ZENSHIN 2002/02/11(No2040 p08)

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週刊『前進』(2040号1面1)

革共同の2月アピール
戦犯ブッシュ訪日阻止せよ
 極反動小泉を今こそ打倒し 有事立法・改憲阻止決戦へ
 国際的内乱を闘う強固な党の建設を

 闘うイスラム諸国人民・闘うアジア人民との連帯をかけて2・17ブッシュ訪日阻止・日米首脳会談粉砕闘争へ総決起しよう。2月中旬の自衛隊艦隊第3次出兵阻止闘争を全国で闘おう。田中外相更迭問題でかつてない危機を深める超反動・小泉を今こそ打倒し、有事立法・改憲阻止決戦と02春闘に全力で決起する時だ。さらに1・24狭山異議審棄却攻撃に対し、1・25、1・28の怒りの決起を引き継ぎ、3月3、4日の部落解放同盟全国連第11回大会へ総結集しよう! 星野文昭同志、爆取デッチあげ4同志ら超長期獄中同志奪還へ闘おう。10万人署名の実現を訴える。

 第1章 パレスチナ解放闘争に血債かけて連帯を

 米帝とイスラエルによるパレスチナ人民抹殺攻撃の激化の中で、パレスチナ解放闘争は、現在、実に重大な段階に突入した。アラファト議長の「武装闘争の禁止宣言」の制動が全面的に打ち破られ、不退転の戦闘にパレスチナ解放闘争が突入した。この局面の重大性を日本プロレタリアート人民は、しっかりと自覚し、ともに決起しなければならない。
 パレスチナでは、一昨年9月のシャロンの聖地訪問という行為に対し、インティファーダ(民衆蜂起)が巻き起こった。そして昨年3月に発足したイスラエルのシャロン政権の下でイスラエルと米帝のオスロ合意さえ踏みにじる凶暴な軍事作戦が強行されてきた。
 イスラエル・シャロン政権は昨年12月4日の閣議で、アラファト自治政府を「テロ支援体制」と宣言し、パレスチナ自治政府への対テロ戦争宣言を行った。パウエル米国務長官は、「シャロン首相は彼の国民を守るため、正しいと思っていることをやっている」と「報復攻撃」と称する虐殺行為を公然と支持した。
 イスラエル軍は、12月13日のパレスチナ放送のテレビ・ラジオセンターへの砲撃・破壊、15日のアラファト議長府への空爆などの白色テロ、破壊と虐殺を連日繰り広げている。
 そして米帝は、ジニ特別顧問を派遣しアラファト議長にイスラエルのリストに基づく最重要な30人の指導者の逮捕を含む19項目のテロ対策要求を突きつけ、一方的圧力を加えた。そして14日、国連安保理でチュニジアが提出した暴力停止要求決議に米帝は拒否権を発動し、決議を否決させた。
 こうした中で、アラファト議長は16日、屈服的な「イスラエルに対する武装闘争の禁止宣言」を行った。パレスチナの武装闘争は完全禁止、そしてアラファト・自治政府による武装闘争グループへの武力襲撃と逮捕のもとで、イスラエルによる虐殺と破壊はフリーハンドというあり方は最初から破産していた。
 そういう経過を経て、自爆テロの封印はついに解かれたのだ。アラファト議長に12月20日自爆テロ停止声明を出していたパレスチナ武装組織ハマスも、1月9日イスラエル陣地への戦闘に突入し、これに呼応してイスラム聖戦の武装部門も1月10日に「武装闘争停止」の破棄を発表し、全面戦争に突入した。
 1月17日、イスラエル北部のハデラで起こったパーティー会場での銃乱射は、アラファト議長が率いるファタハの武装部門の戦闘である。14日、ファタハの武装部門タンジームの指導者ライド・カミル氏をイスラエル軍が暗殺した。これに対して、タンジームは「もやは停戦指令に従う義務はない」と停戦破棄の声明を出し、戦闘に突入したのだ。
 数万人の人びとが1月23日、パレスチナ自治区ナブルスの中心街を埋めた。前日、イスラエル軍に虐殺されたハマスの活動家ユーセフ・アッサルカジー氏ら4人の葬儀に集まったのである。緑の布を頭に巻き付けた少年が目立つ。ハマスの旗だ。8歳だというアフマド君が言う。「おれもシャヒード(殉教者)になるんだ」
 1月25日イスラエル最大の都市テルアビブの中心街で自爆テロが敢行された。そして1月27日、西エルサレム中心部で起きた自爆テロは、パレスチナ赤新月社職員のワファ・イドリスさんである。女性による初めての自爆闘争への決起だ。この事態は、先の少年の決意とともに、対イスラエル武装闘争の深く広い全人民的な発展を示している。
 また、1月15日、自治政府による、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)のアフマド・サアダト議長の逮捕に対して、自治区ガザやラマラでPFLP支持者数百人の抗議デモが巻き起こった。デモ―それはパレスチナでは掛け値なしの決死の決起である。日本の労働者階級人民は、少年の決起、女性の自爆テロ決起、広範な大衆の決死の蜂起に示されるパレスチナの全人民的蜂起に血債をかけて断固として連帯しなければならない。
 チェイニー米副大統領は27日、アラファト議長にテロ根絶への「100%の対応」を要求し、応じなければ関係を断絶すると脅しをかけている。
 しかしイスラエル・シャロン政権と米帝に未来はない。イスラエル軍の予備役の士官クラス50人が25日、イスラエルの新聞で、軍務を拒否する手紙を発表した。「われわれはパレスチナ人全体に対する圧迫、追放、破壊、封鎖、暗殺、侮辱行為などを遂行するために西岸とガザでの戦闘にかかわることをやめる」と宣言した。パレスチナの占領や抑圧を求める軍務は「国家の安全保障とは関係ない」と宣明しているのである。イスラエルの階級矛盾が激化している。
 今こそ闘うイスラム諸国人民と連帯し、アフガン・中東侵略戦争を国際的内乱に転化するために闘おう!

 第2章 有事攻撃の激化と小泉打倒情勢の到来

 こうした世界危機の世界戦争への転化の情勢の中で、日米争闘戦が非和解的に激化している。とりわけアジアをめぐる日米争闘戦の激化が重大である。その背後にある、米帝経済の危機の爆発、日帝経済危機の爆発が深刻である。米帝バブルが大崩壊し、米帝経済危機の全面的爆発のもとで、世界経済全体が29年型世界大恐慌の過程に突入した。
 米帝ブッシュは1月29日、一般教書演説で「対テロ戦争は始まったばかり」と北朝鮮、イラク、イランを名指しし、全世界への戦争の拡大・激化を宣言し、他方、「経済安全保障」と争闘戦の激化政策を宣言した。米国防予算を15%増加し、それさえブッシュは「手付け金にすぎない」と言っている。
 2月日米首脳会談は、アフガニスタン情勢、東アジアの安全保障、日本経済問題が議題になる。アーミテージ米国務副長官の「もう一つの『旗』を見せよ」の発言は、日本に対する構造改革・不良債権処理の要求の激しさを示している。それは29年型世界大恐慌の過程の深まりの中で、日米争闘戦が非和解化しているということである。
 こうした背景のもと、日帝は有事立法・改憲攻撃の全面的突進を決断した。
 有事立法は、戦争への国家総動員体制への道であり、改憲攻撃そのものだ。
 有事立法攻撃の核心的本質は非常事態(宣言)法ということにあり、緊急時の憲法の停止である。超憲法的行為、行動の権利を行政権力や軍隊に与えるということである。それは治安維持法や軍機保護法と一体のものとなる。
 そして有事立法攻撃とは、実質的な戦争準備体制、国家総動員体制の構築のための大攻撃であり、しかもそれは一般的な準備ではなく、対アフガニスタン・中東侵略戦争、対中国(北朝鮮)・アジア侵略戦争のための具体的な戦争体制づくりそのものである。
 日帝の有事法制攻撃への踏み切りは、日本階級闘争の重大な歴史的決戦への突入を告げ知らせている。
 今通常国会で、日帝・小泉政権は、有事立法攻撃の決定的突破をはかろうと決断している。戦争国家化、有事立法・改憲攻撃のあまりの凶暴さが、田中外相の更迭をもたらした。
 小泉の「改革」「抵抗勢力と闘う」なる掛け声の虚飾がはげ落ち、戦争と有事立法・改憲、大失業と賃下げの一大資本攻勢という、その反労働者的、反人民的正体が暴かれ始めている。
 だが田中更迭問題の本質は、アフガン復興会議そのものが、米帝の大虐殺戦争を正当化し、アフガンにかいらい政権を立て植民地支配を行おうとする帝国主義主導の強盗会議だというところにある。日帝・小泉が主催国となって、この帝国主義間争闘戦にのりだしていること、それをテコに有事立法・改憲攻撃に突進していることである。日帝・小泉政権とその「構造改革」路線に生じた今回の亀裂を積極的に突きまくり、日帝・小泉超反動政権打倒の階級的攻勢を一挙に強めよう。小泉への怒りを戦争国家づくりに対する怒りとして大爆発させよう。
 小泉首相は2月1日の施政方針演説で、有事法制に関する基本姿勢を打ちだし、一挙に推進しようとしている。「基本法」と第1・第2分類一括提案の方向で、3月下旬にも国会に関連法案を提出しようと急ピッチで準備を進めている。
 政府の有事法制についての基本方針として自民党国防関係部会で報告された「有事法制の整備について」は、有事の対象を「防衛出動の前段階」にまで広げており、「安全保障をめぐる環境の変化を踏まえ」と称して、「大規模テロなど」「新たな事態への対応を図ることが重要」と打ち出しているのである。
 小泉首相は、「有事は戦争だけじゃない。テロもある。不審船もある。らち問題もある。そのための態勢をどうしていくかということだ」と有事の概念を無限に拡大し、「治にいて乱を忘れず」「備えあれば憂いなし」と称して真っ向から挑戦してきている。
 昨年12月22日、米軍・自衛隊の連携のもと、海上保安庁が小型外国船を撃沈し15人を虐殺したことは超重大事態である。公海上で、銃撃し、撃沈し、虐殺することは、宣戦布告なき戦争行為である。自ら強引に対中国・対北朝鮮の侵略戦争に突入し、有事をつくり出し、「反テロ」大合唱と扇動に全政党党派が屈服していることに乗じて、一挙に有事立法攻撃を正面突破しようとしているのだ。

 沖縄・三里塚勝利を

 沖縄情勢は、9・11―10・7をもって一変した。沖縄闘争は、国際的内乱の最前線である。沖縄の新基地建設阻止闘争の爆発は、米帝ブッシュ、日帝・小泉との最大の闘いである。沖縄闘争は、アフガン・パレスチナ反戦闘争の最大の攻防点であり、有事法制との対決の最先端の闘いである。沖縄闘争は、名護市長選に宮城やすひろ氏が立候補したことにより、沖縄人民の怒りのマグマが出口を見いだし、昨年までの一種のこう着状況を突き破り、歴史的大激動へと突入した。
 三里塚闘争は、反戦闘争、有事立法闘争のもう一つの柱である。反対同盟は年頭にあたって、「暴虐きわまる追い出し攻撃を粉砕し滑走路延長を絶対阻止する。戦争反対への思いのすべてを注ぎ、本格的に動き出した有事法制・改憲攻撃と闘う決意である」と宣言した。反戦の砦(とりで)、三里塚をめぐる攻防は、日帝の有事立法攻撃との闘いの最大の実体である。日帝も三里塚闘争の破壊に決戦的に挑んできている。
 2月中旬、全国で自衛隊第3次出兵阻止闘争を闘い、2・17ブッシュ訪日阻止・日米首脳会談粉砕に総決起しよう。

 02春闘の爆発へ

 動労千葉は、02春闘「3カ月間決戦」の闘争体制を確立した。02春闘を第二の分割・民営化攻撃粉砕、労働運動の再生への重大な闘いとして位置づけ、闘いの課題を鮮明にして決戦に突入した。動労千葉と連帯し、国労中央委員会決戦から、02春闘へまっしぐらに突き進もう。
 国鉄決戦は、2・3国労拡大中央委員会をめぐる激烈な攻防の中で、一層の激突情勢に突入している。
 中央委員会を目前に控えた1月28日、闘う国労闘争団員・遺族283人が、東京地裁に鉄建公団(旧国鉄・清算事業団を継承)を相手にした新たな訴訟を起こした。国労本部の統制処分や生活援助金の打ち切りというあらゆる卑劣な恫喝にも屈せず、闘争団の正義を貫く闘いである。一人の首切りも許さないという労働組合の原点を守り抜く闘いである。
 今こそ、闘争団とJR本体の国労組合員が一体となり、国労解体攻撃をはね返し、4党合意破棄、高嶋―寺内執行部打倒、闘う執行部の樹立、闘う国労の再生へ、激突情勢を断固として勝ち抜こう。
 ここでの勝利が、02春闘決戦の爆発をこじ開け、連合の帝国主義的労働運動、日共スターリン主義と全労連、JR総連カクマルのファシスト労働運動を打ち砕き、帝国主義を打倒する労働運動の旗を打ち立てる革命的突破口となる。
 02春闘における資本攻勢は激烈である。今年の日経連労問研報告は、9・11情勢、世界恐慌突入情勢の中で「賃金引き上げは論外」「ベア見送りにとどまらず、定昇の凍結・見直し」「緊急避難的なワークシェアリングも含め、これまでにない施策に思いきって踏み込む」「治安維持が重要」「警察官の増員」「教育改革」等々、労働者階級に徹底した賃下げと首切り、奴隷の道をさらに強制して行く露骨な宣言である。実際に労働者階級を襲っている現実は、12月の完全失業率が5・6%と史上最悪を記録し、しかも2001年年間をとおして給与総額が1・2%減った(厚生労働省、31日発表)という深刻な事態なのである。
 その先兵になっている連合の帝国主義的労働運動、JR総連のファシスト労働運動を打倒し、階級的、原則的に闘う中にこそ労働者の生きる道がある。

 第3章 階級の勝利のかぎは強固な革命党建設だ

 わが革共同が第6回全国大会で明確にした戦争と革命の21世紀としての現実が一挙に引き寄せられている。現在のわれわれの活動の一切を規定しているものは、革命的情勢の急速な接近である。9・11反米ゲリラ戦争によって切り開かれた国際的内乱の情勢に、決意も新たに革共同の革命的な自己変革をかちとっていかなければならない。何よりも、革命的な宣伝・扇動を展開し、革命的大衆行動を組織し、革命を遂行しうる真の革命党組織を建設することが急務である。
 第一は、党活動の3原則を原則的にたゆみなく貫き実現することが成功の秘訣(ひけつ)をなすということだ。
 「われわれの党は、権力のための闘争を前衛的に指導できるような革命的自覚に燃え、『鉄の規律』と『党生活の三原則』で武装された『革命家の組織』として建設されねばならない。苛烈(かれつ)な権力闘争と広大な党の階級的・実体的基礎という矛盾は、厳格な革命的中央集権制の樹立によってしか解決できない」(『清水丈夫選集』第3巻、499n)のである。歴史的決戦の到来は、党に飛躍と再確立を求める。だから党建設の闘いは、解党主義的傾向との非妥協的闘争を必要とする。
 ここで絶対的前提として確認すべきことは、非公然体制抜きには、革命は遂行できないということである。
 第二は、財政闘争に絶対に勝利することである。02年が要請する党の一大飛躍は、財政闘争での飛躍として核心的に問われる。党組織と党員の革命的資質は、財政問題、機関紙財政問題として現れる。革命的情勢の急速な接近という重大な情勢を前にして、われわれは、機関紙財政危機、党財政危機に真っ向から取り組み、格闘している。その抜本的改善をかちとらなければならない。
 ここで重要なことは、党の非合法・非公然体制を建設・防衛し、『前進』発行を行うことが党建設の出発点だということだ。そのために、党はその第一歩において、全党の力を集中して財政と人を投入して、党の非合法・非公然体制を構築し、機関紙を発行するのである。
 ここで、『前進』の発行は結党以来、分担制度によって党員が必要な資金を持ち寄って実現してきたことをあらためて確認しておきたい。コミンテルン第3回大会のテーゼでも「共産主義新聞は、たえず大きな物質的および財政的な犠牲を払うことによってのみ、これを維持することができるであろう。新聞を充実し、内部的に改善するための資金は、たえず党員から提供されなければならないが、……やがては新聞はきわめて広く普及し、組織的に確立されて、それ自体、共産主義運動の物質的支柱に変わりはじめるであろう」と述べられている。
 機関紙・誌は、組織の資金で発行するのであり、必要な資金は党員が分担しなければならない。これは革命党の基本的あり方である。それをつくり出す必死の闘いが党を確立していくのである。ここで頑張り抜いて、「物質的支柱」にまで発展させるために不退転に闘おう。02年の偉大な決戦は、この課題と果敢に挑戦し抜くことをとおして開かれるのだ。
 第三に、あらゆる闘いを『前進』拡大、党勢倍増に集約していく活動のあり方を基本に据えることである。党実体の一定の量的拡大、党勢2倍化は革命の勝利にとって絶対必要だ。方針が正しければ革命に勝利するということにはならない。労働者階級大衆にそれを提起する、伝える能力なしには革命に勝利できない。胸躍る革命の時代に対応する最大の回答は、まさに強大な党の建設である。
 それを、学習会活動の意欲的、積極的な取り組みをもって、闘争と結合してやり抜くことである。全党と全支持者が第一線、第一級の活動家になる闘いを遂行することである。現在の重層的な決戦の連続に断固勝利して、巨大な階級的責任を全うするためには、闘争と党建設の完全な一体的推進以外にないのである。 
 レーニンは、ロシア革命運動の「分散と動揺の時期」に『なにをなすべきか?』を著し、1905年のモスクワ蜂起をへて、1917年のロシア革命の勝利を実現した。全国的政治新聞の発行、ここに蜂起―革命の勝利の一切をかけて、非合法のロシアで、『イスクラ』発行を出発点に革命を構想しやり遂げた。
 わが革共同は、すでに全国的政治新聞である『前進』を定期的に発行しているのである。この全面的活用を軸とした党活動の確立こそ革命勝利への道であり、今日の実際の闘いの中に断固として貫かなければならない。
 革共同の第6回大会路線と政治局1・1アピール−革共同の9・11論でしっかりと討議・武装し、反帝国主義・反スターリン主義の綱領・理論・思想の革命性、優位性への限りない確信をもって02年決戦に決起しよう。

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週刊『前進』(2040号1面2)

狭山異議審棄却を徹底弾劾し 石川さんの再審無罪戦取へ闘う
 革命的共産主義者同盟

 (1)1月24日、東京高裁第5刑事部・高橋省吾裁判長は、第2次狭山再審・異議申し立てを棄却する決定を強行した。この暴挙を断じて許すことはできない。革共同は、直ちに東京高裁実力糾弾に決起した部落解放同盟全国連合会、部落解放共闘会議とともに、東京高裁に満身の怒りの抗議をたたきつけた。
 石川一雄さんは晴天白日無実である。1・24棄却決定には一片の真実も正義もない。
 わが革共同は40年にわたる石川一雄さんの無実の血叫びを踏みにじった暗黒の棄却決定を煮えたぎる怒りをこめて徹底弾劾し、1・24棄却決定に猛然と反撃し、石川さんとの血盟にかけて、必ずや再審開始・再審無罪をかちとることを、断固宣言する。
 石川さんは、棄却決定直後に、「強い憤りを感じる。真実はひとつであり、あくまで自分の信念を貫き、身の潔白が明らかになるまで闘い抜く」と、棄却決定を怒りをこめて糾弾し、勝利まで闘い抜くという戦闘宣言を発した。
 そして1月29日、石川さんは特別抗告の申し立てを最高裁に行った。狭山再審闘争は第2次再審請求・特別抗告審闘争に突入した。
 わが革共同は、石川さんの戦闘宣言にこたえ、石川さんの不屈の闘魂と不動の信念をわがものとし、石川さんに固く連帯し、総力をあげて特別抗告審闘争の勝利のために闘うことを、厳粛に誓うものである。
 (2)東京高裁第5刑事部・高橋裁判長は、寺尾確定判決と高木棄却決定を護持するためにのみ密室審理を行い、事実調べを拒否し、石川さん無実の新証拠を、でたらめな理由でことごとく切り捨て、異議申し立てを棄却した。
 1・24棄却決定は石川さんと300万被差別部落民に対する敵意と悪意に満ち、部落解放運動つぶしの政治的意図に貫かれ、裁判所が部落差別を扇動する反動的差別決定であり、無実であっても被差別部落民には再審も認めないという極悪の差別決定である。
 高橋裁判長と陪席裁判官の罪は万死に値する。われわれは絶対に許さない。石川さんの無念を思い、何としても特別抗告審闘争に勝利しなければならない。
 (3)1・24棄却決定の不正義性、不当性は、何よりも高橋裁判長が事実調べを一度も行わなかったことに示されている。
 1・24棄却決定は、「事実調べの必要性は裁判所の合理的な裁量によって決すべき」として、高木裁判長が事実調べを行わなかったことを合理化し、自らも「これは異議審だから」と言って、事実調べを拒否したことを正当化している。
 しかし、死刑再審事件である免田事件第6次再審請求・即時抗告審や弘前大教授夫人殺し事件の第1次再審請求・異議審が事実調べを行い、再審開始を決定している事実をみても、「裁判所の合理的裁量」をたてにした高木裁判長や高橋裁判長の事実調べ拒否に、何らの正当性もないことは明らかである。これまでに再審が開始された重大再審事件のすべてにおいて事実調べが行われている事実は、再審請求審における事実調べの必要性を示し、事実調べを行わない裁判所が、予め再審請求を棄却する立場に立っていることを暴露している。
 狭山第1次、第2次再審において各裁判所が「裁判所の合理的裁量」をふりかざして事実調べを拒否し、再審請求を棄却してきたのは、事実調べを行えば石川さんの無実を認めざるを得なくなり、棄却決定が不可能になるからであった。
 1・24棄却決定の不正義は、この一点だけからでも明らかである。
 われわれは、1・24棄却決定を全面的に批判し、高木棄却決定もろとも粉々に粉砕するであろう。
 (4)アフガニスタン侵略戦争に参戦し、有事立法―改憲を軸に戦争国家づくりを進める日帝・小泉内閣は、1・24棄却決定を強行し、3月には同和対策事業に関する法を打ち切り、これをテコに部落差別を扇動し、人民分断支配を強化し狭山闘争と部落解放運動を解体・根絶する攻撃を一気に強めようとしている。解同本部派の屈服・転向による既成解放運動の帝国主義的融和運動への変質のもとで、部落解放運動は重大な危機に直面している。
 労働者人民は、アフガニスタン侵略戦争阻止、有事立法制定阻止の闘いと結合して、部落差別との闘いを自らの闘いとして決定的に強めなければならない。
 狭山闘争を柱とする差別糾弾闘争を基軸にした解同全国連の3大闘争路線、5万人組織建設路線こそ、今日の部落解放運動の危機を突破し、部落解放運動が300万部落大衆の自己解放の闘いとして勝利する路線であり、部落差別の廃絶、部落完全解放の道である。
 全国連は、狭山闘争の勝利と5万人組織建設の実現をかけて、昨秋から今年1月にかけて全国各地で開催した県連や支部大会の成功を土台に、3月全国大会で部落民自己解放に依拠した団結の創造に、真っ向から挑戦しようとしている。
 わが革共同は、全国連との団結を一層強め、全国連の勝利の路線をともに担い、日帝・小泉内閣の部落差別攻撃を粉砕し、特別抗告審闘争に勝利するために全力で闘いぬく。
 3月3、4日の全国連第11回全国大会は、1・24棄却決定への300万部落大衆と、闘う労働者人民の怒りを結集し、特別抗告審闘争勝利への決意をうち固める大会である。闘う労働者人民は全力で結集し、全国連の部落大衆とともに、大会の成功をかちとろう。

