独立行政法人化阻止闘争や学費値上げ阻止闘争など大学闘争を闘い、全国学生の根底的な決起をかちとろう。
 第四は、分裂したファシスト・カクマル完全打倒の闘いに総決起し、全国大学から学生カクマルを打倒・一掃することである。
 カクマルは、JR総連を失い、全面的な党の解体的危機に突入した。カクマル完全打倒の絶好機が到来したのだ。黒田ファシスト哲学を粉砕し、カクマルを打倒して全国学生戦線の歴史的統一を実現しよう。
 第五は、転向日共・民青と分裂カクマルを打倒し、全国大学に学生自治会を建設することだ。党勢倍増をかちとり、全国学生戦線の歴史的統一を実現しよう。
 二十一世紀冒頭の十年は没落帝国主義化した日帝の絶望的延命路線である改憲攻撃を粉砕し、朝鮮侵略戦争を阻止するのか否かをかけた決戦だ。その帰すうは二〇〇一年決戦で決まる。
 闘うアジア人民、沖縄人民との連帯を貫いて、改憲阻止決戦、都議選決戦、階級的労働運動の大前進をかちとり、反帝国主義・反スターリン主義世界革命に向かって進撃しよう!

 教育改革=改憲に突き進む反動と腐敗の森政権打倒へ

 今年前半の階級攻防は、七月参議院選・六月都議選に向かって激しい政治決戦に突入している。元首相・中曽根は、「通常国会は『教育国会』として各党間で教育全体の論戦を国会で誘導し、五月のゴールデンウィークまでに、その論戦の結果として、各党に『教育基本法改正要綱』をまとめてもらう。そして、夏の参議院選挙は、その要綱の下に争い、国民審判を受けて、政府は秋に教育基本法の改正に前進すべき」「志の合う者が大同団結し、教育基本法とか憲法の問題で連合勢力をつくる。その時は、自民党も民主党も党を割らなければいけない」などと、参議院選挙を軸にして日帝の戦争国家化とそこに向けた反革命的階級戦争を絶叫している。
 一月三十一日に開会した通常国会の施政方針演説で、森首相は今通常国会を「『日本新生』のための改革国会」と位置づけ、「明治維新、戦後改革に次ぐ、第三の抜本的改革を実行し、日本の再生を図っていく」と決意を表明した。日帝・森政権は、戦争国家化=改憲に向けた全面的な攻撃を打ち出してきたのだ。
 施政方針演説は、第一に、国家財政を投じた恐慌対策や「IT革命」の推進とともに、労働者階級への全面的な資本攻勢を表明した。第二に、通常国会への奉仕活動の導入や教育労働運動解体のための教育改革関連法案の提出と教育基本法改悪方針を表明した。第三に、福祉切り捨てと社会保障制度の全面的解体攻撃を打ち出した。第四に、一月の中央省庁再編に続いて、公務員制度改革や司法制度改革など戦争国家化攻撃に全力をあげることを表明した。第五に、アジア侵略外交を打ち出し、それと一体で新安保ガイドライン体制の確立と名護新基地建設、有事立法制定に突き進むことを表明した。
 まさに、これは日帝の朝鮮・中国侵略戦争参戦に向けた全面的な戦争国家化攻撃ではないか。森政権は、戦争国家化に向けて突き進む最凶悪の反動政権である。七月参議院選挙までの通常国会は戦争国家化をめぐる激しい政治決戦過程だ。その最大の攻防である教育改革攻撃を粉砕し、日帝・森政権を打倒しよう。
 KSD(ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団)汚職と機密費疑惑に対する労働者人民の怒りをたたきつけよう。自民党は、KSDを使って中小零細企業とそこで働く労働者・家族から膨大な金をだましとり、アジア人民を強制連行して強制労働をさせ、差別的に使い捨てにし、膨大な金をむしりとって、政治支配を維持してきたのだ。絶対許せない。自民党政治を含めた一切のブルジョア政治支配を労働者人民の闘いで打倒しようではないか!
 二〇〇一年改憲阻止決戦の方針は何か。
 第一は、戦争国家化に突き進む日帝・森政権を革命的大衆行動の爆発で打倒することだ。
 KSD汚職で腐敗にまみれた森政権に怒りのデモをたたきつけよう。
 六月都議会議員選挙は、森政権とその先兵であるファシスト石原都政と対決する政治決戦だ。都政を革新する会のけしば誠一候補の絶対勝利をかちとろう。
 第二は、憲法第九条破棄を核心とした改憲攻撃を根底から粉砕することだ。
 全政党が憲法第九条破棄は当然だと主張している。憲法第九条を破棄するということは、日帝が朝鮮・中国侵略戦争に参戦するということだ。あらゆる改憲論と対決して改憲攻撃を粉砕しよう。憲法調査会粉砕の闘いに決起しよう。
 第三は、教育基本法改悪と教育改革関連法案を粉砕する大衆闘争の爆発だ。
 森政権の教育改革攻撃は戦争国家化に「魂」を入れるものであり、改憲攻撃と一体だ。卒業式・入学式をめぐる「日の丸・君が代」攻防に勝利し、連続的国会闘争で教育改革攻撃を粉砕しよう。
 第四は、土地収用法改悪を始めとした有事立法制定を阻止し、ガイドライン体制の実体的確立の攻撃を粉砕することだ。
 土地収用法改悪は、国家の土地収用権を戦前なみに強化する、沖縄米軍用地特別措置法改悪と一体の土地強奪法だ。行き着く先は、土地の徴発に加えて人、モノを徴用・徴発するという国家総動員体制の確立だ。二・二八国会デモに決起し、三月三里塚現地闘争の大爆発をかちとろう。
 第五に、名護新基地建設を阻止することだ。
 日帝は、代替施設協議会で具体的工法の検討に入っている。全学連沖縄現地行動隊を先頭に名護新基地建設を阻止しよう。
 学生戦線の今年前半の最大の政治決戦方針は、教育改革を始めとした戦争国家化に突き進む日帝・森政権打倒に向かって、五月中央政治闘争に総決起をかちとり、六月都議選決戦の絶対勝利をかちとることだ。
 そしてさらに、八・六−八・九反戦・反核闘争の大爆発に向かって闘おう。

