ZENSHIN 2001/09/17(No2021 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2021号1面1)

10・16ブッシュ・小泉会談粉砕−10・21闘争へ 有事立法阻止・改憲粉砕を
 連合とJR総連を打倒し 大リストラの嵐 粉砕せよ
 4党合意粉砕・闘争団防衛 国労大会へ

 米経済のバブル崩壊、ゼロ成長への転落はついに、二九年型世界大恐慌の爆発を本格化させつつある。帝国主義が末期的危機にのたうつ中で、米帝ブッシュ政権はブロック化と新たな世界戦争の道に延命をかけている。日帝はその没落と危機をますます深め、小泉政権のもとで、「聖域なき構造改革」の名による労働者階級への大攻撃をしかけ、戦争国家化への道を一気に押し開こうとしている。この帝国主義を打倒することなしに労働者人民の未来はない。今秋決戦こそ正念場だ。十・一六ブッシュ訪日阻止を焦点に、有事立法阻止・改憲粉砕の巨大な闘いをつくり出そう。首切りや生活破壊を絶対許さない闘いに立ち上がろう。十・七三里塚から十・一六―十・二一反戦闘争を全力で闘い、十一月労働者集会を小泉政権打倒決戦としてかちとろう。十月国労大会決戦に勝利しよう。

 第1章 世界恐慌情勢下で戦争に進む米日帝

 大恐慌・大不況の本格化の中で、帝国主義の危機と腐敗は際限なく深まっている。資本主義・帝国主義のあらゆる矛盾が政治・経済・社会の全面にわたって一斉に噴き出し、労働者人民にとってますます耐え難いものとなりつつある。
 もはやこの帝国主義を打倒し、労働者階級が権力を握って社会の根本的変革にのり出すことなしには人民は生きていくことができない。そうした革命的情勢が急速に成熟しているのだ。時代は今、一九三〇年代をも上回る階級的激突、大激動の真っただ中に突入した。まずこのことをはっきりと確認しよう。
 世界経済は完全な行き詰まりを迎えた。この間の世界経済を唯一支えてきた米のITバブルが全面的に崩壊し、米経済は実質ゼロ成長に転落、恐慌情勢に突入しつつある。日本経済はすでに昨年末から恐慌の再爆発過程に突入し、不良債権の一層の増加、生産の低下と国家財政の破綻(はたん)はとどまるところを知らない。この日米経済の底なしの危機が欧州やアジアをも直撃し、世界を大不況にたたき込んでいる。
 この情勢を前にして、日帝ブルジョアジーの中からは、金融資本・独占資本救済のためのさらなる財政出動を求める声が上がっている。日銀に対してインフレ政策に踏み切れという声さえ出始めている。さらに小泉は、労働者人民が大失業の「痛み」をがまんすれば恐慌からの脱出は可能であるかのように言い、「構造改革」という名の戦争国家化攻撃に政権の存亡をかけて突っ込もうとしている。このすべては労働者人民に途方もない犠牲と恐るべき生活苦を強いるものだ。
 だが日帝がどのようにあがこうと、現在直面する大恐慌・大不況からの出口などない。帝国主義の命脈は尽きており、今後、ドル暴落から世界大恐慌、世界経済の収縮と分裂化・ブロック化の急速な進展は避けられない。それは帝国主義強盗どもによる世界市場の独占的再分割をかけた激突、争闘戦、全世界への侵略戦争と新たな世界戦争(第三次世界大戦)への突進を不可避とする。
 米帝ブッシュ政権はすでにその方向にかじを切っている。ミサイル防衛構想などの米帝の新戦略の核心は単なる軍拡路線ではなく、大恐慌下での新たな世界大的戦争をやりぬく準備である。とりわけそれは今日、ソ連崩壊後の帝国主義による市場分割戦の最大の対象となっている残存スターリン主義・中国をにらみ、中国・朝鮮侵略戦争の発動を実際に狙うものとなっている。その根底には、日帝の対米対抗的アジア勢力圏化を力ずくで阻止し日帝をたたきつぶすという、対日争闘戦の激化がある。
 日帝の金融資本・独占資本がこの中で生き残ろうとすれば、最終的には軍需経済化と再度のアジア侵略戦争の道に絶望的に突進する以外ない。小泉政権はまさにそれを最大の使命として登場した政権だ。だからこそ「つくる会」教科書攻撃や靖国神社参拝攻撃を暴力的に推進し、かつての侵略戦争を全面美化し、再びの侵略戦争で「国のために死ね」と叫んだのだ。
 労働者人民への大失業と極限的な生活苦の強制。これと一体の排外主義・国家主義・愛国主義の洪水のもとでの戦争国家化の大攻撃。これが小泉反革命の核心だ。小泉は日本が戦争に突っ込む体制をつくろうとしており、また日帝支配階級=大資本の延命のためには労働者階級はとことん犠牲になれ、とするすさまじい攻撃をしかけている。この小泉と激突し、小泉を打倒する闘いが今こそ求められている。
 この夏の広島・長崎と教科書・靖国をめぐる闘いの爆発、九・一自衛隊有事出動演習粉砕の闘いはその重要な出発点を切り開いた。これからがいよいよ大決戦への突入だ。
 革共同は第六回大会で、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命こそが戦争と革命の二十世紀を総括し二十一世紀の未来を開く道であることを宣言し、全世界の労働者階級と被抑圧民族にともに団結して総決起することを呼びかけた。その一環としての日本帝国主義打倒の革命に断固として突き進むことを宣言した。今秋決戦をその本格的実践の突破口として、巨大な進撃を開始しよう。全労働者人民は革共同とともに闘おう。

 第2章 有事立法と対決し 今秋決戦の爆発を

 今秋決戦の第一の課題は、有事立法阻止・改憲粉砕の大闘争に全力を挙げて突入することだ。この間切り開いてきた地平の上に、戦争国家化攻撃を阻止する闘争の全人民的大爆発を闘いとることである。
 小泉は今秋臨時国会で、「聖域なき構造改革」に踏み込み、その最も鋭い攻撃として有事立法・改憲にのり出そうとしている。九月二十七日からの臨時国会で「領域警備」のための自衛隊法改悪と、PKO(国連平和維持活動)参加五原則見直しやPKF(国連平和維持軍)参加凍結解除を含むPKO法改悪を強行し、東ティモールへの自衛隊派兵を行い、これと並行して有事法制の審議を急ピッチで進め(九月中間報告・十一月基本方針提出)、来年通常国会への法案提出に突き進もうとしている。
 これは実に重大な情勢である。有事立法とは何か。戦争への突入を「国家非常事態」として、憲法を停止して戒厳体制を敷くことだ。首相が全権を握って全社会を軍隊の統制下に置き、議会の機能を凍結し、全人民を戦争に総動員する体制を敷くことである。抵抗する者は投獄し、言論の自由も基本的人権も奪い、労働争議など戦争遂行体制の妨害となるものはすべて禁圧するのだ。
 日帝は、九九年の周辺事態法など日米新安保ガイドライン関連法の成立をもって、米軍への「後方支援」という形をとった中国・朝鮮侵略戦争への本格的参戦の道に踏み出した。だが日帝・自衛隊が実際に米軍と一体となって戦闘行動に突入するためには、いわゆる集団的自衛権の行使を合法とする措置をとり、そのための有事立法の制定とそのもとでの国家総動員体制の確立がなければどうにもならない。また自衛隊の武力行使、武器使用に対する制限を全面的に取り払う必要がある。
 これはしかし、憲法第九条の撤廃=改憲ということ以外の何ものでもない。すなわち有事立法の制定とは、改憲攻撃そのものだ。小泉はついに、ここでの正面突破に全力で踏み込んできたのである。
 ここにおいて、十・一六ブッシュ訪日と日米首脳会談は決定的な位置をもっている。米帝は今日、その国防戦略を「二大戦域同時対応戦略」から中国・アジア重視へ転換し、この地域で大規模な侵略戦争、必要なら核戦争にも突入する戦略を決断した。そしてその世界戦略の先兵として日帝を組み伏せる形をとった日米同盟の再構築・強化にのり出している。だから、そこで問題となるのは、まさに集団的自衛権をめぐる日帝の憲法上の制約を最終的に取り払うことなのだ。
 今や日本の労働者人民にとって、日帝の侵略戦争はもはや過去の歴史の反省にとどまるものではない。明日にも起こりうる現実の戦争に対して、その担い手に転落するか命をかけて闘うか、その二者択一が鋭く突きつけられている。闘うアジア人民との連帯が直接に問われているのである。
 闘う学生は八月全学連大会でこのことを確認し、有事立法阻止・改憲粉砕の新たな反戦闘争への総決起を呼びかけている。十・一六ブッシュ訪日阻止・日米首脳会談粉砕闘争の爆発をかちとり、反戦共同行動委員会の十・二一全国結集・全国統一行動を戦争国家化阻止の大政治闘争としてぶちぬこう。ブッシュ訪日下で激化する沖縄基地強化の攻撃と対決し、沖縄人民との連帯を強めて闘おう。
 十・七三里塚闘争は、この闘いの重要な一環である。日帝・公団は成田暫定滑走路の来年四月二十日開港をめざすと宣言し、テスト飛行を十一月にも強行しようとしている。絶対に許さず、反対同盟農民を守り抜いて総決起しよう。

 第3章 11月労働者集会で資本攻勢打ち破れ

 今秋決戦の第二の課題は、小泉の「聖域なき構造改革」−戦争国家化攻撃に全面対決し、十一月労働者集会を、小泉政権打倒の総決起集会として実現することだ。十一月労働者集会の場に新たな共同戦線を切実に求めて結集するすべての労組や労働者とともに、その成功を全力で闘いとることである。
 小泉「構造改革」のもとでの今日の資本攻勢は、恐るべき地獄に労働者階級をたたき込んでいる。労働者とその家族から職と日々のくらしの糧を奪うだけでなく、医療や社会保障を含めた全生活の基盤を奪う攻撃である。
 完全失業率はすでに、少なく見積もった政府統計でも過去最悪の五%に達し、完全失業者は三百三十万人である。適当な仕事がなく就業をあきらめた四百二十万人を含めると、失業率は一〇・四%にも上っている。
 しかも小泉「構造改革」による大失業の嵐(あらし)は、これから本格的に吹き荒れるのだ。日帝は、規制緩和で従来の雇用と賃金体系を破壊し「労働力の流動化」をつくり出すことが「構造改革」の柱だとしているが、それは資本主義の弱肉強食の論理をむき出しにし、これまでの半分ないしそれ以下という低賃金と無権利状態に全労働者階級をたたき込むものにほかならない。
 大恐慌の危機におびえた資本家階級による「襲撃」「内戦」とも言うべきこの攻撃は、自国帝国主義の危機に際して労働者階級は進んで「国のため」に犠牲を負うべきだ、とする国家主義・愛国主義のイデオロギーと一体のものだ。したがってそれは、階級的労働運動と労働組合の絶滅、労働基本権の抹殺と戦後労働法制の解体、あらゆる階級的団結破壊の攻撃として同時に襲いかかっている。
 JR総連カクマル松崎のファシスト労働運動や連合の帝国主義的労働運動はその先兵となり、攻撃のテコとなっている。日共スターリン主義を始めとする既成野党の屈服・翼賛化がこれを側面から支えている。
 この全状況に対する怒りが労働者階級の深部から噴き出してくることは不可避である。
 その兆候はすでに始まっている。この怒りを解き放ち、あらゆる職場で資本との闘いに決起し、組合権力をめぐる反動派との党派闘争に勝利して戦闘的労働運動の再生を切り開こう。
 十・一三〜一四の国労大会決戦は、その基軸をなすものだ。「四党合意」の反動性と破産性が明白になり、チャレンジと反動革同らの焦りといらだちが極点に達している中で、昨年七月以来の闘いを引き継ぐすべての国労組合員と労働者の総決起で「四党合意」にとどめを刺し、闘争団切り捨てを粉砕しよう。反動執行部を打倒し、闘う執行部の樹立へ突き進もう。
 同時に、十月一日からのJR完全民営化法施行と一体のJR東の「ニューフロンティア21」によるメンテナンス合理化―全面外注化攻撃と対決し、職場からの総反撃を巻き起こして闘うことである。これは小泉「構造改革」の最先端の攻撃であり、粉砕あるのみだ。国労と動労千葉への解体攻撃粉砕をかけて闘い、JR本体労働者の新たな戦闘的決起をつくり出そう。
 さらに、JR東労組とJR東資本が八月一日に締結した「二十一世紀労使共同宣言」を徹底弾劾し粉砕しよう。これは、帝国主義の危機の爆発と侵略戦争への突進を前にして、JR総連=松崎カクマルがあらためて日帝資本と国家への忠誠を誓い、ファシスト労働運動、排外主義労働運動の道をどこまでも突き進む宣言である。企業と国を救うためなら何でもする、戦争にも賛成し協力する、ということだ。
 ファシスト労働運動を打倒し、帝国主義的労働運動を打ち破り、国鉄決戦の勝利を軸に全逓、教労、自治体を始め全産別での闘いの前進を切り開こう。
 小泉の社会保障制度解体の攻撃、十月からの介護保険料の二倍化の攻撃に、全国で高齢者の「いのちの叫び」を掲げた怒りの決起がわき起こっている。それは、小泉「構造改革」に対する労働者人民の大衆的反乱の開始を告げ知らせるものだ。杉並や高槻を先頭に開始された闘いを、介護保険粉砕の大闘争へと発展させよう。さらに医療制度改悪絶対阻止へ決起しよう。
 これら一切を十一月労働者集会五千人の大結集に結実させて闘おう。

 長期獄中同志奪還大運動を

 こうした闘いの前進を切り開く上で、日帝国家権力の治安弾圧攻撃との意識的対決が不可欠である。日帝は今日、「司法改革」という名の司法の大改悪を戦争国家化攻撃の「最後のかなめ」と位置づけ、治安弾圧体制の大再編に出てきた。司法改革攻撃粉砕は改憲粉砕闘争の重要な一環だ。
 公安調査庁による在日朝鮮人への外国人登録原票調査は、在日人民に対する許すことのできない破防法弾圧だ。九・一関東大震災での朝鮮人・中国人虐殺の再現を狙う自衛隊の治安出動訓練を前にして、この攻撃が明るみに出たことは重大である。徹底弾劾して闘おう。さらに一切の治安弾圧を粉砕し、公安調査庁の解体をかちとろう。
 七〇年安保・沖縄決戦への報復として無期のデッチあげ弾圧を受けている星野文昭同志とその家族の存在と闘い、未決で十五年もの拘禁を強いられている爆取デッチあげ弾圧四同志の存在と闘いは、日帝権力と人民との闘いの絶対非和解性を体現するものだ。長期獄中同志の奪還へ今こそ大運動をつくり出そう。
 革命党建設の核心は、レーニン主義の党の建設にある。革共同第六回大会の切り開いた地平を全党のものにし、機関紙を軸に原則的な党活動を展開し、今秋決戦の中で党勢二倍化への圧倒的前進を切り開こう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号1面2)

9・1防災訓練 有事演習に怒りの反撃
 小泉・石原の戦争準備を弾劾 三多摩、川崎などで共同闘争 写真特集へ

 関東大震災から七十八年目の九月一日、「七都県市合同防災訓練」と「ビッグレスキュー東京2001〜首都を救え〜」が行われた。七都県市とは東京都、神奈川、埼玉、千葉三県と横浜、川崎、千葉三市で、ビッグレスキューもその一翼に位置づけられた。訓練の中心となった三多摩地区や川崎などで反対する実行委員会が結成され、広範な統一戦線のもとで監視行動や抗議が行われた。
 (関連記事3面)
 この日午前、反戦共同行動委員会は、調布市内で独自の集会とデモに決起。午後は「ビッグレスキュー2001に反対する三多摩行動」の呼びかけで四百三十人が集会とデモを闘った。
 全学連は機動隊と激しく激突しながら、調布基地跡地会場の小泉首相と石原都知事に肉薄する実力弾劾闘争を闘いぬいた。訓練の中身は自衛隊が主役の軍事演習そのもので、私服刑事と機動隊によるものすごい弾圧体制が敷かれた。全学連の大山委員長は「これが治安出動演習の正体だ!」と怒りを込めて弾劾した。
 東京都の訓練は、横田基地やJR八王子駅前、調布基地跡地など七会場で行われ、自衛隊員二千人を始め約一万五千人が参加した。
 横田基地では北海道警や宮城県警の警察官が自衛隊の大型輸送機四機で飛来するなどの人員・物資輸送訓練が行われた。
 JR八王子駅前では、駅の入り口やデパートを使った自衛隊訓練が行われた。八王子市内の南多摩高校では高校生を動員して自衛隊が校庭で訓練を強行した。 川崎では、川崎港に自衛艦が初めて入港し、川崎工業高校で自衛隊の結集訓練などが行われた。