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週刊『前進』(2040号2面1)

狭山棄却に怒り爆発 “差別者・高橋、出てこい”
 解同全国連と解放共闘 250人が高裁実力糾弾

 「こんな決定は裁判ではない!」「いったい、どこまで部落民を踏みつけにしたら気が済むのか!」――東京高裁・高橋省吾裁判長の極悪の狭山異議審棄却決定に、全国で部落大衆と労働者人民の怒りが爆発している。不屈の決意を固める石川一雄さんと心をひとつにして、再審無罪戦取までとことん闘おう。
 1・24棄却決定直後から部落解放同盟全国連合会と部落解放共闘会議は全国で闘いに立ち上がった。東京では翌25日、緊急の東京高裁糾弾行動に立った。続く26、27日には数寄屋橋のマリオン前で宣伝カンパ活動を行い、たくさんの署名とカンパが寄せられた。
 週明けの28日には九州、中四国、関西、長野、茨城を始め全国から250人の部落大衆、労働者人民が結集し、東京高裁糾弾闘争を闘った。これに対して解同本部派は、棄却決定への部落大衆の怒りが全国に渦巻き、闘いを求めているにもかかわらず、東京高裁に対する糾弾・抗議の取り組みを一切放棄した。
 日帝権力は、1・24棄却決定に人民の怒りが大爆発することを恐れて、連日、裁判所周辺に多数の私服と機動隊を配置し厳戒態勢を敷いた。この権力の対応は裁判所に一片の真実も正義性もないことを示している。むき出しの暴力によってしか、でたらめな高橋決定を守れないのだ。
 全国連と解放共闘は権力の暴力的対応に怒りを燃やし、高裁正門前を250人の大隊列で制圧し徹底糾弾した。「差別裁判長高橋、出てこい!」「おまえを絶対に許さないぞ!」「部落差別の棄却決定を絶対に粉砕するぞ!」――怒りのシュプレヒコールが何度も何度も東京高裁にたたきつけられた。茨城県連や荒本や奈良の婦人たちが顔を真っ赤にして裁判所を糾弾した。警備に動員された多数の裁判所職員は、うつむき、うなだれるばかりだ。
 ボリュームを上げたスピーカーから怒りの声が官庁街にとどろいた。裁判所に出入りする労働者人民と職員が圧倒的に注目する。参加者は午後1時過ぎから2時間にわたって門前で次々と高裁弾劾文を読み上げ、最後に34通の抗議文、1381人分の抗議署名を裁判所に受け取らせた。
 権力・警察は、糾弾行動に一指も触れることができなかった。裁判所のえせ「権威」はぼろぼろに粉砕され、ただ不正義の暴力で守られているだけの、腐りきった、惨めな姿をさらけ出した。
 糾弾行動に先立ち、午前中の決起集会で解同全国連の中田潔書記長は、1・24棄却決定を厳しく弾劾し、再審勝利へ総決起を呼びかけた。「一度の事実調べも行わず異議申し立てを棄却した高橋決定は、裁判の名に値しない、でたらめな政治的な暴挙だ。アフガン復興会議の直後に強行された部落民への差別攻撃であり、部落解放闘争を力ずくで押しつぶすという国家権力の攻撃だ」「いくら無実の証拠を積み上げても、差別徹底糾弾の思想と運動で高裁を追いつめなければ、この闘いは勝てないということだ。不屈に闘う石川一雄さんと固く連帯して、部落大衆の怒りと力のみなぎった解放運動を必ずつくり出し、狭山闘争に絶対勝利しよう」と呼びかけた。
 決意表明で各地の代表は「高橋を絶対に許さない」「石川さんの人生を踏みにじっておいて、高橋よ、人並みの余生を送れると思うな」「必ず罪を償わせる」と、煮えたぎる怒りを次々と語った。
 決起集会後、日比谷公園からデモに出発し、東京高裁を徹底糾弾した。

 広島始め中四各地で反撃 

 部落解放同盟全国連広島支部と部落解放広島共闘会議は、東京高裁での糾弾闘争と連帯して、直ちに広島での反撃に決起した。
 1月25日朝8時、広島そごう前に登場、ビラをまき、ハンドマイクで通勤途中の労働者に対して訴えた。寒さが厳しい中であったが、ビラを差し出すと、コートから手を出して次々と受け取る。中には食い入るように読んでいる労働者もいた。
 27日には広島金座街で署名活動を行った。「ビラを下さい」といって駆け寄り、署名をして2000円のカンパをしていった人もいた。福島町など全国連広島支部の拠点がある町の人が多く署名していったのも特徴的だ。
 また、岡山などの中四国各地でも直ちに街頭宣伝などに決起した。

 石川一雄さんの声明

 只今裁判所よりの棄却という知らせを聞き、前回同様に強い憤りを感じております。
 私、石川一雄としては齋藤・柳田鑑定や足跡鑑定などの新証拠、科学的な鑑定によって、高橋裁判長の勇気ある判断を期待しておりましたが、再び再審が棄却されて、法の正義とは力によるものか、と心の中で自問自答しながらも、最高裁に再度自分の真実を貫き通すため上訴しようと思います。
 真実は一つであり、私はあくまでも自分の信念を貫き、そして身の潔白が明らかになるまで闘い抜くつもりでおります。
 2002年1月24日
 石川一雄

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週刊『前進』(2040号2面2)

阪神被災地 震災7周年で集会
 “1400名の首切り許すな”  「しごと開発」打ち切り阻止へ

 1月20日、被災地神戸で被災地雇用と生活要求者組合と関西合同労組兵庫支部の共催による「震災7周年・被災失業者1400名の首切り許すな! 第13回被災地反失業総行動集会」が労働者・住民200人を結集して開かれました。
 本集会は、全国の失業率が5・5%(近畿圏では6・5%、被災地兵庫では7%台)という中で「被災地しごと開発事業」(注)を打ち切ろうとしている兵庫県に対して「1400名の被災失業者の首切りを許すな」を掲げた阻止決戦として行われました。
 昨年10月12日、就労者組合は、関西合同労組などの支援とともに、兵庫県庁の知事室前の阻止線を突破して知事室に130人で突入し、県知事に対して実力の抗議をたたきつけました。ついに就労者の怒りが爆発したのです。
 この知事室突入の闘いはそれまでの「事業打ち切り反対」のスローガンに対する「事業打ち切り反対では何のことかわからん。1400人が首を切られるということだろう。それなのに抗議と言いながら赤信号で止まるようなデモをやって、それで終わりでいいのか」という批判が発端だったといいます。この10・12を頂点とする2001年の闘いを受けて、この日の集会が開かれたのです。
 司会、寸劇そして決意表明まで、集会を終始リードしたのは就労者組合の組合員でした。
 震災犠牲者への黙とうの後、主催者あいさつに立った被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表は「被災地の運動が8年目に突入する2002年、反失業の闘いに決着をつけなければならない時が来た」と檄(げき)を発しました。
 さらに、「小泉政権の言う構造改革とは、労働者の10人に1人は失業しろということであり、真っ先に被災地に失業という痛みが押しよせてきている」、また小泉政権のアフガニスタン侵略戦争への参戦という情勢の中、「失業者を生み出して、アジアに行け、中国に行け、戦争に行け」ということであり、戦争と失業は一体の攻撃だと提起しました。そして「7年間の被災地運動の成果を一切合切出しきって、しごと開発事業打ち切り阻止の3カ月決戦を死力を尽くして闘おう」と結びました。
 連帯のあいさつに立った神戸市議会議員の粟原富夫さんは「しごと開発こそ、被災地の労働運動の成果であり、大失業の今日こそ、労働者の生きる権利をかちとる闘いとして、打ち切り反対闘争を闘い、失業反対の闘いを全国に広げよう」と訴えました。
 神戸空港建設に反対する新空港反対東灘区住民の会の松原康彦事務局長のあいさつの後、全国金属機械港合同の大和田幸治事務局長が連帯のあいさつに立ちました。
 大和田さんは、「反失業の闘いをともにする立場から」と前置きし、「今日は言うまでもなく大失業と戦争の時代であり」「小泉政権は、戦争参加のために自衛隊法を改悪し、さらに憲法改悪の方向の中『聖域なき構造改革』に訴え、企業倒産の多発、大失業などさまざまなあつれきを押しつけ、労働者を犠牲にする」と弾劾しました。また港合同のこの間の倒産攻撃との闘いを紹介し、「しごと開発事業に対する県の打ち切り策動、権力・行政の悪しき方向に断固刃向かい、自らの権利と生活、自分たちの生きるべき道を自ら切り開こう」と訴えました。
 集会のメーンプログラムとして、しごと開発就労者組合による「決戦行動隊」と題した寸劇が演じられました。コミカルな中にも、首切りを絶対に阻止して勝利するという就労者の決意あふれる劇でした。
 決意表明では、同和住宅の家賃値上げに反対して闘う神戸・番町と西宮・芦原地区の住民団体など、これまで被災地反失業総行動をともに闘ってきた住民団体からの発言がありました。総行動は失業反対を軸に被災地のあらゆる闘う団体の統一行動として闘われてきましたが、いずれも連帯感と団結の強さを感じさせる発言でした。
 私が最も感銘を受けたのは、しごと開発就労者組合の発言でした。
 就労者組合の代表は、昨年の10・12闘争について、「胸がすーっとした。私らが、あのような闘いを何度でもやれば勝てることに確信を持ったことを兵庫県は一番怖がっている」「何度でもあのような闘争をやり、絶対しごとの延長をかちとる」と発言しました。
 集会の最後に被災地雇用と生活要求者組合から、2〜3月のしごと開発打ち切り阻止決戦の具体的方針が提起され、全員の総決起を確認し合いました。
 私は、労働者は階級として必ず闘いに立ち上がるし、自分たちの未来を自分たちで切り開いていくという確信をあらためて持ちました。本集会に参加して、自分の職場の労働者に、労働組合運動で責任をとっていく決意を打ち固めました。
(投稿/兵庫労働者 M・A)

【注】被災地しごと開発事業
 兵庫県は97年から被災失業者への事実上の失業対策事業として行ってきた「被災地しごと開発事業」を本年3月で打ち切り、1400人の就労者の首を切ろうとしている。
 被災地しごと開発事業の就労者は、月にわずか10日間の就労で最高5万円の収入しか得られないが、その収入で何とか糊口(ここう)をしのいで自立をめざしてがんばっている。兵庫県はその被災者から仕事を取り上げ、死ねというのだ。
 就労者は、殺されてたまるかと、しごと開発就労者組合を結成して「しごと開発事業の5年延長」を掲げて闘っている。

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週刊『前進』(2040号2面3)

2002春闘勝利へ団結
ワークシェアリング粉砕を
 賃下げ・首切り・不安定雇用化を「労使合意」で強制する大ペテン

 日経連は1月11日に発表した「労問研報告」で、ワークシェアリングを真っ向から掲げて、戦後春闘史上初めての賃下げ攻撃に踏み切った。労働者階級の賃金を一気に何割も削減しようという攻撃は、労働法を含む既成の諸関係の破壊と、労働者階級の怒りの総決起を覚悟しなければ資本としても好き勝手にやれるものではない。断末魔の危機にあえぐ日帝が、賃下げ攻撃を連合の屈服と追認でなんとか貫徹しようというペテンこそが「ワークシェアリング」である。「ワークシェアリング論」を徹底批判する。

 根底に「資本主義救済」への労組の屈服

 12月の完全失業率は5・6%と史上最悪を4カ月連続で更新した。この事態の背後には、ITバブル崩壊と「9・11」情勢によって加速された29年型世界大恐慌過程の進行がある。
 連日マスコミでは、深刻化する失業問題解決の決定打であるかのごとく「ワークシェアリング」が取り上げられている。では、ワークシェアリングとは何か。
 ワークシェアリングとは、もともとは英語のworkとshar(e)ingの合成語であり、一般には「仕事の分かち合い」などと訳されている。19世紀中ごろにはすでにイギリスにおいて職能組合で使われていたという。
 このように言うと、何か労働者同士のうるわしい連帯的運動を表しているかのごとく聞こえるが、現実の労働運動の世界では、失業問題が深刻になり、プロレタリア革命が問題になる時に登場する言葉だ。29年の世界大恐慌後の30年代のヨーロッパで、また74−75年恐慌後のヨーロッパでたびたび使われてきた。そして、ソ連崩壊後の90年代に入ってアメリカ帝国主義との争闘戦が激化したヨーロッパにおいて盛んに使われ、今日、日本において注目されるにいたった。
 その定義は、立場によって千差万別であって、確定したものはない。はっきりしていることは、労働組合がなんらかの譲歩をして、資本主義社会の決定的な破綻(はたん)を救おうという「資本主義救済」の思想が根底にあることだ。
 ただ、「ワークシェアリング」は、資本にとっても「解雇の自由」を制限し、新規雇用を義務づけたり、ほしいままの賃下げを制限したりする意味を含んでいるため、資本家団体が反対する場合が多い。そのため、「ワークシェアリング」の導入があたかも労働運動の「成果」であるかのごとく見えるという逆転現象も発生する。
 連合が今日、さかんに宣伝している「オランダモデル」もそうだ。その出発点になったと言われる82年のワッセナー合意は、74−75年恐慌以降のオランダ経済の破綻に震え上がったオランダ労働党の党首ウィム・コックが資本と国家権力に屈服して取り結んだ「社会合意」である。コックは後に首相となり、オランダのアフガニスタン侵略出兵の下手人となった。(本紙2035号3面参照)

 連合の方針転換で攻撃が一気に加速

 今日連合と日経連が推進するワークシェアリングは、ヨーロッパの例よりももっと悪らつで、むき出しの賃下げ攻撃である。
 日経連が最初に公式にワークシェアリングを言い出したのは、99年版「労問研報告」である。そこでは、ぬけぬけと「賃金分割をともなうワークシェアリングの考え方(たとえば1人分の賃金を2人の雇用者で分け合う発想)の導入」などと言っていた。つまり、賃金を2分の1にするのがワークシェアリングだと言うのだ。
 翌00年の「労問研報告」は、「ワークシェアリングとは、就労時間を減らし、その分、賃金を下げて雇用を維持する手法」と言い換えて本格的なワークシェアリング導入攻撃に踏み込んできた(「革共同第6回大会第3報告V」参照)。要するに、生産調整をやってその分の賃金カットを行うのがワークシェアリングだと言うのだ。だがこれは不況期の単なる賃下げ以外の何ものでもない。
 これに対して当時、連合は「契約時間からの時間減は休業であり、時間比例の賃金カットは労基法からも認められない」(00年2月10日中闘委)と、賃下げをともなうワークシェアリングには反対を表明した。
 その後、資本家団体も、大多数の労働者が月給制の現状では、労働時間を短縮しても簡単には賃下げできないと反対した。
 ところが、昨春以降の急激な恐慌過程突入に震え上がった連合は、許しがたいことに態度を一変させた。
 6月のNTT11万人首切り、30%賃下げ発表を皮切りに、7−8月に電機大手で計10万人にもなる一大リストラ計画が次々に発表され、秋から急激に失業が拡大。これに恐怖した連合は、夏の各単産の大会で一斉にワークシェアリングを議題にした。特に9月5日に大会を開いたIMF・JC(金属労協)は、「賃下げを含むワークシェアリングの検討」を決定した。このワークシェアリングの検討方針は、9月13日の連合中央委員会におけるベア要求放棄決定と一体だ。
 この連合による賃下げ容認を含むワークシェアリング提起を、社会的合意として確定したのが、10月18日の「日経連・連合『雇用に関する社会合意』推進宣言」だった。(本紙2030号3面参照)
 そして笹森は12月6日には、それまで単なる賃下げだとして反対していた「緊急避難的ワークシェアリング」も認め、1月16日にはワークシェアリング導入による7%賃下げを認めるまでにいたった。(別掲参照)

 「多様な雇用形態」で分断し団結破壊

 今年の労問研報告は、ワークシェアリングを、連合の屈服を突き、賃下げ攻撃を貫徹するために徹底的に利用している。
 その特徴は、第一に「雇用の多様化・柔軟なワークシェアリング」という言い方を繰り返し行っていることだ。「雇用の多様化」とは、派遣、パート、アルバイト、契約社員などのことであり、「柔軟なワークシェアリング」とは、短時間勤務などを含んだ多様な働き方だと言う。つまり、ワークシェアリングとは、95年の日経連「新時代の『日本的経営』」路線の狙いである労働者階級総体の不安定雇用化攻撃を連合の屈服につけ込んで、今日的に貫徹するための方便なのだ。
 第二に、ワークシェアリングを「緊急避難型ワークシェアリング」と「中長期的なワークシェアリング」に分けて、「緊急避難型」での操業短縮分の賃金カットを容易にするために、月給制を否定し時間給制を導入しようとしていることだ。「ワークシェアリング導入・普及を進めるためには、時間当たり給与の考え方が必要」「ノーワーク・ノーペイ原則を」と言っているのを見ればこのことは明らかだ。戦前は、ホワイトカラーは職員と呼ばれ月給制で、ブルーカラーは職工と呼ばれ、多くは日給であったり時間給であったりした。敗戦直後の労働運動の重要な要求としてこの「職工差別の撤廃」があった。その結果、戦後ほとんどの労働者が月給制となって今日にいたっている。
 この戦後労働運動の獲得物を一気に解体し、労働者階級を「新時代の『日本的経営』」路線に沿って、月給制(または年俸制)の一部の幹部社員と、年俸制の専門職と、圧倒的多数の時間給の不安定雇用労働者に分断し、企業別組合として形成された労働者の団結を解体しようというのだ。
 第三に、「中長期的なワークシェアリング」の意味するものは「就労形態の多様化」である。それは「在宅勤務」などを意味するが実際には企業に従属させられながら、なんら権利を与えられず、下請けのようなかたちで徹底的に搾取されるのだ。
 第四に、奥田は、「賃金を削減することで雇用を維持しようという施策も、……必ずしも労働時間の短縮をともなっているわけではないが、ワークシェアリングの一つ」と、電機などで始まっているむき出しの賃金カットすらワークシェアリングと言っている。
 第五に、NTT11万人リストラ、30%賃下げを「日本型ワークシェアリング」と言って追認したNTT労組委員長・津田の発言を見ればわかるが、ワークシェアリングはけっして雇用を確保するものですらない。デタラメきわまる違法性の高いNTTリストラでさえも、労組が認めさえすればワークシェアリングとして通用してしまうのだ。
 第六に、ワークシェアリング推進のため「労使は社会の安定帯」論を強調している。昨年8月1日にJR総連・東労組がJR東と結んだ「第4次労使共同宣言」の「一段と質の高い労使関係」とは、労資が一体となって賃下げも首切りも推進することであり、まさに「ワークシェアリング導入」の反革命的核心を貫くものだ。日帝のワークシェアリング攻撃を引き出したものこそ「第4次労使共同宣言」だ。このJR総連カクマルを何ら批判せず、すり寄る反革命カクマルの「日本型ワークシェアリング批判」の反革命性は明らかだ。

 連合・JR総連の打倒が核心

 労働者階級の怒りの前に立ちはだかり、闘う団結の形成を阻害しているものこそ連合の存在だ。連合こそ帝国主義の労働者支配の最弱の環なのだ。労働者の唯一の武器は団結だ。連合打倒の中にこそ団結の回復と労働組合の防衛・再生、帝国主義を打倒する労働運動創成の展望が存在する。
 とんでもない攻撃が連合の裏切りと追認によってワークシェアリングとしてまかり通ろうとしている。ワークシェアリングのペテンを徹底的に暴き出し、賃下げ攻撃の先兵、連合・JR総連カクマルを粉砕し、春闘爆発へ突き進もう。