 没落帝国主義化した日帝の改憲と戦争国家化の大攻撃

 憲法9条破棄は侵略戦争への道

 日帝が憲法第九条を破棄するということは、完全武装した自衛隊を派兵し、アジア人民を虐殺するということだ。南京大虐殺、強制連行・軍隊慰安婦政策を再びくり返すということなのだ。沖縄戦やヒロシマ・ナガサキ、徴兵制や学徒出陣、勤労動員を再びくり返すことなのだ。こんなことを許してよいのか!
 日帝の戦争責任を追及し、戦後補償を要求するアジア人民の怒りの決起を支援し、連帯して闘おう。朝鮮・中国−アジア人民との国際主義的連帯を貫いて、日帝の改憲攻撃を粉砕しよう。「アジア侵略、オキナワ、ヒロシマ・ナガサキをくり返すな!」を掲げ、改憲攻撃を粉砕する巨大な反戦・反安保闘争を爆発させよう。
 日帝は、ついに憲法に手をかけ、侵略戦争に突き進まなければならないほど危機を深めている。日帝の改憲攻撃を粉砕する闘いは、〈日帝を帝国主義として成り立たない状態〉にたたきこむ闘いだ。日帝がついに憲法第九条を破棄して戦争をやるというのであれば、労働者階級人民は、戦後革命期の総括をかけて、闘うアジア人民と連帯し、沖縄人民と連帯し、改憲阻止決戦を爆発させ今度こそ日帝を打倒するのだ。

 沖縄闘争と一体で改憲粉砕を

 情勢の特徴と敵の攻撃の方向はどういうものか。
 第一に、二九年型世界大恐慌の現実化と日米争闘戦の激化の中で、日帝は没落帝国主義化を極度に強め、改憲攻撃に絶望的に突進する以外にない。
 今日の日帝の根底的な危機は、米帝との対立が激化し非和解化しているのに、それに対応する日帝としての政治体制・政治路線の確立の試みが、即座に対米矛盾の極限化を引き起こさざるをえないところにある。だが、日帝にとってどんなに絶望的であろうとも、体制的危機からの反革命的生き残りをかけて、米帝的戦後世界体制および敗戦帝国主義としての戦後日帝体制に対する右からの現状打破=改憲攻撃に向かって突き進む以外にないのだ。
 第二に、米・日帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争の歴史的切迫情勢である。
 米帝は、中国スターリン主義の体制的危機爆発の不可避性、朝鮮半島の三八度線崩壊の不可避性をにらみつつ、中国制圧、北朝鮮転覆、米帝管理の南北統一を狙い、日帝の独自的アジア勢力圏化を絶対に阻止する戦略から、朝鮮侵略戦争策動を展開している。
 米帝は、北朝鮮の体制的崩壊と南北統一への激動的展開をめぐって、南北朝鮮人民の決起が爆発することや、それが日帝の朝鮮半島介入の契機となることを恐れている。昨年六月の南北首脳会談は、金大中・金正日の思惑を超えて、南北朝鮮人民の統一への要求を高揚させ、朝鮮情勢の激動化を促進している。南北首脳会談は、本質的には米日帝の朝鮮侵略戦争切迫情勢を一層強めているのだ。
 こうした展開に日帝は追いつめられ、アジア勢力圏化と改憲攻撃=侵略戦争政策へ絶望的に突進するしかなくなっている。米日帝の朝鮮・中国侵略戦争は一層切迫しているのだ。
 第三に、新安保ガイドラインの歴史的な決定的転換性である。
 九九年新安保ガイドライン関連法の成立は、戦後憲法体系を破壊するものであり、対米対抗的な改憲攻撃への決定的なふみきりであった。新安保ガイドラインでは、日本が直接武力攻撃を受けていない場合でも、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態(周辺事態)」と言って、朝鮮・中国侵略戦争に突入するとした。「周辺事態」とは、かつて日帝が、一九三一年の柳条湖事件を「満州事変」と言い、「満蒙は帝国の生命線」と叫んで、侵略戦争を行っていったことと同じ論理なのだ。日帝は、ついに「合法的」に海外侵略出兵の論理を得たのだ。これは、日帝の戦後史の歴史的大転換である。
 第四に、ガイドライン体制の実体的確立の攻撃が一挙に進んでいることだ。
 次期防は、「侵略戦争を遂行することのできる自衛隊」への転換の大攻撃だ。戦場を朝鮮半島や台湾海峡に想定しなければ必要のない空中給油機や軽空母を導入するなど、自衛隊を侵略戦争遂行型の軍隊へと大改編しようとしている。重大なことは、森政権が有事立法制定に向けて関係省庁の検討会議を設置し、国会提出を策動していることである。
 第五に、戦争国家化の全面的な攻撃である。
 @中央省庁再編と地方分権、A教育改革、B司法制度改革、C治安弾圧立法制定、D階級的労働運動解体、E基本的人権の否定、F社会保障制度解体、G国籍法改悪など、戦争国家化攻撃が激化している。
 しかし、日帝が新安保ガイドライン発動=朝鮮・中国侵略戦争に参戦するためには、依然突破しなければならない壁があるのだ。
 一つは、集団的自衛権行使の承認とそのための憲法第九条破棄である。
 今や、憲法第九条の存在が新安保ガイドライン体制の確立にとって完全に桎梏(しっこく)となっている。だからこそ、日帝は憲法第九条破棄に向かって攻撃を開始したのだ。
 ファシスト石原は、憲法調査会で「憲法を歴史的に否定せよ」と憲法破棄を国会に迫った。自民党・各派閥、民主党や自由党が改憲試案・改憲基本方針を打ち出し、各政党が改憲を競い合っている。共通しているのは一つに、自衛のための軍隊の保持である。二つに、集団的自衛権の承認である。三つに、国連軍参加である。四つに、有事立法制定である。日本共産党スターリン主義が「有事の際の自衛隊活用」を承認したことは、憲法第九条第二項(戦力不保持・交戦権否定)が改憲の焦点になっている中での決定的な裏切りであり、改憲攻撃を加速させるものである。
 いま一つは、沖縄闘争の圧殺と名護新基地建設攻撃である。
 名護新基地は、新安保ガイドライン体制における新たな沖縄米軍基地であり、朝鮮・中国侵略戦争の最前線基地だ。それは同時に、報復反応としてのミサイル攻撃を真っ先に受ける基地の島ということを意味する。再び沖縄人民に本土防衛の盾になれという日帝の沖縄差別政策をどうして許すことができるか。
 年初の外出禁止令解除以来繰り返される米兵犯罪・米軍事故を怒りをもって断罪する。沖縄人民の怒りは、米軍基地の撤去を要求して、九五年十月以来の規模で大爆発しようとしている。それは米日帝の朝鮮侵略戦争体制、戦争国家化=改憲の核心を打ち抜く闘いだ。沖縄人民と連帯し、名護新基地建設阻止の闘いと改憲阻止闘争を一体のものとして闘おう!

