ZENSHIN 2002/01/01(No2036 p16)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2036号5面1)

“獄中同志はわが分身” 12・15奪還大集会
 600人が共同の誓い 天田書記長が提起と決意

 12月15日、革共同の主催で、無期・爆取攻撃と闘う長期獄中同志奪還大集会が東京・目黒区民センターで開催された。獄中同志奪還闘争の高揚に恐怖する警視庁公安部とカクマルの卑劣な妨害を粉砕して、全国から600人が結集した。
 獄中同志の家族、同志、友人、支援者たちが熱い期待を込めて注目する中で、天田三紀夫書記長が獄中同志奪還に向けた革共同の固い決意を表明した。
 第一に、これまで救援の先頭に立ってきた家族、弁護士、宗教者、支援の皆さんへの深い感謝を述べるとともに、星野文昭同志、須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志、福嶋昌男同志の5同志の奪還へ向けて、革共同は今後、労働運動、反戦運動に注いできたのと同じ力を注ぐことを断固として表明した。「5同志を始め、倉持嘉之同志、片山武夫同志、浦山正博同志などの全獄中同志は、われわれ自身の分身として獄中闘争を闘っている」と確認し、書記長自身が先頭に立って獄中同志を奪還する決意を明らかにした。
 第二に、9・11を帝国主義国の労働者階級人民に対する糾弾・弾劾として受けとめ、闘うイスラム諸国人民との連帯を掲げ、党の飛躍をかけて決起すべき時が来ている。そのためにも労働運動、反戦運動、獄中同志奪還の運動で党が自己変革をかちとり躍り出なければならないと提起した。
 第三に、星野同志は70年安保・沖縄決戦における機動隊せん滅を含む蜂起戦的な大衆的武装闘争の最先頭で闘った。国家権力は政治的報復として星野同志にデッチあげ殺人罪による無期刑を事実上の終身刑にしようという絶対に許せない攻撃を加えている。これをはね返すための党の闘いのあまりの立ち遅れに対する星野同志の弾劾を真摯(しんし)に受けとめ、無期攻撃の重さに全力で立ち向かい、必ず再審をかちとり奪還する決意を表明した。
 第四に、爆取デッチあげ弾圧と闘う4同志の早期保釈奪還を宣言した。
 80年10・30対カクマル戦闘勝利の上に展開された80年代の革共同の対権力武装闘争はすさまじい打撃を権力に与えた。これに対して権力は、爆取4同志に一切の責任を負わせて獄中から出さないという人質攻撃に出てきている。これは4同志の肉体を破壊し、革共同を壊滅する攻撃である。これを容認することは絶対にできない。爆取と監獄制度を粉砕するために党の全力を傾注しよう、と訴えた。
 書記長は最後に、5つの具体的方針を提起した。

 @星野同志救援・奪還運動を広くつくりだすために、救う会を全国・全地区でつくろう。権力の監獄制度を弾劾し、再審を開始させ、大衆闘争の力で実際に星野同志を奪還する可能なあらゆる闘いをつくりだそう。奥深山幸男さんを防衛し、免訴をかちとろう。
 A爆取4同志を取り戻すために、10万人保釈署名を必ず実現しよう。裁判闘争に勝利し、地裁を揺るがす闘いを実現しよう。
 B獄中同志の家族防衛のために全力を挙げよう。
 C獄中同志奪還1億円基金運動に総決起しよう。
 D02年5月に再度獄中同志奪還集会を行い、その壇上に4同志を迎え、星野同志奪還へ突き進もう。

 全党がともに総決起することを訴える気迫のこもった提起を満場の拍手の嵐(あらし)で確認した。
 革共同からの提起に先立ち、反権力、反弾圧の闘いをともに担ってきた人びとからの連帯のあいさつが行われた。
 救援連絡センターの山中幸男事務局長が「星野さんの奪還をぜひともかちとりたい」とあいさつした。労組交流センターの三角忠さんは、「星野さんらが獄中闘争を闘いぬいている地平の中に、新しい階級的労働運動を築き上げる基礎がある」と述べた。憲法と人権の日弁連をめざす会の鈴木達夫弁護士は、「司法改革という戦時司法の攻撃が迫っている。今闘わなければ明日はない」と訴えた。
 破防法・組対法に反対する共同行動の小田原紀雄さんは、「革共同だけの問題としてではなく全人民への弾圧をはね返すために闘うべきだ。救援戦線の大衆的拡大を今こそ真剣に考え、党のこれまでのあり方を変革してともに闘ってほしい」と訴えた。
 三里塚反対同盟からは萩原進さんが「獄中同志に深い敬意を表する」と述べ、三里塚闘争が権力の治安弾圧粉砕と一切の話し合い拒否の闘いによって勝利してきたことを語った。
 獄中の5同志からのアピールが読み上げられた。この集会を獄内外の合流をかちとる新たな出発点にしようという熱い訴えに満場の大きな拍手でこたえた。
 16年の獄中闘争に勝利した鎌田雅志同志、デッチあげ弾圧粉砕を闘いとった橋本利昭同志、通算19年半の獄中闘争を貫徹し再審闘争を闘う富山保信同志が、勝利の報告と決意を述べた。
 鎌田同志は「権力は獄中同志とわれわれが合流することを恐れている。同志を直ちに獄中から出せという数千人のデモを組織しなければならない」と熱烈に語った。橋本同志は「獄中同志奪還を党の正面課題にすえて闘おう」と提起し、さらに「デッチあげ弾圧は必ず粉砕できる」と確信を込めて訴えた。富山同志は、「弾圧にひるまないと同時に、弾圧を絶対に容認しないことが重要だ」と再審貫徹への決意を述べた。