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週刊『前進』(2040号2面4)

笹森が7%賃下げ容認 “労組の反対あるがやる”

 前号2面に既報のとおり連合会長・笹森は1月16日に7%賃下げ容認の一大裏切り発言を行った。
 笹森が発言したのは、社会経済生産性本部が、労担どもを集めて春闘対策を謀議する「新春労使トップセミナー」においてである。
 笹森はそんな場に恥ずかしげもなく出席し、(ワークシェアリング導入にあたって)「組合内には反対論もあるが、雇用を維持し、景気回復後に元に戻す復元協定があれば、5―7%の賃金カットを受け入れてもいい」「所定労働時間が8時間から7時間に縮小されたら、その1時間分は労働対価としてカットされるものとして飲みなさいと私は言っている」などと述べて、資本家どもにこびへつらった。
 「組合内には反対論もあるが」「(賃金カットを)飲みなさいと言っている」とは何ごとか。語るに落ちるとはこのことだ。労働者の組織的な団結体である労働組合が賃下げに反対するのは当然ではないか。賃下げに反対する労組と労働運動を解体し、団結を破壊しなければ、賃下げなどできはしない。そこで労組の抵抗を破壊する役割を笹森は自ら買って出たのだ。これがワークシェアリングの正体だ。
 賃下げの先兵、連合指導部を怒りの炎で打倒しよう。

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週刊『前進』(2040号3面1)

名護市長選 宮城候補が気迫の訴え
 “市民の総意を実現する” 新基地建設阻止へ激戦貫く

 名護市長選挙が1月27日に告示され、2月3日の投票日まで1週間の激戦に突入した。名護新基地の建設か白紙撤回かをかけた激戦がスタートした。
 午前8時半、宮城やすひろ候補は、名護市大西区にある選挙事務所隣の広場での必勝出発式に臨んだ。最前列に辺野古の命を守る会のおじい、おばあが並び、1000人を超える支持者が詰め掛けた。
 宮城やすひろ候補は、ピリッと引き締まった表情で演壇に立った。まず玉城義和選対本部長が「住民投票の民意である基地のない名護市をつくることが大きな使命だ。民意は強力な壁も崩すことができる」と勝利を訴え、渡具知裕徳後援会長(元市長)が「横綱も負けることがある。やすひろ君には金星の相が出ている」と太鼓判を押した。
 さらに島袋宗康社大党委員長、保坂展人衆院議員、赤嶺政賢共産党沖縄県委員長などが応援演説を行い、やすひろ候補が名護市議会で会派を組んでいた大城敬人(よしたみ)市議が「ヒンプンガジュマルのように地方自治に根を張って、住民こそが主人公の宮城市政を打ち立てよう」と檄(げき)を飛ばした。
 いよいよ宮城候補の第一声。「97年の住民投票で反対が過半数を上回った。民主主義がわかるんだったら、政治家としては基地建設を止めるのが当然の結論だ。基地建設には頼らないで振興をどうつくり出していくのか、市民が融和して名護市をつくり出していく。これをやるのが私の責務だと、それをやれと大勢の皆さんが真心を寄せて集まり、闘っていると認識しています」と語り、当初の海上ヘリポート案がリーフ上を埋め立てて2700bの巨大基地を造ろうという話になっていることについて、「こんなデタラメを認めるわけにいかないというのは名護市民の総意だ。原則をずらしてはいけない。市民みんなで決めた大切なことを実現する、それが住民自治だ。現職の市長は政府に振り回され、市民を振り回し、幾ばくかの金を得るために住民の暮らしや福祉をどんどん切り捨てている」と岸本市政を痛烈に批判。「この(基地受け入れ)問題を終わりにしましょう」と力強く訴えた。参加者から「そうだ!」の声と拍手が寄せられる。
 「皆さん、わが沖縄に新しい基地はいらないという思いは、そんなに無謀な思いでしょうか。全国の在日米軍基地の75%をも沖縄に押しつけ、危険な普天間基地を撤去するために新たな基地を沖縄に造るという。これを受け入れてしまったらこの先、大変なことになる。これは新しい琉球処分と言っても過言ではない」と切々と語り、「私たちが言うべきことをしっかり言って沖縄を守っていくことは、実は世界で日米が進めようとしていることとは違う新しい、ともに生きる地球をつくり出していくという意味でも大きな闘いになる」と、信念を語った。
 宮城候補は、「最後の最後まで油断せず、1票1票掘り起こし、必ずや勝ちましょう。そしてこの問題を終わりにしましょう」と、力強く結んだ。会場からは大きな拍手がわき上がり、宮城候補を包んだ。
 最後に、「宮城やすひろ新市長を誕生させるために、一致団結してガンバロー」と、唱和した全員の声が力強く響いた。
 「この時を待っていた」と涙を流して、勝利を誓うおばあがいた。アフガニスタン侵略戦争をテレビで見ながら、沖縄戦のようだと心傷める人たちがやすひろ候補に心寄せている。名護市民のエネルギーを解き放つ選挙戦を闘い抜けば、勝利は絶対に可能だ。
 宣伝カーで出発した宮城候補は真っ先に辺野古に向かった。
 岸本との一騎打ち、撤回か受け入れか、この選挙に勝負がかかった。「宮城氏は捨て身でくるだろう。当選すれば普天間問題は難しくなる。県がどう判断するか。11月の知事選にも影響してくる」との政府関係者のコメント(沖縄タイムス1・26付)にも、追い詰められた日帝・小泉の危機感があらわだ。この選挙の勝利は、アフガニスタン・中東侵略戦争を遂行する日米帝国主義のどてっ腹に風穴を開けることになる。
 名護市長選の激戦から72年沖縄「復帰30年」を迎える5・15闘争へ、闘う名護市民、沖縄県民と連帯し、名護新基地建設を絶対に粉砕する時だ。

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週刊『前進』(2040号3面2)

全面激突局面のパレスチナ シャロン政権の人民虐殺弾劾
 決死の闘いに命がけの連帯を

 米帝ブッシュ政権のアフガニスタン侵略戦争と一体となって、イスラエル・シャロン政権がパレスチナ全面圧殺攻撃に出ており、パレスチナ情勢は引き続いてきわめて緊迫している。
 シャロン政権は1月22日、イスラエル軍をヨルダン川西岸のナブルスに侵攻させ、パレスチナのイスラム勢力ハマスのメンバー4人を襲撃して暗殺した。さらに24日夜にはガザ地区南部のハマスの地域リーダーを暗殺した。イスラエル軍はパレスチナ自治区への侵攻を続け、連日のようにパレスチナの闘う勢力に虐殺攻撃を加えている。さらにパレスチナ自治政府の放送施設や治安施設などに攻撃を加え、自治政府の全面圧殺を図っている。
 これに対してパレスチナ人民は激しく極限的に闘いぬいている。1月27日、西エルサレムの中心街で女子学生が自爆闘争に決起し、1人が死亡、140人が負傷した。女性が自爆闘争に決起したのは初めてであり、自爆闘争への決起が全人民的に広がっていることを衝撃的に突き出した。
 こうしたイスラエルの攻撃は、パレスチナ解放闘争を全面的に圧殺するばかりでなく、パレスチナ人民の存在そのものをも抹殺しようとするすさまじい攻撃である。パレスチナ自治政府・アラファト指導部を全面屈服させ、自治政府によってパレスチナ解放闘争を圧殺させようとする攻撃としても加えられている。
 昨年暮れには自治政府によるハマスなどへの襲撃が行われた。12月20日、ガザ北部の町ベイト・ハヌーンでハマス幹部を逮捕しようとした自治政府の治安部隊と住民が激突し、17歳の少年が死亡し、10人が負傷した。翌21日には少年の葬儀をめぐってハマスやイスラム聖戦と自治政府治安部隊との間で銃撃戦となり、5人が死亡し、60人が負傷した。今年に入って1月15日にはパレスチナ自治政府はPFLPのサアダト議長を逮捕した。
 ヨルダン川西岸のラマラやガザの難民キャンプでは自治政府の解放勢力摘発に反対するデモが起こっている。この間の自爆闘争や銃撃戦への決起は、こうしたパレスチナ自治政府による弾圧を打ち破って戦われているのである。
 1月23日にはヨルダン川西岸のナブルスでイスラエル軍の襲撃で殺されたハマスメンバーの葬儀に数万人の市民が結集した。また自治政府の刑務所では逮捕令状もなく、起訴もされていないのに拘留され続けている囚人たちが無期限のハンガーストライキに決起しており、27日には家族ら100人以上が刑務所を取り囲んで騒乱状態となり、自治政府は7人を釈放せざるを得なかった。
 この間、ハマスやイスラム聖戦だけでなく、ファタハの中からもアルアクサ殉教者団がアラファト指導部の戦闘停止宣言と武装勢力に対する襲撃を打ち破って銃撃戦闘に決起している。アルアクサ殉教者団は、第一次インティファーダを闘いぬいた若い世代を中心とした勢力であり、今やアラファト指導部の制動が利かなくなっているのだ。
 こうした中で米帝およびイスラエル・シャロン政権は決定的に追い詰められている。何よりもシオニスト国家イスラエルの存立そのものが根底から揺らぐところにまで至っているのである。パレスチナ人民の自爆闘争への決起、インティファーダへの決起によって、占領地にはシオニスト入植者やイスラエル軍以外は足を踏み入れられなくなっているだけでなく、たとえイスラエル国内であってもけっして安全ではない状態になっている。
 しかもイスラエル国内においてもパレスチナ人民虐殺に対する反対運動が拡大している。25日にはイスラエル軍の予備役兵50人がイスラエルの政策を批判し、軍務拒否を宣言して新聞に発表した。これは60人に広がっており、退役軍人も含めてさらに拡大しようとしている。
 イスラエルは、帝国主義の侵略と結びついてデッチあげられた人為的な「国家」であるために絶えざる移民によってユダヤ人人口を支え、パレスチナ人民への暴力的抑圧と虐殺の上にのみ存立してきたのである。インティファーダを始めとするパレスチナ人民の闘いによってそうした存立の危機に直面しているからこそ、米帝とシャロン政権はパレスチナ人民の全面的抹殺とも言うべき凶暴な攻撃に出ているのである。
 それは、オスロ合意による暫定自治、パレスチナ和平によるパレスチナ圧殺策動の完全な破産でもあり、パレスチナ情勢は全面激突以外にないところに完全に突入している。
 パレスチナ人民はあらゆる犠牲をのりこえて決死の闘いに突入している。われわれはパレスチナ・中東・ムスリム人民への新たな7・7自己批判に立って、この決起に連帯して闘わなければならない。全力でアフガニスタン・パレスチナ反戦闘争の高揚をつくり出そう。

 革共同のパレスチナ解放闘争連帯スローガン

☆米帝と結託したイスラエルによるパレスチナ暫定自治政府転覆・ガザおよびヨルダン川西岸軍事侵攻阻止!  無差別虐殺阻止! パレスチナ人民の民族自決の要求と闘い断固支持!  シオニスト国家イスラエル解体=パレスチナ国家建設支持!
☆450万パレスチナ難民の帰還権を実現しよう!
☆イスラエル内および全世界でシオニズムと闘うユダヤ人民と連帯し、米帝とその手先=シオニスト打倒をともにかちとろう!
☆イスラエルの入植地建設=パレスチナ人強制追放粉砕! 一切の入植地解体!  イスラエルのあらゆる人種差別、虐殺・不当逮捕・拷問を許すな!
☆米帝によるパレスチナ圧殺のためのペテン的中東「和平」策動粉砕! 米軍はサウジアラビア、バーレーンなど湾岸諸国から撤退せよ!
☆帝国主義の中東石油支配・中東支配を粉砕せよ!
☆米帝に屈服するアラブ諸国反動支配階級を打倒せよ!
☆パレスチナ・中東を始めとする闘うイスラム諸国人民と連帯し、日帝の中東石油強奪、中東侵略戦争参戦を阻止せよ!

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週刊『前進』(2040号3面3)

闘争団、新たな闘いへ
 鉄建公団を相手に 「解雇無効」283人が提訴

 1月28日、国労闘争団員と遺族283人は、国鉄清算事業団による解雇の無効と未払い賃金の支払いなどを求めて、鉄建公団を相手とする訴訟を東京地裁に提起した。また、新たに54人の闘争団員がJR採用差別訴訟への訴訟参加を最高裁に申し立てた。
 採用差別裁判の取り下げと闘争団への統制処分を画策する国労本部に対して、闘争団は真っ向から対決する姿勢を打ち出した。他方、国労本部は統制処分の発動をさらに声高に唱えている。2月3日の国労中央委に向けての決戦情勢はいよいよ煮詰まった。
 闘争団は、この訴訟を国家的不当労働行為を行った政府の責任を追及する闘いとして位置づけている。不退転の闘いに踏み出した闘争団を全力で支えよう。
 同日夕、原告の闘争団員らはシニアワーク東京で「鉄建公団訴訟提訴報告集会」を開催した。闘争団員を始め国労組合員、支援の労働者など100人が結集し、会場を埋めた。
 原告団長を務める闘争団員が、「本部は4党合意による解決をめざすと言うがなんの進展もない。私たちは、ぎりぎりの時期に鉄建公団を訴えた。本部にもこの訴訟への取り組みを求めたい。あくまでも国労の一員として頑張る」と決意を述べた。
 原告団には闘争団の遺族も加わった。美幌闘争団遺族の三浦成代さんは、闘い半ばでなくなった夫の無念を晴らし、自らが当事者となって闘うと語った。
 訴訟代理人の大口昭彦弁護士が、裁判の目的について、@清算事業団職員という立場を回復してJR復帰の足がかりを築く、A不当労働行為責任をけっしてあいまいにしない、Bリストラのあらしの中で首を切られた多くの労働者の怒りを結集するため、組合員一人ひとりが主体的に立ち上がった闘いだ、と提起した。
 また、国労本部が今回の訴訟提起に対して「JRの責任追及の闘いを妨害するもの」などと誹謗(ひぼう)していることに反論し、「最高裁訴訟も取り下げようとしている人が『闘いの妨害』などと言えるのか。本来なら、鉄建公団訴訟は本部が取り組むべき課題だ。私たちは、JR、清算事業団双方の責任を追及する」と批判した。
 早大名誉教授の佐藤昭夫さんが、「旧国鉄とJRの不当労働行為責任を追及し1047名の復職を求める賛同署名」を呼びかけた。
 音威子府闘争団の家族が、苦難の闘いを振り返りつつ、「本部に私たちの人生を任せることはできない。15年の闘いを無駄にしないために、政府・JRの責任を追及する」と決意を述べた。

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週刊『前進』(2040号3面4)

動労水戸が大会・旗開き 春闘スト方針確立 

 1月27日、動労水戸の第19回定期大会が茨城県水戸市内で開かれ、02春闘をストライキで闘うことを柱とした運動方針を確立した。
 国分勝之委員長は、「21世紀は大変な情勢で始まった。9・11に対してアメリカが報復戦争を開始し、日本も参戦した。われわれの生き方が問われている。労働者の団結力に依拠して闘う以外にない」と訴えた。そして「JR東労組カクマルは第4次労使共同宣言を結び、会社の忠実な先兵となることを誓った。しかし会社とカクマルの磐石(ばんじゃく)な体制は続かない。春闘ストを構え、動労水戸のように闘おうという運動をつくり、組織を拡大しよう」と檄を飛ばした。
 討論では、運転士登用差別、昇進昇格差別との闘いや、検修外注化阻止に向けた闘いの強化を求める意見、関連事業・隔離職場からの原職奪還の決意などが出された。結成以来16年、動労時代から20年の団結の力に確信を深め、いよいよ組織拡大に打って出る時だと確認された。
 前回大会で選出された国分委員長―木村郁夫書記長体制のもと、さらに強固な団結を固めた大会だった。
 来賓あいさつでは、部落解放同盟全国連茨城県連の原口孝一副委員長が、狭山異議審棄却を弾劾した。
 大会後、団結旗びらきが行われた。三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が暫定滑走路阻止を訴え、全金本山労組や県内の労組、市民団体などが連帯のあいさつを行った。

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週刊『前進』(2040号3面5)

学生戦線の報告と決意〈4〉
イスラム諸国人民との連帯を鮮明にしてクラ討の壁を突破
 マル学同中核派 京都大学支部

 昨秋、マル学同京大支部は佐世保闘争を頂点とした闘いを全力で切り開いてきた。その教訓と本年年頭の決意を明らかにしたい。

 タリバン、アルカイダ殺すな

 第一に、11・24−25佐世保闘争を、基地突入の実力闘争として闘い抜いたことが決定的であった。
 民族解放の闘いに立ち上がったイスラム諸国人民を虫けらのように虐殺する帝国主義。これに対する闘いとは何か。反スターリン主義・革命的共産主義運動はいかに9・11にこたえるのか。われわれは、端緒的ではあるが体を張った内乱的闘いを貫くことによって、このことをつかみとった。
 @今回の参戦出兵をめぐる決戦は、歴史を分ける階級決戦としてあった。9・11反米ゲリラ戦争を、開始された国際的内乱として受け止め、これとどう連帯するのか。このことが秋の闘いの一切をなした。
 帝国主義は基本矛盾を爆発させ、大失業と戦争を激化させる以外になく、歴史的生命力を喪失している。その中で、イスラム諸国人民の民族解放のエネルギーが米帝中枢に向かって炸裂(さくれつ)した。この9・11の巨弾に対して、国際帝国主義は競い合って民族解放闘争を根絶する大虐殺を強行し始めた。日帝は、戦後的制約をすべて突破していくものとして、暴力的に参戦を強行した。
 ここに「戦争か革命か」の歴史的分岐が突き出されたのだ。この攻撃に対してアリバイ的な取り組みで済ますことはあり得なかった。「闘うイスラム諸国人民と連帯し、国際的内乱へ」を実際に組織する実力闘争をやり抜くのか、それとも屈服するのか。二者択一が問われたのである。
 ここで鋭角的に問われたのは、「テロ根絶」の大合唱を跳ね返し、「タリバン、アルカイダを殺すな」として具体的に連帯すべき仲間として彼らをとらえ、「闘うアフガニスタン人民との連帯」を鮮明に打ち出すことであった。そこを明確にさせた時、革命的祖国敗北主義を理念や抽象ではなく実践的立場としてはっきりさせることができた。
 A実力闘争、内乱的闘いの勝利性を力強く示したことは、巨大な意義を持つ。基地突入と海上行動の闘いは、戦時下の反戦闘争のあり方をすべての労働者人民に鋭く示した。逮捕・流血を恐れず、完黙・非転向を決意した部隊は、機動隊の暴力にびくともしなかった。人民は帝国主義の暴力に無力感や敗北主義に陥る必要はまったくない。
 「闘うイスラム諸国人民との連帯」とは、まさしく実力闘争だ。ここに革共同の学生運動論の一端が原点的に開示された。われわれ自身が、主体的にそれをつかみとった。これこそ、魅力ある全学連運動の登場そのものである。
 B以上の闘いを、全学友を対象とした扇動戦への飛躍に挑戦しながらつくり上げてきた。「侵略戦争に賛成か、反対か」を問うクラス決議運動をやり抜き、16クラスで決議を上げた。
 この過程は教訓に満ちていた。中東諸国人民との連帯を訴え、侵略戦争に対する自らの怒りをたたきつけた。しかし、「9・11はどう考えるのか」「タリバンやアルカイダはどうするのか」ということが出され、これに明確な回答を出さなければ大衆的決起にならない壁にぶち当たった。この中で、タリバン、アルカイダは民族解放のために必死に闘っている存在であり、彼らが一人でも殺されることは体を張っても阻まなければならないことを打ち出した。この点でわれわれ自身が突き抜け、そこを鮮明にする度合いに応じて、学友の決起は実現された。
 具体的なアフガニスタン人民を措定し、その存在に肉薄することに応じて、われわれの闘いの意欲と帝国主義への怒りがはっきりする。このことをわれわれ自身がつかみとり、確信を打ち固めた過程だった。

 不当逮捕に全学の力で反撃

 第二に、佐世保闘争に対する一大反動として襲いかかった11・28弾圧を打ち破る闘いの中で、新たな教訓をつかみとった。
 アフガニスタン侵略戦争反対の闘いを闘ってきた京大熊野寮に不当捜索が行われ、一人の学友がリンチ・暴行を受けて逮捕された。しかし京大全学の大衆的な共同闘争でこれを打ち破り、学友を奪還した。
 @この弾圧は危機に立つ日帝の全体重をかけた重大な攻撃だった。われわれがイスラム諸国人民との連帯をかけ、自衛隊出兵と真正面から対決する実力闘争を闘い抜いたがゆえに、国家権力は襲いかかった。
 同時にそれは、差別糾弾を闘う学友への狙い撃ち弾圧だった。京大では98年以来、悪質きわまりない部落差別・民族差別の扇動が繰り返されてきた。部落民を人間外の人間とし、生きた人間から心臓をえぐり出すに等しい極悪の差別がかけられた。しかも京大当局は、一切真剣な対応を取ろうとせず、居直りを決め込んでいた。
 これに対して全学の学友が立ち上がり、声を上げ、この闘いがついに京大当局を追い詰め始めた。この瞬間に、京大学生運動破壊の攻撃として今回の弾圧が強行されたのだ。
 A学友を取り戻したのは大衆的な行動の広がりである。学友自身の完全黙秘・非転向の闘いと同時に、全学の学生と寮生が「学友を取り戻そう」の一点でともに立ち上がった。団体交渉や警察・裁判所への抗議行動を連続的にやり抜く中で、弾圧の不当性・違法性を大衆自身がつかみとり、怒りを鮮明にさせて闘った。連日の弾劾行動に追い詰められた権力は、勾留理由開示公判に機動隊を導入する暴挙に踏み切ったが、われわれは大衆的怒りをたたきつけて起訴を断念させ、学友を奪還した。
 権力・大学当局との闘いを内乱的に発展させることによって、学友の怒りを一歩ずつ鮮明にさせ、生き生きと闘い抜くあり方を実現し、その力の巨大さを示したのである。