 学生を再び戦場に送る森の教育改革攻撃を粉砕しよう

 そして、何よりも憲法第九条破棄を核心とした改憲=戦争国家化攻撃の最大の突破口が教育改革攻撃だ。
 闘いの任務は第一に、改憲の突破口=教育基本法改悪を粉砕することである。
 中曽根は、「連合国の占領下で教育基本法がつくられた」「現行憲法も教育基本法も、日本解体の一つの政策」「日本民族の歴史や伝統、あるいは家庭に言及せず、国家、あるいは共同体に正面から向き合っていない」「戦後の教育改革は、魂と背骨がないことが根本的欠陥だった」などと言っている。さらには、教育基本法改悪を米帝的戦後体制を打破する突破口と位置づけ、国家に身も心もささげる日本人を育成することが戦争国家体制に「魂」を入れることだとも主張している。自己を犠牲にして国家に奉仕することを強制する「奉仕活動の義務化」の狙いがここにある。行き着く先は徴兵制の導入だ。
 かつて、教育勅語は子どもたちに「天皇のために死ぬ」という価値観を暴力的にたたき込むためにあった。戦争と教育は一体の関係にあるのだ。日帝の教育改革の狙いは、戦前型の愛国心教育、国家主義教育への転換なのだ。
 第二に、教育労働運動解体を許してはならない。
 中曽根は、「日教組自体がマルキシズムの影響を強く受けて、共同体というものを『右翼的』との一言で片づけてしまい、国家観というものを否定した」「階級闘争史観で教師聖職論は捨てられた」と教育労働運動を憎悪し、その解体が教育改革の核心であると言っている。そしてファシスト石原を先頭に、産経新聞や右翼団体などが、日帝の教育改革攻撃の先兵として、闘う教育労働運動への襲撃を開始している。
 これは言い換えれば、「教え子を再び戦場に送るな!」を掲げた教育労働運動の存在が戦争と改憲を阻止してきたということだ。すでに、時間内組合活動に対する賃金返還請求など、教育労働運動解体攻撃が激化している。卒業式・入学式での「日の丸・君が代」強制をめぐる攻防に勝利し、闘う教育労働者の排除を始めとした教育改革関連法案を粉砕しよう。
 第三に、日帝は戦後的な国家・社会・規範の崩壊に危機感を持ち、ファシスト的国民運動の展開によって教育改革を行い、強権支配体制=戦争国家体制を形成しようとしている。その先兵=ファシスト石原の「心の東京革命」を粉砕することである。
 今日、青年・学生、子どもたちは、日帝の激しい競争と管理、共同性の破壊と激しい抑圧の攻撃にさらされ、自己の人格を否定され踏みにじられながらも必死になって対決している。子どもたちの行動がさしあたりどんなに否定的な表現をとろうとも、それは今日の日帝社会に対する拒絶であり、人間的あり方の回復を求める人間的叫びなのだ。
 教育現場では、管理教育の徹底や人柄までも評価する内申書重視などが、子どもたちに本来の自分を抑圧して「良い子」を演じさせている。バブル崩壊と九七年以後の恐慌情勢の中で、子どもたちは将来の展望が見いだせず、しかも子ども同士の競争があおられている。戦争や首切り、政治家や官僚の不正・汚職などがまかりとおっていながら、「やさしさや思いやりが必要」などと道徳教育が強制されている。大失業攻撃の現実が親と子どものきずなさえも奪っている。
 このような中で、子どもたちは、自尊感情や自己肯定感を持ち表現することが奪われ、自己否定感を持たされている。これらがいじめや不登校、「少年事件」などの最大の原因となっているのだ。
 日帝が、このような現実を子どもたちに強制してきたのだ。そのことを居直り、逆手にとって、教育改革を行い、戦争国家化に突き進むなどどうして許せるか! 「問題をおこす子」を教室から排除し、エリート教育を推進することなど断固粉砕せよ!
 第四に、自由主義史観グループの連中らが「教科書問題」でファシスト運動を展開し、労働者階級人民を排外主義に組織しようとしていることを絶対に許してはならない。
 自由主義史観グループは、「新しい歴史教科書をつくる会」が作成した、日帝の侵略戦争や植民地支配を賛美し、改憲をあおりたてる教科書を検定で採択させるためのファシスト運動を全国で展開している。排外主義の扇動との対決が問われている。闘う朝鮮・中国−アジア人民と連帯し、自由主義史観グループのファシスト運動を粉砕せよ!
 闘いの方針の第一は、教育改革関連法案粉砕の連続した国会行動をたたきつけ、その成立を絶対に阻止することである。教育基本法改悪粉砕の政治決戦をたたきつけよう。
 第二に、日帝・森政権による「日の丸・君が代」強制などの教育現場における攻防に勝利することである。学生戦線は、闘う教育労働者の闘いに学び連帯して闘おう。
 第三に、学生戦線を先頭に教育改革を粉砕する青年・学生、子どもたちの自己解放的な怒りの決起をかちとろう。
 第四に、国会、学校・地域、キャンパスを結んで、ファシスト国民運動を粉砕する全人民運動のうねりをつくり出そう。

