ZENSHIN 2002/11/04(No2076 p06)

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週刊『前進』(2076号1面1)

全世界の労働者階級と被抑圧民族は団結し 米帝の世界戦争計画粉砕を
 賃闘放棄・有事立法賛成の連合打倒
 11月労働者総決起かちとれ 10・7弾圧粉砕し国労大会決戦へ

 米帝ブッシュのイラク攻撃が切迫する中で、世界各地で高揚するイラク反戦闘争と連帯して日本の10・21国際反戦デー闘争が闘い抜かれた。9・22闘争に続いて、イラク反戦・有事立法粉砕闘争の突破口が開かれた。10月18日には臨時国会が始まった。事態はきわめて緊迫している。米帝(国際帝国主義)のイラク攻撃を絶対に阻止せよ。北朝鮮・中国侵略戦争法案である有事立法3法案と個人情報保護法案を粉砕するために10−12月臨時国会決戦を闘おう。10・7弾圧による国鉄闘争破壊の攻撃を粉砕し、11月国労大会決戦に勝利しよう。何よりも全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組の呼びかけにこたえ、現下の一大資本攻勢と対決し、11月全国労働者総決起集会に全力をあげて合流しよう。

 第1章 イラク攻撃阻止へ日本人民の決起を

 11月闘争の第一の課題は、イラク反戦闘争の大爆発をかちとることである。
 10月10、11日、米上下両院は3分の2以上の賛成で対イラク武力行使決議を採択した。ブッシュの恐るべきイラク攻撃方針が米帝の国家意志として確定した。きわめて重大な事態だ。
 米帝ブッシュのイラク攻撃戦争はあまりにも異常であり異様である。これまでの国際政治上の常識をはるかに超え、新帝国主義丸出しで、超大国の軍事力をむきだしにし、一切の国際ルールは米帝が決めるという論理で侵略戦争を強行しようとしているのだ。イラクの国家主権など歯牙(しが)にもかけず、先制攻撃することを当然としているのだ。
 ブッシュのイラク攻撃を正当化する報告書を見ても、それを裏付ける明白な事実証拠はまったくない。
 @アルカイダとのつながりについても直接証拠は何ひとつ出せない。拘留されているアルカイダ兵士の伝聞証拠のみだ。A核兵器についても「機械の搬入を試みた」「ウランを入手しようとした」というたぐいの情報でしかない。「搬入した」わけでも「入手した」わけでもないのだ。B「生物・化学兵器」についても、一定のレベルのものであれば、一定の工業力や化学産業を持つ国ならどこの国でも可能である。これを問題にするなら、イラクだけでなく一定の工業力を持つすべての国家を破壊するしかなくなるだろう。
 しかも、91年イラク・中東侵略戦争以来、イラクは米英帝の厳重な監視下にあるのだ。イラク領土の北緯36度以南、38度以北は米英空軍が制空権を握り、日常的に空爆を続けている。超高度超高速偵察機や通信衛星を使って、すべての建物がいつ建てられたかなど一切を掌握している。
 どこをどう見てもブッシュは「大量破壊兵器の脅威」とイラクを結びつけることができていないのだ。
 それでも米帝ブッシュはイラク攻撃に突進している。ということは、米帝にとってイラクのフセイン体制の存在自体が悪であり、許せないということが戦争の本当の理由なのだ。
 米帝がこのようなイラク攻撃を強行しようとしているのは、イスラム諸国人民(パレスチナ人民・中東人民・全世界のムスリム人民)の米帝に対する怒りが全世界に充満していること、すさまじいエネルギーが蓄積され、爆発し始めていることに恐怖しているからなのである。昨年9・11反米ゲリラ戦争はその最初の大爆発であった。
 こうした情勢のもとで、中東・イスラム世界のど真ん中に、イラク国家が反米的国家として、91年から10年たっても存在し続けていることが米帝にとって危機なのだ。ここから危機が爆発し拡大するかもしれないという底知れぬ恐怖におののいているのである。
 米議会決議は、米英帝国主義がイラク侵略戦争に突入し、イラクと中東の支配権を牛耳ることの宣言だ。
 関連して、ブッシュはフセイン政権転覆後の構想を明らかにし始めている。米軍主体の占領を前提に、第2次世界大戦後の日本を想定したイラク版GHQ(連合国総司令部)を検討し、反体制派への軍事訓練も承認した。統治形態は国連方式ではなく、米軍占領方式を想定している。米英連合軍に参加しなければイラク・中東の石油利権からも完全に排除されるのだ。
 「対テロ戦争」や「大量破壊兵器」はイラク侵略戦争の口実である。真の目的は石油資源の独占・強奪であり、破綻(はたん)した米帝の中東支配を再編し、イスラム諸国人民を軍事力で抑え込むことである。
 日帝は、対イラク参戦のための新テロ対策特措法を策動し、さらに米帝の要請にこたえてインド洋へのP3C派遣、独・仏・加などへの給油作戦の拡大にも応じようとしている。
 このイラク侵略戦争は米帝ブッシュの世界戦争計画の凶暴な推進としてあり、それは同時に石油問題の爆発や米株価の暴落、ドル暴落などを引き起こし、世界経済の大崩壊に連動する。
 この中で世界戦争か世界革命かが全世界の人民に問われてくるのだ。イギリス、アメリカを始めとする国際反戦闘争の大爆発はそうした時代の到来を告げている。ムスリム人民は、イギリス、アメリカで帝国主義国労働者階級とともに先頭で決起し、またアフガニスタン、クウェート、イエメン、インドネシア、フィリピン、そしてチェチェンで激しく蜂起している。米帝の世界戦争計画とムスリム人民を始めとした国際的内乱との激突情勢が発展しているのだ。
 米帝によるイラクに対する一方的な侵略戦争、虐殺戦争を許してはならない。イラクが「気にくわない体制」だから転覆するなどというのは歴史の大逆流だ。
 米帝の世界戦争計画を粉砕せよ。今こそ日本の労働者人民は全世界の労働者人民、ムスリム人民と連帯し、イラク開戦阻止、イラク反戦・有事立法粉砕へ総決起しよう。

