ZENSHIN 2002/03/04(No2043 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2043号1面1)

連合の春闘放棄を許さず階級的団結で3月春闘総行動かちとれ
 3・17革共同集会に総結集し 有事立法阻止・小泉打倒へ
 パレスチナ連帯に決起せよ

 米帝ブッシュによる世界戦争路線の推進と日帝・小泉政権による一方でのアフガニスタン侵略戦争参戦と有事立法攻撃、他方での一大資本攻勢−春闘解体攻撃に対して、有事立法阻止・改憲阻止の大闘争をただちに巻き起こし、同時に3月春闘総行動を全国で爆発的にかちとろう。小泉「構造改革」路線の破産、日帝経済の破局的危機とともに、田中外相更迭問題と鈴木宗男疑惑で発足以来最大の政治危機を迎えた日帝・小泉政権を今こそ打倒する闘いに立ち上がろう。3月春闘総行動へ、反戦闘争、国鉄決戦、資本攻勢粉砕、小泉政権打倒の闘いを大きく設定し、そこに向かって強力に闘おう。4・18三里塚暫定滑走路開港阻止の決戦に立ち上がろう。党勢倍増・機関紙拡大闘争を闘い、3・17革共同集会に総結集しよう。

 第1章 米帝ブッシュの戦争拡大路線許すな

 3月春闘総行動の爆発のために第一に確認したいことは、現在の労働者階級の状態、労働組合をめぐる階級関係を大きく規定しているのは、帝国主義の世界危機の世界戦争への転化の情勢であり、それに対して「テロ根絶」の帝国主義的・排外主義的攻撃を粉砕し、革命的反戦闘争を真っ向からたたきつけようということである。
 世界最凶悪の侵略戦争放火者・米帝ブッシュが、日本、韓国、中国を歴訪した。1月29日の一般教書演説で世界戦争路線を公言し、それを携えての東アジア訪問だ。日米首脳会談でも、国会演説でも、ブッシュは、侵略戦争拡大の姿勢を隠さず、日帝の戦争協力を迫った。それに対して日帝・小泉政権は、対米協力の形をとって日帝自身の主体的な侵略戦争遂行として「対テロ戦争」推進をますます必死に路線化することを表明したのだ。
 アフガニスタン情勢はどうなっているか。カルザイ暫定政権内部の対立が表面化し、各地で衝突に発展している。米帝主導のかいらい政権を立てての植民地支配という思惑は早くも破綻(はたん)しているのだ。
 一方、パレスチナでは、米帝に支援されたイスラエル・シャロン政権が、連日ガザ、ヨルダン川西岸自治区に侵攻し虐殺を繰り返しているのに対して、パレスチナ人民の壮絶きわまる総ぐるみの民族解放の闘いが自爆攻撃を始めとして燃え上がっている。
 イスラエル軍が「世界最強」と誇る最新鋭戦車「メルカバ3」の爆破、兵士3人のせん滅(14日)。ヨルダン川西岸の入植地のショッピングセンターで自爆テロ(16日)。軍検問所襲撃でイスラエル兵士6人のせん滅(19日)。イスラエルは、これに対して戦車侵攻・砲撃と空爆を自治政府議長府などに行い、パレスチナ人民を虐殺している。
 パレスチナ人民の戦闘的な総決起は、イスラエル軍将兵の中に動揺を生み、予備役兵士の軍務拒否の運動をもたらしている。また、軍の撤退と入植地解体を求める「ピースナウ」のイスラエル市民1万5千人の集会が開かれた(16日)。われわれは、パレスチナ人民の決死の自爆闘争を侵略帝国主義国の労働者人民としての階級的自己批判をもって受けとめて、民族抹殺攻撃と闘うパレスチナ人民と連帯する根底的決起をかちとらなければならない。
 ブッシュの「悪の枢軸」発言は、帝国主義の凶暴な侵略的本質をあからさまに示す言葉だ。かつてレーガンがソ連を「悪の帝国」とののしったが、それ以上にリアルで激しい。
 しかも、米帝は、「悪の枢軸」発言を脅し文句として言っているだけでなく、実際に侵略戦争を拡大し、発動しようとしているのだ。パウエル国務長官は、「イラクの政権変更は選択肢としてありうる」と述べ、フセイン政権転覆のための攻撃を準備している。
 このような中で開かれた18日の日米首脳会談では、小泉がブッシュ発言を全面支持し、一層の参戦を約束した。世界中で最も鮮明に「悪の枢軸」発言を支持したのが小泉である。日米帝は、日米同盟を対テロ同盟と位置づけた。
 ブッシュ訪日と日米首脳会談は、有事立法攻撃に拍車をかけた。米帝の世界戦争政策は、その本質においてアジア勢力圏化と日本市場の開放をめぐる対日争闘戦である。米帝は、日帝の存在と対米対抗性を無意味化するような米帝主導のアジア侵略戦争情勢をつくりだし、日帝をその圧倒的軍事力・政治力で制圧しようとしているのである。
 日帝はそれに対して帝国主義的存立をかけて必死に戦争国家化の超反動的「飛躍」を行う以外にない。小泉は、第一に「対テロ戦争」路線、第二に国連のもとでの軍事外交路線、第三に有事立法=非常事態法制定、第四に日米同盟維持としている(施政方針演説)。「不審船」をあおって、日帝自身の主体的な侵略戦争遂行をなんとしてもなしとげようとしている。そこから日帝・小泉は死活をかけて有事立法3月国会提出に向かって動き始めた。
 また、小泉政権は2月15日、PKO東ティモール派兵を閣議決定した。2年間、680人という大規模な派兵である。アフガン派兵と同時展開で自衛隊の恒常的な海外派兵体制がつくられようとしているのであり、断固阻止闘争に立たなければならない。
 ブッシュは日本に続いて韓国、中国を訪問した。南朝鮮人民は、「悪の枢軸」発言は朝鮮半島に再び戦火を持ち込み、朝鮮人民の頭上に爆弾を降らせる攻撃であると激しく対決して闘った。18日、米商工会議所占拠闘争を始め、19日ブッシュ訪韓時には街頭での激突、20日にはソウルの中心街で5千人集会、漢陽大学で千人の集会が行われた。
 われわれは、南朝鮮人民のこの激しい決起に全力でこたえなければならない。血債をかけて朝鮮・中国への侵略戦争策動に対決して闘わなければならない。

 第2章 労組的団結を固め資本攻勢と闘おう

 3月春闘総行動の爆発のために第二に確認したいことは、日帝の一大資本攻勢の嵐が次元を画する凶暴な労働運動絶滅攻撃―階級戦争として打ち出されていることである。
 日帝経済危機は一層深刻化し、絶望的である。株安、円安、債券安の「トリプル安」に襲われている。
 日帝・小泉は、不良債権対策と財政構造改革でともに破産し、金融恐慌の危機に直面している。不良債権の処理は恐慌を再激化させ、それがさらに不良債権を増加させることは不可避という解決不可能な状況に陥っているのだ。
 米帝ブッシュは、訪日前の会見で金融緩和の必要性まで言及して日本経済への懸念を表明している。日本経済の破綻が米帝経済危機の爆発に直結していることから、対日争闘戦的に介入してきているのである。
 この中で日帝ブルジョアジーは、一切の犠牲を労働者に転嫁し、リストラ・賃下げを基本路線として強引に乗り切っていこうとしている。
 労働者階級は、小泉「構造改革」路線を粉砕し、「ベアは論外、定昇凍結、ワークシェアリング」を唱える日経連「労問研報告」路線を打ち破り、連合、全労連、JR総連をのりこえ春闘総行動に立ち上がらなければならない。
 連合は、日帝経済危機の中で、ますます資本の先兵となり、労働者階級に対する犠牲を押しつける先兵の役割を果たしている。しかし日帝経済危機と日経連「労問研報告」路線は、連合労働運動の破産を突き付けてもいるのである。
 全労連は、そのような連合の帝国主義労働運動にすり寄り、補完している。彼らは激烈な資本攻勢に、労働組合的団結を強めて立ち向かうという方向ではなく、「解雇ルールの確立」として国会での法制化にすべてを解消する。そこには労働者の未来はない。
 カクマル松崎・JR総連派は、連合の中で「人権とヒューマニズム」を掲げてあたかも左派勢力であるかのように振る舞おうとしているが、まったく許しがたいことである。JR総連松崎こそ、1995年の段階から真っ先に「ワークシェアリング」を提唱し、今日の日経連のリストラ・賃下げ攻撃の道を開いた裏切り者である。今日、松崎はカクマル中央と絶縁して「テロ弾劾」「テロ根絶」を叫び帝国主義の最悪の先兵として登場している。
 こうした中で、動労千葉は、国鉄決戦の先頭に立ちさらに02春闘の先頭に立って、ストを含む闘いをもって闘おうとしている。動労千葉を先頭に3月春闘総行動に立ち上がろう。
 この闘いは第一に、日帝の一大資本攻勢と対決し、連合の春闘放棄を打ち破って、闘う春闘の再生・再構築をめざす闘いとしなければならない。恐慌の中で、資本攻勢は次元を画する激化を示している。倒産、リストラ、首切り、出向、転籍、賃下げ、不安定雇用化と対決して闘おう。全国の怒りの声を結合し、団結を回復して闘うことが今、切実に求められている。
 韓国では、2月25日、公企業の民営化に反対して基幹産業の労働者がゼネストに立ち上がろうとしている。26日には民主労総がゼネストに立ち上がる。連帯してともに闘おう。
 第二に、4党合意反対、1047人の解雇撤回、JR復帰を掲げ、国鉄闘争勝利の総決起としてかちとることだ。国鉄決戦は闘う闘争団への統制処分攻撃を打ち破る重大な闘いに突入している。国労本部は2・3中央委で警察権力を導入して傍聴を制限し、解雇者の首を切る攻撃を進めているのだ。こんな暴挙をどうして許せるか。怒りの決起を巻き起こし、査問委員会を粉砕し、国労本部高島―寺内執行部を打倒して「闘う国労」を再生させよう。
 第三に、米日帝のアフガニスタン・中東侵略戦争および米帝=イスラエルの新たなパレスチナ侵略戦争に対する反戦闘争・有事立法阻止闘争としてかちとらなければならない。
 労働者階級こそ、闘うイスラム諸国人民(パレスチナ・中東・ムスリム人民)、闘うアジア人民と連帯して帝国主義と対決する国際主義的闘争の主体である。
 そこでは、「テロにも戦争にも反対」という帝国主義への降伏路線との思想闘争が決定的に重要だ。全世界の労働者階級と被抑圧民族人民に対する帝国主義の搾取と収奪、抑圧と虐殺戦争こそが元凶であって、帝国主義国の労働者階級は被抑圧民族人民と連帯して、この帝国主義の支配を打ち倒すことが必要なのだ。
 ゲリラ戦争やテロリズムは人民の闘いの一形態であって、帝国主義の戦争と一緒くたにすることは帝国主義の戦争への加担、現実には有事立法攻撃への加担でしかない。パレスチナ人民の自爆決起を見よ。それは侵略者に対するやむにやまれぬ反撃であり、最も崇高な人間的な闘いである。この闘いと死活的に連帯したアフガン・パレスチナ反戦闘争と有事立法決戦の有機的な一体的推進の闘いが、労働者人民の勝利の展望を切り開くのだ。
 第四に、小泉反動政権打倒の闘いとしてかちとらなければならない。小泉「構造改革」路線は、労働者に首切りと賃下げ、社会保障制度解体、医療制度解体をもたらす大攻撃なのだ。今日、自民党支配の危機と腐敗を全面的にさらけだし、有事立法制定に全力をあげている小泉政権を打倒するチャンスが到来した。春闘総行動をそうした政治決戦としてかちとろう。

 第3章 党勢倍増かちとりカクマル打倒せよ

 三里塚暫定滑走路開港阻止決戦は、あと2カ月の決定的な局面にきている。農民を暴力で追い立てるために強行される暫定滑走路開港を絶対に許してはならない。この闘いは、有事立法粉砕の闘いの一環である。戦時の土地強制取り上げの攻撃と三里塚は最先端で対決しているのだ。3・31―4・14三里塚現地闘争の大爆発に向かって闘おう。
 沖縄の米軍基地全面撤去の闘いは、アフガン・中東侵略戦争の拡大によって一層重要になってきている。フィリピンのイスラムゲリラ勢力アブ・サヤフのせん滅、掃討作戦の主力部隊は沖縄トリイ基地の米陸軍グリーンベレーだ。断じて許すな。名護新基地建設絶対阻止の闘う陣形を強化しよう。
 狭山異議審棄却攻撃に対する怒りの弾劾闘争を強め特別抗告審勝利へ闘おう。3・3―4部落解放同盟全国連合会第11回大会の成功をともにかちとろう。
 侵略戦争体制の強化の攻撃の中で、排外主義攻撃が強まっている。4―5月入管闘争の大衆的爆発をかちとろう。
 東京地裁・木口裁判長は、迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の須賀、十亀、板垣の3同志に対して、またしても保釈請求を却下した。検察側立証が何も立証できないまま終了し、もはや何一つ却下の理由がないにもかかわらず、理不尽な勾留をこの先も続けようというのだ。革共同が不屈に闘いぬいており、被告たちが非転向で頑張っているから、出さないというのだ。最も悪質な人質攻撃だ。絶対に許すことができない。日帝権力に対する反撃の力勝負である。絶対に勝たなければならない。即時保釈のための10万人署名運動、1億円基金運動を一層強めよう。同時に獄中9年の福嶋同志の奪還をかちとろう。
 日帝権力の治安弾圧攻撃、不当捜索と不当逮捕の攻撃をはね返して、3・17革共同集会への総結集をかちとろう。
 1975年3・14反革命=本多延嘉書記長虐殺から27年。対カクマル戦を不屈に闘いぬいてきたわれわれは、今日決定的な勝利の地平をかちとっている。
 一つは、カクマルのJR総連・松崎派と黒田・中央派への完全な分裂を強制したことだ。もう一つは、革共同第6回大会において黒田哲学に死を宣告したことだ。この2つがどれほど巨大な勝利であるかは、カクマルが1年以上にわたって、この2つのことがらについて一言も申し開きできないでいることが何よりの証拠である。また、「テロ弾劾」を叫び労資結託体制を強めるJR総連・松崎に言及できないのが、カクマル黒田・中央派の最大の弱点だ。
 この勝利を確認し、カクマル完全打倒まで闘いぬき、今春闘争を勝ち抜くために3・17集会の成功をかちとろう。
 有事立法阻止決戦、アフガニスタン・中東反戦闘争、春闘を始めとするこれらの重層する闘いを勝ち抜くためには、革共同の党としての強化が待ったなしに必要だ。どの戦場でも、革共同の同志の闘いが決定的な役割を果たし、状況を切り開いている。しかし、これ以上の前進のためには革共同の党勢の倍増と、党のボルシェビキ的な強化が絶対的要請なのだ。全人民の蜂起を実現する党のための闘いを圧倒的に強化しよう。
 党建設は、労働者階級人民全体の勝利のための不可欠の課題だ。すべての闘う労働者学生は、革共同に結集してともに闘おう。3・17革共同政治集会に結集し、「闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義のアフガニスタン・中東侵略戦争を国際的内乱に転化せよ」の総路線のもとに、日本革命・世界革命の勝利へ闘おう。

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週刊『前進』(2043号1面2)