 独法化と学費値上げ粉砕し学生自治会運動の大飛躍を

 日帝の改憲攻撃の一環として、戦後的大学のあり方を最後的に解体し、国家利害を全面的に貫徹する大学へと転換させる攻撃が国立大の独立行政法人化を始めとして激化している。
 ここで日帝が狙っていることは、第一に、対米争闘戦の観点から国家戦略・政策にそった研究を行う大学への改編である。
 日帝は、没落帝国主義への転落原因を大学の研究が国家の要請に応えていないからであるとして、国立大の独立行政法人化によって大学間競争を激化させ、予算を武器に大学をふるいにかけようとしている。独法化で、各大学は生き残りをかけて自ら進んで国家政策を担わざるをえなくなっていく。これは、私立大学にも激しい競争をもたらす。
 第二に、国家や企業が要求する人材の育成である。
 一つは日帝の国家政策を最先頭で実現するエリート教育であり、二つは「エンプロイヤビリティ(雇用されえる能力)」を身につけさせる教育であり、三つは学生の奉仕活動への積極的組織化・動員である。
 戦後的大学の最後的解体と戦時型大学への転換は、大学の主人公である学生主体を否定し、学生自治を否定する。教育投資は当然の自己投資として授業料が大幅に値上げされていく。寮などの厚生施設やサークル活動なども国家や企業に必要ないとして制限・破壊される。学生が労働者人民解放の思想を獲得する欲求は否定され、国家や企業が必要とする研究と人材育成が要求されるのだ。
 だが、このような大学改革攻撃に対する全国学生の人間的な怒りの決起は不可避である。今こそ、全国大学に闘う学生自治会をうちたてよう!

 全国の大学からカクマル一掃を

 今や、学生運動の高揚期が確実に到来している。改憲阻止闘争への決起、国立大学の独法化や学費値上げに対する全国学生の怒りの決起は不可避だ。
 この中で、学生戦線における党勢倍増を実現する最大の環は、転向・日共=民青、分裂カクマルを全国大学から一掃して、全国大学に学生自治会をうちたてることだ。全国大学を対象化し、各地方での拠点化の構想、計画、政策を立案し実行しよう。
 全学生を対象とした学生自治会運動は“闘う大衆゜の実践そのものであり、学生の怒りや苦闘、喜びを共有し、学ぶことがますます重要である。この立場で闘うことが学生戦線の自己変革と党勢倍増にとって決定的なのだ。
 わが学生戦線の意気揚々たる二〇〇一年決戦への吶喊(とっかん)の対極で、カクマルのエセ全学連委員長・飯田は、反革命通信『解放』紙上で、エセ全学連の惨状を消耗感をもって吐露している。
 このことは、開始された革命的激動の中で、カクマル学生組織全体が学生大衆から拒否され完全にはじきとばされていることを示している。しかも、これに対して飯田はあろうことか「困難な時代」「学生の意識も総体として右傾化」「ブルジョア的“社会道徳゜さえもがすたれている」などと言って、労働者階級、学生に対してファシスト的憎悪をつのらせている。これこそ、黒田哲学・黒田組織現実論の破産を示す事実だ。そしてますます帝国主義の擁護者、戦争政策のファシスト的先兵に転落していくのだ。
 今こそ、カクマル学生戦線に黒田哲学の死を突きつけ、カクマルとJR総連の大分裂に引き続き、カクマル学生戦線を大崩壊にたたき込め!
 分裂カクマルを完全打倒し、全国学生戦線の歴史的統一を実現しよう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号5面2)

 2001年日誌 阻もう! 改憲=戦争への動き 1月31日〜2月6日
 関係省庁で有事法検討会議 4軍調整官が「弱虫」と暴言

●第151通常国会始まる 第一五一通常国会が召集され、森喜朗首相が衆参両院本会議で施政方針演説を行った。森は教育改革の推進などのほか、有事立法について、「自衛隊が文民統制のもとで、国家、国民の安全を確保するために必要であり、検討を開始する」と述べた。(31日)
●米で「2正面戦略」転換求める報告書 米議会の超党派政策提言グループ「二十一世紀の国家安全保障委員会」が、二つの戦争に同時に勝利するという「二正面戦略」の転換を求める報告書を発表。報告書は「二つの勢力が同時に米国に武力で挑むという事態の発生は、現時点では想定が困難」と、同戦略を転換して部隊の迅速な遠征能力を高めることを最優先課題とするよう求めた。(31日)
●自民・国防部会で海兵隊削減も論議 アーミテージ米国務副長官らがまとめた報告書を受け、自民党の国防部会が、アジア・太平洋地域に展開する米軍兵力構成や関係国も含む新たな安全保障体制について検討する中で、在沖海兵隊を含む在日米軍兵力の見直しについて取り上げ、今年四月までに考え方をとりまとめる予定が明らかに。(1日)
●沖縄基地問題を国連に
米軍基地問題について、市民外交センター、沖縄市民情報センター、琉球弧の先住民会の三団体が「沖縄に関する報告書」をまとめ、国連機関の人種差別撤廃委員会へ提出。人種差別撤廃の視点で基地問題を掘り下げ、「琉球併合」(琉球処分)までさかのぼり日本政府による「沖縄差別」の実態を解き明かす。(1日)
●有事立法の検討会議設置 政府は、有事立法に向け関係省庁による検討会議を設ける方針を固めた。検討会議は内閣安全保障会議の下に置き、官房長官を中心に総務省、国土交通省、外務省などの関係省庁の局長級で構成する。また各省庁にあらためて所管法令の「問題点」について見直すよう指示する方向で検討している。(1日)
●「昔は軍隊が通過儀式だった」 町村文科相が、奉仕活動の義務化について、「(全大学を秋季入学にして)空いた半年に奉仕活動をやる。やった人には投票権を十八歳まで引き下げてもいい」「自衛隊の人に聞くと、三カ月で間違いなく変わる。昔は軍隊が(大人への)通過儀式だった」と述べた。小中学校では、授業で「強制的でもやれば効果がある」と義務化に意欲を示した。(2日)
●「報道は感情的」と駐日大使 トーマス・フォーリー駐日米国大使が、相次ぐ米兵犯罪について「大変遺憾であり、過小評価できない。ただ、事件・事故に対する報道は、時に非常に感情的なことがある」などと述べた。(2日)
●自衛隊と警察が共同訓練実施へ 防衛庁と国家公安委員会が二〇〇一年度に、自衛隊と警察の共同訓練を実施する方針を決めた。昨年の治安出動に関する新協定の締結を受けたもので、武器を使用した共同訓練は初めてとなる。(2日)
●「今後は政府全体で」と防衛庁長官 斉藤斗志二長官が、森の施政方針演説の有事立法の検討開始表明について「今までの検討は、防衛庁限りという判断をしていたが、今回の演説により、政府全体で取り組むようになったと理解している」と述べた。(2日)
●浦添市長選始まる 任期満了に伴う沖縄県浦添市長選挙が告示され、新人で元法政大学沖縄文化研究所所長の比嘉実候補(無所属)、新人で元県議会議長の儀間光男候補(自民、保守推薦、公明支持)、前市長の宮城健一候補(社民、社大、共産推薦)の三人が届け出た。宮城候補が唯一、那覇軍港の浦添移設反対を訴えている。(4日)
●自衛隊機が成田空港を使用 インド西部大地震の被災地に物資を送るため、陸自の隊員ら八十九人が乗った空自のC130輸送機六機が成田空港を出発した(写真)。自衛隊の軍用機が成田空港を使用するのは初めて。(5日)
●4軍調整官が知事らを「弱虫」と暴言 在沖米軍のトップで在日米海兵隊司令官を兼ねるアール・ヘイルストン四軍調整官が、部下の司令官らに「(金武町で起きた米兵事件は)反基地主義者に攻撃する自由を与えた。知事や副知事、吉田町長、国会議員らは先週、私に対し『私たちはあなたの努力を理解し評価します』と言いながら、扇動的で(米軍が)損害を受ける県議会決議を可決するとき彼らは何もしなかった」と口汚ない俗語で「弱虫」とののしるメールを送っていたことが明らかに。(6日)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号6面1)