 第2章 小泉のイラク参戦と有事法粉砕せよ

 11月闘争の第二の課題は、激動する朝鮮情勢と対決し、有事3法案と個人情報保護法案反対闘争を闘い抜くことである。
 10月16日、米国務省声明で北朝鮮の「核開発計画」(高濃縮ウラン製造計画)の存在が突然発表された。
 10月3〜5日のケリー訪朝の際に、ケリーが北朝鮮の核開発計画の「証拠」を突きつけたことに対して、北朝鮮が開き直り的に高濃縮ウランの保有を認めたというのである。
 この問題の核心は、米帝が今、世界戦争計画の凶暴な実行の一切をイラク攻撃に全力集中している情勢であること、イラクの次に北朝鮮(中国)侵略戦争を現実に構えていること、それらが北朝鮮に軍事大重圧を加えているということだ。
 北朝鮮スターリン主義は、あまりの内外危機のゆえに、核開発計画の存在を開き直るというかけを行ってでも米帝をテーブルに引き出そうと躍起である。日朝交渉をも盾に使って、米帝に生き残りをかけた瀬戸際政策的な危機的な取引をしかけている。だがそれは逆に米帝の世界戦争計画の発動のえじきとされる以外ないものである。
 米帝は、今はイラク攻撃に全力をあげており、北朝鮮への軍事行動を直ちに起こす情勢ではないし、北朝鮮情勢をコントロールしようとしている。だが、94年米朝枠組み合意の破棄を日程に上らせるのは不可避と言わなければならない。実際にも、日本、韓国、中国、ロシア、EUなどを総動員して国際包囲網を形成し、イラク後の北朝鮮攻撃を準備しているのだ。
 日帝は、この事態を受け、日朝交渉の展開を米帝の世界戦争計画に沿ったものとしてますます強く位置づけ返し、拉致問題と並んで核・ミサイル問題を対北朝鮮戦争外交の焦点に前面化する方針を明確にさせた。9・17日朝首脳会談とそれ以後の日朝交渉が、「国交正常化」の名による米日帝の北朝鮮侵略戦争のための舞台づくりにほかならないという性格を一層あらわにし始めたのである。
 山崎が「朝鮮半島で事態があれば周辺事態になる。日朝国交交渉は安全保障の問題だ。北朝鮮はテポドンを100発そろえている。1発でも撃てば侵略だ。武力攻撃事態を未然に防止しなければならない」(20日NHKテレビ)と扇動し、安倍が「北朝鮮には日本のみを射程にしたミサイル100発が配備されている。そこに核を積まれると大きな脅威になる」(19日)と叫び、有事立法攻撃に拍車をかけている。
 何よりも、小泉は所信表明演説で「有事法制や個人情報保護法案など継続審議となっている法案に優先的に取り組み、成立を期す」、「国民保護のための法制について検討して」きたと述べ、有事3法案と個人情報保護法案の成立と国民保護法制推進の反動的決意をむきだしにした。
 イラク攻撃が超切迫し、朝鮮情勢がすさまじい戦争的緊張をはらんだものになった中で、日帝・小泉は有事3法案と個人情報保護法案の強行に踏み切っているのだ。イラクの次は北朝鮮(中国)侵略戦争が不可避なことを見据え、帝国主義としての存亡をかけて有事立法攻撃に出てきている。
 拉致問題と核・ミサイルを使った日帝の対北朝鮮排外主義と真正面から闘い、在日朝鮮人民防衛の闘いに立ち上がり、有事立法3法案の粉砕に決起しよう。朝鮮人民の南北分断打破=革命的統一、米日帝打倒、金正日スターリン主義打倒の闘いに連帯し、闘おう。
 有事立法反対闘争とイラク反戦闘争を一体のものとして闘いぬこう。