 反戦共同デモ多摩川へ進撃

 反戦共同行動委は午前、調布市の調布グリーンホールで集会を行い、訓練会場の多摩川河川敷に向かってデモを行った。
 地元の人が発言に立ち、関東大震災の時に多数の朝鮮人・中国人が虐殺された多摩川河川敷を会場に選んだのは治安目的の訓練だからだと弾劾した。調布や川崎には現在も多くの在日朝鮮人が居住している。一九二〇−三〇年代に甲州街道の拡張工事や調布基地建設工事をさせられた強制連行・強制労働の朝鮮人・中国人労働者から、多くの犠牲者が出ている。
 また反戦自衛官の小多基実夫さんは、七月の図上演習について話し、「敵は一年かけて準備している。私たちも年中の闘いが必要だ」と訴えた。
 東京反戦共同行動委の結柴誠一事務局長が基調報告を行い、「ビッグレスキュー2001に反対する三多摩行動」の一員として反戦共同行動委員会も各会場に監視・抗議行動団を送り、闘っていると報告した。
 決意表明では、三多摩労組交流センターの労働者が戦争国家化の攻撃を労働者階級の矜持(きょうじ)にかけて粉砕すると発言。全学連の学生は、在日朝鮮人・中国人と連帯して絶対に戦争を止めると誓った。
 いよいよ多摩川河川敷会場方面に向かってデモに出発。デモ隊が会場に近づくことを恐れた権力は、不当にも先導の指揮官車に牛歩戦術を命じた。デモがまったく進まない! 烈火のような怒りが爆発した。「権力は妨害をやめろ」と怒声が飛ぶ。不当な妨害を粉砕して最後まで戦闘的なデモを貫徹した。途中で一万円札のカンパが寄せられるなど強い共感を集めた。

 全学連の闘いに慌てる権力

 デモ終了後、全学連は小泉・石原直撃の弾劾をたたきつけるべく調布基地跡地会場に直行。大混乱に陥り凶暴化した権力は、数百人の機動隊で全学連に襲いかかった。全学連の前に壁をつくり、周りを機動隊バスで取り囲む。全学連と機動隊の対峙で甲州街道は三十分間ストップした。
 全学連はさらに会場に接近、機動隊・私服刑事と激突しながら弾劾のシュプレヒコールをたたきつけた。この闘いはカクマルの敵対を粉砕してかちとられた。

 川崎中央会場に肉薄し抗議

 七都県市合同防災訓練の中央会場の川崎・新鶴見操車場跡地に対して、全学連は抗議闘争に決起した。演習会場をまたぐ小倉陸橋へ詰めかけ抗議行動。「ビラをまいたら逮捕。シュプレヒコールをあげたら逮捕」と恐怖にかられる権力の不当弾圧に怒り倍増、横断幕を広げ怒りのシュプレヒコールを貫徹した。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号2面1)

全逓55回大会総括と115臨中の課題
 小泉〈戦争と大失業〉に対決し 郵政民営化阻止の今秋決戦へ
   マル青労同全逓委員会

 今秋決戦は、小泉政権の改憲・有事立法=戦争国家化攻撃と「痛みを伴う構造改革」=大失業攻撃に全面対決する大決戦だ。全逓戦線は、その最先頭に立ち、とりわけ小泉が「構造改革」の中心的な攻撃として打ち出した「郵政民営化」攻撃粉砕の決戦を闘う決意と態勢を固めている。他方、連合全逓中央は小泉の「郵政民営化」に大打撃を受け、完全にグラグラになってしまった。六月二十―二十二日に長崎で開催された全逓第五五回定期全国大会は、「郵便事業新生ビジョン」について何も具体的方針を決定できなかったのだ。危機を深める石川―菰田執行部は、第一一五回臨時中央委員会を十月六日(東京・全逓会館)に開催し、「郵便事業新生ビジョン」に基づく大合理化の受け入れを強行しようとしている。現場からの怒りの決起で粉砕しなければならない。以下、一一五臨中を始めとする今秋の全逓決戦の課題を、五五回長崎大会の総括をとおして明らかにしたい。

 小泉「民営化」に動転した全逓中央の危機

 長崎大会の冒頭、石川委員長は次のようなあいさつを行った。
 @「小泉内閣の誕生に伴い、すでに決着がついているはずの郵政事業の経営形態問題が再燃してきた。まず『民営化ありき』の議論が開始されている」
 A「民主党は、郵政事業に対する見解にブレがある。参院選は、郵政公社の制度設計と表裏一体の闘いだ。伊藤基隆(比例)と関山信之(新潟)の勝利に全力を挙げる」
 B「『郵便事業新生ビジョン』を労使共同作業でつくり上げた。問題は、『聖域なき構造改革』がなされるかどうかだ。すべての関係者が均等に痛みを分かち合わなければならない」
 大会後、菰田書記長は「情報が周知されずイライラが高まり、民営化を危惧(きぐ)し反論する組合員意識が大会論議に反映された」「運動方針が八八・四%という全逓史上最高の信任をいただき、近年にない結束した大会だった」などと述べている(『公益企業レポート』七月十日付)
 これらの発言から大会総括の視点が明らかになる。
 第一に、全逓中央が小泉「郵政民営化」に動転し、茫然(ぼうぜん)自失になったということである。
 全逓中央は「事業と雇用を守るため」と言いなして、「三事業一体の国営形態維持と国家公務員身分の保障」を目標とした「行革対応」なるものに総力を挙げてきた。次に、郵政公社化によって「民営化は行わないことで政治決着した」として、「総合生活支援ネットワーク事業」なる事業防衛路線に組合員を動員しようとした。そのために、自民党郵政族のドン・野中広務から「数万人の人員削減」=「郵便新生」を要求され、それをクリア(組織決定)することが今大会の最大の目標となった。
 そのもくろみが、小泉「民営化」攻撃によって粉砕されたのだ。
 菰田は、「(小泉への)反論の直接行動に取り組めば相手の思惑に乗ってしまう」「民営化論を冷静に受け止めている」(『公益企業レポート』)と、判断停止状態をさらけ出した。
 大会では中執が入れ替わり立ち替わり発言した。しかし誰一人として説得力を持たない。ついには、「残念ながらこれが政治の世界の現実である」(米田中執)、「仮に雇用が脅かされる事態となった場合は、重大な判断と決断を迫られる」(石川)など、民営化不可避論とも言える発言さえポンポン飛び出した。
 菰田は、「公社化法案の内容いかんで行政型の国営公社にさせられる危険性がある。それでは競争・競合の時代を生き残れない。法案策定作業は、公社の自由度の確保と民営化論との闘いだ」(『公益企業レポート』)と、ほとんど民営化に近い公社にすることが「民営化論との闘い」などと言う始末なのだ。
 「事業危機」を理由とした人事交流や要員削減などの労働者への犠牲転嫁こそ民営化攻撃そのものであり、「郵政公社化↓郵政民営化」なのだ。「民営化反対」と言いながら事実上の民営化攻撃を推進している全逓中央を打倒せよ!
 今日では闘う全逓労働者の共通認識となっている、このわれわれの正しい指摘と主張と運動が、連合全逓中央にはこらえ難い打撃となっている。それは、小泉の「郵政民営化」攻撃のもとでますます石川―菰田執行部を追いつめている。彼らは、パニックに陥ってしまったのである。

 高祖選挙違反と同根の腐敗

 総括の第二は、連合全逓中央の腐敗と瓦解(がかい)的危機が一層深まったことである。
 「最も身近な公的機関である郵便局を利用する生活者の代表」面(づら)をした元委員長・伊藤を担いだ参院選は、元近畿郵政局長・高祖憲治(自民党)のための近畿郵政局の組織ぐるみの違法選挙運動とまったく同じざまだった。
 高祖選挙違反事件では、現職の近郵局長・三嶋を始め、十六人も逮捕された。
 事件の本質のひとつは、「郵政一家」の生き残りをかけた民営化への「抵抗」である。近郵にとどまらず全国の郵政局、郵政事業庁を挙げた違法選挙だった。
 もうひとつは、人事交流、重要経営推進指定、営業の「個人別目標」管理など暴力的な労働者攻撃が、全国で最も熾烈(しれつ)を極めた近郵において発生したことである。違法選挙運動と労働者に対する攻撃とは一体なのだ。
 伊藤は、郵政事業と郵政労働者に寄生する郵政官僚どもと同じ利益代表だ。互助会を始めとする郵政ファミリー会社、NECなど通信・情報関連企業と癒着することで私腹を肥やす、この一点で連合全逓中央、郵政官僚、郵政族議員の利害は一致している。
 「帝国主義の巨額の超過利潤で買収された労働貴族」(レーニン『帝国主義論』)そのものである連合全逓中央は、組合資産を日常的に食い物にしてきた。「行革対応」と称して野中ら郵政族議員対策に数億円もの組合費と闘争資金を流用し、その一部を三役が着服した(九九年の五三回大津大会前に当時の高頭委員長と竹林書記長による着服・横領が発覚した)。
 こうした労働貴族としての延命を図ることが、連合全逓中央が郵政民営化に「反対」する最大の理由である。労働貴族として延命できるのなら、彼らは即座に民営化賛成に変わり身するだろう。
 腐敗した全逓中央に対する全逓労働者の不信、怒り、広範な離反、階級的決起への胎動が、全逓中央の瓦解(がかい)的危機と戦闘的全逓の再生の情勢を促進しているのだ。
 参院比例区で、民主党の連合組織内候補九人は、個人得票の目標にはるかに及ばず三人が落選した。「労組のリーダーが決めたことが職場まで浸透しなかった」(鷲尾連合会長)のだ。全逓の伊藤は、民主党の六位で当選し、連合候補では唯一組合員数(十五万)を上回る票を獲得したが、全逓組合員家族カード六十万票からすれば四十万強、組合員の三分の二以上が伊藤選挙にソッポを向いたのだ(関山は自由党と社民党にも負けて落選)。
 連合全逓中央は民主党支持だが、民主党の多数は「郵政民営化賛成」であり、鳩山は小泉と「構造改革」を競っている。連合全逓本部の利益を代弁する伊藤と「構造改革」を支持する鳩山とは、どっちもどっちだ。問題なのは、全逓中央が民主党を支持しているだけではなく、全逓運動の基調の発想が小泉とそっくり同じだということだ。

 「聖域なき改革」「痛みの共有」路線の反動性

 総括の第三は、大会では「郵便新生ビジョン」は承認されず、運動方針はその骨格において決定されなかったということだ。
 運動方針の骨格は、中執発言を含めて整理すれば次のとおりである。
 @国営の公社への移行にかかわらず、郵便事業の抜本改革は先送りできない。
 Aすべてのタブーを排して全体が痛みを共有し、競争・競合に耐えられる体力と中長期の事業戦略を確立する。これを基本とした労使共同作業の結果が「郵便事業新生ビジョン(案)」である。全逓の主張・提言を大幅に取り入れたものであり、高く評価する。
 B「聖域(タブー)なき議論と実施」「痛みを分かち合う担保の確保を優先」することを労使確認した。
 C大会論議を経て労働力構成(本務者の削減と短時間職員、非常勤職員への置き換え)、業務運行システム、「新生ビジョン(案)」と個別施策の整合性等の抜本改革に向けた検討と提言を行っていく。
 菰田は、「『聖域なき構造改革』をしていくことを全員が意志統一した」と大会を総括している。だが、事実はまったく逆で、八八%の賛成にもかかわらず、現場の全逓労働者の「意志統一」や「新生ビジョン」支持が得られたわけではない。全国各地方の大会代議員選挙では反対派が三〇―五〇%弱の票を得ている。地本や連合派支部役員の大がかりな不正なしには全逓中央は大会を維持できなかったのだ。
 このように大会と現場が乖離(かいり)しているだけではない。運動方針の骨格と「新生ビジョン」の是非自体が大会では問われていないのだ。「聖域なき構造改革」の具体的内容は一切提起もされず、論議もされていない。ましてや決定などされていない。だから、「郵政公社の制度設計および郵便事業の将来展望を総合的に判断する場」として一一五臨中が開催されることになったのだ。
 大会では、地本役員などの代議員から、非常勤化などの具体的施策について危惧(きぐ)する意見が出された。また、決議機関の開催を求める意見も出た。それは、現場労働者の激烈な怒りが、「本部もろとも地本もぶっ飛ばされてしまう」ことを痛烈に感じさせているからである。
 だが注意すべきは、東京地本・小川らの主張である。そのポイントは「強固な経営基盤の確立のための幅広い改革が求められていることは事実。競争・競合の中で先送りできない状況であることを全体が理解せよ」ということであり、「具体策は中央・地方の協議と決議機関(=専従役員だけで)の判断で」という反動的なものである。

 小泉と同じスローガン

 もし本気で郵政民営化に反対なら、小泉「構造改革」とその突破口をなす小泉「郵政民営化」攻撃と断固として闘うべきである。また、憲法九条改悪と首相公選制導入を主張し、さらに小泉「構造改革」を支持して「改革の本家争い」をしている鳩山民主党とは決別すべきである。
 ところが、全逓中央が「新生ビジョン」とか「聖域なき構造改革」とか「痛みの共有」とか、小泉と同じスローガンを掲げているのはどういうわけだ。郵政民営化をめぐり、推進の小泉と反対の全逓が同じ発想をするのは、スタンスが同じだからだ。全逓中央や伊藤は「生活者の視点」からの「民営化反対」を強調する。その時、労働者の雇用と労働条件の維持・改善の課題は彼らの念頭から消えてしまう。「生活者の利益」や「公共性(公益)」の旗を掲げて、実際は労働代官としての権益にしがみついているのだ。全逓中央はスタンスを小泉と共有しており、既得権にしがみつくことでは「守旧派」=郵政族と利害が一致する。
 そのような反動的な運動路線は、労働者人民の共感と支持を絶対に得られず破産するのは必然である。
 「郵便事業の高コスト体質改革、コスト削減には聖域を設けない」「ナマ首は切らせないが(ウソだ!)、労働力のあり方を転換する(「複合型労働力政策」の導入)」――こんなことを主張するのはもはや労働組合ではない。「痛みをすべての関係者が均等に分かち合う」と言うが、「コスト削減と労働力のあり方の転換」の「痛み」は一方的・全面的に労働者に強制される。NTTしかり、あの松下にしてしかり。郵政は違うというのか。ふざけるな!

 連合全逓中央打倒し 公社化=民営化粉砕を

 総括の第四は、総務省・郵政事業庁と連合全逓の共同作業と合意によって、民営化をかわす意図にもかかわらず、大量の人員削減を柱にした「限りなく民営化に近い公社化」攻撃が大会後に急ピッチで激化・全面化していることである。
 これは、民営化後の官僚と労働貴族の生き残りをめざしたあがきだ。
 七月九日、小泉の「郵政三事業の在り方について考える懇談会」に、総務省は、五年間で郵政三事業の二万人強の削減(郵便一万五千人、郵貯三千人、簡保二千三百人)を「関係労働組合と協議中」とする資料を提出した。
 総務省は、「組合側とは民営化論の高まりを背景に経営合理化が必要との認識で一致している。能力給拡大、賃金体系の抜本的見直しなども組合側は受け入れる方向で交渉している」ことも公表した。
 総務省はさらに、二〇〇〇年度決算で郵便事業が約百億円の赤字であること、地域別収支では東京だけが黒字で、地方の赤字を都市部の利益で埋め合わせている経営構造なども初めて明らかにした。
 小泉は「郵政公社化法案に郵便事業分野への全面的な民間参入を盛り込む」方針を明らかにしており、公社を地域分割することも検討している。
 これに対して総務省は、
八月初めに「郵政公社の大枠」を固め、八月三十日に「郵政事業の公社化に関する研究会」をスタートさせた。座長の南直哉東京電力社長は「法律で決まっている〇三年公社化を前提に報告をまとめるが、実質的に民営化と同じじゃないか、といわれるぐらいの中身になるといい」と発言している。「『独立採算で民間経営に近い事業形態をめざす』(総務省)結果、『民営化が最善』という結論にたどりつく可能性もある」(八月三十一日付朝日新聞)
 総務省が「郵政公社の大枠」を固めたということは、全逓中央との合意が成立したということだ。全逓中央は、全国大会で承認されなかった「聖域なき郵政事業構造改革」=実質民営化方針を、一一五臨中で決定する腹だということである。
 連合全逓中央は、今や小泉「構造改革」−「郵政民営化」攻撃に全面屈服し、その攻撃の推進者に成り下がった。郵政民営化攻撃とは、全逓労働運動−公務員労働運動を解体し、戦争国家化への道を掃き清める攻撃である。労働者に大失業、賃下げなどの「痛み」を強いる攻撃と、戦争国家化攻撃は一体である。
 闘う全逓労働者は、これを断じて許さず、一一五臨中に対して現場の怒りを総結集して闘おう。
 最後に今秋決戦の方針を簡潔に確認したい。
 第一に、小泉の戦争国家化と「構造改革」の全体と対決し、革共同六回大会路線をもって革命的大衆行動を組織化することである。
 第二に、戦闘的労働運動の前進のために、組合的団結と階級意識を解体する攻撃と闘い抜くことである。
 第三に、郵政民営化反対、連合全逓中央打倒、全逓改革の闘いを、全逓委員会の変革と飛躍をかけて闘い取ることである。
 第四に、この全逓決戦の中で党勢二倍化をかちとること、それを四・二八反処分闘争陣形の強化と「人事交流」との闘いを水路に実現することである。
 これらを、十一月労働者集会の大成功に集約して闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号2面2)