前進経営局からのアピール 「読ませたい人」に総あたり機関紙拡大で党勢2倍化へ 

 「二十一世紀のできるだけ早い時期に世界革命を実現するために総決起しよう」という『前進』新年号政治局アピールは、闘う労働者人民に歓呼の声で迎えられている。革共同による二十世紀の総括と二十一世紀の課題の鮮明な提起は、内外に反響を呼んでいる。国鉄戦線の拠点職場の同志は、「カクマル問題を説明するには『前進』を勧めるのが一番だ」と語っている。『前進』は労働者人民に求められており、拡大の意欲は高まっている。この先進的に始まった拡大闘争を、教育改革粉砕・森政権打倒闘争、都議選決戦の激闘の中で全党が実践し、日常的機関紙活動へと踏みだすこと、ここに党勢倍増の環がある。

 労働者は今、闘う政党を求めている

 『前進』新年号の労働者人民へのバラ売りと宣伝紙は四けたにのぼった。ある地方委員会だけで五百部を超えた。いくつもの書店で売り切れ、追加注文となった。『前進』新年号をテーマとした地区総会の熱気の中から、労働者同志が自分の組合事務所に行って組合委員長への定購オルグに決起し、組合での定期購読に成功した。
 まさに今、『前進』拡大の絶好機が到来している。
 第一に、二〇〇〇年決戦の勝利である。
 二〇〇〇年決戦の全過程をとおして、革命的情勢の接近に対して革命的大衆行動を復権し、革命的大衆行動の論理と実践が階級の要求・利益と融合する素晴らしい情勢を切り開いた。
 国鉄決戦と十一月労働者集会への決起を始めとした二〇〇〇年決戦のすべては、どのような反動にも屈しない労働者人民の不退転の決起の始まりであった。
 第二に、党派的確信である。既成のすべての党派・潮流が、帝国主義の危機と攻撃の激化を前に屈服・転向し、分裂を深めている中で、革共同が、ただひとり二十一世紀に勝利者として躍り出ることができた。
 日本共産党は、有事の自衛隊の活用を認め、改憲派への転向をとげた。史上最凶悪のファシスト集団・反革命カクマルは、黒田・カクマルと松崎・JR総連カクマルに分裂、対カクマル戦の歴史的大勝利の情勢が切り開かれた。
 労働者人民は、闘う潮流、闘う党派を求めて、ナショナルセンターや学校政治の違いをこえて流動化を開始している。われわれは今、闘う労働者人民を獲得し、真の労働者党へと飛躍する地点に立っている。
 第三に、二〇〇〇年決戦の、とりわけ十一月労働者集会の組織化と集約の全過程をとおして、継続的に機関紙拡大闘争の計画・実践・点検が行われた。
 ゛労働者の中へ″の実践と、機関紙拡大闘争の一体的取り組みが粘り強く進められ、労働戦線の主要産別を中心に着実に拡大した。この持続的取り組みこそが今年の新年号販売への決起を生み出したのである。
 全党が機関紙拡大と党勢拡大の意欲に燃えていることこそが、二〇〇〇年決戦の最大の成果と言ってもよい。今や、断固として機関紙を倍増し、党勢倍増に打って出るべき時である。