爆取裁判 3同志の保釈却下弾劾 怒りの3・1地裁デモへ

 2月8日、東京地裁刑事11部・木口信之裁判長は、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志の保釈請求をまたしても却下した。1月29日の刑事3部・服部悟裁判長による福嶋昌男同志への保釈却下に続く攻撃である。
 なんという違法・無法、残虐きわまる決定か! 断じて許せない!
 3同志は1987年の逮捕以来、すでに15年の未決勾留を強制され続けている。しかも彼らはまったくの無実だ。昨年ようやく終了した検察立証は、3同志を迎賓館と米軍横田基地へのロケット弾戦闘の「事前共謀」で起訴しておきながら、彼らがいつ、どこで、誰と、何を、どのように「共謀」したのかを、何ひとつ明らかにできなかった。両戦闘と3同志を直接結びつける「証拠」をただの一つも法廷に提出できなかったのだ。
 本来ならこの時点で、直ちに公訴の棄却か無罪判決がなされて当然である。にもかかわらず、保釈すら認めないというのだ!
 木口裁判長は、保釈却下の理由として「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」をあげている。だが検察立証が終了し、弁護側立証が開始されている今、「罪証隠滅のおそれ」などいったいどこにあるのか。無実を晴らそうと必死に闘っている3同志がどうして、「逃亡のおそれ」があるというのか。
 しかも全員が健康の破壊に直面し、東拘当局の医療放棄の結果、須賀同志は現在も歩行が困難で毎回の公判にも車いすで出廷している。こんな状態を強制しておいて「逃亡のおそれ」などとよくも言えたものだ。
 さらに許せないのは、刑事訴訟法91条には「該当しない」と真っ向から開き直っていることだ。刑訴法91条は「勾留による拘禁が不当に長くなったときは、裁判所は……勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない」と明記している。殺人罪でも15年経てば時効が成立するのだ。15年の勾留を「不当に長期ではない」と言い張るのなら、刑訴法91条はいったい何のためにあるというのか。
 東京地裁による無実の3同志と福嶋同志への保釈却下は、今日の日帝国家権力の階級意思を直接に体現した、百パーセント政治的な決定だ。また、東京高裁による狭山異議審棄却の差別決定とも一体の超反動攻撃だ。すなわち、労働運動や部落解放闘争などあらゆる労働者人民の闘いの破壊と根絶・一掃を狙い、何よりも闘いの中心にいる革共同に対して新たな組織絶滅攻撃に踏みきるものである。
 ブッシュ訪日と日米首脳会談が示すように、日帝・小泉政権は今日、米帝との間に「対テロ同盟」を結んで新たな侵略戦争・世界戦争に突き進んでいる。有事立法・改憲攻撃に全力でのりだし、戦争国家への大転換を強行しようとしている。他方で世界大恐慌の爆発におびえ、労働者階級への一大資本攻勢を強めている。これらが不可避とする階級支配の危機と労働者人民の怒りの噴出をのりきるためにこそ、治安弾圧のなりふりかまわないエスカレーションに一切をかけてきているのだ。
 東京地裁はその完全な手先として、4同志に対し事実上、「権力に屈服し転向しないかぎり獄から出さない」という極悪の攻撃をしかけてきたのである。現憲法下の法体系を裁判所自らが公然と破壊して、裁判抜き・判決抜きで、無実の政治犯に実質無期の禁固刑を宣告し強制しているのだ。
 この実に卑劣な、司法による権力犯罪に満身の怒りをたたきつけよ。弁護団は2月21日、東京高裁に抗告を申し立てた。不屈に闘う獄中4同志に連帯し、絶対に実力で奪還するための闘いを強めよう。3・1公判と地裁包囲デモに決起して闘おう。
●公判日程
3月1日(金)午前10時開廷
昼休みデモ 正午、日比谷公園霞門集合

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週刊『前進』(2043号2面1)

ワークシェアリングの先兵 松崎JR総連打倒を
 「賃金2分の1」を資本に提唱

 日帝・JR資本による第2の分割・民営化攻撃が激化する中で、松崎・JR総連カクマルがこの攻撃の先兵としての正体をむき出しにしている。それは、今日の29年型世界大恐慌への突入情勢の深まりと、帝国主義のアフガニスタン・中東侵略戦争から第3次世界大戦を不可避とする情勢に対応した、新たなファシスト労働運動だ。とりわけ今春闘においてワークシェアリング導入の先兵として登場していることを絶対に許してはならない。国鉄労働運動は、このJR総連との新たな決戦を迎えている。すべての労働者が、連合の帝国主義的労働運動とともにJR総連のファシスト労働運動と対決し、粉砕して、02春闘の大高揚をかちとることを訴える。

 「身を削る労働者になれ」と日経連報告路線を率先推進

 JR東労組顧問の松崎明は、昨年12月に『鬼の咆哮(ほうこう)』なる本を出版した。さらに今年1月から『サンデー毎日』に「鬼の回顧録」と題した松崎のインタビューが5回にわたって連載された。いずれも、JR東資本の全面的なバックアップのもとに松崎の側から毎日新聞と癒着して企画されたものだ。
 松崎は、「JR総連=カクマル」「カクマル=JR総連」に対する労働者人民の怒りが高まる中で、JR東日本大塚体制下の新たな労資結託体制を形成するために、2000年12月に「カクマルとの決別」を宣言した。その松崎が、再び前面に出てきた。権力・JR資本に全面屈服し、一層の先兵になることで延命することを許された松崎の、新たなファシスト的登場にほかならない。
 これらの中身は、帝国主義の側に立って「9・11テロ弾劾」や「小泉改革賛成」を叫ぶなど、一つひとつが断じて許せないものだが、ここでは特に、今日の日帝の資本攻勢の焦点となっているワークシェアリング問題を中心に徹底的に弾劾し、批判したい。
 松崎は、『サンデー毎日』の連載の第5回で「ワークシェアリング」について聞かれ、次のように言っている。
 「ワークシェアリングは、1994年にドイツのフォルクスワーゲン、ドイツ鉄道などへ行って2年かけて調べて報告書を作りました」
 「極端な話、仕事を分けて2分の1の賃金になるのは、それ自身は正当です。だが、それを快しとしない、これも正当です。すると、ワークシェアリングとは何なのか? やはり、労働者の連帯だと思います。……ワークシェアリングで、身を削ることにも同意する労働者になろうと、勉強もしてきました」
 松崎は、このように、いち早くワークシェアリング導入を提唱したと得々と語っている。そして仕事を半分にして賃金を2分の1にすることを「正当」だと言うのだ。日経連や連合指導部でさえ、ここまでは露骨に言えない。しかも松崎はなんと「身を削ることにも同意する労働者になろう」、それが「労働者の連帯だ」とのたまっている。
 だがワークシェアリングには「労働者の連帯」などみじんもない。資本にとっては一方的に賃金を引き下げ、総額人件費を削減するための手段である。今日、資本がワークシェアリングの名のもとに実際に強行しているのは、NTT東西の11万人首切り、2〜3割の賃下げなど、首切りと賃下げなのだ。
 日経連は今年の労問研報告で「柔軟なワークシェアリング」を強調し、「雇用多様化」とセットで推進するとしている。これは95年に日経連「新時代の『日本的経営』」報告で打ち出した路線、すなわち大多数の労働者を時間給の不安定雇用労働者にしようというものだ。戦後日本の労働者支配の「三種の神器」と言われた終身雇用制、年功序列賃金、企業内労働組合を解体する攻撃を、いよいよ全面的に貫徹しようとしているのだ。
 松崎がワークシェアリングを提唱したのも、この日経連報告に完全に対応したものだった。JR東労組がドイツで調査した報告書を出したのは、日経連報告が95年5月に出された直後の8月だ。さらに、松崎は同年6月の仙台講演で「自分の労働時間を半分にしてくれと要求する。そのかわり賃金は半分でいい」と、賃金半減のワークシェアリングを公然と提唱した。
 松崎は、いよいよ日帝資本が本格的なワークシェアリング攻撃に踏み込んできたまさに今、その最悪の先兵として名乗りをあげているのである。「労働者の連帯」の名をもって労働者に「身を削れ」と強要する、最も凶悪な労働代官の役割を果たしているのだ。

 連合の「社会合意」宣言の先を行く第4次労使共同宣言

 今日、日帝資本がワークシェアリング導入を資本攻勢の武器として採用するに至った背景には、連合の全面屈服がある。
 その最たるものが、昨年10月18日の「『雇用に関する社会合意』推進宣言」だ。そこでは、経営側はなんら譲歩せず、労働側には一方的に「生産性の向上やコスト削減など経営基盤の強化に協力するとともに、賃上げについては柔軟に対応する」となっている。
 この下敷きになったものこそ、8月1日に締結されたJR東日本の第4次労使共同宣言である。それは「経営側にあっては、いかなる外部干渉も排した自主自立した経営を堅持し、労働組合側にあっては、企業内労働組合主義の更なる徹底を図る」というものだ。労使一体となって「会社の繁栄発展」を図るというもで、これを「一段と質の高い労使関係の構築」と称しているのだ。
 これは、松崎が唱えてきた「労使はニアリーイコール」=「労使協力」論を、より企業防衛主義として徹底化させたものである。
 松崎は、前出の『サンデー毎日』の連載で、「会社の言いなりではなく、組合員の立場に立つことを貫くべきです」と言っているが、要するに、労働組合の側から積極的に賃下げ、首切り、不安定雇用化を推進する労使関係にしようということだ。労働者の側が一方的に「身を削る」ことを強制されるにもかかわらず、それを労働組合が「主体的」に推進すればワークシェアリングになるということだ。ファシスト労働運動そのものである。
 実際、JR東日本が「ニューフロンティア21」で1万人削減を強行している。その中心が、保守部門の全面的な外注化である。設備関係では3000人を削減し、2000人以上の労働者を強制出向に出した。いずれは外注会社に転籍となり、賃金・労働条件は一気に切り下げられる。また、検修・構内の外注化では、シニア制度により60歳定年を迎えた労働者を外注会社に超低賃金で再雇用して使おうとしている。これもJR東労組は自分たちだけは雇用を確保されると宣伝しているが、東労組組合員も含む首切り攻撃となることは明らかだ。
 松崎はさらに、JR東日本では「おそらく年配の人は、今までと同じ賃金は難しいでしょう。例えば、安全を担保しながら、短区間の運転にする。労働時間の短縮で、賃金は減ります。その分で何人かが新しい仕事に就けばいいのではないかといった議論はあります」(サンデー毎日)と、JR本体の賃下げに踏み込むと公言した。断じて許すことはできない。

 分割・民営化型大リストラの小泉改革を「革命的」と賛美

 松崎が新たなファシスト労働運動として再登場してきた背景には、小泉政権の登場とその危機がある。小泉の「痛みを伴う構造改革」=国鉄分割・民営化型の大リストラに完全に呼応し、第2の国鉄分割・民営化攻撃の先兵になろうとしているのだ。
 松崎は『サンデー毎日』の連載第1回で、「国鉄改革は革命」と称して、自己の大裏切りを百パーセント正当化している。国鉄分割・民営化を「革命」などと言うこと自身、松崎のファシスト的本性を如実に示すものだ。
 そして、小泉の登場を「ヒトラーと似ている」と批判するふりをしながら、「小泉さんに突っ走ってほしい。……だから、言っていることは正しいし、大いに声を張り上げてやってもらいたい。その限りでは、できる限りの応援はしたいと思います。……これはひとつの革命的な人として後世に名を残すかもしれない」と全面賛美しているのだ。松崎は、「弱者に犠牲ばかり強いている」と批判的ポーズをとりつつも、小泉を「革命的」と支持しているのである。
 小泉政権の誕生には、国鉄分割・民営化を強行した中曽根が深く関わっている。中曽根や元国鉄再建監理委員会委員長代理の加藤寛が、〃国鉄改革のように小泉改革をやれ”と指南しているのだ。
 さらに今年の日経連労問研報告を決定した日経連臨時総会で、会長・奥田は「かつて国鉄改革を成功に導いたのは、6万人を超える大規模な人員削減を行なうにあたり、政府が『誰一人路頭に迷わせない』という強い決意を示したことである」と述べた。
 「誰一人路頭に迷わせない」という中曽根政権の「決意」は、15年たった今も1047人の解雇者が解雇撤回・原職復帰を求めて闘っている事実によって、そのペテン性は完全に明らかだ。にもかかわらず「国鉄改革」を雇用対策の「成功例」として押し出しているのは、動労―JR総連という労働組合の全面的な協力によって初めて分割・民営化をなし遂げたことを、資本の側からあらためて位置づけているからなのだ。
 これによって総評を解体し、さらにJR総連カクマルが国労・動労千葉解体、階級的労働運動一掃の最先頭に立っているからこそ、日帝資本は、松崎・JR総連を再び第2の分割・民営化攻撃の先兵として登用したということなのだ。

 JR総連こそ敵の最弱点だ

 だが、日帝資本が松崎・JR総連を抱え込んだということは、彼らの弱点に必ず転化する。
 何よりも国鉄労働運動において、1047人問題が、国労に対する4党合意の強要にもかかわらず決着が付かないばかりか、逆に闘う闘争団を中心にした新たな強固な闘う勢力を生み出している。
 しかも、JR総連内の労働者の不満と怒りがかつてなく高まっている。今、JR総連が組合員に強制していることは、「スーツ・ネクタイで通勤しよう」ということや、JR貨物では休日を返上して機関車やコンテナを掃除する「クリーンアップ作戦」である。このような運動が労働組合と言えるのかということだ。
 さらに前述した大合理化に率先協力していること、今春闘ではJR貨物でベア要求を放棄したことだ。
 JR貨物が1月31日に発表した中期経営計画「ニューチャレンジ21」では、2千人削減のほか、賃金制度の抜本的改悪を打ち出している。成果主義の導入や地域別賃金などだ。これらはもはや労働者は闘わなければ生きていけないという根底的な怒りの決起を不可避とする。
 JR総連を打倒することをとおして、階級的労働運動は再生されるのだ。
 ところが今や、黒田・カクマル中央派は、「テロ弾劾」と「小泉改革賛成」の松崎・JR総連をまったく批判せず、逆に賛美し、すり寄ろうとしている。
 求められているのは、確固として闘う勢力の大胆な登場だ。JR総連と最も鋭く対決し、全組合員を挙げたストライキを含む春闘3カ月決戦を闘う動労千葉とともに春闘総行動に総決起しよう。

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週刊『前進』(2043号2面2)

 動労千葉、3ヵ月決戦本番に 第2の分割・民営化に反撃
 山場に組織挙げたスト構え

 国鉄闘争が新たな決戦段階を迎えた中で、動労千葉は、年頭から「02春闘3カ月間決戦」を宣言して闘い抜いている。組織破壊攻撃に対していつでもストライキに突入できる態勢をとり、春闘山場の3月末に向けて組織の総力を挙げた闘争を構えている。この闘いは、第2の分割・民営化攻撃に対する本格的な反撃の開始であり、国鉄闘争の危機を突き破り、春闘解体攻撃を打ち破って、国鉄闘争と日本労働運動の階級的再生に向けた転機をつくり出す闘いだ。2月13日の動労千葉総決起集会を紹介しながら、ともに02春闘に立ち上がることを訴えたい。(本紙・大沢 康) 第1章 2・13闘争突入集会を開く
 動労千葉は2月13日、千葉市の蘇我勤労市民プラザで「02春闘勝利、反合・運転保安確立―検修・構内外注化阻止/動労千葉闘争突入総決起集会」を190人の組合員を集めて開催した。田中康宏委員長―中村栄一書記長の新体制のもとでの初の春闘とあってか、本部執行部の02春闘にかける並々ならぬ意気込みを感じさせる集会だった。
 動労千葉はすでに1月10日にJR東日本千葉支社に対して「われわれが最も効果的と判断する時期、規模においてストライキを含む争議行為を実施する」と通知し、組織破壊攻撃に対する反撃態勢をとっている。
 発端は、昨年12月25日に幕張電車区所属の繁沢敬一副委員長、長田敏之組織部長ら3人の組合員が強制配転されたことだった。検修・構内業務の焦点となる幕張支部の破壊を狙った攻撃であることは明らかだ。動労千葉は、この凶暴な狙いを鋭く見抜いて、直ちに「春闘3カ月間決戦」を宣言したのだ。
 2・13集会は、その具体的闘争に突入する集会としてかちとられた。2月20日から第1波闘争として、幕張・習志野・京葉の各電車区・検修職場での「非協力闘争」(時間外・休日労働の拒否)に突入した。

 検修・構内外注化絶対阻止へ

 田中委員長は、組織を挙げた決戦を決断した背景を明らかにした。
 まずJR―国鉄闘争をめぐる情勢だ。田中委員長は「一つは、第2の分割・民営化攻撃、JR東のニューフロンティア21などの大合理化攻撃を貫徹するためにも、分割・民営化の時になし得なかった国鉄労働運動の解体を根本からやり直す。もう一つは、1047名の解雇撤回闘争をたたき伏せようと、政府・JR資本挙げて襲いかかっている。こういう攻撃との攻防戦だ」と述べた。
 田中委員長は次に、検修・構内外注化の状況について明らかにした。
 「千葉支社と水戸支社を除いては具体的な実施提案が出て4月1日までに一斉に強行される状況だが、千葉支社はいまだ提案ができない。動労千葉が40名の解雇者を出しながら団結を守り、幕張電車区の過半数を占め、運転関係も多数を占めている。検修・構内外注化では、シニア制度で60歳定年を迎えた労働者を13万、14万円で外注会社に再雇用して使うが、動労千葉がシニア制度に反対しているため、要員が確保できない。動労千葉が15年間頑張っていることが敵を追いつめている」
 だから、資本は動労千葉の団結を破壊する新たな攻撃に出てきたのだ。
 さらに、JR貨物の「ニューチャレンジ21」による2千人削減や成果主義賃金導入の攻撃がある。
 「こうした攻撃に対して労働組合らしく闘おう」と田中委員長は呼びかけた。
 その上で、国労中央が2・3中央委で闘争団に対する査問委員会設置を決めた問題について、「国労は労働組合の存在価値を投げ捨てた。その中から断固として闘う部分が出てきた。動労千葉と、闘う国労闘争団がいや応なく焦点になる。ここが軸になって、闘う国鉄労働運動再生に向けた流動・再編が始まる」と述べ、動労千葉が国労闘争団とともに1047人闘争の前面に出て闘う決意を示した。