介護保険料10月値上げ阻止へ〈上〉
 高齢者、「障害者」抹殺狙う「構造改革」を粉砕しよう

 高齢者先頭に全国で闘いが

 十月の介護保険料引き上げは、小泉「構造改革」による最初の「痛み」の強制として、高齢者に襲いかかろうとしている。介護保険料は、当初予定の保険料へと引き上げられ、これまでの二倍にされる。これに対し、高齢者を先頭とした怒りの決起が、全国で本格的に始まっている。
 五月二十五日、介護と福祉を要求する杉並住民の会は、高齢者六十人の決起で区役所ロビーを実力占拠、百五人の不服審査請求を提出した。その後も、石原都政下の介護保険審査会と激しくやり合いつつ、七−八月には各地域での懇談会が定例的に開催されている。
 東大阪では七月二日、荒本地区介護と福祉を要求する会と東大阪国保と健康を守る会介護要求者部会が、市役所玄関を高齢者や車イスの人びと百人で埋め尽くし、市に対して保険料減免要求を突きつけた。これに続き、大阪府の介護保険審査会に大規模な集団不服審査請求を組織するため、会員拡大闘争とともに闘いが展開されている。八尾でも百人規模での不服審査請求の取り組みが始まった。
 高槻では七月十八日、健診介護要求者組合を中心に高齢者、「障害者」、その家族二百人が市役所内に結集し、百十二人の不服審査請求を提出した。介護保険課窓口での抗議行動を展開し、市長室まで押し掛ける実力決起が貫かれた。九月市議会に向けて、十二日にはさらに大きな取り組みが予定されている。
 そのほかにも、堺市で元労組役員が不服審査請求を行い、その却下に抗して介護保険料支払差し止めの裁判を開始した。この報道を聞いて百人以上の人びとが不服審査の集団申請を行った。金沢でも、昨年末に三十数人で集団不服審査請求を行ったグループが、保険料引き上げに対する審査請求闘争を再度開始した。
 また、旭川でも弁護士もなしにたった一人で、介護保険を違憲とする裁判闘争が始まっている。八月に入って、福岡市でも八人が集団不服審査請求を開始し、九月には数十人で再請求を行うという。介護保険への怒りが、ついに全国で一種の「反乱」的事態となって発展しつつある。
 「年金額は月四万円。今までこの年金だけでやりくりしてきた。家賃と水光熱費を払い、残った二万円で生活必需品を買い、食事をする。一日に使える食費は五百円にもならない。今、介護保険料は月々千円少しだが、十月からは二千五百円ほどになる。どうやって生活したらいいのか。絶望的な気持ちになる」
 「年金月額は五万円、毎日を七百円で過ごす計算で生活している。医者にかかった日は食事を抜く。この中から保険料を取られるのか。戦争の時に、一緒に働いていた者はみんな丸焦げになって、私は九死に一生を得た。今度は最低の生活もさせないというのか」
 「富田団地事件(高槻での老老介護世帯共倒れ事件)は、他人事とは思えません。明日はわが身のむごさです。最低年金月額一万六千円の難病者も、八十六歳の夫に支えられてかろうじて生きている者も悲惨です。老老世帯は死刑執行を待つに似た心境。あまりにひどい。介護保険料の倍増には絶対反対です」
 「もう我慢ならない」「人間らしく生きたい」という思いが、「生きる当たり前の権利」を掲げた根底的な怒りとして爆発し始めている。

 戦後社会保障の全面的解体

 小泉「構造改革」は、大失業攻撃であるとともに、戦後社会保障制度の全面解体を宣言し、強行しようとするものである。
 経済財政諮問会議の「基本方針」、とりわけその第三章「社会保障制度の改革」は、高齢者、「障害者」の抹殺宣言だ。そのための手法を並べ立てているだけだ。
 さらに、石原行革担当大臣のもとで出された総合規制改革会議の「中間とりまとめ」は、この基本方針の実施に向けての時期や着手の方針を示している。
 ここでは、基本方針の核心部分を徹底的に批判する。中でも医療制度、特に老人医療制度に焦点を合わせたい。
 第一に、経済財政諮問会議は社会保障制度改革と銘打って「国民の安心と生活の安定」を唱えるが、それは「安定的に」収奪する構造を構築することにほかならない。社会保険制度を基本とした戦後社会保障制度の解体・再編をとおして、「効率的」に経済財政運営を行う基盤の形成が目指されている。この面での国家の財政負担を徹底的に削減するということなのだ。
 「『自助と自律』を基本」とし、不足分は「活力ある『共助』の社会の構築」で補えと言いつつも、「公助」は一言も出てこない。そして、社会保障に対する信頼は「わかりやすい制度であることが不可欠」だ、としている。
 それらを制度化したものが、「個人勘定」制度の導入である。
 「年金、医療、介護……の最も効率的な組み合わせを行い、重複給付の是正や機能分担の見直しを進め……これを総合化することにより……『真』に支援が必要な人に対して公平な支援を行うことのできる制度を実現する」「『社会保障個人会計(仮称)』システムの構築に向けて検討を進める」と。
 何のことはない、重複給付を削減し、個人会計で対処する、給付はその限りということだ。これはもはや社会保障でも何でもない。
 憲法による「生存権保障」の理念に基づき、戦後的社会保障は「国民の生活の安定が損なわれた場合に……安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うもの」と位置づけられてきた。この理念自体を真っ向から否定し、大転換させようとしているのだ。

 老人医療制度の破壊に焦点

 第二に、その焦点を医療制度改革に据え、しかもその中心は老人医療費の抑制、老人医療制度の破壊に置かれているということだ。この改革内容たるや、でたらめ極まる代物だ。
 例えば、@増加の著しい老人医療費を中心に、医療費全体が経済と「両立可能」なものにすると宣言している。要は、経済成長率内に医療費を抑えるということだ。そのために「医療サービスの標準化を行う」と言い、老人医療費への定額制の導入・大幅拡大を打ち出した。これは、高齢者には従来どおりのまともな医療は保障しないということなのだ。
 A病床数の削減をさらに追求し、「高齢者医療から介護サービスへの円滑な移行」を推進するとしているのは、高齢者の入院医療の切り捨てだ。一般病院から高齢者をたたき出し、医療体制のまったく不十分な介護保険施設に放り込むということなのだ。
 これは、高齢者を虐殺するものにほかならない。今でも、重症、重介護の高齢者は行き場を失い、医療をまともに受けられない現実にある。こうした現実をさらに拡大するものだ。(別掲の事例参照)
 B「適正な患者自己負担……特に高齢者医療については……サービス利用の適正化を実現する」「医療費総額の伸びの抑制を行う」「老人医療費については、経済の動向と大きく乖離(かいり)しないよう、目標となる伸び率を設定し……高齢者医療制度などについて、費用負担の仕組みをはじめ、そのあり方を見直していく」とまで言っている。来年度の制度改革の現実的内容はここにあると言える。厚労省案の詳細については後述したい。
 (つづく)

 《Bさんの事例》

 75歳のBさんは全身性のリューマチで、かろうじて指先だけが動く。これまで、気心の知れたヘルパーに生活の大半を支えられ、居宅で介護と治療を受けてきた。しかし、介護保険の実施以後そのヘルパーが来られなくなり、業者指定のヘルパーが入れ替わり立ち替わり派遣されるようになった。しかも1割の利用料負担に耐えられず、派遣時間を減らした。このため、ますます精神的に不安定になり、身体状態までもが悪化、ついに耐えられない腰痛になったため、訪問看護を受けていた病院に入院を依頼した。
 しかし病院側は長期の高齢入院になる可能性が高いと判断し、入院を拒否。3カ所目でようやく受け入れ病院を見つけた。入院するまで40日も入浴できなかった。
 Bさんの場合、腰痛の改善が進んでもすぐに悪化することは明白だから、在宅に戻る展望は生まれない。かつての安定した在宅治療や介護は、断ち切られたままだ。
 このように、重介護の高齢者にとって居宅での治療や介護は絶望的な状況だ。運良く医療機関に入院できたとしても、施設内をたらい回しにされる。介護保険施設(療養型病床、老人保健施設など)でもたちまち状態が悪化し、一般病院→治療→施設を繰り返すことになる。短期間で施設を替わること自体、命を縮めるものとなる。長期に治療と介護を保障する施設は、もはや存在しないのが現実だ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号2面3)

改憲阻止の大運動を 反戦共同が全国活動者会議 「有事立法」軸に今秋方針

 反戦共同行動委員会の二〇〇一年後期全国活動者会議が九月二日、千葉市のDC会館で開催され、全国から三十数人が参加した。小泉政権打倒と有事立法・改憲粉砕闘争の今秋方針が活発に討論され、十・一六ブッシュ訪日阻止闘争などの方針が確立された。
 滝口誠事務局長が議案を提起した。今年前半、小泉政権の靖国・教科書攻撃と全面的に激突して闘ったと総括し、小泉政権打倒、有事立法・改憲を阻む展望をつかんだと宣言した。
 またブッシュ政権の登場と戦争政策の展開、日帝の空前の危機と小泉政権の性格について核心的に情勢論を展開し、PKO法改悪・有事立法阻止の国会闘争、ブッシュ訪日阻止闘争、十月七日の三里塚全国総決起闘争などの今秋闘争の方針をズバリ提起した。
 広島と長崎からの特別報告では、八月広島・長崎闘争は全国の労働者の結集と国際連帯を実現する闘いとして発展していることが語られた。三多摩、川崎からは九・一闘争の報告。小泉や石原が先頭に立った有事治安演習の実態や動員拒否で闘った労働組合の闘いの意義や教訓などを話した。
 全学連の大山尚行委員長は、九月末の有事立法の中間報告の重大性を訴え、これまでの限界を突破する改憲阻止闘争をやろうと熱烈に訴えた。関西反戦共同行動委事務局長の国賀祥司・泉佐野市議は人数倍増の闘いを実現したいと訴えた。
 十月十六日のブッシュ米大統領の訪日について討論が白熱。上海APEC直前のブッシュの訪日と日米首脳会談がこの秋の最大の焦点であり有事立法阻止闘争と一体だ、などの意見が出され、十・一六闘争を全力で闘うことが決定された。
 青年アジア研究会は、教科書や靖国闘争で実現した国際連帯の意義を訴え、公安調査庁による在日朝鮮人の登録票調査を弾劾した。関東障解委は「精神障害者」に対する保安処分攻撃との闘いを、十万人保釈署名運動は司法改革との闘いを呼びかけた。部落解放同盟全国連は、狭山異議審の棄却阻止を訴えた。
 最後に中野洋代表が討論をまとめ、「米帝が世界戦略の歴史的転換を図り、むき出しの帝国主義軍事外交を始めた。これは世界大恐慌情勢が背景にある。その中に小泉の登場もある。これと戦略的に対決し、改憲と有事立法阻止の壮大な統一戦線と大衆運動をつくろう」と呼びかけた。参加者は今秋決戦の決意を新たにした。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号3面1)

9・1演習粉砕闘争 首都圏の戦争動員と対決
 自衛隊主導の訓練を弾劾 終日各地で監視・集会・デモ 写真特集へ

 調布 430人で抗議デモ

 調布基地跡地や多摩川河川敷会場のある調布市内で一日午後、「ビッグレスキュー2001に反対する三多摩行動」実行委員会の呼びかけで抗議集会とデモが行われた。
 演習の行われた午前中、各会場で抗議・監視行動を行った労働者や学生ら四百三十人が調布市・調布グリーンホールに集合し、午前中の抗議と監視の様子を報告。その後、市内をデモした。
 集会は、立川自衛隊監視テント村の司会で進み、各会場の様子が集約された。
 三多摩行動実行委が八王子駅前と南多摩高校での訓練の様子を報告した。
 八王子市では、反対の声の高まりで、自衛隊参加を市の広報に載せさせなかったことなどが報告され、南多摩高校の報告では、「これまで公立学校に自衛隊が堂々と足を踏み入れたことなどない」と強い危機感を表明するとともに、現場の教育労働者と地域の反対で強制動員をやめさせたことを報告した。
 調布基地跡地会場の様子を学生が報告。会場の入り口で、見学者の身分証の提示やかばんの中まで調べられ、゛選別と排除と管理″の訓練だったと弾劾した。別の学生は「軍事演習としか思えない」と訴えた。
 さらに多摩川河川敷や立川、練馬、朝霞基地、都庁での訓練の様子や抗議行動について、破防法と組対法に反対する共同行動や北部労働者共同闘争会議などが報告した。
 各会場からの報告で訓練の全体像と実態が明らかになり、「やっぱり有事治安演習だ」と参加者の怒りは高まった。さらなる今後の闘いの継続を誓い、市内デモに出発した。第二梯団は反戦共同行動委員会。甲州街道では訓練に参加した自衛隊の車両とすれ違ったり、市民からの声援を受けながらデモを貫徹した。

 川崎 虐殺繰り返さぬ

 七都県市合同防災訓練中央会場の川崎市新鶴見操車場跡地で、自治体労働者を先頭に終日闘いが続いた。
 関東大震災時に虐殺された朝鮮人・中国人の屍(しかばね)がいまだ眠る多摩川河川敷、在日朝鮮人居住地域が広がる川崎で陸海空三自衛隊の有事出動演習を行うことなど許せるか!
 《陸海空自衛隊による九・一川崎防災訓練反対!》実行委員会は、朝から市内四訓練会場の監視行動を行うとともに、JR南武線矢向駅でビラをまき、「川崎の公共ふ頭への戦後初の自衛隊艦船入港―上陸に反対します」と訴えた。
 午後二時、幸市民館で集会をかちとった八十人がデモに出た。「私たちは戦争訓練には協力しません。朝鮮人・中国人虐殺の歴史を繰り返してはなりません」――宣伝カーの訴えに誰もが立ち止まり、ビラを受け取る。中学生がこぶしをあげ、青年労働者も仕事の手を休めてデモに注目した。
 東扇島の公共ふ頭には海自特務艇はしだて、輸送艦さつまが入港、沖合に掃海艇はつしまが停泊。中央会場では陸自のやぐらが建てられ、自衛隊車両が展開する中、午後一時三十分、防災服の小泉が登場した。川崎工業高校の校庭では自衛隊・警察・消防隊が結集訓練を強行。高校生は「おれらも殺されるんじゃないか」と怒りの声をあげた。

 横田 新城区議らが申し入れ

 米軍横田基地では、新城節子杉並区議を先頭に都政を革新する会が午前七時二十分に第二ゲートに登場し、ビッグレスキュー2001の即時中止を求める申入書を読み上げた。(写真)
 同基地では空自のC130やC1など大型輸送機四機、自衛隊ヘリ二機などが発着を繰り返して自衛隊岐阜病院医療班や北海道警、宮城県警の空輸、消防車の搬送などを行い、米軍が航空管制を行った。まさに日米共同軍事演習だった。
 石原は午前十時二十五分にヘリで到着。「敗戦以来(日本に)返って来ない横田基地をきょう初めて日本人が使った」と得意げに語り、小泉に視察を要請、小泉も午後一時過ぎ、ヘリで基地上空を一周した。

 調布 監視妨害に怒りの抗議

 調布基地跡地も自衛隊の制圧下に置かれた。臨時ヘリポートにひっきりなしに自衛隊ヘリが飛来し、三沢の空自の部隊が航空管制にあたった。午前十時、第三一普通科連隊指揮所と看板のあるテントの前に兵士が整列。十時二十五分、バイク五台と装甲車一台が偵察として会場に突入し、訓練が始まった。正午前、小泉と石原がヘリで到着して視察した。医師会や地元住民もトリアージ訓練や炊き出しに駆り出された。調布一中の生徒も消火訓練や負傷者救助訓練に動員された。
 三多摩行動は監視行動に立ったが、会場に向かう歩道橋上で機動隊に阻まれた。自治会で動員された住民だけを通し、反対派は絶対に会場に近づけない権力に怒りを燃やし、抗議行動を続けた。この権力の対応も有事出動演習の一環だ。まさに治安出動として訓練が強行されたのだ。三多摩労組交流センターは早朝から飛田給駅前で軍事演習反対の街頭宣伝を貫徹した。

 多摩川 視察の石原を迎え撃つ

 多摩川河川敷では、三多摩行動の監視行動と、反戦共同行動委の宣伝戦が午前八時から闘われた。街宣は調布側の多摩川河川敷の手前の交差点で行われ、横断幕を広げマイクで「治安弾圧訓練反対」と訴えた。
 演習は、自衛隊が五百五十人参加し、トリアージ訓練や渡河訓練などが行われた。海自の対潜哨戒機P3Cが偵察に飛来、陸自ヘリでの輸送訓練など、自衛隊主導の様相が明白だ。
 午前十一時すぎに石原がヘリで飛来。その五分前から権力は街宣隊を排除にかかり三十分間にわたって動きを封じた。石原に抗議の声が届くのを阻むためだ。
 国家権力は、反対運動や監視行動の排除を「防災訓練」の一環に位置づけて治安弾圧訓練を行ったのだ。正午少し前、反戦共同行動委がデモを終え河川敷に到着、土手の上からシュプレヒコールをたたきつけた。

