ZENSHIN 2001/10/08(No2024 p08)

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週刊『前進』(2024号1面1)

革共同の10月アピール
日帝・小泉の参戦阻止せよ 人民大虐殺の軍事報復許すな
 10・7三里塚−10・21反戦デーへ国際反戦闘争の爆発かちとれ

 第1章 「テロ撲滅」の大合唱と第三次世界大戦の危機

 九・一一反米ゲリラ戦をもって情勢は一変し、戦後史は大きく転換した。米帝ブッシュを先頭に米日欧帝国主義は「テロ撲滅」の大合唱を組織し、アフガニスタンと中東への軍事報復、凶暴な侵略戦争突入に全力で動いている。訪米した小泉は九月二十五日、ブッシュと会談し米帝への「最大限の支援と協力」を表明、「自衛隊を危険なところに出しちゃいかんでは話にならない」と公言して、全面的な米軍支援へ「海自支援艦隊」の派兵に超法規的に突き進もうとしている。
 米帝ブッシュの軍事報復発動、日帝・自衛隊の参戦、集団的自衛権行使と全面対決して、「連帯し侵略を内乱へ」の旗のもとに総決起しなければならない情勢に入った。第三次世界大戦の危機が完全に切迫している。今こそ全世界の労働者階級人民、被抑圧民族人民と連帯し、国際的反戦闘争の嵐(あらし)を巻き起こさなければならない。

 ブッシュが宣戦布告

 何よりもまず第一に、米帝ブッシュと日欧帝国主義によるアフガニスタン軍事報復、アフガニスタン・中東侵略戦争を阻止するために全力で決起することだ。
 ブッシュは九月二十日夜の上下両院合同会議での大統領演説で、タリバン政権を「テロに加担する殺人者」と一方的に非難し、米帝が九・一一反米ゲリラ戦の実行者と決めつけるイスラム急進派のオサマ・ビンラディンとその組織の全指導者の引き渡しなどを要求した。そしてタリバン政権がそれに従わなければ「(テロ組織と)運命をともにすることになる」と政権転覆とアフガニスタン人民大虐殺の軍事報復を公言した。これは最後通告、宣戦布告そのものである。
 しかも重大なことは、ブッシュが「テロ組織」の壊滅のために「外交、情報、司法、金融、軍事力のあらゆる国力を動員する」と述べて、核兵器使用も含めた米帝の総力戦を宣言したことである。さらに米国内に向けては「過去のどの戦いより長い行動になる」と長期戦への覚悟と忍耐を要求し、他方で全世界に対しては「米国につくか、テロ組織につくか」と問答無用の選択を求め、また日欧帝への争闘戦的な大恫喝を加えたのである。
 すでに米帝ブッシュは、上下両院での武力行使決議(下院で民主党のバーバラ・リー議員一人が反対!)や予備役招集を行い、CNNやABCなどブルジョアジーが握るマスコミを総動員して「テロ撲滅」と「報復」への異様な排外主義・愛国主義をあおり立てている。
 日欧の帝国主義は九・一一への恐怖の結束のもとに「テロ撲滅」「報復」で米帝と足並みをそろえ、NATOは初の集団的自衛権行使を決定した。ロシアと中国スターリン主義も国内にイスラムの民族解放運動を抱えて、テロ反対に唱和し、米帝ブッシュの軍事報復への支持を表明する犯罪的立場をとっている。
 こうした中で米国防長官ラムズフェルドは九月十九日、米軍のF15戦闘機やB1戦略爆撃機など第一陣百機以上をインド洋・中東地域に増派する命令を出し、また原子力空母セオドア・ルーズベルトが米本国から中東に向け出航した。二十一日朝、米海軍横須賀基地を出航した米空母キティホークやすでに現地にいるエンタープライズ、カールビンソンと合わせ、実に空母機動部隊は三〜四隻体制に大増強され、第二陣も加え五百五十機の大空爆態勢がとられようとしている。
 これと連動して日本全土の米軍基地は完全な臨戦態勢にすでに入っており、沖縄を始め佐世保、岩国、横須賀、厚木、横田、三沢などが文字どおりの出撃前線基地と化している。事態は超重大だ。
 米帝ブッシュが軍事報復でやろうとしていることは、直接的には米帝が九・一一反米ゲリラ戦の元凶と決めつけるオサマ・ビンラディンとその勢力の壊滅であり、それを保護していると称するタリバン政権の転覆である。これ自体が「報復」に名を借りた徹底的に不正義で汚い侵略戦争である。だがそれだけではない。米軍の圧倒的なハイテク兵器による無差別爆撃で数万、数十万のアフガニスタン人民が大虐殺されるのである。さらに新たに数百万人の難民と餓死者が生み出されることは不可避なのだ。
 しかも米帝の軍事報復はアフガニスタンへの侵略と破壊と大虐殺にとどまらない。そもそも「テロ組織撲滅」を叫ぶ米帝は軍事報復の狙いを「テロの聖域や支援システムを除去し、テロを支援する国家を終結させること」に設定し、長期の持続的戦争を公言している。「テロ支援」を口実に、イラクを始めとした反米的国家への侵略戦争も一気に拡大しようとしているのだ。それはアラブ人民、パレスチナ人民を始めとした十二億人のイスラムへの侵略戦争、全世界の被抑圧民族人民すべてに対する侵略戦争なのだ。

 29年型大恐慌と戦争

 この情勢において今ひとつ決定的なことは、九・一一が基軸帝国主義・米帝の超バブル経済が全面的崩壊を開始し、世界経済が二九年型世界大恐慌・大不況に突入している中で起こったことである。
 ニューヨーク株式市場は九・一一後、六日間閉鎖を余儀なくされたが、再開してから五日間でダウ平均は一四・三%も急落し、週間下落率では一九三三年七月以来の事態となった。八千jの大台割れも不可避であり、米帝の軍事報復への突入が、ITバブル崩壊、ハイテク神話の崩壊の上に個人消費や企業収益の一層の冷え込みを引き起こし、世界同時不況の深刻化という形で空前の大恐慌を本格化させていくことは疑いないのだ。そうした帝国主義の破局的危機が、侵略戦争と第三次世界大戦へと転化していく過程が、ついに始まったのである。
 米帝ブッシュはこの間、ミサイル防衛構想の凶暴な推進やユニラテラリズム(一方的外交、単独行動主義)の行使が露骨に示すように、一方で中国・朝鮮−アジア侵略戦争を世界大戦級の戦争として強行する策動を強めると同時に、他方では米帝とその金融独占資本のみが生き残るために世界を戦争の地獄にたたき込むという、とんでもない軍事外交政策を展開してきた。パレスチナではイスラエルを後押しして、ミサイル爆撃や戦車攻撃による人民虐殺を繰り返してきた。このことに対する全世界の労働者、被抑圧民族人民の怒りは積もりに積もり、臨界点を超えていたのである。
 それだけではない。第二次大戦以降をとっても、この六十年間に米帝が世界でやってきたことは何か。朝鮮、ベトナム、中東、イラク、ユーゴスラビアなどで世界大戦級の侵略戦争と大殺戮(さつりく)を繰り返し、新植民地主義体制諸国への侵略と搾取・収奪、飢餓と貧困の強制、そして政治的な暗殺やクーデター、政権転覆と、あらん限りの不正義と暴虐をほしいままにしてきたのだ。それが「正義」であると言って傲慢(ごうまん)に振る舞ってきたのである。しかしこんなことが永遠に続くはずがない。
 九・一一はこの米帝の経済と軍事の中枢を壊滅的に痛撃した反米ゲリラ戦であり、アラブを先頭とした被抑圧民族人民の根底的な怒りの炸裂(さくれつ)であった。米帝の超大国神話、万能神話は粉々に打ち砕かれた。それは米帝の没落の始まりを衝撃的に告げ知らせた。
 しかし同時に九・一一は、帝国主義の世界支配と民族抑圧を許し続けてきたアメリカを始めとする帝国主義国の労働者人民に対する、不信と弾劾の突きつけでもあった。われわれ帝国主義国の労働者人民は、このことを血債の思想をもって真っ向から受けとめ、全世界の労働者階級、被抑圧民族人民と連帯し、今こそ反帝・反スターリン主義世界革命を達成するために総決起しなければならない。

 第2章 米軍支援新法・自衛隊法改悪粉砕の国会闘争を

 第二に、日帝・小泉政権が米帝を始めとした「テロ撲滅」の大合唱に乗じて、゛湾岸戦争の二の舞いは避けよ″とアフガニスタン侵略戦争への全面的参戦に突き進んでいることに怒りと危機感を爆発させ、参戦阻止、自衛隊艦隊派兵阻止に総決起することだ。
 小泉は九・一一の直後から米帝への全面協力を表明してきたが、九月十九日夜の記者会見で、米軍等に対する「医療、輸送、補給などを目的とした自衛隊の派遣」や「国内の米軍施設、重要施設の警備強化」など七項目の「テロ対応措置」なるものを発表した。日帝・小泉は米帝が「ショー・ザ・フラッグ(旗を見せろ)」(米国務副長官アーミテージ)と激しい対日争闘戦の圧力を加えてきていることを逆手にとって、一気に、超法規的行動に訴え、憲法停止と集団的自衛権の行使に踏み切ろうとしているのだ。
 情勢は重大である。九月二十一日朝、米海軍横須賀基地から米第七艦隊空母キティホークが中東に向け出航した。この際、海自護衛艦「しらね」「あまぎり」が前後を同行し、事実上の空母護衛の任務に就き、一気に集団的自衛権行使に踏み込んだのだ。
 日帝・小泉は、この機に乗じてイージス艦を始めとした護衛艦、補給艦、掃海艇、P3C哨戒機などを派兵し、インド洋で米軍支援の「海上自衛隊支援艦隊」を編成しようとたくらんでいる。そのための「米軍支援新法」を九月二十七日に開会した臨時国会に提出し、成立を図っている。この海自支援艦隊は米軍と前線・後方で一体化しつつ、武器・弾薬輸送や給油、整備活動の任務に就き、集団的自衛権を行使する大攻撃なのである。
 米軍支援新法で日帝・小泉が狙っていることは今ひとつ、アフガニスタン軍事報復の゛基地″とされるパキスタンに難民支援や医療、給水活動を理由に自衛隊機と部隊を押しかけ的に強引に派兵し、事実上の戦闘区域で米軍と共同作戦をやり、武器も使用する道を開こうとしていることだ。小泉が「(自衛隊には)危険を伴っても活動してもらう」と公言したことは戦後憲法の枠組みを破る大反革命なのだ。
 さらに小泉は、臨時国会で自衛隊法改悪を狙っている。これは「テロ対策」と称して自衛隊が在日米軍基地や権力機構、原発などの重要施設を直接に「領域警備」しようというものであり、国会承認もなく自由に治安出動できるとんでもない法律である。
 「テロ対策」と称して入管法も改悪し、警察力の配備に加え自衛隊の自由な治安出動で国内の反戦運動や階級闘争を鎮圧しようとする小泉を今こそ打倒せよ。臨時国会を包囲する労働者人民の大衆的なデモで、米軍支援新法と自衛隊法改悪を絶対に粉砕しよう。

 第3章 国労大会決戦を突破口に11月労働者集会へ

 帝国主義は今や第三次世界大戦を不可避とする過程にのめり込みつつある。
 九・一一を帝国主義国の労働者人民として階級的に受けとめる道は、アフガニスタン軍事報復を阻止するために闘い、国際反戦闘争を巻き起こし、米帝を盟主とした国際帝国主義の打倒、日帝の打倒のために総決起していくことだ。
 帝国主義国の労働者への絶望から発している九・一一のような戦い方は、しかし帝国主義打倒、反帝・反スターリン主義世界革命、真のプロレタリア自己解放の道ではない。米帝打倒の主体、世界革命の強力な担い手は、アメリカの労働者階級である。米帝は典型的な多民族国家であり、その労働者階級人民は、激しい階級的な抑圧と搾取・収奪を受け、また民族的差別と抑圧を受けている。レーガン反革命以来、過酷なリストラ・首切りと不安定雇用化の攻撃を受け、全人口の五〇%もの人々が大統領選の過程から排除されている。
 われわれが九・一一をのりこえる道は、アメリカ労働者階級を米帝打倒と世界革命の主体として位置づけ、被抑圧民族人民の怒りと苦悩を真っ向から受けとめて、ともに世界革命を達成するために総決起していくことの中にあるのだ。
 九月二十一日にニューヨーク・タイムズスクエアで開かれた一万人集会を始め、世界各地で報復反対の反戦デモが起こっている。そこにはベトナム反戦運動を超える国際反戦闘争へと発展していく可能性が示されている。歴史的に命脈が尽き、世界を戦争と破滅にたたき込む以外に延命の道のない資本主義・帝国主義を打倒する革命の現実性がそこにある。

 日本共産党の犯罪性

 わが革共同は九・一一以降、天田書記長を先頭に首都・東京を始め全国で連日、街宣・街頭演説に打って出て、本紙二〇二二号の「九・一一反米ゲリラに対する革共同の見解」をもって、労働者人民に、軍事報復阻止と国際反戦闘争への総決起を訴え闘っている。九・二一横須賀、九・二三反戦デモ、九・二七国会闘争へと連続決起している。
 ところが日本共産党は、なんと九・一一に対して「国際政治と人道の名において、強い怒りをこめて糾弾する」「法と理性にもとづいて解決を」(志位委員長談話)という立場を表明し、不破議長と志位の連名で「テロ根絶のためには、軍事力による報復ではなく、法にもとづく裁きを」なる書簡を各国政府首脳に送った。日共には帝国主義への怒りも被抑圧民族人民との連帯も一切ない。連日、『赤旗』で帝国主義と同じテロ非難の大合唱に加わっているだけだ。戦争問題で階級的視点を投げ捨て、帝国主義と闘う路線を放棄したスターリン主義の腐敗し転向しきった姿が、今の日共である。
 この日共スターリン主義の大転向を弾劾し粉砕して、米日欧帝国主義の軍事報復阻止、日帝の参戦阻止、第三次世界大戦反対の国際反戦闘争を全力でつくりだそう。九月の闘いに続き、十・七三里塚現地大集会に総結集し、そして十・二一国際反戦デー闘争を、全世界の被抑圧民族人民、闘うアジア人民と連帯した大闘争として全力で闘いぬくことが決定的だ。労働者人民の怒りの行動が、地殻変動的に起こっている。革命的大衆行動の大高揚を猛然とつくり出せ!

 国鉄闘争こそ最先端

 これらの一切を、十・一三−一四国労大会決戦を突破口とした十一月労働者集会の五千人結集に集約して闘いぬくことを訴えたい。
 十一月労働者集会は第一に、米帝ブッシュと日欧帝の軍事報復、アフガニスタン・中東侵略戦争への突入に対する労働者人民の一大反戦闘争である。戦争に反対するすべての労働者・労働組合、学生、人民大衆に一切に優先して結集することを訴えようではないか。
 十一月労働者集会は第二に、日帝・小泉の「聖域なき構造改革」路線、改憲・戦争国家化とリストラ・大失業、労働運動解体攻撃に対する労働者学生人民の総反撃の闘いだ。連合、JR総連と対決し小泉打倒を誓う最大の決戦場である。
 十一月労働者集会は第三に、国鉄決戦勝利の総決起集会である。国鉄決戦はレーガン、サッチャー、中曽根の「新自由主義改革」大反革命と対決して闘い続けてきた世界的意義を持つ闘いだ。小泉改革と対決する最先端の闘いであり、国鉄闘争とそこに結集する百万人の労働者・労働組合が、原則的階級的に闘い続ける中にこそ、戦争と大失業を打ち破り、資本主義・帝国主義を打倒して労働者が生きていく道がある。
 十・一三−一四国労大会こそは、「四党合意」を全面的に受け入れ、闘争団を切り捨て、国労を自ら解体して帝国主義的労働運動の道を凶暴に突き進むチャレンジと革同一派を打倒し、転向と裏切りの分裂主義者をたたき出して、闘う新執行部を確立し、国労再生をかちとる最大の決戦の場だ。
 小泉改革と対決し、分割・民営化絶対反対の原点に立ち返り、権力・機動隊の導入を粉砕して、闘争団を先頭に闘う労働者の総力決起で勝利を切り開こう。
 その力こそが十一月労働者集会への大結集の最大の突破口だ。
 わが革共同は、全日建運輸連帯労組関生支部、全国金属機械港合同、動労千葉の三組合の呼びかけに全力でこたえ、五月テーゼ路線と六回大会路線の爆発的前進をかけて、われわれ自身の階級的怒りと危機感、主体性、自己解放性を爆発させ、十一月労働者集会の大成功のために全力で闘う。十月各地域・地区集会、学習会を闘いとり、パンフ・ビラ・チケットを駆使して組織化をやりぬこう。『前進』を闘いと結集の最大の武器として活用しきり、拡大していこう。
 全世界の労働者階級、被抑圧民族人民は団結し、米日欧帝国主義のアフガニスタン軍事報復を阻止せよ! 日帝・自衛隊の参戦を阻止せよ! 第三次世界大戦と対決する国際反戦闘争を巻き起こし、今こそ反帝・反スターリン主義世界革命へ総決起していこうではないか。

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週刊『前進』(2024号1面2)

“報復反対、侵略阻止” 各地で反撃 9・23

 渋谷をデモ行進

 九月二十三日夕、全学連呼びかけ、反戦共同行動委主催の「米日のアフガン・中東侵略戦争許すな! 緊急闘争」に首都圏各地から二百五十人が結集した。
 デモ隊は「報復反対! 
侵略阻止!」のかけ声で力強く渋谷の繁華街を進んだ。ビラが次々と手渡され、声援が返ってきた。
 デモに先立つ決起集会が宮下公園で開かれた。激しい危機感に燃えた労働者・学生が駆けつけた。「インターネットで集会を知った。デモは二十年ぶり」という労働者も参加した。
 結柴誠一東京反戦共同行動委事務局長のあいさつで開会。婦人民主クラブ全国協は「米軍相模補給廠(しょう)ではゲートに土嚢(どのう)が積まれ、銃口が市民に向けられている」と緊迫した状況を報告した。三多摩に続き、神奈川の労働者が空母キティホーク出撃阻止闘争を報告した。沖縄民権の会の座覇光子代表は、「人民の力を発揮する時が来た」と訴え、反戦自衛官の小多基実夫さんが特別報告を行った。
 基調報告を大山尚行全学連委員長が提起し、「本気になって闘えば米日帝のアフガン侵略戦争を絶対に阻止できる。新法制定を阻止せよ。自衛隊派兵を絶対阻止せよ」と呼びかけた。
 集会に先立ち、反戦共同行動委は渋谷駅前で街頭宣伝を行い、報復反対を訴えた。また、革共同は天田三紀夫書記長を先頭に新宿駅南口で街頭演説を行った。在日中東人民、アジア人民との交流など、いずれも大きな反響があった。

 大阪・難波デモ

 二十三日午後、関西反戦共同行動委員会は「米帝・NATOによる軍事報復を許すな! 小泉の参戦、有事立法・改憲阻止! 九・二三全関西反戦集会」を大阪の関谷町公園で開き、二百七十一人が結集した。
 国賀祥司さんが「緊急の呼びかけだったが大勢集まった。米帝の軍事報復に巨大な国際反戦闘争を起こそう」と主催者あいさつ。
 東灘区住民の会の山本善偉さんは「二十一世紀、若い人たちと一緒に戦争反対を闘う」と熱弁し、百万人署名運動中河内連絡会の西元和臣さんは「つくる会」教科書闘争を報告した。
 関西反戦共同行動委の永井満代表は「ブッシュが聖書から都合のよい言葉だけ取り出して軍事報復を正当化している」と弾劾した。松田勲事務局長が「戦争を終わらせるには帝国主義を打倒するしかない。その闘いの本格的な開始の日としよう」と基調報告した。
 難波までのデモ行進では大勢が立ち止まりデモに注目、ビラを受け取った。

 岩国基地に抗議

 二十三日、広島と山口の反戦共同行動委員会は、米海兵隊岩国航空基地と海上自衛隊第一三航空群に対して緊急抗議闘争をたたきつけた。米海兵隊の出撃基地である岩国基地は臨戦態勢にあり、空母艦載機FA18ホーネットやハリアー攻撃機が二十四時間態勢で離発着訓練を強行している。
 午前十一時半、抗議行動団は正門前で「岩国基地から一機たりとも侵略機を飛ばさせないぞ!」と力強くシュプレヒコール。基地内には米兵部隊が出動態勢で構え、屋上からは機関銃を手にした狙撃兵が行動団の様子をうかがっている。
 海自基地司令代理が対応に出てきた。全学連が、侵略出兵の中止を求める申し入れ書を読み上げ、再度シュプレヒコールをあげた。
 このあと広島の繁華街で街頭宣伝に打って出た。「ヒロシマの地から全世界の労働者人民、被抑圧民族人民に報復戦争絶対阻止をアピールしよう」とアジテーションが響き渡った。
 岡山・愛媛などでも反戦を訴え街頭宣伝を行った。

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週刊『前進』(2024号2面1)