 星野・爆取の家族らが訴え

 集会の熱気が高まる中、星野同志と爆取4同志の奪還へ向けたアピールがそれぞれの陣形から行われた。
 星野同志奪還・再審勝利へのアピールでは、星野同志の連れ合いであり、星野全国再審連絡会事務局、東京連絡会代表である星野暁子さんが発言した。「革共同が獄中同志奪還を自らの課題とし一大政治闘争として闘うという提起を新たな土台として闘いぬきたい」と決意を表明し、異議審闘争に勝利し、かつ奪還への現実的展望を切り開くために、全国的な大衆運動を形成し、権力との力関係を変えていこうと訴えた。
 和久田修弁護士が登壇し「有罪の決め手とされたのは目撃証言だけだが、これ自体がめちゃくちゃだ」とデッチあげの内容を具体的に明らかにした。遠藤憲一弁護士は、奥深山幸男さんの免訴をかちとる闘いの現状を報告した。
 杉並星野文昭さんを救う会の狩野満男さんは「徳島刑務所を包囲する闘いが求められている」と訴え、群馬星野文昭さんの再審を実現する会は闘う決意を述べた。
 爆取4同志保釈奪還へのアピールでは、西村正治弁護士が全弁護団を代表して登壇。「迎賓館・横田裁判のデッチあげを真っ向から打ち砕く闘いをやり、検事側のもくろみは完全に崩壊している」と勝利への決起を呼びかけた。
 10万人保釈署名運動の呼びかけ人として、桜井善作さんが「かけがえのない人生を奪われながら泰然自若として闘う獄中の4人に敬意を表する。裁判を傍聴しともに闘おう」と訴えた。同じく大島孝一さんが「判決どころか公判が全然進んでいないのにまるで判決がおりた重罪人のように扱われている」と司法への怒りと危機感を語った。森山(つとむ)さんからは即時保釈を求めるメッセージが寄せられた。
 さらに、家族からの訴えとして、東京拘置所での超長期勾留がまさに一種の拷問としてあること、獄中と獄外が今こそ心をひとつにして闘い、人民の力で獄壁を打ち破ることの重要性が語られた。
 最後に革共同救援対策部の同志が、「獄中同志奪還の闘争を政治闘争として、これまでとは画然と違う闘いとして大爆発させよう」と、書記長の提起の貫徹を求める訴えを行った。
 集会の成功を踏まえ、提起に圧倒的にこたえ、獄中同志奪還へ、課題の全面的貫徹をかちとろう。

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週刊『前進』(2036号6面1)

青年労働者座談会

未来担う青年先頭に労働運動の大躍進へ
 カクマル・日共・連合指導部倒し 階級的な団結をよみがえらせる
 新たな世代のマル青労同つくろう 自分と同じ道を歩く仲間を

 2001年の闘いは、マルクス主義青年労働者同盟に新たな同志も迎えて前進した。9・11反米ゲリラ戦と米帝によるアフガニスタン侵略戦争の開始、日帝の参戦という情勢下で、小泉「構造改革」による首切り・リストラ・賃下げ攻撃もさらに激化している。こうした情勢は、階級的労働運動の一層の発展を求めている。21世紀革命に向かって先頭に立つべき青年労働者が集まり、11・11労働者集会を始めとする2001年の闘いの総括と2002年の闘いの抱負を語り合った。昨年の革共同第6回大会の成功を踏まえ、マル青労同を本格的な青年労働者の組織として再建していくために、いかに青年層を獲得するかについても討論を深めた。

 青年労働者座談会 出席者

 国鉄労働者(動労総連合) 川畑幹夫
 国鉄労働者(動労総連合) 秋元 光
 国鉄労働者(国労)    岩倉 晃
 国鉄労働者(国労)    大村吉男
 全逓労働者        日沼英二
 自治体労働者       坂本浩志
 都労連労働者       志水康則
 教育労働者        木村明恵
 電機労働者        松永貞二
 電機労働者        中原陽二
 金属労働者        水野憲一
 (司会 本紙編集局)

 6回大会土台に展望開いた01年

 日沼 自国帝国主義打倒を訴え
 木村 “県教組に革命を起こす” 
 松永 資本主義の枠を否定して

 司会 まず昨年の総括から始めたいと思います。
 川畑 資本主義が完全に末期に来ている。人民を虐殺し、労働者をすり減らし搾取を強めながら生き残ろうとする資本主義・帝国主義を打ち倒して、人間が人間らしく生きられる社会、特にこれから未来を担う青年労働者が生き生きと生きられる社会を実現しなくてはいけないと思います。
 革共同は昨年、第6回大会を多くの労働者党員の参加で成功させた。それを土台に、マルクス主義青年労働者同盟を本格的に再建する時が来たと思います。