 八王子 高校生強制動員と対決

 JR八王子駅前では自衛隊の戦闘車両が制圧する中、駅構内で列車が転覆して化学ガスが漏れたことを想定した訓練が行われた。爆音を響かせた空自の大型ヘリが降下訓練を行った。
 南多摩高校では校庭や体育館で演習が行われた。校長は生徒全員を動員しようとしたが、教育労働者らの反対により七十〜八十人の参加となった。強制参加の放送部の生徒は音響設備設営に、パソコン部の生徒は被災者支援安否情報登録検索システム(IAA)訓練に動員された。ほかにもボランティアの生徒が応急救護訓練や炊き出しなどに動員された。残りの生徒は自宅待機と安否報告が義務づけられた。自衛隊員二十人は給食訓練を行った。
 三多摩行動は駅前と南多摩高校で演習反対の情宣と監視行動を行った。

8・30 治安出動反対を  八王子で250人がデモ

 八月三十日、「ビッグレスキュー東京2001」会場の都立南多摩高校近くの船森公園に二百五十人が集まり、集会とデモがかちとられました。「ビッグレスキュー東京2001に反対するための集会実行委員会」が主催し、八王子勤労者市民センターに結集する都高教、都職労などの労組、「止めよう戦争への道!八王子連絡会」などが一堂に会しました。
 司会の都職労建設支部の仲間が「自衛隊のための治安出動訓練に断固反対しよう」と開会宣言。実行委の共同代表は「横田基地が加わり、米軍と自衛隊の新ガイドライン訓練になった。有事出動を許さない闘いを」と訴え。都高教の南多摩高校の仲間は「校長は全員参加を狙ったが五十人に押しとどめた。しかし実態は強制参加だ」と当日までの闘いを呼びかけました。「ビッグレスキュー2001に反対する三多摩行動」が当日の抗議・監視行動を呼びかけ、横田基地飛行差し止め訴訟団が「石原知事の軍民共用化を狙った布石を絶対に許さない」と訴えました。八王子市民・八王子教組は「九・一を戦争への道を止める闘いとしよう」と熱く訴えました。
 市内デモは八王子市民の多くの激励を受けて大いに盛り上がりました。
 カクマルは実行委員会から事前に「参加させない」と通告され大打撃を受け、ビルの陰でビラをまくありさまでした。(労働者T・T)

 大阪でも立つ 演習弾劾で街宣

 九月一日、「とめよう戦争への道!百万人署名運動・関西連絡会」が、首都圏での自衛隊治安出動訓練を弾劾する街宣を大阪・難波高島屋前で行いました。
 「憲法改悪反対! 自衛隊の治安出動訓練反対! 有事立法反対!」と熱烈に訴え、多くの労働者が立ち止まってアジテーションに聞き入り、署名に応じてくれました。討論の輪ができ、ある労働者はリストラに不安と怒りを訴え、小泉に怒りが噴出する場面もありました。(投稿 ST)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号3面2)

小泉改革と闘う新潮流を 11月労働者集会の成功のために 2
 増大する不安定雇用 低賃金・無権利・使い捨て
 労働法制も抜本改悪へ 総合規制改革会議が方針提示 

 失業率五%への突入という事態の中で、小泉「構造改革」が労働者にもたらす恐るべき災厄はますます現実のものとなりつつある。小泉は、大失業情勢の中で銀行の不良債権処理を強行し、倒産を激発させつつ、雇用流動化と称して当面でもさらに二百〜三百万人もの労働者を失業に追い込もうとしているのだ。それを絶好の機会に、労働者を低賃金・無権利の不安定雇用に投げ込むことが小泉の戦略だ。小泉政権を打倒しなければ、労働者は生きていくことができない。

 非正規雇用が4分の1超に

 恐慌が一層深まる中で、不安定雇用化の攻撃は恐るべき勢いで進んでいる。総務省が実施した労働力特別調査によれば、雇用者のうちパート・派遣・アルバイトが占める割合は、九五年の二〇・九%から今年二月には二七・二%にも上昇した。この六年間で不安定雇用は三百五十九万人も増えたが、正規雇用は百三十九万人減少した。とりわけ女性の不安定雇用比率は、四七・九%ときわめて高い。
 年齢別に見ると、十五歳から二十四歳の青年層で不安定雇用が二一・四%(在学中の者を除く)を超える。正規雇用の就職口はきわめて限られている。もはや資本主義は、青年に未来展望を示すことができないということだ。
 一方、四十五歳以上の中高年齢層でも、不安定雇用比率は急上昇している。激しい首切り攻撃にさらされているこの層では、再就職はきわめて厳しい。再就職できたとしても、賃金は半減したという例はざらだ。
 ここ数年、赤字部門の分社化と、そこへの転籍強要をテコとした賃金切下げ・短期雇用化の攻撃が至るところで吹き荒れた。昨年は、年金支給開始年齢の引き上げを口実に、六十歳を前後する労働者にいったん解雇・賃下げ再雇用の攻撃が一斉に襲いかかった。こうした資本攻勢は、今や大企業の中堅労働者をも標的にしている。その典型がNTTの十一万人を対象とした転籍・賃下げ攻撃であり、JR東日本の「ニューフロンティア21」=メンテナンス全面外注化だ。
 小泉は、こうした状態にある労働者に追い討ちをかけるように「構造改革」に手をかけているのである。

 「雇用流動化」で分断と競争

 七月二十四日に総合規制改革会議が公表した「重点六分野に関する中間とりまとめ」は、労働者を低賃金・不安定雇用にたたき込むための露骨な方策を打ち出した。それは、経済財政諮問会議の「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」を現実化するための、実行プランとしての位置を持つ。
 「中間とりまとめ」は、@医療、A福祉・保育、B人材(労働)、C教育、D環境、E都市再生の六分野にわたって、緊急に取り組むべき課題を具体的に列挙している。その施策のすべてが、労働者からの権利はく奪に向けられている。その柱をなすのが、人材(労働)分野における「規制改革」である(表参照)
 総合規制改革会議は、帝国主義間争闘戦での敗勢への危機感をむき出しにして、「経済のグローバル化に代表される国際競争環境の変化により、個別企業、産業の栄枯盛衰のテンポは速くなる」と叫び立てている。その中で、資本が生き延びていくためには、労働者を分断し、徹底した競争にたたき込み、不安定雇用のもとに使い捨てるしかないというのである。
 さらに、「結果として、個々の企業あるいは産業が労働者に対して保障できる雇用期間は短くならざるを得ない」「就職から定年退職まで一企業で雇用を保障するのではなく、労働市場を通じて雇用を保障していく体制への移行が必要となる」などと言い放っている。「労働力の流動化」=不安定雇用化を全労働者に押し広げるということだ。
 この攻撃を貫徹するために押し出されているのが、解雇制限の撤廃を柱とする労働法制の全面的・抜本的な改悪だ。それは、過去数度にわたって行われた労働法制改悪とはまったく異なる意味を持つ。解雇規制の撤廃は、現在も激しく行われている暴力的な解雇・賃下げを一層激化させるとともに、それを居直り的に追認するものである。さらに、パートや派遣、短期雇用が主要な雇用形態となり、正規雇用はごく一部の労働者に限られてしまう。労働者をいつでも取り替え可能な部品のような存在に落とし込め、徹底した低賃金でこき使おうとしているのだ。もはやそこには、「労使対等」とか「労働者の権利」という考え方はひとかけらもない。貧富の差は極限的に拡大し、弱肉強食こそが社会の原理になるということだ。それは、戦後的な階級関係の全面的な転覆の企てなのである。
 日帝は、九五年の日経連報告「新時代の『日本的経営』」で、労働者の圧倒的多数を時間給で昇給もなく、有期契約を基本とする無権利状態にたたき込むことを提唱した。二〇〇〇年と二〇〇一年の日経連労問研報告は、「多様な雇用形態の推進」を叫び、こうした攻撃に本格的に着手することを全資本に号令した。今、小泉はそれを国家戦略にまで高め、大失業の圧力のもとで一挙に貫徹しようとしているのである。

 解雇制限撤廃が雇用対策!?

 恐慌が再激化し、失業率が五%を突破する中で、小泉は秋の臨時国会を「雇用対策国会とする」などと言っている。だが、その「雇用対策」とは、結局のところ労働者を低賃金・不安定雇用に突き落とすということでしかない。
 資本もまた、大規模な首切りを次々と推し進めながら、他方で「解雇規制があるから企業は採用を手控え、雇用拡大が進まない」「雇用創出のために労働市場の規制緩和を」と叫んでいる。飽くなき搾取こそ、資本の本性なのである。
 経済財政諮問会議は「構造改革が実行されれば五年後に五百三十万人の雇用創出が期待できる」などという。それ自体デタラメきわまるこの「雇用創出計画」の柱にあるのが「人材派遣サービス」「個人向け・家庭向けサービス」「子育てサービス」「高齢者ケアサービス」などである。
 ITバブルが崩壊し、電機資本が軒並み大規模な首切り・リストラを打ち出す中で、IT化による雇用創出などもはや問題にもならない。だから小泉は、製造業への派遣労働の全面解禁と、医療・介護・保育分野への企業参入の推進、そこへの低賃金・不安定雇用労働者の動員こそが雇用対策だと居直っているのだ。
 総合規制改革会議の「中間とりまとめ」も、これと完全に一体だ。それは、これまで自治体や社会福祉法人中心に担われてきた医療・福祉のあり方を、「いわゆる社会的分野は、現在も改革の遅れが目立っている」と憎悪を込めて罵倒(ばとう)する。そして、「企業家精神の旺盛(おうせい)な個人による創業、迅速な事業展開が期待される」と言いなし、医療や福祉などの社会保障制度を解体し、「個人向けサービス」なるものに転換し、その「市場」を資本の利潤追求の場として全面的に開放せよと迫っているのだ。
 同会議では、「社会的分野に従事している人の間には、営利企業を入れてはいけないとの考え方が強い。こうした考え方を変えてもらう」「市場原理の重要性を認識してもらう」「医療に株式会社が入ってどうしていけないのか」などという議論が、何度となく平然と繰り返された。
 だが、こうした分野で利潤を上げようとすれば、労働条件を徹底的に切り下げるしかない。今でさえ劣悪な条件で働くことを強いられている労働者へのさらなる犠牲転嫁を武器にして、医療・福祉分野に触手を伸ばしてくる「企業家精神旺盛な個人」とは、暴力団まがいの経営者や、コムスン社長・折口雅博のような人物のことなのだ。
 労働者の徹底した分断と底知れない競争、まかり通る資本の横暴と肉体の極限的な酷使。そんなところに労働者を投げ込む「コムスン」と「ちびっこ園」による「雇用創出策」。労働者にこんな未来しか示せなくなった日帝・小泉政権など打ち倒されて当然だ。

 団結を固めて反撃に立とう

 さらに総合規制改革会議は、「能力・成果主義賃金の浸透など、労働条件の個別決定化も進んできた」「個人の就労意識の多様化から……パートや派遣労働を選択する個人も増えている」などと言いなして、労働条件の集団的決定を否定し、労働者の団結権・団交権を根底から破壊しようとたくらんでいる。
 派遣労働の無制限の拡大にせよ、有期契約による労働者の使い捨てにせよ、裁量労働制による際限ない長時間労働の強制にせよ、それらはすべて、労働者の団結を解体し、階級意識を粉砕し、無抵抗状態にたたき込むことなしには現実化しえない。
 だが、小泉が憎悪を込めて攻撃を集中している「労働分野における規制」こそ、労働者が数百年にわたる闘いの中でかちとってきた獲得物だ。それをやすやすと資本に譲り渡すわけにはいかない。
 転籍・賃下げや首切りに直面した労働者が、不安定雇用下で資本の横暴と立ち向かう労働者が、失業を強いられ苦闘する労働者が、それぞれに団結を取り戻し、階級的連帯をよみがえらせ、連合支配を突き破って立ち上がった時、必ず小泉「構造改革」は粉砕できる。十一月労働者集会は、そうした闘いの突破口だ。
〔長沢典久〕

《労働分野の「規制改革」》

@求職者から手数料を徴収する有料職業紹介事業の解禁
A派遣労働者の拡大
 ・製造業、医療分野での派遣労働の解禁
 ・現在26種に限られている3年を上限とする派遣対象業種の拡大
 ・紹介派遣に際しての、派遣先による労働者個人の面接を解禁
B労働契約期間の上限を現行の3年から5年に延長
C裁量労働制の対象業務の拡大
D労働基準法の全面改定。「解雇ルールの法制化」で解雇を容易に
E企業年金の「ポータブル化」で不安定雇用を促進

 解説 総合規制改革会議

 中央省庁再編をにらみ、「規制改革の推進」を掲げて九八年に設けられた規制改革委員会が改組され、今年四月に設置された審議機関。議長は宮内義彦オリックス社長。メンバーにはリクルートなど人材派遣会社三社の社長が加わっているが、労働界代表は一人もいない。経済財政諮問会議と並び、行革担当相・石原伸晃のもとで「構造改革」の強行を図る突撃部隊だ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号3面3)

“沖縄・広島連帯を” 沖縄市で「つどい」開く カクマルの妨害はねのけ

 八月一日に沖縄市「かりゆし園」ホールで開かれた「戦争を許すな! 沖縄・広島連帯のつどい」に参加した。(写真)
 この集会は、福地曠昭氏など沖縄の反戦平和運動の中心を担ってきた人たち十七人が呼びかけたもので、広島から「八・六ヒロシマ大行動」の賛同人である下田礼子さんが参加した。
 集会に先立ち午後三時から「親子・反戦アニメ」が同じ会場で行われ、「はだしのゲン」「対馬丸」が上映された。近所の、夏休み中の子どもたち約七十人が熱心に見ていた。十組くらいの親子連れも参加していた。二本で約三時間の長い時間をほとんどの子どもたちは真剣に見ていた。
 午後六時半からの集会では、福地さんの主催者あいさつの後、やんばる女性ネット代表の真志喜トミさん、うないネット・コザ主宰の桑江テル子さんの発言の後、下田さんが広島からの訴えを行った。下田さんは自らの被爆体験を述べた後、沖縄の闘いに学び連帯することを常に心において大行動の運動をつくってきたこと、戦争のさし迫る情勢に対して沖縄と広島が連帯してこれを阻止していこうと熱く語った。
 元沖教組委員長の石川元平さんが、「つくる会」教科書と小泉首相の靖国参拝を批判する講演を行った。石川さんは、歴史的経過から説き明かしながら今日の教科書・靖国攻撃の反動性を鋭くかつ分かりやすく批判した。知花昌一さんが閉会のあいさつを行った。
 ところでこの日八人のカクマルが来て、会場の老人福祉センターのロビーやホール前廊下で騒いで集会破壊を試みた。主催者とかりゆし園から出ていくように言われても敵対をやめなかったため、最後は実力で建物の外へ押し出された。その後カクマルは、呼びかけ人のところに「メガネを壊された」「ケガさせられた。どうしてくれる」などとビラを送り付け電話をかけるなど、ほとんどヤクザそのままの言い掛かり、脅迫を行って笑い者になり、その衰退ぶりを暴露している。
 (投稿 Y・O)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号4面1)

10・7三里塚に全国から結集を
滑走路今秋完成・テスト飛行−4月供用開始を実力阻止せよ
 闘う反対同盟を守り抜こう
   赤坂潤

 政府・国土交通省は建設中の成田暫定滑走路について、「今秋完成・テスト飛行開始〜来春四・二〇開港」の方針を一方的に確定した。そして滑走路南端付近の大騒音・危険区域で生活する反対農家を力ずくで押しつぶす突貫工事を続けている。暫定滑走路の運行を不可能にしていた東峰部落所有の神社立ち木についても六月十六日に強盗的手段で伐採を強行し、「空港建設について一切の強制手段を放棄する」(公開シンポ=九三年)とした公的確約を公然と踏みにじった。三里塚芝山連合空港反対同盟は「あらゆる手段で抵抗する」(北原鉱治事務局長)と怒りを込めて決意を表明している。わが革共同はこの反対同盟の立場と姿勢を全面的に支持する。三十五年間、政府の農民殺しと闘い、労働者人民の反戦・反権力の砦(とりで)として守り抜いてきた三里塚闘争の階級的正義にかけて、きたる十・七三里塚全国集会から来春四・二〇暫定滑走路開港阻止決戦へ断固として闘い抜く決意である。

 農民生活破壊する暫定滑走路の暴挙

 暫定滑走路(二本目。二一八〇b)は、滑走路南端に隣接する農家の真上四十bをジェット機が飛ぶ以外に運航できない設計になっている。抵抗する農家を屈服させるために、民家の軒先まで一方的に滑走路を造り、実際にジェット機を飛ばすことで生活条件を完全に破壊する殺人滑走路だ。
 この殺人滑走路の設計や認可には法的整合性は何もない。アプローチ内には事業認定が消滅したために収用不可能な農家を含む多くの未買収地がある。そこには六月に不法伐採された東峰神社の立ち木以外にも滑走路進入表面を侵害する障害物が複数存在する。また市東孝雄さんの畑と反対同盟現闘本部の存在で誘導路が「く」の字にわん曲している。一坪共有地の影響で着陸帯の幅が国際基準の半分しかない。何よりも日本を代表する国際空港でありながら、長さが大型機も飛べない二一八〇bという離島空港なみの短さなのだ。
 このような滑走路は本来なら認可できない代物だ。しかし国土交通省と空港公団は、成田空港建設の最終的破たんの瀬戸際に追い詰められ、それがもたらす国家的屈辱と危機を回避するために、反対農家の立ち退きを前提に見切り着工(九九年十二月)を強行した。「飛ばしてしまえば騒音で生活できないから、農家は必ず屈服する」(公団幹部)という考えだ。暫定滑走路計画そのものが、反対農家を追い出すための国家的地上げ行為なのである。