 4割の読者拡大に成功した地方の例

 この間、機関紙拡大闘争のリストについて、「拡大できそうだと思う人」のリストではなく、「読んでもらいたい人全員」のリストであると提起している。ここで、この闘いを実践し、党勢倍増につき進んでいる組織の闘いを紹介したい。
 機関紙拡大闘争では、対象者リストなしに拡大闘争を始めることはできない。そしてまた、機関紙を自分で拡大しようとする決意なしにリストアップはできない。だからこそ、われわれはこのリストアップを重視し、訴えてきた。
 この中で、ある地方委員会が、リストの考え方を転換して、大きな拡大を実現した。「拡大できそうだと思う人」のリストではなく、「読んでもらいたい人全員」のリストに改めた。誰がオルグするかは後で決めることにして、自分の責任分担に関係なく、すべてのリストの提出を求めた。
 その結果、その地方の主要な指導者・活動家のすべてを網羅する膨大なリストが作られた。その大半の人々は、誰もが知っているが、これまでは拡大リストからは除外していた人たちだった。このリストに対して、担当者を決めて総当たりが行われた。その結果一年足らずで四割の読者拡大を実現し、党勢拡大へ力強く前進したのである。
 この組織はすでに大衆闘争に熱烈に取り組み、労働者大衆と結びつき、画期的地平を切り開いていた。この運動的な高揚と大衆的影響力の拡大をどう組織建設に結びつけるかで悪戦苦闘する中で、この方針の有効性を実証したのである。
 この方針の優れている点は第一に、読者拡大を、現在の組織的力量や直接的接点だけから見るのではなく、革命党として本来どのような対象を獲得すべきかというところから接近している点である。
 第二に、すべての同志が夢をもって「読ませたい人」のリストを出しあうことで、事実上の党建設プランの討議を行っている。
 第三に、こうして、全員の闘いとして、大衆闘争の発展を見事に機関紙拡大に結実させた。
 この組織は、「読ませたい人」のさらに大量のリストへのオルグを積極的に開始している。
 「これまでは『成功しそうな人』を選ぶ傾向があったが、現在は『読ませたい人』にチャレンジしている。今は『断られる』結果が多くなっているが、それは積極的な活動に踏み込んだ結果であり、むしろこの馬力のあるオルグが重要だ」と報告されている。
 昨年末に、ある組織の労働者同志が決意を固めて労組の大幹部に購読オルグに行ったところ、「やっと来たか」と迎えられ、即座に定購になった例がある。
 もちろん、具体的なオルグ計画は、「読ませたい人」全員のリストの中から、組織として優先順位とオルグ方法を検討して実践しなければならない。しかし、重要なことは、「読ませたい人」にオルグする敢闘精神である。このように闘いぬいたとき、党勢倍増が、現実的テーマであることがはっきりする。
 問題は、われわれ自身が、自らの位置と影響力を小さく、狭くとらえすぎていることにある。
 「読ませたい人」に働きかけて、断られるにせよ成功するにせよ、いやむしろ読者に獲得した場合の方がより厳しく、党としての飛躍と変革を突きつけられる。この試練にひるむことなくたち向かおう。ここに勝利の道があるのだから。

 <点検>こそが拡大闘争のかぎである

 昨年の機関紙拡大闘争で強化したもうひとつの点は、点検である。機関紙拡大は、この点検の強化に比例して実現されたと言ってけっして過言ではない。
 機関紙拡大闘争は、計画→実践→点検(集約・総括)のサイクルの繰り返しである。点検は、組織として実践を集約・総括し、次のサイクルに進めていく要となるものである。
 点検しないと、実践内容が把握できず、次のサイクルに進めない。点検がきちんと行われて初めて計画と実践が確立する。実践しないから点検できないのではなく、点検しないから実践されないのである。
 長年拡大闘争にほとんど取り組めなかった組織が、昨秋の点検の確立によって、毎月拡大を実現していることに、それは如実に示されている。
 点検は、第一に、今日の拡大闘争が直面している「忙しさによる後回し」に注意を喚起し、実践を促すテコになる。点検の強化が拡大結果と結びついているのはこのためである。われわれが、当面する闘争課題のために闘うだけではなく、党建設のためにも闘っていること、そしてそれはけっして矛盾する課題ではなく、意識的努力で十分解決可能であること、このことを点検は喚起する。
 第二は、これだけ拡大の情勢がありながら、拡大が進んでいないとすれば、その原因は拡大闘争に取り組んでいないからであるが、点検によってこそその課題を解明できるのである。
 第三に、決戦期に機関紙誌活動を日常活動として定着するためには、点検活動を確立し、組織の体質にまで高めなければならない。闘いが激しくなると点検が弱くなるようでは、激動期に機関紙を拡大できない。点検を確立し、決戦期に生きた機関紙活動を把握し、拡大闘争を推し進めよう。

 都議選過程で大胆な挑戦を

(一)今次都議選は党の命がけの決起であり、二十一世紀の全展望がかかっている。絶対に負けられない闘いである。
 勝利のために必要な一切の力を投入しなければならない。それは、党に大きな試練を課すものとなる。これにいかに勝ち抜くのか。指導部を先頭に全党員は、このテーマに真剣に取り組まなければならない。それはいかにして可能か?
 可能であるという確信に立つことが重要である。敗北主義こそ禁物である。
 この過程が機関紙活動に大きな困難をもたらすことは明らかであるが、党勢二倍化闘争を都議選過程は棚上げにするのか。そんなことはけっしてありえない。
 昨年衆院選決戦では、この課題に敗北主義に陥った組織と積極的に立ち向かった組織で明暗は分かれた。
 回答は、意識性という一語につきる。このことを真剣に具体的に検討すれば、必ず解決策は生まれる。
(二)都議選決戦過程で機関紙活動に積極的に挑戦しよう。都議選決戦と機関紙活動は一体である。『前進』こそ、活動が党において最も激しくなる時に最も強力な武器となる。『前進』を勧め、読んでもらうことこそが、闘争にとっても、党建設にとっても最も有効なオルグとなる。
 こうした決戦期の党のあり方をしっかり作りだし、二〇〇一年前半六カ月、計画的に貫いていこう。
(三)そのためには、機関紙中心の組織活動を自己と組織において確立しなければならない。
 何よりもまず、『前進』を読み、『前進』による政治討議で政治的意志一致を行い、『前進』を自らのものにしなければならない。
 体制的危機の急進展の中で、『前進』を読むことによってしか、現在の大情勢や階級情勢、党派情勢、闘いの方針をトータルにとらえることができない。
 この時に、『前進』を真っ先に読まないとすれば、人民の期待にこたえられないだけでなく、自ら情勢に立ち遅れてしまう。このことを肝に銘じよう。
 また、そのためにも紙面改革の闘いをさらに強めていかなければならない。
(四)『前進』拡大方針を形成し、「読ませたい人」のリストアップと、点検を強力に実践しよう。
 二〇〇〇年後期集約(九月〜今年二月)が目前に迫っている。十一月労働者集会と新年号販売を中心にした後期集約をやりぬき、機関紙拡大を軸にした党勢倍増計画を確立しよう。
 『前進』フラク形成と運営、配布と代金回収を、激動の中でこそ強化しよう。
 とくに『前進』フラクは読者の獲得・定着・強化の決定的砦(とりで)であり、激動期に労働運動の強化と党建設を一体的に推進していく要をなすものである。二〇〇〇年決戦での労働戦線における着実な機関紙拡大はフラク建設によるものである。読者会、職場フラク、マルクス主義の学習会を建設し、なんとしてもやりぬいていこう。
(五)『前進』を拡大していく闘いは、労働者人民の階級的利益と団結を守る闘いであるとともに、階級の隅々に蜂起の司令系統をはりめぐらし、プロレタリアート一斉武装蜂起を今日的に準備する闘いである。
 機関紙活動こそ「今すぐあらゆる方面から蜂起の準備を始めると同時に、自分たちの緊要な日常活動をただの一瞬も忘れない、最も実践的な計画なのである」(レーニン『何をなすべきか』)。ここに機関紙活動の何物にも代え難い独自の意義がある。このことを確信し、不屈にやりぬこう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号6面2)