 春闘総行動の最先頭に立つ

 田中委員長はさらに、「終身雇用制、年功序列賃金、企業内労働組合を解体するという日経連労問研報告との攻防戦だ。戦後の資本主義体制が破局的危機に行き着いている。こういう中で労働者に対する攻撃が加えられている。だからこの社会のあり方そのものを問う闘いにしなければいけない。アメリカを軸とした戦争政策がわがもの顔で行われている。小泉政権は3月にも有事立法を上程しようとしている」として、「反戦春闘」と位置づけて闘うことを明らかにした。
 最後に「春闘の山場の3月下旬、全組合員を挙げたストライキも含めた闘いまで、全組合員の団結を掲げて展開したい。動労千葉は全国金属機械港合同、全日建運輸連帯関生支部の仲間たちと3月30日の春闘総行動を呼びかけている。東京で中央総決起集会を開催する。闘う労働運動の再生に向けた転機をつくりたい」と訴えた。

 団結の力信じ腹を据え決起

 中村書記長は、こうした「3カ月決戦の基本的考え方」を、@反合・運転保安春闘、A組織破壊攻撃粉砕―組織拡大春闘、B労働運動再生春闘、C国際連帯・反戦春闘――の4点に整理した上で、大幅賃上げやJR総連解体の課題を提起し、「中間的な道は残されていない。奴隷の道か、とことん闘うかだ。分割・民営化と闘ったわれわれがもう一度腹を据えて決起しよう」と力強く呼びかけた。
 決意表明では、強制配転された長田組織部長が「不当な強制配転は、裏を返せば、それだけ当局の方が苦しいんだと思う。79年に分離・独立して動労本部と壮烈な闘いを繰り広げた当時のことが頭の中をよぎる。みんなあのころの青年の顔に見える。われわれは苦しければ苦しいほど団結を強めて闘ってきた。この力を信じて闘えば、第2の分割・民営化攻撃を打破できる」と訴えた。
 動労千葉争議団の高石正博執行委員は「国労は闘う者を切り捨てる。私は怒りに燃えている。闘争団があったからこそ、国労はここまで存在できている。全国の仲間に支えられた闘いを無にしてはならない」と1047人の解雇撤回へ闘う決意を明らかにした。
 こうして不屈に闘う動労千葉は、02春闘の最先端の闘いを切り開いている。3月末の山場の闘いは、全国の労働者の怒りを結集した壮大な闘いとなるだろう。ともに春闘総行動に立ち上がろう。

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週刊『前進』(2043号2面3)

 2002年 2月1日〜14日

 連合が「ワークシェア 考え方(案)」を確認
 高校生就職内定率が最悪に
 裁量労働の資格拡大

●1日 経団連のアンケート調査では、85%の企業がワークシェアリングを導入しておらず、導入予定もないとしている。
◇ゼンセン同盟はベアの統一要求を見送る方針を提案。
◇JR連合は、今春闘のJR7社統一ベア要求を1000円とした。
●4日 小泉首相は就任後初の施政方針演説でワークシェアについて「実施に向け、雇用期間や労働時間に関する制度見直し」と発言。
●5日 厚生労働省のパートタイム労働研究会が中間報告を発表。ワークシェア導入を機に欧州型とは異なる「日本型の均等処遇ルール」なるものを提言した。
●6日 鉄鋼労連が、統一ベア要求を断念。また、労働界で初めて雇用延長や再雇用制度をワークシェアとする見解を示した。
◇私鉄総連は1人平均2.2%(定昇相当)プラス1500円(ベア)引き上げの賃上げ要求を決定した。
◇JR貨物労組はJR総連傘下の組合では初めて今春闘のベア要求ゼロの方針を決めた。
●7日 連合は中央執行委員会で「ワークシェアリングに関する基本的考え方(素案)」を確認した。(要旨別掲)
◇文科省の調べで、今春卒業予定で就職を希望している高校生の就職内定率が昨年12月末で67.8%と過去最悪であることが明らかに。
◇「政労使ワークシェアリング検討会議」の第2回作業委員会が開かれた。連合は労働時間短縮に伴う収入減は認めると伝えたが、経営側は「時短より、時間当たりの賃金水準の抑制が重要」と主張。
●8日 総務省が昨年12月の全世帯対象の家計調査を発表。1世帯当たりの消費支出は前年同月より名目8.1%減少。減少幅は63年以来最悪。減少幅が大きいのは「教育」実質25%減、「住居」14.5%減、「交通・通信」10.6%減。
●9日 厚生労働省は契約社員が一定期間働いた後に正社員になる道を開く「試行雇用制度」を拡充する。「紹介予定派遣」に続く、新たな雇用契約の形態。(日経)
●12日 松下電工は組合員の賃金体系を総合職や技能職などの4つの体系に分け、総合職を対象に、年齢による定期昇給を廃止する。
◇沖縄県経営者協会と連合沖縄は「雇用に関する社会合意」推進宣言に調印した。
●13日 厚生労働大臣は、専門業務型裁量労働制の対象となる業務の追加と、有期労働契約の契約期間の特例が認められる資格の追加を告示し、同日施行した。
◇ベア要求を決めた自動車総連と造船重機労連が春闘要求を会社側に提出。3月13日が集中回答日。
●14日 三洋電機労働組合は中央委員会で、1人あたり月5日を限度に年間最大60日分の労働時間を短縮し、基本給を最大20%減額するワークシェア制度の受け入れを正式に決定。4月から実施する。

 連合・ワークシェアリングに関する基本的考え方(素案)

T現状に対する認識
 ……直面している課題が、働き方の見直しや、ワークルールの確立といった課題を含み……。
Uワークシェアリングの基本的考え方
「社会合意」や「社会契約」といった枠組みの下ですすめていく施策 
Vワークシェアリングの具体的推進 
 典型/非典型、正規/非正規といった区分けそのものがなくなる働き方
W緊急避難的雇用調整への対応 
 労働者が、時短にともなう収入減(時間当たり換算額は不変)を容認することで合意を見た企業に対して、政府は労働者に収入減額を一部補てん。
 雇用維持の取り組みを政労使で支える(「緊急避難型ワークシェアリング」と呼ぶことも可能)

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週刊『前進』(2043号3面1)

戦犯ブッシュ訪日を直撃 “戦争拡大の会談許さぬ”
 2・17東京 230人が怒りの羽田デモ

 2月17日、反戦共同行動委員会は、日帝・国家権力の事前弾圧と首都厳戒態勢を打ち破り、ブッシュ訪日阻止・日米首脳会談粉砕闘争に立ち上がった。1・21アフガン復興会議粉砕闘争に続き全国から結集した全学連を先頭に、230人の学生、労働者が戦犯ブッシュへの怒りをたぎらせ大田区・西蒲田公園に結集し、闘うイスラム諸国人民、闘う朝鮮人民との連帯をかけて羽田デモを貫徹した。
 「世界戦争のための日米首脳会談粉砕」「有事立法=改憲粉砕・小泉政権打倒」のシュプレヒコールが労働者、在日アジア人民が多く居住する街を席巻した。英字で「戦犯ブッシュ断罪」「参戦と侵略統治を許すな」というスローガンが掲げられた。あちこちで買い物客や住民が、立ち止まって注目し、共感を寄せた。10数人の野球少年たちが笑顔で手を振った。
 デモに先立つ集会は全国キャラバンで反戦を訴えている婦人民主クラブ全国協議会の司会で行われた。
 初めに、東京反戦共同行動委員会の結柴誠一事務局長が「全国120カ所を上回る不当な家宅捜索に怒りを爆発させ、戦闘的デモに立とう。日米首脳会談をテコに有事立法成立を狙う小泉政権を打倒しよう」とあいさつした。
 続いて大山尚行全学連委員長が基調提起を行った。「ブッシュは米軍の最高司令官であり、アフガニスタン人民虐殺の責任者だ。このブッシュがイラク、北朝鮮などへの侵略戦争拡大のため訪日する。韓国の学生は星条旗を燃やして闘っている。自爆決起したワファ・イドリスさんを始めパレスチナ人民の壮絶な闘いにこたえよう。被抑圧民族の闘いに激しく連帯するデモをたたきつけよう。ブッシュの『悪の枢軸』発言は絶対に許せない。3800億jというブッシュ政権の大軍拡予算を見よ。イラン、イラク、北朝鮮のGDPはそれぞれ529億j、132億j、158億jである。米帝こそが世界最大の死の商人、戦争放火者であることは明らかだ。日帝発の世界恐慌―日米恐慌の相乗作用に恐怖し、争闘戦を激化させ、世界戦争へと突き進む日米帝国主義を打倒する国際反戦闘争を大爆発させよう。2〜3月決戦に猛然と決起し、有事立法の国会上程阻止を」。この提起に全参加者が連帯戦略貫徹の決意で奮い立った。
 これを受け、動労千葉の代表が「今春闘で組合員全員のストライキ決起を辞さず闘う。3・30春闘総行動を動労千葉とともに闘おう」と訴え決意表明した。三多摩労組交流センターは「帝国主義の危機をプロレタリアート人民の革命的内乱へ」と訴えた。
 法大生は「権力はわれわれの圧倒的な正義性を恐れている。法大でも6人が逮捕された。この弾圧を打ち破り、学生運動を爆発させる」と決意を表明した。
 京大生は「学生はブッシュの『悪の枢軸』発言に驚きと怒りを感じている。われわれの本気さを闘争で示すことが決定的だ」と発言した。九大生は「今や誰が戦争をやろうとしているのかは明白だ。今日の闘いを突破口に国際的内乱を切り開こう」と呼びかけた。
 東北大の女子学生は「体を張って闘うことが求められている。さらに大湊からの自衛艦出兵阻止、東ティモール派兵阻止を実力で闘う」と宣言した。
 最後に青年アジア研究会が「韓総連の学生はブッシュ訪韓阻止の実力決起に立っている。今日のデモは国際連帯闘争そのものだ。さらに3・2有事立法阻止闘争、3・30春闘総行動へ全力で決起しよう」と行動提起を行った。

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週刊『前進』(2043号3面2)

教育基本法改悪絶対阻止へ 教育労働者は今こそ立とう
 戦時社会づくり狙う文科相諮問

 1月30日、自民党が歴代文相を並べた「教育基本法検討特命委員会」を設置し、教育基本法改悪攻撃が一気に本格化している。教育基本法改悪阻止決戦は、有事立法阻止決戦とともに、決戦本番だ。侵略戦争阻止、有事立法―改憲阻止の一大階級決戦を切り開き、「教え子を再び戦場に送るな」の実力闘争を今春「日の丸・君が代」闘争で貫こう。これと結合して、教育基本法改悪反対の広範な署名運動に取り組み、改憲阻止決戦の一翼をなす02年教育闘争に立ち上がろう。

 教育の目的を大転換し戦争国家づくりに

 昨年11月26日、遠山文科相は教育基本法見直しと教育振興基本計画の策定を中教審に諮問した。文科省は来年通常国会に改悪案を提出するとしている。諮問文の内容は、一昨年12月の教育改革国民会議最終答申の引き写しであり、教育基本法の見直しの内容をすでに具体的に指定して、戦後教育を解体して戦時の国家主義教育をめざす結論を中教審に押しつけ、委員の及び腰をぶったたいている。
 諮問文は、国民会議報告の要点を@「新しい時代を生きる日本人の育成」、A「伝統、文化など次代に継承すべきものの尊重、発展」と、B教育振興基本計画の策定の3点にまとめ、「教育の根本にさかのぼった改革」をするとした。
 教基法改悪の焦点の第一は、教育の目的を大転換して戦後教育を根底から解体する点にある。「聖職」教師による国家主義・民族主義教育をめざす攻撃だ。
 諮問文は、現行教基法の教育目的を引用するのに「人格の完成を目指し、国家、社会の形成者として心身ともに健康な国民の育成を期して行う」と、意図的に「平和的な」の一句だけを「国家、社会の形成者」の前から脱落させた。戦争国家づくりの狙いを隠そうともしないのだ。前文の取り扱いも、「法律全体の在り方に即して検討する」と、改憲を想定した改悪がたくらまれている。
 そして新たな教育目的として「我が国の伝統、文化の尊重」を強調して国家主義を前面化させ、戦後的な「個人と社会との関係を改め」るとしている。国家のための人材育成であり、国家あっての個人という関係への転換だ。諮問文では今日の帝国主義社会と教育の危機を、戦後教育が「社会性や規範意識の希薄化」を生み出したためだとデタラメに総括し、「社会性をはぐくみ、社会規範を尊重する精神を養い、人間性豊かな日本人を育成」しなければならないとしている。
 これは、日帝が教育問題を徹底的に治安的観点、階級支配の観点から見ていることを示している。今日の教育改革の施策として「問題教師」の排除、「問題生徒」の排除が出されているのと同じである。
 教育労働者については、諮問文で「教員の使命について明確にする」と打ち出した。現行基本法はこの点について「自己の使命を自覚し」と教育労働者自身の自覚の問題としている。これを国家の側から明確にして、教育労働者の階級闘争を根絶し、国家のための教育にするということだ。
 もう一つ、〃だれを育てるのか”について国民会議報告と同じく「日本人」とした点を弾劾しなければならない。現行教基法にも憲法にも、どの教育法規にも「日本人」という言葉はない。実は憲法などが「(日本)国民」という時も、民族としての日本人を指しているのではない。現行教基法の「社会の形成者」には、在日及び滞日外国人の存在が措定されている。政府機関たる文科省が、すべての外国人を教育の対象外としたことは重大だ。

 競争原理で争闘戦に勝つ人材育成図る

 第二の焦点は、「新しい時代にふさわしい人材」育成という点だ。個性尊重と「創造性や独創性に富んだ人材の育成」という表現で、現行の義務教育制度の中に帝国主義間争闘戦にうち勝つための人材育成が盛り込まれようとしている。
 諮問文では「世界規模の競争が激化する中」で「果敢に新しい時代に挑戦し、国際社会の中で発展していくため」の日帝の生き残り戦略に「人材・教育大国」がうたわれ、エリート育成のための競争原理の徹底を全面化しようとしている。
 すでに学校現場では、一方で公的教育を切り捨て教育投資の効率化をはかりつつ、多様化や飛び級制導入などを駆使してエリート育成が進められている。教基法改悪でこれを基本路線に押し上げ、「権利としての教育」「すべての子どもたちへの教育保障」という考え方を解体しようとしているのだ。「学校選択の自由」などを餌(えさ)に、労働者人民の教育要求は切り捨てられていくのだ。

 「不当な支配」を全面化する教育振興計画

 第三の焦点は、「不当な支配」の排除を規定した教基法10条の改悪だ。戦後の教育闘争はある意味で、すべてこの条文をめぐって闘われてきた。戦時教育の反省に立ち、〃国家の意のままの教育を復活させない”としてきた戦後教育運動と日教組運動の歴史は、今なおこの条文が残されていることで踏みこたえている。この条文が戦後の教育闘争を守ったのではない。戦後の闘いが、条文に手をつけさせなかったのだ。今、新たな侵略戦争に踏み込んだ日帝は、いよいよこれを改悪し、本格的な戦時教育を準備しようとしている。
 今回の諮問では、「教育が不当な支配に服してはならないとの原則を維持しつつ」としている。これは現段階での話だ。敵は必ず条文改悪に踏み込んでくる。
 その上でごまかされてはならないのは「教育振興基本計画の在り方とともに、国、地方公共団体の責務について、その適切な役割分担を踏まえて……」の部分だ。「国の責務」を明確にしようとしていることが決定的であり、ここが教基法改悪の核心だ。そのことにより国の教育施策は「不当な支配」ではないことになり、自民党や日共が言うように、日教組や部落解放運動などの教育闘争が「不当な支配」とされるのだ。
 現行教基法では、国が何をするのか、社会教育を除いて何の言及もない。戦後教育制度には〈教育の地方自治〉原則がまずあり、文部省は99年まで長らく「当分の間」の監督庁(削除されるまでの学校教育法106条)にすぎなかったのだ。教育2法攻撃以来の自民党・文部省による教育の中央統制の攻撃との闘いが、戦後日教組運動の歴史だった。今回の教基法改悪攻撃は、その歴史に終止符を打とうとするものだ。
 これを具体化するのが「教育振興基本計画」だ。これについて、日教組はむしろ自分たちが要求してきたものであると積極的に賛成している。しかし、これは戦後教育の〈法定主義〉(基本法11条)をないがしろにし、教育内容や地方教育行政への国の介入を認めて国家統制を一挙に強化するものだ。「(中・長期的な)教育の目標」をこの基本計画で立てること自体、文科省による教育の全面支配となるではないか。
 教育財政については「必要な教育投資の在り方について検討する必要がある」とした。「地方分権」を名目に国と自治体の役割を再編し、国庫負担などの財政負担を地方に押しつけ、業績評価と競争原理、民間資本の導入などが計画に組み込まれていくだろう。
 「戦時教育」は、労働者人民の教育要求を踏みにじる攻撃だ。「お国のため」の教育と、教育労働者や保護者らが求める「子どもたちのため」の教育とは、真っ向からぶつからざるをえない。戦時下の教育闘争は、必ず帝国主義を打倒する闘いへと発展するのだ。