「四党合意の解決案丸のみ」打ち砕こう
闘争団切り捨てと国労解体を狙うチャレンジをたたき出せ
 国労大会決戦の絶対勝利かちとれ

 十月十三、十四日に行われる国労第六八回定期全国大会(東京・社会文化会館)は、国鉄闘争のすべてをかけた歴史的決戦になった。チャレンジ一派は、この大会において、「四党合意に基づく解決案の丸呑(の)み」を強行し、闘争団を切り捨て、国労組織を解体し去ることを公然と宣言している。チャレンジ一派は、小泉の「聖域なき構造改革」との闘いの最前線にせり上がった国鉄闘争を売り渡す決断をしているのだ。そのために、警察に「大会警備要請」を行い、またも機動隊の力を使って強行突破を図ろうとしている。今大会は、昨年来の四党合意をめぐる攻防に決着をつけ、文字どおり日本労働運動、日本階級闘争の行く末を決する大決戦になった。まさに「国労の解体か再生か」がかかった大会である。闘う闘争団を始めとした国労組合員の総決起で、チャレンジ一派と革同久保一派による国鉄闘争と国労の解体策動を打ち砕き、高嶋―寺内執行部を打倒せよ。一握りの極悪のチャレンジ幹部どもを引きずり下ろし、たたき出し、国鉄闘争勝利へ突き進もう。国労大会決戦の勝利から十一月労働者集会に総決起しよう。 

 国鉄闘争の解体を宣言した新井文書

 十月国労大会に向かって、高嶋―寺内執行部の「四党合意に基づく解決案の丸呑み」策動を打ち砕き、国労再生の出発点をつくり出すために総決起することを訴えたい。
 チャレンジ一派は、前中執・新井修一の名で「全国の仲間に訴える」という文書を発表した。そこで新井は、相変わらずの「ラストチャンス論」や「国労ジリ貧論」を展開した上で、「国労が組織体として生き残れる道は一つしかない。それは四党合意に基づく解決案を不満があっても国労全体が一致団結して呑むことである。そして採用差別問題解決の上にたって、JRの経営形体に応じた新たな組織体制を形成し直して再出発をすること以外にない。そしてそれは、この十月十三、十四日に開催される第六八回定期全国大会の場が最後の機会となる」と言っている。
 この「新井文書」は、十月の大会が「最後の機会」だとして、闘争団を切り捨て国鉄闘争の幕を引くための反動的な決意表明である。新井は、「四党合意に基づく解決案」が「ゼロ回答」であることを百も承知で、゛闘争団を必ず切り捨てるから、解決案を出してくれ″と政府・自民党に懇願しているのだ。
 新井はさらに、全国単一体としての国労の解体を宣言している。「宮坂補強五項目」に沿って、会社ごとの組織にして、国労の名称変更、JR連合への合流へと進もうと呼びかけているのだ。敢えて新井の名で公然と文書を出したのは、チャレンジ一派の反動的総決起を促すためである。
 「新井文書」の基礎は、今年四月、チャレンジのフラクで確認された「党員協(同志会)再建に全力をあげよう」と題する「N論文」である。
 「N論文」は、四党合意をめぐる旧社会党党員協の二極分解の中で、「党員協をこのまま維持することは何の意味ももたない」として、「改良闘争の再構築のために、『かつての思想』と手を切り、分割・民営化反対をやめろ」と呼びかけたチャレンジの国鉄闘争解体宣言であった。その核心は、階級的労働運動をやめて転向し、闘争団を切り捨て国鉄闘争を終わらせる、そのために四党合意反対派をたたき出し、労資協調の労働運動へ突き進もうと呼びかけることにあった。
 「N論文」は、その中で「(党員協が二分している状態は)本当の困難ではない。本当の困難は出口の大会である」と広言していた。「新井文書」は、けっして新井の個人的アピールにとどまらない。この「N論文」をいよいよ実践に移そうとする宣言である。

 JR東「第4次労使共同宣言」と対決を

 しかし、それは、JR東日本会社とJR東労組カクマルが八月一日に締結した「二十一世紀労使共同宣言」=第四次労使共同宣言に大打撃を受け、展望を喪失し分解の危機に陥った敗残兵・チャレンジの最後のあがきでしかない。
 今年六月、「JR完全民営化法」が成立した。これは、分割・民営化の総破産を塗り隠し、より過酷な資本攻勢をJR労働者に強制するためのものだ。政府・自民党、JR東・大塚は、分割・民営化が総破綻(はたん)し、国鉄闘争が意気揚々と闘い抜かれているがゆえに、JR総連カクマル・松崎を再び取り込み、国鉄闘争と国労・動労千葉を破壊するための体制を敷き直したのである。
 松崎・カクマルも、「カクマル疑惑」の追及をかわして延命するために、大塚の懐に飛び込こんで生きる道を選択した。黒田カクマルと手を切ったのも、会長を退いたのも、そのためだ。しかし、それはJR総連カクマルの強さの現れではない。そうしなければ生きられない危機と矛盾の現れである。
 JR東は、「徹底した効率化に不断に取り組むこと」「社員一人ひとりが会社の発展、自己実現のために自ら何ができるかを常に念頭に置き、不断の改革に邁進(まいしん)すること」を迫り、JR東労組は、この要求に屈したのだ。およそ労働組合などと呼ぶに値しないJR総連カクマルのファシスト的転落のなれの果て――それが今回の労使共同宣言である。
 チャレンジ一派は、これに大打撃を受けた。「会社と警察がカクマルを追放し、国労はその後の受け皿になる」などという、権力・資本に依拠した浅はかな願望が崩壊したからだ。
 「和解=屈服路線」を敷いてきた五五年体制の残がい=協会派の腐敗と転向のなれの果てである。戦争と大失業が本格化する時代、資本主義を打倒する考えを持たなければ、労働組合といえども闘えない。権力・資本につけ込まれ、資本のえじきとしてボロボロになるまで搾取・収奪されるだけだ。
 「国労のようになるな」を合言葉に、真っ先に連合に合流した全電通―NTT労組の姿を見よ。十一万人大リストラに何ひとつ闘えないばかりか率先して協力している。これはおしなべて今日の連合の姿である。
 日帝・ブルジョアジーは危機の時代には、労資協調組合すら、否、労資協調組合であるがゆえに踏みつけにし、やりたい放題の攻撃を加えるのだ。
 今や労働者にとって、闘うことなしに生きられない時代が来た。チャレンジのように、闘争団を切り捨て国鉄闘争と国労を売り渡せば生きられる、などということは絶対にない。JR結託体制のもとで国鉄闘争の旗を降ろせば、国労はメチャクチャにされるだけだ。

 分裂組織策す今井一派弾劾

 秋田地本の今井書記長一派の分裂策動はチャレンジの危機の鋭い現れである。
 「闘争団は国労のアキレス腱(けん)だ」とののしってきた今井一派は、「全国大会がまたもめるなら国労を出る」と意志一致し、北奥羽支部事務所を勝手に売り払い、新組織結成へ突っ走ろうとしていた。しかし、その策動は、八・一労使共同宣言の締結と六・二九渕上―甘利会談の不成功によって全国大会が十月にずれ込んだことで、進むことも引くこともできない状況に追いつめられた。
 支部大会では、組合員から分裂策動への質問と追及が相次ぎ、「秋田地方本部の問題点(不正行為)の調査・指導の申立」が本部に提出されるなど、全国的大問題に発展している。
 しかし、今井一派は、「本部のお墨付きを得ている」などと居直っている。実際、国労本部チャレンジ自身が、伊豆大川の教育センターを売却した金を「国労の流れ解散」に向かって地方にため込み始めているとすら言われている。チャレンジ一派は、分裂も見越し、国労の利権あさりに走っているのだ。
 国労本部は、この間、闘う闘争団に対して「妨害行為」「分裂主義」とののしってきた。九州エリア本部の田口書記長などは、闘う闘争団に対して「本部が解決をのめば、その時点で(闘争団員が反対しても)組合員資格を失う」という許し難い恫喝まで行っている。一方、東日本エリア本部の佐藤書記長は、「メンテナンス合理化基本協定」を締結した。春闘を放棄し、合理化に協力して何が「改良闘争の再建」か。
 まさにチャレンジ一派こそ国労組織の破壊者、分裂主義者であり、彼らを引きずり下ろし、たたき出すことなしに、国労の再生は絶対にありえない。

 小泉の戦争・大失業と対決する最前線

 さらに、十月国労全国大会を国鉄闘争の新たな発展を切り開く歴史的転回点にすることを訴えたい。
 九・一一反米ゲリラは、アメリカ帝国主義の世界支配の威信をズタズタに引き裂いた。アメリカ経済と世界経済は恐慌寸前である。米帝ブッシュは、「テロ撲滅」を口実に、アフガニスタンに対して報復のための軍事行動を本格的に開始しようとしている。
 日帝・小泉は、「湾岸戦争の二の舞になるな」と、事実上憲法を停止し、率先して侵略戦争参戦に踏み切った。「米軍支援新法」や「有事立法」を制定し、戦争体制を敷くとともに、NTT十一万人、電機大手七万七千人の大リストラを始め、特殊法人の廃止か民営化、郵政民営化、公務員制度改革など、大リストラをどしどしと進めている。
 ついに戦争・恐慌・大失業の時代が始まったのだ。小泉政権の掲げる「聖域なき構造改革」とは、労働者人民に帝国主義の戦争と大失業攻撃の犠牲になれという攻撃である。
 この時、十年余の国鉄闘争を闘い抜いてきた国労が、首を切られた組合員を労働組合の名をもって切り捨てることが許せるのか。国鉄闘争と国労の輝かしい伝統を、資本の懐に飛び込もうとする一握りのチャレンジのために投げ捨てろと言うのか。
 国鉄闘争こそ、中曽根の「戦後政治の総決算」攻撃の中軸をなした国鉄分割・民営化による国労つぶしと対決し、総評解散・連合結成―社会党解体と進んだ八〇―九〇年代に、労働者の権利を守り、政治反動に立ち向かった最大の闘いである。八〇年代のレーガン、サッチャー、中曽根の全世界的反動攻勢に、国鉄闘争が唯一、一歩も引かず闘い抜き、帝国主義を追いつめてきた。まさに世界の労働運動史に輝く闘いである。
 見よ。小泉政権は、いまだ国鉄闘争の息の根を止め切れないまま、「聖域なき構造改革」という国鉄型の大リストラ攻撃を全産業・全社会的に強行しなければ延命できないところに追いつめられているではないか。国鉄闘争こそ、小泉の「聖域なき構造改革」と対決する最前線に位置する闘いであり、ここに小泉超反動政権を打倒し、戦争と大失業攻撃を打ち破る一大突撃路があるのだ。
 チャレンジの「国労ジリ貧論」は、戦争と大失業の時代に、労働者人民は必ず立って闘うということが信じられない転向者の自己合理化の論理にすぎない。最高裁で反動判決が出るからといって、それがどうだというのだ。日本の六千万労働者は、小泉の「聖域なき構造改革」に唯々諾々と従うことなど絶対にありえない。必ず決起する。その時、闘いの旗を掲げて闘う国労の姿は、怒りをもって立ち上がるJR労働者、全国の労働者の闘いと結集のよりどころになる。今がその分岐点なのだ。

 闘争団とJR本体の結合を

 国鉄闘争の新たな発展は絶対に可能だ。その道筋は第一に、闘争団の闘いを千四十七人総体の闘いへと合流・結合させて闘うことである。千四十七人が力強く結合した時、国鉄闘争は真に全人民的発展のコースに入るのだ。
 第二に、その土台として闘争団闘争を大合理化攻撃と必死に闘うJR本体の闘いと結合させて闘うことである。すさまじい資本攻勢の中で、JR本体の労働者は、必死に闘いの方針を求めている。それを「闘争団闘争ばかりやって職場闘争をやらない。闘争団闘争をやめて職場闘争をやろう」などと言いながら、先頭になって抑え込み、分断しているのがチャレンジと革同久保一派だ。この分断策動を打ち破って大合流を実現しよう。
 第三に、今こそ小泉の「聖域なき構造改革」と対決し、激しい怒りをもって立ち上がる労組・労働者と共闘の輪を広げて闘うことだ。特に、国労は、アフガニスタン・中東侵略戦争に反対する国際反戦闘争の先頭に立とう。
 国鉄闘争が新たな発展の可能性を開示し始めているからこそ、政府・自民党、JR資本は、「JR完全民営化法」を制定し、「国鉄分割・民営化は成功だった」と演出し、再びJR総連カクマルを手先に取り込み、四党合意による国鉄闘争と国労の解体に全力を挙げてきているのだ。
 だが、その策動は破綻寸前だ。一・二七続開大会で機動隊を導入して四党合意を強行決定しながら、八カ月を経た今日もいまだ解決案を示せないでいる。逆に、五・三〇国労闘争団共闘会議(準)結成集会の大成功が国鉄闘争の反転攻勢の合図になっている。
 十月全国大会の勝敗は、国労内に生まれた分裂主義者、組織破壊者、裏切り者・チャレンジ一派をたたき出す、決断をもった決起をやり切れるかどうかにかかっている。
 その恐怖におびえているからこそチャレンジ一派は、またも機動隊を導入しようとしているのだ。また財産の醜い分け取りのために、中央本部を始め東日本エリア、東京地本の人事の獲得に必死になっているのだ。追いつめられたチャレンジ、革同久保一派、東京地本委員長・酒田の最後のあがきを絶対に軽視してはならない。
 十月全国大会は、あらゆる意味で決戦である。国鉄闘争と国労を売り渡そうとするチャレンジ一派らの最後のあがきを粉砕し、チャレンジ一派を国労からたたき出そう。国鉄闘争勝利、闘う国労の再生へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2024号2面2)

国鉄闘争9・25集会 闘争再構築の方針を
 闘争団先頭に四党合意撤回へ 会場あふれる1000人結集

 九月二十五日、国労闘争団共闘会議準備会の主催で「JRの不当労働行為は許さない・首切り反対/国鉄闘争勝利九・二五集会」が開かれた。会場の労働スクエア東京には、闘争団を先頭とする国労組合員や、都労連を始め支援の労働者千人がつめかけ、座りきれずにホールいっぱいにあふれた。そこには、国鉄闘争の勝利と国労の再生を願う労働者の熱い思いが込められていた。
 十月の国労定期大会は、国労の再生か解体かをかけた決戦だ。この重大な大会に向け、闘う闘争団と支援勢力は四党合意撤回へ、闘いの陣形を固め直した。
 主催者としてあいさつした東京清掃労組の代表は、小泉「構造改革」に立ちはだかる国鉄闘争の意義を明らかにして、「一月の大会から八カ月が過ぎたが、交渉は半歩たりとも進んでいない。国家的不当労働行為を免罪し、国労に無条件降伏を認めさせる四党合意の正体は明らかだ。宮坂氏は『四党合意の後、JRと正常な労使関係に戻る』と言ったが、八月一日、JR東と東労組が労使共同宣言を結び、蜜月(みつげつ)を続けると宣言した。国労大会が迫っているが、現執行部は歴史の舞台から速やかに退場すべきだ。四党合意を葬り去り、闘う方針をしっかりと確立してほしい。こうした路線を確立すれば、JR組合員にかけられているメンテナンス合理化とも対決できる。最後まで闘い続けよう」と訴えた。
 闘う闘争団九州代表の原田亘さんが基調提起を行い、「国労定期全国大会に求められているのは、闘争再構築の方針を打ち立てる勇気である」「千四十七人の闘いを反首切り・反失業闘争の前面に押し出していく」と訴えた。そして、@政府・JRに対する大衆行動、A新たなILO闘争、B裁判闘争の強化、CJR職場の闘いとの連携、D支援共闘の拡大、E国労大会での闘う路線の確立――の方針を提起した。
 共闘からの報告では、都労連の代表が矢沢賢委員長のメッセージを読み上げた。オリジン電気労組の代表は、「労働組合の存在価値が問われている。反戦平和の闘いを」と強調し、「大会で闘う路線をつくるべきだ」と訴えた。
 闘争団員二十人が登壇し、闘う闘争団北海道代表の内田泰博さんが決意を述べ、「闘争団は、国家権力との闘いであることを踏まえ腹を据えて闘いを挑んできたつもりだ。国労大会では四党合意を撤回させ、解決に向けた具体的闘いを展開する。正念場を闘い抜く」ときっぱりと宣言。本州闘争団員は、JR連合の明石委員長は国鉄職員局で労働者を選別した張本人であると弾劾し、そのJR連合と統一するのかと、国労本部を厳しく批判した。川崎保線区の国労組合員が、メンテナンス合理化攻撃と安全破壊の実態を暴露し、闘争団とともに闘う決意を表明した。北海道の闘争団員が、国労大会前日のJR東日本本社前行動などの行動方針を提起した。集会宣言が読み上げられ、採択された。

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週刊『前進』(2024号2面3)

外注化絶対阻止へ 動労千葉が総決起集会

 九月十九日夕方、動労千葉は車両技術分科会主催、乗務員分科会協賛で、「検修・構内外注化阻止! 九・一九総決起集会」を開催した。会場のDC会館には、勤務終了後の検修職場や乗務員などの組合員七十人が結集した。
 JR東日本はメンテナンス部門の全面外注化攻撃を本格化させ、保線などの設備関係職場では出向先の提示が始まっている。だが、千葉支社は、動労千葉の不屈の闘いを前に検修・構内業務に関する具体的提案をいまだに行えない状況だ。
 しかし、JRが東労組との結託のもと、外注化による動労千葉解体を狙っていることは明白だ。集会は、この攻撃を迎え撃つ態勢を築くため、関係職場の組合員を主体にかちとられた。
 あいさつに立った中野洋委員長は、「九・一一反米ゲリラで世界は大きく変った。戦争突入前夜にある」と述べ、米帝の報復戦争と日帝の自衛隊派兵に、労働者階級は断固反対しなければならないと訴えた。
 また、検修・構内外注化について「外注化はシニア制度が前提だ。技術力を持った六十歳以上の労働者を低賃金でこき使い、外注化の手先にする攻撃だ。しかも退職する時にも組合差別をする。これに怒りを燃やさなければ労働組合ではない」と弾劾した。そして、下請け会社への再就職を希望している労働者の中からも外注業務−運転業務を拒む人が続出している現実を突き出して、「ここに敵の弱点がある。悪逆なやり方をした報いだ。腹の底から一致して闘えば外注化は阻止できる」と提起した。
 乗務員分科会と事務分科会の代表が、「絶対阻止へ長期戦に打って出る」「検修職場だけの問題ではない」とあいさつした。
 車両技術分科会の代表が基調報告をし、「自分たちの職場を自分たちの手で守ろう。外注化で安全は崩壊する。支社は悪らつなことをやろうとしたが、やれる自信がない。必ず勝てる」「東労組とJR東の結託体制を粉砕し、若手を組織に獲得しよう」と訴えた。
 各支部代表が決意を表明し、全員で団結ガンバローをして決意を打ち固めた。

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週刊『前進』(2024号2面4)

資本攻勢&労働日誌 9月6日〜19日
 ●三菱電機3000人削減発表
 ●アメリカ失業率4.9%に
 ●政労使雇用対策会議開く
 連合が春闘ベア否定方針

●6日 松下電器の早期退職が5000人規模になることが明らかに。グループ主要5社(松下本体と松下通信工業、松下電子部品、松下電池工業、松下産業機器)の勤続10年以上、年齢58歳以下の約7万人が対象、5000人は7%。
●7日 鉄鋼労連の大会が8日まで開かれ、2003年9月予定の造船重機労連、非鉄連合との組織統一を代議員の一票投票で承認した。
◇4年に一度行っている鉄鋼労連組合員の総合意識調査の結果が発表された。(要旨別掲)
◇米労働省が発表した8月の失業率は前月から一気に0.4ポイントも上昇して4.9%となった。97年9月以来、3年11カ月ぶりの高水準。不況によるリストラが広がっていることを示す数値だ。
●8日 派遣労働ネットワークは、派遣労働者の実態を調査した「派遣スタッフアンケート」の中間報告を発表した。法律で禁じられた事前面接が横行し、時給が下がり続けるなど、劣悪な労働条件が浮き彫りになった。
●10日 三菱電機がグループで約3000人削減する見通しであることが明らかになった。
●12日 ゼンセン同盟の大会が13日まで開かれ、ワークシェアリングの「条件整備」が課題に。
●13日 連合は中央執行委員会で、2002春闘の「基本的考え方」を示した。その中で、春闘は組織するものの「状況によっては緊急避難的な対応も検討」としている。また賃闘については「賃金カーブ維持分+α」のほかには「向上」「ベア」という言葉は見当たらず、ベア否定。総じて完全な春闘否定の内容になっている。
◇三一書房の労働組合が同社を相手にした救済申し立てに対し、東京都労働委員会は、処分の取り消しと賃金の支払いなどを認める救済命令を出した。
●14日 厚労省は、マイカルの民事再生法適用申請を受け、同社や関連テナントからの離職者の再就職支援対策本部を設置した。
●17日 リストラに応じない労働者を「座敷牢(ろう)」と呼ばれる隔離部屋に閉じ込めるなどした「セガ」と闘ってきた労働者たちが会社側と勝利和解した。
●18日 政府の総合規制改革会議は、7月末に取りまとめた規制緩和方針について、日経連や連合などからヒアリングを行った。
●19日 政労使のトップで構成する政労使雇用対策会議が開催された。政府側からは、福田官房長官ら、経営側からは奥田日経連会長ら、労働側から鷲尾連合会長、笹森同事務局長が出席。鷲尾らは緊急雇用対策を要求したが、小泉構造改革には反対せず。
◇交通労連は21日まで大会を開いた。交運4産別(交通労連、私鉄総連、運輸労連、全自交労連)の統合議案について投票を行ったが、否決された。