 魅力ある学生運動をつくる

 総じて問われたことは、新たな国際的内乱の開始の時代に、レーニンの「3つの義務」を貫徹する党への飛躍であった。革命の接近を肌でつかみとり、第6回大会路線で武装した革共同に確信をもって、われわれの途上性をえぐり出し、必要な自己変革をやり抜くことである。
 宣伝・扇動上の飛躍として、イスラム諸国人民との連帯、侵略戦争への怒りの中に革命的時代認識を貫いていくことが求められている。国際プロレタリアートは自己解放の闘いに総決起し、その先頭にイスラム諸国人民が民族解放をかけて立ち上がっている。他方、帝国主義はその延命をかけてアフガニスタン侵略戦争−世界戦争に突き進んでいる。勝敗を決するのはイスラム諸国人民の糾弾と決起の呼びかけに連帯する帝国主義国の労働者階級の国際的内乱であり、革共同の内戦戦略を実践に移す革命的大衆行動の組織化だ。
 飛躍をかちとるかぎは、3原則の貫徹である。革命的共産主義者としての自覚的闘いとして、革命をかちとる党をつくり出す生き生きとした闘いとしてやり抜くことである。
 何よりも、革命的反戦闘争の巨大な爆発を切り開く先頭に立つことを決意したい。血を流して闘うアフガニスタン人民の死闘と連帯して、アフガニスタン復興会議粉砕、有事立法国会粉砕の闘いを皮切りに、佐世保をはるかに上回る実力闘争を実現する。
 われわれは名護新基地建設を阻止する闘いをすでに全力で闘っている。三里塚暫定滑走路の開港を断固阻止しよう。この中で、魅力ある全学連運動の登場、京大学生運動の高揚は必ず実現できると確信する。
 危機を深め、敵対を強めるファシスト・カクマルを大衆運動の圧倒的高揚で追い詰め、武装自衛戦争を貫徹し、86年1・20福島慎一郎同志虐殺への復讐戦を貫徹しよう。以上の闘いの機軸に機関紙拡大を貫き、巨大なレーニン主義の党をつくり出そう。

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週刊『前進』(2040号4面1)

全国連第11回大会の大成功を
 狭山異議審棄却を徹底弾劾し 全国連5万人建設で総反撃へ
 全国部落青年戦闘同志会

 はじめに

 1月24日、東京高裁・高橋省吾裁判長は、狭山第2次再審請求にかかわる異議申し立ての棄却を強行した。異議申し立て以来2年半、一度の事実調べも行わず、高木決定に続いて再び、石川一雄さんの無実の訴えを踏みにじったのだ。絶対に許すことはできない。
 石川一雄さんは、この決定に対して直ちに記者会見を行い、「あくまで信念をつらぬく」という不屈の意志を示し、最高裁への特別抗告を宣言した。部落解放同盟全国連合会と部落解放共闘は直ちに全国で決起した。また、25日の東京高裁緊急抗議に続き、28日には全国から250人が結集して、怒りの弾劾を東京高裁・高橋にたたきつけたのである。
 第2次再審闘争はまだ終わってはいない。第2次再審の決着は、高木決定(第2次再審請求棄却決定)の爆砕、再審の開始と石川一雄さんの無罪判決以外には、いかなる決着点もないのだ。高橋裁判長は、異議審棄却決定が300万部落大衆の怒りの炎に油を注ぐことしか結果しないことを銘記せよ。
 われわれは、不屈の石川一雄さんと固く固く連帯し、特別抗告を貫徹し、必ずや高橋決定を高木決定もろとも打ち砕き、再審開始をかちとらなくてはならない。
 来る3月3、4日、大阪・森之宮ピロティホールを主会場に、部落解放同盟全国連合会の第11回大会が開催される。この大会こそ、1・24異議審棄却に対する怒りと反撃の最大の闘いであり、狭山闘争の全人民的発展を真に切り開く、300万部落大衆と労働者階級の最大の結集軸である。2・7異議審棄却糾弾―特別抗告審勝利へ向けた全国一斉闘争に決起し、3月3日、全国から大阪・ピロティホールに結集しよう。全国連第11回大会の歴史的成功をともにかちとろう。

 戦争と差別、事業打ち切り攻撃ぶっ飛ばせ

 全国連第11回大会の成功のために確認すべきことの第一は、部落解放運動は、今や歴史的な大反動情勢に直面しているという事実である。
 このことを示す最も重要な問題は、日帝のアフガニスタン侵略戦争への参戦である。これによって、今や全情勢が一変した。今国会では、有事立法の制定までがたくらまれている。有事立法の制定は、一挙的に明文改憲にまで結びつく攻撃である。今や日帝は現実に、アジア、中東、全世界に対して侵略戦争をやる帝国主義として登場し始めたのである。
 ここで注目すべきことは、侵略戦争を実行し、いかに勝つかが、日帝の政治の原理に完全に据えられたということである。今国会に提出されようとしている有事立法は、けっしてこれまでの延長のものではない。「テロ根絶」の名目で、「テロ国家」「テロリスト」と断定した国や人びとへの攻撃、虐殺を正当化し、それを全面的に実行できる国家体制をつくろうとしているのである。これを公然たる侵略戦争の論理と言わずして、いったい何と言えばいいのか。
 この日帝の政治の転換、侵略戦争への完全なかじきりは、不可避に部落差別攻撃の歴史的激化を引き起こす。侵略戦争を実行し、それに勝つ国、国民とは何か。それは平気でアジアや中東の人びとを殺すことのできる軍隊、アジアや中東の人びとに対する抑圧、差別を当然とする国民である。こうした転換は、階級闘争の一掃、日本人民の思想的、倫理的根幹を解体することなしには不可能である。そしてそのために、入管体制の戦時的再編・強化を軸とした排外主義の扇動とともに、部落差別がそのテコとして使われるのだ。ここにこそ、部落差別が今日もなお存続する最大の根拠がある。
 今日、差別の洪水とも言うべき状況が生み出されている。インターネット上での差別扇動を始めとして、ファシスト的差別扇動が空前の規模で引き起こされつつある。それは、日帝の体制的危機の中で、社会の膿(うみ)が吹き出しつつあることを示している。だがその最大の原因こそ、部落差別・人民分断支配の攻撃が、日帝によって、侵略戦争体制づくりのために、今や自覚的、積極的に推進されようとしているということなのだ。
 いまひとつは、「同和対策事業」にかかわる法律が、この3月いっぱいをもって最後的に打ち切られるという事態である。これによって国家レベルの事業は全廃され、地方自治体でも、来年度予算をめぐって、全廃、大幅削減が相次いでいる。わずかに残されたものも「激変緩和措置」という位置づけに過ぎず、2年後の廃止を前提にしたものでしかない。戦後同和政策の最後的終了である。
 だがこれは単純な期限の終了などではない。単に事業がなくなることを意味するだけでもない。これらの法律は、部落差別の存在と、その解消の責任が国家(行政)にあることを認め、差別に対する賠償責任をも認めさせるものであった。部落差別がある限り、打ち切りは本来ありえないものなのである。だからこそ、法の打ち切りとは、部落差別を解消する国家の責任と義務の放棄、部落大衆の人間的権利に対して、国家は、もはや何の責任も義務も負わないということを意味するのだ。
 このことは、国や行政が部落大衆の苦しみに対して「知らん顔」をするだけではない。部落大衆の生存や人間的尊厳をかけた要求闘争や糾弾闘争に対しては「何の根拠もない」とし、徹底的に弾圧するということでもあるのだ。法打ち切りによってもたらされる事態は、まさに部落大衆を無権利状態に追いやり、水平社創立(部落解放運動創成)以前に歴史を逆戻りさせるような大反動なのである。
 だが問題なのは、情勢を評論することではない。問題なのはこのような大反動を切り裂くこと、この大反動をけ散らし、差別撤廃と人間解放の道に転化することである。現実に侵略戦争を阻止し、帝国主義の支配を打ち倒すことなのだ。その唯一の道こそ、全国連の5万人組織建設である。われわれは全国連に結集する部落大衆とともに、第11回大会において5万人組織建設の鮮烈な旗を打ち立て、部落解放運動情勢を一変させる歴史的大会としなくてはならない。

 狭山棄却への怒りの大会に

 狭山第2次再審闘争こそ、この全国連5万人組織建設の突撃路である。1・24の狭山異議審棄却の攻撃は、まさにこの戦争と差別、法打ち切り攻撃と一体のものであり、その頂点をなす攻撃にほかならない。国家権力による部落差別犯罪の公然たる開き直りであり、部落大衆に対するあからさまな虫けら扱いである。部落民に対しては、法も裁判もないと言うに等しいものだ。それは国家的な差別の扇動以外の何ものでもないのだ。
 だが同時に、狭山差別裁判こそは、日帝による戦争と差別の攻撃の破綻(はたん)点でもあることを銘記しなければならない。狭山闘争の不屈の発展によって、狭山差別裁判とともに、戦争と差別のその全体を、必ずひっくり返すことができるのだ。
 考えてもみてほしい。狭山闘争の30数年間の闘いは、日帝の同和政策に依拠して闘われてきたわけではない。石川一雄さんの無実と、国家権力による差別犯罪という明白な事実に立脚した、国家権力に対する徹底糾弾の原則こそ、狭山闘争を一貫して貫き、支えてきた原点であった。浦和地裁実力占拠闘争(69年)に始まり、東京高裁に対する11万人もの空前の包囲闘争(74年)をも実現したように、この闘いは初めから、部落大衆の団結と、労働者階級との階級的共同闘争にのみ依拠して闘われてきた、日帝国家権力に対する実力糾弾闘争だったのである。
 この原点と力は、石川一雄さんの不屈の闘いを先頭にして、今なお不滅である。そしてここにこそ狭山闘争の歴史的勝利を実現する根元的な力があるのだ。われわれは、全国連第11回大会を、異議審棄却への怒りの総結集、300万部落大衆の総反撃の狼煙(のろし)をあげ、特別抗告審闘争勝利へ総決起する大会としてかちとらなくてはならない。

 300万部落大衆の主流に今こそ躍り出よう

 第11回大会の成功のために確認すべきことの第二は、全国連5万人組織建設が今や待ったなしの死活的課題になっているということである。この大会は、戦争と差別の大反動情勢下で、部落解放運動の情勢を一変させる意味をもっている。だがそれだけではない。この大会は、全国連自身の歴史と主体的情勢をも画期する大会としてかちとらなくてはならないのだ。
 この点で今や、われわれ自身の考え方を完全に転換させる必要がある。全国連創立以来10年間の苦闘的前進はかけがえのないものである。だが今問題にしている全国連5万人組織建設という課題は、その延長上にはけっしてない。今や時代が完全に変わったのだ。一切の実践的結論は、ここ2〜3年のうちに、全国連が300万部落大衆の決定的主流に躍り出なくてはならないということである。もしこれができないとするなら、全国連の存在価値自体がなくなると言っても過言ではないのだ。

 本部派のりこえ新たな団結つくり出して

 全国連5万人組織建設への課題の第一は、部落の村ぐるみの団結を、まったく新たに、ゼロからつくりあげていくことである。
 法打ち切りを前にして今、全国の部落で、解放同盟(本部派)支部の解散、「休業」という事態が相次いでいる。大阪の寝屋川では、本部派支部は「もはや生きられない」という要求をもって相談に来る部落大衆に対して、「お前ら乞食か」と罵倒(ばとう)し、「もう権利ばかりを主張する時代は終わった」「日本国民としての義務をはたせ」と恫喝し、追い返すということが現実に起こっている。昨年には、「支部の休業」なる宣言を出して、ついに部落解放運動の看板さえ投げ捨てた。まさに戦後解放運動の最後的終焉(しゅうえん)・自壊と、帝国主義的融和運動への完全な変質である。そしてそれはそのまま、部落大衆の団結の解体、村の共同体の崩壊、闘う砦(とりで)の消滅を意味しているのである。
 もしこれに代わる新たな団結が打ち立てられないとすれば、部落大衆は塗炭の苦しみ、それこそ生き地獄にたたきこまれることは火を見るよりも明らかである。このまったく新たな部落の団結を、今、全国連こそが打ち立てなくてはならないのだ。
 部落大衆は、けっして苦しめられるだけの存在ではない。本部派をのりこえ、本部派の融和運動への変質に怒りを燃やして、次々に戦闘的に立ち上がろうと模索し始めている。この部落大衆の中に分け入り、原則的な差別糾弾闘争、反失業・就労要求や、医療・介護の要求、教育・保育の要求、住宅・環境の要求などさまざまな生活要求闘争を、部落大衆の自己解放決起を引き出し、それにとことん立脚しながら創造し、これを村ぐるみの団結へと結びつけていかなくてはならないのだ。
 「モノ」による団結の時代は完全に終わった。だが、部落民自己解放に依拠した団結の創造によって、戦後解放運動では考えられなかったような村ぐるみの団結、300万部落民の総団結はまったく可能である。ここにこそ全国連の歴史的使命があるのだ。

 侵略戦争反対と国際連帯を貫く全国連へ

 全国連の5万人組織建設への課題の第二は、全国連を、侵略戦争に反対する大衆組織、国際連帯を貫く大衆組織として圧倒的に打ち立てていくことである。
 侵略戦争と帝国主義の階級支配こそ部落差別の根元である。アジア、中東、全世界への帝国主義による侵略・戦争と部落差別とは、一体なのである。パレスチナ・中東・ムスリム人民や、アジア人民が苦しんでいる時に、ひとり部落民だけが解放されるわけはないのだ。労働者階級との階級的共同闘争、被抑圧人民との国際的連帯を打ち立て、ともに、帝国主義の侵略戦争を阻止し、帝国主義の支配を打ち倒さなくてはならない。ここにこそ部落解放運動の本来の姿、勝利の道筋があるのだ。
 そのためには、日帝・自衛隊の出兵を阻止する闘い、有事立法―改憲反対の闘いを、労働者階級との共同の闘いとしてつくりあげていかなくてはならない。全国連を、侵略戦争と真っ向から闘う日本の階級闘争における最も有力な大衆組織として打ち立てよう。そして全国連を、パレスチナ人民、アフガニスタン人民を始め全世界の民族解放の闘いに学び、支援・連帯する運動のナショナルセンターとして打ち立てていかなくてはならない。
 日帝の侵略戦争を阻止し日帝を打倒する闘いの最大の主人公は、労働者階級である。だがそれは、300万部落大衆との共同の闘いなしにけっして成就しない。全国連の5万人組織建設への新たな挑戦の中で、われわれはその共同の推進者として、その責任をともに担わなくてはならないのである。
 全国連第11回大会の歴史的成功をともに闘いとろう! 戦争と差別、法打ち切りの大反動を切り裂く、全国連5万人組織建設の鮮烈な旗を打ち立てよう!

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週刊『前進』(2040号4面2)

今こそ「教え子を再ぶ戦場に送るな」を掲げて
第2回 大阪
 牛山三太郎さん(小学校)
 岸  晴代さん(中学校)
 佐伯 美和さん(中学校)

 「日の丸君が代」闘争 不当処分に組合の枠越え反撃 保護者が地域で署名集め

 子ども、保護者とともに反対貫く

 ――昨年3月の卒業式の闘いを聞かせて下さい。

 牛山 一昨年まで「日の丸」も「君が代」も何もなかったのに、去年1月に校長が「今年は『日の丸』を揚げさせてほしい」と言い始めました。職員は猛反発して、職員会議で毎回夜10時、11時までやりあった。保護者にも訴えようと、職場のみんなで校区内にビラもまいた。ビラなんかまいたことない人が夜8時ごろまで一軒一軒回って、それはもう感動的やった。
 当日朝まで職員会議をやって、それでも平行線で、結局校長が「日の丸」を屋上に揚げた。子どもらは憲法やいろんな学習を積んできとるから、「日の丸」の意味もわかってるわけやし、口々に抗議し、ものすごう怒りよった。
 卒業式では子どもらは、憲法の前文を、難しい言葉やけど、みんなで朗々と暗唱しよった。僕は「本日、学校長の手によって『日の丸』掲揚が強行された。怒りは禁じ得ない。でも子どもたちは立派に卒業式を迎えようとしている。みんな頑張れ」って、卒業証書を読み上げた後に励ました。それが処分の対象になったわけだけど、子どもたちからも保護者からもわっと拍手が起こりました。

  大阪ではこれが当たり前の闘いと思っていました。広島の反原爆、沖縄の反基地のように、大阪では部落解放、民族教育、「障害者」解放の闘いが教育の課題です。私の学校も在日朝鮮人が多数の学校で当然「日の丸・君が代」には開校以来反対してきました。
 それが突然2年前に「日の丸」、去年は「君が代」と、本当に上から押しつけてきた。職員一丸となって反対しましたが、校長は保護者の訴えにも耳を貸さず強行しました。そして私が卒業生に配ったプリントが「君が代」反対だからと処分をかけてきたんです。これが「卒業おめでとう」なら処分にはならなかった。

 ――処分の中身は。

  4月に事情聴取の呼び出しが始まり、処分反対の署名集めを始めて、7月に800筆の署名を持って市教委に申し入れに行ったら、その日に処分が出された。文書訓告の内容で一番腹が立ったのは「君が代に反対のビラ」を「事前の許可なく配った」ことが「職務専念義務違反」「信用失墜行為」というもの。要は思想チェックで、明らかな「日の丸・君が代」処分です。

 牛山 僕は卒業生への激励の言葉が「公立学校教員として学校に対する社会的信用失墜行為」として「厳重注意処分」。腹立つわ。
 佐伯 6月に単組の定期大会で「2人を処分させるな」と呼びかけました。私らこれまでは毎年修正案を出して、執行部案に賛成・反対と対立する構図だった。でもこの時は、2人が自分はなぜそういう闘いをやったのかを訴え、「やっぱり『日の丸・君が代』と闘っていかなあかん」って全体がひとつにまとまって、画期的な大会でした。

 執行部のりこえ各分会から署名

  みんななんとか反撃したいって思ってるんですよ。だから私たちの発言にわっと拍手が起こったり、予定にはない発言が飛び出したり。「処分反対の署名をしてください」と呼びかけたら、執行部は一切協力しなかったけど、分会から続々と署名が届きました。

 牛山 保護者の立ち上がりはすばらしかった。僕ら、もっと地域に打って出て保護者を獲得する闘いをやっていかなあかんと思うわ。前は日教組もよく地域にビラ入れとかやったけど、またそういう運動をつくり直さなあかん。
 保護者が自転車で雨の日にも署名に回って、「なんで『日の丸・君が代』あかんのん」と言われた。それから「私が勉強せなあかん」「そんなら勉強会しよか」って、支援する会で「日の丸・君が代」について学習会もやった。子どもも保護者も欠かさず集まってやってます。

  そこからさらに運動が広がりました。高校でも事情聴取に呼び出された人がいて、それに反撃する府教委交渉の時に、「日の丸・君が代」闘争を闘った教職員が集まってきた。

 牛山 僕らは支援する会とともに闘っているけど他の人は個別分断されてた。でも「一緒にやったらでかいのできるんちゃうか」ってことで大きな流れをつくれた。組合が反撃しないためばらばらにされていた人たちが集まり、組合の枠を越え、しかも大阪全体の闘いになってきたんです。

――今春に向けては。

 牛山 分会で先日、「今年は『日の丸・君が代』にどうするつもりか」と聞かれて、「原則的にやるしかない」と言うたら、みんなに「楽しみにしてまっせ」って言われた。

  処分された人が意気軒高と闘っていることで、すごく注目を浴びてる。

 牛山 やっぱりみんな怒りをぶつけたいって思ってる。だから僕らがきちっと「こう闘おう」とアピールしたら、工夫のある闘いになっていくやろなと思う。

 どんな柔軟な闘い方もできる

  私は去年、「君が代」の時にあえて立ってマイクで訴えたけど、それがたかだか文書訓告だった。だから、どんな柔軟な闘い方もできるって思った。

 ――反戦闘争の決意を。

 牛山 職場に誰一人「テロはひどい」なんて言うやつはおらん。「空爆はひどい」とは言うけどな。「テロ弾劾」なんて書いてるのは組合のビラだけやで。
 9・11の後、大阪教組がペシャワール会の中村哲さんの講演会をやったんです。アフガニスタンの人たちの生きざまを聞かせてくれて、アメリカにずっといたぶられ続けてきた怒りがあるんや、と。僕らが今までアフガンや中東をどんな意識で見てきたのかってことが問い直されてますね。

  日本が参戦して戦争国家になる、そのための「日の丸・君が代」やったってことがものすごくよくわかったって思ってます。

 佐伯 教育労働者は「戦争が始まった中で自分らはどうするんや」って感じてる。やっぱり戦争反対の意識をすごく持ってるんですよ。自衛官が出兵していったってことは、すでに゛教え子を戦場に送ってしまった゜とも言えるんです。その中で「日の丸・君が代」闘争も焦点にしながら、私らがどれだけ組織していくかってことが勝負です。
(聞き手/本紙 大西 晶)

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週刊『前進』(2040号4面3)

仙台で初春ウォーク “有事立法やめさせよう”