 農民殺しが「開港」で露呈

 しかし公団が農家への屈服強要に失敗した場合、暫定滑走路は政権の存立にかかわる危機を生み出す。反対同盟と地域住民の粘り強い反撃によって、“農家が屈服する゜という公団の期待は確実に打ち破られつつある。暫定滑走路の違法な実態や農民殺しの数々が、いや応なしに明るみに出ようとしている。この実態が全人民の前で突きつけられた瞬間、政府・公団はこれに耐えうる論理を持っていないのだ。
 また周辺住民を懐柔するキーワードである「空港と地域の共生」も、騒音地域を中心に決定的な破たんに直面している。内陸型の巨大空港は本質的に周辺を無人化・廃村化する性格を持つ。騒特法はこの本質に対応した立地規制と移転促進法だ。これまで公団は「防音工事助成」などの買収策でのりきってきた。しかしその本質的矛盾がついに露呈し始めている。バブル経済の崩壊に加え、騒特法の立地規制が具体化した今年春から地価下落が加速、規制区域内外の土地価格が限りなくゼロ化した。そのため騒音に耐えられず移転を希望しても土地が売れないケースが続出し、「公団に損害賠償を求める」騒ぎに発展している。
 国土交通省は「地域住民はほとんど空港に賛成している。反対派はほんの一握り」とごう慢なウソで人民を欺き、農民殺しの滑走路建設を正当化している。しかしそのウソが大々的に露呈することは避けられない。「共生論」の虚構の破たんは、必ず空港政策の命取りに発展する。

 「2180メートル」の致命的欠陥

 また暫定滑走路の開港は「二一八〇b」という滑走路の欠陥性を全世界に露呈させる。公団が公表している暫定滑走路の処理能力は「六万五千回発着/年」である。諸外国との交渉もこれを前提に進めてきた。しかしこの数字は平行滑走路が本来計画の二五〇〇bで完成した場合のもので、大型機が使えない暫定滑走路では、国際・国内線を合わせても最大で年間二万回、便数にして一日二十八便が限度だ。成田空港は発着枠の絶対的な少なさゆえに、大型機の発着が全体の九五%を占める。二一八〇bの暫定滑走路は端的に言って使い物にならない。
 国土交通省・公団はこの危機を突破しようと必死だ。彼らの攻撃の矛先は一点、敷地内農民を屈服させることに向かっている。村をフェンスで囲い営農環境を極限的に破壊し、警察権力や地域反動を動員して反対農家に実に卑劣な圧力をかけている。滑走路計画の違法性、確約をほごにした「同意なき見切り着工」、軒先工事による生活・営農環境破壊、警察による昼夜を分かたぬ嫌がらせ等々。
 これらの事実は、開港阻止決戦の勝利的前進の中で全社会に露呈する。「サッカー・ワールドカップ開港」の鳴り物入りの宣伝は暗転し、政府は内外の厳しい批判にさらされることになる。それは三十五年にわたる農民殺しの歴史が廃港への道に転じる歴史的な転換点となるだろう。暫定滑走路開港阻止決戦は、三里塚闘争の歴史的勝利の道をかけた攻防である。

 日帝・警察権力の治安攻撃打ち破れ

 成田空港建設をめぐる矛盾と危機の露呈は、同時に日帝の治安政策の最大の破たん点となってきた三里塚闘争の存在意義をあらためて焦点化させる。大失業時代が到来し、国家主義がむき出しになる今日の情勢下で、日帝の暴力的階級支配を実力で打ち破り勝利し続ける人民の拠点が現に存在しているのだ。このことが満天下に示される意義は計り知れない。
 日帝権力が最も恐れているのは、反戦・反権力闘争としての三里塚闘争が、大失業攻撃のもとで広範な労働者階級の怒り、激発する労働運動と合流することである。その可能性は、動労千葉を始めとする戦闘的労働運動との長年にわたる労農連帯の闘いの実績の中に圧倒的に示されている。第一級の国策を三十年以上も阻止し続けている三里塚闘争の力の源泉は、労働者人民の階級的団結にある。
 この間、警察権力が成田空港問題をあらためて治安政策の中心問題として対象化し、来春開港をめぐる弾圧体制の強化に着手した事実を決定的に重視しなければならない。八月二十四日に国家公安委員長が五年ぶりに現地を視察し、「成田問題は治安政策の原点」と宣言したのである。この動きは、堂本千葉県知事と県自民党が「県収用委員会の再建」を強く主張していることと併せて重大だ。彼らの狙いは三里塚闘争の破壊・抹殺である。土地収用法が適用できなくなり、あらゆる買収策も尽き、彼らには結局、直接的な暴力で反対派をたたき出す以外に手段がなくなっている。

 闘いの道示す三里塚の地平

 警察権力が成田問題を治安政策の中心課題と考えるのには明白な根拠がある。最も象徴的な問題は、千葉県収用委員会が実力で解体(八八年の強制収用着手に反撃)されて再建できない状態が、まる十三年も続いていることだ。このことで成田空港の事業認定は消滅に追い込まれ、強制収用できない状況に陥ってしまった。また千葉県下では公共事業のための土地収用法が一切適用できない状態が続いている。「法治国家・日本」で、国家の暴力装置が機能しない領域が生まれ、しかもそれが定着しているのである。
 この事態は、正当な反権力闘争が広範な労働者人民の支持に支えられるならば、権力の暴力支配さえ打ち破る陣地を階級闘争のただ中に確保できることを実証している。圧倒的な国家暴力の支配に対して、労働者階級人民はいかに闘うべきか。三里塚闘争の経験は、この問題に明確な道筋を照らし出している。いわゆる「権力万能神話」は三里塚の地で事実をもって崩壊している。
 われわれはこの三里塚闘争の地平を闘い取るまでに多くの血を流してきた。今なお、無実の星野、須賀、十亀、板垣、福嶋の各同志を始めとする多くの獄中同志たちが、無期懲役や「未決で十五年」(爆取弾圧被告)という過酷な弾圧と不屈に闘い抜いている。この獄中闘争を含め、三里塚闘争は今なお反権力闘争の最前線を形成している。
 この闘いの地平が、広範な労働者人民の階級的決起と合流することはまったく可能だ。なぜなら、小泉「構造改革」の本質は、日本帝国主義が労働者人民に徹底的に犠牲を転嫁する以外に、延命のためのいかなる方策も尽きてしまったところにあるからだ。三里塚闘争はこの日のために、三十五年の歳月を闘い抜いてきたのである。

 航空政策を戦略的に位置づけた小泉

 暫定滑走路開港攻撃と闘う上で、小泉政権下で空港整備に関する位置付けの大変化があったことを明確にしなければならない。一言で言えば「都市の国際競争力」と「土地の流動化」をキーワードとした都市再開発と、対米対抗的な「航空立国」への踏み出しである。国際的な市場争奪戦での日本の後退の大きな理由となった成田空港建設三十五年の遅れを取り戻し、航空産業を国家の戦略分野として位置付けることを打ち出したのだ。
 まず小泉政権の「構造改革」路線を支える看板プロジェクトチームのひとつ、都市再生本部が打ち出した「都市再生プロジェクト」の中心に「首都圏の空港機能の強化」「大都市圏の国際交流・物流機能の強化」が据えられ、その筆頭に「成田平行滑走路の早期完成」および「羽田再拡張(四本目の新滑走路整備)の早期着手」が明記された。ちなみに「成田平行滑走路」とは当初計画の二五〇〇b(暫定滑走路が北側八百b延長なので実質三三〇〇b)のことで、暫定のままの運航が非現実的であることは航空関係者の常識だ。また平行滑走路の完成時期についても「何としても五年以内」(大手航空会社)としている。このほかにも成田空港を自衛隊立川基地と並ぶ「基幹的広域防災拠点」として整備する方針などを決めた。公然たる軍事空港宣言だ。
 このプロジェクトは、道路(外環道など)、鉄道(成田新高速)と併せた大規模都市再開発計画として決定されたが、土地バブルの再興(土地流動化)によって不良債権処理を図ろうとする意図も強い。

 航空運輸めぐる日米の激突

 現代の航空運輸と成田について、いくつかのデータを紹介しよう。
 空港と港湾を含め日本で最も貿易額の大きい港は成田空港だ。成田空港を通過する輸出入総額は年間十五兆円(九八年度実績)を超えており、横浜港(十兆円)や東京港(九兆円)をしのいでいる。日本発着の航空貨物量全体の推移を見ると、九〇年〜九九年の十年間で七五%も増加、年平均八・三%の高い伸び率だ。貿易立国の日帝にとって成田空港は死活的なのだ。
 また日本発着航空貨物の日米間シェア(便数=〇一年一月)はどうか。主力の太平洋線が米六四%・日三六%。アジア線が米五六%・日二七%。オセアニア線が米一〇〇%。中国線が米五七%・日五%などである。日米路線はともかく、日本発のアジア全域で米航空企業が日本企業を圧倒している。旅客では日米路線のシェアは八〇年時点で五〇対五〇だったが、現在は米七〇%・日三〇%まで開いた。米側の航空企業が圧倒的な競争力で日本からシェアを奪っている。七八年から始まった米「航空規制緩和」政策の端的な結果である。
 現在進められている日米航空交渉では、路線と運賃設定の完全自由化(オープンスカイ政策)を強く要求するアメリカに、日本の航空運輸当局は基本的に屈服している。香港、中国、シンガポール、韓国など周辺アジア諸国の相次ぐ新空港開港をテコにした対日包囲戦略(いわゆる日本パッシング)の中で、「空港容量の絶対的不足」を盾に一種の航空鎖国政策を続けることはもはや不可能となっている。アメリカ側は「日本の国内線を含む市場開放」(カボタージュ)すら要求し始めており、日本の航空当局は航空運輸業界から将来的には撤退するのか、弱肉強食的「市場競争」の場で生き抜くのかのギリギリの判断を迫られている。しかも生き抜ける保障はどこにもないのだ。
 小泉・都市再生本部での前記方針の決定は、後者の道すなわち日本版「航空立国」への決断である。羽田の全面国際化と成田平行滑走路の「早急な整備」で首都圏の空港容量を拡大し、航空運輸業の国家的育成条件をとにもかくにも整える政策だ。果てしない日米争闘戦を生き抜く以外に帝国主義国家として延命できないことの表現でもある。

 世界市場争奪戦と航空運輸

 かつて帝国主義段階への移行期(十九世紀末〜二十世紀初頭)では鉄道と海運の制圧が世界市場争奪戦を左右する決定的要素だった。しかし現代帝国主義の世界支配にとって、航空運輸の占める位置はかつての鉄道、海運と比較してもさらに大きい。航空運輸業と航空機製造業は現代帝国主義にとって、国家の軍事力水準を直接左右する戦略分野となっているからだ。
 世界の航空業界の盟主はアメリカである。第二次世界大戦最大の戦勝国となったアメリカは巨大な軍事産業(航空機製造業を中心とする産軍複合体)をつくり上げ、その軍事技術を転用して民間の航空運輸産業を戦略的に育成してきた。航空産業はイコール軍事産業なのだ。この分野は、世界の帝国主義諸国に対する圧倒的優位を現在も確保している数少ない分野であり、アメリカはそれを維持するためには手段を選ばない。
 アメリカ帝国主義の世界支配にとっての軍事力依存度は第二次大戦後、飛躍的に増大したが、九一年の湾岸戦争とソ連の崩壊以降はそれが極限化している。圧倒的な軍事力の優位がなければアメリカ金融独占資本の利害も貫けない関係にある。そうした異常な状態は最終的な限界点=世界戦争的危機に向かって絶望的に拡大している。
 このアメリカ帝国主義の軍事戦略に深くかかわる航空政策に対抗して、日本が「航空立国」(同時に本格的な軍事大国化)の道を進めることはまさに絶望的選択だ。だが日帝は帝国主義国であるかぎりアジア勢力圏化が絶対不可欠だ。それは航空運輸業におけるアジアでの一定の優位を確保できなければ確実に失敗する。日帝はその道に凶暴に突入しようとしているのだ。

 三里塚は侵略戦争阻む拠点

 また成田空港は、日帝が新安保ガイドライン体制の中で、米帝の中国・朝鮮侵略戦争に参戦するための中心実体となっている。
 九一年の湾岸戦争や九九年ユーゴ侵略戦争で明らかになったが、現代帝国主義、とりわけアメリカの軍事戦略の特徴は、航空戦力の比重が決定的に高いことだ。地上軍は、航空戦力の圧倒的な破壊力で相手の反撃力を無力化した上で初めて投入される。その地上軍も九〇%以上が航空輸送手段(主力は民間航空機の動員)による短期大量投入である。
 この結果、安保ガイドライン体制の最大の課題は、日本国内の航空基地と巨大空港の確保問題、および鉄道や陸運など国内移動手段の確保となった。千六百機にも達する(湾岸戦争実績)作戦機受け入れ、五十万人規模の地上軍(同)兵員と軍事物資の受け入れ、そのための成田空港を始めとする巨大空港・港湾の占有的確保、鉄道や道路の戦時徴発などである。
 九四年の朝鮮半島危機において、アメリカが具体的な軍事作戦発動を直前で踏みとどまった最大の理由は、日本側受け入れ態勢の不備だった。その後、周辺事態法の成立(九九年)で、成田空港など民間空港・港湾の強制的使用の法的環境は一定程度整った。しかし日帝の具体的参戦となるとまだ多くの壁がある。「日本有事」にかかわる有事法制の立法化(次期通常国会に法案提出予定)、改憲論議の本格的組織化、そして何よりも大規模な民間戦時動員である。日帝の参戦(米軍への後方支援を含む)という場合、労働者人民の反戦闘争と決定的に激突するこの領域こそが最大の障壁なのである。
 三里塚闘争の果たす革命的意義はここでも鮮明である。闘うアジア人民と連帯し、日帝の侵略戦争参戦を阻止するために断固として闘わなければならない。

 10・7から開港阻止決戦の突撃路開け

 十・七三里塚全国闘争を新たな突破口とする闘いの方針は鮮明だ。
 第一に、開港の物理的圧力と警察の暴力による敷地内農民・反対同盟に対する屈服強要を粉砕し、反対同盟防衛の現地攻防戦に全力で勝ち抜くことである。政府・国土交通省は国家暴力以外に農地強奪の手段を失っている。県収用委の再建攻撃が、成田二期とはさしあたり無関係なのに「成田問題」として焦点化していることもその現れだ。
 われわれは反対同盟・敷地内農民に加えられる理不尽な暴力的威圧、そして暫定滑走路開港の常軌を逸した暴力(大騒音)に対して、反対同盟を守り抜くための闘いを粘り強く推進しなければならない。
 そして同時に、敵の暴力行使に対しては断固たる革命的反撃手段を含む戦いの権利を有することをあらためて宣言する。東峰神社立ち木伐採にも示されたように、公権力が自ら非合法手段に訴えて「開港」をゴリ押ししているのだ。反対同盟農民が「あらゆる手段で反撃する」と怒りを込めて語っていることには圧倒的な階級的正義がある。
 第二に、十・七闘争〜今秋テスト飛行阻止闘争〜四・二〇開港阻止決戦を頂点に、三里塚闘争への新たな大衆的取り組みを様々なレベルで、粘り強く組織していくことである。国家暴力を総動員した反人民的な軍事空港建設を三十五年間も阻止し続ける三里塚闘争の力の源泉は、ほかでもなく労働者階級人民の広範な支持である。この階級的力の具体的結集(現地闘争への組織化)なしに、三里塚闘争は一日たりとも存続できなかった。三里塚闘争と戦闘的労働運動との合流は、今秋〜来春の開港阻止決戦こそが正念場である。
 第三に、三里塚闘争は、日帝のアジア侵略政策に直接的な打撃を強制する闘いである。教科書闘争が示すように、日本の労働者人民の闘いは何億ものアジアの民衆とともにある。その階級的力は無限大である。われわれは今年あらためて、この国際主義的連帯の中に日本帝国主義を打倒する確かな道筋を見た。アジア人民との連帯にかけて、三里塚闘争はどこまでも前進しなければならない。
 十・七全国闘争〜来春四・二〇開港阻止決戦へ新たな決意で闘い抜こう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号4面2)