 鉄鋼労連組合員の総合意識調査結果

 4年前の調査に比べ、生活全体への満足度が16ポイント近くも低下。特に40代を中心とする工長(中間管理職)など役職者の不満度が際立っている。この層は相次ぐ構造改革・リストラの集中攻撃を受けて、仕事への誇りや、やりがい感を低下させている。この層は組合の幹部でもある。連合支配の危機が極限まできていることを示している。
●生活全体の満足度
 40代前半の工長 22ポイント低下 24.2%
 40代後半の工長 22ポイント低下 27.0%
 平均     15.5ポイント低下 32.1%
●職場生活全体の満足度
 工長      3.8ポイント低下
 作業長     5.3ポイント低下
 平均      0.1ポイント低下

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週刊『前進』(2024号3面1)

新たな主任制・差別分断賃金阻止、教育基本法改悪粉砕へ
 日教組第89回定期大会の課題は何か

 「教え子を戦場に送るな」の真価問われる時

 日教組第八九回定期大会が十月九−十一日に開催される。九・一一反米ゲリラを引き金に、時代は世界戦争と世界恐慌へと急展開し始めた。米帝ブッシュの軍事報復=アフガニスタン侵略戦争突入が刻々と迫り、日帝・小泉政権は参戦を表明し、集団的自衛権をなし崩しで発動しつつある。今次日教組大会は、開戦前夜、否、戦争下の大会となったのだ。
 民主党は参戦に賛成し、日本共産党は各国政府あての書簡でテロ根絶への国際帝国主義の大同団結を訴えるなど、既成勢力の恐るべき転向が始まっている。全教は、共産党の「書簡」に沿って、「野蛮なテロを糾弾し、テロ根絶のために国際法にもとづく解決を求める」とする声明を発表した。日教組がいかなる態度を打ち出すのか、全労働者人民が注視している。
 朝鮮戦争下の五一年一月の第一八回中央委員会で決定されて以来、日教組が今日まで掲げ続けてきた「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンは、まさに今こそ、その真価が問われている。このスローガンを高々と掲げて、全労働者人民の最先頭で報復戦争反対、参戦阻止の闘いに立つことこそ、今次日教組大会の第一の課題だ。中東・アラブ、アジア人民と連帯し、日帝・小泉の侵略戦争参戦を阻止しよう。

 能力等級制度導入に屈服した日教組本部

 第二の課題は、東京で開始された新たな主任制攻撃、これと連動した「教職員賃金の見直し」=差別分断賃金導入の攻撃に対して、総力を挙げた全国闘争態勢を構築することだ。
 東京では六月に「主任制度検討委員会」が発足し、すでに新たな主任制度の内容が具体的に打ち出されている。新たな職(仮称だが「主幹」と命名されている)は、@「担当する校務について教頭を補佐し、教諭を指導監督する」、A「任用上の職とし、教諭をもってあてる」「教育委員会が選考を行い、異動など任用管理を行う」、B「手当ではなく給料として処遇し、給料表に『特二級』を新設する」というものだ。
 十二月には最終報告が出され、年度内に管理運営規則と給与条例を改悪、来年度に選考試験実施、〇三年度実施を狙っている。事態は、超切迫しているのだ。
 都教委は、「これからの学校組織のあるべき姿」として、校長を「経営層」、新たな主任を「指導・調整層」、一般職員を「実践層」とする校長を頂点としたピラミッド型の三層組織を描き、「経営層」と「指導・調整層」による企画調整会議、さらには地域ボスも含めた学校運営連絡協議会による学校支配をもくろんでいる。職員会議の補助機関化にもかかわらず、教育労働者の職場抵抗が継続されている中で、「学校運営組織の適正化の集大成」としてこの新たな主任制攻撃を打ち出してきたのだ。
 九月の第三回検討委員会では、小学校二人、中学校三人、高校六人という「主幹」職の配置基準と、総計六千人を超す配置計画が打ち出されている。
 すでに国立市などで教頭の複数配置や教頭要員の加配として始まっているように、この「主幹」の確保と配置は、組合活動家の強制異動と結合した組織破壊人事として段階的に発動されていくだろう。
 管理運営規則改悪、人事考課制度、「指導力不足教員制度」など、都がことごとく国の制度を先取りし、それが全国化されてきた。新たな主任制攻撃も、昨年六月に都道府県教育長会議の幹事長として都教育長が国に出した要望を踏まえたものであり、早晩、全国に波及することは必至だ。「主幹」に新給料表を適用するとすれば、給与負担法、国庫負担法上、上乗せ分は都独自の財政負担となる。逆に「主幹」職受験者の確保は、昇給カーブの早期頭打ちをつくりだすことで初めて現実性を持つ。この攻撃は、完全に教職員賃金の見直しを想定し、それと連動しているのだ。
 国立大学・付属学校の独立行政法人化が〇四年度に迫っており、教育公務員特例法に定められた教員賃金の国基準がなくなり、各都道府県の独自の制度設計も想定される。公務員制度改革の基本設計では、職務等級制度の導入、能力給・職責給・業績給を組み合わせた給与体系が打ち出されている。人事院の権限を縮小し文科省が人事管理権者と位置づけられ、総額人件費の枠内で文科省独自の給与体系の構築も可能となる。事実、文科省は、すでに「教職員賃金の抜本見直し」を打ち出し、「優秀教員にインセンティブを与える給与体系」や新たな国庫負担のあり方の検討を開始している。
 こうした中で、日教組本部は賃金検討委員会の「論点整理」の中で、「現行の職務給から能力等級制度的要素を強めるにしても、教職員の場合より専門性を踏まえるべき」と、「能力等級制度」導入を完全に前提化し、「現在の教育職俸給体系では……管理職にならない限り教諭は二級のままであり、いくら教諭としての専門性を発揮しても頭打ちはさけられない」として「公平・客観的な基準」に基づく差別分断賃金を志向するとしているのだ。すでに賃金制度検討委員会が打ち出していた「年齢、経験年数にもとづく上位級格付け」をも超えて、これが東京の「主幹」職への特二級適用に道を開くものであることは明らかだ。
 本来なら非常事態宣言を発して全国闘争を指令すべき日教組本部は、都教委要請と当該単組への檄電を全国に要請したのみで、他方では三月に主任制をめぐる文科省協議を再開した。日教組本部の屈服と裏切り策動を弾劾し、主任制・教員賃金抜本見直しと断固闘う方針を確立しよう。

 教育改革攻撃を阻み闘う日教組の再生へ

 第三の課題は、通常国会で成立した教育改革関連法の具体化阻止など、教育闘争を闘い、教育基本法改悪阻止を有事立法と並ぶ改憲阻止闘争としてつくりだす路線を確立することだ。
 学校教育法の改悪を受け、文科省は奉仕活動の推進に向けて「実質的義務化の第一歩」と称して全国千六百地域に推進センター、全市町村に協議会を設置し、モデル校も本年度の五百校から四千校に拡大しようとしている。九・一「防災訓練」には大量の小・中・高校生が自衛隊指揮下に動員された。「奉仕体験活動」の各学校への導入を阻止しなければならない。「出席停止措置」の発動を許さず、各市町村での規則制定を阻止しよう。加配をテコとした習熟度別学習の導入に反対しよう。
 通常国会で成立した「指導不適切教員」配転法以上に重視すべきは、文科省委託研究により全国で制度化されつつある「指導力不足教員」排除攻撃との闘いだ。東京では「日の丸・君が代」の被処分者に続いて、軍隊慰安婦問題やエイズ差別の授業に取り組む教師が「指導力不足教員」に認定されようとしている。
 さらに、文科省「教育改革プログラム」第二ステージの攻撃が迫っている。奉仕活動の十八歳義務化、教員免許更新制はすでに中教審に諮問され、飛び級の小・中への拡大、原級留置も審議事項に上がっている。そして教育基本法改悪の中教審諮問が迫っている。
 教科書闘争や教育委員会人事をめぐる攻防も、四年後に向けて各地で新たに始まっている。何よりも来春の卒入学式闘争は、戦時下の「日の丸・君が代」闘争となることは不可避だ。
 教育改革攻撃は、小泉「聖域なき構造改革」と改憲・戦争国家化の一環であり、戦争する国づくり・人づくりの攻撃だ。教科書闘争の全国的高揚は、「教え子を再び戦場に送るな」の闘いが戦争と大失業時代に広範な労働者人民の支持を獲得できることを示した。教育闘争こそ教育労働者の不滅の闘争力の根源だ。職場の団結と地域の保護者・市民との共闘で闘おう。
 闘う日教組を取り戻す課題は、階級的労働運動再生の闘いと一体だ。教育関連法阻止では、日教組本部の闘争放棄をのりこえ、国会闘争が高揚した。八・六ヒロシマ大行動に全国から闘う教組が結集し、日教組の階級的再生の気運が高まっている。
 教育労働者こそ、公務員制度改革との闘い、報復戦争反対、参戦阻止の闘いの先頭に立とう。闘争破壊にあけくれる教労カクマルを一蹴し、十一月労働者集会五千人結集の力で、参戦と首切りの小泉内閣打倒へ闘おう。
〔マル青労同 教育労働者委員会〕

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週刊『前進』(2024号3面2)

10・6 全逓臨時中央委へ訴える 首切り・民営化方針を粉砕せよ

 「減員数はトータルで受ける」

 全逓第一一五回臨時中央委員会が十月六日、東京・全逓会館で開催される。本臨中に連合全逓中央は、「事業と雇用確保へ総意の結集を」と題する議案を出し、「郵便事業新生ビジョン(案)」に基づく郵便事業の大量人員削減を始め、三事業全般にわたる大リストラ攻撃の受け入れを決定しようとしている。
 石川―菰田執行部は、小泉の「聖域なき構造改革」―「郵政民営化」攻撃の激しさの前にグラグラになりながら、労働貴族としての延命をかけて、自ら民営化攻撃を率先して推進しようとしているのだ。石川―菰田執行部を打倒し、全逓を闘う労働組合に改革し、郵政民営化攻撃を粉砕する以外に、全逓労働者の生きる道はない。
 議案は、絶対に許せない反労働者的言辞に満ちている。全逓中央は「労働組合の最大の任務は組合員の雇用確保」と言いながら、「必然的な効率化・合理化」と「向き合う」と称して、合理化を全面的に推進することを表明した。さらに「総人件費の削減」は「避けて通れない」と主張し、「『単年度黒字』=黒字体質への転換は至上命題」と言いなし、そのために「減員数についてはトータルとして受けて立たざるを得ないと判断する」と、減員・首切り攻撃をあらかじめ丸のみする大裏切りを宣言しているのだ。
 だが全逓中央は、この議案においても具体的な削減数は明示していない。すでに総務省・郵政事業庁は七月九日に行われた小泉の「郵政三事業の在り方を考える懇談会」に、五年間で二万三百人を削減(郵便一万五千人、郵貯三千人、簡保二千三百人)することを「関係労働組合と協議中」とする資料を提出し、公表している。にもかかわらず、全逓中央がこうした削減数に触れないのはなぜか。実はさらに大幅な人員削減がもくろまれており、これに合意を与えているからにほかならない。
 全逓中央は、六月の第五五回長崎大会においても、具体的施策や削減数を一切伏せたままに、「複合型労働力政策による、より柔軟な労働力配置とすべきとのスタンスを確認した」などと言う。これは、本務者を大幅に削減し、非常勤職員などに置き換えていくことではないか。

 集配労働者の非常勤化策す

 本臨中では、その具体的攻撃として「新集配システムの試行」を盛り込んでいる。それは集配の本務者の大量首切り攻撃そのものである。集配を「対面配達」と「受箱配達」に分け、書留・速達・小包などの「高付加価値郵便」の配達は本務者として、通常郵便などの「受箱配達」についてはほとんどを非常勤化するというものだ。全逓中央がひた隠しにしている資料によれば、当面「受箱配達」の六〇%を非常勤化するとされている。いずれは集配労働者のほとんどを削減し、非常勤化する攻撃なのだ。
 しかも全逓中央は、これを郵政事業庁が「事業新生のために見直すべきは見直すと柔軟な姿勢を見せ」た結果であるなどと、全面的に賛美しているのだ。
 冗談ではない。全逓中央の側から首切りの上積みを求めたということではないか。「現在の仕事の有り様のまま全ての組合員の雇用を守ることは不可能という現実を直視し」などと言っているが、要するに、今のままでは全員の雇用確保はできない、「意識変革」して「本務者の減少」=首切りを受け入れろと言っているのだ。
 連合全逓中央は、一一五臨中でこの首切り推進方針を機関決定し、自ら民営化への道を進もうとしているのだ。断じて許すな! 現場の怒りを総結集し、連合全逓中央を打倒しよう。

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週刊『前進』(2024号3面3)

小泉改革と闘う新潮流を 11月労働者集会の成功のために 4
 郵政・特殊法人民営化 官公労働運動解体狙う
 NTT大合理化と一体の攻撃 連合指導部の屈服許すな

 九・一一反米ゲリラと、それに対する米帝の「報復」の名によるアフガニスタン・中東侵略戦争の策動、これへの日欧の帝国主義の協力・参戦という情勢は、第三次世界大戦が切迫していることを示している。日本の労働者階級人民は、この情勢と真っ向から対決し、日本帝国主義の参戦、自衛隊出兵を阻止するために、全力で闘わなければならない。
 被抑圧民族人民と連帯し、帝国主義の打倒に向けて闘う階級的労働運動を再生・発展させ、十・二一闘争を突破口に国際反戦闘争の爆発をかちとらなければならない。十・一三―一四国労大会決戦と十一月労働者集会は、そのための日本労働者階級の死活をかけた闘いだ。
 日本帝国主義は、労働者階級人民に徹底的に犠牲を転嫁するとともに、労働者の団結を解体し、排外主義・国家主義にからめ取り、戦争へと動員しようとしている。そのために労働運動・労働組合解体攻撃を激化させる。これとの闘いがきわめて重要になった。
 とりわけ公務員・旧官公労の労働者の闘いが重大な局面を迎えている。国鉄労働運動は、その最先端の闘いである。今回は、小泉「聖域なき構造改革」の柱である郵政民営化、特殊法人改革、そしてNTT大合理化について見ていく。

 郵政三事業の民営化へ突進

 公務員・旧官公労の労働者に対する攻撃は、日帝にとって中曽根の臨調・行革―国鉄分割・民営化攻撃以来の大テーマだった。それは国鉄分割・民営化がそうであったように、労働組合の解体が最大の狙いである。小泉政権は、全社会的な分割・民営化型の攻撃の貫徹をめざし、そのためにも官公部門の大リストラを強行しようとしている。国鉄労働運動に続いて戦後労働運動の一翼を担ってきた旧官公労の労働組合を徹底して翼賛化し、団結を解体しようとしているのだ。自治体労働者にも攻撃が及ぶ「公務員制度改革」は、公務員の首切り・賃下げを強行するための攻撃である。
 さらに橋本政権の「六つの改革」で打ち出した行革攻撃、一府十二省庁体制が二〇〇一年一月にスタートしたが、これは首相権限の強化、内閣府設置などの内閣機能の強化が核心である。小泉内閣は、その体制をフルに活用して暴力的に「聖域なき構造改革」を強行しようとしているのだ。その意味でも、戦争国家化攻撃と一体の攻撃である。
 小泉政権の「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」は、「構造改革のための七つのプログラム」の第一に「民営化・規制改革プログラム」を掲げている。
 それは、「『民間でできることは、民間に委ねる』という原則の下に、国民の利益の観点に立って、特殊法人等の見直し、民営化を強力に推進し、特殊法人等向け補助金等を削減する。郵政事業の民営化問題を含めた具体的な検討、公的金融機能の抜本的見直しなどにより、民間金融機関をはじめとする民間部門の活動の場と収益機会を拡大する」というものだ。
 あたかも「官」が行うものはすべて非効率的であって、民営化すればすべてうまくいくかのようにデマゴギッシュに叫び、それが「国民の利益」だと押し出しているのだ。ここに小泉「構造改革」路線のひとつの反動的な核心がある。
 もともと小泉が独自の政策として掲げてきたのが「郵政民営化」だが、それは特殊法人の廃止・民営化攻撃と一体のものである。
 郵政民営化問題は、橋本行革において、いったんは「公社化」で決着し、中央省庁等改革基本法で「民営化等の見直しは行わない」とされた。だが日帝にとって郵政民営化問題は行財政改革と公務員労働者支配の重要なテーマであった。大銀行などは、郵貯を民営化すべきだと一貫して主張してきた。
 小泉は、この大銀行など資本の要求をバックに、利権構造を打破する目玉として「郵政民営化」を押し出したのだ。〔それに抵抗する元近畿郵政局長・高祖の参院選違反事件では、ついに高祖を議員辞職に追い込んだ〕
 小泉が郵政民営化の論拠としているのは、肥大化した郵貯が民業=銀行を圧迫しているということであり、郵貯・簡保資金が無駄な財政投融資を許し、特殊法人を温存させたということである。もともと郵貯・簡保の民営化が軸だった。
 だがここに来て、郵便事業の民営化が三事業全体の分割・民営化攻撃の突破口に位置づけられた。小泉の登場と前後して、総務省・郵政事業庁が連合全逓中央とともに「郵便事業新生ビジョン(案)」に基づく郵便大リストラを打ち出した。これは二〇〇三年公社化時に郵便の「民間開放」が行われ、そのもとで事業を黒字体質にするためにと称して、徹底して労働者に犠牲転嫁する攻撃だ。その上で、小泉から「郵政民営化」を突きつけられ、総務省と連合全逓中央などが一体となって、大リストラをエスカレートさせ、「ほとんど民営化に近い公社」へと突き進んでいるのだ。
 人員削減は、今春には一万人超と言われたのが、今や郵便一万五千人を始めとして三事業で二万三百人となっている。さらに上積みは不可避である。その手法は、郵便の内務から外務(集配)まで本務者を削減して、非常勤職員などに置き換えていくものであり、日経連路線の最先端を行く攻撃である。
 小泉と総務省などの思惑の違いはあれ、郵政三事業の分割・民営化へと突き進んでいるのだ。
 連合全逓中央は、十月六日の臨時中央委員会で、これらの大リストラ計画の全面的な受け入れを決定しようとしている。

 公共部門の全面的な解体

 次に、特殊法人問題を見ていく。現在、これが小泉「構造改革」の試金石と位置づけられ、攻撃が一挙に激化している。
 昨年十二月の行革大綱によって特殊法人の見直し作業が開始され、小泉政権は特殊法人等改革基本法を成立させ、今年十二月には「特殊法人整理合理化計画」を策定しようとしている。対象となるのは、日本道路公団などの七十七の特殊法人と八十六の認可法人である。小泉は、このすべてを廃止か民営化しようとしている。もともと道路公団などは、国鉄分割・民営化に続くターゲットにされていたが、小泉のもとでいよいよ本格的な攻撃が始まったのだ。
 小泉は、特殊法人が無駄な公共事業の元凶であるとし、また官僚の天下り先だとやり玉にあげている。だが、もともと特殊法人とは、日帝が政策的な必要性から法律によって設立した法人である。赤字であってもやらなければならない公共部門はある。これらを「赤字」や「無駄」を理由として廃止や民営化するということは、それ自体、戦後の日帝の支配のあり方を自己否定するものである。
 八月末に、小泉は国土交通省に日本道路公団など道路四公団と住宅金融公庫、都市基盤整備公団(旧・住宅都市整備公団)の廃止・民営化案を早急にまとめるように指示した。膨大な借金を抱える本州四国連絡橋など道路四公団の廃止・民営化は、国鉄の長期債務問題以上の大問題である。旧住都公団のもとで建てられた七十五万戸の公団住宅は、そこに生活する二百万人(低所得で高齢者が多い)を直撃する。住宅金融公庫を民間の住宅ローンのようにしたらどうなるのか。こうした問題の解決策は何もないのだ。
 さらに、何よりも特殊法人で働く労働者の問題である。一切は、労働者に犠牲転嫁する攻撃なのだ。
 郵政民営化や特殊法人改革を考える時、電電公社から民営化されたNTTの現在の大合理化攻撃の激しさを見なければならない。
 これは、日米争闘戦の激化のもとでの日帝の情報通信産業政策のかなめをなす競争政策―NTT資本の完全分離・分割政策に対して、NTT資本が生き残りをかけて打ち出している大リストラである。小泉「構造改革」の一環である。
 NTT東西地域会社とNTTファシリティーズ、NTT−MEの十六万四千人のうち、十一万人以上を対象に、新設される地域別子会社に転籍・出向を強制する。しかも、対象となる部門に働く労働者は五十一歳で退職し、子会社に再雇用される。賃金は地域別賃金で一五―三〇%もカットされるのだ。(表参照)
 NTT労組は、八月末の大会で、この攻撃をほぼ丸のみすることを決定した。闘いを放棄したら、こうなるのだ。