 11・11集会が成功

 秋本 動労千葉の1年間の最大の闘いは、世代交代でした。動労千葉地本が79年3月に分離・独立して23年たちますが、その闘いの蓄積を引き継いで、21世紀に通用する新しい世代の動労千葉をつくることが問われた。中野委員長の退任は組合員一人ひとりにとって重大な問題でした。動労千葉に結集する労働者の人生を左右する闘いを中野委員長の指導のもとでやってきた。「じゃあ、これからわれわれをどうしてくれるんだ」と、組合員一人ひとりが自分のこととして心配し、30回大会で田中委員長体制が確立しました。
 11・11労働者集会は、解雇・リストラされた労働者がちまたにあふれ、しかも戦争が始まり、一人ひとりがどうするのかを問われる情勢とかみ合いながら開催された画期的な集会だった。呼びかけ組合の全日建運輸連帯労組関生支部、全国金属機械港合同、動労千葉が前に座る。うちの組合員は後ろを見て「今年は満席だ。いいんじゃないの」と、気合が入るんですね。
 岩倉 お騒がせしているとおり、国労が危ない方向に向かう中で、続開大会から定期大会に集中することで時間が早く過ぎた。ここで踏ん張らなければ国鉄労働組合の再生はないという意気込みで自分なりに頑張ってきました。
 職場で仲間を増やすまでにいたらないのは、自分自身の弱さだと思って、動労千葉の労働学校に通って学習したことで、11・11集会のオルグでもいい感触を得るところまでは来ました。
 われわれはやはり「過激派」というのがあって、まだ組合員にとって壁がある。われわれの主張は正しいけれど、なかなかのりこえられない。ただ、情勢が情勢だから短いサイクルで仲間を増やしていく展望を見つけたいと思います。
 大村 1月27日の国労全国大会で4党合意が決定されてしまったけれども、初めて反対派が役員に立候補する中で、司馬遼太郎の好きな組合員が「これからが本当の内乱、内戦の過程に入っていくんだ」と、長州の俗論派と正義派の内戦過程を例に挙げていた。「これからなんだ、国労は」と言われて、「なるほどな。これからだな」と。
 10月の全国大会で修正動議が出て、役員選挙もやり、数では負けたけれど、正義を貫くことで情勢が動くし、頑張り続けることが最後の勝利をもたらす。一喜一憂せずに頑張っていくことだと思います。
 私の職場は、改革法承認から4党合意にかけて、反対派の先頭を切っている。勉強は嫌だけど、職場闘争は非常に燃える人たちで、社会主義の「社」の字も知らないし、「俺は小泉好きだ」という人もいっぱいいる。しかし仲間が配転されるとなれば、役員でもなんでもない人が管理者につばがかかるくらい接近して抗議する。処分覚悟で。そういう人らが「4党合意はおかしい」と非常に危機感を感じて反対している。やはり組合員は、最後は正しい方につくんじゃないかな。
 日沼 小泉の「聖域なき構造改革」で郵政民営化攻撃にさらされています。「人事交流」という名で仲間が強制配転させられる。
 11月の日比谷の集会に初めて参加したのは一昨年ですけど、その時も、闘う労働者の団結、闘う労働運動の新たな潮流をつくるという呼びかけにすごく感動しました。それと反戦闘争です。私は沖縄の問題に衝撃を受けました。知花昌一さんの話を聞いて、「集団自決」と言われるが、「日の丸」、天皇制が沖縄の人たちを殺したんだという思いがあって、日本帝国主義の侵略戦争に絶対に反対しなければならないと、11月集会に参加するようになったんです。
 9・11反米ゲリラからアメリカの報復戦争ということで、虐げられた被抑圧民族の人たちの苦しみに立って本当に真実をとらえなければいけないと訴えて、今回の11月集会に職場の若い仲間が参加しました。アメリカ帝国主義を始めとするアフガニスタンへの侵略戦争に絶対反対の立場で、また帝国主義の中にいる労働者として、自国帝国主義を打倒する闘いをつくり出すことでアフガニスタン人民と連帯しようと、強く青年労働者に訴えていきたい。

 職場の権力めざし

 阪本 今の職場に入った時ちょうど国鉄分割・民営化型の現業の合理化攻撃があって、組合執行部に対して異議を唱えながら職場闘争を闘ってきました。現場労働者の怒りを結集して闘いの方向を示すことで信頼を受けられるようになり、職場の権力もとろうということでやってきました。
 われわれの闘いを見ている組合員たちは非常に期待している。次は職場の仲間の期待にこたえうる自分自身の力をつけて、労働運動の再生に向けて活動家をつくる段階に来ています。
 職場の活動に時間をかければかけるほど、団結も強まり、人も組織できると実感しています。
 志水 青年部で活動してきて、今の組合のあり方は絶対におかしい、変えようと頑張ってきました。
 11月集会にはずっと参加しています。5千人集めようと言われた時に、毎年3千人くらいいるから、簡単じゃないかなと漠然と思っていたんです。1人余計に友達を連れてくればいいだけの話だからと。
 動労千葉の中野さん(前委員長)の話を聞く機会がありました。靖国参拝問題の時で、「日本は戦争責任をとらなかった。あいまいにしちゃった。それが戦後の日本をあいまいにした」と。俺はそのとおりだと思っている。運動には確信を持っているけれど、やっていく途中で日和ったり、そういうあいまいな部分がある。そこらへんを打破しないと、これ以上にはならないと痛感しています。職場の仲間と時々学習会もやっているんですけど、もっと勉強しないといけないと思っています。
 木村 11・11にうちの教組から若い青年たちが来ました。彼らは「こんなに多くの仲間、労働組合が同じ思いで集まっている」とすごく喜んでいました。「すべての人たちが人間として尊敬される社会の実現をめざすために、僕は最後まで闘うぞ」とも言っていました。非常に元気をもらって帰ったんです。
 「日の丸・君が代」絶対反対で頑張っているけれど、組織としては不起立で着席という方針は出せない。処分が待っていますから。そういう中で自分はどうすればいいのかという閉塞(へいそく)感とか怒りを持った仲間たちを組織しています。青年部層は「県教組に革命を起こすんだ。日教組本部を動かすぞ」とすごい展望を持っている。
 11・11の話などもスーッと入る。「民間ではストライキをやってるんだよ。絶対に外の空気を吸わなければいけない。連合労働運動をのりこえる運動をつくろう。とにかく行こう」と言ったら「私は井の中の蛙(かわず)で箱入り娘だから、ぜひ連れてってくれ」と。行事が重なったりして来れなかったんだけど。そういう中で、自分自身も変わってきました。
 松永 私自身が組合の大役を担わなくてはいけない状況になり、この運動に足を踏み入れて自分なりに考えてきました。
 失業率がどんどん悪化し、雇用情勢は一段と厳しくなる。電機全体で削減数は10万人を超すと言われている。私の職場も大手の影響もあって赤字が積み重なり、将来への不安感が募ってきている。そうしたものを的確にとらえて、11月集会につなげることが重要だと思ってやってきました。
 私自身、リストラ反対、賃下げ反対という意識はあったけれど、こういう状況になると、資本主義そのものを否定しないと闘いに結びつかない。資本主義の枠の中で物事を考えていると、どうしてもその枠を飛び越えられない。
 『共産党宣言』とか『賃労働と資本』とかの学習が非常に重要になっていると、この1年間をとおして非常に強く感じました。会社には、私は一歩も引くつもりはないと断言しているんです。信念というのは、理論がしっかりしていないといけない。資本主義という構造自体が今の大失業を生み出し、戦争を起こしているんだと確信した時に、企業の論理が一切通用しなくなってくると思います。
 中原 先ほどストライキの話が出ましたが、うちの組合は全然やっていません。三役も全員がストを経験しているわけではない。私自身も過去の歴史みたいな感じです。こういう経済の低落状況が続いている中で、今の自分の組合は全然闘えない。労資協調どころか労資一体という有り様で、会社が経営赤字になると「会社あっての組合なんだ。会社がなかったら、われわれの生活も成り立たない」と、会社提案をほとんどそのまま丸のみする。
 今、「資本主義の枠内でしか考えられない」と言われたけれど、階級という考え方が今の組合には欠けている。会社のリストラ提案を簡単にのんでしまうような状況に非常に怒りをもった。これじゃあいけない。じゃあどうするか。勉強して理論を身につけて、労働者の中に入って仲間をつくることから始めていく。
 11・11集会に参加してくれた人には、勉強会に参加してもらい、『前進』の読者になってくれとオルグしています。そうやってフラクづくりを進めているところです。今年は、もっと深く、対象も広げて、今の組合を変えていきたい。