2001年日誌 阻もう!改憲=戦争への動き 8月28日〜9月4日
 防衛庁長官、東ティモールへ 日米共同作戦の概要固まる

●TMD構想の拡大示唆
米国防総省のクラウチ国防次官補が戦域ミサイル防衛(TMD)構想に関連し「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に反すると判断されるようなTMDへの取り組みにも潜在的に興味深いものがある」と述べた。(28日)
●空中給油機など予算5兆円要求 防衛庁は弾道ミサイル防衛研究、空中給油機の導入などを盛り込んだ二〇〇二年度予算の概算要求をまとめた。要求額の総額は五兆二百七十八億円で、〇一年度予算比一・八%増となっている。(29日)
●H2Aの打ち上げが成功
 宇宙開発事業団(NASDA)が大型国産ロケットH2Aの試験機一号機を種子島宇宙センターから打ち上げ、初飛行は成功した。ロケット打ち上げは九九年に失敗して以来。(29日)
●石原がまたも差別暴言
東京都の石原慎太郎知事が府中市の警視庁警察学校の新校舎開校式であいさつし、八月二十六日に世田谷区で起きた警察官刺殺事件について「まさに気違いに刃物を与えたあの出来事」などと許すことのできない「障害者」差別の暴言を吐いた。(29日)
●暫定滑走路の供用、来年4月20日の方針 新東京国際空港公団が、成田空港の暫定滑走路の供用開始について、当初予定の来年五月二十日から一カ月前倒しし、同四月二十日とする方針を固めた。年末までに最終決定するという。(29日)
●臨時国会9月227日召集
自民、公明、保守の与党三党が幹事長・国会対策委員長会談を開き、秋の臨時国会を九月二十七日に召集することを確認した。(30日)
●米、CTBT会議欠席へ
 ニューヨークで九月二十五日から開催される第二回核実験全面禁止条約(CTBT)発効促進会議に、米政府がパウエル国務長官の出席を見送る方針であることが明らかになった。日本からは田中外相が参加する。(30日)
●防衛庁長官が東ティモールへ 中谷防衛庁長官が、東ティモールへ九月十二日から訪問する。新たな国連平和維持活動(PKO)が展開される場合、自衛隊の派兵が可能かどうか現地の状況を視察するという。中谷は、独立運動指導者のシャナナ・グスマン氏や国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)のセルジオ・デメロ事務総長特別代表らとの会談を希望している。(30日) 
●ジュゴン初の広域調査
環境省が、年末の予算編成までに、沖縄の米軍普天間飛行場の代替施設の予定地とされる沖縄本島東海岸などに生息するジュゴンの広域調査について、調査費を盛り込む方針を決めた。初の広域調査で、本格的な調査実施を検討しているという。(30日)
●浦添市長が近く受け入れ表明 沖縄の米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設に関し、儀間光男浦添市長が、軍港受け入れの正式表明に向け準備を進めていることを明らかにした。時期については那覇港湾施設移設に関する協議会の開催前にも表明したいとの意向を示している。(31日)
●米、中国の核軍拡を容認
 複数の米政府高官が「米国はミサイル防衛(MD)受け入れへの見返りに中国の核軍拡を認めるわけではないが、(中国の核の)近代化はすでに進んでいる」「米国は将来の核の信頼性維持のために実験を行う権利を留保している。他国に対してもその権利は否定できない」など、中国の核戦力拡大には反対しない意向を示した。中国への重大な戦争挑発。(1日) 
●各地で自衛隊参加の「防災訓練」 全国四十四都道府県で約百九十八万人が参加する「防災訓練」が行われた。首都圏では「七都県市合同防災訓練」が、東京都では「ビッグレスキュー東京2001」が行われた。(1日) 
●日米共同作戦の概要固まる 防衛庁と米太平洋軍や在日米軍などが検討していた、日本に武力攻撃が行われた場合の「共同作戦計画」と、周辺事態発生の際の「相互協力計画」の概要を固めた。日本の外相、防衛庁長官と米国の国務、国防両長官が出席し、九月末にも米国で行う予定の日米安全保障協議委員会(2プラス2)に作業状況が報告される予定。両計画は、新ガイドラインで決まっている日本有事の「作戦構想」や周辺事態の「両国が主体的に行う活動での協力」「米軍の活動に対する日本の支援」などに基づき、自衛隊と米軍の対応行動がまとめられている。内容は公表されない。(2日) 
●米、人種差別撤廃会議ボイコットも 南アフリカで開幕した世界人種差別撤廃会議について、米政府は、最終宣言から反イスラエルの文言が削除されないことを理由に、米代表団は七日の閉幕前に帰国し、ボイコットすることを決めた。米代表団は、最終宣言の文言を修正するために出席しており、討議自体には参加していない。(3日)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号4面3)

8・28姫路 米巡洋艦入港を弾劾 “戦争許さぬ”と200人

 米第七艦隊の核ミサイル巡洋艦「ビンセンス」が八月二十八日、兵庫県姫路港に入港を強行した。兵庫県内への米軍艦の入港は「非核神戸方式」ができた一九七五年以来初めて。しかも清水、名古屋、和歌山、姫路四港への同時入港だ。PKF凍結解除、有事立法、憲法改悪という小泉反革命そのものの攻撃だ。
 とめよう戦争への道!百万人署名運動・兵庫県連絡会は、直ちに兵庫県知事・港湾課に抗議、受け入れ拒否を申し入れた。今回の姫路など四港入港は、日米の新安保ガイドライン・周辺事態法の実戦化に向けたエスカレートであり、その障害となっている「非核神戸方式」を突き崩そうという重大な踏み込みだ。兵庫県がそれを推進するという許しがたい攻撃である。
 八月二十八日の入港に対し、百万人署名運動・兵庫県連絡会など反戦平和六団体が共同で呼びかけ、早朝七時から姫路港突堤で抗議、弾劾行動が行われた。
 県職労、全逓加古川分会ほか地元の西東播地区を始め、阪神間・神戸、淡路からも多くの労働者が駆けつけ、約二百人が参加した。抗議集会では、兵庫県連絡会世話人が、「日米が軍事的、経済的な危機になったとき侵略戦争も辞さないという現れだ。周辺事態法の実施、神戸港の軍事使用に向けた布石でもある。侵略戦争の体制づくりを絶対に許さない闘いを強めよう」と発言した。
 その後、ビンセンスに向け、「核ミサイル艦の入港反対、侵略戦争を阻止するぞ」とシュプレヒコールを繰り返し、怒りを込め抗議を行った。
 (投稿・教育労働者H)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号5面1)

日本を戦争のできる国に改造しようとする小泉を打倒せよ
 「聖域なき構造改革」粉砕へ(上)
 城戸通隆

 はじめに

 「ある程度、失業者が増えるのはやむを得ない」「生みの苦しみだ」(首相・小泉純一郎)。「予想できた範囲(!)」(経財相・竹中平蔵)。七月の完全失業率が過去最悪の五%の大台に乗り、大失業時代への突入が明白になった事態に対して、小泉と竹中はこのようにうそぶいた。許しがたい言辞だ。ここに小泉「聖域なき構造改革」路線の反人民的、反労働者的な正体が凝縮されている。
 これに先立つ八月十三日、小泉は朝鮮・中国―アジア人民を始めとする内外の激しい批判と弾劾の声を押し切り、「あの困難な時代に祖国の未来を信じて戦陣に散っていった方々の御霊(みたま)の前に」「追悼の誠をささげる」と公言し、天皇の神社=靖国神社参拝を強行した。そのことで小泉は゛国家と天皇のために再び侵略の銃をとれ″゛命をささげよ″と扇動したのである。
 オーストリアのハイダーのような極右的人物、都知事・ファシスト石原と同様の思想と主張の持ち主、小泉純一郎が政権の座についてから四カ月余が過ぎた。
 この間にも、帝国主義世界経済、米帝経済・日帝経済の破局的危機が激しく進行し、日経平均株価は連日、バブル崩壊後最安値を更新し、「構造改革」がまだほとんど実行されていない段階で失業率は五%台に突入した。労働者人民に無慈悲な「痛み」と「我慢」を強制する小泉の極右的ファシスト的正体も日々一層あらわとなってきている。
 小泉反革命とは、世界史が一九二九年型の、あるいはそれ以上の大恐慌・大不況に突き進む中で、日帝とその金融独占資本が帝国主義間争闘戦にうち勝って生き残るための新型の極右的、ファッショ的な国家大改造である。小泉の「聖域なき構造改革」とは、日本を戦争のできる国に変えようという大反革命なのだ。
 それは具体的には、一方で改憲(九条改憲)と有事立法、集団的自衛権行使、靖国神社公式参拝などに踏み切るものである。他方で「痛みを伴うが我慢すべきだ」と叫んで戦闘的労働運動を破壊し、階級的なものすべてを暴力的に一掃し、労働者人民に恐慌・不況の激化と倒産ラッシュ、リストラ・大失業と社会保障の解体、大増税などの犠牲を徹底的に強制する大攻撃なのである。
 そのために小泉は、帝国主義の危機を開き直り的に積極的に振りかざし、「このままでは日本の未来はない! 自民党を変え、日本を変える! 構造改革なくして景気回復なし!」と単純なデマゴギーのスローガンを叫び、疑似体制変革の世直しムードをあおって、「平時」では考えられない高支持率をつくりだしてきたのである。
 だが、われわれは声を大にして訴える。小泉改革への異常に高い支持率や何がしかの「期待」は、確実に再び侵略と戦争と破滅への道となるものである。労働者人民にリストラ・大失業、社会保障解体と福祉切り捨て、大増税、生活破壊という死の「痛み」が強制される地獄への道だ。
 一九二九年七月に成立した浜口雄幸内閣(蔵相・井上準之助)は、戦前における典型的「金融独占資本の内閣」と言われた。だが、それは金解禁(金本位制復帰)とそれに伴う厳しいデフレ政策を強行し、中小零細企業と弱小銀行の整理・倒産、独占強化を進めた一方で、労働者人民に激しい首切り・失業、賃下げを強制し、農民を窮乏のどん底に追いやった。そして世界大恐慌の嵐(あらし)の中で、徹底した恐慌対策としての独占資本救済と大合理化を強行し、労働運動・農民運動圧殺を強め、ついには、戦争経済化、軍部の台頭、中国・アジア侵略戦争へと転落していった。
 小泉政権を存続させることによって、このような戦前の道を二度と絶対に繰り返してはならない。一刻も早く小泉反革命を打倒するために、労働者階級が総決起して闘うときである。小泉への幻想も今や確実にはげ落ちつつある。恐慌と戦争と大失業にしか延命の道のない資本主義・帝国主義の命脈は、すでに尽き果てているのだ。
 教科書闘争、八・六広島―八・九長崎の反戦反核闘争、靖国闘争、八月沖縄人民の決起、九・一自衛隊有事出動演習粉砕闘争の爆発と高揚で、アジア人民・在日アジア人民と国際主義的に連帯した小泉反革命打倒の闘争陣形が切り開かれた。これを突破口に小泉政権打倒・改憲阻止へ、党の大変革と階級的大反撃をかけて、二〇〇一年秋の決戦を闘い抜こう。

 なぜ小泉は靖国参拝を強引に行ったのか

 小泉反革命=小泉改革の内実を構成する第一の柱は、改憲とそこに向けての集団的自衛権行使および有事立法制定である。第二の柱は労働運動圧殺と一大リストラと福祉切り捨てのすさまじい資本攻勢、戦後的諸権利一掃の攻撃である。この両者が日帝とその金融独占資本の生き残りをかけた新型の極右的・ファッショ的な国家改造計画として小泉政権において統一、結合され、きわめて凶暴な攻撃として振り下ろされてきているのだ。
 小泉が日本を戦争のできる国=戦争国家につくり変えようという意志において実に凶暴で、急進的であることは、靖国公式参拝の攻撃の激しさの中に示されている。
 小泉は自民党総裁選の過程から一貫して、「尊い命を犠牲にして日本のために闘った戦没者たちに敬意と感謝の誠を捧げるのが政治家として当然」「いかなる批判があろうと必ず参拝する」と言い続けてきた。中国と韓国からの厳しい批判と抗議に対しても、ごう然と拒否する態度を取り続けた。しかも特攻隊と『ああ同期の桜』に涙し感動し、特攻隊の心を自分の政治信条の基礎にしていると公言してはばからなかった。
 小泉は靖国神社参拝を正当化するのに゛個人の心情″に訴えて扇動する手法をとった。しかし小泉は単なる個人でも私人でもない。内閣総理大臣なのだ。小泉の参拝自体が、日帝の国家としての行為であり、血ぬられた靖国のイデオロギーと帝国主義的民族主義(ナショナリズム)、愛国主義・排外主義を日帝の体内から噴出させ、公然と扇動する意図と役割をもっていたのだ。
 靖国神社とは、第二次大戦−太平洋戦争を頂点とした明治以来の日帝の戦争=侵略戦争を肯定・美化し、そこで国家=天皇のために戦死させられた者たちを「英霊」「神」として祭る「戦争神社」(欧米での呼称)であり、靖国イデオロギーのもとに新たな戦争動員を担う軍事施設である。祭られているものは天皇のために死んだ犠牲者のみであり、天皇と対立した「朝敵」や「賊軍」は選別排除されている。沖縄戦や広島・長崎や大空襲で死んだ膨大な民間人も基本的に祭られていない。しかも靖国に祭られた「英霊」の頂点に東条英機ら十四人のA級戦犯がいるのだ。
 神社内には戦争博物館「遊就館」などに人間魚雷゛回天″や人間爆弾゛桜花″など侵略戦争の忌まわしい武器類が展示され、数々の戦争の遺品や特攻隊の遺書が並べられている。「かく闘えり。近代日本」などの特別展が毎年、開催される。その存在自体が唾棄(だき)し解体すべき施設なのだ。
 「靖国」のイデオロギーとは何か。社頭の掲示板に月替わりで展示されている次の特攻隊員の遺書を見よ。(今年七月展示)
 「御父さん、お母さん、いよいよ隆茂は明日は敵艦目がけて玉砕します。…明日は戦友が待っている靖国神社へ行く事が出来るのです。…隆茂は本当に幸福です。では又靖国でお会いしませう。待って居ります」
 死んだら靖国神社に行ける、靖国神社で会える、靖国神社に祭ってもらえる――この観念的に転倒した悲惨極まる戦死強制のイデオロギー、それが「靖国」の本質なのだ。
 天皇=「国体」護持のために、日帝の金融独占ブルジョアジーの利益と延命のために、侵略戦争に動員され、駆り出されて、戦死と玉砕を強制されることは、侵略戦争での無残な犬死にであった。喜んで特攻作戦に出撃し玉砕したものなど一人もいない。だれもがいやいや、泣く泣く、強制されて死んでいった。それを「聖戦」と強弁し、゛靖国神社に神として祭ってやるから喜んで戦って死ね、玉砕しろ″と強制する戦争動員の非人間的な装置、それが靖国神社であり、国家神道なのである。
 小泉はこの「靖国」イデオロギーの反革命的核心を百パーセント自覚している。国会答弁でも「いやなことがあると、あの特攻隊員の気持ちになってみろと……あの『ああ同期の桜』の本を思い起こしたときの感動を忘れずに、そのいやなことに立ち向かってきた」などと叫んでいる。
 憲法を変え、軍事大国化し、戦争国家の体制をつくっても、再び天皇のため、お国のために喜んで侵略の銃をとり、戦死していく人間がいなかったら次の新しい戦争はできない。そのためにこそ日帝と小泉は、靖国神社公式参拝にこだわり、内外の批判と弾劾を拒否して、参拝を強行したのだ。八月十三日に参拝したことで、何ひとつ攻撃の本質が変わるわけではない。
 一方で小泉は、「二度と戦争をしてはならないという気持ちを込めて参拝する」と繰り返し強弁してきた。だがこれは許しがたいペテンである。「二度と戦争をしない」のだったら絶対に靖国参拝など行ってはならないし、行うはずがない。それどころか、靖国神社という「戦争神社」そのものを否定し、粉砕・解体しなければならないのだ。
 小泉の靖国神社参拝強行の攻撃に、あらためて怒りを爆発させ、朝鮮・中国―アジア人民との国際連帯を強め、小泉政権打倒に総決起していこうではないか。

 改憲と戦争国家化に突き進む小泉反革命

 9条改憲

 小泉は歴代首相の中でも際立ったゴリゴリの改憲論者だ。自民党総裁選の過程でも、新総裁会見でも、首相就任会見でも、露骨に改憲(九条改憲)を主張してきた。
 「将来は改正すべきだ。自衛隊が軍隊でないというのは不自然だ。どの国も侵略への抑止力が必要だとして軍隊を持っている。解釈によっては自衛隊は憲法違反だと取れるようなものはおかしい。いざという場合には命を捨てるというものに対しては敬意を持つような憲法をもったほうがいい」(新総裁会見)
 小泉は「将来」と言っているが、遠い未来の話ではない。すでに与野党が一体となって衆参両院に憲法調査会が設置され、数年後の改憲を射程に入れて、憲法論議=改憲論議が繰り返されている。そうした現実に立って、歴代総裁・首相としては初めて、きわめて露骨に改憲(九条改憲)を公言したのである。対米、対アジア、対日本国内階級関係における戦後的なあり方を反革命的暴力的に転覆して、戦争国家に突き進むという野望をむき出しにしているのが小泉なのだ。
 小泉はどこの国も「侵略への抑止力」として軍隊を持っているとうそぶく。しかし自衛隊はただの軍隊ではない。すでに米軍に次いで世界で第二位という質と規模を有した、戦争を実際にやることのできる精強な帝国主義軍隊なのだ。しかも日帝は世界第二の経済大国であり、かつての侵略戦争・植民地支配の反省も謝罪も行わず、政府と国家が先頭に立って靖国参拝、「つくる会」教科書採択、「日の丸・君が代」強制を推進している帝国主義国なのである。
 とりわけ重大なのは、小泉が自衛隊を「いざという場合には命を捨てる」ものと位置づけ、それに「敬意」を持つように改憲すべきだと言っていることだ。小泉は「再び天皇とお国のために銃をとれ!」と扇動するために靖国参拝を強行したが、九条改憲によって再び自衛隊を軍隊として海外に、アジアに派兵し、日本帝国主義(金融独占資本)の延命をかけた市場、勢力圏、諸権益の分割・再分割の侵略戦争、帝国主義戦争を本気でやろうとしているのである。「いざという場合には命を捨てる」とは、そういうことなのだ。

