ZENSHIN 2001/10/15(No2025 p06)

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週刊『前進』(2025号3面1)

日帝・自衛隊の侵略出兵を阻止せよ
米軍支援法、自衛隊法改悪は第三次世界大戦への道だ!
 10・21国際反戦闘争に総決起を

 日帝のアフガニスタン・中東侵略戦争参戦を絶対に許すな。これは「軍事報復」「テロ根絶」を名目とした残虐な帝国主義的侵略戦争である。日帝・小泉は「テロ対策特別措置法」(米軍支援法)案、自衛隊法改悪案の成立をもって、アフガニスタン・パキスタン侵略戦争に全面的に参戦しようとしている。これら戦争法案を絶対に阻止しよう。
 米帝ブッシュは九月二十日の議会演説で「必要なすべての武器を用い」「これまで経験したことのない長い作戦」を行うと核兵器使用を含めた総力戦を宣言し、アフガニスタンを始めとした中央アジアを制圧するための民族抹殺戦争に踏み切った。
 米帝は、この戦争でタリバン政権を転覆=親米政権を樹立し、他帝国主義、ロシアとの争闘戦にうちかって、中東支配の再編と石油支配、中央アジアにおけるパイプライン敷設の独占を狙っているのだ。
 この戦争は、民族解放闘争の爆発と帝国主義間争闘戦の激化をもたらし、ロシア・中国などをも巻き込んだ中東・アジア全域に広がる泥沼の侵略戦争に拡大していかざるをえない。これは第三次世界大戦の扉を押し開くものだ。
 日帝・小泉政権は、米帝が激しい対日争闘戦の質をもって対米支援要求を突きつけたことに対して、「湾岸戦争の二の舞いをくり返すな」「戦場に日の丸を立てろ」と、この不正義の侵略戦争に参戦し、ここで戦争国家への大転換を成し遂げようとしている。すでに日帝は、在日米軍基地、日本を米軍の出撃基地として提供し、米艦隊の護衛を行うなど超法規的に集団的自衛権行使へと踏み出した。

 他国で戦闘に突入

 米軍支援法案は、周辺事態法をもはるかに飛び越えて、他国領土(パキスタン)に自衛隊を派兵し、他民族虐殺の侵略戦争に踏み込むものである。これは敗戦帝国主義日帝が戦後史を根底的にくつがえして侵略戦争に突進するものであり、憲法第九条破棄の大攻撃である。
 @同法案は自衛隊の活動地域を日本領域、公海だけでなく、「当該外国の同意」を条件にして他国領域にまで広げた。また武器・弾薬についても輸送、補給ができるとした。
 同法案が成立すれば、難民支援、医療支援、米兵らの捜索・救助、物資の輸送や補給などを理由に、アフガニスタン侵略戦争の最前線基地となるパキスタンに自衛隊が武装してのり込むことになる。また、かいらい政権をデッチあげて、アフガニスタンにも行くということだ。
 すでにパキスタンでは各地で反米デモが吹き荒れており、九月二十一日にはパキスタン最大の都市カラチで警察部隊の発砲により、デモ隊四人が射殺され、百人以上が逮捕されている。アフガニスタン侵略戦争が始まれば、武装闘争や内戦が起こるのは不可避だ。
 Aそのため同法案は武器使用基準を大幅に拡大し、本人と他の自衛隊員の防護のためだけではなく、「職務上自己の管理下に入ったものの生命・身体の防護」のためにも武器使用できるとしている。自衛隊は、米軍の友軍=侵略の軍隊としてパキスタンに乗り込み、「自衛隊員や武器の防護のため」「難民や米軍などの傷病兵の防護のため」と、民族解放闘争に立ち上がったパキスタン人民、アフガニスタン人民を虐殺しようとしているのだ。
 九月二十四日、小泉は「自衛隊は危険なところに出してはいけないということでは話にならない。危険が伴っても、自衛隊に貢献してもらう」と公言した。小泉は自衛隊員に「国のために死ね」「アフガン人民、パキスタン人民を殺せ」と言っているのだ。
 B米軍支援法が定義する「戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで活動が実施される期間を通じて戦闘が行われることがないと認められる」地域というのは大ウソだ。野戦病院や難民キャンプは戦場付近、国境付近に設置されるのであり、自衛隊はいつでも戦闘地域となりうる場所で活動するのだ。そもそも米兵に医療を施し、戦闘要員として回復させることは戦闘行動の一環である。野戦病院は後方支援組織ではない。PKO協力法案の制定をめぐる議論でも「武力行使との一体化」の恐れがあるとの内閣法制局見解が示されたものだ。
 Cまた日帝は護衛艦、補給艦、P3C哨戒機などを派兵し、インド洋で米軍支援の「海上自衛隊艦隊」を編成しようとしている。この海自支援艦隊は米軍の武器・弾薬などの輸送や給油、修理・整備、通信などを行い、アフガニスタン人民への爆撃、大虐殺に手を貸そうとしている。航空自衛隊のC130H輸送機はディエゴガルシア島を拠点にパキスタンの内陸基地まで物資を輸送するという。
 Dまた同法案では自衛隊の作戦展開は、内閣総理大臣を始めとした参謀本部が基本計画を決定=実行し、国会の承認を必要とせず、事後報告でよいとしている。統合幕僚会議が海外で初めて自衛隊三軍を統合運用する。
 これは日帝の本格的な参戦であり、日帝・軍部の戦争突撃への絶えざるエスカレーションの始まりだ。「二年の時限立法」というのは、侵略戦争が続いていれば延長するというごまかしだ。