 「雇用確保」の名で首切り

 こうした大リストラ攻撃を受け入れている全逓やNTT労組などの連合指導部を徹底的に弾劾しなければならない。
 彼らは、今や小泉「構造改革」に全面屈服し、その推進者に成り下がった。
 「労働組合の最大の任務は雇用確保」(全逓臨時中央委議案)、「雇用確保を最優先した要求の実現」(NTT労組定期大会議案)などと、「雇用確保」を掲げながら、組合員の首を資本・当局に差し出しているのが、連合指導部なのだ。
 さらに彼らの言辞は、「聖域なき郵便事業構造改革」「痛みを全体で分かち合う」(全逓)、「構造改革による確かな未来を切り拓(ひら)こう」(NTT労組)など、小泉のスローガンとまったく同じだ。
 旧官公労の労組は、国鉄分割・民営化以後、その攻撃に震え上がり、資本・当局との一体化を進めてきた。「要求から参加・提言」などと、事業・経営政策を労資共同でつくり上げることが労働者の雇用を守る道だと言いなしてきた。
 だが、日帝の破局的危機と小泉政権の登場によって、そうした連合路線の破産が完全に明らかになったのだ。問われているのは、資本・当局と闘う本来の労働組合を取り戻すことである。千四十七人を先頭にした不屈の国鉄闘争は、勝利の展望を示しているのだ。
 小泉「構造改革」と戦争国家化粉砕をかけて十一月労働者集会の成功をかちとろう。

 NTTの大合理化(人員数の推移と計画)

1979年 電電公社のピーク 32万8700人
  85年 民営化 31万3600人
  89年 NTT分割 13万4000人
   東西 12万7400人
   コム 6600人
  99年10月 3カ年経営計画(東西2万1000人削減)
2001年3月 東西11万2000人
  01年4月 新3カ年経営計画
(東西5万8000人削減。東西、ファシリティーズ、MEなどの合計16万4000人のうち11万人強を地域別会社に転籍・出向)

〔大沢 康〕

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週刊『前進』(2024号3面4)

労働現場から 賃闘否定・戦争協力の電機連合路線と闘う 電機労働者 三枝明秀

 七月十六−十七日、山形県天童市において電機連合第四九回定期大会が開催された。今大会では、昨年の大会で決定した二〇〇〇〜二〇〇一年度運動方針の補強として「春闘改革の推進」が決定され、さらに「第五次賃金政策」が決定された。
 電機連合は、昨年の大会で「労使共生」を前面に押し出し、「日本経済再建のための構造改革」と併せて「国際競争下における電機産業の事業構造改革」は待ったなしだとし、組合運動も「抵抗型」から「要求型」へ、そして「参加型」への転換を目指すとして、連合の先頭を切って資本への一層の協力路線を宣言した。
 本大会でも運動方針のかなめとして「未来を創造、今を改革」を合言葉に「自立と責任」「創造的・提案型組合運動」を基本とするとして、成果主義賃金と業績連動型一時金への移行を決定した。こうした形で、労働者への経営責任の転嫁と、労働者の団結破壊を組合自らが提唱し、反労働者的な先導者としての立場へと純化しているのだ。
 今大会で決定した「春闘改革」では、新たな「総合労働条件改善闘争」としての「春闘再定義」を行い、賃上げ・一時金要求をも単なる労働条件改善の一環であるとし、闘争そのものを二年に一度の隔年闘争にするとした。これは春闘の破壊、賃金闘争の否定そのものだ。
 「第五次賃金政策」では、労働力の流動化、雇用形態や勤務形態の多様化など時代変化に対応した賃金政策として、年功的処遇システムの変更を念頭に置きながら、職種基準を前提にした新たな個別賃金決定方式への展開を決定した。しかし、「労働力の流動化」や「年功処遇システムの変更(年功賃金破壊)」は日帝・小泉の構造改革に沿った不安定雇用化の攻撃そのものではないか。それに賛成し、賃金の成果主義的要素を強め、職種による賃金格差を容認し、中高年労働者の賃金の引き下げと各種手当の削減や廃止を目指すなどということは、絶対に許すわけにはいかない。まさに経営の思惑を先取りした許しがたい内容だ。
 大会の冒頭、鈴木委員長は、第二次世界大戦中の一九四三年、アメリカの炭坑労働組合が賃金凍結反対ストライキに勝利しながら影響力、敬意を失ったというブルジョア経済学者の著書を引き合いに出して、「社会の支持を失った労働組合運動の行き先には、衰退の道しか残されていない」と述べた。国家や資本が危機に直面している時に労働組合は危機突破に協力することが不可欠だとして、戦争国家化攻撃が吹き荒れている中で、帝国主義的労働運動の立場をより一層鮮明にしたのだ。
 大会後、電機大手各社は中間期決算の業績見通しを軒並み下方修正し、それを理由に日立一万四千七百人、東芝一万八千人、富士通一万六千四百人、松下四千人以上、NEC四千人など、十万人を超える労働者の合理化、人員削減計画をまるで競うかのように次々と発表している。この危機的な状況を前に、もはや電機連合路線では、労働者の雇用も生活も守ることはできないのだ。
 「解雇撤回、原職復帰」を掲げ、国労本部の裏切りに抗して不屈に闘い抜く国労闘争団、そして百二十時間ストライキに決起した動労千葉のように、電機労働者の怒りを職場から組織し、団結をつくり出し、電機連合路線を粉砕し、電機労働運動の新しい闘う潮流をつくり出さなくてはならない。
 私も十一月労働者集会への電機労働者の多くの結集をつくり出すために、すべての労働者の皆さんとともに全力で闘っていくことを決意しています。

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週刊『前進』(2024号4面1)

アフガン侵略許すな 自衛隊派兵阻め
参戦法案粉砕! 国会闘争へ

 日本帝国主義がアフガニスタン・中東侵略戦争へ参戦しようとしている。小泉首相は「自衛隊には危険な所にも行ってもらう」と扇動し、九月二十五日の日米首脳会談ではブッシュ米大統領に参戦を宣言した。臨時国会ではクーデタ的に参戦法案が通されようとしている。日帝の参戦絶対阻止の反戦闘争に決起しよう。

 集団的自衛権行使する小泉

 日本帝国主義がついに参戦しようとしている。
 九月二十一日早朝、アフガニスタン侵略戦争のために米空母キティホークが米海軍横須賀基地からインド洋に向かって出航した。戒厳態勢が敷かれた東京湾を、海上自衛隊の護衛艦二隻が初めて空母を護衛しながら同行した。集団的自衛権の行使そのものであり、憲法も自衛隊法も完全に無視した超法規的やり方だ。
 日帝・小泉政権は、クーデタ的手法で憲法も戦後的階級関係も何もかも一挙に反革命的に突破しようとしている。日本階級闘争は完全に戦時下に入った。階級闘争のテンポは十倍にも二十倍にもなっている。日帝のアフガニスタン・中東侵略戦争への参戦を阻め! アフガン・中東人民を一人も殺してはならない! 日帝の侵略の旗「日の丸」が戦場に翻(ひるがえ)ることなどあってはならないのだ。全世界の労働者、被抑圧民族人民と連帯し、国際反戦闘争に決起しよう。
 ブッシュ米大統領は「米国につくかテロ組織につくか」と世界を恫喝し、アフガニスタン・中東人民大虐殺の侵略戦争を始めようとしている。米帝は空母四隻や戦闘機・爆撃機五百五十機をアフガン周辺に集結させ、大規模な侵略戦争を構えている。すでに陸軍特殊部隊デルタフォースやグリーンベレーがアフガニスタン山岳地帯に潜入し隠密作戦を展開している。
 ブッシュは「過去に例を見ないような長期の戦闘になる」とうそぶき、ベトナム侵略戦争以上の侵略戦争をやろうとしている。戦争が始まれば六〜七百万人が飢餓に直面するといわれている。核兵器の使用すらも公言している。恐るべき軍事報復=人民虐殺を絶対に許すな!
 日帝は、この侵略戦争にあらゆる形で参戦しようとしている。小泉首相は「自衛隊は危険な所に出しちゃいかんでは話にならない。危険を伴うかも知れないが活動してもらう」と自衛隊を最前線に派兵しようとしている。小泉は「命をかける自衛隊」という扇動を文字どおり実行しようとしているのだ。日帝は今や憲法を足蹴にしてこの戦争で凶悪な戦争国家として全面的に登場しようとしているのだ。
 十月二日には海自イージス護衛艦などをインド洋に派兵し、米空母部隊と合流して戦闘に参加しようとしている。これも憲法をまったく無視した超法規的やり方だ。 
 さらに臨時国会では米軍等支援法案、自衛隊法改悪案の参戦法案を超短期間でクーデタ的に成立させようとしている。米軍の後方支援、日本人救出、野戦病院への自衛隊医療部隊の派兵、難民支援などあらゆる水路で参戦を追求しているのだ。「湾岸戦争の汚名を晴らせ」「戦場に日の丸を立てろ」。これが日帝支配階級の合い言葉となっているのだ。
 日帝の侵略戦争参戦に直面し、すべての政党・政治勢力はこの戦争に対する態度が問われている。日本共産党は「テロ根絶」を叫ぶが帝国主義の民族抑圧については一言もない。これはブッシュや小泉とまったく同じ立場だ。
 侵略戦争絶対反対派・絶対阻止派の登場が必要だ。日本と世界のプロレタリアート人民の心を揺さぶる衝撃的な闘いを実現しようではないか。ここで決起せずして、いつ決起するのか。日帝の海外派兵と参戦を目前にしているのだ。革命的共産主義運動とその党の真価が本当に問われる時が来た。六〇年安保闘争での国会突入や七〇年闘争での十・八羽田闘争や佐世保闘争のような闘いが今一度必要だ。「連帯し、侵略を内乱へ」の闘いが文字どおり問われているのだ。

 沖縄と本土貫き反戦闘争を

 小泉政権は、臨時国会冒頭に「米軍等支援法案」と「自衛隊法改悪案」を提出する。
 支援法案は自衛隊の活動範囲を「同意を得た他国の領土・領海」まで広げて、パキスタンなどの戦場近くまで派兵することを狙っている。武器使用も大幅緩和だ。国会へは事後報告でよいとしている。小泉が「危険を伴っても自衛隊に」などと言うように戦闘状態をも想定した日帝の参戦法案だ。
 自衛隊法改悪では、自衛隊が在日米軍基地や原発を警備できるようにする。与党三党に加え民主党の支持で超短期の法案成立が狙われている。参戦法案粉砕の国会闘争が決定的だ。
 自衛隊参戦の具体的内容は以下のようなものである。
 ■超法規的に海自艦艇を派兵 情報収集を名目にイージス護衛艦「こんごう」、ヘリコプター搭載護衛艦「くらま」、補給艦「はまな」などの海自の艦船五隻を派兵し米空母艦隊と合流する。これは海自が米軍の作戦と一体化するということだ。情報収集など詭弁にもならない。超法規的な派兵だ。
 ■陸海空自の大部隊を派兵 陸海空三自衛隊がそれぞれの部隊をインド洋やパキスタンに派兵し、三自衛隊を統合運用する。総勢で数百人規模の大部隊となる。統合幕僚会議の指揮で行われる統合運用はこれまで防災訓練などでしか行われたことはない。強襲揚陸艦「おおすみ」やイージス護衛艦で艦隊を編成する。哨戒機P3Cなども配備する。武器・弾薬の輸送や水や燃料の補給、情報収集は戦闘行動と完全に一体だ。さらに整備、通信、宿泊、捜索救難も行う。
 ■日本人救出 パキスタンなどにいる日本人を救出するとして、空自輸送機や陸自最精鋭の空挺団から選抜された誘導隊を前線に投入しようとしている。
 n医療部隊の派兵 前線近くの野戦病院に陸上自衛隊の医療部隊を派兵。パキスタンやインドの港湾から内陸基地まで物資を輸送する部隊も派兵する可能性がある。
 ■難民救済・支援 前線近くの難民キャンプでの医療や輸送で自衛隊が派兵。「難民とタリバンの区別がつかない」などと称して自衛隊の武器使用を大幅に緩和しようとしている。
 ■情報統制 外務省が米原子力潜水艦の寄港の一般公表の取りやめを発表した。すでに情報統制が始まっているのだ。
   ◇    ◇
 米軍の出撃と自衛隊の参戦を実力で阻む現地闘争に総力で決起しよう。沖縄を始め反戦・反基地闘争に立ち上がろう。
 参戦法案を粉砕する国会闘争に決起しよう。戦争を始めようとする国会を人民の怒りで包囲し、廃案に追い込もう。
 職場・学園・地域で軍事報復阻止、日帝の参戦阻止を呼びかけ、第三次世界大戦の危機と対決する国際反戦闘争を巻き起こせ!
 十・七三里塚全国集会に結集しよう。十・二一国際反戦デーに決起しよう。

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週刊『前進』(2024号4面2)

米艦隊の出撃粉砕に決起

 9・21 横須賀 キティホーク

 九月二十一日、全学連と神奈川労組交流センターを中心とする反戦共同行動委員会の部隊は、米空母キティホークの出撃を弾劾する緊急闘争に立った。
 午前七時に横須賀臨海公園に登場し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。キティホーク(八万六千d)は七時過ぎ、ゆっくりと出撃し、後から米駆逐艦クッシングが追った。港を出ると海上保安庁の巡視船艇三十七隻が取り囲み、上空には海保のヘリが舞った。浦賀水道を出てからは海自の護衛艦しらね、あまぎり、掃海艇が護衛した。
 反戦共同は、権力の弾圧をはねのけ、米空母、駆逐艦が完全に見えなくなるまで出撃を弾劾し続けた。
 これに先立つ午前六時前、海自横須賀地方総監部に、自衛艦の派兵を中止するよう申し入れた。総監部は、当初は警察・機動隊の弾圧に任せて申し入れを無視していたが、「すべての自衛艦のインド洋派兵を中止せよ! 自衛官は侵略の銃をとるな!」という激しい弾劾にいたたまれなくなり、担当者が出てきて申し入れを受け取った。
 続いて六時三十分、米海軍横須賀基地に対する申し入れと抗議行動に決起した。米軍は慌てて門を閉鎖、申し入れを拒絶した。そのため外には基地労働者の長い列ができた。反戦共同は、権力の弾圧と闘いながら基地労働者の決起を呼びかけて闘った。
 早朝からの緊急闘争の熱気をそのままに、午前八時からは京急横須賀中央駅で情宣活動を行った。多くの労働者、高校生がビラを受け取り、食い入るように読んでいた。ここでも権力が異常な弾圧体制で排除してきたが、一時間近い宣伝活動を貫徹した。権力の弾圧に怒った女性が、ともに激しく抗議した。

 9・22 佐世保 エセックス

 九月二十二日、九州大学自治会、長崎・福岡県労組交流センター、解同全国連などの学生、労働者は米強襲揚陸艦エセックスの出撃弾劾の緊急闘争に立った。
 「エセックスの出撃を許さないぞ! 米日帝のアフガニスタン・中東侵略戦争を許さないぞ!」。佐世保の海に怒りのシュプレヒコールがガンガン響き渡った。午前九時十分、激しい弾劾の中を、海自の護衛艦はるゆきと海上保安庁の巡視船に護衛され、エセックスは出港して行った。
 強襲揚陸艦エセックス(四万五百三十二d)は、弾薬やミサイルなどを大量に積み込み、エアクッション揚陸艇(LCAC)三隻、輸送大型ヘリ二機を搭載して行った。同艦は横須賀基地に寄港し、検査を受けた後、アフガニスタン・中東侵略戦争に参加する。午後には米原子力潜水艦ブレマートンも出港した。
 佐世保での緊急闘争を闘った学生、労働者は福岡市・天神に移動し、街頭宣伝を展開した。
 今こそ九・二一横須賀、九・二二佐世保闘争に続き、米軍・自衛隊の侵略出撃を実力で阻止する闘いを展開し、街頭で、職場・学園で国際反戦闘争への決起を大胆に呼びかけよう。

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週刊『前進』(2024号4面3)

杉並区議会 “戦争こそ最大の暴力だ” 新城区議報復反対貫く

 杉並区議会で九月二十一日、都政を革新する会の新城せつこ区議は「アメリカ合衆国における同時多発テロ事件に関する決議」に唯一断固反対を貫いた。
 決議は九・一一反米ゲリラを民主主義社会に対する挑戦であるとし、テロ根絶を主張するものだ。
 新城区議は、孤軍奮闘ながら三度にわたって登壇。何よりアメリカの軍事報復に反対するものでなければならないと訴え、なぜ戦争という最大の暴力行使について触れていないのかと追及した。(写真)
 さらに決議案はアメリカによる民族抑圧や侵略戦争の歴史などをまったく考えていないと指摘。小泉政権の自衛隊派兵や有事立法を正当化する決議は止めるべきだと主張した。
 またパキスタン人の夫を持つ区民の「パキスタンにいる家族が戦争に巻き込まれないか心配している」という声を紹介し、アメリカでも始まっている反戦の呼びかけとともに軍事報復に反対しようと呼びかけた。
 新城区議の迫真の訴えに誰もまともに反論しない。やじを飛ばし意見を封殺しようとするだけだ。結局、日本共産党は沈黙したまま賛成にまわり、社民党も動揺しながら賛成するという歴史的な裏切りを行った。

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週刊『前進』(2024号4面4)

9・16 反対同盟がデモ “暫定滑走路完成阻む”

 三里塚反対同盟は七一年九・一六強制代執行から三十年目の九月十六日、東峰の開拓道路に同盟員、現地支援勢力百人を結集し、「四・一八暫定滑走路開港」攻撃と対決する集会と敷地内デモ(写真上)を行った。
 冒頭、北原鉱治事務局長が、「農民追いだしが目的の暫定滑走路開港を絶対に許さない。滑走路北側の十余三、久住地区で三百戸にも上る民家が反対か、移転かを迫られている。彼らとともに闘う」と訴えた。
 全学連現闘の仲間は、「九・一一ゲリラは、米帝への被抑圧民族人民の怒りの爆発だ。日帝の参戦を阻止しよう」と訴えた。
 東峰・天神峰地区をぬって戦闘的なデモを行い、十・七全国集会の成功から、今秋テスト飛行阻止、来春暫定滑走路完成阻止へ前進する決意を示した。

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週刊『前進』(2024号4面5)

10・7三里塚へ関西実が集会 9・18 大阪

 九月十八日、全関西実行委員会の三里塚集会が大阪・天満橋のエル大阪で、百四十人を結集して開かれた。(写真下)
 森田恒一関実世話人は、九・一一反米ゲリラについて「米帝の横暴な世界支配への反撃だ」「暫定滑走路工事は米帝と同じで人道も正義もない」と訴えた。
 反戦被爆者の会の大槻泰生さんが連帯のあいさつを行い、動労千葉から特別報告が行われた。北原鉱治反対同盟事務局長が、三里塚現地報告と十・七への総決起を力を込めて訴えた。
 基調報告に立った永井満関実代表は、暫定滑走路が「今秋完成―来春開港」という重大局面を迎えていることを訴え、@十・七闘争への総決起、A同盟・用地内農家の激励に全力で取り組むよう提起した。
 最後に山本善偉関実世話人がまとめを提起した。 

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週刊『前進』(2024号4面6)

秋篠宮の来県を弾劾 9・8 みやぎ反戦共同 

 九月八日、みやぎ反戦共同行動委員会は仙台市内で、国体出席を口実とした秋篠宮フミヒトの来県を弾劾する緊急行動に立ち上がった。「小泉政権による天皇制イデオロギーを軸とした国家主義の扇動と対決」(基調)して闘った。
 学生の白ヘル部隊を先頭にデモを貫徹した。

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週刊『前進』(2024号4面7)