 今春「日の丸・君が代」闘争に総力決起を

 闘う教育労働者は、日教組・全教指導部の「教育基本法を学ぼう、活かそう」運動をのりこえて闘おう。
 @現下の侵略戦争阻止の闘いと結合させ、改憲に導く2大攻撃との闘いとして、有事立法制定阻止の闘いと一体的に闘うこと。A「日の丸・君が代」闘争の永続化・実力闘争的発展と結合をかちとること。B現場で進行する教育改革の諸攻撃との闘いと結合させ、そのすべての怒りを教育基本法闘争に糾合していくこと。C教科書闘争の広がりと結合し、闘うアジア人民との共同闘争として闘うこと。D闘う日教組運動の復権をめざす統一戦線の推進。そしてEいっさいを改憲阻止闘争に集約して闘うことだ。すでに戦端は開かれている。すべての闘う教育労働者は総決起しよう。
〔マル青労同教育労働者委員会〕

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週刊『前進』(2043号3面3)

絶対に戦争止める 仙台 学生40人がデモ

 2月11日、小雪の舞う仙台市内で「アフガニスタン・パレスチナ・中東侵略戦争阻止! 有事立法・改憲粉砕! 2・11反戦行動」が学生約40人の結集で戦闘的に闘われました。
 東北大学学生自治会からは、名護市長選に決起した学生が「残念ながら選挙には敗北したが、選挙運動を全力でやり抜いた末に1万1000票を超える基地絶対反対の本当に切実な願いのこもった票を獲得した。だからこそこれからの闘いが大事だ。沖縄の反基地闘争、そして全世界で巻き起こる反戦闘争、民族解放闘争を痛切に受け止め、連帯して戦争を止める闘いに猛然と決起しよう」と報告し、決意を表明しました。
 また東北大の学生が、2月8日に強行された東北大学のサークル部室への不当家宅捜索を徹底弾劾し、「今回の弾圧を引き入れた大学当局が『自治』を吹聴しながら反戦を訴えた学生を処分したり、自治寮をつぶそうとしていることを許すことができない。大学当局に『自治』を語る資格などない。戦争へとつながる大学自治つぶしを絶対に許さない」という怒りの発言を行いました。山形大の学生は「二度と戦争は繰り返さないという決意をもって反戦を粘り強く訴えることで学生・労働者の連帯を引き出し、絶対に戦争を止めよう」と発言しました。
 街頭デモでは「帝国主義による侵略戦争阻止! 有事立法・改憲粉砕! 日本の参戦を許さないぞ! 小泉戦争政権打倒!」という反戦の叫びが高らかに響き渡り、街頭で圧倒的な注目を集めました。(写真)
 今この瞬間にもアフガニスタンやパレスチナでは民族解放を求めて闘う民衆が次々に虐殺され、これに対しパレスチナ人民は連日のように自爆闘争に決起しています。この現実に向き合って、小泉政権を打倒する闘いを推し進め、イスラム諸国人民との連帯をかちとり、帝国主義を打倒し、戦争と抑圧のない社会を一刻も早く実現しなければならないとの思いをさらに強くしました。
 (投稿 東北大 M)

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週刊『前進』(2043号3面4)

 『企業の塀(へい)をこえて』■港合同の地域闘争■ を読んで

 (港合同田中機械支部執行委員長 大和田幸治 著 アール企画発行/本体2200円)

 労働者の団結づくり基本に 満ちあふれる教訓を学ぼう

 倒産・破産攻撃粉砕の偉大な地平

 港合同田中機械支部委員長・大和田幸治さんの著書『企業の塀をこえて―港合同の地域闘争』をどのように読み、どのように主体化するのか。そこには革命的共産主義の党が、「労働者の中へ」を貫いていく道筋が照らし出されている。
 この本では、戦後労働運動が労働運動の実践家の視点で総括され、教訓が山のように語られている。体験した者にしか語れないビビッドな闘争の臨場感が伝わってくる。
 港合同の歴史という側面では、@大和田さんが戦後労働運動に入り、その現場に即して労働者の現実と未来をつかみ取っていく過程、A総同盟脱退、総評全国金属加盟にむけた闘い、B65年ロックアウト攻撃との闘い……連帯ストライキ、C分裂第二組合解体・階級的統一にむけた闘い、D60年代を通じた差別賃金を排した一律賃上げ闘争、E細川闘争での「企業内少数、地域多数」という地域闘争の発展から、F「総資本による戦闘拠点への倒産攻撃との闘い」と大きく分けられるだろう。だがこれを平板にとらえては、大和田さんの労働運動をつかむことはできない。
 大和田さんが指導し、勝利を闘いとった倒産攻撃粉砕の偉大な地平は、それ自身が日本労働運動の勝利の道筋を示しているが、「なぜこの困難が突破できたのか」を学び取ることこそ、レーニン主義的オーソドキシーを復権し、貫こうとする革命的共産主義者がなすべきことである。
 破産法を振りかざし、日経連、関経協が国家権力・裁判所、警察と一体となり、暴力団をそそのかして、田中機械支部という民間の一労働組合に襲いかかってきた。誰もが「勝てる」と言い切れない時に、大和田さんは「完全無欠の敵はない、弱点のない敵は存在しない」と言い切って勝利への執念を燃やし、団結権を闘いの柱に据えて10年間の死闘を展開し、完全勝利を闘いとった。この闘いは、労働運動にとってくめども尽きぬ教訓に満ちあふれている。まさに労働運動のバイブルとすべきものだ。ぜひ精読して、主体化してほしい。
 しかし私はむしろ、〈田中機械の破産・倒産攻撃に大和田さんがまったくひるむことなく、なぜ、これほどまでに戦闘的に立ち向かっていけたのか、誰もが躊躇(ちゅうちょ)するような事態に直面しながら、なぜ大和田さんは闘い抜けたのか〉――革命的共産主義の党が労働運動と結合していくためには、この類まれな労働運動家としての大和田さんの思想と実践をつかみ取らなくてはならないと思っている。本書は、そのための思想と実践的教訓に満ちあふれている。

 労働者への信頼と資本への怒り

 大和田さんの思想と実践は第3章までの叙述で語られている。私自身が主体化するのに四苦八苦なので解説などできないが、ここにあるのは一言で言って、労働者への厚い信頼と資本への根底的な怒りである。「これまでのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」というマルクスの共産党宣言の金言が、本の中で大和田さんの実践と結びついて語られている。
 資本主義の帝国主義段階における搾取と収奪の現実を、住友プロペラでの経験に即して、「差別のひどいところはまっぴらや」(14n)という実体験から、資本と賃労働の関係をつかみ取っている。また、「翌六五年の春闘では、従来の幹部まかせの要求設定を改め、生産点を中心に職場討議を行い、一人ひとりが要求を出すというやり方をとりました。自分の考えた要求が組合の要求として会社に出されるようになって、春闘に取り組む組合員の注目度が変わりました」(29n)というように労働者の主体性を重んじる。
 「組合の活動家というのは、プロの革命家とは違います」「仕事のうえでも中心になってはじめて、現場での影響力がもてるのです」「どれだけ仕事を身につけ職場に影響力を持つかというのは、組合運動をやろうという者にとっても、出世をしようと思っている者にとっても、目標は違っても共通する課題です」「一貫したことを言っている人間には信頼が集まりますが、ころころ変わるような奴は、やっぱり信頼の対象にはなりません」「仕事にも影響力があって、職場の労働者にも信用があり、会社も一目置く――そういうふうになっていかないと、労働組合運動はできません。そこが、現場労働者の大変なところです」(32〜33n)と、現場の現実を徹底的に踏まえる。
 さらに階級形成の必要性について「労働者全体がよくなることを考えて」「『職位による差別』『職場間差別』、上司とのつながり具合による差別などが山積みしています。この差別と対抗するには、技術と、自分のことだけを考えるのではない労働者意識が大切です」「このように日常の仕事のなかで、現場労働者の権利意識を共有し確立していくことが非常に大事だと思います」(35n)というように、つかみ取っている。そしてそれを実践に移すために、「私は、『団結をつくっていくにはどうすればよいか』を常に頭においてやってきました」(40n)と、労働者が資本に対して階級的に団結することを労働運動の基本に据えて闘い抜いてきたことが語られている。

 団結の基礎なす賃金闘争の意義

 そして団結を作り出していくために、「再生産費としての賃金のレベルが問題なのに、『労働者間の差が問題や』というふうになったら、賃金論は本末転倒してしまいます」「若年者と女性の賃金を安く抑えることによって日本の低賃金構造が成り立っているのですが、労働組合の側も、そこのところは放置して、自分たちだけがうまく果実を取得しようとしてきました。これは間違いだと思います」「同じように働いているのだから女性も男性もない。同一賃金になるようにレベルを調整するのは当たり前やないか」(45n)と、賃金闘争が団結の基礎であることを説いている。
 さらに賃金闘争の意義について、「賃金闘争とは職場の支配力の問題だということがわかります」「経営側の支配力をどれだけ食いつぶしていくかということが非常に大事だと思います。経営側と組合側の力関係をそのままにしておいて、数字の操作をするだけでは本質的なものは一つもよくなりません。私は、賃金闘争というのは、まさに資本と労働者の関係の本質を変えていくための闘いだと言ってきました。この一律賃上げ論が地域に認識され、広がったのは、六七年以降です」(47〜48n)と明らかにしている。
 その上で賃金論の学習について「賃金論を学習し、討論することは、差別の問題とか、運動の理念や原則を含め、すべてを議論することになります」(48n)とその意義を述べている。
 さらに「時短についての考え方と団結権」についても、「週休二日制になると、二日間も団結の空白ができることになります。私たちは、職場に労働者がいて活動する時間を、一時間でも長くつくろうということでやってきました」(48n)、「(工業団地では)五時になって仕事が終わったら、労働者は全部バスに乗ってパーッと帰ってしまい、五分もたったら会社の中はからっぽです。これでは職場の運動などできるわけがありません」「時短というのは、労働者の要求であり権利ではあるけれど、団結権とか組合活動権、さらには職場支配権との兼ね合いで考えていかなければならない問題だと思います」(49n)と、労働運動の基本が団結権であり、この団結を基礎とし、土台として階級形成を進めてきたことを明らかにしている。
 この前史があって、倒産攻撃・破産闘争への勝利の確信が据えられ、勝利に向けて組合の団結が維持され、固められ、勝利をつかみ取ることができたのだと確信した。
 革命的共産主義の党が「労働者の中へ」を推し進め、共産主義と労働運動を結合していくために、大和田さんの闘いの歴史とその思想は教訓に満ちあふれている。第6回大会の路線を推進していくために、全党員が学習し、主体化することを薦めたい。3組合共闘が全労働者の心をとらえ、日本労働者階級人民が連合を打倒し、日帝・小泉政権と対決し、アフガニスタン・パレスチナ連帯闘争に立ち上がり、国際的反戦闘争の爆発をかちとっていくための導きの糸が、本書に語り尽くされている。
 (関西・S)

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週刊『前進』(2043号4面1)

最悪の農民殺し=三里塚暫定滑走路 4・18開港を実力阻止せよ
 3・31−4・14に総力決起し不屈に闘う三里塚農民守れ
 斉田 猛

 日帝・国土交通省、空港公団は、成田暫定滑走路の4・18開港を世界に向かって発表し、あからさまな農民殺しを意味する航空機の飛行開始を表明した。反対農家の軒先50bにジェットブラスト(噴射と爆音)を噴きつけ、頭上40bをかすめてジェット機を飛ばそうとしている。国家自らが行う露骨で悪質な暴力団的地上げは前代未聞である。36年間の農民殺しの中でも最悪の権力犯罪である。日帝はこうした犯罪行為を、地権者との合意なしに新滑走路はつくらないとした社会的確約(成田シンポ・円卓会議=94年)をボロキレのごとく破り捨てて強行しようとしている。こうした暴挙を、日本の労働者人民は断じて黙過してはならない。われわれは三里塚芝山連合空港反対同盟との血盟にかけ、あらゆる手段を駆使し、実力で阻止・粉砕する。暫定開港攻撃は、国内治安戦争として開始された有事立法攻撃の一環として、゛内乱の砦(とりで)=三里塚″の破壊をもくろむ攻撃だ。三里塚では36年間も「憲法が停止された」状況が続いてきた。反対同盟と労働者人民は、強靭な実力闘争、革命的武装闘争によってこの有事立法を先取りする攻撃を打ち破ってきた。反戦闘争の砦=三里塚を先頭に有事立法・改憲攻撃を粉砕しよう。3・31―4・14闘争に全力で結集し、4・18開港を吹き飛ばせ。総力あげた動員戦にただちに決起せよ。

 反対同盟の怒りで「暫定」はボロボロ

暫定滑走路 4・18開港の正式決定を聞いた敷地内・天神峰の市東孝雄さんは「国家権力のひどさをあらためて感じた。国と空港公団がそういうやり方で来るなら、俺らは何をやっても許されるという気持ちだ」と語った。
(写真 上空から見た滑走路。誘導路が「へ」の字に曲がり無残な暫定滑走路)
 暫定滑走路が開港して、航空機が離発着するようになれば、市東孝雄さん宅の目の前50bの誘導路を巨大ジェット機が自走(ジェットエンジンを噴かしての陸上走行)することになる。畑の作物や人体に与える被害は計り知れない。
 滑走路南側直下400bには、反対農家が生活しており、頭上40bを離着陸することになる。爆音が農民を直撃するのみならず営農破壊も深刻となる。
 まさに前代未聞の農民殺しが白昼公然と強行されようとしている。それも「地権者との合意なしに新滑走路には着手しない」とした社会的確約(成田シンポ・円卓会議=94年)を破り捨てて。「他人の利益を著しく害してはならない」という航空法(39条2項)すら踏み破って。
 しかも暫定滑走路は、成田空港発着の90lを占める大型機が使えない、国際空港として使い物にならない滑走路だ。あわてた国交省が中型機以下の国内線の誘致に全力をあげ、ドタバタ劇を演じたあげく失敗したが(開港間際になって増便計画は実質ゼロの状態!)、「国際線には使えない滑走路」という実態を全世界にさらけだしている。
 使えない滑走路の開港を急ぐ理由は何か。農家をたたき出して3300bに延長するためである。この開港と滑走路延長で反対農民を屈服させ、三里塚闘争を破壊するためである。それ以外のいかなる理由もない。ただ農家を追放するためだけの滑走路建設とは!
 わが革共同は、農民殺しの極致ともいうべき暫定滑走路開港を絶対に容認しない。「あらゆる手段で開港を阻止する決意だ」(反対同盟旗開きでの天田三紀夫書記長発言)
 暫定滑走路の強引な開港は一方で、国交省・空港公団のきわめて深刻な危機を示している。
 国交省・公団の暫定滑走路攻撃は@暫定計画の発表(99年5月)、A工事着工(99年12月)、B軒先工事の拡大(99年12月から02年10月)の3度にわたる攻撃で、空港反対農民を屈服させるというものだった。99年秋に国交省に提出された「平行滑走路工事変更計画書」では「2500b滑走路の完成は2002年11月30日」と明記されていた。
 つまり、@からBの攻撃で、空港反対闘争を壊滅させ、2002年11月までに2180bの暫定計画を2500b(〜3300b)に延長できるとの前提で、平行滑走路計画を立てていたということである。
 昨年5月には、「カウントダウンボード」をJRと京成の空港駅および京成上野駅に設置して「開港まであと何日」というキャンペーンを始めた。小見川県道には「平行滑走路2002年初夏完成」と描いた大看板を2カ所取りつけ農民に威圧を加えた。暫定滑走路の開港に向けて世論をむりやり盛り上げ、空港反対農民を屈服させようと明らかに策動していた。
 ところが、昨年6月16日の東峰神社立ち木伐採攻撃に対する実力反撃の闘いが、国交省・空港公団の゛見通し″を打ち砕いた。それ以降「暫定滑走路キャンペーン」はピタリと止まり、開港まであと2カ月という2月現在、「開港キャンペーン」は皆無である。
 「反対闘争の壊滅」を一切の前提として立てていた平行滑走路建設計画が失敗したからだ。ついに反対同盟・空港反対農民を屈服させることができないまま開港を迎えることになった。この事態に大打撃を受けているのだ。
 延長見通しのまったくないまま暫定滑走路を開港するということは、今まで封印してきた同滑走路の全矛盾が、一気に噴き出すことになる。開港キャンペーンは逆に、公団の失政を浮き彫りにするものになる。だから沈黙をきめこむしかないのだ。
 航空写真(上)を見ると、暫定滑走路がいかに破産的なものか一目瞭然だ。
 東峰部落の開拓道路が滑走路わきわずか75bのところに突き刺さっている。石を投げれば届く距離だ。着陸帯に近接して郡司一治さん名義の一坪共有地が存在している。市東孝雄さんの畑、天神峰現地闘争本部、北原鉱治事務局長名義の一坪共有地があるため誘導路は「へ」の字に曲がっていて、危険であり、着陸帯は国際標準に違反している。誘導路には信号機が2カ所に取りつけられ、滑走路に航空機が進入している間は、待機を強いられる。
 連絡誘導路の狭いところは100b以下のため、翼をフェンスに引っかける危険が大である上、ここも片側通行の幅しかなく渋滞する。成田市取香のウインズホテルビルと十余三の成田ゴルフコースの立ち木が管制塔からの視野をさえぎり、誘導路上の航空機が消える!
 これが「国際空港の滑走路」なのだ。反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は「安全性が無視され大事故は必至だ」と警鐘を鳴らしている。このような「国際空港」が世界のどこにあるだろうか。「国交省と空港公団はよくもこんなでたらめ計画を『国策』として発表したものだ」と非難が起こるのは必至である。
 しかも空港公団は外国航空会社に対して欠陥を隠したまま開港しようとしている。農家の軒先50bの自走、頭上40bの飛行になることを隠し、「開港すればすぐに2500bに延長できる」と思い込ませて、乗り入れを募っている。「開港」した瞬間これらのウソがすべてばれ、「世界に赤っ恥をかく」というとんでもないハレンチ滑走路――それが暫定滑走路なのだ。
 4月開港は日帝・国土交通省、空港公団の決定的危機に転化する。一切は3・31―4・14闘争の爆発にかかっている。総力をあげた動員戦をやり、4・18開港を阻止しよう。開港粉砕から延長絶対阻止へ闘おう。