 1月20日、仙台市内で、百万人署名運動宮城県連絡会主催の「STOP!戦争/STOP!参戦/やめさせよう!有事立法・憲法改悪 1・20初春ウォーク」に参加しました。寒い中でしたが、今年初の集会・デモに労働者・学生・市民約50人が集まって元気に行われました。(写真)
 宮城県では1月20日から2月1日まで陸上自衛隊苦竹基地、霞目駐屯地、王城寺原演習場の3カ所で「日米共同指揮所演習―ヤマサクラ41」が過去最高の総勢5500人規模で強行されています。基地のゲート前には宮城県警の機動隊が24時間の警戒体制を敷き、基地内からは自衛隊の装甲車の機関銃が住民に向けられています。世界中に侵略を拡大していくため、とりわけ中国・朝鮮侵略戦争を想定した演習です。゛日本の人民は日本の侵略戦争を許すのか!゜という気迫で集会が行われました。
 参加者からは「アフガニスタン復興を語るなら、ただちに空爆をやめるべきだ」「アフガニスタンでは、14歳の少年が米軍特殊部隊に命がけで立ち向かっている。私たちは、パレスチナ、アフガニスタン民衆の決起にこたえる闘いをしなくてはいけない」「有事立法は、戦前と同じように再びすべての人権を踏みにじる軍事国家化への道であり、絶対に制定させてはいけない」という発言がありました。゛今年こそは戦争のない社会をつくろう!゜と心意気を新たにし、広く労働者・市民に呼びかける行動となりました。
 ついに世界戦争の過程が始まった中で、私たち日本の労働者階級人民に、自国帝国主義の侵略戦争に加担するのか、阻止するのか、ということが強烈に問われています。有事立法・改憲阻止、日帝のアフガニスタン・中東侵略戦争阻止、小泉政権打倒へのぼりつめていきましょう! 
 (投稿/東北大 A)

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週刊『前進』(2040号4面4)

読者からの手紙 「つくる会」の反撃打ち砕け 関東 労働者 南達朗

 昨年9月23日、「新しい歴史教科書をつくる会」が定期総会をもった。今年度の採択で「つくる会」の歴史・公民教科書の採択率10%を目指したものの、わずか目標の0・1%にも満たなかった惨敗。その要因を4点にまとめている。
 一つは韓国、中国を始めアジアの諸国が強烈に反発した。二つに日本国内の反対派が思ったよりも団結して「妨害」した。三つは頼りの政府の協力がまったく不足だった。四つに「つくる会」の対応戦術が未熟だった、という総括。しかし「市販本が多く売れたことにより、他の教科書会社の編集方針に影響を及ぼすだろう」と展望している。
 「つくる会」はこうした分析にもとづいて、4年後の採択を何がなんでも実現しようと、次のような方針を打ち出した。@議員との連帯をもっと強化していく。A学習会、歴史講座、言論活動などをとおして、幅広い普及活動を行っていく。B日本文化の再評価運動を展開していく。つまり、天皇(制)を中心とした「伝統」を、またぞろ゛歴史のくずかご゜から引き出してこよう、というのである。その推進基軸は組織基盤の強化であり、「会員倍増運動」である、と。
 この「つくる会」の決意はあなどり難い。去年の闘いの延長戦上には4年後の勝利はない、と言っても過言ではない。「つくる会」の組織的反撃態勢を迎えうち、これを打ち砕いていくための団結=統一戦線の確立・強化に今すぐ着手しよう。反動の側の復活宣言を正しい危機感をもって受け止めているのは、私だけではあるまい。

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週刊『前進』(2040号5面1)

ブッシュ訪日阻止・日米首脳会談粉砕
 加速する有事立法・改憲攻撃 「テロ根絶」掲げ争闘戦檄化
 世界戦争に突進する米日帝 中国・朝鮮侵略戦争への会談
 早乙女 優 

 米帝ブッシュ政権は「02年は戦争の年である」と宣言して、アフガニスタン・中東侵略戦争を激化させ、世界大的侵略戦争をさらに拡大しようとしている。1月29日、ブッシュは一般教書演説で「対テロ戦争はまだ始まったばかりだ」と言い、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、イラク、イランの3カ国を「悪の枢軸」と呼んで、「テロ根絶」戦争の対象だと名指しした。まさに恐るべき事態が始まっている。2月17日、こうした戦争宣言への賛同を得るためにブッシュが訪日し、小泉首相との首脳会談を行う。これは恐慌の深まりにあえぐ日米帝国主義が争闘戦を激化させながら、それぞれの絶望的な延命をかけて中国・朝鮮侵略戦争、世界戦争へとのめり込んでいく戦争会議だ。闘うイスラム諸国人民(パレスチナ・中東・ムスリム人民)、闘うアジア人民と連帯して、2・17ブッシュ訪日阻止・日米首脳会談粉砕に立とう。

 ブッシュは最悪の虐殺・戦争犯罪人

 何よりも最悪の虐殺者=戦犯ブッシュの訪日を許せるか、ということだ。マスコミはアフガニスタンではあたかも戦争が終わり、焦点が「復興」に移ったかのように報道している。だが米軍は戦略爆撃機のB1、B52や空母艦載機を使った最大級の空爆を続け、「タリバン、アルカイダの掃討」と称して地上戦を展開している。そして自衛隊は米艦船への給油・補給を行い空爆を支えているのだ。これに対してタリバン、アルカイダの戦士たちは不屈に闘い続けている。
 タリバンの死者は11月下旬の時点ですでに6000人を超え、民間人は12月6日の時点で3800人が虐殺された。現在までに何万人が殺されたかわからない。国連は600万人のアフガン人民が生存の危機に直面し、老人、女性、子どもが次々に餓死、凍死する恐れがあると警告してきた。アナン国連事務総長ですら「人道支援を早く行うため早く攻撃を終えてほしい」と要請したが、米帝ブッシュはまったく聞き入れなかった。どれほど多くの子どもたちが、この冬を越せずに死んだことか。
 さらに米帝は、タリバン、アルカイダの捕虜は「不法戦闘員で、(戦争捕虜の人道的待遇を定めた)ジュネーブ協定に基づく権利はない」と主張し、かつアメリカ国内法の適用を受けないキューバのグアンタナモ米海軍基地に移送して虐待・拷問している。
 1月15日、米軍はフィリピン軍との合同軍事演習の形式をとって、アブ・サヤフの本格的な掃討戦に着手した。米本土、沖縄、ハワイからの特殊部隊160人、米兵全体で660人が展開する。1月24日、米英軍はこの週3度目のイラク空爆を行った。米帝はソマリア、イエメン、インドネシアなどへの侵略戦争の拡大をも狙っている。
 パレスチナでは何が行われているのか。昨年12月12日シャロン政権は、米帝の「テロ根絶」戦争を受けて、「アラファト議長との関係断絶」「オスロ合意の破棄」を宣言し、「全面戦争」に踏み切った。
 イスラエル軍は、02年に入りパレスチナ人民の虐殺戦争をさらに激化させている。戦車や装甲車、武装ヘリなどで自治区に侵攻し、ハマスやPLO主流派ファタハの武装組織の幹部を次々と虐殺している。民家や自治政府の施設、放送局などを爆破している。これに対し、パレスチナ人民は女性も含めて自爆決起に陸続と決起し、イスラエル軍と英雄的に闘っている。
 1月24日、フライシャー米大統領報道官はイスラエル軍がパレスチナの組織幹部を暗殺していることについて、「アラファト議長がテロ対策に動かないからだ」と公然と支持し、PLOとの関係断絶を検討していると語った。ブッシュは1・29教書演説でハマス、イスラム聖戦などパレスチナ解放闘争を闘う勢力をも、壊滅すべきテロリストと名指しさえした。
 ブッシュはシャロンと並ぶ、パレスチナ人民に対する虐殺戦争の最大の戦争犯罪人だ。そのブッシュが訪日し、「テロ根絶」戦争に対するさらなる日帝・小泉政権の支持と協力を取りつけようとしている。これを許していいのか。ブッシュ訪日阻止・日米首脳会談粉砕へ力の限りの実力決起をたたきつけよう。

 露骨な帝国主義的植民地支配の復活

 米帝の「テロ根絶」が目指すものは、結局帝国主義によるむき出しの植民地支配の復活以外の何ものでもない。民族解放闘争の圧殺を侵略戦争、帝国主義間戦争の口実にするのは帝国主義の古典的な手法である。実際米帝(帝国主義)が現在アフガニスタンで行っていることは、かつて日帝が民族解放戦争を闘う中国人民を「共産匪(ひ)」と呼び、「満州国」をデッチあげて中国東北部を植民地支配し資源を略奪して、さらに中国全体へと侵略戦争を拡大していったのと、どこが違うというのか。
 9・11以降、米英のジャーナリズムに「植民地主義の復活」「新しい帝国主義」が公然と登場し、提唱されている。
 オクスフォード大学教授のニアル・ファーガソンは、「新しい帝国主義の時代がきた」という論文を英ガーディアン紙に載せた。「新しい帝国主義は『政治的グローバリゼーション』という名で、東ティモール、コソボ、ボスニアなどですでに実施されている。今後アフガニスタンだけでなく、パキスタンやサウジアラビアなどでも、欧米が手をつけられない状態になる前に、植民地にしてしまった方がよく、アメリカが支払うコストから見ても実は安上がりだ」
 イギリスの歴史学者ポール・ジョンソンは「テロリズム対策の決定打は植民地主義」「アフガニスタン、イラク、リビア、イラン、シリア、スーダンといったテロリストを擁護する国々を一時的に軍事占領するだけでなく行政的に統治する必要がある」(米ウォールストリート・ジャーナル紙10・9付)と書いた。
 実際、アフガニスタンではこうしたことがすでに公然と行われているのだ。
 1月2日アフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)に参加する欧州の先遣隊がカブール入りした。フーン英国防相は10日、同部隊はイギリスのほか、フランス、ドイツ、イタリアなど欧州16カ国とニュージーランド、トルコの計18カ国で構成され、総勢5000人規模になることを明らかにした。イスラム諸国はNATO加盟のトルコ以外に参加しなかった。ニュージーランドの参加はわずか50人。実質的には欧州帝国主義による首都カブールの軍事占領である。帝国主義各国は軍事展開を競い、アフガニスタン人民の民族自決を否定し、自国に有利なように植民地支配を進めようとしているのだ。
 米軍はアフガニスタンでの軍事作戦終了後、ウズベキスタンのカリモフ政権と「25年契約」で基地使用協定を結ぶ予定である。現在約1500人の米軍が展開しているウズベキスタン・ハナバード空軍基地内に米軍基地を建設し、最高3000人の米兵を駐留させ、50―60機の戦闘機を配備する。キルギスの首都ビシケク近郊にあるマナス空港は、米・NATO軍が2月までに約3000人に増員し、米F15戦闘機や仏ミラージュ戦闘機を配備する。
 ロシアの有力紙イズベスチヤは「これにより米・NATO軍の中央アジア一帯での行動半径は中国の西方地域からインド・パキスタン国境地帯まで及ぶことになる。中央アジアの政治・軍事地図は見違えるほど変化し、最近までの潜在敵(米国)は旧ソ連の諸共和国を゛不沈空母″と化している」と指摘した。
 ソ連スターリン主義の崩壊と米帝の中東石油支配の危機の中で、90年代からカスピ海沿岸―中央アジアをめぐる帝国主義(とロシア、中国)による石油・天然ガスなどの資源争奪戦が始まった。米エネルギー省によると、カスピ海沿岸には最大で世界の確認埋蔵量の5分の1にあたる2700億バーレルの原油が存在する。
 97年4月、米国務省は議会報告書で、「カスピ海沿岸部の石油開発はエネルギー供給の拡大と多角化に有益であり、安全保障上の観点からも重要」と位置づけた。同年9月には米軍はカザフスタン、ウズベキスタン、キルギスとの軍事演習「オペレーション・セントラズバッド97」を行った。カスピ海沿岸8カ国への援助も始めた。
 また米帝は、イスラエルによるパレスチナ人民への徹底的なせん滅戦争を支援するとともに、98年8月のアフガニスタン爆撃で決定的な対立を深めたタリバン政権の転覆を準備してきた。9・11は、中東・中央アジアでの米帝の強盗的な戦争政策に対するイスラム諸国人民の怒りの爆発であった。
 米帝は絶望的凶暴性にかられ、アフガニスタン・パレスチナ侵略戦争に踏み切った。それは中東・中央アジアの民族解放闘争の全面的圧殺と石油資源強奪のための二重三重に不正義の侵略戦争、強盗戦争なのだ。

 核兵器を使用する世界大的戦争体制

 21世紀の冒頭、29年型世界大恐慌過程への突入=30年代危機の始まりという事態を受け、基軸帝国主義=米帝が、「テロ根絶」をスローガンに世界大戦級の侵略戦争、世界戦争政策に先制的にうって出た――これがブッシュの「21世紀型の戦争」の本質だ。これに衝撃を受けた他帝国主義は一斉に新たな世界再分割戦争に参戦し、体制危機の戦争的打破へと動き始めた。
 米帝ブッシュ政権は軍事寡占体と石油・エネルギー産業の利害代表者で固められ、軍拡と戦争によって経済危機の軍需経済的な打開をはかり、世界戦争そのものによって米帝の生き残りをはかる政権として登場した。ブッシュ政権の登場は、30年代のナチス・ドイツ政権の登場に匹敵する事態である。基軸帝国主義自らが既存の世界秩序を破壊し、世界戦争をひき起こしていくという意味では、30年代をはるかに超える現状破壊性をもっている。
 米帝ブッシュは、自らの戦争政策がいかに巨大な危機の爆発をもたらすのか(9・11はこれを証明した)をはっきりと認識し、第3次世界大戦をも見据えた新たな核戦力体制を構築しようとしている。これが1月9日米国防総省が発表した「核戦力体制の見直し」(NPR)の核心である。それは従来の戦略核兵器を主軸とした「核抑止戦略」から、実際に核を使う戦争のための核戦略に転換するものである。
 具体的には、@核戦力と通常戦力を組み合わせた攻撃システム、Aミサイル防衛(MD)などによる防衛システム、B「テロ」や「ならず者国家」の脅威に柔軟に即応できる国防基盤の強化、を新たな核戦力体系の3本柱に据えた。
 また2012年までに戦略核弾頭数を現在の約7000から1700―2200に削減するとしながら、削減した弾頭は貯蔵し必要に応じて再配備する方針を明らかにした。
 米帝はアフガニスタンで「バンカーバスター」や「デージーカッター」などの戦術核兵器に匹敵する極度に残虐な爆弾、精密誘導弾を大量に投下している。米軍は「これを目にしたスーダンやイエメンは、タリバンと同じ運命をたどりたくないとの思いから、テロ組織掃討で対米協力を約束した」と分析し、こうした最先端兵器には核戦力と同様の「威嚇効果」があると総括した(読売1・11付)。そしてこれらの最先端兵器を実戦でどんどん使用するとともに、こうした通常兵器と核戦力を組み合わせて両者の垣根を取り払ってしまおうというのだ。
 これは核兵器を実際に使用して世界大的な侵略戦争、帝国主義間戦争に勝利しようとする恐るべき核戦争の宣言だ。実際、ブッシュは「2年以内」をめどに地下核実験を再開する意向を示し、核実験再開のための準備期間短縮を命じた。

 中国侵略戦争狙い基地建設

 こうした米帝ブッシュ政権の政策は、何よりも中国・朝鮮侵略戦争を対日争闘戦を核心に据えて行うことを最大の戦略的課題にしている。このことは昨年9月30日に発表された「4年ごとの防衛見直し」(QDR)にも貫かれている。今回のQDRは「非対称的脅威」=反米ゲリラ戦争からの米本土防衛を最優先課題にあげるとともに、あらためて「アジア重視」戦略を強調している。
 QDRは言う。「確かに米国は近い将来に同等の対抗者に直面することはないだろうが、米国の利益にとって決定的な諸地域において地域的大国が安定を脅かす能力を持つにいたる可能性は存在する。特にアジアは、大規模な軍事的対抗を起こしやすい地域へと徐々になりつつある」「優れた資源的基盤を持つ軍事対抗者がこの地域に台頭する可能性があるのだ。東アジア沿岸は、特に課題をかかえた地域だ」
 米帝はウズベキスタンとキルギスに軍事基地を獲得し、対中国戦略上も決定的なアクセスを確保した。またフィリピンでアブ・サヤフ掃討戦に着手したことも「対中国長期戦略の一環としてフィリピンにもう一度軍事的プレゼンスを確立する布石」だと公然と語られている(読売1・16付)。同様に沖縄米軍基地の再編・強化が重要になる。
 実際、QDRでは「敵は戦略的縦深性を利用する可能性も高い」「アジアの戦域では距離が巨大だ」という理由から「アクセスおよびインフラの確保」などが必要だと、中国の国土の広さ=「戦略的縦深性」をどう突破するかという観点を突きだしている。
 このようにアフガニスタン侵略戦争から始まった米帝の世界大的な侵略戦争は、中国・朝鮮侵略戦争を戦略的な課題として見据えて行われているのだ。

 新ガイドラインと一体の有事法策動

 米帝の世界大的な侵略戦争は帝国主義間争闘戦を質的な転換と呼べるほど激烈なものにしている。それは日米対立を本質とした中国・朝鮮侵略戦争、帝国主義間戦争を引き起こすものである。
 この意味で2・17〜18日米首脳会談は重大な意味を持っている。
 1月11日、アーミテージ米国務副長官は12・22海上保安庁による国籍不明船の撃沈について、「不審船は北朝鮮のものと確信している。断固たる行動に敬意を表したい」と語った。12・22の基底には日帝の対米対抗的な突出がある。米帝はそれを百も承知で、日帝の北朝鮮政策の凶暴性をとことん引き出して戦争的緊張を激化させ、日帝の突出を利用し、日帝を全面的に動員して中国・朝鮮侵略戦争にうって出ようとしているのだ。
 アーミテージは「ブッシュ大統領訪日で最も大切なことは、日本がアジアにおける最重要な同盟国であることを示すことだ」と宣言した。日帝に対し、米帝の世界戦略に従え、米帝を補完して中国・朝鮮侵略戦争に参戦する体制(有事立法)を早く作れ、と言っているのだ。
 またアーミテージは、不良債権問題についても「旗を見せてほしい」「米国と世界は強固な日本を必要とする」と発言し、「構造改革」の断行を強く要求した。米帝は日本発の金融恐慌、米帝の大恐慌突入をなんとか回避しようとあがいている。そして戦後の日帝国内の金融的独占状態を粉砕し、日帝市場を再分割しようとしているのだ。
 日帝・小泉は、米帝の対日要求をも格好の材料として、中国・朝鮮侵略戦争のための有事立法を通常国会で成立させることを狙い、「構造改革」=大失業攻撃、春闘解体攻撃を決定的に強めてくる。02春闘の中で、連合、カクマル、日共を打倒して労働運動の戦闘的再編を断固かちとろう。
 1月22日、内閣官房は自民党国防関係合同部会に「有事法制の整備について」という基本方針を提出した。与党3党はすでに「国家の緊急事態に関する法整備協議会」を立ち上げ、この基本方針にそって討論を始めた。内閣官房文書は、有事法制の必要性を「日米安保体制の信頼性を一層強化」するためだと述べ、「武力攻撃に至らない段階」でも「有事」体制に入ることを要求している。
 つまり有事立法とは、何か日本が武力攻撃を受けたときの備え(小泉の「治にいて乱を忘れず」)などではなく、新安保ガイドラインをテコに中国・朝鮮侵略戦争に国家総動員体制をもって参戦するための法整備なのだ。現に「米国家戦略研究所日米関係特別報告」(00年10月のアーミテージ・レポート)には「有事立法の制定を始めとする米日防衛協力のための着実な実施」が明記されている。同報告の作成者の一人であるマイケル・グリーン国家安全保障会議(NSC)日本・韓国部長は、周辺事態法の成立を受けて「協力に消極的な民間や地方公共団体に対し、必要な協力を行うよう強制できる権限を総理大臣に与えるよう、さらに立法措置が必要」と別の論文で書いた。
 新ガイドライン―周辺事態法は「周辺事態」を「日本に対する武力攻撃」と同等に扱い、日帝が中国・朝鮮侵略戦争に全面的に参戦する道を開いた。今回の有事立法はこの周辺事態法に罰則規定=強制力を与え、さらに憲法停止=基本的人権の全面的はく奪を可能にする非常事態法の制定までやりきろうとするものだ。またこれと一体で首相権限を強化し、閣議決定なしで防衛出動、治安出動を発令できるようにしようとしている。もって日帝が中国・朝鮮侵略戦争に積極的主体的に参戦するための体制をつくる――ここに今日の有事立法=改憲攻撃の最大の核心があるのだ。
 小泉は「不審船もテロも有事だ。包括的にやる」と、すでに有事は始まっているのだとばかりに騒ぎ立て、第2、第3の「12・22」すらやろうとしている。そして北朝鮮への排外主義をあおり、労働者人民の戦後的反戦意識を解体する激しいイデオロギー攻撃を加え、有事立法体制=総動員体制を構築し、一気に9条改憲までやりきってしまおうとしているのだ。
 1月1日付読売新聞に載った中谷元・防衛庁長官発言は重大だ。中谷は「安全保障基本法」が必要だと言い、安全保障基本法(緊急事態法)を憲法と同格に置いて「有事立法と憲法との調和をはかる」と述べた。これは最高規範としての憲法を否定し、「国家の安全と利益」論=戦争最優先の原理を持ち出して、国民主権、基本的人権、戦争放棄という憲法の基本原理を粉砕しようとするものだ。
 有事立法粉砕=改憲阻止へ猛然と決起し、国論を2分する大衆闘争を爆発させなくてはならない。