 第3章 国鉄決戦に勝利し資本攻勢と闘おう

 11月闘争の第三の課題は、国鉄決戦に勝利し、一大資本攻勢と闘い抜くことである。
 00年5月以来の4党合意路線は、今やその破産が明らかになった。そもそも1047人闘争は国鉄分割・民営化そのものを問う闘いだったのである。だが、4党合意は「JRに法的責任なし」を国労に認めさせ「人道的解決」の名で闘争終結=国労の無条件降伏を図るものであった。これに対し激しい怒りが生まれた。闘う闘争団が結成され、統制処分も辞さずに闘いを貫き、ついに4党合意を破産させたのだ。
 この過程で本来の1047人闘争の方向が確立されてきた。4月に結成された国鉄闘争共闘会議は「1047名の解雇撤回」を明確に掲げた。1047人闘争とは、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の3組合が一体となって解雇撤回闘争を闘うことであり、これが最も威力を発揮する陣形だ。国鉄闘争勝利に向かっての大きな基盤ができた。国家権力にとっては大変な危機である。
 だからこそ1047人闘争の最先頭で闘う国労組合員に対する10・7弾圧が起きた。きわめて正当な組合活動をした国労組合員が不当にも逮捕されたのだ。
 10・7弾圧は、闘う側がつくりだした勝利の地平に対する国家権力の密集した大反動である。闘いの前進が生み出した反動を打ち破ってこそ勝利の道がたぐり寄せられるのだ。
 闘争団を始めすべての労働者の総反撃で不当逮捕された8人の起訴を絶対粉砕し、闘う仲間を戦列に取り戻さなければならない。仲間を権力に売り渡した国労本部と東京地本を徹底追及し、11・24−25国労定期大会決戦に攻め上ろう。
 この中で、全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が呼びかけている11・10全国労働者総決起集会はきわめて重要な闘いだ。呼びかけにこたえ全国から日比谷野音に結集しよう。
 日本の労働運動は、一大資本攻勢のもとで苦闘を強いられている。資本は戦後的労資関係の基軸であった終身雇用制の解体と賃金体系の破壊に踏み切ってきた。それが02春闘を転機に加速している。
 NTTに象徴される基幹産業でのアウトソーシングや、首切りと賃金体系の抜本的改変の攻撃が吹き荒れている。特にアウトソーシングは、アメリカのように労働者の多くを不安定雇用に突き落とすものだ。
 総務省労働力調査によれば、8月の完全失業率は4カ月連続の5・4%、完全失業者は361万人で17カ月連続で増加した。8月の常用雇用は前年同月比42万人減、13カ月連続でマイナスとなり、他方で臨時雇用は40万人増で8カ月連続増になっている。仕事につけない労働者が増え、実に361万人(横浜市の人口を上回る)に達し、たとえ就職できても不安定雇用の仕事にしかつけないという実態が明らかになっている。
 賃金体系についても、NTTに見られるように事業の大半を子会社に移し、労働者を退職させて子会社に再就職させ、その際に賃金を2−3割カットするという攻撃が全面化している。
 重要なことはこれが既成労働組合指導部の全面的な屈服と協力のもとで行われていることだ。
 さらに労働法制改悪、社会保障制度解体などの攻撃が一斉にかけられている。
今や「労働者は闘わなければ生きていけない状況に入った。今までわれわれに耳を貸さなかった労働者たちは、今は闘う方針を求めている」(中野洋・動労千葉前委員長)のだ。
 資本攻勢に対して連合、全労連、JR総連カクマルは完全に屈服している。
 国鉄決戦勝利を突破口に、有事立法に賛成し労働者を侵略戦争に動員する連合路線、5・16連合見解と9・12通達と対決し、連合足下から労働者の決起をつくりだそう。敵の最大の弱点は連合である。闘う側に最大の好機が生まれている。労働者を信頼し、労働者は必ず立ち上がるという信念をもって11月労働者総決起を組織しよう。

 教育基本法の改悪阻止へ

 10月17日、文部科学相の諮問機関・中央教育審議会がまとめた中間報告・素案の全容が判明した。「教育基本法の見直しを行うべき」という結論を明示し、「個人の能力の伸長」「公共心、道徳心、規範意識」「伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心」を盛り込むべき理念としてあげている。これは現行の教育基本法の教育理念を逆転させ、国のため、天皇のための教育に転換するものだ。「教員の使命感を明確」にするというのは、教員を再び教え子を戦争に動員する「死の手配師」とすることだ。
 中教審は年内にも中間報告をまとめ、自民党は次期通常国会に改悪案を提出するとしている。有事立法反対闘争と結合して教育基本法改悪反対闘争をつくりあげなければならない。
 さらに、以上の闘いと一体のものとして、沖縄闘争、三里塚闘争の前進、03年統一地方選挙戦勝利への闘いの強化、10・27−28闘争に続く狭山闘争への決起、長期獄中同志奪還・1億円基金運動貫徹などの闘いを全力で推進しよう。
 そのただ中で、機関紙拡大闘争、財政闘争、党勢倍増の闘いをやりぬこう。

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週刊『前進』(2076号2面1)