2001年日誌 阻もう! 改憲=戦争への動き 9月19日〜25日
 海自艦が米空母出港を護衛
 首相小泉が米軍支援を公約

●小泉、自衛隊派兵を表明
 小泉純一郎首相が、@米軍などの軍事攻撃に自衛隊が後方支援する、A在日米軍施設警備を強化する、B情報収集のため自衛艦を派兵する、などの七項目を発表した。実施されれば、戦闘時の自衛隊の部隊派兵は初めてになる。(19日)
●海自、支援艦隊編成へ
防衛庁が、大型輸送艦と周辺を警戒する護衛艦などによる「海上自衛隊支援艦隊(仮称)」の編成の検討を始めた。部隊は戦闘能力も備えた大がかりなものに。こうした部隊編成は、自衛隊では初めて。(19日)
●米軍機100機増派 米国防総省がペルシャ湾岸など中東に米軍機百機増派を命令した。(19日)
●「攻撃なら飢餓600万人」 国連食糧農業機関はアフガニスタンに攻撃が実行された場合、干ばつ被害による食糧不足がさらに悪化し、人口の四分の一にあたる六百万人が飢餓状態に直面と警告した。(20日)
●G8が緊急声明 主要八カ国首脳が「テロと戦う国際協力」をうたった共同声明を同時に発表した。(20日)
●ブッシュ「あらゆる手段武器に報復」と演説 ブッシュ米大統領が議会の上下両院合同会議で演説。アフガニスタンのタリバン政権を「殺人者」と非難し、ビンラディンとその組織の全指導者の即時引き渡しなどを要求した。また「米国につくか、テロ組織につくかの選択を求める」と恫喝した。(20日)
●自衛隊、AWACSやイージス艦も投入 防衛庁の統合幕僚会議が、自衛隊の艦艇や航空機などによる後方支援部隊の基本方針をまとめた。派兵が検討されているのは海自の輸送艦とイージス艦、護衛艦、哨戒機P3C部隊、航空自衛隊の空中警戒管制機と輸送機C130など。(20日)
●沖縄相が沖縄基地の重要性強調 尾身幸次沖縄担当相が沖縄県内の米軍基地について「国際情勢が流動化する中で、どこで何が起こるか分からないという実感を認識せざるをえない。基地の持つ役割は非常に大きい」と述べた。(20日)
●海自艦が米空母を護衛
米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を拠点とする米第七艦隊の空母キティホークが同基地を出港した。海自の護衛艦「しらね」などが空母の前後についた。自衛艦が米空母の護衛についたのは、共同訓練以外では初めて。(21日)
●米原潜の入港予定の公表止めると外務省 外務省が米国から原子力潜水艦入港の事前通報があっても、当分の間、一般への公表を取りやめると発表。(21日)
●米特殊部隊が展開を開始
 米軍の特殊部隊がアフガニスタン隣接国への展開を開始、攻撃とともにアフガニスタン内の山岳地帯に展開する、と米紙USAトゥデーが報じた。(22日)
●日本人救出で空自派兵準備 政府は、米帝などの軍事行動開始後、パキスタンなどの日本人救出で、自衛隊機派兵に向けた準備作業に入った。また陸自の誘導隊の派兵も検討している。(22日)
●佐世保からエセックス
米海軍佐世保基地から強襲揚陸艦エセックスが出港した。(22日)
●防衛庁長官が空母護衛を認める 中谷元・防衛庁長官が海自護衛艦が米空母キティホークに同行したことについて「米空母はテロから狙われていて何かある可能性がある。万が一そういう事態になったら日本の平和と安全に影響を及ぼすので一緒に行った」と護衛したことを認めた。(22日)
●自衛隊パキスタンへも
政府・与党は、自衛隊が米軍などを後方支援できるようにする新規立法を政府提案で臨時国会に提出することを決めた。法案は周辺事態法の枠組みを踏襲し、自衛隊の活動範囲を「同意を得た他国の領土・領海」まで広げる方向。武器・弾薬については、提供(補給)は盛り込まず、輸送のみ認める方向で調整している。(23日)
●陸自「特殊部隊」創設へ
 陸自が新たに「特殊攻撃対処部隊」を新規編成することがわかった。数百人規模で千葉県船橋市の第一空挺団に部隊を置くとみられる。(24日)
●小泉「自衛隊は危険な所にも」 訪米した小泉首相が記者会見で「自衛隊は危険な所に出しちゃいかんでは話にならない。危険を伴うかもしれない。『ご苦労だけども、自衛隊に行ってもらおう』ということに、国民の理解を得ることが大事だ」と述べた。(24日)
●日米首脳会談で参戦を公約 小泉首相とブッシュ米大統領がホワイトハウスで会談。小泉は米帝の軍事報復への支持を表明し、医療、難民救援、物資輸送、情報収集など日帝が参戦することを約束。(25日)
●派兵は国会に「事後報告」
 政府は、自衛隊に関する国会の関与について、「事後報告」にとどめる方針を固めた。自公保三党は難民支援について、必要な特例の規定を新規立法に盛り込むことで対処する方針を決めた。(25日)

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週刊『前進』(2024号5面1)

アフガン侵略許すな 自衛隊派兵阻め
中東人民虐殺の元凶は米帝だ

 九月十一日の反米ゲリラ戦争は、アメリカ帝国主義による長年のすさまじい搾取と収奪、侵略戦争に対する被抑圧民族、とりわけアラブ人民の激しいやむにやまれぬ怒りがついに大爆発したものであった。米帝はこの激しい怒りの大爆発によって軍事的・経済的中枢を直撃されて大混乱に陥り、帝国主義世界の盟主としての威信をずたずたにされた。米帝ブッシュはこの危機をのりきるために、「テロの根絶」を叫んでアフガニスタン・中東人民の大虐殺をもたらす侵略戦争へと突進している。また日帝は凶暴な参戦国家化攻撃をかけてきている。われわれは米日欧帝のこうした新たな一大侵略戦争策動と真っ向から対決し、全世界の被抑圧民族と連帯してそれを粉砕する巨大な国際反戦闘争を闘い抜かなければならない。

 アフガンで民族の対立あおり荒廃・飢餓つくり出した米帝

 旧ソ連の侵略と米帝の介入

 米帝は九・一一反米ゲリラに対する制裁とテロ根絶を叫んで、アフガニスタンに対する全面的な侵略戦争に突入しようとしている。全米軍と日欧帝国主義の軍隊を動員した長期にわたる大規模侵略戦争は、アフガン人民を皆殺しにする極悪きわまりない侵略戦争だ。
 アフガニスタンでは七九年十二月のソ連軍侵攻以来今日まで二十一年間も激しい内戦が展開されている。しかし、国益のために民族対立をあおって内戦を激化させた張本人は米帝だ。
 七三年以後、アフガニスタンではソ連による国内政治への強力な介入と、スターリン主義勢力による強引な農地改革やイスラム教徒弾圧によって、国内の諸民族、諸部族間の対立が激化させられた上に、七〇年代末にはイスラム政治勢力の反乱が全土に拡大した。
 この反乱を鎮圧し親ソ政権を維持するために、ソ連は七九年十二月にアフガニスタンに侵攻した。以後八九年に至るまでの九年間、全土が激しい戦乱の中にたたきこまれた。ソ連の南下と勢力圏拡大を阻止しようとする米帝は、イスラム勢力に対する全面的援助を行ってこの戦争に介入した。
 一万三千人の戦死者を出しながら反乱を鎮圧できなかったソ連軍が敗退、九二年に親ソ政権が崩壊すると、国内の民族間対立の激化、米帝や周辺諸国による介入策動の強化によって、イスラム勢力間で新たな内戦が起こった。内戦の泥沼化で全土は荒廃し、アフガニスタン人民はこの上ない苦しみを味わった。
 このような絶望的状況のもとで、戦乱の早期終息を願うアフガニスタン人民の気持ちに乗じてタリバンが勢力を急速に拡大した。九四年七月にパキスタンのアフガン難民キャンプで結成されたタリバンは、独特のイスラム解釈と、パシュトゥン人以外の諸民族の文化の否定に見られるように、反動的な性格を持つイスラム勢力であった。
 米帝はタリバンの性格を十分に知りつつ、カスピ海地域の石油や天然ガスをアフガニスタン経由でパキスタンに輸送するためのパイプラインを建設するために、タリバンを全面支援し育成した。タリバンは、パキスタンをつうじて米帝からの大量の最新兵器を含む軍事援助を受け、サウジアラビアから巨額の資金援助を受け取ることによって急速に軍備を整え、大量の兵員を確保してアフガニスタンに進出した。
 九六年九月には、首都カブールを攻略し、その後全土の九割を制圧して暫定政権を樹立した。だがアフガニスタン北部にはマスード将軍(九月九日、タリバンによって暗殺)の組織した北部同盟というイスラム勢力の統一戦線が存在し、内戦状態は続いている。
 結局、タリバンのアフガニスタン制圧によっても、人民の悲惨な生活にはなんら変化はなかった。そればかりか、タリバンを構成する主要民族・パシュトゥン人以外の諸民族に対する抑圧と、全人民への独特のイスラム解釈の強制、女性の権利の否定などによって人民の生活はさらに悪化し、四百万人の難民と百万人の餓死者が出た。それに加えてこの三年間の干ばつは事態をさらに悪化させている。
 九・一一以降は、米帝の攻撃開始を前にして、食糧などを搬入・分配する国連職員やNGO関係者が撤退したため難民の飢餓は極限状態に達している。
 こうした状況での米帝のアフガニスタン侵略戦争強行は何万、何十万の人民を虐殺し、疲弊したアフガニスタンを極限的に荒廃させ九・一一以降六百万人に達している膨大な難民をさらに増大させ、飢餓状態に追い込むであろう。まさにそれはアフガニスタン人民を大虐殺する侵略戦争だ。
 またタリバンと対立するタジク人、ウズベク人などの統一戦線である北部同盟の米帝によるこの戦争への動員は、アフガニスタン内部の民族対立と内戦をこれまで以上に激化させ、アフガニスタン人民をさらに悲惨な状態に追い込む。民族対立激化の元凶はアメリカ帝国主義なのだ。

 人民大虐殺−世界戦争阻め

 米帝のアフガニスタン侵略戦争は周辺諸国、中東アラブ諸国の危機を促進し、新たな世界戦争につながる危機を生み出すであろう。
 アフガニスタンの諸民族と同じ民族が居住するタジキスタン、ウズベキスタンでの米帝に対する人民の怒りの爆発は不可避だ。侵略拠点となるパキスタンでは、すでに米帝のアフガニスタン侵略戦争への政府の協力に反対する大規模な反対運動が始まり、戦争が始まれば内乱が爆発しかねない緊迫した情勢下にある。パキスタンで内乱が起これば、歴史的に対立関係にあるインドとパキスタンとの緊張関係も一挙に激化しかねない。また情勢の推移によっては中国、ロシアの介入もありえる。中東全域への危機の波及は不可避なのだ。
 このように米日欧帝国主義のアフガニスタン侵略戦争は世界戦争情勢を一挙に促進するものとなるのだ。

 米帝と全世界揺るがすパレスチナ人民の闘い (写真は、イスラエル軍の戦車に石を投げて立ち向かうパレスチナの少年)

 イスラエルを先兵に大虐殺

 今日のパレスチナ情勢に関してまず明らかにしなければならないのは、今現在、パレスチナ人民に対する激しい皆殺し戦争が行われているということである。今年九月二十日までの一年間にイスラエル軍に虐殺されたパレスチナ人はすでに七百人を超え、重軽傷者は三万五千人に達する。
 その手口も悪らつで、自治政府や諸政治組織の指導者やゲリラ戦士を集中的に狙った白色テロにはF16や武装ヘリからのミサイルや戦車砲、ロケット弾、爆弾などが無制限に使われている。家族や友人もろともロケット弾で吹き飛ばしたり、付近に子どもたちが遊んでいてもミサイルを平然とぶち込むなど、その手口はあまりに非人間的だ。
 インティファーダに決起した若者たちには容赦なく銃弾のあらしが襲う。逮捕された者には非情な拷問が「合法的」に加えられる。ユダヤ人入植地付近のパレスチナ人住宅はゲリラ戦士の狙撃拠点になっているという口実で突然砲撃されたり、ダイナマイトで破壊され、住民は殺されたり、追放されたりしている。
 現在、イスラエルは、ヨルダン川西岸地区との境界線に軍事緩衝地帯なるものを設定し、入植地へのゲリラ攻撃を阻止するという口実で、各地に高さ二・五b、長さ二〜五`メートルの「ベルリンの壁」のような壁を作り、自治区を隔離し封じ込める攻撃も始めている。軍事緩衝地帯に近づく者を逮捕し収容する「強制収容所」の新設計画もある。かつてのナチスによるユダヤ人の「ゲットー封じ込め」と同様の政策がとられているのだ。

 圧殺政策に転じたブッシュ

 シャロン政権によるこうした皆殺し戦争は、なによりもブッシュ政権登場以後激化した。ブッシュは、新たなインティファーダの爆発によってクリントン政権末期に米帝の中東「和平」策動が完全に破産したことが突きつけられると、一切の「和平」交渉の仲介活動を停止し、イスラエルに完全なフリーハンドを与えて武装闘争とインティファーダを闘う勢力を総せん滅する路線に転換した。
 そもそも米帝の「和平」策動は、難民・入植地・エルサレムなどの核心的問題について最終地位協定で扱うとして交渉を先延ばしし、その間にパレスチナ全域のわずか一〇%の領土に設定された自治区域にパレスチナ人を封じこめ、解放運動を最後的に解体するというものであった。
 自治区は、入植地(百六十一カ所、二十万人のユダヤ人が在住)、イスラエル軍駐留拠点と軍用道路によって分断・包囲される非武装の「小国家」としてのみ存続を許される。それは一切の民族解放闘争を解体し、封じこめるためのものでしかなかった。

 新たな武装解放闘争の意義

 だが、このような「和平」策動の本質を見抜いたパレスチナ人民は、PLO(パレスチナ解放機構)指導部の屈服をのりこえて新たなインティファーダを開始するとともに、八〇年代以降、アラファト指導部が放棄してきた武装解放闘争に決起した。
 それは米帝が「和平」策動によって必死で解体しようとしたパレスチナ解放闘争の新生を意味する偉大な闘いであった。八七年以降の六年間におよぶ第一次インティファーダで、数千人の死者を出し、十二万人が投獄されるという大弾圧を受けながらも、イスラエル軍の戦車や銃に対して石をもって英雄的に闘い抜いた若者たちが、今日、自治政府やPLO、PFLP(パレスチナ解放人民戦線)などの諸組織の指導部や軍事指導部に成長したことは決定的な意味を持っている。
 イスラエルに対する激しい闘いの中で鍛えられた戦闘的精神と闘う者同士の組織の枠を越えた連帯感が、武装解放闘争の発展を可能にした。この闘いの爆発によってペテン的「和平」策動を最後的に葬り去られたからこそ、ブッシュとシャロンは異様なまでに凶暴な弾圧に打って出たのだ。
 九・一一以降、イスラエルは米帝の「テロ非難」キャンペーンに呼応して「テロ撲滅」を叫んで自治区に対する激しい攻撃を開始した。だが、それは激しく燃えさかる武装解放闘争の炎に油を注ぐ結果しかもたらさないであろう。
 今日のパレスチナ人民の闘いは、米帝の長年にわたるパレスチナ侵略を激しく弾劾している。パレスチナ問題を発生させたイスラエルの建国そのものが、第二次大戦での英仏帝の中東植民地支配の崩壊に乗じた米帝による強引な軍事基地国家のデッチあげである。そしてそれは、イスラエルを拠点とする新植民地主義的支配体制の確立と、石油資源を独占するためのものであった。

 米帝の中東支配の総崩壊へ

 そのために米帝は、四七年の国連総会でパレスチナ分割案を強引に決議させ、イスラエルによるパレスチナ人住民の虐殺と追放政策(百万人が難民化)を全面的に支持するとともに、戦後一貫してイスラエルに膨大な援助を供与してきた。
 六七年の第三次中東戦争ではイスラエルによるヨルダン川西岸とガザ、シナイ半島、ゴラン高原の占領と領土拡大を容認して、その軍事的制圧力を強化した。この戦争で新たに難民約二十万人が追放されても意に介さなかった。
 六〇年代中期以降、パレスチナ人民の武装解放闘争が開始され、急速に全アラブ解放闘争のけん引車としての位置を獲得すると、その圧殺に全力を注いだ。
 七〇年九月、ヨルダン国王によるパレスチナ・ゲリラ一掃作戦を米帝は全面的に支援し、二万人以上の死傷者が出た。レバノンへと撤退を強いられたパレスチナ・ゲリラに対して米帝は七五年、キリスト教右派ファランヘ党の民兵を支援して戦争を仕掛けさせ、パレスチナ人数万人を虐殺させた。八二年にはイスラエルをレバノンに侵略させ、一万七千五百人のパレスチナ・ゲリラと難民を虐殺させた。二十万人のイラク人民を虐殺し、その後今日までに百五十万人を餓死させた九一年のイラク・中東侵略戦争(湾岸戦争)の後には、パレスチナ人百万人を湾岸諸国から追放させ、PLOへの湾岸産油国の援助を停止させた。
 九三年以降本格化した「和平」策動は、このような米帝のすさまじい侵略・虐殺政策と表裏一体のものとしてあった。インティファーダと新たな武装解放闘争は、その本質を見抜いたパレスチナ人民の根底からの怒りの表現であり、米帝の中東支配政策を総崩壊させる強烈なエネルギーに満ちたものである。
 それが全アラブの人民を激励し、中東全域における新たな民族解放闘争をけん引するものとなっているからこそ米帝は、パレスチナ人民の闘いを必死で圧殺しようとしているのだ。
 だが、それは米帝とイスラエルに対するアラブの被抑圧人民の怒りと憎しみをさらにかき立てるであろう。九・一一反米ゲリラこそ、そのような怒りが大爆発したものなのだ。
 われわれは被抑圧民族の苦しみと怒りを真っ向から受け止め、彼らと連帯して闘うために、今こそ米日欧帝のアフガニスタン・中東侵略戦争阻止の国際反戦闘争と帝国主義打倒の闘いを爆発させなければならない。この課題を帝国主義国プロレタリアートと被抑圧民族の連帯で世界革命の道を切り開く重大な任務と位置づけて闘おう。

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週刊『前進』(2024号5面2)

民主労総が声明 「戦争反対の平和運動へ」

 韓国の全国民主労働組合総連盟(民主労総)は九月十七日、「テロ反対のりこえ戦争反対の平和運動へ!――さらに多くの人を殺す戦争は誰のためにやるのか/性急な米国追従は民族の利益にならない」と題する声明を発表した。
 民主労総は同日午前、全国農民会総連盟(全農)、韓国大学総学生会連合(韓総連)など二十三団体とともに、ソウルの米大使館前で「米政府は報復の戦争を即時に中断し、力による世界の唯一覇権政策を撤回せよ!」と訴える緊急記者会見を予定していた。
 これに対して金大中政権は強制解散攻撃の暴挙に出た。代表団三十人と警察が激突、民主労総の副委員長ら十九人が連行された。
 その後、米大使館横の韓国通信前に移り、約五十人が反戦集会をもった。集会では「今回のテロは、米国の覇権主義的対外政策の結果」とし、「報復攻撃は暴力の悪循環を招き、最終的には人類が共倒れする世界大戦を引き起こすだけ」「テロには強く反対するが、罪のない米国民の命と財産が大切なように、報復攻撃にあう罪のないアフガニスタン民衆の命と財産も尊重されるべき」と訴え、韓国政府に対しても冷徹な理性と公正な見解を失わないように要求した。
 民主労総の声明は、「われわれは米国ニューヨーク、ワシントンで『対米テロ』の犠牲となった多くの人びとと遺族に深い悲しみと哀悼の意を伝える」と表明した上で、「けれども、九・一一惨事に哀悼を表しテロの問題を確認することよりもはるかに重要な問題がある。第一に、『対米テロ』に込められた米国に対する憎悪心を正確に見てとり、これを正しく解決する方法を探らなければならないという点だ。米国はテロに報復すると言うが、まさに今回のテロは米国が犯した犯罪に対する報復だった。米国が特に弱小民族にどれほどぬぐいきれない犯罪を犯し、今も犯しているか、被害者であるわが民族はよく知っている」と、被抑圧民族人民の立場を主張している。そして、「テロ反対は戦争反対へ、さらに平和運動へと向かう時のみ輝くものとなる。この点でわが政府の性急な戦争参加は誤りであり、週五日勤務制導入など予定された改革政策は引き続き推し進めなければならない」と、労働者階級が戦争反対の先頭に立つことをきっぱりと宣言している。
 金大中政権は、米帝の「テロ報復」に同調、臨戦態勢に突入した。アフガニスタン侵略戦争阻止へ、闘うアジア人民、中東人民と連帯し、この日本から反戦闘争を巻き起こそう。

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週刊『前進』(2024号5面3)

 『前進』ホームページ メールから

 九月十一日、アメリカで起こったテロは、私のまわりのさほど政治や運動などに興味のないような友人にまで「ただごとではない」と危機感を感じさせたようで、テロの翌日に「これからどうなっていくの?」「やっぱり戦争になるの?」とわざわざ連絡してきた。
 私も何が起こったのかあまり把握できずにいたのだが、数日後に中核派の見解を読み、頭の中が整理できた。アメリカがいままで中東でどれだけの暴挙をふるってきたか。今回のテロは正しくはないにしろその怒りの爆発であっただろうしそれに対する報復など絶対に許してはならないのだ。
 私も友人もこれから母になる身として、自分が今どういう立場に立たされ、どういう時代に生きているのか考えて行かなければと痛感している。とりあえずパレスチナ問題についてあまりに学習不足なので『前進』を教科書に勉強していきたいと思う。
(女性・20歳代)

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週刊『前進』(2024号5面4)

コミューン 11月号 有事立法・改憲攻撃

 九・一一反米ゲリラの爆発への報復を口実に米帝ブッシュはアフガン侵略戦争態勢に入り、日帝・小泉は自衛隊をインド洋に派兵している。有事立法・改憲攻撃は切迫している。
 第一章は「領域警備」、「秘密保全」、「米軍基地防衛」の自衛隊法改悪案を批判している。その上で、@九七年平和・安保研の「国民非常事態法」の提案、A米軍占領下で行われた朝鮮戦争における戦時立法と戦時体制の構築、B六三年自衛隊の朝鮮侵略戦争計画=三矢研究の有事立法の全容、C九四年朝鮮危機における有事立法の一括提出寸前という事態を取り上げ、「国家緊急権」論批判を核心にすえて非常事態法・治安弾圧・国家総動員を内容とする今日の有事立法・改憲攻撃の切迫性を全面的に明らかにした。
 第二章は、同じく臨時国会に提出されようとしているPKF参加凍結解除、PKO参加五原則の見直しの問題を徹底批判。日帝は来春の東ティモールへのPKO派兵をもって自衛隊の海外派兵態勢を一挙に確立する攻撃を開始している。九・一一は日帝のアフガニスタン侵略への衝動をかき立てた。侵略派兵を絶対阻止するために東ティモール人民の闘いとの連帯を呼びかけている。
 討議資料「弾道ミサイル防衛とは何か」は、米帝ブッシュの新戦略の中での弾道ミサイル防衛構想の位置を押さえ、その基礎知識を整理したもの。批判的検討のための不可欠の資料。

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週刊『前進』(2024号5面5)

 訂正

 前号3面の東富士の記事で九月三日とあるのは九月六日の誤りでした。

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週刊『前進』(2024号6面1)

6回大会開催に大打撃受けのたうち回る黒田カクマル
 権力の先兵として革共同攻撃

 反革命カクマルは、わが革共同の黒田哲学批判とJR総連問題の追及という昨年来のカクマル批判の追撃につぐ追撃に答えることができず、死の沈黙に陥ってきた。さらに革共同六回大会の開催に打撃を受け、決定的に追い詰められた。そこで浅はかにも「宮崎問題」につけこんで革共同にケチをつけ、これで劣勢を挽回できるのではないかと大騒ぎしている。だが、笑止千万である。カクマルには対権力問題で人にケチをつける権利も資格もない。権力の先兵として革共同に傷をつけるために存在しているのがカクマルなのだ。

 黒田批判になぜ答えない?