 連帯戦略を実現しよう

 今回の日米首脳会談は同時に沖縄圧殺の会談である。米日帝のアフガニスタン・中東侵略戦争によって沖縄は新たな戦争重圧にさらされ、米軍犯罪が多発している。米日帝の中国・朝鮮侵略戦争にとって沖縄の基地の位置は決定的である。沖縄人民は基地とは共存できないことがいよいよ明らかになった。2・3名護市長選の勝利から、名護新基地建設粉砕・米軍基地全面撤去へ全力で闘おう。
 4・18暫定滑走路開港は、これまでとは次元を画する三里塚農民の全面圧殺=追放、三里塚闘争解体の大攻撃である。日帝は反戦の砦(とりで)=三里塚闘争を解体することで、有事立法=改憲攻撃、中国・朝鮮侵略戦争の体制づくりの正面突破を狙っている。反対同盟農民との血盟にかけて実力で粉砕しよう。
 われわれは19人の9・11自爆決起による糾弾を受けとめ、「闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義のアフガニスタン・中東侵略戦争を国際的内乱に転化せよ」の闘いを真に実現しなくてはならない。言葉ではなく、現実の実践として、血債=自己批判を貫徹しなくてはならない。そのことをとおしてスターリン主義=共産主義とされてきた現実を打ち破り、反スターリン主義・革命的共産主義運動を世界史の前面に登場させるのだ。今や全学連を先頭に実力闘争を開始し、全世界に強烈なアピールを発すべき時だ。日米首脳会談を実力で粉砕しよう。

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週刊『前進』(2040号5面2)

コミューン 3月号 米帝の戦争の目的

 アメリカ帝国主義の「テロ撲滅」を口実とした残虐極まりないアフガニスタン侵略戦争は、中央アジア諸国への全面的侵略の突破口となった。米帝は石油・天然ガス資源の略奪のために、アフガニスタン侵略戦争を契機として中央アジア諸国に多数の米軍基地を獲得し、本格的な植民地支配のために乗り出す体制を確立しつつある。
 アフガニスタンで展開された虐殺戦争を中央アジア諸国で再び繰り返そうとしている米帝の策動を絶対に許してはならない。
 特集の第一章では、帝国主義諸国による中央アジア諸国の石油・天然ガス資源の略奪戦争の実態について諸資料を駆使して全面的に分析した。とりわけ米帝の帝間争闘戦勝利、資源独占のための策動こそがアフガニスタンでの侵略戦争をもたらし、さらに中央アジア諸国への新たな侵略戦争を不可避とするものであることを明らかにした。
 第二章では、帝政ロシア時代から今日に至るまでの中央アジア諸国人民の民族解放闘争の歴史について論じた。帝国主義国の労働者階級とムスリム人民の連帯の闘いの決定的重要性を明らかにしたロシア革命の教訓を主体化することによってしか世界革命を実現できないことを明らかにした。
 翻訳資料はQDR〔下〕である。世界大的戦争のため、軍事費大幅増で新鋭兵器体系を調達し、同時に企業再編の手法で国防省と軍の組織大改編を行う米帝の基本計画がわかる。

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週刊『前進』(2040号6面1)

2002年革命軍の戦闘宣言
第6回大会路線で徹底武装し 蜂起に勝利する革命軍建設へ
 世界革命へ全党全人民の先頭に立つ
 真田真人

 全党の同志諸君! 支持者のみなさん! 革命軍は、全世界の労働者階級人民と被抑圧民族人民に対し、限りない連帯を込めて、また連帯を求めて、ともに21世紀の反帝国主義・反スターリン主義世界革命への革命的大合流を勝ちとっていくことを決意し、宣言する。激変する内外情勢を真正面から見据え、全世界の労働者階級人民・被抑圧民族人民の怒りと危機意識を共有し総決起しよう! 今こそ「危機=好機」の革命的戦闘的気概を燃え立たせ、レーニンの革命的情勢における革命党の「3つの義務」の今日的全面的遂行を闘い、時代と階級の要請にこたえ抜こう! 革命軍は、21世紀世界革命に向かって革共同第6回大会路線で徹底的に武装し、階級の蜂起をともに戦い取ることを宣言する。

 9・11に対する革命軍の思想的実践的立場

 イスラム人民との国際的連帯を

 今日、全世界の労働者人民が迎えている危機は、世界の帝国主義強盗どもによる侵略戦争−世界戦争の危機である。帝国主義は、歴史的命脈が尽きながら、絶望的延命を策して全世界を3度恐るべき惨禍にたたき込もうとしている。この情勢認識と帝国主義への階級的怒りを、一切の闘いの出発点としてあいまいさなく据えなくてはならない。
 9・11反米ゲリラ戦に対して、帝国主義のデマゴーグどもの「テロ弾劾」「報復を!」の絶叫に唱和することは、人類の自滅への一歩でしかない。一切の責任は、米帝ブッシュにある。
 19人のゲリラ戦士が自らの死をかけて決行した9・11反米ゲリラ戦争は、パレスチナ人民を始めとしたイスラム諸国人民の米帝・帝国主義への怒りの爆発であり、13億イスラム諸国人民のおかれた現実に対する根底からの闘いであり、帝国主義国の労働者階級への糾弾であり、連帯と決起の呼びかけである。
 革命軍は、この鮮烈な告発・糾弾を新たな7・7自己批判の立場、すなわち血債の思想による階級的自己批判の立場で受け止める。21世紀に持ちこされ、9・11によってもいまだ完結も解決もなしえていない人類史的課題と責務を革命的共産主義者としての主体性と普遍性をもって受け止め、引き受けることこそが問われている。民族抑圧を許さない反帝国主義・反スターリン主義世界革命の完遂をもって、われわれは責任を取るということである。またそれができるのは、プロレタリア自己解放が民族解放・革命戦争との合流によってのみ可能であるとする革命的共産主義者であることを厳粛に確認する。
 われわれは、すでに「死地に赴く決意」をもって、80年10・30カクマルJAC5人一挙完全せん滅戦闘を始めとした対カクマル赤色テロル戦争、84年自民党本部炎上の火炎放射攻撃、86年東京サミットに対する迫撃弾攻撃を始めとした対権力ゲリラ戦争を戦いとってきた革命軍として、〈9・11〉に凝縮された帝国主義に対する怒りと憎しみ、打倒するまでやむことのない執念を共有し、その告発・弾劾と激励を真っ向から引き受けることを決然と宣言する。
 この立場と決意に立って非合法・非公然に徹し、秘匿と防衛に成功して作戦を貫徹し切ったゲリラ戦士の貫徹力、その自己犠牲・献身性・英雄主義に正面から向き合い、日帝打倒、米帝打倒を誓う。

 7・7路線の世界革命論的意義

 革命軍は、革共同のレーニン的オーソドキシーに基づく革命的共産主義運動の思想と綱領、戦略と総路線にしっかりと立脚して闘っている。闘う朝鮮・中国−アジア人民との連帯・結合をとおして、日帝の侵略戦争を内乱に転化し、アジアを反帝国主義・反スターリン主義世界革命の根拠地として闘うとともに、闘うイスラム諸国人民と連帯し、国際的内乱をもって世界革命を実現していく現実的展望に立って闘うものである。新たな7・7自己批判の立場で日本の労働者階級の階級的組織化と、被抑圧民族人民への血債をかけた連帯・結合を一体的に闘い取っていく路線を貫徹する。
 血債の思想の革命的意義は、革共同の革命の内実、反スターリン主義・革命的共産主義運動の思想と理論を根底的に規定するものである。19全総「第5報告」は「帝国主義段階における世界革命の現実的展開」を理論的に明確化した。そして、第6回大会「第2報告」は、レーニンの抑圧民族の「償い」の必要についての提起を引用・明示した。「民族解放闘争の全面的爆発の契機が内在的・現実的に存在しないプロレタリア革命論などありえないし、プロレタリアートの自己解放闘争の共産主義的普遍性の内部に、この民族解放闘争との連帯・結合・一体化の論理を内包することなしに帝国主義を打倒することなど絶対に不可能なのである。帝国主義の最後にして最大の武器が排外主義であり愛国主義であり、その民衆レベルへの物質化であることは、20世紀における帝国主義の歴史が教えている血の教訓である」と鮮明化している。このプロレタリア革命の成否を決する思想と戦略で武装し、闘うイスラム諸国人民と連帯して闘い抜こう!

 祖国敗北主義で日帝・小泉打倒へ

 ヒトラーは権力と大衆を掌握したことでナチスのヒトラーになった。最強を誇ったドイツ共産党が、ヒトラーを過小評価し反撃を放棄した結果、自ら血の海に沈められたことをくり返してはならない。小泉の次に本格的反革命が登場してくると考えたら取り返しのつかない立ち遅れを喫することになる。今まさに小泉がヒトラーになりつつある。
 小泉反革命は、日帝の体制的危機の絶望性の中から生み出されてきた。口を開けば「改革」を言うが、「改革」などできないほど帝国主義が行きづまっているのだ。
 小泉政権打倒の核心は、体制内エセ「改革」の虚偽性と反人民性、反動性を徹底的に暴露することだ。小泉は、自ら「小泉革命」とまで言い放って「うそも百遍」とばかりに大衆に期待と幻想をあおり、「抵抗勢力」なる対抗の構図を使って「改革」の反人民性=虚偽性を覆い隠し、価値的混乱をつくり出している。
 小泉政権の政策は、帝国主義間争闘戦での生き残りをかけた日帝の戦争国家化であり、実際の侵略戦争遂行である。革命的祖国敗北主義の思想に裏打ちされた帝国主義を打倒する労働運動の力と革命的大衆闘争の爆発で小泉反革命を打倒しよう! 有事法制・改憲攻撃を粉砕しよう!
 また、「資本主義の枠内での改革」「日本改革の党」を宣言して小泉反革命の補完物に転落した日本共産党スターリン主義とJR総連ファシスト労働運動を打倒し、エセ「反帝国主義・反スターリン」を掲げ、反米国粋主義・日帝礼賛のカルト集団となった黒田・カクマルを解体しよう!

 2001年の激戦の総括と新たな決意

 第一に、革命軍は、非合法・非公然体制確立と防衛戦争で、日帝・小泉反革命の戦時治安弾圧体制との苛烈な攻防に勝ち抜いた。
 革命軍を捕捉できない敵権力は、卑劣にも全学連のM同志を「有印私文書偽造」でデッチあげて逮捕・起訴し(さらに全学連の1同志への指名手配)、また水嶋秀樹同志に対して88年9・21千葉県収用委員会会長せん滅戦闘に対する報復のデッチあげ逮捕・起訴というデタラメな弾圧をくり返した。しかし、両同志の完黙・非転向の闘いによって、敵権力の弾圧にかけたもくろみは完全に打ち砕かれた。革命軍は、獄中同志の不屈の闘いと固く連帯し、不当弾圧を徹底弾劾して闘い抜く。
 第二に、革命軍は三里塚反対同盟との血盟にかけて、年間決戦としての三里塚決戦をともに戦い抜き、3波にわたって果敢なゲリラ戦闘を貫徹した。
 @1・23 千葉市稲毛区の空港公団情報業務課調査役・鈴木敏之宅の車庫・車両2台に対する火炎攻撃戦闘
 A4・18 千葉県流山市西初石の千葉県企画部理事・石塚碵孝(ひろたか)宅および所有車両に対する火炎攻撃戦闘
 B10・2 千葉県睦沢町の千葉県企画部交通計画課主幹・生田昌司宅と車両に対する爆破攻撃戦闘
 これらの戦闘は日帝の暫定滑走路開港攻撃に決定的な打撃を与えた。日帝国家権力の「暫定」滑走路開港攻撃なるものは、「暫定」滑走路を誇大宣伝して既成事実化し、敷地内農民の生活と営農に対して40b上空から日々爆音でテロル的に襲いかかる許しがたい攻撃である。日帝・国土交通省、千葉県、空港公団、すべての関係者と関連施設が、わが革命軍のゲリラ戦争の標的となることはまったく当然である。一切の責任は彼ら自身にある。
 66年以来36年間の三里塚の激戦激闘の歴史と勝利は、成田空港の国際ハブ空港計画をすでに完全に葬り去り、一地方空港への転落から廃港の現実化という日帝の国策破綻(はたん)を突き出している。三里塚の人民的大地性・階級的正義性の力であり、その結実である。革命的決着こそが求められている。
 今、日帝がアフガニスタン・中東侵略戦争に参戦し、有事立法攻撃をもって朝鮮・中国−アジア侵略戦争に絶望的に踏み込みつつある時、三里塚闘争は、侵略戦争の出撃拠点化を粉砕し続け、沖縄、朝鮮、中国−アジア、中東・イスラム諸国、全世界人民の米軍基地撤去闘争・国際反戦闘争の拠点として輝きを増している。反対同盟農民の闘いと結合した革命軍の対日帝武装闘争は、革命的祖国敗北主義、プロレタリア国際主義の具体的実証の闘いである。
 第三に、革命軍は、対カクマル戦での戦略的攻撃体制を臨戦態勢発動をもって、都議選決戦、および国鉄決戦を基軸とした労働運動の前進を土台的に支え、ともに決起した。
 同時に、年間をとおしてカクマル分子に対する索敵情報戦争をもって、カクマルの組織解明、カクマル研究において画期的前進をかちとった。
 われわれは、カクマルを松崎・JR総連派と黒田・中央派へと分裂させた。沖縄カクマルの崩壊、早稲田カクマルの凋落(ちょうらく)に続き「本来の戦線」を喪失した黒田・中央派の危機は深い。カクマルの分裂は、黒田「組織現実論」の貫徹の結果であり、松崎・JR総連の赤裸々なファシスト労働運動としての反革命化、黒田・中央派のさらなる分裂として進行している。誤りと破産の根源である黒田は、無責任を決め込んで、歌を詠うだけで「既に過去の人」として「卒塔婆(そとば)」を立てられている有り様だ。
 その黒田を「地上の太陽」と祭り上げ、黒田崇拝運動でカルト集団的に延命せざるを得ない中央派カクマルは、政治組織としてそれだけではやっていけない構造的な矛盾にさいなまれ、底なしの混迷にある。分裂両派への断固たる革命的介入をもって、カクマル完全打倒へ闘い抜こう!
 第四に、革共同第6回大会の戦取と、6回大会路線での理論武装をもって、革命軍は、建軍闘争における精鋭的確立での新たな変革と飛躍を開始したことだ。
 第6回大会の戦取は、公然と非公然への党の分割を革命的に解決してかちとった特筆すべきものである。
 一つには、蜂起に勝利する党として、革共同創成以来の党史を、20世紀の総括と21世紀の展望を一体的に鮮明化し、また全面的に総括したことである。二つには、対カクマル戦を総括しきり、歴史的決着の地平に立って完全打倒を断固として確認したことである。三つには、黒田「哲学」に対する死の宣告を行ったことである。四つには、マルクス主義のプロレタリア自己解放の原理、レーニン主義の帝国主義段階論と被抑圧民族人民との連帯・結合論をもってする世界革命路線の鮮明化である。五つには、歴史的に破産・崩壊したスターリン主義への革命的批判を深化させたことである。六つには、米帝経済のバブル崩壊と29年型世界大恐慌過程の始まり、帝国主義世界戦争の時代の始まり、革命的情勢の切迫を明確にしたことである。七つには、資本攻勢の激化との対決、帝国主義を打倒する階級的労働運動論、小泉反革命打倒の方針を明確化にした。八つには、蜂起に勝利する党建設論と党勢2倍化方針、等々について討議・決定したことによって、革共同が21世紀の反帝国主義・反スターリン主義世界革命完遂に向かっての戦略的準備をなしとげつつあることを全党・全人民に告げ知らせた。出版された『報告・決定集』を文字どおり革共同の『党宣言』そのものとして徹底的に学習して総決起していこう!
 革命軍の全戦士は、攻・防・建の全面での奥深い勝利感と充実感を漲(みなぎ)らせて、2002年の決戦勝利への配置にすでについている。

 分裂カクマル追撃し完全打倒へ攻め上れ

 9・11を利用する排外主義許すな

 『解放』新年号は、カクマルの政治党派としての破産した現実と危機の深刻さを示して余りある。昨年の総括も方針提起もまったくない。例年載っていた議長・植田の新年のあいさつもない。商業新聞以下の評論に終始している。
 まず第一に、民族解放・革命戦争を否定し、9・11を反米テロとするカクマル「ジハード自爆万歳」論について徹底弾劾しなければならない。
 カクマルは、帝国主義国労働者の7・7自己批判の立場に敵対し、「被抑圧民族であることを自己批判せよ」と言い放った排外主義集団である。「ジハード自爆万歳」の礼賛も、結局のところ反米主義からの「ヤンキー、思い知ったか!」ということに尽きる。そこには、19人の命がけの決起に込めた怒りや告発を受け止める階級的自己批判の立場などひとかけらもなく、9・11を「徒花(あだばな)でしかない」とくり返し、また帝国主義的抑圧民族の傲慢(ごうまん)さでカクマル主義の無力さを「屈辱だ」などと言いなしている。
 彼らの見解は「〈9・11ジハード自爆〉事件じたいが、その技術的水準の高さからして旧KGB要員が関与していた可能性が高い」(『解放』新年号)とする謀略論にあり、9・11戦闘とゲリラ戦士を根底から辱めおとしめるものである。そもそも彼らは、98年のケニア、タンザニア米大使館爆破戦闘をCIAの謀略と断定し、わが革命的武装闘争を「権力の謀略」と言いなしてきた徒輩だ。
 彼らは「テロリズムを労働者階級の階級的組織化と無縁であるととらえる」「原則的に否定」と断言している。特殊的極限的な形態をとって貫徹された民族解放戦争としての9・11戦闘の意義を本質的に否定し、テロを憎むブッシュと同じ立場なのだ。「『テロ弾劾』のスローガンがわれわれ内部から生み出された」(同1693号)という事実も、彼らの思想的根っこが被抑圧民族の闘いを否定する「テロ弾劾」だからだ。松崎とJR総連が9・11に対して「テロは絶対悪だ」として切り捨てている言動に対して批判も弾劾もせず、むしろ「『軍事的報復にも反対』を表明した」などと言って評価しているのも同根なのだ。
 第二に、米帝のアフガニスタン・中東侵略戦争の階級的本質を免罪していることの犯罪性である。
 カクマルは、9・11に対して「非対称型戦争」という言い方を繰り返し使用しているが、組織対国家の非対称性に問題の核心があるわけではない。帝国主義と民族・植民地問題、抑圧民族と被抑圧民族の関係、その歴史と現実こそが根底的問題なのだ。「ジハード自爆万歳」を言いながらこの帝国主義支配の本質的問題性をカクマルは隠蔽(いんぺい)するのである。
 帝国主義間争闘戦と帝国主義の侵略戦争を否定するカクマルは、「現代版『十字軍』の形成と<新東西冷戦>の激化」(『解放』新年号)、「この戦争は、『宗教戦争』という性格を持つ〈新たな形態の戦争〉にほかならず」などと、イスラム諸国人民の闘いをただただ反米を掲げた宗教戦争として描こうとしている。「十字軍」を乱発しているのは、そこに意味を込めているからだ。これはブッシュが「新たな戦争」論をもって、実は帝国主義の利権と勢力圏争闘をかけてアフガニスタン侵略戦争を進めている本質を免罪し、肯定するものである。
 第三に、日共スターリン主義に対する超右翼的「批判」の反革命性である。
 日本共産党に対して「反米の蒸発」「覇権主義という非難さえも一言もない」「(日共は)アイデンティティでもあった『反米』を喪失」したなどと、カクマルこそが反米愛国主義者だと誇るにいたっている。

 松崎・JR総連カクマル打倒へ

 松崎・JR総連カクマルは、JR東日本の『ニューフロンティア21』を推進する立場でメンテナンス部門の全面外注化とシニア協定を受け入れ、連合に先駆けて実質的な50歳定年制を取り入れ、また8・1労使共同宣言をもってJR東日本資本との癒着を深めた。
 それを背景にJR東本社で昨年10月に、松崎の激励会が、毎日新聞社と『サンデー毎日』の元編集者の音頭でマスコミ関係者を集めて開かれた。また先頃、毎日新聞社は松崎の『鬼の咆哮(ほうこう)』なる本を出版した。これらの動きは、日帝権力とJR東資本の力を背景にJR総連の組織と資金力を使った松崎・JR総連カクマルが、マスメディアを取り込み、結託して新たなファシスト的画策を始めたということである。怒りをもって絶対に粉砕しなければならない。
 松崎の新しい本は、国鉄の分割・民営化での松崎の裏切りを正当化し、同時に改憲に反対する労働組合の指導者として押し出そうとしている。だが松崎・JR総連カクマルが、改憲闘争の裏切り勢力であることは隠せない。
 松崎は、この中で、日帝の攻撃の激しさに全面屈服し、労働者に絶望を組織し、ストライキに反対している。また自衛隊を肯定し、「解釈改憲ではなく改憲を」と主張している。そしてカクマル中央派は、それを批判するどころかこのJR総連にすがりついて組織的延命を探っている。
 労働者人民の敵、松崎・JR総連カクマルのファシスト労働運動を粉砕し、中央派カクマルを完全打倒しよう!