組合員の売り渡し許すな 国労大会 極反動本部の打倒へ

 東京地本指導部の責任重大

 11月24、25日に開催される国労第70回定期全国大会をめぐる決戦は、代議員選を経て、いよいよ激烈な決戦局面に入る。その当面する闘いの柱は、10・7弾圧を何がなんでも粉砕することである。不当にもデッチあげ逮捕された闘争団員2人を含む5人の国労組合員、3人の支援者を守り抜き、直ちに奪還しよう。絶対に起訴を粉砕しよう。
 10・7弾圧は、国労本部および準備地本で警備責任者の東京地本執行部=酒田一派の協力なしにはあり得なかった。直接にこの弾圧を引き出した酒田、芝崎、阿部、笹原ら東京地本執行部、そしてこれを容認した高嶋、寺内、久保、大西ら本部執行部。この極悪どもをわれわれは断じて許さない。絶対に責任をとらせなければならない。
 彼らは警察のデッチあげ弾圧に積極的に協力し、組合員を権力に売り渡したのだ。解雇されて不屈に解雇撤回闘争を闘う闘争団員を獄に閉じ込めるなどということを、よくも平気でできるものだ。JR資本の差別攻撃に耐えながら“闘争団の切り捨てを許すな”と立ち上がった組合員を権力に差し出すことがどうして許せるのか。
 極悪幹部どもよ。お前らが売り渡したのは、5人の国労組合員だけではない。1千闘争団員のすべて、2万余の国労組合員のすべてだ。国労の団結をずたずたに破壊し、伝統ある国労の旗を泥靴で踏みにじったのだ。その罪の深さを思い知るがいい。
 10・7弾圧は、5・27国労臨大での組合員への説得を「暴力行為」にデッチあげたものだ。労働組合の団結を守り抜くための正当な活動に対する、警察権力の露骨な介入ではないか。4党合意が明確に破産を突きつけられる中で、新たな国労解体攻撃、国鉄闘争絶滅攻撃として強行されたのだ。この警察権力の介入を招き入れたのが、お前たちなのだ。
 いったい「暴力行為等処罰法」の発動に加担したことの重大さを自覚しているのか。「暴力行為等処罰法」という戦前以来の治安弾圧法、労働運動弾圧法を引き出し、憲法28条と労組法に基づく刑事免責という戦後労働運動の獲得地平のすべてをひっくり返したのだ。そもそも団結して資本・権力と闘うことそのものを「犯罪」とされ弾圧されてきた労働者階級が、幾多の仲間の屍(しかばね)をのりこえてかちとってきた団結権を、お前らは完全に捨て去ろうというのだ。その大罪の前におののくがいい。
 およそ国家権力・資本と対決すべき労働組合の指導部に値しない、こんな連中が国労の指導部を名のる資格があるのか。大会に何度も機動隊出動を要請し、国家権力の懐深く抱え込まれ、階級移行してしまった。労働者の魂を自ら売った連中なのだ。
 10・7弾圧への加担は、国労本部、チャレンジ一派、反動革同、酒田一派による“代議員選対策”そのものだった。この弾圧が代議員選告示日に強行されたことから明らかだ。国労本部が、7月末時点で4党合意の破産が明らかになったにもかかわらず「解決案を出させる」などと称して大会開催を引き延ばし続けてきたのは、権力の弾圧策動をにらみ、権力と有無相通じながらのことだったといえる。
 こんな裏切り者を一刻も早く打倒し、たたき出さなければならない。こんな裏切り者がのうのうと幹部の席に居座っていたら、国労は国労でなくなる。労働組合としての死だ。労働組合の団結の名において彼らを引きずり下ろさなければならない。
 このような前代未聞の弾圧に加担した彼らはいったい何をやろうというのか。
 闘争団を切り捨て、国労を解体し、JR連合に合流し、その奴隷頭として延命しようというのだ。

 権力・資本と闘う路線築け

 定期大会に向けて国労本部が出した運動方針案の第1次草案は、4党合意の破産を開き直り、あくまでもこれにしがみつき、そのために闘争団を切り捨てることを宣言している。
 この“4党合意しがみつき”路線も、10・7弾圧を前提にしたものだ。
 4党合意による国家権力への全面降伏路線こそが、権力への組合員の売り渡しに行き着いたのだ。
 だが、追いつめられているのは、権力と国労本部ら反動の側である。もはやどうやっても闘争団の闘いを抑え込むことはできなくなった。その上、国労闘争団と全動労争議団、そして動労千葉争議団の1047人闘争の陣形が形成されようとしている。そうした中で、彼らは10・7弾圧にすべてを託したのだ。
 4党合意が破産した以上、政治解決路線、すなわち国家権力に依存し、全面屈服することを引き換えに「人道的解決」なるものを引き出そうとする路線を全面的に総括し、新たな闘いの方針を打ち立てなければならない。それは国家権力とJR資本に全面対決する方針でなければならない。
 すべての国労組合員の皆さん。革共同は、心の底から訴える。国労本部、チャレンジ、反動革同、酒田一派らに10・7弾圧の責任をとらせ、彼らを執行部から引き下ろし、闘う新たな執行部を打ち立てよう。
 そして国家権力・JR資本と闘い、JR総連カクマルを打倒し、解雇撤回・JR復帰の原則を貫く1047人闘争の方針を打ち立てよう。国鉄労働者を先頭に11月労働者総決起をかちとり、国労大会決戦勝利の布陣を形成しよう。