 有事立法を先取りした三里塚つぶし

 農民たたき出し=闘争破壊のみを目的とした暫定滑走路開港攻撃は、三里塚にかけられた有事立法攻撃である。日帝・国家権力と最も鋭く対決する反戦闘争への破壊攻撃である。
 有事立法攻撃の全体を整理しておく。攻撃は次の三つの分野から構成される。
 第1が、有事立法の核心をなす国家緊急事態法(マーシャルロー)で、これは戒厳令を究極の形態とする非常事態法で、憲法を停止し、首相および軍部にすべての権限を集中する。
 第2が、現在新聞紙上で報道されている「第一分類、第二分類、第三分類」等々と言われる個別立法である。これを整理すると、@自衛隊の行動の自由を確保するための新たな立法と既成法の改悪の数々。A国民総動員を実現するための法整備。最大の軸をなすのが土地の戦時収用と地方公務員や労働者の戦時徴用で、それを可能にする立法である。B政府機関の臨戦化を実現する法整備。C米軍支援の諸活動を可能とする立法――以上の四つの分野だ。
 中でも陣地や軍用地のための土地収用が最大のポイントをなす。
 第3が、9・11反米ゲリラ戦争を契機に、相次いで批准されたり批准が準備され、関連法の改悪が策動されている三つの「反テロ」国際条約と「スパイ防止」と称する防諜(ぼうちょう)体制づくりの攻撃および破防法改悪策動である。
 以上のうち第3の「反テロ」国際条約は、2つが国会で批准されており、残りも今国会に批准法と関連法の改悪案が提出されている。すなわち「爆弾テロ防止条約」は、すでに昨秋署名され、火炎びん法、サリン防止法、原子炉等規制法を改悪して、検察側の一方的な有罪認定や密告の義務化などを狙っており、テロ資金供与禁止条約も「テロ行為」に使われると知って資金を提供する行為自体を犯罪とするもの。革命的左翼への資金提供を非合法化するものだ。
 さらに国際的組織犯罪条約は結社禁止法であり、デモに参加しただけで罰せられる「参加罪」まで規定されている。
 まさに「反テロ」の名のもとに、国内治安戦争を遂行するための攻撃がすでに始まっている。この攻撃自体が有事立法攻撃の重大な一環をなしている。暗黒の治安国家=戦時国家体制づくりをめぐる、労働者人民と権力・支配階級との本格的な内乱・内戦的攻防が始まっているのである。
 そして有事立法の核心的内容をなす「緊急事態基本法」も秋の臨時国会に提出予定だ。ちなみに「緊急事態法」が狙う国家緊急権の発動とは、現行憲法が定め、戦後労働運動が血を流してかちとってきた人民の基本的人権(思想の自由、表現の自由、検閲禁止、生存権、労働者の団結権・団体交渉権・争議権、財産権、法の適正手続き、裁判を受ける権利など)を首相の権限で停止するものだ。憲法の停止である。労働者人民を戦争に強制的に動員し、言論を統制し、反戦運動と結社を禁圧し、労働運動と労働組合を弾圧し、反戦派を投獄するための法体系である。
 そして現行憲法9条が禁止している「国権の発動たる戦争」および「軍事力の保持と行使」を完全に、全面的に復活させる。
 1999年の周辺事態法、「日の丸・君が代」法、盗聴法・組織犯罪対策法、住民基本台帳法(国民総背番号制)、01年のテロ対策特措法、自衛隊法改悪、海上保安庁法改悪と準備されてきた戦争立法の集大成として、有事立法攻撃がついに着手される。アフガニスタン侵略戦争への参戦という超ど級の既成事実の上に、本格的な戦争法が人民に襲いかかろうとしている。

 反戦の砦=三里塚を軸に有事法粉砕へ

 こうした戦争攻撃と最も鋭く対決しているのが三里塚闘争である。三里塚においては一種の「憲法停止」状況が36年間にもわたって強制され、これを打ち破ってきた。三里塚は有事立法を先取りする治安攻撃と全力で闘い粉砕してきたのである。
 三里塚では、違法と暴虐の限りが尽くされてきたことをあらためて明らかにしておきたい。
 成田空港計画の抜き打ち閣議決定がそもそも農民無視と違法で始まっている。そして、空港建設の過程でくり返されてきた殺人行為、無法な弾圧の数々は、言語に絶するものがある。すなわち1971年の第1次、第2次の殺人的な強制代執行とそれに伴う違法の数々、三ノ宮文男さんの実質的虐殺、1977年岩山大鉄塔のだましうち破壊と東山薫氏虐殺、大弾圧、78年横堀要塞破壊の超法規的暴挙、同年成田治安法の違憲立法と処分の発動、成田用水のための機動隊1万人侵攻と河川の破壊、90年成田治安法の違法適用とだましうちの団結小屋破壊、不当逮捕……。まさに「三里塚にはむきだしの国家暴力」というのが実態であった。
 そして、敷地内農民には今も日常的な人権侵害が行われている。私服警察が農民の生活を24時間監視し、違法な尾行や検問、いやがらせを不断に行い、生活権を奪っている。三里塚はまさに恒常的な戒厳令状態に置かれ続けてきた。「憲法停止」的状況である。
 これに対して反対同盟と連帯する労働者人民は、数百波にわたる革命的武装闘争を闘い取ってきた。1978年の出直し開港の当日に炸裂した東京航空交通管制部ケーブル切断戦闘を頂点とする空港機能破壊の闘いと、旧運輸省、空港公団、千葉県、成田市など農民殺しの極悪人ども、三里塚農民の敵に対する的確なゲリラ戦が、空港建設に大打撃を与えてきた。
 大衆的実力闘争としては、1985年10・20三里塚十字路戦闘を頂点としつつ、1970〜71年の実力闘争の数々、1977年岩山大鉄塔破壊に対する反撃の実力戦闘、78年横堀要塞戦、89年〜90年の成田治安法による団結小屋破壊と対決した砦戦が権力の心胆を寒からしめてきた。そして、三里塚実力闘争の頂点として1988年9月21日に闘われたのが千葉県収用委員会実力解体の戦闘であり、以降14年間にもわたって千葉県の土地収用体制が機能しない事態を強制している。
 この結果、日本の一角に国家権力の暴力支配が通らない地域が形成され、全人民がこの闘いに結集する構図をつくりあげている。空港閣議決定以来、戒厳令状況を強いられてきたことに対し、三里塚闘争は実力で帝国主義支配の一角を突き崩す勝利を獲得している。日帝国家権力による有事立法の先取り的攻撃に対し、あらかじめ勝利している偉大な闘いだ。三里塚闘争で勝利することが、有事立法・改憲攻撃を粉砕するための重大な拠点をつくることを意味する。
 実体的に見ても、土地収用体制の一角を打ち砕いている点で三里塚は有事立法攻撃の前に立ちはだかっている。有事法制の重要な内容をなす分野が「国民総動員」だが、その中心は軍用地のための土地収用だ。
 「自衛隊の行動の自由確保」の例としてあげられる「戦車が通るための道路交通法の改悪」や「自衛隊陣地をつくるための国立公園法の改悪」などは、法律の改悪の問題である。土地=私有地の強奪はそうはいかない。土地は人民の最も重要な財産であるため、法律を乗り越えた人民の抵抗があちこちで勃発することは必至である。この時に土地収用体制を打ち破って闘いつづける三里塚闘争の地平と教訓が決定的なのである。戦争体制づくりに怒りを燃やす膨大な人民と三里塚の合流の道が開かれる。まさに三里塚は有事立法攻撃粉砕の最強の拠点である。
 そして、コソボ、アフガニスタン侵略戦争に典型的なように、現代の戦争における軍事空港の比重がきわめて増しているが、朝鮮・中国侵略戦争にとって死活的な成田軍事空港を、最強の反戦闘争が包囲している現実も日帝の戦争体制づくりに決定的打撃を与えている。
 反戦の砦・三里塚を先頭に有事立法攻撃を粉砕しよう。有事立法粉砕決戦の一環として3・31―4・14決戦に決起しよう。

 全国から大結集し永続闘争の陣形を

 4月開港阻止決戦の課題の第1は、三里塚闘争の全国陣形を徹底的に掘り起こし、文字どおり最大級の動員戦をやりぬき、圧倒的な隊列を現地に結集することである。白昼公然のもとで行われる農民殺しを、三里塚農民との連帯にかけて許してはならない。かつてない総力をあげた動員戦に立ち上がり勝利しよう。
 第2は、現地攻防に勝利することである。現地デモや監視行動で反対同盟を激励し、防衛しなければならない。大騒音下で不屈に闘う反対同盟農民の生活防衛闘争を全人民の力で支えよう。関西実行委員会のように現地調査や激励行動などを組織しよう。
 第3は、「滑走路延長」の最悪の先兵として登場している千葉県・堂本知事とその郎党を徹底的に弾劾し闘うことである。とりわけ堂本知事が収用委員会再建に手をつけるなら、わが革共同は千葉県との全面戦争を辞さない。このことを厳粛に宣言するものである。 そして革命的武装闘争の容赦ない爆発を闘いとる決意だ。1・9千葉県幹部・七五三(しめ)敏信宅火炎戦闘に続き革命的ゲリラ戦に決起する。
 暫定滑走路開港攻撃の暴挙に真っ向から立ち向かい、創意あふれる闘いで、三里塚の永続的闘争陣形を確立しよう。3・31―4・14の現地全国集会への大動員戦に直ちに着手し勝利しよう。

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週刊『前進』(2043号4面2)

兵士に出兵拒否訴え 日本原現地で2・11集会

 2月11日、中四国反戦共同行動委員会は岡山県勝田郡奈義町の自衛隊日本原演習場の防衛庁用地で「紀元節粉砕、基地撤去、有事立法−改憲阻止、沖縄−三里塚連帯」を掲げ、日本原現地闘争を闘った。
 雪が吹きつける中、現地統一集会が始まった。反戦被爆者の会の大槻泰生さんのメッセージが紹介され、三里塚反対同盟の伊藤信晴さんが日本原への思いを語り「竹竿でも届くような上空40bでテスト飛行が行われている。暫定滑走路の破綻(はたん)は明らか。軍事空港廃港へ3−4月を闘い抜く」と力強く訴えた。
 部落解放同盟全国連、婦人民主クラブ全国協、岡山反戦共同行動委員会、愛媛労組交流センターなどが決意表明に立ち、広島大学学生の名護市長選挙報告とブッシュ訪日阻止の決意に大きな拍手が集まった。さらに北富士忍草母の会、動労千葉、関西実行委、都政を革新する会からのメッセージが紹介され、最後に現地闘争本部が発言に立った。
 「自衛隊と直接対決する日本原闘争の任務は重大だ。日本原、三里塚、北富士、沖縄などの反戦の砦をさらに打ち鍛えよう。パレスチナ人民やアフガニスタン人民と連帯して命がけの決起を貫き、侵略戦争を内乱に転化しよう」
 日本原駐屯地まで約6`のデモ。駐屯地前で「侵略出兵を拒否せよ」「人民に銃口を向けるな」と隊内からの決起を熱烈に訴えた。
 日本原に駐屯し主演習場とする第13旅団は全国に先駆け海兵隊タイプの部隊として再編された。強襲揚陸艦おおすみに続き、2番艦しもきたも広島・呉に配備される。第13旅団こそ真っ先に戦場に投入される。日本原闘争の任務は重大だ。
 日本原農民との血盟をさらに深め、実弾射撃阻止の現地実力闘争を柱とした02年の新たな一歩を踏み出した。有事立法・改憲阻止の大決戦を爆発させよう。

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週刊『前進』(2043号4面3)

 2月12日〜19日
 日米首脳会談で戦争協力
 東ティモール PKO派兵を閣議決定

●イラクの政権転覆に言及 パウエル米国務長官が、米上院予算委員会で、イラクについて「イランや北朝鮮とは別の範疇(はんちゅう)にある」「政権を変える選択肢を常に検討している」と述べた。(12日)
●米関係犯罪が最多 沖縄県内の01年中の米軍人・軍属などの刑法犯の検挙が過去5年間で最悪の70件(前年比17件増)、72人(同5人増)に上ったことがわかった。(12日)
●軽水炉計画「ストップも」 パウエル米国務長官が下院歳出委員会で、94年の米朝枠組み合意に基づく核査察を北朝鮮が受け入れない場合、軽水炉供与計画は「止まってしまう」と述べた。(13日)
●警察、基地警備解除へ 在日米軍施設で実施されていた機動隊警備が、2月20日をめどに解除される。全国600近い施設が対象になる。(13日)
●沖縄近海で米軍がミサイル訓練 在日米海軍が2月上旬、沖縄近海でミサイル発射訓練を実施していたことが分かった。訓練にはアフガニスタン軍事作戦にも参加したミサイルフリゲート艦などが含まれている。(13日)
●キャンプ・シュワブ、実弾射撃訓練で火災
 沖縄県金武町のキャンプ・シュワブ内の原野で火災が発生し、約4万7千平方bが延焼した。実弾射撃訓練が原因。(13日)
●ふげんから放射能廃液 福井県敦賀市にある核燃料サイクル開発機構の新型転換炉ふげんで、放射性の濃縮廃液が、貯蔵用タンク付近から漏れていたことが分かった。廃液は配管から数日間漏れ続けていたとみられ、タンク内部につらら状に固まっていた。(14日)
●米英が未臨界核実験 米国と英国が、初めての共同未臨界核実験を米ネバダ州の地下実験場で行った。英は米ロに続き3カ国目の未臨界核実験データ取得国に。米国による実験は97年7月以来16回目、ブッシュ政権下では3回目。(14日)
●米軍ヘリが緊急着陸 沖縄県渡名喜村(渡名喜島)の急患搬送用ヘリポートに米軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリ1機が村への連絡なしに緊急着陸した。エンジントラブルの可能性があり「予防着陸」したという。(14日)
●東ティモールPKOを閣議決定 政府は、東ティモールの国連平和維持活動(PKO)に自衛隊を派兵する実施計画を閣議決定した。国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)を受け入れ国と見なして派兵する。期間は約2年間を見込み、陸自を中心に680人、重機・車両300両を送り込む、3月上旬に先発隊50人を送り、4月中旬までに派兵する。(15日)
●米の空中指揮機が飛来 17日のブッシュ訪日を前に、米軍嘉手納飛行場に米国の国家緊急事態空中指揮機(NEACP=ニーキャップ)E−4Bが飛来した。(16日)
●日米首脳会談 ブッシュ米大統領が訪日し、小泉首相との首脳会談を行った。小泉は「(米国の)リーダーシップと国際連帯の成功を高く評価する」と述べ、ブッシュは「テロとの戦いはこれからも続く」「テロ支援国家が大量破壊兵器を使って米国と同盟国を脅かすことを阻止する」「北朝鮮が大量破壊兵器の拡散をやめない限り、最悪のことを想定するしかない」などと述べた。(18日)
●イラク派兵には新法必要と山崎 自民党の山崎幹事長が、米国の対イラク戦争について「現時点で日本が自衛隊派遣などで協力できるのはテロ対策支援法の範囲だ」と述べた。(18日)
●岸本市長「米の担保とり基本計画」 米軍普天間飛行場移設問題で、名護市の岸本市長が、「工法決定時には飛行時間やルート、民間地域上空を飛ばないなどを米軍や米政府に担保をとった上でなければ、基本計画は決定できない」と述べた。(18日)