 革命軍の2002年の任務と方針

 何よりも、防衛戦争の勝利的貫徹を絶対的土台として、全党の党建設と一体のものとして、特に非合法・非公然体制の確立・強化の闘いを創造的に闘いとっていくことである。
 戦時下における治安警察とのせめぎあいでは、一瞬の隙(すき)、原則の不徹底が自己と組織全体の危機に直結する。防衛戦争においてこそ進攻性を発揮し、日々勝利し続けて闘い抜こう! 対カクマルへの戦略的攻撃体制、対権力での革命的武装闘争という戦争の主導性を保証する土台こそ、防衛戦争である。
 脈管活動、兵站(へいたん)活動は、敵権力との白熱的攻防の最先端であり、非合法・非公然体制を根底で支えている。必要な武器・資材の調達、開発・所持、運搬・備蓄に勝利し続けている革命軍の存在それ自体が、敵権力・反革命カクマルに対する戦略的打撃力である。この戦略的闘いを献身性と創造的苦闘で切り開いている地平を守り抜こう! 不敗の闘いを断固堅持しよう!
 帝国主義の世界戦争の時代が始まっている。わが革命軍は、激化する階級攻防を見据え、敵権力の組織解散をも含む破防法攻撃のもとにおいて、非合法・非公然体制の中核として闘うものである。不意打ちと一網打尽の敗北を絶対阻止し、戦闘性をがっちり確立・堅持しよう! 24時間365日、敵権力との攻防に勝利し続けよう!
 また、対権力武装闘争の本格的創造的発展を三里塚ゲリラ戦を恒常基軸に戦いとって行く。
 2002年は、三里塚暫定滑走路粉砕決戦の正念場である。1・9千葉県職員に対する火炎攻撃戦闘は、「成田空港周辺地域共生財団」事務局長としての罪状に対する的確果敢な第1弾である。怒りのゲリラ戦で暫定開港を絶対粉砕する。
 さらに、対カクマルでの戦略的攻撃体制の堅持である。組織としてのカクマル完全打倒の戦争目標から逆規定して、恒常的な対カクマル索敵情報活動をさらに強化していく。
 全党の闘いと結合して索敵の闘いを強力に進めよう! ファシスト・カクマルの全動態を日常的に掌握し続ける活動は全党員の基本活動である。われわれは、その土台に立って、危機にのたうつカクマルの凶暴化を見すえ、党と階級が要請する作戦完遂をいつでも可能とする戦略的攻撃体制を堅持する。この領域でも「準備を実践的企てとした」作戦遂行能力の保持・強化と訓練の不断の貫徹を要する。
 特に重要な闘いとして、JR総連解体、ファシスト労働運動粉砕の戦いを国鉄決戦の防衛・支持・促進と一個二重の戦いとして強めよう。

 精鋭的確立への不断の建軍闘争

 党と階級の政治的軍隊として革命軍を目的意識的に建設していく闘いである。党勢2倍化に対応した建軍方針は、精鋭的確立のための独自の組織建設活動である。非合法・非公然にあっての、指導部自身の「第2の自分をつくる」不断の自己再生産活動である。指導部の指導責任の重大さの核心はこの領域にこそある。革命軍指導部は常に自らの組織と組織活動の強さと弱さを死活的に掌握し、一切を自らの指導の現実としてとらえ返し、全指導責任を取り切らなければならない。革命軍における命を預け合う強靭(きょうじん)不抜の戦士共同体としての確立は、党生活の3原則を軸に据えた徹底討議、自己批判・相互批判を細胞内共同闘争として組織的に貫徹し抜く中でかちとられてきた。
 革命軍は出発点として死地に赴く決意をもって建設され、戦争の中で戦争を学び、戦争の中で建党・建軍の前進をかちとってきた。われわれは、ゲリラ・パルチザン戦、テロル戦などあらゆる作戦遂行能力を保持した戦闘・軍事技術者集団であると同時に、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の思想・綱領・路線で徹底武装した思想家集団として精鋭的に前進をかちとっている。解党主義を粉砕し、権力に屈服した白井朗などを絶対許さない。
 われわれは、指名手配攻撃と闘う同志、そして獄中同志と固く連帯して闘う。無期攻撃と闘う星野文昭同志、長期の未決勾留攻撃と闘う須賀武敏、十亀弘史、板垣宏、福嶋昌男の爆取4同志、長期下獄闘争を貫いている片山武夫同志、倉持嘉之同志、浦山正博同志を始めとする全獄中同志の存在と闘いに学び肉迫し、ともに戦う。革命軍の全戦士にとって、彼らはかけがえのない自らの誇るべき分身であり、またわれわれ全戦士自身、第2の星野、第2の長期獄中同志となることを辞さずの決意で戦い抜いている。彼らが獄中にあることは1日たりとも容認できない。なんとしても闘う戦列に奪還しよう。
 21世紀・世界革命勝利の道を攻め上っていく情勢が到来した。革命軍は、9・11戦闘を新たな7・7自己批判の立場で全面的に受け止め、階級の蜂起に勝利するための変革と飛躍をかちとり、全党・全人民の最先頭に立つ! ともに闘おう!

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週刊『前進』(2040号6面2)

1月23日〜29日

 2月中旬に第2次艦隊派兵 有事立法、基本と1・2分類

●政府方針は基本法と1・2分類を一括提出 政府は有事立法について、大枠を定める「安全保障基本法(仮称)」と、関連法案の一部として、自衛隊法などの防衛庁所管法令の第1分類、道路法などの他省庁所管の第2分類を今国会に提出する方針を固めた。与党との調整はこれから。(23日)
●有事立法で与党3党が合意 自民、公明、保守の与党3党が幹事長・政調会長らによる「国家の緊急事態に関する法整備等協議会」の初会合を開き、有事立法について@自衛隊の防衛出動に関する法制を整備する、A領域警備とテロ対策における警察活動と自衛隊の運用について法整備を含め検討する――の2点で合意した。「基本法」を制定するかどうかは未定。また政府は「武力行使に至らない段階」も有事の対象に加える考え。(23日)
●米国防予算15%増 米ブッシュ大統領は、03会計年度の国防予算案が前年度より約15%増の総額約3790億jになるとの見通しを明らかにした。過去20年間で最大の伸びで、ブッシュは、国防に「最大の優先順位を与える」と述べた。(23日)
●米軍が対テロ訓練施設の建設計画認める
在沖米陸軍の特殊部隊(グリーンベレー)が、対テロ訓練を目的とした都市型訓練施設の計画を進めている問題で、米陸軍が施設建設計画があることを認めた。具体的な建設場所については「調整中」としているが、キャンプ・ハンセンとキャンプ・シュワブにまたがる中部訓練場の南側としている。(24日)
●那覇空港で自衛隊機が緊急着陸 航空自衛隊那覇基地第83航空隊所属のF4EJ改(ファントム)戦闘機1機が、エンジントラブルのため那覇空港に緊急着陸した。同空港は点検のため4分間滑走路が閉鎖され、民間機の発着便8機に遅れが出た。(24日)
●ミサイル防衛で米が初の海上型実験 米国防総省が、イージス艦を利用したミサイル防衛(MD)の迎撃実験に成功したと発表。海上配備型の実験は初めて。宇宙空間でミサイルが上昇中の段階を狙った点が特徴。ブッシュ政権のMD構想は、戦域ミサイル防衛(TMD)システムと米本土ミサイル防衛(NMD)システムを融合したもの。(25日)
●教基法見直し、自民が「検討特命委」 自民党が教育基本法の抜本見直しに向け、「教育基本法検討特命委員会」を新たに設置することを決めた。最高顧問に森喜朗前首相を据え、改憲も視野に入れるという。(25日)
●有事立法「今国会で整備はかりたい」と鳩山 民主党の鳩山代表が有事立法について「緊急事態でも国として法律に基づいて整然と行動しなければならない。国会で議論しながら、しっかりと歯止めがかけられるように法整備をはかりたい」と述べた。(26日)
●名護市長選が告示 沖縄県名護市の市長選挙が告示され、元ヘリ基地反対協代表の宮城康博・前市議(社大、共産、社民推薦)と、現職の岸本建男市長(自民、公明推薦)ら3人が立候補を届け出た。米軍普天間飛行場の代替施設建設問題が最大の焦点。97年12月の市民投票で新基地建設反対が過半数を占めた「民意の実現」が問われている。(27日)
●アフガン侵略戦争へ第2次艦隊 政府は海上自衛隊の対米支援活動を延長する方針を固め、テロ対策特別措置法に基づいて昨年11月に出兵した支援艦隊と交代する第2次艦隊4隻を新たに編成して2月中旬にもインド洋へ向け出向させる予定であることが明らかになった。(27日)
●有事立法対策本部設置へ 政府は、有事立法について、研究が進んでいない戦争捕虜などの法整備を進める「有事法制整備推進対策本部」(仮称)を内閣に設置する方針を固めた。「安全保障基本法」(仮称)の中に設置する項目を盛り込む。(29日)

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週刊『前進』(2040号7面1)

「9・11テロ弾劾」叫ぶJR総連を批判せず称賛する黒田・カクマル
 「解放」02年新年号批判 「ジハード万歳」路線の大破産
  城戸 通隆

 のっかり主義と利用主義で路線的な解体的混乱

 カクマル『解放』02年新年号は、近来にない惨状を呈している。 
 メーンの大見出しは「戦乱突き破り革命の新世紀へ」であるが、まったくこけおどしの〈空無〉であり、反帝・反スターリン主義世界革命もその一環としての日本革命=日帝打倒もない。およそ実践的な路線や政治方針がないのだ。ただただ冗長なファシスト的な駄文の最後に、02年を「わが反スターリン主義運動の二十一世紀的な原始創造の年たらしめよう」とか、「地上の太陽」となれといった、黒田カルト集団まがいの抽象的確認がなされているだけなのだ。
 その上で、今年の『解放』新年号の最大の特徴は、昨年の9・11反米ゲリラ戦争に対する評価を大きく転換したことである。9・11以降カクマルは一種異様な形で「ジハード自爆万歳」論を唱え、56年ハンガリー革命に匹敵する「画歴史的事態」であるなどと騒ぎ立ててきた。確かにその本質は、度し難い乗っかり主義、利用主義、御都合主義でしかなく、最悪の帝国主義的排外主義に過ぎないものだった。しかし、70年7・7自己批判、闘うアジア人民との連帯論に「被抑圧民族迎合主義」なる悪罵(あくば)の限りを尽くしてきたカクマルがイスラムの「ジハード万歳」と叫ぶことは、彼らの路線とイデオロギーに解体的混乱をもたらす性格のものであったのだ。 
 実際に、分裂したカクマルの松崎・JR総連派は、「テロ反対」の大合唱に加わり、黒田・中央派の中でも「若い仲間たちの一部」に「テロ弾劾」を叫ぶものが生まれ、深刻な「思想問題」「組織問題」となったのである。このためカクマルは昨年10月下旬以降、「ジハード万歳」論を大きくトーンダウンさせてきたが、ついに新年号で転換するにいたったのだ。9・11は今やカクマルにとって単なる「徒花(あだばな)」「事件」となり、「テロは否定」「労働者階級とは無縁」となってしまったのだ。こんなレベルだから、アフガン情勢についても「アメリカ帝国主義の凱歌(がいか)」「タリバン政権はわずか二ヵ月で壊滅」などと帝国主義的な抑圧民族然とした言辞を弄(ろう)して平然としている始末なのである。
 9・11を「告発」として「主体的に受けとめ」という言葉だけは残骸として書かれている。しかし、それはもともと「告発」の対象にはカクマル自身のイデオロギーや党組織は含まれていないもので、実にインチキで帝国主義的腐敗にまみれたものでしかなかったのだ。
 『解放』新年号の今ひとつの重大な特徴と犯罪性は、松崎・JR総連の「テロ反対」論を何ひとつ批判しないこと、それどころかJR総連が「軍事的報復にも反対」と言っているからと公然と擁護・賛美し、JR総連にすり寄って組織の「再生」「再建」を叫びだしたことである。「軍事的報復にも反対」だけを引用するとは実にペテンだが、その前段の文句は「テロ反対」なのである。実は松崎もJR総連も9・11反米ゲリラ戦を「言語道断」などと非難してきたのだ。
 ところがカクマルは、日共に対しては「テロ根絶」キャンペーンに唱和しているなどと力ない批判を展開するくせに、「テロ反対」論を叫ぶJR総連はまったく批判しないし、できないのだ。それどころか公然と賛美し始めた。だが「テロ反対」と「軍事的報復反対」は断じて両立しない。スローガンにこの両者を並べることは、本質的にテロ反対論でしかなく、帝国主義と対決した真の反戦闘争など闘えるわけがないのだ。
 ここにカクマル9・11論と『解放』02新年号の最大の犯罪性、ウソと欺瞞(ぎまん)があることを、怒りを込めて批判、粉砕していかなければならない。

 9・11を「徒花」と罵倒する帝国主義的排外主義

 カクマルは、ペテン的に「かの〈9・11反米ジハード自爆〉事件は、ソ連崩壊後のアメリカ一超支配の終焉(しゅうえん)の始まりを告知した画歴史的事態」などと言いつつ、次のような手口で9・11への評価を根本的に転換している。
 a「労働者階級の闘いの弱さのゆえの徒花」「先進国における階級闘争の腐敗・堕落とソ連邦の崩壊を機にスターリン主義とともにマルクスのマルクス主義もが多くの自称左翼によって投げ捨てられたことの帰結であり、その徒花というべきもの」
 b「労働者階級の階級的組織化をめざしているわが革命的左翼は、〈アナーキスト的なテロリズム〉も〈ムスリムによるジハード的なテロリズム〉も否定する」
 c「われわれは、テロリズムを労働者階級の階級的組織化と無縁であるととらえる」(ただし革命の特定の段階でのソビエトを基礎とした暴力は肯定する)
 まずaの「徒花」(実を結ばない花)という言辞は、9・11への最大の侮辱であり否定である。闘うイスラム諸国人民の帝国主義に対する根底的怒りから発した特殊的極限的な形態での民族解放闘争として、また同時に帝国主義国の労働者人民とりわけ革命党と共産主義者へのすさまじい糾弾として9・11を受けとめるという立場への全面敵対である。カクマルの「ジハード万歳」論が、いかにペテン的で、乗っかり主義的、利用主義的なものでしかなかったかということだ。 
 しかも「労働者階級の闘いの弱さ」とか「先進国における階級闘争の腐敗・堕落」と言っても、カクマルにとってそれは既成指導部の問題でしかなく、自分は含まれていないのだ。せいぜい黒田イズムやカクマルの影響力が及んでいないことへの「屈辱感」や「悔しさ」をもって受けとめるという傲慢(ごうまん)極まるものでしかない。ほかならぬカクマルこそが帝国主義的排外主義、抑圧民族的腐敗にまみれた、その権化のような存在としてある。根底的な自己否定と階級的自己批判、血債論的立場が要求されているのだ。しかし、「被抑圧民族迎合主義反対」と悪罵しそれに全面敵対しているのがカクマルなのだ。
 bとcはテロリズムへの全面否定である。だがマルクス主義・レーニン主義とプロレタリア階級闘争がテロリズム一般を否定することなどあり得ない。レーニンも明言しているように、そのテロリズムが階級闘争の大義に照らして肯定されるか否か、階級闘争の前進のためになるものか否かで、その是非は判断されるのだ。カクマルの白色テロルは悪だが、革命派の赤色テロルは正義なのである。
 帝国主義者が大合唱する「テロ根絶」のテロとは民族解放闘争の現実形態である。帝国主義の侵略と民族抑圧に対する闘いで、ゲリラ・パルチザン戦争は正義で不可欠の闘争形態だ。しかもゲリラ・パルチザン戦争はテロリズムと区別することなどできない。いや系統的で組織的なテロリズムの集合体がゲリラ・パルチザン戦争であるとも言えるのだ。

 民族的抑圧と圧殺の核心問題が欠落している

 ところが、このように9・11を「徒花」と悪罵しテロリズムを全面否定したカクマルが、その舌の根も乾かぬうちにペテン的に「9・11事件の画歴史的な意義を確認する」などと言うのである。ではその「理由」なるものは何か。 
 α「それが国際階級闘争の死滅的状況のなかで〈反米・反権力〉の固い意志をもって敢行されアメリカ国家の中枢に的確に風穴をあけたのだから」
 β「それによって、アメリカ一超支配体制の終わりの始まりを画したのだから」
 γ「この〈ジハード自爆〉事件をば、アメリカ帝国主義の暴虐を許してきた先進国の労働者階級の反戦闘争の死滅状況を、したがってわが反スターリン主義運動の脆弱(ぜいじゃく)性を告発するものとして主体的に受けとめたから」
 そもそも9・11およびテロリズムの全面否定と、乗っかり主義的、利用主義的な「画歴史的意義を確認」との間には、解決しがたい矛盾がある。その上で、まずαの「〈反米・反権力〉の固い意志をもって」という文言の問題性だ。これと関連してカクマルは「アメリカ帝国主義の一超支配への反発」、「過酷な搾取と収奪」「貧富の差の拡大」への怒りなどとも言っている。しかしここには9・11反米ゲリラ戦争の根底にある帝国主義の植民地的支配、民族的抑圧と圧殺という核心的問題が完全に抜け落ちている。単なる「反米・反権力」や搾取・収奪の問題ではないのだ。民族が抑圧、圧殺され、その文化・文物そして宗教(イスラム)も徹底的に抑圧され、侮辱され、じゅうりんされてきたことへの怒りが、9・11で爆発したのではないのか。

 〈イスラム〉を武器とした民族解放闘争を否定

 さらにカクマルは9・11―10・7以後の情勢を「新たな宗教戦争」などと描くと同時に、イスラム諸国人民の闘いが「イスラム復興=原理主義」をイデオロギー的武器としているのは問題で、「止揚」されなければならないかのように言っている。しかしこんな論議はイスラム諸国人民の闘いへの侮辱であり、帝国主義イデオロギーへの屈服である。
 そもそも、帝国主義の植民地主義的な民族圧殺攻撃とその決定的一環として宗教的圧殺の攻撃もあるのだ。その中で9・11戦士やパレスチナ・中東・ムスリム人民が、その民族解放闘争への決起に対して繰り返し帝国主義による侵略、大弾圧・大虐殺の攻撃を加えられ、じゅうりんされてきたこと、スターリン主義(それがマルクス主義と信じられてきた)に裏切られ、それに絶望してきたこと、さらに革命的マルクス主義的勢力も弾圧されてきたこと、また中東・アラブ諸国の帝国主義に従属した支配層の腐敗・堕落を見せつけられてきたこと――ここから彼らはイスラム(復興運動・政治運動)に自己のアイデンティティーを見出し、確保して、闘いに決起してきたのだ。カクマルはこのことを完全に見失い、否定している。いや、もともと彼らはイスラム諸国人民が〈イスラム〉を武器として反帝闘争、民族解放闘争に決起することそのものを否定しているのだ。
 αの後段の「アメリカ国家の中枢に的確に風穴」や、「経済のグローバル化」と「国境のボーダレス化」と「サイバー物神」という「現代資本主義の矛盾を的確について」といった文言にも問題がある。実に軽薄で戦闘技術主義的なとらえ方でしかないのだ。9・11が帝国主義の矛盾や弱点をつき、矛盾が矛盾となり、弱点が弱点となったのは、9・11戦士の命がけの決起、自爆を辞さぬ決起があったからこそだ。われわれはこれに〈正対〉しなければならない。そこには武装闘争に立つ者の普遍的な精神の問題、それをも「のりこえざるを得ない」極限的な怒りとゲリラ戦争の問題がある。カクマルはこうした9・11の核心にあるものをすべて抜き去っているのだ。 
 βの「アメリカ一超支配体制の終わりの始まり」も問題だ。「終わり」が始まったのは「一超支配」といった近代政治学的レベルのことではなく、帝国主義の世界支配とその時代なのだ。カクマルには帝国主義論、帝国主義戦争論、帝国主義の民族抑圧=侵略戦争論、あるいは世界革命とそこにおける民族解放闘争論の位置づけが欠落しているため、米帝(諸帝国主義)の没落と危機と矛盾が、なんら帝国主義論的、争闘戦論的に解明できないのだ。だから米帝の「一超支配」が終わって「多極化」すればいいかのごとく、「ヤンキー帝国主義」=「アングロ帝国主義」反対の立場で喜んでいるに過ぎないのである。
 γの「告発」を「主体的に受けとめ」という文言も、すでに述べたようにカクマル自身の自己否定的自己批判と血債論的立場を拒絶した、カクマル特有の大ペテンである。

 帝国主義論なき「新東西冷戦」論への舞い戻り

 『解放』新年号の重要な特徴のひとつは、またぞろ「新東西冷戦」論に舞い戻っていることだ。そのために「ロシアに支えられた北部同盟」「アフガニスタンの大部分を制圧している北部同盟」などと言って、米英帝の大空爆と特殊部隊的地上軍の投入が北部同盟の「進撃」を可能にしたのだという厳然たる事実をねじ曲げている。また「その技術的水準の高さからして旧KGB要員が関与していた可能性が高い」などと、かの9・11=KGB黒幕説を復活させてもいるのだ。
 さらに、「現代版『十字軍』の形成と〈新東西冷戦〉の激化」「このような〈新たな東西冷戦〉を根底として激動する現代世界」といった言辞や、「米・露の対立」「米・露の角逐」が強まっているとか「中・露による『反覇=反米』の国際的包囲網」「反米包囲網の形成」といった文言が随所にちりばめられている。また目立つのは中国が「世界の工場」となっている、ブッシュは「破産大国ロシア以上に、『超大国』化に突進している残存スタ国家・中国を警戒している」という類の「中国脅威論」である。
 今ひとつ4〜5面の堀場論文だ。その結論部分で、「アメリカ帝国主義……を起動力とし、米(欧・日)―中・露の新冷戦的角逐を根源とした世界大的戦争が……勃発する可能性はますます高まっている」と言い、「宗教的対立」や「資源ナショナリズム」がそれと結びついているとのたまっている。要するに、帝国主義論も争闘戦論もないカクマルは、戦争の「根源」は帝国主義にあるのではなく、かつての「米ソ角逐論」や「ソ連脅威論」と同類の「新東西冷戦」や「中・露の反米包囲網」にあるのだと言っているである。(だが1・14付1701号の中央学生組織委論文には「新東西冷戦」論がない。カクマル学生は9・11によって「新東西冷戦」論が吹き飛ばされたことに完全に消耗しているのだ)
 これと関連して問題なのは、カクマルが「不況打開」のための「軍需生産」「戦時経済体制への突入」論を強調していることである。8〜9面の立風論文でも「不況の軍事的のりきり」論で一貫している。カクマルは「世界的不況」と言うのみで、29年型世界大恐慌という認識も帝国主義の過剰資本・過剰生産力論も分裂化・ブロック化論もない。せいぜい「テロ不況」という認識でしかない。しかもその不況も「軍需生産」や「戦時経済体制」という政策的選択で「のりきれる」ものであり、帝国主義戦争ですら政策的選択の一つでしかないというカウツキー主義そのものなのだ。
 さらにカクマルは「テロ根絶のための非対称型戦争」「テロ根絶を掲げた米英主導の現代版十字軍」なるものを騒ぎ立てている。カクマルはソ連崩壊以降の帝国主義の基本矛盾の全面的爆発、世界危機の世界戦争への転化の過程の始まり、9・11―10・7をもってする二度と引き返せぬ帝国主義の世界侵略戦争―世界戦争の過程への突入という問題を、帝国主義論的に解明できず、帝国主義ブルジョアジーの宣伝文句でしかない「非対称型戦争」とか「現代版十字軍」による「宗教戦争」として描き上げようとしているのだ。これは完全に帝国主義イデオロギーへの屈服であり、帝国主義の戦争政策の免罪でしかない。

 JR総連にすり寄り「再組織化」を叫び始めた!