 この二月以来、カクマルは、革共同に対して何一つ「批判論文」を発表できないできた。それは、カクマルの危機の深刻さの表現であった。カクマルは、『共産主義者』一二七号の仲山良介論文「『黒田哲学』を全面的に批判する」に根底的な打撃を受けている。黒田『実践と場所』は右翼国粋主義への転落だという批判に圧倒され、いまだに何の反論もできない。
 また、カクマルのJR総連松崎派と黒田・中央派との分裂に対して、われわれが壊滅的な批判を加えたことに対しても、何も返す言葉がない。JR総連の「ダラ幹」に対する批判もできなくなっている。
 決定的なことは、JR東労組がJR資本との間に「第四次労使共同宣言」を結び、資本の先兵となって労働者に首切り・リストラを押しつけることを露骨に宣言したのに、『解放』がいまだにこのことに何一つ触れることができないことである。これはカクマル自身が「労使共同宣言」を支持したということだ。
 この黒田問題、JR総連問題で、カクマルは組織的・思想的な解体的危機を深めている。だからこそ、この危機を他に転嫁し、のりきるために一層革共同に対する反革命的攻撃に訴えざるを得ないのである。
 反革命通信『解放』紙上で九月三日号以来(やっと九月になって)連続して革共同への反革命的攻撃をやり始めた。テーマは、革共同第六回大会の開催に対するケチツケであり、本紙夏季特別号における都議選闘争総括に対する非難であり(以上九月三日号)、宮崎問題での革共同非難である(九月十、十七日号)。
 革共同六回大会に対するカクマルの非難は、革共同が本格的な党大会を実現したことに対する打撃感に満ちている。大会の開催自体が対カクマル戦の歴史的勝利の宣言としての意味を持つものであることをカクマルは誰よりも知っているため、がっくりきているのだ。報告・決定集の発行は、黒田カクマルを最後的に完膚なきまでにたたきのめすものだ。
 また、都議選総括は、革共同政治局が選挙指導における誤りを率直に提起し、自己批判したものであり、敗北をのりこえて前進する決意を表したものである。カクマルは、このことに打ちのめされているのだ。
 特筆すべきことは、六回大会「批判」でも、都議選総括「批判」でも、わが清水丈夫議長に対するののしりの言葉を連発していることである。いったいカクマルはいつから清水議長の存在を認めるようになったのか。黒田によって清水議長は「七九年に失脚した」と宣告され、カクマルはそれに縛られてきたのではなかったか。一九九七年以来今日まで、清水丈夫選集が計六巻も発行され、そこに毎回清水同志による長文の序文が掲載されているにもかかわらず、これは「本人が書いたものではない」と強弁してきたではないか。全面破産の自認である。
 また、二つの駄文で、結局カクマルが革共同の何を「断罪」しているのかと言えば、要するに革共同は「純粋レーニン主義だ」「革命的祖国敗北主義だ」ということである。レーニン主義のゆえに中核派を打倒するというのだ。このようにカクマルは反革命的正体をあけすけにさらけだしてしまった。
 日帝・小泉がなりふり構わず戦争に突入しようとしている今こそ、革命的祖国敗北主義、すなわち自国帝国主義=自国政府の敗北を求めて闘う立場なしにはどんな闘いもなし得ない情勢になってきている。このことにカクマルは真っ向から敵対しているのだ。

 宮崎問題利用した破壊策動

 カクマルは、今度は宮崎問題で何か打撃を与えられるのではないかと、はかない望みをかけてきている。
 本紙二〇一九号でわれわれは、革共同としての明確な態度表明を行った。宮崎学が公安調査庁と接触していた問題に関して、われわれはギリギリまで宮崎本人との真剣な討論を続けたが、宮崎は全面的に人民に自己批判して誤りを克服するために闘うことを拒否した。その段階でわれわれは事実を公表し、一つの決断をもって革共同としての謝罪・自己批判の立場から態度を表明したのである。
 宮崎は、公調のスパイ工作に対して原則的態度で対決し得ず、これに引き込まれてしまったのである。しかも彼はそのことを徹底的に自己批判・謝罪して誤りを克服するために闘うことを拒否した。われわれはこのような宮崎と完全に一線を画したのである。
 われわれは、「党として、宮崎問題を権力の組織破壊とりわけスパイ化攻撃との闘いの血の出るような教訓としなければならない」と戦闘的に総括した。
 宮崎問題の核心は、権力の側からの人民の闘争への破壊工作との闘いの問題である。権力に対する原則的な態度の問題である。
 しかも、問題は権力が宮崎問題をも利用して、デマとデッチあげの資料を意識的にばらまきつつ、さらに広範に革共同破壊工作を推進し、人民の運動に混乱を持ち込もうとしていることである。そしてカクマルはこの権力の攻撃に一枚かんで、その積極的な先兵となって参加し、権力に呼応してこの機に中核派を破壊しようとしてきているのだ。
 一九七一年に、安保・沖縄闘争の爆発に対して、国家権力が破防法を中核派に適用した時、「今がチャンス」「権力が中核派の首根っこを押さえている時に、カクマルは急所を蹴り上げる」(首根っこ・急所論)と称して三人の政治局員を襲撃し、三人の同志を虐殺して、武装反革命集団へと転落した。それと同じ構図なのだ。カクマルは絶えず、権力の中核派破壊攻撃に期待し、それに依拠し、それに乗っかって襲いかかってくるのだ。K=K連合(警察=カクマル連合)とはそういうことだ。
 しかも、今日カクマルは「公調資料」を得手勝手に利用して「中核派はスパイ集団」というデマを振りまきつつ、権力と呼応して反革命的に策動している。革共同が権力のスパイ攻撃と現に闘っていることを指して「スパイだ」と言うまったく転倒した話なのだ。
 ところで、カクマルはなぜ「宮崎問題」にのめり込むのか。ひとつは、中核派が五月テーゼ路線のもとで前進し、党と運動の発展を切り開いていることを見てカクマル内部に「中核派はもうつぶれると言ってきたのに、つぶれないではないか」という黒田らに対する不信感が存在し拡大していることに対して、「中核派が健在なのは権力が支えているからだ」というデッチあげ話を振りまいてかわそうとしているということである。
 もうひとつは、カクマル内部で「謀略論」がまったく信じられておらず、誰もがシラけてしまっていることに対して、「やはり謀略論は正しいのだ」と言うためである。『解放』ですらこの間「謀略論」が後景化してしまうという状態が続いてきたことに対し、巻き返し的に「謀略論」の満展開を始めたのである。
 「〈革命的左翼破壊のための現代の謀略〉と対決することは左翼としての試金石だ、と(カクマルは)二十数年前から声を大にして主張してきた」(『解放』九月十七日号)と。
 「二十数年前」すなわち一九七四年以来、カクマルはわが革命軍の赤色テロル戦闘を見据えることができず、「中核派にやられたのではなく権力にやられたのだ」というデマをもって「万能の権力にやられるのは仕方ない」と自らを慰め、「謀略論」の麻薬効果にすがってきたのである。だが、しょせんデマはデマである。嘘で塗り固めた運動などいつまでも成り立つはずがないのだ。

 9・11はプーチンの仕業?!

 カクマル「謀略論」の最新の抱腹絶倒の「傑作」は九・一一反米ゲリラの直前に米国務省が発した警告が「カクマルに対する米CIAのフレームアップ攻撃」の前兆だと言って『解放』九月十七日号で「警戒せよ」と叫んだことである。九月七日に米国務省が「在日米軍基地と在韓米軍基地にテロの脅威が差し迫っている」と警告を発したというだけの材料で「CIAの攻撃」を直感し、カクマルとしては素早く対応したつもりだったのに、この『解放』が出たのは九・一一反米ゲリラの直後。カクマルは天下に赤っ恥をさらすことになってしまったのだ。
 さあそれでは、カクマルは「九・一一はCIAの謀略だ」というのか、と誰もがカクマルの見解を「期待」した。ところが一週間かけてカクマルが出した結論は、なんと「(九・一一は)プーチン政権の息もかかっているであろう旧KGB要員に指揮されたにちがいないイスラム復興主義勢力の〈ジハード〉」というものだったのだ!(『解放』九月二十四日号)
 CIAでなければ旧KGB、これが「謀略論」「権力万能論」で塗り固められたカクマルの現代世界認識である。
 カクマルには九一年一月の米帝のイラク・中東侵略戦争(湾岸戦争)に対して、「ソ連伝統派・リガチョフに操られたイラク・フセインのクウェート侵攻に対する米帝の制裁」などと説明してきたという前歴もある。カクマルは、ソ連スターリン主義崩壊まで現代世界を動かす主要な力はソ連だという「ソ連起動力論」を固持していたのだ。今また「新東西冷戦論」の反革命的世界認識と「謀略論」を結びつけるやり方を繰り返しているのだ。
 「謀略論」という観念論、虚偽とデマの世界観の見事な破産がそこにある。
 九・一一についてのカクマルの見解は大混乱と乱調の極みである。カクマル全体が、この九月二十四日号トップ論文をめぐって収拾のつかない混迷に陥っていくことは必至である。
 K=K連合と「謀略論」のカクマルに宮崎問題をうんぬんする資格など何ひとつない。反革命カクマルを打倒せよ!

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週刊『前進』(2024号6面2)

東海村臨界事故から2年
人民の虐殺・被曝を居直り核武装へ進む日帝打倒を

 大内さん篠原さんに事故責任を転嫁する日帝

 九・一一反米ゲリラ戦争を引き金とする第三次世界大戦の危機の急切迫、労働者階級人民の反戦・反核闘争の新たな高まりの中で、東海村臨界事故二周年を迎えた。
 一九九九年九月三十日。茨城県東海村にあるJCOウラン加工工場で核燃料用の硝酸ウラン溶液を製造中に臨界事故が発生、飛び出した中性子線によって三人の労働者が致死・半致死量の高放射線を浴び、六百人以上の労働者・住民が被曝した。
 このウラン溶液は、高速増殖炉実験炉「常陽」の核燃料に使う目的で核燃料サイクル開発機構が発注した。高速増殖炉は核兵器に最適な高純度のプルトニウムを生産する核軍用炉であり、日帝独自の核武装化政策−核燃サイクル計画の要(かなめ)をなす。臨界事故は、原子力推進派の「平和利用」論、「安全」論の仮面を引きはがし、日帝・資本の核政策の反人民的本質を暴き出した。
 住民の恐怖・不安・怒りが階級支配と核(軍事)政策の大破綻(はたん)につながることを恐れた日帝国家権力は、事実上の戒厳令体制を敷き、自衛隊・警官を出動させ、三十一万人の住民の自主的避難を禁止した。
 そして、中性子線に直撃された大内久さん、篠原理人(まさと)さんたちを科技庁放医研−東大医科研病院−東大病院に搬送・隔離し、徹底的な治安目的に貫かれたモルモット的な「延命治療」を行ったのだ。
 十八シーベルト(一般人の被曝「許容線量」の一万八千倍)もの被曝線量を全身に受けた大内さんは、凄絶(せいぜつ)な闘病の中で九九年十二月二十一日に息を引き取った。十シーベルトの放射線を浴びた篠原さんも、激しい痛みと闘う中で二〇〇〇年四月二十七日に亡くなった。臨界事故は、゛核と人類は相入れない゛ことを衝撃的に今一度明らかにした。
 人民の怒りに追いつめられた日帝は、原子力安全委員会主導の事故調査委員会を発足させ、三カ月も経ないうちに「最終報告書」を発表。「事故の直接原因は作業員の逸脱行為にある」と事故責任を大内さん、篠原さんら三人の労働者に全面転嫁した。
 その後、当時の所長・越島を始めとしたJCO幹部六人を業務上過失致死、原子炉等規制法違反などで起訴し、早期結審=幕引きを狙っている。
 検察官は初公判の冒頭意見陳述で、被曝した現場労働者三人が「転換試験棟での硝酸ウラニル溶液の経験がまったくなかった」「臨界教育を受けていなかった」と認定していながら、大内さん、篠原さんたちをどこまでも犯人扱いにしてはばからない。逆に、事故の根本要因である核武装化路線を推進している日帝政治委員会、核燃料製造の監督・許認可の責任主体である科学技術庁(現文部科学省)・原子力安全委員会、同炉の稼動主体であり核燃料用ウラン溶液発注元の核燃料サイクル開発機構、JCO社長と親会社・住友資本を完全に免罪している。周辺住民の被曝についてはなんら言及せず、切り捨てている。
 臨界事故の真相を闇から闇に葬ろうとする日帝支配階級どものこの階級的大罪を、絶対に許してはならない。

 自衛隊の治安出動と核戦争部隊化許すな

 今日、小泉政権は東海村臨界事故を居直り、戦争国家・核武装国家づくりの動きを急速に強めている。
 臨界事故後、急きょ成立させた原子力災害対策特措法は、日帝の核政策−核武装化政策の推進を目的につくられ、核事故を不可避とするものだ。同時に、首相に緊急事態宣言発令の超法規的権限を与える非常事態法そのものである。
 日帝は、「ゲリラ・コマンドウ対策」「原発警備」を名目に自衛隊の治安出動を容易にしようと狙っている。実際、同法をてこに「原発防災」訓練と称する自衛隊の有事治安出動演習を島根、福島、柏崎、高浜など、全国の原発各地で矢継ぎ早におこなっている。それは、九・一「防災訓練」と同質の、帝国主義戦争・侵略戦争体制構築の攻撃にほかならない。
 また、臨界事故を奇貨とした自衛隊の核戦争部隊化策動の開始は、重大事態である。「核防護」とは、自衛隊が核兵器で武装し、侵略戦争−帝国主義戦争でそれを使用し、侵略対象地帯に乗り込んで占領することを想定したもので、核攻撃のためのものだ。
 日帝は、帝国主義としての生き残りをかけて日米安保同盟に沿う形で、米帝ブッシュの新ミサイル防衛(MD)構想にくらいつき、それをとおして必死に独自の核武装を追求している。防衛庁長官・中谷は「弾道ミサイルで日本は主体的運用を目指す」「わが国独自の情報収集システムをつくりたい」と発言した。宇宙開発事業団など宇宙関連三機関の統合決定、そして核爆弾運搬手段のミサイル転用と直結し軍事偵察衛星と一体となったH2Aロケット打ち上げ強行は、いよいよ日帝が核兵器ミサイルの製造・保有・使用に全力をあげて動き出したことを示している。
 これと連動して日帝は、高純度プルトニウム生産(「常陽」「もんじゅ」→RETF=リサイクル機器試験施設)、プルトニウムの大量生産・蓄積(原発→六ケ所村再処理工場)とその高純度化(東海村のレーザー濃縮技術研究組合)など原爆材料入手に一層突き進んでいる。さらに水爆・中性子爆弾開発としての核融合研究(ITER=国際熱核融合実験炉を口実としたトリチウム確保、大阪大学のレーザー研究)をも追求している。日帝の核武装化攻撃を打ち砕け!
 世界戦争・核戦争の危機と対決し、闘うアラブ・中東人民、アジア人民と連帯し、侵略と戦争・核戦争の根源=帝国主義打倒に総決起しよう。日帝・小泉の先兵=連合指導部を打倒し、既成原水禁運動の破産をのりこえ止揚する反戦・反核闘争、階級的労働運動の大躍進をかちとろう。
 〔河東耕二〕

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週刊『前進』(2024号6面3)

「つくる会」教科書と闘って

 教育労働者と親が手を結んで闘った 神奈川・相模原 教育労働者 T・M

 神奈川・相模原でも地域ぐるみの「つくる会」教科書反対運動が展開された。「日の丸・君が代」反対運動や、教育委員会傍聴行動を続けている市民グループの手によっていくつもの学習会が重ねられた。「教育改革」の攻撃性や「つくる会」教科書の危険性が明らかになり、親と教師、地域と学校が手を結んだ共同闘争の必要性が討論され、実行委員会が組織された。
 六月に「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文さんを招いた集会が開かれ、教育委員会への要請行動や教科書展示会に向けた取り組みが提起された。「市内二カ所の教科書展示会場で独自の展示会を開き、『つくる会』教科書を批判して採択阻止を訴えよう!」と、親と教師がテーマ別にパネルを作成し、写真や戦前の国定教科書を持ち寄って、市民に呼びかけた。
 市議会には「つくる会」側からの陳情が出され、採択をめぐる緊迫感が高まる。七月上旬、西村綾子市議と市民有志は、市役所前での四日間の座り込み行動に立った。「子どもたちのための教科書を!」「『つくる会』教科書を拒否しよう!」と書かれた横断幕を掲げ、炎天下、権力の妨害をはねのけ座り込みを続けた。新聞報道を見て遠く鎌倉から駆けつけ、座り込みに参加した母親もあり、激励とともに署名に応じてくれた市民も多かった。
 いよいよ採択が決定される七月末日、三十数人の傍聴者が市教委の審議を見守った。すでに教科用図書検討委員会で各教科とも二社に絞り込まれていたが、そこには「つくる会」教科書は一冊もなし! ひとまずはホッとした半面、教育委員の議論を聞くにつけ、教科書選定にどこまで教育現場の声が反映されているのか、疑問は大いに残った。
 「つくる会」教科書をめぐって、親と教師が地域ぐるみの運動をつくり出した意義は大きい。この実行委員会は教育基本法改悪阻止に向け、今後も活動を継続していくことを確認した。基地の街・軍都相模原の市民たちの〈戦争につながるすべての動きを許さない〉決意と行動力が大いに感じられたこの数カ月であった。相模原から全国へ、新たな闘いが発信されることは間違いないであろう。

 労働者、部落大衆、在日が各地で共闘 兵庫 民間労働者 小林健二

 兵庫の「つくる会」教科書との闘争は、白表紙本やブックレットを使った学習会から始まった。兵庫県東部−阪神間では、教育労働者、部落大衆、在日、労組活動家の持続的地域共闘が闘いを牽引(けんいん)した。五月一日の尼崎メーデーは、参加労組の提起により、サブスローガンに「『つくる会』教科書反対」を掲げた。街頭宣伝も六月十二日に始め、何回も取り組まれた。六月三十日には八十人の集会が成功した。教組や部落解放運動などでも独自の学習会・集会が行われた。
 淡路島では闘う仲間が島内一市十町に申し入れを行い、採択阻止の道を開いた。川西市などでは地元部落解放運動団体が教委に断念を迫った。西宮市では対市教委交渉を六月十五日から始め、二回目は深夜十二時に及び、粘り強い交渉で採択阻止を決定づけた。
 危機感を持った「つくる会」派は、宝塚市教委に「これまでの教科書は自虐史観」という「教科書改善」の請願を出し(七月五日)、宝塚市教委はこれを採択した。宝塚は八九年の右翼の卒業式乱入以降、「日の丸・君が代」を阻止してきた地であるが、二〇〇〇年以降は教組連合執行部が市教委・右翼団体の攻撃に屈し、卒入学式で「君が代」テープを流すことを容認してきた。この屈服の上に「つくる会」教科書採択を狙ってきたのだ。
 労働者・市民はただちに市教委への抗議申し入れ、独自の請願、ビラまきを行い、またFAX送信を全国の闘う仲間にも訴えた。
 決戦の七月二十五日、傍聴にかけつけた仲間は七十人近く。「つくる会」派も十人くらいが陣取った。四百を超す全国からの抗議に教委は驚きあわて、開始が十五分も遅れた。初めに労働者・市民の「憲法・教育基本法の尊重」という請願が採択された。傍聴者は「つくる会」教科書を採択しようものなら委員席までなだれ込むぞとの気迫で圧倒し、二時間の攻防でついに採択を阻止した。
 こうして県下では一地区も採択されなかったが、西日本で唯一「つくる会」歴史・公民教科書を採択した西宮の私立中学・甲子園学院中学校にも八月末に「使用中止」の申し入れを行った。私たちの申し入れに学院側は動揺し、学院内で今一度協議し、再度交渉を持つことになった。
 二〇〇一年夏の教科書闘争は、小泉政権の戦争国家化を阻止する大衆闘争として、さらに力強く根を張って拡大するであろう。