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週刊『前進』(2043号5面1)

反軍闘争に敵対し反階級的転向分子に転落した小西誠
 革命的共産主義者同盟

 反革命白井=小西連合を粉砕せよ

 全国の労働者人民・読者の皆さん。革命闘争―反軍闘争から逃亡して久しい小西誠が、少し前から、恥ずべきことに反軍闘争の革命的発展の敵対者になり下がるばかりか、わが革共同から逃亡した反革命・白井朗と結託して白井=小西連合を形成し、党と階級闘争を破壊する策動を行うに至っている。かつての「反軍兵士・小西誠」を知る人びとは、現在の小西の腐敗と反動ぶりにまゆをひそめ、何たることかと憤慨し、また革共同の明確で峻厳な態度表明を求めている。
 われわれ革共同は、この小西問題についてこれまで態度表明を控えてきたが、ここに公然と小西粉砕、白井=小西連合粉砕の闘いを断固として推進することを明らかにする。
 今、帝国主義の没落の危機とそこからの米帝ブッシュ政権の絶望的凶暴化を展開軸として、世界危機の世界戦争への転化というすさまじい激動情勢が起こり、日帝は歴史的野望であった有事立法攻撃をついに具体化してきている。同時に、昨年9・11反米ゲリラ戦争によって国際的内乱の情勢が切り開かれている。この中にあって、われわれは、21世紀革命の勝利へ断々固として党の死力を尽くして総決起することをあらためて決意する。その一環として、革共同は、小西誠との歴史的関係の決別に至った問題の核心を明らかにし、小西を打倒し、小西をのりこえて、新たな革命的な反軍闘争を強靭に再建=創造すること、この闘いに着手していることをここに宣言する。

 悪質な転向分子に階級移行した小西誠

 (1)小西誠は、90年から91年の過程で、われわれ革共同の熾烈な批判と相互批判の思想闘争から逃亡し去り、それ以前からの自己の共産主義者としての根本的な問題性、その主体的内的危機を開き直り、自らの反軍戦線指導の破産をみすえようともせず、主体的総括を放棄して革共同とともに闘う立場から離れた。しかし、われわれはなおも小西に対し革命的大衆闘争の爆発のために限定的ではあれ戦列を同じくするよう要求し、その時点では小西もかろうじてこたえた。しかしそれも数年たらずのことであり、その間、大衆運動の妨害物として振る舞うことしかできなくなり、95年には自ら最終的に大衆運動から離脱した。左翼運動そのものから脱落・絶縁したのである。
 その後はブルジョア出版活動に専念したいという小西の選択に対し、われわれは、石もて追うことをせず、むしろ過去において反スターリン主義・革命的共産主義運動の重要な位置にあり、革共同と闘いをともにしてきた小西が社会的に悲惨な結末を迎えないよう最大限の配慮をした。小西からの強い要請もあって、あえてその後も多大な財政的処理の協力まで行ってきた。小西は、「相互に公然たる敵対関係に入らない、お互いに誹謗(ひぼう)中傷はしない」と約束した。
 小西に対して当時、われわれが党として特殊な措置をとったことは明らかであった。党内では、大衆運動をただただ内部から破壊する言動をなすだけで自己批判もしない小西を党は徹底粉砕すべきだという正当な意見が強かったが、前記のような中央の考えを理解してくれるよう説得してきた。
 何よりも革共同として、二重対峙・対カクマル戦の内戦過程と重なる長年月にわたって小西と闘いをともにする中で、相互批判と自己批判の関係を正しくつくることができない結果となったことについて痛切にとらえ返し、このことをめぐっての自己批判的総括とそこからの創造的再建をやりとげなければならないと決意してきた。反軍戦線を始めとする党の内部で小西問題についての組織的論議を真摯(しんし)かつ非妥協的に推し進め、それをとおして小西問題をのりこえる反軍戦線の革命的再建をかちとることに精力をそそいできた。
 他方、小西はその後、どんどん内的崩壊を顕著にし、とりわけ99年2月の能登半島沖での海上自衛隊による外国船への射撃事件に際して、「私は陸海空の自衛隊は何かあったら平時でも出動できるようにした方がいいと思います。……すぐ隣の国(北朝鮮)で戦争が起きる危険性が高いという意識は持った方がいい」などと自衛隊の朝鮮侵略戦争への出動・武器使用を激励する見解を表明した(『週刊女性』同年4月13日号)。これは反軍兵士であった自己をかなぐり捨てたことを意味する重大な反革命的裏切りであった。われわれは、階級的一線を踏み破った小西の変質・腐敗を強く弾劾し、一切の援助・協力の関係を破棄した。
 (2)小西は、自らが反軍闘争で総破産をとげ、階級闘争から脱落・逃亡したことをなんら真摯に反省することもないがゆえに、99年時点で反革命・白井と平然と結託し、その反革命的な革共同敵対策動に加担し、白井=小西連合をつくってきた。そのことを公然と表明したのが白井の『中核派民主派宣言』なる反革命出版物の発行人をかって出たことである(00年4月)。そして今度は自らが゛革共同の内情を暴露する″といった風な受けを狙って『新左翼運動その再生への道』(00年5月)を出し、最近の『検証内ゲバ』(01年11月)では一層堕落した姿をあらわにしている。また政治警察・公安調査庁と対決する立場とはまったく無縁のところから、公調の内部文書を入手しては本にするといういかがわしい商売に熱中しているありさまだ。
 小西は今、反革命・白井朗と連合し、同じく角田富夫を抱え込み、元公安調査庁職員・野田敬生と手を組んで、反革命フラクを形成し、革共同および革命闘争への反階級的敵対をこととする存在へと転落しきっているのである。
 その当初から、小西の言動が革共同情報(デマであったり、一知半解であったりするものばかりだが)を売り物にする政治ゴロそのものであることは明らかとなっていた。だが、そればかりではない。小西は、日帝警察権力・公安調査庁など敵階級の側に軸足をすっかり移行させて、その側からもの申す存在になり果てている。白井との結託が小西の決定的変質の重要な契機となっていることは明らかであるが、小西自身の主体的責任はより大きなものがある。
 この点で次のことを小西は胸に手を当ててよく考えてみよ。小西が95年時点の前記の約束を踏みにじる挙に出たことにも、われわれは怒りを爆発させずにがまんし、小西に最後の良心がもしあるならば早く目を覚ませという態度で臨んできた。小西が階級闘争の現場から去ろうとも、たとえ過去のことであろうとも、反軍兵士としてのおのれの誇りだけは捨てずに生きていく方法はあったろう。それが、小西反軍決起に励まされ立ち上がった多くの自衛隊兵士たちへの最低限の責任であった。われわれは最後の最後まで、小西が自らを恥じ、誤った道を引き返すよう余地を残しておいた。ところが小西は、このわれわれの態度を錯覚し、なめてかかり、白井との連合を破棄するどころかますますそれにのっかるという地獄への道を好んで転げ落ちていった。
 小西よ。「われわれは、党を離れた者と反階級的敵対者とを厳格に区別する。転向した自己を合理化するための反階級的敵対行為を断じて放置しない。これが革共同の掟(おきて)である。まして権力に露骨に屈服して居直り、権力の力を借りようとしたり、権力に党を売ることを平然と口にするような変質した輩(やから)を断じて許さない」――これは革共同第6回全国大会の特別決議の一節である。これを白井とともに小西に適用することを、小西自身がわれわれに促したのだということを肝に銘じるべきである。
 われわれは、小西が白井を代弁する位置で白井=小西連合の最先頭に立っていること、「新左翼運動を再生する」「共産主義者として」などとニセ看板を掲げていることそのものを許さない。われわれは、小西が労働者階級人民の運動に外から介入しようとしていることを、党と階級闘争に対する転向分子の破壊・敵対策動であるとはっきりと認定し、それを真っ向から粉砕する闘いを推進する。

 日帝の革共同破壊と一体の超反動的言動

 小西の反動的言動について確認しておく。はっきり言って、それは真面目な検討の対象になるものではなく、その底の浅さにしても、歴史の偽造や自己弁護だけの本質にしても、哀れをもよおすばかりである。小西が前記2冊の本などで書きなぐっていることは、こうである。
@「革共同の対カクマル戦は、左翼運動あるいは新左翼運動の内部の内ゲバである。中核派、カクマルの双方とも思想・信条に基づく闘いであった。それぞれの党派の未来、革命運動の未来をかけて闘った」
A「中核派のカクマルに対するK=K連合規定、ファシスト規定は、根拠がない。自らへの反対者をファシスト呼ばわりしているだけだ」「カクマルの『権力の謀略論』も、中核派のK=K連合規定と同様の『権力との癒着』論をとっているものである」
B「本物のマルクス主義者・レーニン主義者は赤色テロルの採用という方針を絶対にとってはならない」
C「内ゲバをもたらした理論の根拠は唯一前衛党論、民主集中制論にある。内ゲバはスターリニズムと同様の反対派へのテロルである。カクマル黒田が内ゲバの元祖である」
D「革共同は清水独裁体制である。人権・民主主義がない。スターリン主義と同様である。非公然性を強調し、非公開の原則を貫くことは非民主的組織以外の何物でもない」
E「日本共産党の『権力の過激派泳がせ』論はすべてが間違いとは言えない。権力は人員と機構の保持のために、一定の反権力闘争と過激派の存在を必要としている」
Fその他。
 一言で言って、それらは白井の二番煎(せん)じでしかない。第一に、小西は「革共同の内部事情を知る人間」の「証言」であるかのようにして、真実の一片もない暴露本を商売のネタにしているのである。それを国家権力やカクマルに買ってもらおうというのだ。それは、左翼であった者として、人間として、最も恥ずべき階級的犯罪行為である。小西は階級的倫理と人間的道義を投げ捨てて敵に魂を売り渡してしまったのである。だから、小西の語る言葉には、白井のそれと同じく、自己弁護と責任逃れ、虚飾とデマしかなくなっているのである。
 第二に、小西は、白井とともに、反ファッショ解放戦争としての歴史的・階級的意義をもつ対カクマル戦とその先制的内戦戦略について、「とんでもない理論だ、階級闘争に内乱路線―軍事路線をもち込むべきでない」と悪罵(あくば)を投げつけている。だが、白井も小西も対カクマル戦争の指導的一翼を担ったのだ。何よりも許せないのは、その小西が他人事のように、70年決戦を死力を尽くして闘って日帝権力の党破壊攻撃と対決してきた革共同と、史上類例のない白色テロル集団=ファシスト=反革命カクマルを同列に置き、あろうことかカクマルを「左翼、革命をめざすもの」として免罪し、また赤色テロルを内ゲバ論に歪曲し、しかも「その内ゲバの元祖がカクマル黒田である」として、正義と不正義をごちゃまぜにしてしまっていることだ。そして、それをもって階級闘争の内乱的・武装的発展に全面敵対する現在の自己の反動性を開き直っていることである。
 小西が、カクマルの本体をなしてきた、そして今もファシスト労働運動として日帝の新たな先兵として位置づけられている松崎らJR総連の存在とその反革命的・反労働者的所業についてまったく言及すらせず、意図的にカクマルのファシスト労働運動を擁護していることは特に重大な犯罪的行為である。
 第三に、小西はつまるところ、わが革共同に対して、非合法・非公然体制を解けと要求しているのである。それは白井の最も核心的な反革命テーゼであり、対権力においても革共同は武装解除せよというのである。この一点をもって、われわれは、小西が本質的に日本帝国主義・国家権力の手先となったと断ずる。今や小西の言動は、権力の手先に階級移行してしまった立場からのものであり、「過激派は権力に泳がされ、飼われている存在」という言辞に顕著なように、政治警察・公安調査庁のてのひらに乗った言動としての役割をもつものとなっている。
 この点で、小西が角田、野田とともに、小野田譲二・小野田猛史・三島浩司および宮崎学が関与した公調スパイ事件(本紙2019号参照)に関連した樋口報告書を本にして売り出したばかりか、たとえばそこでのスパイ三島浩司のニセ情報(革共同がカクマルと和平の会談を行ったなどという、スパイ三島の噴飯ものの作り話、百パーセントのデマゴギー!)を特記し、「これは事実だ」などといきがっていることは、実に重大な問題である。そのことは、小西や角田が、政治警察・公調およびスパイ三島と同じ立場に移行したことを表明するものであり、革命党に敵対する反革命の共同戦線をつくる役割を果たしていることを如実に示すものでなくて何であろうか。
 第四に、小西は、ゲリラ・パルチザン戦争と革命的テロリズムについて原則的反対を言い立て、「内ゲバ反対」の名で、党と階級に対して武装と武装闘争の路線的放棄を要求する超反動的言動をなしている。それは暴力革命論の原理的否定であり、一斉武装蜂起・内乱・内戦―反軍闘争への綱領的敵対にほかならない。小西は、わが革共同が闘う労働者人民とともに20数年にわたっておびただしい血を流してカクマルの襲撃から党を防衛し、階級闘争の利益を守り抜き、カクマルに対する重大な勝利の地平を切り開いたことが明らかになった今になって、やれ内ゲバだ、モラルの荒廃だなどと、こともあろうに革共同に悪罵を投げつけている。きのうまでの小西がありえたのは烈火のような対カクマル戦の勝利のゆえなのである。そのことを真摯に受け止めることもなく、カクマルに屈服し、武装闘争に原則的反対を唱える小西。こうした人物をわれわれは断じて許さない。