 戦後の終わり実感

 水野 11月25日、佐世保に自衛隊派兵阻止闘争に行って、運良く抗議船に乗ることができました。護衛艦を目の前にして「戦後」という言葉が最後的に終わったと実感しました。その中での労働運動だと認識を新たにしないといけない。
 11月集会ですが、これまで「お前のところ何人だ」と点検を受けながら一喜一憂していたこともあったんですが、それよりも三組合の新たな潮流、戦闘的階級的な労働運動を資本の攻撃から守っていくことが問われています。特に金属労働者としては、倒産攻撃と闘う港合同の闘いに学び、「闘う全金」を復権させることです。
 どのように組合を強くし、拡大していくか。組合員の階級としての形成、階級的な団結をいかにつくるか。それは実際の闘いの中でつくられていく。一方で、理論学習と相互に絡み合いながら、階級として労働者が自己を確立し、連帯し団結していく。動労千葉が素晴らしい労働学校をやっていますが、そういう労働学校を展望して連続学習会を始めたところです。
 川畑 革共同は3全総以来、日本共産党や社会党の裏切りと屈服をのりこえて、日本の労働者階級の本当の戦闘性を引き出して闘う党をめざして闘ってきた。その信念で対カクマル戦もやってきたし、国家権力の革命党絶滅攻撃に対しても絶対に負けないと、多くの先輩の労働者党員が本当に大変な思いをしながら革共同を守ってきた。
 国労の方から言われたように、日共にしろ協会派にしろ民同にしろ「お前たちは過激派だ」と言って、われわれを階級から引きはがそうとする。しかし、日本で革命をやり、世界の労働者と手をつないで世の中をひっくり返そうという闘いをしているわけだから他の連中とは違うわけです。われわれは動労千葉の闘いを軸にしながら分割・民営化に対する渾身(こんしん)の闘いをやって、革共同は労働者とともに階級のために闘うという伝統をつくってきた。本当にいよいよこれからだと思うんですね。