鎌田元全学連委員長が出獄 16年の獄中闘争に勝利

 二月六日朝、鎌田雅志元全学連委員長が十六年もの長期の獄中闘争を闘いぬいて府中刑務所より出獄した。門前には「勝利の獄中16年 鎌田雅志同志の出獄を歓迎する」の横断幕を持って多数の友人や同志が出迎え、元気な姿で門を出た鎌田同志を歓迎した。「出獄おめでとう」「十六年間ご苦労さま」の歓声があがり鎌田同志との握手が次々と交わされた。
 国分寺市内で「出獄を祝う会」が開かれ、百人を超える友人・同志が集まった(写真)。十・二〇三里塚蜂起戦元被告団の山口幸一さん、十一・二九浅草橋戦闘元被告団の小泉義秀さん、革共同を代表して吉羽忠同志、元都議会議員・長谷川英憲さん、全学連委員長・大山尚行さんらが出獄を祝うあいさつをした。
 八五年十・二〇三里塚蜂起戦をともに闘った被告や仲間、十一・二九浅草橋戦闘を闘った被告や仲間の発言は圧倒的であり感動的であった。゛鎌田全学連″の一員として、鎌田同志の指導下でともに命をかけて八五年決戦を闘い抜いた同志たちの固い団結の息吹があふれ出ていた。ともに待ちに待ったこの日であった。
 鎌田同志は獄中十六年の疲れを感じさせない意気軒高とした出獄のあいさつを行った。
 「この勝利は皆さんの勝利だ。獄中十六年は楽しかった。望んで行くという所ではないとしても、革命運動においては自分が立っているところが死地である。思想的な後退が始まったら転落しかない。その例が白井朗だ。何よりも痛快なことはファシスト・カクマルとJR総連の大分裂だ」と、新しい世紀の始まりにあたって、カクマルやその他の反動・反革命を粉砕して革共同の前進と飛躍に向かって闘い抜いていく決意を語った。
 最後に全員でインターナショナルを斉唱し、心から鎌田同志の出獄を祝った。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1993号6面3)

共産主義者127号 「黒田哲学」に壊滅打
 ●労働運動の展望と党の任務
 ●司法改革の反動性を暴露

 勝利する党建設

 二十一世紀冒頭に装いを新たにした本号は『黒田批判』論文を中心にすえ、四論文に絞って編集した。
 革共同中央労働者組織委員会による巻頭論文は、『前進』新年号で提起された二十一世紀への挑戦=労働者党建設の本格的発展の戦略的方向性と方針を全面的に打ち出した重要論文。
 七・一からの四党合意阻止の国鉄決戦とそれを包含した十一・五集会における息吹と躍動を伝え、これらを核心的に総括して階級的組織的前進の地平を全面的に明らかにした。
 後半は、危機に立つ日帝の現下の資本攻勢の実態暴露をとおして労働者階級の全戦線にわたる決戦性を確認。こうしたなかで階級的労働運動の発展の課題と党の組織的任務を提起している。国鉄労働運動の勝利的前進こそカクマルの危機と国労再生を推進することで労働運動再編の現実性を切り開いていることをダイナミックに突き出している。
 まさに、五月テーゼの真の発展期として二十一世紀に革命に勝利する戦略方針と言える。
 村上同志の司法改革批判は、森政権の司法改革が改憲攻撃の一環であることを徹底的に批判している。司法制度改革審議会の反動的性格と「司法審中間報告」の国家主義、戦前型司法への転換をえぐり出し、その本質が闘う人民への治安強化と裁判の迅速化にあることを鋭く暴いている。
 秋月同志の米経済研究は、ついに始まったアメリカ・バブル崩壊を実証的に考察し、これをとおして世界恐慌の不可避性に論究した意欲的なリポート。豊富な図表を駆使して米経済の破綻(はたん)的事態を的確にえぐり出している。