 プロレタリア革命と反軍闘争と党

 (1)革共同における小西問題、小西における党の問題およびマルクス主義・レーニン主義の問題とは何であったのか、別の機会に詳しく論ずるが、ここではごく核心点のみ述べる。
 70年決戦の渦中で、小西は歴史的な自主的決起を行い、その後革共同とともに闘うという主体的な選択をした。革共同の思想と理論、戦略的総路線に賛成し、そこに自己の人生をかける決断をした。そのことは高く評価されるべきことであった(小西が今になって消去法の選択であったなどと自己史を偽造していることは自らを辱めることしか意味しない)。しかし、その後、革共同中央と小西とは懸命の共同闘争を進め、その中でさまざまな格闘を重ねてきたが、完全な一致をかちとることができなかった。
 小西はいったんは共産主義者として自己を確立することをめざしたし、本人自身が相当の努力をしたことは事実である。だが、反軍兵士であることを一切の基準にする立場を超えることができないという限界を固定化し続けた。小西は、共産主義的全体性の立場を獲得する努力を結局遂行できなかった。同時に、最も深刻な問題性は、自己の責任において組織的実践を行い、かつそこでの勝利も敗北も自己の指導責任として自己に引きつけて総括する立場を基本的にはぐらかし、たえずメンバーに責任を転嫁する悪しき官僚主義・権威主義の傾向を脱皮できなかったということであった。
 革共同は、小西に対して、真の意味での共産主義者への飛躍を求め、あえて妥協や譲歩をもとおしてあらゆる格闘を遂行したが、その限界の固定化を突破できなかった。小西のあまりの共産主義的信念のなさをともにのりこえていくことができなかった。革共同中央としては、小西との関係の形成に失敗したということであり、この総括は真摯に深めていかなければならないと考えている。
 この総括について、われわれは小西との思想的格闘それ自体は長い過程の中でぎりぎりまでやったと考えている。中央自身が小西との対話、相互批判と自己批判において、試行錯誤を不可避とした面もあった。小西から学んできたこともけっして少なくない。そこで自己批判すべきことは、小西指導体制のもとで小西をのりこえる力を正しい組織原則のもとで育成し、励ましていくことが十分にできなかったことである。小西指導の歪みによって、心ならずも戦線を離れざるを得なかった同志諸君を、中央が支え、擁護しきれなかったことは痛恨の極みである。小西の反軍戦線へのいわば治外法権的な官僚主義的な権限の行使を正していくことにおいて、踏み込めないできた部分が多かったことについて、反軍戦線で苦闘してきたすべての同志諸君に対して心から自己批判する。
 だが、小西脱落以後、新しい反軍戦線の形成、反軍闘争再建の準備を進めてきたことが今、一定の結実を始めていることを、全国の党および労働者人民の皆さんに確信をもって報告しておきたい。
 (2)革共同と小西が近似的なようでありながらついに交わることができなかった問題は、実はマルクス主義あるいは帝国主義段階のプロレタリア革命における最も根本的・基軸的な問題での相違、対立であった。
 端的に言って、小西の革命観は、たえず揺れ動いていたし、克服の契機もあったのだが、突き詰めればある種の「軍事クーデター」論にとらわれたものであり、労働者階級の壮大な階級形成とその自己解放闘争として革命を展望する立場を受け入れないものであった。
 小西は、労働者階級への根本的な意味での確信についに到達することができず、労働者階級の力不足を軍隊のクーデターの力でのりこえなければ、いや軍隊が軍事力を行使するのでなければ、革命を実現することはできないという、労働者階級への不信を根っこにもったままの思考を護持し続けたのであった。それはまた、帝国主義論・帝国主義世界戦争論とそれに基づくレーニン主義的革命戦略の中に労働者階級をとらえ返し、軍隊と反軍闘争を位置づけることが、小西においてすっぽりと抜け落ちていたことにほかならなかった。その傾向が85年前後から開き直り的に純化されていったのだ。
 したがって、゛軍事は革命的軍人の専門分野であり、労働者階級は軍事とは無縁でもいい″となり、労働者階級による暴力の復権、軍事の奪還という闘争を切り捨ててしまう。そうなると大衆運動は武装と武装闘争の契機を排除した平和主義・市民主義の路線となってしまう。
 そのため、小西は一見大衆運動を重視しているかのようであったが、その大衆運動論は、けっして大衆運動の革命的な創造性、自発性、発展性、歴史を決定するその根源的力=革命的暴力性への確信から出てくるものではなかった。そうではなくて、せいぜい軍隊内工作に有利なように大衆運動をどう展開するかという発想でしかなかった。
 したがってまた、小西が党の必要性を認めるという意味は、反軍工作のために党は利用することができるし、党の利用なしに反軍工作はできないという意味に常に収斂(しゅうれん)されるものであった。だから、党が媒介となった大衆自身の革命的大衆行動を軸とするのではなく、社・共を常に動員しようとする傾向に陥っていた。社・共への幻想を、常に持ち続けたということである。
 そこには、一方での大衆運動論における誤りがあるだけではない。他方での反軍闘争論・反軍工作論にかかわる致命的誤りがある。
 小西は、反軍闘争の本格的発展のためにも、反軍兵士の立場を止揚して共産主義=実践的唯物論、したがってまた党の立場に立ち、ここから階級闘争総体に責任を負う共産主義的自覚を自らのものにすること、そこから革命的大衆行動の爆発のための闘いを措定することが求められていたのである。そしてこの立場と自覚に立つならば、革共同が営々として培ってきたものを虚心坦懐に学ぶことも容易にできたのである。小西自身の反軍闘争論はそうしたものとしてつくりかえてこそ、自己の偉大な歴史的決起をも真に位置づけ返すことができたのである。
 小西の歪みや限界との対話、格闘として、われわれが提示してきた反軍闘争論はどのようなものか。
 党に媒介された労働者階級人民の革命的大衆行動の爆発の中で、自衛隊の反革命的な内乱鎮圧の出動が引きずり出され、それとの階級的激突―物理的せん滅戦を辞さない闘いが推進され、それを重大な契機として自衛隊内の反乱がつくり出され、あるいは革命的大衆行動の側からの自衛隊兵士への呼びかけが発せられ、それらとの葛藤の中で自衛隊の内部の動揺、自衛隊自身の中立化、内的崩壊が広範に生み出され、そこにそれ以前から蓄積されてきた隊内での革命的工作が政治的・組織的に波及していくことをとおして、自衛隊の包囲・解体・獲得の闘いが実現されていくのである。
 これは、労働者階級による帝国主義軍隊の兵士の大量的獲得であり、軍隊の全体的ないし部分的階級移行であるとともに、兵士の階級の側への復帰であり、そういうものとして階級性の奪還=自己解放闘争そのものにほかならない。
 反軍工作のためには、革命運動の内乱的・武装的発展とその一環としての革命的大衆行動の本格的爆発、その階級的土壌の中での反軍工作という論理と展望に自らを立たせる以外にないのである。小西はこの立場に真に立つことができず、゛党は大衆運動を実現する脇役の役目、自分はそれを利用して反軍工作を行う主人公″という域を出なかった。反軍兵士の立場、あるいは自衛隊員としての経験だけから階級闘争を見ていては、階級闘争の本質、本領、ダイナミズムは本当にはつかめないのだ。
 現実の階級闘争は困難である。勝利の展望がすぐ見えてくるというものではない。小西は、現実の階級闘争の困難にたじろぎ、困難との格闘の中に無限の豊かな可能性を見いだすのではなく、労働者階級の決起への絶望を固定化し、肥大化させ、そのため反軍闘争指導で決定的に行き詰まり、破産をとげてしまった。
 (3)プロレタリア革命の根本問題、その一環としての反軍闘争の路線をめぐるこうした相違、対立がそのまま小西の逃亡・脱落の決定的要因となったのではない。小西の組織的実践のありようが、その決定的要因であった。
 小西の党中央批判は、党の革命的自己変革を求めるものではなかった。なぜなら、小西にとって、党とは外在的に存在する物理的機能にすぎず、反軍工作、それも自分勝手な反軍工作に役に立っているかどうかという対象でしかなかったからである。
 小西自身は反戦自衛官ということを、自己が責任ある組織的人格=共産主義者になりきろうとしないことへの批判の防波堤にし、小ブルヒロイズム、戦闘的改良主義の次元を超えられない自己の免罪符にしてきた。この点はここでは指摘するだけにとどめるが、党を〈単一の党〉ととらえず、連合党、共同戦線党としてしか位置づけない小西の党組織観が小西自身の最後的な破産をもたらした。小西が単一党を建設する闘いを自ら担うことを拒絶したことが、その反階級的転落の始まりであったのである。

 徹底的断罪を

 小西誠が、今日の世界危機の世界戦争への転化情勢、日帝の本格的有事立法攻撃という重大局面にあって、かつての反軍兵士の栄光を売り物にしながら、反戦・反軍闘争を呼びかけることは一切せず、逆に反革命白井と一体となって階級闘争に混乱を持ち込もうとうごめいていることは絶対に許せない階級的大罪である。ある意味でその罪は白井よりも重い。
 われわれは、日帝権力のてのひらの上で躍る輩に成り下がり、反軍闘争の敵対物、有事立法決戦の妨害者、カクマルに全面降伏した最も卑劣な裏切り者として純化した小西を、白井もろとも、小野田譲二・小野田猛史・三島浩司らスパイ分子ともども、完膚なきまでに粉砕するであろう。
 すべての闘う労働者人民の皆さんが、反階級的に変質しきった敵対物=小西を真っ向から粉砕し、無慈悲に歴史のくずかごに投げ捨てて、階級闘争の利益を守り、21世紀革命の勝利へと確信をもってともに決起されるよう心から訴える。

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週刊『前進』(2043号5面2)

2・11東京 教基法改悪阻止へ 有事立法反対闘争と結び

 2月11日、「とめよう戦争への道 百万人署名運動」東京各地区連絡会の呼びかけで「反戦平和と教育基本法を考える集会」が全水道会館で開かれ、憲法・教育基本法改悪が切迫する中、「再び戦争を繰り返してはならない」「教育を戦争動員の道具にするな」と200人を超える労働者、市民、学生が結集した。(写真)
 まず、今も連日イスラエル軍の虐殺攻撃が続き、自爆も覚悟した民族解放闘争が闘われているパレスチナ問題について、法政大学教授の奈良本英佑さんが講演した。イスラエル建国により、もとから住んでいた人が暴力で追い出されていることが問題の根源だと訴え、石油利権のためのアメリカの中東支配など、50年以上にわたる中東情勢の歴史・構造を解き明かした。
 岩手学力テスト反対闘争への大弾圧と闘い、教育の国家支配と対決した岩手学テ裁判の第一線で活躍した高橋清一弁護士が、「教育基本法と平和」について講演した。教育が国家政策遂行の手段とされ、自主性を喪失してきた歴史への深い反省から生まれた教育基本法。憲法9条、教育基本法が日本の海外参戦を阻んできたことの重さ。再びかつての道を歩んでいることへの抵抗など。自身の受けた天皇制軍国主義教育の経験もまじえ、深い内容を説得力をもって語った。
 学テ闘争当時の岩手教組のビラなど貴重な資料も示され、差別と権力の不当介入を許さぬ岩教組組合員の熱い闘志が伝わった。告示の実物「ただいま授業中……教室への介入はおことわり……担任」には圧倒された。道徳や「君が代の授業」など、授業内容への介入が頻発している今、学テ闘争に学び、教育基本法10条を闘いの武器として復権させる重要性を痛感した。
 都高教有志ネット、墨田教組、多摩教組が、主幹制との闘い、被差別の子どもの側に立った教育実践と地域と連帯した教育闘争、「日の丸・君が代」強制を頂点とした民主・自主教育の全面破壊との対決、それらをつなぐ改憲・教育基本法改悪攻撃との闘いについて、力強い決意を述べた。
 婦人民主クラブ全国協は、「とめよう戦争 女たち全国キャラバン」が各地で大反響を受け、東北・北海道へ向かっていることを報告した。
 百万署名世田谷の会が、9・11への報復戦争が全面化されようとし、日本が参戦している今、パレスチナを始めとする中東人民の民族解放闘争を深く受けとめ、有事立法反対の大運動を起こそうと熱く訴えた。
 改憲・有事立法反対と結ぶ、教育基本法改悪反対の闘いが力強く歩みだした。
(投稿/長坂千春)

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週刊『前進』(2043号5面3)

人から人へ署名を 広島 200人が改悪阻止を誓う

 2月11日、広島市内の東方2001で、教育基本法改悪に反対する署名実行委員会主催の「憲法・教育基本法の改悪を許さない『日の丸・君が代』強制反対2・11集会」が行われ、労組・市民団体・学生など200人が集まりました。
 冒頭、司会の山根広教組書記長が「小泉内閣が有事法制と教育基本法改悪を狙っている今こそ、『教え子を再び戦場に送らない』『教育を戦争の道具にさせない』闘いを」と宣言しました。百万人署名運動広島県連絡会事務局長の下田禮子さんは「2・11紀元節は天皇制攻撃の柱。小泉内閣がアフガニスタン参戦や有事法制や軍国主義教育復活をとおして歴史を戦前に戻そうとしている。絶対に再び繰り返させてはならない」と訴えました。
 新潟大学法学部教授の成嶋隆さんが、「広島と新潟は原爆投下目標都市という共通項がある。『日の丸・君が代』強制による石川校長の自殺を頂点とする教育攻撃と闘い続ける広教組や広高教組の皆さんとともに闘えることは意義深く感じます」と述べ、「憲法・教育基本法の『改正』は何を意味するか」と題して、@改憲論者の憲法・教育基本法の「押し付け」論の批判、A「解釈改正」と「立法改正」論批判、B教育改革の2つの流れ、を中心テーマに講演しました。自由討論の後、成嶋さんは象徴天皇制について問題を提起し、法と実践の関係について「法それ自体では無力。社会を変えるのは法的確信を身につけて実践=実力で闘うことだ」と力強く訴えました。
 自由討論で9人の仲間が発言しました。「市議会で『ハダシのゲン』の中沢講演が反日的・自虐的であると問題になった」「県教委広報紙で『君が代』を子どもたちにも起立斉唱させよと言っている。不起立で処分を受けたが被処分者は団結して頑張る。広教組・広高教組もしっかり取り組んでいるのでともに闘おう」「処分を受けたが、1人の不適格攻撃も処分も許さず、職場の仲間と一致団結し、組織の総力で闘う」「校長に申し入れたら、賛成の声はあるが反対の声は初めてと言った。教育基本法の学習会や署名、意見広告にもっと取り組もう」「このジジイが戦争に行き戦犯で抑留され帰った、それは教育のためです。悪かったのだから二度とやらないようにするのが正しい」
 広高教組の仲間が集会宣言を読み上げ、小泉首相と遠山文科相に送り付けることが全体の拍手で確認され、最後に栗原君子さんが「人から人へ署名を。職場・地域で学習会を。3月末国会提出行動へ。意見広告を成功させよう」と行動方針を提起しました。
(投稿/広島 A)

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週刊『前進』(2043号6面1)

大破産する小泉「構造改革」
 不良債権の危機は最悪に 大失業と戦争強いるだけ
 島崎 光晴

 小泉「構造改革」は、最大の柱である不良債権対策と財政構造改革で大破産を迎えている。今や「構造改革」なるものが、大失業と大増税、社会保障制度の解体、労働運動の破壊、そして何よりも有事立法と戦争をもたらすものでしかないことが歴然としてきた。小泉「構造改革」の経済的破産によって、3月期決算から6月株主総会に至る過程で金融危機が噴出するのは必至である。日本の恐慌の全面化、世界大恐慌の本格化は時間の問題だ。小泉政権の政治的危機も避けられない。小泉・超反動政権の打倒へ総決起する時がやってきたのだ。

 恐慌激化し倒産増 体力尽きた大銀行

 革共同は、小泉「構造改革」について「戦後史でも例のない、労働者人民に対する巨大な反革命である」と指摘してきた(『第6回大会報告・決定集』上巻468n)。「構造改革」が具体化するにつれて、それがますます明らかになってきている。何よりも、有事立法を今国会で強行しようとしている。「構造改革」の究極は、戦争国家化にほかならない。
 さらに、小泉は「構造改革なくして景気回復なし」と言ってきた。しかし実際はまったく逆だ。「構造改革」の実施に伴って、恐慌がより悪化している。
 「構造改革」の最大の柱である不良債権対策はどうか。大手銀行13行は昨年9月中間期決算で、約2・4兆円の不良債権を最終処理した。今年3月期には約6・5−7・5兆円の不良債権を最終処理する見通しだ。これだけで日本の恐慌を再激化させている。しかも、米経済が恐慌に突入した。日本経済はこの内外の両要因から、97−98年を上回る恐慌の全面的・本格的段階に入りつつある。昨年11月の鉱工業生産指数は87年11月以来の低水準まで下がった。つまり、生産面でバブルが本格化する前の水準にまで落ちているのだ。
 恐慌の再激化に伴って企業倒産が激増中だ。昨年の倒産件数(負債総額1千万円以上)は2万弱で、98年よりも多くなった。負債総額は実に16・5兆円にも達し、戦後2番目の高水準となった。1月の企業倒産は1620件、負債総額は1兆672億円で、件数・負債とも1月としては戦後最悪を記録した。まさに大倒産時代だ。
 失業者も急増している。12月の政府発表の完全失業率は5・6%と戦後最悪となった。完全失業者数は337万人。求職活動をあきらめて失業者に計算されなくなった人は、400万人以上もいる。12月には「非自発的失業者」が125万人と過去最多となり、2カ月連続で「自発的失業者」を上回った。本当に、首切りの嵐(あらし)が日本を覆っている。
 革共同は繰り返し言ってきた。〈不良債権問題は解決できない、にもかかわらず一部の不良債権に手をつけるだけで恐慌が再激化し、企業倒産と失業が激増する〉と。まさにそれが現実になっている。