 労働運動の分岐点となった9・11

 岩倉 「テロ根絶」の日共と激論
 志水 戦争反対の信念は曲げぬ 

 川畑 今年は、帝国主義の侵略戦争が一層深まろうとしている。通常国会では有事立法が出てくる。次期通常国会で憲法改悪案を議員立法で提案するという動きもある。今年の闘いの重要な柱である反戦闘争について論議を進めましょう。
 司会 9・11反米ゲリラ戦についてどうですか。
 岩倉 9月11日は、職場の仲間と飲んで帰って、テレビを見た瞬間に「これは映画かな」と思っていたら、生中継だと分かり、思わず拍手しました。抑圧された民族の怒りの決起であのゲリラがやられた。職場に共産党員がいて2、3日後に『赤旗』を見せてもらったら、「テロ根絶」「国連の名による制裁は正しい」と書いてあった。「やっぱりお前の党はおかしいな」と大激論になったんです。
 なぜゲリラが起こったのか。やっぱりパレスチナの問題とか、アフガニスタンのこととか、世界史的にとらえ返さないと、やった、やられたで終わってしまう。アメリカが「世界の憲兵」の名のもとにアフガンとかパレスチナの人民を虐殺していること、小泉が強引なやり方で自衛隊の参戦、改憲への道を進めていることなどを結びつけ、物事の背景にある世界の情勢や歴史について正しい見方を持たなければならない。
 目の前の資本と闘うことも大切だが、外の闘いにも目を向けて反撃していくことが重要だなと、9・11で目を覚まされた感じです。
 志水 僕もその日職場の連中と飲んでたんです。家に帰ってテレビをつけたら、酔いがいっぺんにさめた。夜中にひっきりなしにそのことで電話がかかってきた。すごい反響でした。あの映像を見たら、みんな「戦争になっちゃう」と思うわけですから。僕もついに来たかと思いました。
 その2カ月くらい前に、職場の役員をしている人に「君はせっかく組合運動をやりたいと言っているのに、なんで一緒にできないんだ。君は何を一番やりたいんだ」と言われて、「一番は戦争反対だ。反戦闘争をやりたいんだ」という話をしたら、「自分の趣味の戦争反対運動に職場の若い子を巻き込むな」と言われたんです。僕としてはかなりショックだった。まがりなりにも組合の執行部に入っている人が、平気でそんなことを言うことに、ものすごく腹が立った。
 現実にはみんなマスコミの報道に流されちゃうというか、アメリカの誘導の恐ろしさがある。自分も必死に勉強して、なぜ起こったのか、起こるべくして起こったんじゃないかということを事あるごとにオルグしています。苦労しているんですけど、反戦運動、戦争反対が自分の信念なので、ここについては絶対に折れることができない。
 阪本 確かに9・11は、労働運動、反戦運動の分岐点だったと思う。9・11の直前に、国連の人種差別反対世界会議でパレスチナの人権抑圧に対する非難決議が行われようとして、イスラエルとアメリカだけが反対して退席した。職場の集まりでその新聞記事を資料として渡して、パレスチナ問題を取り上げなければいけないと提起して、その直後に9・11が起こった。
 職場には、革命運動にあこがれを持っている人もいますが、その人も9・11にたじろいじゃう。われわれ自身も抑圧国家の中の労働者なんだ、絶対にこのゲリラを受け止めて、被抑圧民族と連帯する反戦運動が必要だと言っても、「テロリストの味方をするのか」と反発する。自分が自己解放的な革命の主体になるという立場に立ちきれていない。そういった分岐点になったと思います。
 一方で、世界貿易センタービルで、多くのイスラム諸国からの出稼ぎ労働者、アジアからの労働者も働いていた。新聞で報道されているとおり、死者・行方不明者の中でアメリカ人以外で一番多いのはパキスタン人。清掃労働者、ビルメンテナンスの労働者、そういう人たちを組織して、本当に被抑圧民族と連帯した実力行動で世界経済の中心を止めることができるんだ、俺たちはそこまで展望して戦争を止めなければいけない。職場の中ではそういう話をしていますね。
 日沼 うちの職場でも、「アメリカがやられてざまあみろ」という雰囲気があった。しかし、日共が「テロ弾劾」と真っ先に言い出す。社民党も全逓本部も、すべての政治勢力が「テロ弾劾」と主張する。そうすると、職場の人たちは「やっぱり何千人も死んだんだから悪いんじゃないか」という雰囲気にもなる。
 俺は、被抑圧民族の人たちが今までアメリカにやられてきたことの真実を職場の中で伝えなくてはいけないと思い、『前進』などで勉強した。今一番問題になっていることは、「テロ弾劾」なんて言って、小泉の戦争政治に労働者が屈服していいのかということなんです。職場の中で若い人と話すと「やっぱりアメリカは悪いですよ」という話になります。「テロで死んだ人たちはかわいそうだ」というのをのりこえなくちゃいけない。自分自身も被抑圧民族の人たちと本当に同じ気持ちになれるのかというところが一番の問題じゃないかなと思います。
 水野 9・11は、反戦闘争が本物かどうかをふるいにかけるような一大事だったと思う。11月集会では「テロ弾劾」を言わず、「アメリカの報復戦争と日本の参戦を阻止しよう」のスローガンを一致して打ち出したことはすごいことだ。全国の労働者にそういうメッセージを送った。
 日本の戦後に終わりが告げられ、日本の軍隊が戦争をしに行く、この事態を労働者としてどう受け止めるか。イスラム諸国人民との連帯と言う時にも、日本が侵略戦争に出撃している事態をどうとらえるのか。これは実際に改憲攻撃そのものです。「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒」という総路線を掲げたわれわれが改憲阻止闘争として闘うことが、日本の労働者階級の反戦闘争をつくる上で非常に重要だと思う。
 松永 私の職場でもその話題で盛り上がっていたんです。アメリカがああいう形で攻撃されたのは当然だという話をしたら、「ちょっとこいつは違うな」という目で見られたんですけれども、一人ひとりに話を聞くと、ブッシュが「アメリカの正義」を主張したことに、「アメリカの主張は許せない」という人が数人いたんです、若い人たちの中に。感覚的にすごい鋭いものを持っている。
 11月に電機連合の臨時代表者会議があり、委員長の鈴木があいさつの中で「あのテロが経済をさらに悪化させた」と発言する。なんだかんだ言っても報復戦争に賛成で、まるっきり反対の姿勢も示さない。非常に犯罪的だと感じました。