 黒田の破産暴く

 仲山同志の黒田哲学批判は、二十一世紀冒頭にふさわしい対カクマル戦の決定的段階を画する戦略的巨弾である。
 カクマルは、JR総連の離脱、黒田・松崎の分裂という断末魔的危機の中で政治的・路線的破産が極まるほどに黒田哲学に唯一の逃げ道を求めようと黒田個人崇拝の一種異様なカルト集団化しつつある。
 しかし今や、三十年間のカクマルとの死闘の中で一大前進と勝利の地平を築いたわれわれは、その逃げ込みと延命策動を断じて許さない。最後的逃げ場としての「黒田哲学」に切り込み、粉砕しきっていかねばならない。
 われわれは、本論文をもって、黒田哲学が今やファシスト的反動哲学に完全に転落したことを宣告する。本論文は黒田哲学を全面的に止揚し、カクマルを完全打倒し革命的共産主義運動の新段階を切り開く戦闘宣言である。
 本論文の目的は、三全総を機に革共同から逃亡して以来カクマルがたどった全事態が、黒田哲学の破産とその開き直りの帰結にほかならないことを突き出すことにある。現在のカクマルのおぞましい反革命的な姿と黒田哲学は直結している。本論文は、その関係を全面的に解剖しきったのである。そのことは同時に(必然的に)、革共運動の創成において果たした黒田哲学のとらえ返しの作業に進んでいくことになる。つまり黒田のスターリン批判、戦後唯物論論争・主体性論争における哲学的追究がもつ意味と限界を理論的に厳密に検討するということである。
 筆者は第五章で『共産主義者』第四号の本多論文を引用してこう言っている。
 「プロレタリアートがスターリン主義の物質力をうち破って、革命的共産主義運動を実践的に展開するためには、真の革命的な哲学(実践的な唯物論がその核心)との結合が不可欠であった」(一四八n)
 黒田のスターリン主義に対する哲学的批判はそのようなものとして、反スターリン主義・革命的共産主義運動の哲学的序曲として歴史的に決定的な意味をもった。だが、そこには大きな限界と落とし穴があった。仲山同志はそれを、単に哲学者的な批判でしかないという制約性、しかも「黒田の自己絶対化の始まり」と「階級闘争との生きた弁証法を拒否する閉鎖的態度」に要約される欠陥としている。この欠陥は、黒田自身が本質的な欠陥として認めざるをえない性格のものであった。本論文はそれを、具体的に黒田自身の言葉をもって突き出している。
 黒田は、五六年のソ連二〇回大会とハンガリー革命に直面して実践的踏み切りを行っていくと同時にこの欠陥を克服していく課題に立ち向かわねばならなかったが、それは単純なものではなかった。黒田は、この欠陥を克服するという困難な、しかし、どうしても成し遂げねばならなかった課題を前に、六〇年安保闘争という巨大な階級的激動の予感におびえ、逃亡したのである。
 「哲学的な小サークルの殻を脱して、現実の階級闘争のなかで闘う集団としての党を理論的・政治的に組織し指導していく存在へと自己脱皮すること、その主体的な前提として、自分自身が革命家=マルクス主義者=革命的共産主義者へと実践的に飛躍すること拒否した」(八六n)
――のが黒田なのである。
 以上のことが問題の根幹においてしっかりとつかまれなければならない。この開き直りのなかで黒田哲学の本質的欠陥がそれ自体として肥大化し、ついに今ではとてつもないファシスト哲学のようなものになりきっているのだ。
 このようにみるとき、革共同とともに進むことが結局は「自己の全否定」に行き着くと観念して革共同から逃亡して以降に黒田がたどった全過程の意味が明確になるのである。
 黒田が革共同から逃亡したのちになした最も重大なことは、まず七〇年決戦への敵対であり、そしてその上で七五年三・一四反革命=本多書記長虐殺と国鉄分割・民営化、国鉄労働運動解体の先兵化への決断を下したことと言えるが、それらは自己の思想的破産を居直り、かつ破産を重ねたあげくに走った絶望的所業だということも明らかとなってくるのである。このようなものとして黒田と黒田哲学が総括されなければならないのである。
 黒田の階級的・思想的原点を問うならば、黒田はいつどのようにしてマルクス主義者として自己を階級的立場に立たしめ、革共同に結集したのか。このことが実にあいまいである。その指摘はきわめて大きな意味をもつ。黒田自身の問題としてみたとき、黒田はついにマルクス主義者とはなりえなかったのである。仲山論文はこのことを鮮やかにえぐりだしている。

 観念論的逆立ち

 黒田に致命的な、マルクス主義形成過程のつかみ方の歪みは、黒田哲学の問題性・限界性と深く関連している。革命的実践の立場に身を置くことの本質的拒否、つまり、生きたプロレタリアートの革命的実践が欠落しているということなのである。黒田にはマルクスの実践的唯物論を語る資格などないのだ。
 仲山同志は、本論文の第四章までの展開で以上のことをはっきりと論証している。そしてその後、黒田のこの居直りの思想的根源を『ヘーゲルとマルクス』を始めとする黒田哲学「三部作」をとりあげ、その原点的破産を暴くことでさらに徹底的に突き出している。
 『ヘーゲルとマルクス』は、いわゆる「技術論と史的唯物論」体系の序論である。黒田は、戦後主体性論争を武谷技術論を軸にして、梯の『資本論』解釈学を再解釈することによって総括できるとした。しかし黒田は、主体性論を実践論として展開していくための前提を追究したとするこの『ヘーゲルとマルクス』の作業そのものにおいて完全に破産しているのである。
 「それは文字どおりの観念論なのである。実践の物質性を基軸にすえきった実践的唯物論とはおよそ似ても似つかない。それは物質というカテゴリーそのものに絶対性を付与した『物質の形而上学』でしかない。
 黒田においては、技術性として抽象された意識性の契機においてのみ人間実践がとらえられている。したがって、意識内部における物質、内在化された物質なるものが自己運動していくという逆立ちに陥る」(一二一n)
 簡単に本論文を要点的に紹介したが、以上のことからさらに謀略論デマへと展開していく黒田組織実践論(組織現実論)の本質、その破綻と密接な関連性、そしてそれが黒田哲学によって大きく規定されていることがつかまれている。それが七〇年代〜今日にいたるカクマルの全歴史を貫いていることを鋭くえぐり出している。
 本論文は、革共同第三回大会が提起した黒田哲学との「決着」の課題を引き継ぐ創造的な闘いである。黒田哲学の根本的欠陥をえぐり出すことは、同時に革共同の理論的原点の領域、創成期の諸問題に積極的に照明を当てるということでもある。
 それは、マルクス主義を今日的に復権し革共同の原点的再確立を成し遂げていく意義をもっている。まさに革共同が二十一世紀の関門を押し開き、反帝・反スターリン主義世界革命の実現へ真に巨歩を踏み出すという問題意識がこめられている。本論文はそのための第一歩である。

------------------------TOPへ---------------------------