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週刊『前進』(2076号4面1)

米帝ブッシュの世界戦争計画と日朝関係の新展開について
 米日帝の北朝鮮侵略戦争策動粉砕を

 先の9・17日朝首脳会談とそれに続く日朝関係の新展開は、米帝ブッシュの世界戦争計画のもとで重大な情勢をつくり出しつつある。ケリー米国務次官補の訪朝、そこでの北朝鮮の新たな核開発問題の暴露とその米帝による発表、北朝鮮サイドの開き直り的な高濃縮ウラン保有の確認、米帝内部からの「北朝鮮脅威論」の噴出、日帝政府・自民党による「北朝鮮の100発のミサイルと核の脅威」キャンペーンの激化、10・15からの拉致された日本人5人の帰国と拉致問題の一層の前面化・重大化、韓国内からの拉致・行方不明問題の政治問題化、10・25ブッシュ・江沢民会談、10・26米日韓首脳会談、10・29〜30日朝国交正常化再開交渉、そしてそれらをも規定するイラク情勢の激しい進展……。こうした情勢展開に対して、日本の労働者人民はイラク反戦・有事立法粉砕闘争の戦闘的・大衆的爆発をもってますます鮮明に対決していかなければならない。以下、あらためて9・17日朝会談とそれがもたらすものについて明らかにしたい。

 北朝鮮スターリン主義の体制危機と日帝の侵略政策

 9・17日朝平壌(ピョンヤン)首脳会談の結果が示したものは何か。
 一言で言って、北朝鮮スターリン主義の当面している内外の危機が予想をこえるレベルに達しているということである。第一に、米帝の「悪の枢軸」論による、イラクの次は北朝鮮という軍事重圧が北朝鮮をしめつけ、北朝鮮スターリン主義としてはあらゆる方法でこの攻撃を逃れようとしていることである。第二に、北朝鮮が帝国主義の歴史的国際的包囲による重圧と、スターリン主義としての危機のゆえに、解体的危機の重圧を受けているということである。
 この土壇場に追い込まれた北朝鮮に対して、日帝・小泉は米帝との共同と競合の政策をテコとして(半ば虎の威を借りつつ)、いわば最後通牒(つうちょう)的な外交的手段を弄(ろう)して、日帝としての諸要求をつきつけ、そのかなりの部分を°のみこませた″ということである。
 日帝・小泉のこのスタンスは、「日朝首脳会談のやりとり」についての日本政府側の説明資料――もちろん日本政府側のものであり、一面的、一方的なものである。しかし、大きく虚偽の事実をつくりあげることはできない――での小泉と金正日のやりとりに示される。小泉は自己のテーマを次々と先制的に繰り出し、それがまず議論となり、植民地支配問題の総括と賠償・補償に関する部分は後回しになっている。
 小泉は、金正日に拉致問題を絶対条件としてつきだし、背に腹は代えられぬ立場にある金正日は、ついに拉致を認め、13人についての安否確認のリストを提出した。そしてうち8人の「死亡」という大問題を通告した。金正日は、米帝の「テロ支援国家」規定をかわし、日帝・小泉の「絶対条件」の重圧をクリアするためには、ついにこうせざるをえなかったのだ。
 これは金正日体制にとって重大な意味をもつ。拉致=テロル、それも国家的テロルの承認は重大な問題である。国家的テロルとしての拉致を認めた以上、それをめぐる追加的追及や要求を拒否できなくなる。交渉上の一大ハンディとなる。日帝の対北朝鮮の排外主義的扇動の決定的エスカレーションに道を開くものとなっていく。米帝もけっしてそれを見逃さない。長期的には金正日体制への解体攻撃のクサビとしてくい込んでいく。
 日本人拉致問題は、帝国主義の包囲下にある北朝鮮スターリン主義の反革命的対抗的反人民的政策の一環として強行された反階級的軍事作戦であり、われわれは真っ向から断罪する。それは、北朝鮮スターリン主義が世界革命の立場、南北分断打破の立場、朝鮮民族解放=自己解放の立場、被抑圧民族と帝国主義国労働者階級の団結の立場に立っていないことをはっきりと暴露している。
 したがって、拉致問題を金正日が開き直り的に認めたことは、すべての朝鮮人民に大きな不信、怒り、絶望をもたらしている。とりわけ帝国主義日本社会の中にいる朝鮮総連傘下の人びとはもちろん、すべての在日朝鮮人が受ける打撃はきわめて大きい。金正日は、在日朝鮮人民総体を今や棄民政策で切り捨てるという大裏切りを行ったと言わなければならない。
 さらに金正日は、不審船問題においても、北朝鮮の°国家的行為″であることを認めた。これも今後に大きく尾をひく。
 不審船問題を認めただけではなく、核・ミサイル問題などの安保問題を日朝間の交渉のルールにのせるとしたことも重大である。これは将来、日帝が米帝の対北朝鮮戦争政策に協力(共同・競合)するというケースにおいて決定的なテコとなるからである。
 日帝・小泉が〈内外危機の土壇場であえぐ>金正日に、おしつけた今ひとつの重大な問題は、賠償・補償方式から「請求権の相互放棄」と「国交正常化」後の「経済協力」方式へと原則的スタンスを変更させたということである。これは、日帝の植民地支配という問題、あるいはそれをめぐる民族解放戦争と日帝の侵略戦争との激突という歴史を抹殺し、経済協力という日帝のヘゲモニーを貫ける方式を強制するものであった。すなわち、これは経済協力の名において、日帝が北朝鮮の政治・経済に介入し、新植民地主義的侵略政策を貫く道を開くことになる。
 これは抗日パルチザン戦争の評価ひいては金日成主義・金日成神話の崩壊的危機につながる問題にも発展する意義をもつ。
 もちろん、金正日のこのような日帝・小泉に対する対応は、米帝の攻撃圧力をそらし、日帝からの「経済協力」をテコにして、国内経済の破綻(はたん)的危機をなんとしてものりきろうとするための切羽つまった政策としてある。しかしながら、こうした金正日の政策は実際にはすべて両刃(もろは)の刃(やいば)であって、米・日帝の対北朝鮮の反革命的政策の一層の激化をひきだすものとなっていくだろう。
 すでに拉致問題や核開発とミサイルと通常戦力という安保問題が北朝鮮スターリン主義の思惑をこえて重大化しつつある。
 拉致問題について言えば、金正日がいったん正式に認めたということを軸点として、ある意味で「拉致家族の当然の要求」という形式で、金正日体制を揺さぶる帝国主義的排外主義的武器として、どこまでもいつまでも働き続けるものとなっている。さらに、いわゆる不審船問題やミサイル問題、核開発問題などを正式の交渉対象としたことが、予想をこえる大きさでやはり金正日体制を揺さぶり、しめつけることもはっきりしてきた。ただ、北朝鮮危機の深刻さを米帝と日帝がどう読み、その急激なルーマニア的崩壊――1989年東欧スターリン主義崩壊の一環としてチャウシェスク体制が一挙的に打倒されたルーマニア的危機の爆発――を避けて、当面コントロール下におくという点でどうするか、あるいはイラク情勢の推移からどうするか、などの問題があり、日朝国交正常化交渉は予断を許さないといえる。