 労働者が戦争阻む

 木村 私たちは職場の中で何ができるんだろうという思いがありました。労働者の力をもう一回見直してほしいと思いました。たとえば、ユーゴの空爆の時にギリシャのタクシー労働者たちが、道路標識を全部変えて自分の国の軍隊が輸送するのを迷走させた。私は「日本でも動労千葉がジェット燃料輸送阻止をやったんだよ」とか「それこそゼネストをやったらいいじゃない。労働者が決起したら全部がストップしてしまう。労働者にはすごい力があるんだ」と訴えました。
 もうひとつ、皇太子妃雅子の出産。「祝賀ムードの中で、一方では子どもの頭の上に爆弾落ちてるよね」と、うちの組合員はすごく怒っている。「ショー・ザ・フラッグ」と言われて、私たちを天皇制のもとにもう一回戦争に持っていくために「日の丸・君が代」が強制されているわけだし、「ものすごい矛盾と怒りを感じるよね」という話になっています。
 臨採の人に「先生は、このことについてどう思うんです?」と聞かれて、「足を踏まれて痛いと言ったら爆弾が飛んでくるのはおかしいよね」とか、イスラエルの建国からパレスチナは散々抑圧されてきたんだという話をしました。
 川畑 労働組合が反戦闘争を担うことの重要性を確認する必要があると思いますね。レーニンも、第1次大戦の時に「戦争を内乱へ」と言って、ロシア革命を実現して社会主義政権を樹立した。途中でスターリンによって一国社会主義路線にねじ曲げられるわけですが、帝国主義段階には労働者階級が被抑圧民族の民族解放闘争と連帯して自国の帝国主義を打倒することが決定的に重要になる。
 今言われたように、社民とか、帝国主義を打倒しようという発想のない連中にとっては反戦闘争は「趣味」でしかない。アメリカの恐るべき軍事的支配を突き崩すためにはアメリカの労働者階級の獲得が絶対に必要だし、日本の労働者階級を獲得することなしに革命とか反戦とか言っても空論だと思うんですよね。ですから経済闘争と同時に反戦政治闘争によって権力を打倒していく、日本の労働組合をそういう運動、路線に獲得することが必要になっていると思うんです。

 2月臨大策動粉砕し国労再生を

 大村 闘争団切り捨て許さない
 秋本 JR体制打倒が最大課題 

 司会 02年はまず冒頭から国労の臨時大会をめぐる決戦があります。
 大村 10月の全国大会で問題になりましたが、秋田地本のチャレンジグループが分裂へと動いています。それに長野地本などが呼応している。86年の修善寺大会で国労は鉄産労と分裂したわけですけれど、その時に私も傍聴に行っていて、最後に運動方針の採決で闘う国労をめざした方が多数で勝った。テレビカメラを囲んで「ピース、ピース」という感じで盛り上がった。ふと代議員席を見ると半分以上は白けている。その時に鉄産労に行けなかった人も役員の中に残った。その後、「労使正常化」路線が打ち出され、最終的には4党合意が出てきた。
 相手の攻撃が厳しくなると、体制の中で改革・改良を進めようと考える人と、資本主義社会そのものがおかしい、資本と対決する労働運動をつくろうとする人に分離する。役員も「マルクス・レーニン主義」を勉強した人がほとんどで、悪い勉強の仕方をしたと思うけど、結局、資本と仲良くして連合と一緒になりたいという幹部が、これ以上は国労に付き合っていられないと分裂している。
 彼らが言うのは、「闘争団を抱えているので組合費が上がるぞ。だから国労を抜けよう」と。もう一つは、「このままで行くと中核派に乗っ取られる。国労は過激派になってしまう」と。しかし、最後的に労働者は正しい方に向いてくれると思う。どう考えても仲間の首切りを認めるなんておかしい話ですから。
 本部は、「脱退した連中が闘う闘争団について言っていることは正しい。闘う闘争団も組織破壊だ」と言っている。2月冒頭と言われる中央委員会か臨時大会で、全国的に脱退が出るような状況を利用して、闘争団を切り捨てようとしているけど、そうならないように頑張らないといけない。
 岩倉 国労は採用差別などに対して労働委員会で闘うという方針をとった。弁護士主導、第三者任せになり、自らの力で動かすことから遠ざかった。旧態依然の民同型労働運動で、ソ連が崩壊して社会党が社民党になって、今の情勢では闘うべきではないと、「8・30申し入れ」で組合が会社のために働くと言い出す。その後に改革法承認、挙げ句の果てに4党合意。長野や秋田の脱退策動の首謀者は、かつては国労の青年部長をやっていた。「社会主義思想」をもっていた「立派な」人たちが、組合員を自分の利益のために引き回している。
 ただそういう国労にも、「平成採用」の労働者が入ってくる。闘うところに結集しようと組織拡大運動をやる。われわれ自身が増やしていけば、明るい展望が開けると思っています。
 川畑 革共同6回大会の第1報告の中で、カクマルが松崎・JR総連と黒田カクマルに大分裂し、カクマルとの闘いに決着を付ける情勢が到来したと確認しました。われわれ国鉄戦線を担っている同志がJR総連カクマルに対する歴史的決着を付ける。
 その中で1047名闘争を中心とする国労の闘いがたたき伏せられることになってはいけない。これは動労千葉・動労総連合の闘いにとっても決定的に重要です。同時に、国鉄分割・民営化型の資本攻勢がNTTなどではよりひどい中身で展開されていることを見ても、国鉄決戦を軸に全産別において反転攻勢をかけていくということですね。

 JR総連の解体へ

 秋本 うちも1047名の一員ですけど、中野前委員長は「1047名闘争は戦後労働運動の精華だ」と言っています。12月3日の大集会で国労闘争団、動労千葉、全動労がそろい踏みであいさつしました。国労闘争団を孤立させず、動労千葉が一体となって国鉄闘争支援陣形を大きくつくっていくことが重要です。
 さっき言われたように、「国労が中核派に乗っ取られちゃう」と。逆に言えば、本当に1047名闘争を守ろうとしているのはわれわれしかいない。よし、それならわれわれがとってやるということですね。
 JR総連とは「平成採」の獲得をめぐって丁々発止のやり合いがある。昨年1月1日付で東労組から元分会長が動労千葉に結集した。東労組は、カクマル本体との分裂問題があり、今までの国労・鉄産労解体運動は表面には出ていない。通勤にネクタイをしようとか、当局になり代わってやっている。「平成採」の不満が非常に高まり、いつ爆発するか分からない。
 8・1労使共同宣言は、単に労資癒着体制を再確立したのではなくて、東労組カクマルが当局の奴隷になり下がって生き延びたいということです。そういうJR体制を打倒することが最大の課題になっています。
 国労の皆さんには申し訳ないけど、昨年秋に国労からうちに2人来た。「俺は東労組には行かない。ストを打った動労千葉に行きたい」と。本部が4党合意でぐずぐずになっている中で闘う組合を求めている。国労の仲間が闘う方針をもって組織拡大するところから再生が始まると思います。