 「テロ反対」を叫ぶJR総連の賛美――これが『解放』新年号のもう一つの大問題だ。゛第2新年号゜とも言うべき1701号のインチキ「連合批判」の笠置論文は次のように言っている。「すなわち、『連合』大会において『軍事的報復にも反対』と発言したJR総連や日教組、そればかりではなく自治労や全逓、そしてもろもろの民間労組において、戦闘的労働者たちは『連合』大会での『テロ根絶』の大合唱を暴きだし弾劾し……奮闘したのであった」と。
 JR総連が「軍事的報復にも反対」と発言したことがペテン的に賛美されている。しかし実はその前段の「テロ反対」は引用されていない。JR総連も「テロ弾劾」の大合唱に加わっている事実に触れたくないからだ。日共や連合の「テロ弾劾」は批判して見せるのに、なぜJR総連を賛美はするが批判しないのだ。これ一つとってもカクマルの「9・11ジハード」論は全部、ウソとペテンである。JR総連は何と言っているか。 
 「(9・11は)言語道断」「怒りを禁じ得ない」「絶対に許すことができない行為」。これがJR総連の9・19付見解である。JR東労組も「非人間的な犯罪行為」「言語道断」「満腔(まんこう)の怒りをもって抗議する」(9・20付見解)と明言している。またJR総連の頭目・松崎自身が、テロは「絶対悪」「テロを礼賛するなどというのは……世間はもちろん、仲間内でさえも見放される」(毎日新聞社『鬼の咆哮』)と公言しているのだ。
 なぜカクマルはこのJR総連や松崎を批判しないのだ。「軍事力による報復でなく」ということなら「テロ根絶」を叫ぶ日共でも言っていることだ。しかし「テロにも軍事的報復にも反対」で真剣に反戦闘争が闘えるはずがない。本質は「テロ反対」ということであり、帝国主義の翼賛でしかない。カクマルの日共批判、連合批判はすべてペテンである。黒田・中央派と松崎・JR総連派の分裂と対立は、やはり今日のカクマルの最大問題なのである。つまりカクマルは松崎とJR総連を批判できないのだ。
 松崎・JR総連の犯罪性は「テロ反対」だけではない。国鉄労働運動の中においては、「一段と質の高い労使関係の構築」をうたった第4次労使共同宣言をJR当局と結び、ファシスト労働運動の根幹である労使協力路線を推進している。第2の分割・民営化攻撃としてのJR東日本のニューフロンティア21(メンテナンス合理化・外注化攻撃)の極悪先兵となっている。また今年の「労問研報告」で日経連と連合が本格的に導入しようとしているワークシェアリング(「仕事の分かち合い」の名による賃下げと首切り)を真っ先に叫び始めたのは松崎とJR総連ではないか。今日の日帝の一大資本攻勢とそれへの連合の全面屈服の先導役を、彼らが果たしたのだ。これをカクマルはまったく批判しない。
 それだけではない。一度は「階級敵」と規定して「打倒」対象にしたJR総連に一転してすり寄り融和路線をとり始めたのである。新年号の北海道、関西、九州などの各地方委員会の「決意」で、JR総連を「再生する」「思想闘争をくりひろげ、変革し再組織化する」などと表明しているのだ。松崎・JR総連との分裂に耐え切れずに、「打倒」や「戦闘的対決」は清算してすり寄り、あわよくば「再組織化」しようというわけだ。
 カクマル黒田・中央派のこうした反革命的あがきを許さず、徹底的に批判・追撃し、日帝ブルジョアジーのファシスト先兵として純化する松崎・JR総連もろとも、打倒し尽くさなければならない。

 日帝・小泉と闘わず

 『解放』新年号批判の最後に、日帝との闘い、小泉との闘い、日本階級闘争における任務が限りなくゼロである点を断罪したい。なんと日帝動向の分析は情勢論としてもほんの付け足し、日帝危機の問題など何も論じられていない。日帝は「悲願の本格的参戦をはたした」などと称賛まがいの言辞を吐き、自衛隊派兵攻撃も小泉の単なる「パフォーマンス」としてしか位置づかない。日帝の本格的派兵=参戦攻撃、有事立法・改憲攻撃の帝国主義論的、争闘戦論的な必然性、戦争的凶暴性の解明などゼロである。ましてや29年型世界大恐慌情勢のもとでの一大資本攻勢、リストラ・大失業、賃下げ攻撃との階級決戦的な対決というトーンなど薬にしたくてもない。 
 こういう状態では日共を「侵略補強勢力」とか「今日版の祖国防衛主義に転落」とかと「批判」しても批判にならない。カクマルこそ帝国主義と闘う理論も思想も路線も欠落した、ファシスト的、帝国主義的排外主義的な勢力でしかないからだ。防衛戦争=革命的自衛戦争を強化し、02年決戦の戦闘的爆発の中にカクマルを引き込んで、粉砕・打倒しよう。 

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週刊『前進』(2040号7面2)

第3部
 植民地支配の歴史(1) 民族を丸ごと圧殺した日帝

 はじめに 事実から学ぶ

 これまで、第2次大戦について、総論(第1部「第2次世界大戦」)と、日本の「15年戦争の末路」(第2部)を振り返ってきた。それは、日本の歴史上かつてない大きな規模の戦争であり、その内容は膨大な中身をもっている。その核心的な事柄をおさえ、戦争の階級的性格をきちんと学び、2度と戦争を繰り返してはならないという決意を固めなければならない。
 第2部では、15年戦争の歴史を、順次経過を追ってみていくという方法をとらず、あえてその結末(戦争の末路)のところから始めた。他民族に対する侵略戦争、他帝国主義との帝国主義間戦争が、結局は日本帝国主義のもとにある労働者人民に筆舌に尽くしがたい災いをもたらすものであったことを徹底的に学ぼうという趣旨であった。
 朝鮮・中国・アジア人民と連帯しえず、日帝の侵略と戦争に抗しえず、排外主義に屈服し、帝国主義の加担者とされ、侵略戦争に動員されていったことが、日本人民自身にもたらしたものが、あの戦争の惨禍であった。つまり大空襲であり沖縄戦であり、広島・長崎の原爆であった。それは一言で言えば、「他民族を抑圧する民族は自由ではありえない」(エンゲルス)ということである。この言葉は、15年戦争における日本の労働者人民に最もよく当てはまる言葉である。

 植民地化の美化

 その上で、この第3部では、日帝の侵略戦争の出発点となった台湾と朝鮮の植民地支配の歴史を振り返りたい。
 日帝が清国と(1894〜95年日清戦争)、ついでロシアと(1905年日露戦争)、朝鮮の権益、支配権をめぐって戦争を起こし、戦勝によって台湾(1895年)、朝鮮(1910年)を植民地支配したこと、そしてその中で台湾人民、朝鮮人民の抵抗闘争を圧殺して、民族丸ごと非人間的な抑圧体制のもとに置いたこと、これが1931年の柳条湖事件に始まる中国侵略戦争、15年戦争につながっていくのである。
 このテーマは過去のものではなく、今日ただ今、日本帝国主義の侵略と戦争の歴史を擁護するのか、それとも根本的に批判し反省するのかとして、火を噴いているテーマである。
 たとえば、『戦争論』で日帝の戦争を美化する扇動を行った小林よしのりは、『台湾論』で、日帝の51年に及ぶ植民地支配を全面的に賛美する論陣を張っている。「日本は台湾の経済発展に寄与した」と逆転して描きだし、「台湾人は親日的」と台湾人民が植民地支配を喜んで受け入れたかのように強弁する。これは現実に、台湾人民の反日帝の武装抵抗闘争が頑強に闘われた歴史を無視するものであり、他民族の自決権を踏みにじって支配することを合理化する暴論である。
 また、朝鮮半島の植民地支配については、「つくる会」歴史教科書が徹底的にねじ曲げている。
 「日本政府は、韓国の併合が、日本の安全と満州の権益を防衛するために必要であると考えた」とあたかも日本の防衛のためにやむをえないものであったかのように描いている。だが、実際には植民地支配とは、朝鮮人民の民族そのものの抹殺であり、あらゆるものを奪い取り、隷属させるものだった。
 その実態を時を追ってきちんと確認していきたい。とりわけ、朝鮮人強制連行の歴史、日本軍軍隊慰安婦政策の歴史は、今日、日本の国家的謝罪と補償の問題が突き付けられているものであり、その歴史的事実にしっかりとした認識を持つことが問われている。

 血債論の深化

 「自由主義史観」を名乗る連中は、日帝の侵略と戦争の歴史、朝鮮・中国・アジア人民に対するいわゆる「加害」の歴史を問題にすることに対して、「自虐史観」と罵倒(ばとう)し、「それでは日本を愛する国民をつくれない」として敵対している。韓国や中国に対して「何度謝れば気が済むのだ」と排外主義丸出しに叫んだりする。一度も反省せず、一度も謝ったことのない人間に限ってこういう発言ができる。彼らの言説は、「国を愛する」とは他民族が犠牲になることをいとわないことであること、他民族の抑圧の上にしか成り立たないものであることを、自己暴露しているのである。
 われわれは、9・11反米ゲリラ戦がイスラム諸国人民の帝国主義下の人民に対する糾弾であるととらえ、闘うイスラム諸国人民との連帯の不可欠性について学んだ。9・11直後の革共同の見解、本の出版、そして02年1・1アピールをとおして9・11論を深化・発展させてきた。
 この立場に立って、あらためて日帝の侵略と戦争の歴史をとらえ返し、日本の労働者人民が朝鮮人民、台湾人民に負っている血債の問題を一段と明確にしていかなければならない。
 「つくる会」を始め、歴史歪曲のデマゴーグどもは、侵略されじゅうりんされた当の人びとが、怒りを込めて告発の闘いに決起している時、その痛み、苦しみを想像することを頭から拒否する。一人の告発にはその何千倍、何万倍の人びとの怒りが体現されているのだ。帝国主義国の労働者人民は被抑圧民族人民の告発と糾弾の声をよく聞き、その激しさを戦慄(せんりつ)をもって受けとめなければならない。
 ところが、彼らはこの告発に追い詰められて、開き直り、侵略と戦争の歴史を美化し、塗り替えようとしているのだ。それは、「日本が生き残るためにはほかに方法はない」という論理で、再び侵略と戦争を繰り返すためのものだ。
 だからわれわれは、侵略と戦争の歴史の事実にこだわり、それを徹底的に明らかにし、そこから学ぶことをつうじて、2度とこの歴史を繰り返さない、侵略と戦争の元凶である自国帝国主義を打倒する決意を新たにしなければならない。
 侵略された側の人民は、その事実を肉体に刻み込まれたものとして記憶している。だが、踏みつけた側は往々にしてそれを肉体的には記憶していない。だから、必死でこの歴史の事実を知り、被抑圧民族の怒りと告発に肉薄し、血債を支払うことが求められているのだ。
 そのような観点で、次号から台湾、朝鮮における日帝の植民地支配を振り返っていきたい。(高田隆志)

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週刊『前進』(2040号8面1)

泉佐野 関空2期阻止へデモ
 国賀議員 5月市議選必勝へ誓う

 1月27日、大阪湾岸住民4団体と関西反戦共同行動委員会の主催で、関西新空港反対現地闘争が行われた。地元住民40人を先頭に191人の参加のもと、寒さを吹き飛ばす熱気あふれる集会とデモを打ち抜いた。
 この日は沖縄名護市長選の告示日であり、名護現地の闘いとの熱い連帯を込めて、会場カンパ8万円は名護に送られた。そして何より有事立法・改憲阻止決戦の決意を固めた。そのためにも5月泉佐野市議選の国賀祥司議員の5期目の必勝を誓い合った。
 集会は淡路町空港反対同盟の安藤眞一さんの司会で始まり、冒頭12月31日に逝去された町谷春雄さんに黙祷(もくとう)を捧げた。町谷さんは81年当時から、権力によるすさまじい過激派宣伝と闘争破壊の中、断固として地元泉佐野で軍事空港反対の先頭に立ってきた。その遺志を引き継ぎ空港廃港まで闘い抜く決意を全体で確認した。
 主催者あいさつとして泉州住民の会の森田恒一代表は「関空2期工事を進める合理的理由はまったくない。累積赤字は2000億円を超え、1兆円の借金は減ることもない。倒産寸前の会社が、さらに借金をして現在より大きな4000b滑走路を建設するという。その唯一の理由は、ガイドラインである。アメリカから爆撃機が飛んできて、関空で爆弾を積み込み北朝鮮を攻め落とす、そのための2期工事であることはまさに明白」と断罪し、さらに有事立法を制定する小泉政権に「断固とした反対」を訴えた。
 関西反戦共同行動委員会の入江史郎代表は「9・11反米ゲリラから時代が変わったのではない。あのことによって世界中の支配者たちの矛盾が噴き出しているということだ。23日の狭山異議審棄却でも何の正当性がなくても、すべてが侵略戦争をするために手段を選ばずやってきている。戦争の時代というものは『2期不要論』など吹き飛ばして侵略機を飛ばしていく。それを阻止できるのは労働者・市民が立ち上がることだ。私たちの親の世代がまったく許せないことをやってきたということを今こそ思い出さないといけない」と反戦の決意を訴えた。
 基調報告として泉州住民の会の国賀事務局長はまず、「名護の宮城さんは感動的な闘いをやっている。名護市長選の勝利は小泉政権を打倒し、アメリカのアジア戦略の根本を揺るがす。この重圧を全部引き受けた闘いだ」と市長選への具体的支援を訴えた。
 また「アフガニスタン・パレスチナ人民と連帯した国際反戦闘争として闘おう。領土の回復、民族の解放をかちとることはまったくの正義であり、どのような手段をとろうが当然である。小泉政権が宣言した有事立法は、まさに昨年の『不審船』撃沈でも明らかなように、日本が実際に戦争を始めるため、アメリカの侵略戦争に参加するためだ。今年最大の政治決戦として闘おう」と有事立法決戦を宣言した。さらに「空港の借金を市民に押しつける公共料金値上げは市民の反対で阻止した。軍事空港への怒りが高まっている。2期を中止に追い込み、戦争国家化を粉砕する。そのためにも5月市議選の勝利を」と必勝を誓った。
 決意表明では泉州住民の会から2人が登壇し、町谷さんの゛ひたすら怒り、ひらすら叫び、ひたすら行動を゜の言葉を決意とし、5月市議選への支持と支援を訴えた。
 部落解放同盟全国連・荒本支部の阪口克己書記長は「東京高裁高橋裁判長は許すことのできない異議審棄却を強行した。部落民にはまともな裁判も受ける権利がないのか。この責任を取らせ、徹底した糾弾闘争を闘う」と、狭山闘争と3月全国連第11回大会への決起を訴えた。
 続いて関西労組交流センター、婦人民主クラブ関西協議会、全学連が決意を表明し、明石住民の会が名護市長選の宮城候補へのカンパアピールを行った。
 淡路町反対同盟の永井満代表が閉会のあいさつに立ち、「旗開きで、三里塚反対同盟のはつらつとした姿を見た。三里塚とともに闘う私たちの闘いがある限り、そう簡単に戦争国家にはさせない。私たちの闘いが日本の進む道を決定する」と訴えた。
 02年の闘いの決意をもって、ただちにデモに立った。デモ行進では、関空正面の会場から駅前まで「2期阻止」「有事立法・改憲阻止」「5月市議選勝利」のシュプレヒコールが街中に響いた。

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週刊『前進』(2040号8面2)

水嶋裁判 “真実の妨害許さぬ” 証人遮へい措置と対決

 1月23日、東京地裁第1刑事部(川口宰護裁判長)において、無実の水嶋秀樹同志を88年9・21千葉県収用委解体戦闘の責任者にデッチあげた裁判の第3回公判が行われた。
 今回は小川元千葉県収用委会長の治療を行った守屋秀繁医師の証人尋問が予定されていた。この守屋の証人尋問にあたり、なんと検察は証人保護を理由に、゛遮へい措置゜の導入を策動した。
 守屋は、神藤裁判では、゛遮へい措置゜なしに証言している。なぜ、今回に限ってそれが必要なのか。゛遮へい措置゜の導入は憲法で保障された被告人の証人尋問権を侵害し、公開裁判の原則を否定するものである。弁護団はこれらの点を、怒りを込めて、誰もが否定できない説得力を持って裁判所にたたきつけた。
 続いて水嶋同志が、守屋証人を゛遮へい物゜で覆うことは「真実を明らかにする裁判への妨害」であることを訴え、また次回裁判で正井証人を゛遮へい物゜で覆うための布石であることを暴露して、゛遮へい措置゜の導入に絶対反対であることを表明した。
 被告・弁護団のあまりにも正当な主張に、一言の反論もできない川口裁判長は、何の理由も述べずに、検察の言いなりに、゛遮へい措置゜を採る決定を下した。川口裁判長は検察と一体になり、検察の言うがままに際限なく゛遮へい措置゜を拡大する恥ずべき決定をしたのだ。
 次回公判で正井を水嶋同志に直接対面させれば、直ちに別人だとわかるのである。だからこそ検察は、゛遮へい措置゜で水嶋同志と正井を遮断しようとしているのだ。
 守屋への゛遮へい措置゜導入を決定した川口裁判長は、検察のデッチあげに加担するものであり、絶対に許すことができない。デッチあげ裁判の推進者に転落した川口裁判長を社会的に打倒しなければならない。
 水嶋同志は百パーセント無実である。正井と水嶋同志を直接対面させよ! そうすれば一瞬にして無実が明らかになるのだ。
 わが革共同は、このような裁判に値しない「裁判」をもって水嶋同志を「犯人」にデッチあげようとする東京地裁・川口裁判長の責任を徹底的に追及する。
 第3回公判は゛遮へい措置゜導入策動を徹底的に弾劾し闘い抜かれた。2月13日(水)の次回公判(午前10時、東京地裁)では、正井証人への゛遮へい措置゜導入を断固阻止し、正井と水嶋同志との直接対面をなんとしてもかちとろう。

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週刊『前進』(2040号8面3)

法政大 “学友の不当逮捕弾劾”
 当局追及に200人決起 学館つぶしの弾圧に怒り

 昨年9月21日に法政大学を会場に行われた日本私立大学連盟主催のシンポジウムを妨害したとして、1月14日と19日に、法政大学の学生4人が警視庁公安部によって相次いで不当逮捕されました。
 法大学生運動にかけられた今回の大弾圧は、不当逮捕された学友の中に、学生会館を自主管理・自主運営している学生連盟の理事長が含まれていることから明らかなように、公安警察=法大当局一体となった学生会館つぶしの攻撃そのものです。4人の学友は、学生会館の運営や学生の自主・自治活動を守り抜くために、その最先頭で闘っている人たちです。法大当局=清成総長は、学生会館をつぶすために、4人の学生が「9・21事件の犯人」だとデッチあげて、公安警察に売り渡したのです。特に理事長については、事件が起こったまさにその時に、事件現場とは遠く離れた学生会館にいたことが多くの学生の証言により明らかになっています。
 このような法大当局と公安警察が一体となった、学生会館をつぶすためのあからさまなデッチあげ弾圧に対して、法大生の怒りが爆発しました。1月26日夜に行われた法大当局追及行動には、大教室を埋め尽くす200人もの学生が駆けつけ、翌日未明まで約5時間にわたって法大当局を徹底的に追及しました。その結果、ついに学生部長補佐(当日朝倒れた学生部長に代わって出席していた)の全員に、「理事長の逮捕はえん罪である」と認めさせる大勝利をかちとりました。この勝利は、学生・サークル員が団結して闘えば、必ず正義は実現されるということが学生自身の闘いによって示された点で、実に画期的な勝利だと思います。
 闘う法大生は、1・26追及行動で「理事長の逮捕はえん罪である」と認めさせた力で、4人の学友の即時奪還をかちとるために闘い、公安警察=法大当局一体となった学生会館つぶしの大弾圧をはね返して、学生会館を守り抜く決意です。 
 (投稿/法大生 H)

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