 米帝の「北朝鮮=悪の枢軸」論−体制転覆攻撃が根底に

 今日の現実のもとでは、米帝の対北朝鮮政策(または対日朝会談対応政策)が情勢を大きく規定しているし今後もしていくだろう。米帝は今、対イラク戦争問題と全力で取り組んでいる。このイラクへの集中の必要からして、さしあたって北朝鮮―朝鮮情勢、アジア情勢をコントロール可能な状況におくことをめざしている。この枠内での日朝関係の展開やそれによる一定の北朝鮮情勢のコントロールを歓迎し支持するであろう。あるいは、そのためには日朝会談をテコとしてケリー訪朝やそれに続く米朝関係の一定の交渉関係化も進めるだろう。
 しかし、米帝は基本認識として、北朝鮮は本質的に「悪の枢軸」国家であり、「テロ支援国家」たることをやめないとみている。したがって、基本政策として一定の時期に体制転覆を視野に入れた戦争を仕掛けることをあくまでも狙っているということである。94年米朝枠組み合意の破棄が日程にのぼってくることは避けられない。また、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)ルート、その他のルートをとおしての新植民地主義的侵略の内在的貫徹を狙っていくことも続ける。したがって米帝は、日朝の正常化交渉なるものがストレートに日帝の思惑どおりに、つまり日帝的新植民地主義的介入強化として進むことは認めないであろう。この意味では、米帝はいわゆる大量破壊兵器問題(核およびミサイル問題)をめぐって、また北朝鮮のスターリニスト権力的あり方の根幹をめぐって、非和解的対立関係を保持し続けるであろう。
 このことは、日帝もよく承知していて、日朝国交正常化交渉による新植民地主義的介入の強化を進めるとともに、さしあたっては米帝的枠内でそれを進めることにとどめるであろう。
 以上のように、米帝の世界戦争政策および日帝のそれへの協力との関連で9・17日朝会談をとらえるということである。