 首相公選制

 小泉の改憲(九条改憲)の野望と一体のものとして首相公選制論がある。首相公選制の狙いは三つある。
 第一は、小泉が「憲法はこうすれば改正できると国民に理解されやすいと(私が)思っているのが首相公選制だ。……その際にはほかの条項には触れない」(首相就任会見)と公言しているように、いきなり九条改憲や人民の権利・自由の抑圧に踏み込めば抵抗が大きすぎるので、首相公選制でまず改憲の突破口を開こうということである。
 第二は、首相公選制を急進的な「構造改革」路線の反革命的なシンボルとして押し出し、世直しと疑似体制変革のムードを生み出そうとしていることだ。「首相を選ぶ権利を国会議員から一般国民に引き渡す」「政界の規制緩和とも言える」という一見、口当たりのいいデマゴギーで、改憲・戦争国家化と大失業時代を強制する小泉「改革」に人民大衆を引き込む魂胆なのである。
 第三に、首相公選制の最大の本質は、戦後的議会制民主主義(議院内閣制)の解体とボナパルティズム的統治形態への移行にある。ブルジョアジーに有利な統治形態である議会制民主主義のもとにおいても今日、日帝の政治支配、階級支配は極限的な危機に直面している。森政権ではそれが行き着くところまで行った。
 こうした中で、あらゆる政治機構やマスコミを握るブルジョア支配階級が、極右的ファシスト的な扇動政治家を押し立てて準大統領的な首相を生み出し、議会制的な選挙に左右されずに強権的、ボナパルティズム的な政治体制をつくり、戦争国家化に突き進もうとするもの、それが首相公選制なのだ。

 集団的自衛権

 小泉の改憲・戦争国家化路線との対決で今ひとつ決定的なものが、集団的自衛権行使への踏み切り攻撃だ。首相就任会見で小泉は次のように公言している。
 「集団的自衛権は日本政府はいまの解釈を変えないと言って今までやってきた。……憲法を変えないで集団的自衛権を行使できるのが無理だったら、憲法を改正するのが望ましい」
 「もし日本近海で、日米が一緒に共同訓練や共同活動をしているときに、米軍が攻撃された場合、日本が何もしないことが本当にできるのか。……あらゆる事態について研究する必要がある」
 集団的自衛権とはもともと一九四五年に制定された国連憲章(第五一条)に押し込まれた概念で、米帝などがアジア、中東などの新植民地主義体制諸国に介入したり侵略戦争を行う「論拠」として主張されてきた。
 小泉は「日本近海で米軍が攻撃された場合」と言うが、その時米軍はいったい何をしているのか。
 米本国から一万`も離れたアジアで、朝鮮や中国に対して、強大な軍隊を動かし、軍事介入し、侵略戦争を行っているのだ。それに相手国から一定の反撃が加えられたら、日帝も集団的自衛権を行使し、参戦するということは、日帝・自衛隊が米軍や多国籍軍と一体となって、再びアジアに侵略戦争を開始するということ以外の何ものでもない。これはもはや九条改憲どころか、戦後憲法の廃止そのものであり、戦時への突入である。

 有事立法

 さらに有事立法である。これについて小泉は「『治にいて乱を忘れず』は政治の要諦(ようてい)……平時に有事のことを考えるのは政治で最も大事だ。そういう観点から、有事の体制の研究をする。いつの時点で法案を整備するかは今後の問題だ」(首相就任会見)と主張。具体的には九月末からの臨時国会に対して中間報告を出して審議し、来年一月開会の通常国会にも有事立法を提出しようと狙っている。
 日帝と小泉は北朝鮮や中国などを想定して、「日本に攻め込んでくる外国の軍隊を撃退する」ために有事立法(有事体制)が必要だと言うが、事態はまったく逆だ。沖縄を始め日本全土に強大な米軍を駐留・展開させ、世界第二の経済力と軍事力を持つ帝国主義国である日帝こそが今やアジアの脅威であり、朝鮮・中国−アジアに再び侵略戦争をやろうとしているのだ。日米争闘戦=帝国主義間争闘戦にうち勝ち、没落帝国主義から凶暴に延命するために、改憲・戦争国家化に突き進みつつあるのだ。
 有事立法や集団的自衛権行使への踏み切りは、日帝・小泉が日米安保ガイドラインと一体のものとして、「自衛」とか「有事」の名のもとに、米帝・米軍と共同しながら、再び朝鮮・中国−アジア侵略戦争に突き進む大攻撃である。国家総動員体制を確立する攻撃そのものである。
 沖縄名護の巨大新基地建設や三里塚暫定滑走路建設=開港の攻撃、教科書・教育改革攻撃、司法改革攻撃など、そのすべてが改憲・戦争国家化と直結した大反革命である。労働者階級人民の革命的大衆行動を爆発させ、小泉政権打倒、改憲阻止をかちとろう。

 大恐慌−争闘戦激化−世界戦争への危機

 では、小泉は、なぜ「聖域なき構造改革」を唱え、なぜあのように問答無用とも言うべき凶暴さをもって靖国参拝を強行し、リストラ・大失業の「痛み」を強制し改憲と戦争国家化に突っ走ろうとしているのか。
 ソ連スターリン主義崩壊以後の帝国主義が今やその基本矛盾を全面的に爆発させ、二九年型の、いやそれ以上の空前の世界大恐慌と大不況にのめり込み、分裂化とブロック化、帝国主義間争闘戦を激化させ、その第三次世界大戦への転化の情勢が歴史的に到来しているからである。
 革共同六回大会第三報告が明らかにしているように、基軸帝国主義・米帝の九〇年代における長期「成長」と異様な超バブル経済化は、二〇〇〇年四月の株価大暴落をもって、ついに全面的崩壊を開始した。そして今、二九年型世界大恐慌の過程が、「世界同時不況」「世界的なIT不況」の到来という形で完全に本格化している。帝国主義経済の分裂化・ブロック化と帝国主義間争闘戦は新段階に突入し、戦後史を一変させる政治反動、一大資本攻勢と帝国主義的侵略戦争、帝国主義戦争、世界戦争への動きが激化している。
 こうした中で登場した米帝ブッシュ政権は、国益最優先のユニラテラリズム(一方的外交、単独行動主義)を振り回し、ミサイル防衛計画を推進し、中国・朝鮮侵略戦争の発動を構え、その力で他帝国主義、とりわけ日帝をゆさぶり粉砕しようとしており、世界戦争・核戦争に訴えても絶望的延命を求める道に突き進み始めている。
 これに対し日帝は、小渕−森政権の天文学的な恐慌対策が全面破産して、九七−九八年の金融恐慌・経済恐慌突入の情勢へとラセン的回帰(再激化)を深め、二九年世界大恐慌型の「デフレ・スパイラル」にのめり込みつつある。日帝は膨大な不良債権と過剰債務を解決できず、その重圧にあえいでいる。世界経済は今や、日米帝の深刻な恐慌と不況が相乗作用を引き起こし、危機を激化させる過程に転落し始めたのだ。
 この情勢の中で日帝と金融独占資本が生き残るためには、一方で労働者階級人民と中小零細企業、高齢者にいかなる犠牲を強いても「聖域なき構造改革」路線をやり抜くしかない。他方で日米争闘戦、帝国主義間争闘戦にうち勝ち、アジアと崩壊したスターリン主義、残存スターリン主義をめぐる勢力圏と市場の分割・再分割に勝ちぬくための大反動、改憲・戦争国家化路線に本格的に踏み出すしかない。そこで登場したのが小泉政権なのである。
 日帝・小泉は差し当たって露骨な親米路線、安保強化路線を取り、米帝ブッシュのミサイル防衛計画に協力と理解を示している。しかし根底には深刻な日米争闘戦と帝国主義の延命をかけた対立と抗争がある。安保強化の道を通って日帝は歴史的な改憲と戦争国家化に突き進み始めたのだ。
 小泉打倒の闘いは、第三次世界大戦の道か、反帝・反スターリン主義プロレタリア世界革命の道かをかけた闘いである。
(つづく)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号5面2)

 改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史
 第2部 15年戦争の末路 (5)
 沖縄戦C 日本軍の犯罪 住民を追いだし虐殺した軍隊

 沖縄戦の過程では、米軍の猛烈な砲撃と火炎放射器・小銃の攻撃で多数の住民が犠牲になっただけでなく、「味方」のはずの日本軍による暴虐で多くの犠牲者が生じた。最大の激戦地となった本島中南部で、日本軍に住居や食料を奪われ、壕(ごう)から追い出され、スパイ視されて殺され、乳幼児を殺され、「自決」=集団自殺を迫られたなどの事件がおびただしい規模で起こった。
 例えば、六月二十日ころの真栄平(まえひら、現糸満市)では、米軍の猛攻で敗走してきた日本軍によって、住民が壕を追い出された。一家族がやっと入っている小さな壕からも日本刀を突き付けて追い出す、応じないものはその場で切り殺し、あるいは手榴弾(しゅりゅうだん)を投げ込んで爆殺する、という暴虐があった。真栄平の住民十数人と避難民あわせて数十人が殺された。追い出された人びとは遮蔽(しゃへい)物を求めて転々とした末、米軍の砲火の犠牲になった。真栄平住民九百人中五百五十一人が死亡(六一・二%)、五十八世帯(三一%)が一家全滅。この数字は、まさに日本軍によってもたらされたものだ。

 久米島住民虐殺

 本島の西九十二`にある久米島では、海軍通信隊の分遣隊が布陣していたが、この日本軍により多くの住民虐殺事件が起こされた。六月二十六日に再上陸した米軍に捕らわれた住民が米軍の指示で降伏勧告状を届けさせられたが、日本軍の鹿山隊長は、話も聞かずこの住民を即座に「スパイ」と断定して殺害した。さらに八月十五日の日本の無条件降伏の後も、米軍に占領されているので無駄な抵抗をやめるように説いて回った住民が、鹿山によって「敵に通じた」とされ、一家三人を惨殺され、家に放火された。
 その二日後には、鹿山らは戦前から住んでいた朝鮮人の谷川昇(具仲会)さん一家七人−乳飲み子を含む五人の十歳以下の子どもと夫婦−を日本刀で切り殺すなどして惨殺した。
 久米島ではほかにも同様の日本軍による虐殺があり、同島の戦争犠牲者四十人のうち住民二十人と兵士九人が守備隊によって殺害されたと記録されている。
 一九七二年にこのことが問題になった際、鹿山はテレビに登場し、「私は、日本軍人として戦争に参加し、米軍が進駐した場合、軍人も国民も、たとえ竹槍(たけやり)であっても打って一丸となって国を守るのだという信念、国の方針で戦争をやってきた。だから敵に好意を寄せる者には断固たる措置をとるという信念でやった」と開き直った。日本軍の朝鮮人民・沖縄人民に対する差別が背後にあったのである。軍隊の非人間性を体現した鹿山は、戦後もその精神を持ち続けているのである。
 前々回の「沖縄戦A」で触れた、三月米軍上陸直後の渡嘉敷島での「集団自決」は、赤松守備隊長によって一カ所に集められ、死ぬことを強制されたものだ。これは、事実上日本軍による住民虐殺だ。しかも、死にきれずに逃げ出した住民は日本軍に捕らえられ、殺されているのだ。
 赤松も鹿山も、住民には「玉砕」「自決」を強制し従わない者を「スパイ」と呼んで銃殺、斬首(ざんしゅ)するという極悪非道を働きながら、自分は食料を奪ってのうのうと壕の中で生き延び、八月に投降して捕虜となり何の責任も取らされずに戦後も生き続け、それを当然と考えているのだ。天皇から始まって現場の指揮官に至るまで、日本の帝国主義軍隊の「無責任の体系」がここに示されている。

 北部の住民虐殺

 沖縄本島北部では、日本軍は国頭支隊(遊撃隊)を配置していたが、米海兵隊の猛攻で敗残兵同様となり、住民や避難民の食料を奪い取りながら逃げのびていた。
 大宜味村渡野喜屋(とのきや)には、米軍が住民の仮収容所を設置していたが、四月下旬、日本兵十数人がやみ夜に紛れて収容所内に侵入、住民を海岸に連れ出して手榴弾を投げつけ、虐殺した。十数人が殺されたという。捕虜になることはそれだけで日本軍によって「処刑」の対象となったのだ。

 朝鮮人慰安婦

 沖縄には一万人の朝鮮人が強制連行され、「軍夫」として飛行場建設や陣地構築、戦場での武器運搬など、最も危険で、厳しい労働を強いられた。多くの人が沖縄戦で命を落としたが、その数は把握されていない。
 一九九〇年代になって、日本軍軍隊慰安婦とされた朝鮮を始めとする女性たちが、日本国家の謝罪と補償と責任者処罰を求めて立ち上がり、大きな国際問題になってきた。沖縄戦の中でも、沖縄各地に「慰安所」が百三十カ所つくられ、少なくとも数百人の軍隊慰安婦が強制連行されていた。軍隊とともに行動させられたため、きわめて死亡率も高かったとみられている。戦局が悪化すると「自決」を強要されたり、置き去りにされたりした。生き延びた人びとも、つらい過去を引きずり孤独で厳しい生活を強いられた。

 戦争マラリア

 沖縄戦の犠牲は、米軍が上陸した本島とその周囲の島に集中したが、宮古、八重山でも大きな犠牲がもたらされた。
 宮古、八重山は、直接の上陸はなかったが、米軍の空襲、英軍の艦砲射撃によって大きな被害を受けた。
 石垣島では、農耕地が日本軍に強制接収され、四つの飛行場が建設された。一万人の日本軍が配置され、戦火が激しくなると、住民は軍の命令でマラリアのはびこる山岳地帯に強制退去させられた。全人口の半数余がマラリアにかかり、一割にあたる三千六百四十七人が死亡した。波照間(はてるま)島の被害はさらに大きく、住民の三分の一が死亡した。
 宮古島でも農耕地が強制接収され、住民六万人の島に三万の軍隊が駐留した。ここでも住民は極度の食料不足と「戦争マラリア」に苦しめられた。
 沖縄戦でのおびただしい数の住民の犠牲は、こうした日本軍による直接間接の虐殺としてもたらされたものである。 (高田隆志)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号6面1)

第61回大会 全学連、新たな挑戦へ
有事立法阻止の決戦を宣言 学生戦線の革命的統一めざす
 10・16−11月中央闘争を提起

 全学連第六一回定期全国大会が八月三十、三十一日の二日間、東京都内で行われ、画期的な成功を収めた。今大会は女子学生や一年生が多数参加して躍動感にあふれ、全学連運動が新たな発展期に入ったことを確信させるものとなった。何よりも、全学連の活動家の多くが、全学連運動のイメージ、その大発展の方向を議案と討議をとおして生き生きとつかんだ。米・日帝国主義が中国・朝鮮侵略戦争へと明確に踏み出し、第三次世界大戦に向かって情勢が大転換する中で、全学連が労働者人民の最先頭で革命的情勢を切り開き、反帝国主義・反スターリン主義世界革命に向かって闘い抜くことを宣言した真に歴史的な大会となった。