 無制限の武器使用

 これと同時に自衛隊が在日米軍施設の警護を行う自衛隊法改悪が行われようとしている。治安出動時の自衛隊の武器使用はこれまで警察官職務執行法を準用するとしてきた。同法は、自衛隊員が治安出動や警護出動などを行う際に「合理的に必要と判断される限度で」いくらでも武器使用を拡大できるようにした。自衛隊の秘密保持のための罰則も強化している。
 またこれと一体で、陸上自衛隊に数百人規模の特殊部隊を創設、さらに「テロ制圧能力の一層の向上」のためと称して、警察機動隊にも千丁の自動小銃が配備されるという。まさに戦時体制への大転換が始まっているのだ。
 すでにアフガニスタンでは国連の食糧支援がストップし、約百万人の国内避難民が餓死の危険にさらされている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の羽生勇作副所長は「米軍が攻撃を始めれば、最大で七百万人が飢餓に瀕する恐れがある」と警告している。もうこれ以上、帝国主義の侵略と虐殺を許すわけにはいかない。
 まさに自国帝国主義の民族抑圧と侵略戦争に対していかなる態度をとるのか、が日本人民に問われているのだ。「この二十年間に約二百万人のアフガニスタン人民が殺された。テロ事件まで、世界は見向きもしなかった」(アフガン人医師)という怒りを受け止めよう。一人のアフガニスタン人民も殺させるな。
 全学連を先頭に国会闘争に立ち、米軍支援法案、自衛隊法改悪案の成立を阻止しよう。米軍・自衛隊の出撃阻止の現地実力闘争を闘い、国際反戦闘争の爆発をかちとろう。十・二一闘争に総決起しよう。

■2法案の骨子
【テロ対策特別措置法案】

一、二年間の時限立法。継続が必要な場合は二年延長
一、活動地域は日本領域、公海、外国領域(当該外国の同意が必要)で、現に戦闘が行われておらず、行われることがないと認められる地域
一、実施内容は協力支援活動―米軍等に対する物品及び役務の提供(補給、輸送、修理・整備、医療、通信など)、捜索救難活動、被災民救援活動
一、基本計画の決定・変更時にはその内容、終了時には結果について国会に報告
一、武器使用は、自己と隊員、職務上管理下に入った者の、生命・身体の防護のためやむをえない必要がある場合
【自衛隊法改悪案】
一、首相は、米軍施設警護のために自衛隊に警護出動を命じる
一、警護出動時、治安出動時、武装工作員鎮圧のため、自衛隊員は合理的に必要と判断される限度で武器使用が可能
一、自衛隊員の秘密保持のため罰則を強化

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