 米帝世界戦争戦略への日帝の共同的=競合的参戦政策

 いわゆる日朝国交正常化交渉は、さしあたってかなり速いテンポで進行しつつある。それは日朝ピョンヤン宣言の前文および第1項と第2項の内容が示している。
 前文では、「日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致する」とうたっている。
 第1項は、「国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注する」としており、「2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開する」としているのである。
 第2項では、「双方は……無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致する……誠実に協議することとした」ときわめて具体的に経済協力の方式について言及している。
 また、第4項において、「双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力……」「地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していく」などとしているのは、朝鮮情勢への米・中・南・北・ロ・日の6カ国の安保協議的枠組みをつくるということである。日帝はアジア政治大国的動向への道を開く手がかりとしようとしているが、それはそう簡単ではありえない。
 こうした日帝の朝鮮半島への介入度の著しいレベルアップは、米帝の政策と共同・競合のきしみあいの中でのみ進む。またストップ・アンド・ゴーともなる。
 すなわち、日朝関係は、米帝のイラク攻撃戦争陣形づくりの政治の中で進むのである。これが最大基軸にある。
 同時にそれは、米帝の対中国・対北朝鮮戦略の枠組みの中で進むのである。これが基本軸と言える。
 日帝は、米帝の世界戦争計画との共同・競合の関係で日帝的な帝国主義的目的を貫いていくしかない。したがって日帝は、イラク侵略戦争支援・有事立法攻撃の強化と一体のものとして日朝関係を進めるだろう。
 総じて、米帝の世界戦争計画を軸とし、日帝のそれへの共同・競合の戦争政策を今ひとつの軸として、日朝関係はそのプロセスの一コマとして進むということである。

 拉致問題を口実・テコとした北朝鮮への排外主義許すな

 日帝は戦前的植民地支配をとおして、また戦後的新植民地主義的政策をとおして、朝鮮、北朝鮮に対しておそるべき行為を積み重ねてきた。戦後の場合でも、米帝と一体となって南北を分断し、50年朝鮮戦争の担い手となって朝鮮人民にとてつもない反革命行為を働いてきた。また、戦後一貫して軍事的・政治的・経済的重圧を加えて、北朝鮮に打撃を強制してきた。しかも、一片の謝罪も賠償もしてこなかった。また、150万人にものぼる膨大な残酷きわまる強制連行・強制労働(圧倒的な千倍、万倍の拉致のことだ!!)をしてきた。
 朝鮮人民、北朝鮮人民はこれと闘ってきたが、金日成・金正日のスターリニスト政権は、それを真の民族解放・革命戦争として南北統一に向かって進めるという政策をとらず、反人民的反革命的スターリン主義政策をとってきた。この行きづまりの中で、70年代〜80年代に、問題となっている拉致問題も引き起こしたのである。この点はやはり許されるべきではないし、正されるべきである。もちろん、それはまず北朝鮮人民自身によって、そして国際プロレタリアート人民の手によって(あるいはその立場に立って)である。
 ところが、いま進行していることは、帝国主義の重圧の中でどんづまりまで追いつめられた北朝鮮のスターリニストが行った拉致問題を口実とし、テコとして、これを北朝鮮に対する(これは朝鮮全体に対するのと同じ)新しい侵略戦争や新植民地主義的侵略のための情勢をつくるための大運動へとすりかえているということである。
 はっきり言って、われわれは北朝鮮スターリニストの拉致について、正しいと思わない。しかし、これが今日進行しているように、帝国主義の戦争政策の推進の中で、帝国主義外交の道具とされ、利用され、北朝鮮への排外主義を巻き起こす口実、テコとされているという事態を断じて許すことはできない。米帝と日帝がアフガニスタンやイラクのように北朝鮮も攻撃するぞと重圧を加えて、北朝鮮政府に譲歩を強制するやり方がとられている。そして、北朝鮮政府が「譲歩」すれば、それをテコにさらに「譲歩」を迫るというやり方を推進しようとしているのだ。
 そして、いわゆる国交正常化交渉なるものが戦慄(せんりつ)すべき北朝鮮侵略戦争へのレールを敷いていく舞台とされようとしているのである。北朝鮮人民を裏切って、日帝の植民地支配や新植民地主義の問題を塗り隠し、否定するような「経済協力方式」を北朝鮮政府に強制し、彼らを日帝の資金提供力でもって引き回そうとしている。まさに新植民地主義的経済侵略そのものである。そして、他方では拉致問題を帝国主義外交の道具として、あくどく使いぬこうとしているのである。そして、拉致問題や不審船問題、核問題、ミサイル問題などの「安保問題」をからめつつ、(日朝人民をだましながら)圧力を加え続けようとしている。このことは、イラクから北朝鮮、中国へと侵略戦争を拡大していく米帝の世界戦争計画にそって、日帝・小泉政権が、全面的に協力して再び朝鮮・中国への侵略戦争へと突入していく口実とされ、テコとされようとしているのだ。
 日帝によるこのような拉致問題の悪用と闘うためには、そして問題を北朝鮮人民(本質的に全朝鮮人民)自身の手によって、また国際プロレタリアート人民自身の手によって真に解決していくためには、何が必要か。日本人民自身も、日帝下の現実の中で日帝に加担させられることによって、長い朝鮮植民地支配をとおして、朝鮮人民への断じて許されない反革命的な虐殺・圧殺・抑圧に手を貸してきたことについて、徹底的に問題としなければならない。日帝を糾弾・打倒するとともに、自己自身の階級的自己批判も行っていくことである。
 特に、拉致とからめて言うなら、強制連行という歴史について、巨大な問題としてはっきり受けとめなければならないのである。150万人という規模で行われた日本への強制連行こそ、まさに国家による大規模で組織的な拉致そのものであったのだ。そして、多くの人びとが強制労働につかされ、死んでいった。それに加えて、日本軍の軍隊慰安婦とされた人びとも膨大に存在するのだ。こうしたことが、朝鮮人民に与えた苦しみの大きさはどれほどのものであったか。こうしたことについて、日帝の責任を徹底的に糾弾するとともに、自らも真っ向から受けとめ階級的に自己批判していくという立場を抜きにして、拉致問題をうんぬんするのは断じて正しいあり方とは言えない。この点をあいまいにするようだと、米帝ブッシュや日帝・小泉のもとでこうした拉致問題や核問題を利用して、北朝鮮への新しい侵略戦争を遂行しようとする動きに対して真に闘うことはできない。
 以上のことをスローガン的に確認しよう。
 a.米日帝のイラクに続く北朝鮮侵略戦争策動を許すな!
 b.帝国主義者はスターリニストによる拉致問題を口実とし、テコとして、イラクに続いて、北朝鮮侵略戦争への道を開こうとしている。日帝は何十万、何百万の朝鮮人民を虐殺しようとしているのだ。断じて許すな!
 c.帝国主義者は拉致問題を口実とし、テコとして、「植民地支配の歴史と犯罪」をごまかし、塗り隠そうとしている。断じて許すな!
 d.こうしたやり方は拉致問題の解決どころか、その悪化と深刻化を引き起こすだけだ。
 e.「闘う朝鮮人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱へ」の立場に立って、7・7自己批判の立場に立って闘い、排外主義を打破し、日朝人民の連帯をかちとっていくことこそが、一切の問題を真に解決していく道を切り開く。
 f.朝鮮人民・在日朝鮮人民の南北分断打破=革命的統一の闘いを支持し、連帯してともに闘おう!
 g.米日帝のイラク侵略戦争反対!
 h.米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争反対! 有事立法粉砕!
 i.反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利をめざし、全世界の労働者と被抑圧民族は団結せよ!