 自己資本取り崩す末期症状

 今や、「構造改革」の最大の柱である不良債権対策は大破産しつつある。それどころか、不良債権問題はついに日本経済と世界経済を破滅させるほどに、ますます巨大で深刻な問題となっている。
 まず、不良債権額は依然として増え続けている。昨年9月末の大手13行の不良債権残高(破綻先・破綻懸念先だけ)は20兆円強で、3月末に比べて約2・5兆円も増加した。不良債権を処理しているのに、それを上回る規模で不良債権が新規に発生しているからだ。不良債権の処理↓恐慌の激化↓新規の不良債権の増加↓不良債権残高の増加、というどうにもならない状況にある。
 不良債権が膨らんでいるにもかかわらず、銀行にはそれを処理する体力はもはやなくなった。大手13行は今年3月期決算で不良債権処理に伴って6兆円もの損失を出す見通しだ。しかし、本業のもうけである業務純益はこれに満たない。従来は、株式含み益を吐き出して補充してきた。ところが、保有する株式が値下がりしているため、含み損を抱える株式が出てきた。含み損は、時価会計ルールによって評価損として処理しなければならない。
 つまり、不良債権処理に加えて含み損処理という新たな問題が出てきたのだ。しかし、そんなカネはどこからも工面できない。切羽詰まって大手行は、3月期決算で自己資本の一部である法定準備金を取り崩そうとしている。ついに゛自分の身を食いつぶす″しかなくなったのだ。
 だから日帝・小泉政権は、またもや不良債権問題を先送りしてしのごうとしてきた。1月にダイエーが経営再建の新計画を打ち出した。主力銀行はダイエーに4200億円の金融支援を決めた。ところがこれは、ダイエー再建に必要な額として決められたのではない。体力の尽きている銀行が、゛いくらまでなら負担できる″という議論で決めた。ダイエーの本格的処理をすると主力銀行が経営破綻(はたん)するため、先送りにしたにすぎない。
 そもそも、ゼネコン・不動産・流通の3業種に対する銀行の貸し出しは151兆円もある(00年度末)。バブル崩壊直後の93年の166兆円からほとんど減っていない。もはや企業の過剰債務問題、それと裏腹の銀行の不良債権問題はどうやっても解決できない。

 国債等「日本売り」〈3−6月危機〉に

 日帝・小泉政権は当初、゛ダイエー再建ムード″を演出したうえでゼネコン数社を救済・整理し、゛これで基本的に解決″などと宣伝して3月期決算をのりきろうとの思惑だった。しかし、1月末から2月にかけてこの思惑は完全に吹き飛んだ。危機が予想を超えて急進展したからだ。
 一つは、1月後半から株価が一段と下がり、さらには円・株・債券のトリプル安という重大事態に陥ったことである。
 2月初め、日経平均株価は9500円を割り込み、バブル崩壊後の最安値を更新した。株価は83年末以来、実に18年ぶりの安値水準にまで下がった。特に銀行株が急落し、4大銀行グループの株式時価総額の合計は約10・5兆円となり、1年前に比べて約15兆円、率にして6割も減少した。銀行は株安で、今まで以上に株式含み損を処理しなければならなくなる。しかも、企業と銀行は株式を持ち合っている。銀行株の下落は、銀行株を保有する企業の業績を直撃する。東証1部上場企業が保有する主な銀行株の含み損は、2月初めに4兆円を超えた。これも時価会計で評価損として処理しなければならない。
 さらに2月初めにはトリプル安となった。トリプル安はバブル崩壊直後の90年以来のことで、97−98年にもなかった。直接の原因は大きく二つある。@小泉政権の支持率低下で国際的不信が高まり、「外国人投資家」が円・株・国債を売りに出た。2月半ばには、格付け会社ムーディーズが日本の国債の格下げを検討と発表した。実施されると、帝国主義国ではイタリア以下の最低となり、チェコやハンガリーと同じ水準になる。
 A銀行が国債の売却を拡大している。銀行は、保有株式の評価損を穴埋めする手段として、国債を売る以外になくなったのだ。国債の発行残高のうち、民間銀行が27・8%、民間金融機関全体では46・8%までをも保有している。しかも02年度の新規発行の国債と借換債の合計は初めて100兆円を超える。この間の膨大な赤字財政は、銀行が国債を保有することで成り立っていた。しかし今や、一方で銀行の国債保有が限界に達しつつあり、他方では市場に出回る国債は極限的に膨張している。そうした中で、ついに銀行が国債売却に訴えはじめたのだ。これは日本経済危機の゛パンドラの箱″を開け放つ大変な意味を持つ。

 米帝の圧力に小手先の対応

 こうした歴史的なトリプル安とともに、1月からもう一つ重大な危機が進んだ。日米の金融恐慌が相乗して世界大恐慌に本格的に突入しかねない情勢になってきたのだ。
 米経済では、昨年11回もの利下げで史上最大級の金融緩和が行われた。しかし、銀行の貸し出しは減っている。日本経済と同じように、いくら金融緩和しても銀行の貸し出しが減ってしまう状況に入ったのだ。しかも米経済でもデフレ色が出始めた。卸売物価は昨年6〜7月から下落に転じ、秋からは消費者物価も下落しはじめた。さらにエネルギー最大手エンロンの経営破綻で、米企業の粉飾会計に対する不信がつのり、株式市場も動揺している。ここで日本の金融危機が噴出すれば、直ちに米金融危機を誘発することは間違いない。
 米帝ブッシュ政権が、今回の訪日で日帝に「不良債権処理」「デフレ対策」を求めたのは、こうした抜き差しならない危機がある。また、日米安保の枠内で日帝を補完的に動員する米帝戦略からしても、日帝の経済的崩壊は米帝戦略を揺るがしかねない。米帝は対日争闘戦の観点から、日帝の経済政策に強引に介入するまでに至った。これに対して小泉は、2月半ばに大慌てで「金融システム安定化策」を発表した。
 具体的には、@銀行に対する金融庁の特別検査を厳しくし結果を公表する、A「整理回収機構」による不良債権の買い取りを促進する、B「銀行等保有株式取得機構」が銀行から買い取る株式を増やす、C日銀による一層の金融緩和、など。なんの目新しさもない。とにかくとりつくろってみただけのものだ。

 公的資金投入でも収まらず

 このようなどんづまりの状況下で、日帝内で公的資金の再投入論が強まりつつある。政府は預金保険機構に危機対応勘定として15兆円の枠を設けており、これを投入しようと狙っている。しかし、99年にいったん7・5兆円もの公的資金が投入され、各行の経営健全化計画も作られていた。それなのに3年後にまたも公的資金を投入するなどというのは、ブルジョア的意味ですら゛大失政″ではないか。これで何が「構造改革」か! 公的資金投入は、小泉「構造改革」の経済面での最終的破産宣言でしかない。
 そもそも民間金融機関に投入された公的資金は、総額で36兆円にも上っている。公的資金投入は、結局は労働者人民の負担になってくる。労働者人民には「痛み」を強いておいて、大銀行・大資本には湯水のように血税を注ぎこんで救済しようとする――こういう小泉政権はすぐにでも打ち倒さなければならない。
 しかも、99年とは違って現在は、公的資金を投入しても金融危機が収まらない可能性が強い。銀行の体力が、当時とは比較にならないほど落ちているからだ。また、公的資金投入は日本経済に対する国際的不信を増幅させ、国債価格の暴落を招きかねない。さらに、99年には米バブルが続き、それが日本経済の下支えとなったが、今や米経済は恐慌を深めつつある。
 実際、3月期決算から決算発表後の6月の株主総会にかけて、゛時限爆弾″はいくつもある。@「外国人投資家」による「日本売り」を機に国債が暴落する可能性。A政府・金融庁などのコントロールを離れて、大手問題企業の経営が破綻する可能性。B4月にペイオフ凍結が解除される。ペイオフとは、破綻金融機関からの預金払い戻し保証額を元本1000万円とその利息に限る措置。すでに預金者による銀行の選別が強まっている。多数の金融機関の倒産、その影響による中小企業の倒産激増の可能性がある。

 財政は「隠れ借金」 医療制度を大改悪

 では、不良債権問題以外の「構造改革」はどうか。
 まず「財政構造改革」について。小泉は「国債30兆円枠」を掲げてきた。しかし、01年度補正予算では、本来は国債整理基金に繰り入れるべきNTT株売却収入を財源とした。02年度予算案では約2兆円の財源不足が生じているが、特別会計などから臨時に調達して穴埋めする。これは「隠れ借金」と呼ばれる。「隠れ借金」は90年代後半に徐々に減らされてきたが、小泉政権下で復活した。これでは、「構造改革」とはまったく逆ではないか! しかも03年度からは「30兆円枠」を外すと決めている。
 一方、小泉は2月の施政方針演説で「努力が報われ、再挑戦できる社会」として、真っ先に税制改革をあげた。具体的には、所得税・住民税の最高税率の引き下げ、法人税や相続税など直接税の減税、課税最低限の引き下げ、そのための配偶者控除などの各種控除の廃止・縮小、外形標準課税の導入による赤字法人への課税、さらには消費税率の引き上げなど。資本家階級を徹底的に優遇し、労働者人民や中小企業からの収奪をとことん強めようとするものだ。03年度から再び放漫財政に戻るのとセットで、こういう税制改革を強行しようと狙っている。
 次に特殊法人見直しと郵政民営化について。小泉政権は12月に、17法人の廃止、45法人の民営化、38法人の独立行政法人化を決めた。では、小泉が最重視していた「政府金融」「道路公団」についてはどうなったか。
 政府系金融機関については、住宅金融公庫は5年以内の廃止が決まった。ところが、それ以外の日本政策投資銀行など8つの政府系金融機関については、2月になって見直しを当面延期する方針となった。人民の住宅取得にとって最も密接な住宅金融公庫だけはつぶし、他はすべてそのままなのだ。

 借金で事業を保つ道路公団

 道路4公団については、第三者機関で民営化を検討することになったが、個別路線の建設計画についてはそこでまったく問題にしない。日本道路公団は、02年度予算案では約3000億円の国費(財政投融資計画)の投入が打ち切られるが、自身の借金(財投機関債)を2500億円増額して資金を確保し、1・4兆円規模の道路建設を続ける。
 02年度予算案では、特殊法人の事業見直しで約1・1兆円を削減した。しかし、各特殊法人機関が金融市場から資金調達する財投機関債は2・4倍の約2・7兆円に膨らんだ。財投予算の削減に対応して機関債=借金を増やしているだけだ。実質は何も変わっていないではないか。このどこが「構造改革」だ! 小泉は旧来の自民党とは違うかのような幻想をあおってきたが、やっていることは同じではないか。
 その一方で、小泉は03年の郵政公社化と同時に郵便事業を民間に全面開放することを決めた。さらに小泉は、05年に郵政3事業を民営化する方向で決断し動きだしている。小泉の特殊法人見直しなるものの実質は、要するに公務員労働運動に対する破壊攻撃だけではないか。
 さらに、社会保障制度の解体について。小泉は、高齢者医療費の負担増・給付減を切り口にして、医療制度を根本から改悪しようとしている。今国会には、サラリーマンの医療費負担を来年4月に2割から3割に引き上げる法案も提出される。さらに、新たな高齢者医療制度の創設や診療報酬体系の見直しなど、医療制度の抜本改悪を02年度中に決めようとしている。

 資本の好き勝手な都市再開発を容認

 そして、「都市再生」と称して、大資本のやりたい放題の「都市再開発」を認めようとしている。今国会に「都市再生特別措置法案」が提出される。この法案で、地方自治体などの要請を受けて、政府・都市再生本部が「都市再生緊急整備地域」を指定する制度を設ける。
 その内容は、@この特別地域内では容積率(敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合)や用途制限など従来の規制をすべて白紙にする。Aしかも、地権者の3分の2以上の同意があれば、民間事業者が自ら都市計画を提案できるようにする。民間事業者から提案を受けた自治体は、半年以内に都市計画を決めるように義務づける。Bさらには、道路や公園など公共的施設を整備する場合は、政府が無利子で融資し、民間金融機関からの借り入れも国が債務保証する。
 つまり、この特別地域では、民間事業者=大資本が好き勝手の都市計画を構想できるようになり、しかも提案があればその都市計画を決めることが地方自治体に義務づけられ、さらにはその資金も国が工面する、ということだ。資金面では明白な公共事業であるにもかかわらず、計画・施工・運営はすべて大資本まかせとなる。従来の公共事業の方が、まだしも国家的な規制がかかっていた。
 小泉はあたかも゛旧来の自民党的な公共事業を減らす″かのように言ってきた。しかしその正体は、オール大資本まかせの、旧来の公共事業よりもっとあくどいものだ。
 小泉は「民間でできることは民間に委ねる」とも言ってきた。その正体がこれだ。「民間」=大資本にやりたい放題にさせるということだ。かつての中曽根政権時代の東京大改造計画よりも、はるかにひどい。大銀行・大資本の利益をここまで露骨に追求するのは、歴代自民党政権の中でも例がない。

 小泉政権打倒春闘総行動へ

 以上、小泉「構造改革」は、不良債権対策や財政構造改革という経済面では、大破産をとげつつある。かりに3−6月危機をのりきれたとしても、より悪化した矛盾が爆発するのは避けられない。もはや、日本の恐慌の全面的爆発、世界大恐慌への本格的突入は時間の問題となった。それは必ず、小泉政権の政治的危機の爆発と同時進行で進む。「革命的情勢の急接近、あるいは革命的情勢への端緒的突入」(革共同政治局の1・1アピール)が、ますます加速する過程に入ろうとしている。
 このように経済面で破産する中で、今や、小泉「構造改革」はただただ労働者人民の搾取と収奪、支配と抑圧をもたらすものでしかないことが歴然としてきた。小泉「構造改革」とは、大倒産と大失業、資本家への減税と労働者人民への大増税、労働運動の破壊と労働法制の改悪、社会保障制度の解体、大資本の好き放題の「都市再開発」なのだ。今春闘、資本攻勢との闘いを、こうした「構造改革」と真正面から対決するものとして闘おう。
 さらに、小泉「構造改革」は、全社会を弱肉強食地獄に引きずりこみ、戦後的な労資関係−階級関係を転覆し、そうして戦争国家に突っ走ろうとするものである。改憲と戦争に向けた国家改造攻撃そのものだ。だから、小泉「構造改革」との闘いは、有事立法阻止・改憲粉砕決戦と一体の闘いである。
 さらには、これらのすべての攻撃の環に労働組合的団結の破壊攻撃がすえられている。国鉄闘争は、国鉄分割・民営化から小泉「構造改革」に至るすべての過程で不屈に闘われ、現在の「構造改革」との闘いの最前線・最基軸をなしている。何がなんでも、ここで勝たなければならない。
 革共同は1・1アピールで「労働運動・学生運動の革命的爆発で日帝・小泉超反動政権を打倒しよう」とのスローガンを発した。闘うイスラム諸国人民との連帯をかけ、自己批判の貫徹、血債の貫徹をかけて一人ひとりが゛生まれ変わって″決起しよう。必ずや小泉政権を引きずり倒し、世界革命に突き進もう。そのために春闘総行動に総力をあげよう。

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週刊『前進』(2043号6面2)

 戦時下のオリンピック

 「誇り高く、優雅なこの国を代表して開会を祝します」とブッシュは叫んだ。米ユタ州のソルトレークシティーで始まった冬季オリンピック。街中に迷彩服の州兵が厳重な警戒を敷き、無数の星条旗があふれ、WTCの廃虚から拾われたぼろぼろの星条旗がIOCの拒否決定を覆して開会式の目玉として入場した。
 アトラクションではアメリカ先住民の5部族のダンスが披露されたが、まったく許しがたい偽善だ。いったい、先住民族はどれほど過酷な虐殺と略奪と抑圧の歴史を強制されてきたことか。だがそんなことはなかったかのように演出された。
 こうして開会式は「米国の愛国心のイベントとなった」(朝日新聞2・9付)。昨年10・7空爆開始後のまさに戦時下のオリンピックだ。国連は「五輪停戦」を決議したが、米帝はおかまいなしに戦争を続けている。ソルトレークシティーに向かう飛行機も厳戒警備で、トイレに席を立った乗客が警官に即座に逮捕され、残りの乗客もすべて両手を頭の後で組むように命じられ、着陸までその姿勢を強いられた。
 かつてナチス・ヒトラーは、1936年ベルリン・オリンピックで、「ハーケンクロイツ(かぎ十字)」をドイツ国旗として会場に掲げ「民族の祭典」として五輪の政治利用を徹底的に図った。だが、ソルトレーク・オリンピックはそれを上回る愛国主義の祭典となった。ヒトラーは、まだポーランド侵略に突入せず、世界大戦はその3年後になる。米帝ブッシュはすでに4カ月前に戦争に突入し、この侵略戦争の真っただ中でオリンピックを「国威の発揚」として位置付けたのだ。ブッシュは「イラン、イラク、北朝鮮は悪の枢軸」とうそぶき、2002年を「戦争の年」と宣言している。
 バブル崩壊と恐慌突入という危機の中で、米帝は戦争を拡大しようとしている。その中でソルトレーク五輪は、史上空前の戦争のための祭典に塗り替えられたのだ。(未)

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