 02春闘へ新潮流運動を広げよう

 中原 連合の「ベアゼロ」許さぬ
 水野 資本の壁こえ連帯し闘う 

 司会 春闘については。
 川畑 今春闘で、11月集会を呼びかけた3組合を中心に東西で大行動を行うという方針が出されています。ここで11月集会の陣形を圧倒的に拡大していくことが重要だと思います。
 中原 昨年の春闘は500円のベアでした。今回ベア要求を行わないのであれば、定期昇給は当然あってしかるべきものなのか、要求してかちとるものなのかということが、われわれの単組では論議になっています。経営者側は「1年たったから自動的に年齢給が上がる状況ではない」というスタンスでいる。組合側は定期昇給を確保しようと言う。その場合、定期昇給を要求するのか、ベアをゼロ円と要求するのか。昨年2000円の要求でべア500円なら、今回はベア500円の要求でも出せばいいと思うのに、「電機連合がベアゼロという考え方で、さして状況が良くない中でベア要求はできない」と執行部は言う。闘う姿勢を崩すとすべて矛盾が生じてくるという状況です。
 松永 今言われたとおり、連合がベアゼロ方針なので今年の春闘は非常に厳しい。98年に一時金の統一闘争を崩して業績連動に変えた。電機連合はミニマム4カ月という水準を出しているが、大手が4カ月でも中小は4カ月に到達しないのが既成事実となる。今度は月の賃金も業績に連動させる。電機連合が言う「隔年春闘」は賃金要求ではなくて、その時々の経済情勢、企業業績に合った水準に見直しをする形になる。
 このまま黙っているだけでは駄目だろう。やっぱり今春闘を、同じ立場に置かれている電機の仲間が大きな闘う流れをつくる機会にしなければならない。
 水野 賃金は、労働者の生存権として要求をかちとるという立場を明確にしなければいけない。連合指導部がベアゼロと言おうが、その立場を貫くべきです。
 この間、非常に厳しい状況で、年末一時金もまともな回答が出ない。しかし、労働者にとって必要なものは必要だと必ず言う。それに対して本当に出せないのか全部見せてみろと。本当に出せない状況をつかんだなら、その次には倒産攻撃が考えられる。それに備えた協定をとる。力関係をそこで変えてしまうという考え方でやっています。
 零細企業ばかりだから、資本相手に闘うと言っても限界がある。地域合同労組として、資本の壁を越えて連帯して闘う。しぶる資本がいれば、そこに動員をかけて一緒に闘う。あるいは争議中の支部・分会があればそこに全力で支援に駆けつける。地域で官民が連帯し、お互いの立場を理解する取り組みも重要です。
 木村 「公務員制度改革」で、人事院勧告を最大限なくすけれど争議権は与えない。これに対して連合の官公部門の主張は「民主的な公務員制度改革」です。国労を解体するための分割・民営化であったように、公務員労働運動の解体・一層を狙った攻撃だと思うけど、そこは一切言わない。戦争の手先にさせるために、教職員は昔の「訓導」に、行政職は「官吏」にする。そのために能力・業績給で年功序列賃金を一掃する。そういう意味で、国鉄労働運動、闘争団の運動を学ぶことがすごく死活的だと思う。
 阪本 自治労の春闘論は形骸化しています。自治体の場合は秋の賃金確定闘争、当局に対する予算・人員闘争に集約される。民間の春闘と連帯するとはなっていない。現業の中には、民間労働者出身の人が多い。日本中に自治体労働者はいるんですから、民間労働者とともに自治体労働者が中心となって、かつての地区労のようなものを闘う路線で再生させたい。

 俺たちが牽引する

 志水 石原が人事委員会勧告を4%カットして、それが2年続いた。さらに延長しようとしたけど、秋闘でストを構えて一応阻止した。ただ、僕が危機感を持っているのは、「まあよかったじゃねえか」という職場の雰囲気です。組合の幹部の中には「今回は勝利だ」という見方があるけど冗談じゃない。もともと2年間の約束だったわけだから、約束を守るのは当たり前。それに、係長級以上とはいえ成績率の導入を許してしまった。これは今後大きな問題になる。だから「もろ手を上げて」というわけにはいかない。一方で、「またすぐやってくるよ」という見方もある。
 「まだまし」路線に非常に危機感が募ったんです。「民間では中小なんかボーナスが出ないところがいっぱいあるんだ」という話がある。うちらだって数年間で何カ月も削られている。それを「まだまし」みたいに言うのが非常に不満です。官公労働者は組織があるんだから、俺たちが引っ張っていくという気構えがなければこの状況を変えることはできないと、秋闘を振り返って感じます。
 秋本 動労千葉としては、ストライキをやって春闘大行動に組合員が丸ごと結集する。そして、国労闘争団や解雇・リストラされて苦しんでいる労働者、民間、官公労すべての労働者が結集できる陣形をつくりたい。それが21世紀の今後の労働運動を決める。全力でやろうと思います。