 3千超の署名集め仙台市で採択阻む 宮城 Y・T

 仙台では「つくる会」教科書の検定合格を受けて、「絶対に採択させるわけにはいかない」と、急きょ署名活動のための実行委員会を結成した。「日の丸・君が代」問題に取り組んできた市民運動が中心になっていろいろな団体に呼びかけ、署名活動が始まった。
 初めての街頭署名は四月十五日。二時間で百二十筆を集め、危機感を持った人が大勢いるという手ごたえを感じた。その後は毎週のように街頭署名を行い、「こんな教科書を使わせてはいけない」と訴えた。
 六月五日夕方には、当日始まった教科書の展示に合わせて、ミニ集会とデモ行進を行った。三十人ほどが集まり、ギターと歌のある楽しいデモになった。六月十二日の世界一斉行動日には、世界七十一カ国百二十五都市行動に連帯し、夕方、街頭行動を行った。
 七月八日には「絶対許さない『つくる会』教科書七・八集会」とデモを八十人の参加で行った。
 その勢いで十日に署名提出行動に立った。宮城県教委に署名の束を見せ、仙台市教委に提出する予定だったが、事前に電話すると県、市とも「採択の最中には特定の人たちには会わない。署名は受け取らない」という返事だった。私たちは「受け取らせるまで帰らない!」と出かけた。署名数は当日朝で二千九百五十筆。なんとか三千筆にしたい、と東奔西走し、昼までに三千九十二筆集めた。
 いざ県教委へ行くと、私たちの意気込みとは裏腹に「非公式」と言いながらも話ができた。申入書については「置いていったことにしておいてください。後で読みますから」と、情けない対応。市教委も「署名は預からせていただきます」と答えた。「教育長、教育委員長に渡してください」という私たちの要求に即答はなかったが、翌週また乗り込んで談判しているうちに「今日中に教育長に渡します」と追加分も受け取った。最終的には三千百二十五筆の署名を提出した。
 仙台では二十四日の臨時教育委員会で「つくる会」は採択されない見込みとなり、二十九日、仙台では他社の教科書を採択することに決定。県下の他七地区でも同様の結果となった。
 「リベンジ」を宣言した「つくる会」に対抗するために、これからの活動の中で力を蓄え、激化する教育への攻撃と闘っていこう。

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週刊『前進』(2024号6面4)

機関紙活動 実践の中から

 読ませたい人対象に3部増 関西地方委員会 A支部

 前期の拡大闘争に向けて、経営局論文の討論をとおして「読ませたい人に」ということで計二十六人を拡大対象に設定して取り組んだ。その結果三人に拡大した。うち新規に獲得した読者が二人、回復した読者が一人である。物販闘争の組合回りの中からつくられた関係で一部、同志の友人関係から一部拡大した。このことは今後の取り組みの方向としてもとても積極的なことだ。
 拡大オルグをした人のうち二人に断られた。残り二十一人についてはオルグしているが結論が出ていないか、またはまだ会えていない。オルグして断られた人は、財政上の問題や体調の関係で読むことができないということであった。しかし、この人たちに真正面から機関紙購読を提起したことによって、政治的関係としてはむしろ新たな関係がつくられつつある。
 減紙が一部あり、前期の取り組みでは結局二部の拡大を実現した。
 同時にこの過程で、細胞としての機関紙活動の原則的強化を実現することができた。紙代の回収、配布、『前進』にもとづく討論、何よりも自分自身がまず『前進』を読み、『前進』で一致すること、そして組織として拡大闘争についての指導・点検の強化、等々を実現した。
 後期に向けては、前期に定購オルグの結論が出ていない対象について、再度一人ひとりについて検討し、組織的討論をきちんと行い、対象を決めていく。機関紙活動の一層原則的な展開を強めることを一つの重要な課題として設定していく。

 報復反対訴え有楽町で5部 東京 労働者 K・S

 九・一一反米ゲリラ戦闘の衝撃もさめやらぬ十六日、米日帝の軍事報復阻止を訴え、有楽町街宣に参加しました。「アメリカの軍事報復反対! 自衛隊の軍事報復への参戦に道を開く有事立法制定に反対しましょう!」と訴え、多くの署名が寄せられました。
 署名してくれた人には、「日本政府は中東の石油利権に食い込むことを狙って、自衛隊を参戦させようとしているのです。中核派の見解を載せた『前進』をぜひ買って読んでください」と訴えました。多くの人が買ってくれました。
 私が『前進』を売った五人のうち四人が三十代の青年労働者でした。「日本の労働者は、やっぱり捨てたものじゃない」と少し感動しました。あと一人は六十歳代の男性で、「新聞を売ってくれ」と自分から寄ってきて買っていきました。
 街宣で実感したことは、想像以上に、日本の人民は「悪いのはアメリカの方じゃないのか?」と思っているということです。真っ向から「軍事報復反対!」と訴えるなら、反戦闘争の火が燃え上がるのは間違いありません。今こそ『前進』を持って労働者の中へ入って行きましょう。

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週刊『前進』(2024号7面1)

恐慌の全面化に陥る日本経済
 電機と自動車が共倒れの危機 不良債権対策も大破産必至に
 島崎 光晴

 世界大恐慌と世界戦争の危機は、「九・一一ショック」によって急加速している。〈反帝・反スターリン主義世界革命の旗のもと、万国の労働者と被抑圧民族は団結せよ〉――革共同が六回大会で提示したこの路線を、今こそ日々の実践で貫かなければならない。この情勢激変下で、日本経済も恐慌の全面化・本格化にのめり込みつつある。電機産業が構造的危機に直面しており、自動車産業も米市場で打撃を受けるのは必至だ。銀行は株安によって九月中間期決算を前に七転八倒し、国債バブルもいつ破裂するかもしれない。小泉「構造改革」は、最大問題である不良債権問題で大破産をきたしつつある。没落する日帝を打倒する時がやってきたのだ。

 「9・11ショック」で世界大恐慌加速

 九・一一を機に、世界大恐慌の進行は急加速するとともに、質的にも一層激化することとなった。すでに九・一一以前の時点で、米経済は恐慌に転落しつつあり、日本経済は恐慌を再激化させ、世界経済は大恐慌の本格化に突っ込みつつあった。その中で起こった九・一一は、株価の暴落を始め、米経済のあらゆる面に破壊的な作用を及ぼしている。何よりも個人消費が激減するのは必至となった。ドルも揺らいでいる。
 つまり、米経済はバブル崩壊によって恐慌に突入するのは必至だったが、九・一一によってそのテンポが早まるとともに、その恐慌がバブル崩壊と「九・一一ショック」という二重の性格を持つに至ったのだ。
 二九年大恐慌も、単なる経済的事象の進展として起こったのではなかった。二九−三三年世界大恐慌の一環としてあった三一年ヨーロッパ金融恐慌は、ドイツによるオーストリアへの経済併合の動きと、それに対するフランスの反発が背景となっていた。
 三一年三月にドイツがオーストリアとの関税同盟を提案すると、フランスがオーストリアとドイツから短期資金を大量に引き揚げたため、オーストリア最大の銀行が破産してオーストリア信用恐慌が発生、それがドイツ第二位の銀行の破産とドイツ金融恐慌に波及していった。大恐慌とブロック化という帝国主義の基本矛盾の爆発は、政治的・軍事的事件に媒介されることで初めて現実化する。
 世界大恐慌と九・一一とが同時に起きているのは偶然ではない。米帝はソ連スターリン主義の崩壊以降、他帝国主義に対する争闘戦を強め、「経済安全保障戦略」をもって世界中で侵略戦争を仕掛けてきた。そうした民族抑圧と凶暴な軍事力の行使、さらには国内での大失業攻撃を要因とし背景として米経済は九〇年代に浮揚し、九〇年代半ば以降にはバブル化した。
 しかし、そのバブル経済は昨年四月の株価暴落をもって崩壊し始めた。米帝ブッシュ政権は、そうしたバブル崩壊のさ中に登場し、大恐慌の到来を見越して、戦争によって生き残る路線に舵(かじ)を切った。ブッシュ政権の国家戦略とは、軍需産業をテコとする経済政策を強めつつ、世界を第三次世界大戦に引きずりこんで自らが延命しようとするものだ。それは、積もり積もった被抑圧民族の米帝に対する憤激を極点にまで高め、ついに九・一一反米ゲリラ戦争が炸裂(さくれつ)したのである。
 今や、世界大恐慌と世界戦争が現実になり始めた。〈第三次世界大戦への道か、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命への道か〉――六回大会で確認したこの歴史的選択が実践的に問われている。

 ITバブル崩壊で急角度の落ち込み

 日本経済は、米バブル崩壊に加えた「九・一一ショック」によって、〈恐慌の全面化・本格化〉を迎えつつある。
 まず、現在の生産の低下は、九七−九八年よりも急角度になっている。鉱工業生産は、七月まで五カ月連続で前月比マイナスとなった。生産のピークから九カ月後の下落率をみると、昨年八月から今年五月までで九%となり、七三年以来、つまり七四−七五年恐慌以来の落ち込みとなった。今年度の名目成長率見込みは三%減で、九八年度の一・一%減を上回って戦後最大の減少となる見通しだ。
 生産の急低下の主因は、米バブル崩壊によって対米輸出が激減していることにある。輸出数量の伸び率は、今年一月から六カ月連続でマイナスとなっている。しかも、九九年から二〇〇〇年にかけて日本国内でもIT(情報技術)バブルが生じていた。株価で見ると、九八年十月に底をつけた後〇〇年二月まで上昇し、二倍以上になった。株価上昇を牽引(けんいん)したのは、NTTグループやソニーなどIT関連株だった。米国ほどではなかったとはいえ、日本でもミニITバブルが発生していた。それが昨年末から崩れてきている。
 そうした米バブル崩壊と日本のミニITバブル崩壊によって、最も打撃を受けている業種は電機産業である。パソコンと携帯電話機で半導体需要の約六割をも占めるが、その両方とも国内外のバブル的需要が崩れている。このため半導体生産が昨秋から激減し、電機産業の利益も今夏から急減している。さらにこのIT失速で、春から夏にかけて半導体製造装置や工作機械など生産財の受注額がマイナスに転じ、夏からはIT向け素材生産も減産に追い込まれている。

 新設の半導体工場が過剰に

 IT失速によって全産業部門が下降しているわけだが、問題はそれにとどまらない。
 第一に、設備の過剰(−資本の過剰)が一層深刻になっている。半導体大手五社は昨年度に過去最高の九千六百億円を投資して半導体工場を増強した。それらの新設工場は今春から本格的に稼働し始めたが、「作るものがない」という状態だ。ITバブル下では投機的に設備投資が拡大したが、実際に稼働し始めた時にはバブルが崩壊しており、結局は膨大な過剰設備に転じてしまった。
 第二に、企業の過剰債務という点でも、従来の建設・不動産・流通の三業種に加え、ITバブル崩壊によって通信業界での過剰債務がつけ加わりつつある。〇〇年度の全産業の有利子負債額は前年度比三%減ったが、通信業界では三六%も増加した。特にNTTグループは昨年、巨額の資金を投じて米欧の通信関連企業を相次いで買収してきた。しかし、NTTが六千億円で買収した米データ通信会社のベリオは、その後に株価が暴落したため、NTTは九月中間決算で四千億円もの特別損失を計上する見通しだ。
 第三に、ITバブル崩壊で、日本の電機産業が収益源の消失の危機にさらされている。国内で半導体メモリートップの東芝は、メモリー事業を分離して、外国の他社と統合する方針を決めた。他の電機大手も半導体生産から撤退しつつある。半導体は八〇年代以降の電機産業の最大の収益源だったが、それが崩れた。では、半導体に代わる新たな収益源などあるのか。電機産業は日本経済の主導的産業だが、それが構造的危機に陥るかどうかの岐路に立っている。
 このような状態のところに九・一一が起きた。対米輸出だけでなく、米国での現地生産も消費激減に直撃される。その代表格は自動車だ。トヨタの海外生産は輸出と同規模だが、日産は海外生産が輸出の二倍、ホンダは三倍近くにもなっている(昨年)。海外生産の中心は米国など米州地域である。米州地域での収益依存度が最も高い自動車産業は、九・一一の衝撃で相当なダメージを受けかねない。そうなると、日本の主導的産業である電機産業と自動車産業が゛共倒れ゜になる可能性すらある。

 銀行経営は最悪化 国債バブルも極限

 金融面でも恐慌が再激化している。まず何よりも株価が歴史的な低水準にまで暴落している。九月初めには、それまでのハイテク株主導の下げから鉄鋼や繊維など内需関連株へと広がった。日本経済の下降が確実になってきたからだ。そこに九・一一の衝撃が加わった。翌日には株価はついに一万円を割り込み、八四年八月以来、約十七年ぶりの水準にまで下がった。
 この株急落で、銀行の株式含み益は消滅し、逆に含み損に転じた。九月二十六日の株価九六四一円で、大手十五行の株式含み損は五兆円に達したもようだ。従来は、株式含み益を吐き出して不良債権を処理してきた。しかし、今やそれが不可能となった。
 それどころか、含み損に転じたことによって、銀行経営は九月中間決算で一挙に悪化する。銀行は、価格が三割以上下がった株式については、評価減少を強制的に計上しなければならない。強制評価減と言われる。また、含み損については六割を貸借対照表の自己資本の中の剰余金から差し引かなければならない。剰余金とは、自己資本のうち資本金や資本準備金以外の部分で、税引き後利益などから構成される。
 今や銀行は、株安による強制評価減の損失を穴埋めしなければならなくなった。本業のもうけである業務純益で、不良債権処理と強制評価減を賄えなければ赤字決算に転落する。その赤字分だけ自己資本が減る。また、剰余金は配当原資であり、剰余金が減ると配当できない銀行も出てくる。公的資金を注入されている銀行の場合、配当できなくなると、国による直接管理銀行に移行する可能性が生じる。要するに大手銀行は、赤字決算と自己資本減少を強いられようとしている。公的資金が投入された九九年初め以来の危機が到来しているのだ。

 量的緩和でもデフレは持続

 このような危機の深まりの中で、日銀の量的緩和策はそれほどの効果を持っていない。日銀は九月には、日銀当座預金の残高目標を「六兆円を上回る水準」に変更し、事実上、資金供給の上限をなくした。この量的緩和の拡大によって、経営が悪化している銀行も資金繰り難に陥ってはおらず、九七−九八年のような破綻(はたん)続出は防がれている。
 しかし、量的緩和の拡大によっても、実体経済には資金が流れていない。銀行が不良債権で痛んでいるため、貸し出しや株式投資などは増やしていないからだ。銀行による貸出残高は減り続けており、その減少幅は量的緩和策後に大きくなっているほどである。銀行の金融仲介機能は低下したままなのだ。
 日帝の量的緩和策の狙いは主に、大量の資金を市場に出してインフレにし、貨幣価値を下げることで企業債務、銀行の不良債権、国家の財政赤字を実質的に軽減することにある。しかしその思惑は完全に外れている。そこで、日帝内から゛日銀はインフレ目標を設けて資金をさらに供給すべきだ。その手段として日銀は株式・社債、さらには土地を直接購入せよ゜との主張が噴き出している。
 しかし、インフレにするのは容易ではない。デフレの最大原因は深刻な恐慌にこそある。恐慌の根本が変わっていないのに、政策でインフレにするのはそう簡単なことではない。「インフレ目標策」にしても、インフレを沈静するために採用された例はあるが、デフレ脱却のために使われた例はない。
 いや、仮にもしインフレ化の動きが出るなら、別の矛盾が爆発する。国債価格が暴落し、国債バブルが崩壊することになる。
 この間、銀行は貸し出しを減らす一方で、国債を購入しまくっている。その結果、国債価格が上がりすぎてしまった。国債価格の上昇で、それと反比例する十年国債利回り=長期金利は現在一%台にまで低下している。価格の高騰によって利回りが一%台にまで下がった例は、バブル期の土地投資ぐらいだ。国債価格は、バブル期の地価と同じような状況にあるわけで、いつまでも続くはずがない。インフレ予測が出るだけで、゛インフレ化→実質金利の低下→名目の長期金利の上昇゜との見込みから国債価格は暴落する。
 国債が暴落すれば、大量に保有している銀行・生保の経営はさらに破滅的になる。゛金利二%上昇で主要銀行の債券評価損は計四兆円゜との試算もある(金融庁)。また、国債暴落=金利上昇は、過剰債務を抱える企業の返済負担を増大させる。恐慌が一段と激化するだけだ。
 日帝にとって、デフレを放置することもできないが、インフレを追求すると国債暴落を引き起こしてしまう、というジレンマだ。いずれにしても恐慌を深める結果にしかならない。一方での解決不能な不良債権、他方での破滅的な国家財政が、日帝をどうにもならない窮地に引きずりこんでいるのだ。

 小泉「構造改革」が失業地獄もたらす

 小泉政権は九月二十一日、「構造改革」の「改革工程表」と「改革先行プログラム」を発表した。「構造改革」のスケジュール案がやっと出たわけだ。しかし、最大問題の不良債権問題については、大破産をさらけだしている。九・一一によって状況が一変し、株安で銀行が含み損に転じているにもかかわらず、それへの対応策とはなっていないのだ。経済官庁幹部すら、「改革が一a程度の進歩にとどまった゛目玉゜不在の船出」とため息をつくほどの代物でしかない。
 具体的には、@そもそも、゛破綻懸念先と破綻先の不良債権について、二〜三年で最終処理する゜という従来の案は、大手ゼネコン・大手流通など゛本丸゜の不良債権を含んでおらず、なんの解決にもならない。九月に破綻したマイカルの場合、要注意先債権として扱われていた。
 Aこのため、今回の「改革工程表」では、金融庁が主要行に特別査察を行い、経営不振企業については破綻懸念先に自己査定して分類するよう、圧力をかけることにした。破綻懸念先に分類すると、貸倒引当金を積み増さなければならない。しかし、含み損に転じてしまった現在、銀行にその余裕はない。
 B既存の整理回収機構(RCC)に公的資金を投入して、不良債権を大量に高値で買い取らせる案も浮上した。しかしあまりの無謀さに、公的資金投入論は後景化し、できるだけ銀行に都合のいい値段で買い取ることとなった。
 C「株式取得機構」については、銀行が株式を機構に売却する際に譲渡益が課税される。銀行は課税の繰り延べを要求したが、ひとまず見送られた。このため、銀行にとって市場で売る場合と機構に売る場合とで大差ないことになる。
 これが不良債権問題についての具体案だ。どこが抜本的解決か! こんな内容しか出せないのは、゛不良債権は手に負えません゜と自認したに等しい。小泉は「構造改革なくして景気回復なし」と言ってきた。しかし、その「構造改革」の最大の柱である不良債権問題で、大破産し始めた。日帝はこの絶望的な状況下で公的資金の大々的投入の衝動をつのらせているが、絶対に許してはならない。

 労働者の団結で11月集会へ

 日帝ブルジョアジーは不良債権問題を解決できない。にもかかわらず、一部の不良債権の最終処理に手をつけるだけで、大量の企業倒産と失業が発生する。連鎖倒産やリストラを含めると二百万−三百万人も失業者が増える、との試算もある。すでに、完全失業者に、求職をあきらめた潜在的失業者を加えた実質失業者は七百五十万人で、失業率は一〇・四%に達している。小泉「構造改革」は一千万人もの大失業を生み出すものなのだ。
 いや、不良債権処理がまだ本格化していない現在、すでに電機企業での大リストラ、銀行による企業への融資の選別、建設業・流通業での中小企業の倒産が始まっている。政府が゛弱小企業の切り捨て゜の大号令を発しているからだ。そこに不良債権が本格化すると、今以上の失業地獄が襲いかかることになる。政府の言う「雇用のセーフティネット(安全網)」など、なんの実質もない。
 逆に、労働法制改悪で、終身雇用制を解体し、労働者の団結を破壊し、労働者の階級性を解体しようとしている。その狙いは、アフガン−中東侵略戦争に日本の労働者人民を動員していく攻撃と、完全に一体だ。
 このような日帝はもはや打倒する以外にない。日帝のアフガン−中東侵略戦争への参戦、小泉政権による「構造改革」と大失業を、労働者の団結で打ち砕こう。ここが正念場だ。十一月労働者集会の大結集をなんとしても実現しよう。