 小泉反革命に全面対決貫く

 初めに議長団が選出され、中央執行委員会が議案の提起を行った。
 西本吉伸副委員長(京都大)は冒頭、「今大会を起点に全学連運動の飛躍をかちとり、階級情勢を揺るがす一大挑戦に打って出よう」と訴えて、今大会の歴史的意義を確認した。
 「有事立法攻撃こそ日帝・小泉反革命との最大の対決点であり、米日帝の中国・朝鮮侵略戦争阻止の大決戦であることを、重大な緊迫性をもってとらえなくてはならない。今大会で有事立法阻止・改憲粉砕の大決戦を宣言し、九・一自衛隊有事出動演習粉砕から直ちに今秋決戦への総決起を開始しよう。この大決戦の中で全国学生運動の革命的統一を実現しよう。その核心は、有事立法阻止・改憲粉砕と国立大学の独立行政法人化阻止の大衆闘争化を徹底的にかちとり、その渦中にファシスト・カクマルを引きずり込んで、カクマルの完全打倒と早稲田大、東京大の拠点化を実現することだ。同時に、九州大、広島大に続く学生自治会の戦闘的再建と地方ブロックの建設を具体的にかちとっていこう」
 これらの実践方針として、「十・一六ブッシュ訪日阻止―日米首脳会談粉砕闘争への決起と、十一月中央政治闘争への三百人結集方針を鮮明に打ち立て闘おう」と呼びかけた。
 そして、今年前半戦の闘いの総括を次のように提起した。「総括の核心は、全学連が小泉反革命と対決して闘い抜いたことだ。全学連は小泉反革命との対決を五・二七中央政治闘争から開始し、都議選決戦に全力で取り組んだ。とりわけ『つくる会』教科書との闘い、八・六広島―八・九長崎反戦反核闘争、八・一三―一五靖国闘争を、『二度と戦争をくり返すな』という日本の労働者人民の階級的原点を破壊しようとする大攻撃、まさに小泉反革命の核心を貫く大攻撃との激突として闘い抜いた。全学連は、この闘いで端緒的ではあるが、小泉反革命を打倒する手ごたえをつかんだ。アジア人民との具体的な連帯をかちとった。何よりもこの闘いと一体で、六月二十八日に広島大学で学生自治会を再建したことは決定的だった」
 続いて内外情勢を宮城啓書記次長(大阪市大)が、「二九年型世界大恐慌への突入の中で、米帝ブッシュ政権は世界大戦級の中国・朝鮮侵略戦争をはっきりと構えた。日帝・小泉政権はこの米帝戦略に必死で食らいつき、戦争国家化=改憲の正面突破の攻撃に打って出ている。このことを情勢の大転換としてはっきりとつかもう」と提起した。
 総括、情勢の提起を踏まえ、井上亮副委員長(広島大)が三つの任務・方針を提起した。
 「第一の任務は『有事立法阻止・改憲粉砕』の大決戦を、全学連が先頭で切り開くことだ。十・一六日米首脳会談粉砕闘争、十一月中央政治闘争を頂点に全国結集闘争をぶち抜こう。前半戦の闘いを引き継ぎ、小泉反革命と対決して反戦運動の新たな潮流の前進をつくり出そう。第二の任務は、政治闘争と両輪で独法化阻止の大学闘争を前進させることである。第三の任務として、これら二つの闘いの中で、全国大学の自治会再建と学生運動の革命的統一を、ファシスト・カクマルや日共スターリン主義を打倒してかちとろう」

 広大自治会再建に沸く

 大学報告では、小泉反革命に対して、革命的祖国敗北主義の立場を鮮明にして闘えば、情勢を一変させることができる、という教訓が次々と明らかにされた。
 ひときわ大きな拍手の中、広島大自治会の委員長が自治会結成の勝利を報告した。「この勝利は小泉政権の戦争国家化=改憲攻撃との全面対決によってかちとられた。五月に『つくる会』教科書採択に反対する署名を短期間で七百を超えて集め、独法化の攻撃や大学内で起こった民族差別落書き事件を、日帝の戦争の動きの中で起こっている問題として明らかにし、戦争と闘い、差別・分断をのりこえて団結を取り戻すためには自治会が必要だと訴えた」と述べた。
 続いて東北大自治会は、「昨年十一月のストライキの地平を発展させ、独法化阻止闘争の発展をかちとってきた。自治会つぶしの攻撃をはねのけ、自治会選挙で一五三七票の信任で新執行部の建設をかちとった」と報告した。
 法政大の自治会は、「『つくる会』教科書との対決が現在の戦争攻撃との対決の問題であることをはっきりさせたことで、クラス討論での勝利が切り開かれた」「靖国神社境内に突入し、小泉に肉薄する怒りの抗議をたたきつけた」と報告した。
 富山大自治会は一年生が報告に立ち、「『つくる会』教科書に反対する署名実行委員会を一年生が中心となって結成し、すべての闘争を一年生が担った」と発言した。
 京都大は「『国家を否定するのか』と叫ぶ、すさまじい反動が襲いかかった。これら反動を大衆の面前で弾劾し、少人数でも学内デモを貫徹して闘った。内乱的激突を恐れず闘った時に小泉反革命を打ち破ることができる」と提起した。
 大阪市大は「市大にカクマルを引きずり込んで大衆的に粉砕する。日共・民青を打倒し、自治会権力を奪取する」と決意を述べた。
 九州大自治会は自治会再建の教訓を提起した。まったく新たな大学からの報告もあり、学生運動の革命的統一に向けて闘いが始まっていることを印象づけた。

 鎌田元委員長魂揺さぶる檄

 一日目の最後に、十六年間の獄中闘争を闘った元全学連委員長の鎌田雅志さんが登場し、「クラス討論で粉砕されたら泣いてこい。いろいろな考えの学生と討論し、ぶつかっていくことが学生運動の基本であり、ここからしか始まらない」と全学連運動の魂を熱く語った。この発言は全参加者を激しく奮い立たせた。
 二日目、沖縄からの特別報告が行われた。「沖縄は中国侵略戦争に向けた臨戦体制に置かれ、米軍の事件・事故が急増している。全学連が沖縄人民の怒りに火をつける闘いをやった時に沖縄闘争は大爆発する。七〇年沖縄闘争の爆発も、全学連の三人の戦士がでっかい中核旗をもって嘉手納基地に突入したことが起爆剤となった。沖縄を制圧できなければ、中国侵略戦争はできない。ここに米日帝の最大の弱点がある」と沖縄闘争への決起を訴えた。
 次に大山尚行委員長(東北大)が「日帝・小泉の有事立法=改憲攻撃との対決は、『第三次世界大戦か、反帝国主義・反スターリン主義世界革命か』の歴史選択を全人民に突きつける階級決戦だ。この決戦で全学連が荒々しい闘いをぶち抜くために、最高のアジテーションを打ち立てよう」と討論の方向性を提起した。

 “革命的情勢切り開け”

 まず東北大、富山大、九州大の学生から、有事立法・改憲決戦論が提起された。
 「九月有事法制『中間報告』の国会提出、十一月有事法制・政府基本方針の決定から来年通常国会での法案提出が狙われている。有事立法阻止・改憲粉砕の大決戦へ本大会から直ちに猛然と打って出よう。有事立法は周辺事態法に強制力を持たせ、自衛隊を侵略軍隊化し、民間の総力戦体制をつくり上げようとするものだ。それは帝国主義戦争の本質としての総力戦化に対応し、産業諸力、交通、物的・人的資源の一切を国家が管理・統制し、総動員することに核心がある。それは戒厳令―憲法の停止、基本的人権の制限、土地や家屋の徴発・収用、言論統制、デモの禁圧などにも及ぶ。これは戦後憲法体系の原理的転換であり、戦争国家への大転換である」
 「小泉政権の『国家の危機』の扇動に対して、これを帝国主義の危機の問題として明らかにし、侵略と戦争をもってしか危機を『打開』できない帝国主義の打倒こそ労働者階級人民の進むべき道であることをはっきりさせなくてはならない。われわれが日本階級闘争全体を革命的に再編し、真に主流派となる情勢が到来したのだ」
 「中国・朝鮮侵略戦争の切迫が必ず革命的情勢を成熟させることを確信し、『闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ』『米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒』『戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒』の三つの戦略的スローガンのもとに闘おう。六七年十・八羽田闘争のような荒々しい革命的大衆行動に決起し、革命的情勢をたぐり寄せよう」
 松尾純一副委員長(法政大)は「有事立法阻止・改憲粉砕への第一歩が明日の自衛隊の有事出動演習粉砕の闘いで問われている」と提起した。
 岡山大の学生は十・七三里塚決戦への総決起を訴えた。さらに富山大、京都の大学の沖縄出身学生から沖縄米軍基地撤去・名護新基地建設阻止の闘いが呼びかけられた。九大は「沖縄の怒りを本当に自分のものにして闘う」と発言した。東北大は「全国のトップ三十大学に予算を重点配分」「国立大を大幅削減」するという「遠山プラン」を批判し、独法化阻止を訴えた。関西の大学からは、組織的分裂を深め反米愛国主義へと純化するファシスト・カクマルを打倒しようとの訴えがなされた。

 10・16日米首脳会談粉砕へ

 最後に西本副委員長が討論のまとめを提起した。
 「有事立法阻止・改憲粉砕決戦の爆発に向かって、臨時国会決戦を全力で闘い、十一月中央政治闘争に三百人の大結集をかちとろう。その突破口として十・一六日米首脳会談粉砕闘争に立とう。日米首脳会談は中国―アジア再分割をめぐる激突であり、何よりも中国・朝鮮侵略戦争のための戦争会談だ。日帝・小泉は有事法制を対米公約とし、日米新安保ガイドライン体制の強化を図ろうとしている。米日帝が中国・朝鮮侵略戦争を本気で構えていることに対し、全学連が先頭に立って革命的大衆行動を爆発させ、この闘いに労働者人民の未来への展望があることを示そう。この闘いの中でカクマルに内乱的にうち勝ち、全国大学の自治会再建、学生運動の革命的統一をかちとろう」
 そして議案が拍手で承認され、新たな中央執行委員が選出された(別掲)。
 全学連大会には、多くの来賓がかけつけ、熱い連帯のあいさつを行った。北富士忍草母の会事務局長の天野美恵さんは、「全学連の皆さんに小泉を打倒してもらいたい」と訴えた。三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長の北原鉱治さんは、「ぜひ三里塚現地に来てほしい」と呼びかけた。
 部落解放同盟全国連合会中央委員の田中れい子さんは、「全国で襲撃的な差別事件が頻発している。六九年、石川一雄さんの決起にこたえて全学連の学生が浦和地裁占拠闘争を闘った。この闘いが狭山闘争の大爆発を切り開いた。全国大学に部落研の建設を」と訴えた。都政を革新する会のけしば誠一さん、動労千葉からも熱い期待が寄せられた。
 革命的共産主義者同盟の代表は、「革命的共産主義運動は学生運動を革命の戦略的意義を持つ闘いとして位置づけた。学生運動は社・共の支配を打ち破っていく決定的力を持っているからだ。また学生自治会はプロレタリア独裁の実践を訓練する場だ」と提起し、全学連が反スターリン主義・革命的共産主義運動の先頭に立つことを訴えた。
 大会の最後に、初参加者が決意表明を行い、倉岡靖子書記次長(京都大)が新執行部を代表して、「大山委員長のもと、どのような闘いにもひるまず突撃し、新たな全学連運動の歴史を開く」とあいさつした。


 全学連新執行部

 委員長   大山尚行(東北大・経済)
 副委員長  松尾純一(法政大・経営)
 同     宮城 啓(大阪市大・文)
 同     井上 亮(広島大・総合科学)
 書記長   内山佳久(法政大・U法)
 書記次長  新井 拓(東北大・理)
 同     倉岡靖子(京都大・農)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2021号6面2)

機関紙拡大を今秋決戦の基軸にすえ党勢を2倍化を
 前進経営局

 『前進』は労働者を組織する武器

 すべての同志諸君。革共同第六回大会路線で武装し、今秋機関紙拡大、党勢二倍化の闘いに総決起しよう。とりわけ九〜十月の闘いが決定的である。
 われわれは現在、小泉反革命政権と対決し、改憲・有事立法・教育改革・沖縄の反戦闘争、十月国労大会と十一月労働者集会を中心とした階級的労働運動、党勢倍増闘争などの死活的課題を闘い抜いている。この闘いにおいて、機関紙拡大・党勢倍増を絶対的課題にすえきり、その達成の観点から全テーマに立ち向かうことによってこそ、全テーマを攻撃的、勝利的に闘い抜くことができる。
 革命的情勢が世界史的に急接近している中で、今こそレーニン主義の革命党を本格的に建設しなければならない。
 それは、機関紙拡大闘争に総決起することによってこそ実現できるのだ。
 レーニンとボルシェビキは、第一次世界大戦を前にして、機関紙『プラウダ』の販売闘争を職場ごとに組織し、メンシェビキ機関紙に勝利し、労働者の多数派となっていった。
 「プラウダ系の新聞……は、ロシアの自覚した労働者の五分の四の統一をつくりだした。約四万の労働者が『プラウダ』を買い、それ以上多くの労働者が『プラウダ』を読んだ。……この層は生きている。この層は革命的精神と反排外主義にみちみちている。この層だけが、勤労者、被搾取者、被抑圧者の国際主義の宣伝者として、人民大衆のあいだに、大衆の奥深いところにはいり込んでいる。この層だけが、全般的な崩壊の中でも、もちこたえた」(レーニン『ロシア社会民主党労働者議員団の裁判はなにを証明したか?』)
 この闘いを、今こそ実践しよう。
 機関紙拡大闘争をいかに進めるか。
 第一に、革共同第六回大会路線での武装が一切の出発点だ。第六回大会の学習運動と討議を行い、その確信に燃えて機関紙販売運動を熱烈に行っていこう。
 世界大恐慌が目前に迫り、帝国主義が没落期の資本主義であることがさらけ出されているにもかかわらず、世界革命を真っ向から提起して闘う党派が革共同を除いて存在していない。すべての勢力が、ソ連スターリン主義の崩壊によって共産主義の破産が証明されたとする反動イデオロギー攻撃に屈し、体制内改革の泥沼に陥ってしまっている。「反帝国主義・反スターリン主義世界革命の旗のもと、万国の労働者と被抑圧民族は団結せよ」という訴えこそ、二十一世紀革命の展望をさし示し、すべての人民の闘いの意欲をかきたてるものである。
 党大会を権力の弾圧から完全に防衛して実現したことは重大な勝利である。
 第三回大会は七〇年決戦を準備した。第六回大会は二十一世紀革命への大きな跳躍台となるであろう。
 第二に、機関紙を軸にした党活動を確立し、機関紙で大衆を組織しよう。
 レーニンは『なにをなすべきか?』で、機関紙を軸とした党活動が、蜂起に至るまでの闘いを最も正しく推し進め、確実に勝利する唯一のあり方であると言っている。
 機関紙こそ、党の路線的、政治的、思想的、理論的な武装・意志一致の最良の武器だ。基本会議の軸に機関紙をすえよう。そうしてこそ、機関紙を党員一人ひとりの武器にできる。
 また、機関紙こそ闘いの武器である。機関紙によってこそ、政治的事件の一切をマルクス主義的に暴露し、労働者人民を階級的団結へと導いていくことができる。機関紙を労働者の中に拡大することで、資本攻勢との闘いを推し進めることができる。機関紙の一号一号を直ちに全党員に渡し、一刻も早くすべての定期購読者に届けよう。そして拡大しよう。それこそ党の第一の行為である。

 組織的・計画的に積極的オルグを

 第三に、機関紙拡大闘争を、党建設計画のもとに職場・学園で組織的・計画的に進めていこう。
 機関紙拡大闘争とは、対象者を確定して、具体的に拡大オルグを行うことである。この活動を個人任せにせず、計画から総括まで、組織的に行うことが一番大切である。
 そのためには、まず身近な対象からということではなく、党の蜂起のプランから組織建設計画を積極的・進攻的に練り上げていくことから始めなければならない。「読ませたい人のリストアップ」が多くの同志の積極性を引き出したのは、それが党建設の夢をはらんでいたからである。第六回大会の実践にとって、この夢=党建設構想は絶対に必要であり、真剣に検討しなければならない。それは意欲と必死さを生み出すであろう。
 機関紙を誰にどのように販売するかについては、組織的検討の上で計画的に行わなければならない。しかし何より大切なことは、これまでの既成の党派的諸関係などにとらわれず、積極的でなくてはならないということだ。
 現在は、党派的大流動、大再編過程にある。小泉反革命攻撃、大資本攻勢が吹き荒れており、これに立ち向かえない党派は吹き飛ばされる。小泉反革命への反撃に立とうとする労働者は、闘う党派・潮流を求めている。ここでわれわれが大胆に登場しないならば、われわれもまた吹き飛ばされる。真っ向から党の見解を訴えることによってこそ大衆に信頼されるのだ。
 第四に、読者全体を日常的に把握し、読者との関係を大切にし、強化しなければならない。
 現在の読者こそ、激烈な内戦をはらんだ起伏に富んだ四十年を超える党の歴史をともに闘い、財政その他あらゆる面で党を支え抜いた人たちである。この人たちが、今日の激しい資本攻勢にさらされながら、党を支えて闘い抜いているのである。この人たちとの関係を党活動の生命線として大切にしよう。
 とりわけ、第六回大会の報告を全読者に行うことは絶対的な義務である。報告・決定集を販売し、二十一世紀革命をともに闘う共同の決意を打ち固めよう。
 第六回大会の報告はさらに、かつての読者を再獲得する決定的武器でもある。四十年の歴史をひもとく決意でかつての読者を掘り起こし、総当たりしよう。第六回大会は、四十年を超える闘いをともに闘い抜いてきた人びとの共有財産であり、到達点なのだ。
 新規読者は拡大したが、他方では相当数の読者の減部が判明したということがこの間起こっている。このような事態は、何としても根絶しなければならない。
 第五に、機関紙財政の絶対性について再確認したい。
 機関紙発行は革命党の絶対的事業であり、その財政は党によって保障されなければならない。各組織には、その分担金が割り当てられ、それが納入されることによって、機関紙発行は財政的に保障される。機関紙販売代金は、この分担金をまかなうために充てられる。販売代金が分担金を下回れば各組織がその分を補填(ほてん)しなければならない。
 機関紙拡大は、党財政を強めるためにも決定的だ。
 党財政の基礎は、機関紙にこそある。今日の苦闘する財政問題の突破のためにも機関紙拡大闘争に総決起しよう。

------------------------TOPへ---------------------------