 マルクス主義で青年を獲得する

 坂本 青年が革命の中核となる
 川畑 不屈に闘う同志の団結を 

 司会 最後に、今年の抱負をお願いします。
 日沼 私が青年部運動にかかわっていた当初は、青年層が結構多かったんです。今は採用がなくなり、少なくなったけど、新採を組織化しようと飲んだり、遊んだり、日常的な活動をやっているところです。
 俺の立場としては、マル青労同に加盟したわけですから、やっぱり自分と同じ道を歩いてもらいたい。そういう人をつくりたい。マル青労同再建の先頭で頑張っていきたい。
 木村 さっき都労連の人が言っていた「まだまし」路線というのを私もすごく感じる。「民間があれだけしんどいんだから、公務員は……」みたいなのがある。やっぱりそれはおかしい。その感覚の差はマルクス主義があるかないかだと思うんです。「民間よりまし」ではなくて、自分たちが引っ張ることで階級全体が資本と対決する。階級性を取り戻す運動、その視点があるかないかです。これから先の運動を切り開くのにも、とにかくマルクス主義だなと思う。その方向で頑張ろうと思います。
 大村 私も青年部を長くやっていて、その中で、先輩方の指導のもとに闘ってきました。純粋に仲間を守りたいというところから青年部運動を展開してきたわけですけど、そこで必ず親組合とぶつかる。たとえば出向や地域間異動で、親は協定があるので反対とは言えない、だから闘えないという理屈で闘争を避けようとする。青年部は、「仲間が行きたくないと言っているし、俺らはやらせてもらいます」と、親と対決しながら闘ってきました。
 分割・民営化されて、貨物会社と旅客会社に分断された。労働条件がまるっきり違い、年末一時金では貨物は半分以下。親は「会社が違うんだからどうしようもない」という雰囲気がある。この間まで同じ労働条件だったのに、仲間を思えば労働組合としてやるべきことはやるべきだと、青年部が全体を動かして親の右傾化を阻止しながら闘ってきました。親はどうしても現実的な方向に走りますから、青年部運動は非常に重要だなと体感しています。
 国労は今、4党合意でぐずぐずですけど、青年労働者が少なくなっている中で起こってしまったのかもしれない。そういう意味でも青年の獲得が非常に重要だと思っています。みんなが言うのは「こんな国労に恥ずかしくて誘えない」と。やはり国労を再建していく立場で一緒にやろうということで、国労を再建しつつ青年労働者を獲得していくということじゃないかな。

 既成の枠組み壊し

 中原 やはり資本主義の矛盾の爆発、戦争と大失業の時代の中で、資本の側は労働者を今以上に切り捨てて生き残るんだという腹づもりですから、今までのように少し待っていれば状況が変わるということはない。労資一体の既成の労働運動の枠組みを壊して、われわれが労働者階級の視点に立った運動をつくっていけるか。マルクス主義しかないんだという鮮明な路線で青年労働者を獲得していく以外に、今の情勢は打破できない。とにかく決意を持って前面に飛び出す運動をしたいと思います。
 松永 今年は課題は山積みです。考え方としてはマルクス主義であることは間違いない。組織内の学習も定期的にやり、交流センターの会員として青年労働者を獲得していきます。組合では執行部に入っていますが、権力を握りきれているかといえばけっしてそうではないので、より具体的に権力を握っていかなければならない。その延長線上に春闘集会や11月集会もあると考えて、頑張っていきたいと思います。
 水野 6回大会報告にもあるように、労働組合の労働組合としての防衛と再生にしっかり取り組まなければいけない。若い労働者はアルバイトとか派遣とか臨職が多い。そういう不安定雇用労働者の組織化に力を入れるべきだと僕は思う。彼らと結びつくことができる党になることでしか、実際に日本の革命は展望できないと思います。マル青労同の再建に向けても、それが重要だと思います。
 阪本 青年労働者はやっぱり、自己変革と組織の変革の先頭に立つべきであり、革命の時は文字どおりその中核を担うべきです。さっき教労の方が「県教組に革命を起こす、日教組を変える」と言われましたが、自治労は実際にそれが切実に求められます。ここで自分自身が職場の中で決起しなければ、労働運動そのものが信頼をなくしてしまう。自治労本部の腐敗をただすだけでなく、権力の自治体労働運動つぶしと対決することです。
 自治体リストラは、公務員労働者が不安定雇用労働者に代えられるということで、それに反対しながら組織化も同時にやっていく。職場も労働組合も、さらにマル青労同そのものを変革するつもりで闘っていきたいと思います。
 志水 とにかく仲間づくりですね。労働学校を動労千葉にやってもらっているんですから、職場内で自分が講師をできるようになれたらと思っています。
 秋本 動労千葉としての最大の課題は組織拡大です。JR総連から青年労働者をぶっかいて組織を拡大することだと思うんです。中野前委員長から「分割・民営化以降、これだけの組織を維持してきたのはすごいことだ。さらに組織を拡大することは、戦後労働運動ができなかったことを実現することなんだ」と言われています。新しい体制ができた上で、組織を拡大することから新しい世代の動労千葉がつくられる。動労千葉の中の党として、動労千葉を拡大することがマル青労同を再建していく上で最大の課題になる。
 川畑 労働者に対する資本の分断攻撃に対して、労働者の団結をつくり上げることが労働組合の一番重要な仕事だと思うんです。共産主義者というのは、その労働組合の中で、団結をつくりあげる最も先進的・中心的な存在である。それは組合内にとどまらず労働者階級全体の団結をつくっていくところに特性がある。自然発生的なものを超えて、日本の労働者階級全体の団結を、さらに全世界の労働者と被抑圧民族人民の団結を形成していく、そのために僕らは単一の党に結集している。労働者階級の団結の中でも最も強固な団結を党の中において実現しなければいけない。
 その場合、僕ら一人ひとりが資本やカクマル、他党派の連中に負けないで最後まで頑張る。なおかつ、けっして一人ではない。本当に革命をめざして、労働者階級の解放、世界の被抑圧人民の解放をめざして不屈に闘い抜く同志がいる。その同志の結集体として革共同があり、マル青労同がある。ここに集まった僕らの力でマル青労同を本格的に再建し、日本の青年労働者をとらえていこうということです。頑張りましょう。
 司会 どうもありがとうございました。

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