 一口解説

 ◆自己査定◆

 銀行は年に二回、債権について回収できるかどうか査定して分類している。これが自己査定。銀行が自発的に実施する。金融庁の検査マニュアルを一定の基準にするとしているが、実際は不良債権を隠している。
 銀行は、貸出金が回収不能になる場合に備えて貸倒引当金を積む。回収が困難になるほど、引当金を増やす必要に迫られる。債権額に対する引当率は、破綻先・実質破綻先が一〇〇%、破綻懸念先が七〇%、要管理先が一五%、要注意先が二−五%。
 引当率をより小さくするために、破綻懸念先でも要注意先として分類していることが多い。このため、要注意先から経営破綻が続出する事態となっている。

   問題債権の分類 (01年3月期、兆円)
 破綻先・実質破綻先  11・8  不良債権
 破綻懸念先  19・4
 要管理先  13・3
 要管理先以外の要注意先  96・3  

 

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週刊『前進』(2024号7面2)

10・3〜5狭山連続行動へ

 部落解放同盟全国連合会と部落解放共闘は、狭山異議審の棄却攻撃の切迫と対決し、十月三日(水)、四日(木)、五日(金)の三日間、東京高裁前座り込み―連続要請行動に断固として決起する。
 この闘いは、東京高裁・高橋省吾裁判長が真実と正義を踏みにじり、部落差別の階級意志をむき出しにして、無実の石川一雄さんの異議申し立てを棄却しようとしていることに対する徹底糾弾の闘いである。
 九九年七月の高裁・高木の再審棄却決定は、「筆跡が違っていようと、石川が犯人だ」とか「指紋が検出されるとは限らないことは裁判所には顕著な事実」などという、およそ裁判の名に値しない暗黒の差別判決だった。にもかかわらず高橋裁判長は、事実調べを行えという石川さんと全人民の正当な要求を圧殺し、差別判決の維持のためにのみ棄却を狙っているのだ。
 高木棄却決定以来二年間大衆行動で棄却を阻止してきたが、米日帝の中東侵略戦争攻撃の強まりのもとで事態は切迫している。連帯し、ともに決起しよう。

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週刊『前進』(2024号7面3)

 改憲阻止決戦シリーズ

 今、問い直す侵略と戦争の歴史 第2部 15年戦争の末路(7)
 広島・長崎に原爆投下@ 繰り返してはならなぬ地獄図

 一瞬で街が消滅

 一九四五年八月六日、米軍機エノラ・ゲイ号は高度九千六百bで原爆(ウラン型)を投下。原爆は午前八時十五分、大手町(当時細工町)島病院の上空で爆発した。さらに三日後の八月九日午前十一時二分、長崎市松山町にある現在の原爆中心碑の上空で、二発目の原爆(プルトニウム型)が爆発した。原爆はものすごい閃光(せんこう)を発し、巨大な火球となって広島・長崎の街を一瞬の内にのみ込んだ。その後、キノコ雲が一万bの上空まで巻き上がった。
 「マグネシウムを焚(た)いたような青白い光が顔にぶち当たったかと思うと、ダダダダという耳も裂けるような大音響とともに、あたりは一寸先も見えない暗闇(くらやみ)となった」「さっきまでの広島市の面影はなく、家屋は倒壊し、暗黒の砂漠と化した街々から燃え上がる火の手のみが、夜のように真暗な広島の空を赤々と照らしていた」「あたりは人影一つなく、時々どこからともなく猛獣のようなうめき声が聞こえてくるだけだ」「髪の毛は一本もなく、やけただれた顔は血で真赤に染まり……水を求める老人、助けを求める幼児、無意識に両親兄弟の名を呼ぶ学生、死んでいる赤ん坊を片手でしっかりと抱いてうつぶせになって苦しそうにうめき声を上げているどこかの母親……」(長田新編『原爆の子』より引用)
 たった二発の原爆で一瞬にして広島・長崎の街は消滅した。戦闘員・非戦闘員、老若男女を問わず広島十四万人、長崎七万人の市民が死亡した。広島市と長崎市が五一年に作成した「国連に対する要望書」によれば、四五年十一月までの死亡推定数は、一般人が三十一〜三十二万人、軍人が約四万人以上と言われている。
 髪の毛が逆立ち、手の皮膚が焼け爛(ただ)れて垂れ下がり、目玉が飛び出した者。火群(ほむら)。首のない赤子を背負う母親、死んだ母親の乳房にすがりつく幼児。やがて傷口に蛆(うじ)が湧(わ)き、生きた人間の肉体を蝕(むしば)む。
 死体は昼夜分かたず焼かれ、死体の山の中から生きた人間の断末魔の叫びが上がったとの証言もある。
 阿鼻叫喚(あびきょうかん)。それはまさに二度とくり返してはならぬ「地獄図」であった。しかも、八月六日、九日だけで終わったわけではなかった。肉親を失った悲哀や贖罪(しょくざい)感。原爆孤児、原爆孤老になったもの…。

 半世紀後も被害

 後障害とは四六年以降に見られる原爆による障害を言い、主な疾患は、悪性腫瘍(しゅよう)、原爆白内障、染色体異常(リンパ球や骨髄細胞)などである。五〇年の国勢調査では、被爆生存者は広島十五万八千五百九十七人、長崎十二万四千九百一人が確認されている。さらに直接被爆に加えて残留放射線による二次被爆も含めなくてはならない。被爆者は急性障害だけでなく放射線による後障害で、今日まで半世紀以上なお、日々、核と帝国主義に殺され続けている。
 原爆症の爪痕(つめあと)は被爆二世にも及んだ。六〇年、十三歳の本木克行君が白血病で死亡した。原爆の遺伝的影響による最初の被爆二世の死と見られる。父親が直接被爆、母親は八月七日に広島入りしている。
 六六年、長崎大の糸賀助教授は「被爆二世の白血病発病率は普通児童の三倍」と発表した。ABCC(原爆傷害調査委員会、現在の放影研)はこれを否定しつつ「長期観察の必要」を認めた。ABCCの「観察」目的は核兵器の効果調査であり、被爆二世を被爆者同様モルモット扱いにするものだった。

 原爆の破壊力

 原爆は原子核に高速中性子を衝突させて核分裂の連鎖反応を起こして生じる巨大なエネルギー(熱線、爆風、放射線)を一挙に放出させ、瞬時に広範囲のものを破壊・殺傷する威力を持つ。
 @火球と熱線 原爆は約三秒間に、百万度の巨大な熱線を放出し、爆心地の表面温度は三千〜四千度と想像される。この熱線で爆心地から一`内の遮蔽(しゃへい)物のない場所にいた人の表皮は炭化し、ある者は内臓まで熱傷障害を受け、ほとんどが即死または数日内に死亡した。三・五`範囲の人は衣服の露出部だけでなく、衣服を通して熱傷を負った例もあった。
 A衝撃波と爆風 原爆の爆発とともに数十万気圧という超高圧の気体が生じ、衝撃波は音速以上の早さで爆発から約十秒後に約三・七`まで達し、なお窓ガラスを破壊させる力があった。広島で投下された原爆は高度五百八十b前後(長崎は高度五百三b前後)で爆発し、マッハ効果で被害が甚大となった。(マッハ効果とは、空中から地面に入射した衝撃波と地面で反射された反射波とが干渉し合って強い水平力を作用させる効果のこと)
 広島の爆心地での最大風速は秒速四百四十b。約二・三`離れた御幸橋付近でも秒速四十五bの爆風が吹き、木造建築物は倒壊し、石造りの欄干(らんかん)を全部倒した。熱線と爆風と火災の相乗作用で半径二`以内のものはことごとく灰燼(かいじん)と化し、半径三`以内でも九〇%以上の建物が焼失・破壊された。長崎も地形が違うがほぼ同様である。
 B初期放射線 爆発から一分以内に放出される放射線にはα線、β線、γ線、中性子線がある。特にγ線と中性子線は透過力が強く、人体や動植物の内部まで影響を及ぼした。被爆の翌々日の八日に広島入りした仁科博士は、糜爛(びらん)の内臓を取り上げ「原爆による内臓破裂」と指摘した。
 C残留放射線 誘導放射能と放射線降下物に大別される。広島の原爆資料館に保存してある「黒い雨」の跡が残るしっくい壁から今年五月にもウラン235が検出され、被爆直後に降った雨に濃縮ウランが含まれていたことを裏付けた。
 現在世界にはこの広島・長崎の何倍もの威力を持つ核兵器が二万発以上存在し、二十一世紀に持ち込まれた。ヒロシマ・ナガサキの「地獄図」をけっして再現させてはならない。
 (吉島幸夫)

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週刊『前進』(2024号8面1)

池田小事件を利用した保安処分の新設を許すな
 差別分断のりこえ真の共同性奪還を
 関西「障害者」解放委員会 吉村 隆生

 「病者」の人権否定する差別キャンペーン

 池田小での事件を口実にした小泉政権とブルジョアマスコミの差別キャンペーンほど許せないものはなかった。
 小泉は直ちに刑法改悪・保安処分新設を命令し、マスコミは連日連夜、「精神病者」は犯罪予備軍であるというでたらめきわまる差別キャンペーンを展開し、「病者」の人権を侵してでも保安処分が必要だと主張した。それは「病者」には基本的人権の保障は必要ないとするものだった。
 このような「病者」を人間外の存在とする差別キャンペーンを断じて許すことはできない。
 ブルジョアジーは、この事件を最大限に利用し、労働者人民を「病者」差別に動員し、階級性を解体し、差別分断支配に組みしこうとした。あたかも「病者」に犯罪素因があるかのような百パーセントのデマを流し、「危険な病者」が社会にいるから事件が起こったと、隔離・収容・抹殺の必要性をキャンペーンした。
 「病者」と犯罪を結びつけることにはなんの科学的根拠もなく、完全なデマゴギーなのだ。私たちは、小泉を先頭として行われてきたこの差別分断攻撃を断じて許すことはできない。
 しかし同時に、この池田小事件はなんぴとたりとも許すことのできないものだということもはっきりさせなければならない。それは帝国主義の極限的矛盾を背負った容疑者が、弱い者に向かって矛盾を噴き出したということだ。帝国主義の腐敗の極致であり、容疑者における階級性の解体の行き着いたところだ。帝国主義による労働者人民への階級性解体攻撃の極限的現れだということだ。
 今回の事件が「心神喪失」や「心神耗弱(こうじゃく)」ゆえの犯行だとしたら、刑罰ではなく、まず医療的支援が必要とされなければならない。「心神喪失」ゆえの犯行を罰しても、なんの解決にもならず単なる復讐にすぎない。なぜならば、「心神喪失」というのは、本人の意志とはまったく関係がなく、無意識に行うことであり、罰せられるからやめておこうという意志が働く状態ではないからだ。
 多くの「病者」が、自分はこういう犯罪をしないかとパニックに陥った。自分も「錯乱状態」になった時に、こういう犯罪をしないという保障はどこにもないからだ。「錯乱状態」に陥ったことのある「病者」なら誰しもが、自分の意志とは無関係な行動をした経験がある。私も含めて、多くの「病者」が、行われた犯罪は絶対に許せることではないという気持ちと、自分がまったく同じことはしないかもしれないが、似たようなことをしないという保障はどこにもないという葛藤(かっとう)の中にいる。
 同時に、この事件を考える時、小泉を始め帝国主義者にこれを弾劾する資格はないことを強調しなくてはならない。事件の要因が帝国主義の矛盾であることははっきりしている。しかも、アジア人民虐殺の張本人である日本帝国主義には、この犯罪を批判するような権利は一切ないということだ。
 数億人のアジア人民に塗炭の苦しみを強制し、二千万アジア人民を虐殺したのは一体誰だ。岸信介を始めとする戦犯ではないか。その戦犯によって作られた自民党や、今、アジア人民虐殺を正当化する「つくる会」教科書を強制しようとし、アジア人民虐殺の張本人たちを神として祭っている靖国神社を参拝し、再びアジア侵略戦争を準備している小泉に、この犯罪を弾劾する資格が一体あるのか。帝国主義者に人道を語る資格は一切ないのだ。

 帝国主義こそが「精神病」の原因作り出す

 帝国主義のもと、生産様式の高度化に従って、労働者にとってますます単純化し、専門化する労働、その肉体的・精神的極限化、そのために生じるプロレタリア家庭の崩壊、競争を子どもの時から強制することによる子どもの成育と教育の破壊、それらが「精神病」の原因となるものだ。ありとあらゆる共同体が破壊されたあげくに「精神病」の発病はある。
 精神病院・精神医療は、病気の原因をなくすのではなく、せいぜい対症療法を施すしかない。
 帝国主義が今や末期的危機を迎え、労働の疎外を極限化し、大量の失業を生み、教育の破壊を極限化し、プロレタリア家庭を破壊し、帝国主義戦争、侵略戦争という疎外の極致に労働者人民を動員しようとしていることは、ますます多くの「精神病」の原因を作り出すのだ。
 帝国主義は「精神病」をますます大量に作り出しながら、その解決は帝国主義によっては不可能なのだ。帝国主義的解決とは、「精神病者」の予防拘禁であり、精神病院の終末処理施設化であり、一九三〇年代的な「精神病者」の抹殺・虐殺なのだ。そして、そのことに労働者階級を動員することで階級性の解体と差別分断支配を行い、労働者をしてアジア人民を虐殺できる主体として作り変え、積極的に侵略戦争に動員しようとする。
 だから、帝国主義は「病者」問題を解決するものではなく、よりいっそうの発病に労働者人民を追い込みながら、労働者階級への支配と動員のてこにしようとするのだ。

 無期限の隔離収容すら狙う保安処分新法

 今、帝国主義者はなんと言っているのか。
 小泉は刑法改悪で保安処分を新設せよと叫び、法務省・厚生労働省と首相官邸の合同案として、保安処分新法の制定が狙われている。それは、「再犯予測」に基づき「精神病者」を隔離収容するというものである。「再犯予測」など医学的、科学的に不可能であると言われる中で、「再犯可能性」がなくなるまで収容するということは、エンドレスに死ぬまで収容しておくということ以外の何ものでもない。今の措置入院でさえそういう傾向は強くあるのだ。
 今は「再犯」と言っているが、必ず、初犯で重大事件を起こすこともあるという論議に行き着き、すべての「精神病者」に対する予防拘禁にいたることは必至なのだ。
 さらに、今回の事件を起こした容疑者が、前回の事件の時に付けられた診断名は「人格障害」である。新たにつくられる保安処分も「人格障害」を含んだものになろうとしている。
 「人格障害」というのは、性格・性質・思想の次元の問題をあたかも精神医学上の問題であるかのようにラベリングしたにすぎないでたらめきわまる概念である。例えば「反社会性人格障害」の診断基準は、ある医学書によれば、@違法行為を行う、A偽名を使う、B暴力を繰り返す、C向こう見ずである、D良心の呵責(かしゃく)が欠如している、などのうち三つがあてはまり、十五歳までに規則に従わないなどの傾向があった者となっている。これは政治犯など反体制的な人びとを指していることは明らかだ。
 当然のこととして、「人格障害」に治療法は存在せず、これもエンドレスの収容となる。
 ここに小泉政権の反革命的飛躍性がはっきりと現れている。
 保安処分そのものは戦後になってからでも四十年前から言われていたもので、今年になって法務省と厚生労働省の合同検討会も開かれている。小泉政権にとってはかねてから準備したものをここで出してきたという面が一方ではある。
 しかし同時に、今までの論議を飛び越えて、一気に反革命体制を築くための帝国主義的飛躍という面が確実にあるのだ。歴代自民党政権とも違った反革命的跳躍性がはっきりあることを見なくてはならない。
 歴史的に、さまざまな反対の中で、保安処分をつくることができないでいたのを小泉がここで一気につくろうとしているのはなぜか。
 それは小泉政権が、世界恐慌の中での唯一の延命の道をアジア侵略戦争、帝国主義戦争に求めて身構えているからだ。戦争を実際に行うために、城内平和をいかにして築くのかという観点から、「精神病者」と革命家という、社会に刃向かうと見なす者を一掃することを目的としているのだ。
 戦争を行うのに何が必要かということを、小泉は帝国主義者として見据えているのだ。

 帝国主義打倒 共産主義実現こそ解放の道

 私たちは、このような保安処分新法の制定に断固反対し、帝国主義を打倒する中で、「精神病者」解放の道を探るのでなければならない。
 「精神病」が社会の中での労働の疎外と職場からの放逐、家族関係を始めとするありとあらゆる共同性を剥奪(はくだつ)する中で生じる病気である以上、その解決は、共産主義の実現による豊かな共同性の奪還の中にしかないことは明らかだ。
 もとより私たちは「障害者」の解放をかちとるという立場であり、「障害」がなくなることが「障害者」の解放だという「『障害』からの解放」論に立つものではない。しかし、「精神病」ゆえの「錯乱状態」をどう解決するのかという、いま「病者」の陥っている葛藤への回答を持つのでなければならない。
 確かに、革命によっても「錯乱状態」ということを直ちに解決することにはならないだろう。だが、共産主義こそが唯一の解決の条件を与えるものなのだ。
 池田小事件の教訓とすべきことは、今の帝国主義社会の中での解決はまったく不可能なことをはっきりさせることだ。そして、「病者」差別の元凶である小泉反革命政権を打倒し、帝国主義の打倒と共産主義の実現の中で、「病者」と労働者が共同性を奪還していくということでなければならない。
 すべての「病者」が、唯一の解放の道であるプロレタリア革命の主体として、自己解放闘争に決起しよう。すべての労働者階級人民は、保安処分新法を阻止する闘いにともに決起し、その中で帝国主義の差別分断支配をのりこえ、真の共同性を奪還し、豊かな共産主義社会をかちとろう。
 差別と戦争への反革命的飛躍を行う小泉政権を打倒する闘いにともに決起しよう。

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週刊『前進』(2024号8面2)

団結固め勝利へ 9・14反弾圧闘争 労働者200人がデモ

 九・一四反弾圧闘争が十四日午後六時半から東京、赤坂の桧町公園で開かれた。
 九・一四反弾圧闘争は、一九七六年に争議団に対して集中的に大量刑事弾圧がかけられ、これに共同反撃する闘いとして出発し、今年で二十六回目となる。四半世紀の闘いを経て二十一世紀に突入する中、九・一一反米ゲリラを契機とした世界戦争の危機と、小泉の戦争国家化攻撃・刑事弾圧の激化を粉砕し、闘争勝利を誓う場となった。
 集会には全国の争議団や闘う労働者約二百人が結集した。最初に「破防法・組対法に反対する共同行動」と検問弾圧粉砕の闘いに決起した「憲法と人権の日弁連をめざす会」の弁護士があいさつした。そして、狭山差別裁判と闘う石川一雄さんと、三里塚芝山連合空港反対同盟からのアピールが紹介された。
 続いて、全国の争議団がずらりと並びそれぞれの闘争報告と決意表明を行った。争団連の代表が「ブッシュ政権は、九・一一を逆手にとって世界を戦争に導こうとしており、小泉はアメリカの武力報復を支持すると暴言を吐いている。全世界的レベルで労働者の闘いへの弾圧が激化しようとしている。洋書センター弾圧、加部闘争弾圧、東工大OB弾圧などのこの間の弾圧は、組対法型の弾圧だ」と基調報告を行った。その後、刑事弾圧と闘う仲間たちと「処遇困難者病棟」新設阻止共闘会議の代表の発言があった。最後に「戦争国家化とビッグレスキューに反対する決議」と「保安処分新設に反対する決議」の二本の決議が全体の拍手で確認された。
 集会後、日比谷公園まで「弾圧粉砕、闘争勝利」のかけ声をかけながら戦闘的デモを貫徹した。解散地での集会では、動労千葉の代表が、九・一一を契機にしたブッシュや日帝・小泉の戦争挑発に労働者階級こそ断固として闘おうと熱烈な発言を行って、今後の闘いの方向を示した。
(投稿 N・T)

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週刊『前進』(2024号8面3)

組対法反対共同行動 組対条約・司法改革阻止 第1波デモ闘う

 九月二十日、破防法・組対法に反対する共同行動は、国際的組織犯罪条約の批准阻止、「司法改革」反対に向けた霞が関第一波デモに決起した。
 共同行動の労働者ら四十人は、正午から日比谷公園霞門で前段集会を開き、「憲法と人権の日弁連をめざす会」の藤田正人弁護士があいさつに立った。
 藤田弁護士は、「小泉は構造改革の一環として民事・刑事司法を抜本から見直すと宣言した。これは弾圧と改憲、戦争のできる国づくりが狙いだ。今秋国会に司法改革推進法を出し、推進本部をつくろうとしている」と、「司法改革」攻撃の切迫に警鐘を鳴らし、この日開かれる゛司法改革に反対する弁護士・学者・労働者・民衆の集い゜への圧倒的参加を訴えた。
 集会後、沿道の労働者らが注目する中、共同行動は戦闘的デモを貫徹した。
 組対条約批准は新たな治安法制定・改悪の攻撃であり、「司法改革」は近代裁判制度の解体だ。この日の闘いを出発点として、戦時治安体制構築の絶対阻止へ、全力で闘い抜こう。

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