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週刊『前進』(2076号5面5)

DON'T ATTACK IRAQ 闘うムスリム人民 世界の人民と連帯して 
 劣化ウランと経済制裁で160万人が犠牲 湾岸戦争から11年のイラク人民の生活

 米帝ブッシュ政権は早ければ11月にもイラク侵略戦争に突入しようとしている。何十万何百万というイラク人民を大虐殺する凶暴な侵略戦争が再び行われようとしているのだ。これを絶対に許してはならない。全世界で決起している労働者人民と連帯し、この日本でイラク反戦闘争の巨万の決起を巻き起こそう。
 そのために、帝国主義の中東支配、とりわけ91年湾岸戦争(イラク・中東侵略戦争)とその後の経済制裁や空爆でイラク人民がどのような現実におかれているのかをはっきりさせよう。

 放射能被害

 湾岸戦争で使われた米軍の劣化ウラン弾によって、ガンや白血病などの放射線や化学毒性の被害が、時がたつとともにますます深刻になっている。白血病やガン、無脳症などの先天性異常、さらには経済制裁による栄養失調のために5分に1人の割合でイラクの子どもたちが死んでいる。バグダッドにある白血病専門病棟のある二つの病院の一つ、マンスール病院だけでも毎日4〜6人の子どもが亡くなっているという。
 イラクではガンや白血病の治療ができる病院が限られており、しかも経済制裁の中で治療のための材料や施設、薬品が手に入りにくい。治療を待っているうちに死んでいく人、薬がなくなって治療を受けられなくなり死を迎える人など悲痛な現実が人民の上に重くのしかかっている。
 劣化ウランは、天然ウランの中から原爆や原発の原料となるウラン235を分離し、ウラン235の含有率が低くなったウラン(ウラン238)である。「劣化」と付いているが実際はウランそのものである。ウランは比重が重く、硬度も高く貫通力に優れている。また衝突の際に発生する摩擦熱で発火して燃焼し、戦車の乗員を焼き殺す。その際燃焼したウランは粉末となって空中に飛散する。
 このウラン238の放射能の半減期は45億年で、ほぼ地球の余命と同じだ。すなわち、劣化ウラン弾による放射線被害は永久になくならない。湾岸戦争では米英軍によって戦車からの砲弾として約1万個、航空機の機関砲弾として約94万個が使用された。使われた劣化ウラン弾は8万8千dにのぼり、広島型原爆の1万4千倍から3万6千倍の放射性原子に当たる。劣化ウラン弾はまさに核兵器そのものである。

 栄養失調死

 次に、劣化ウラン弾以上にイラク人民の生活に広範な影響を及ぼしているのが国連の経済制裁である。
 イラクは湾岸戦争の直前まで食糧自給率が3割で、7割を輸入に頼ってきた。また国家収入の9割を石油輸出に頼ってきた。その石油輸出がヨルダン向け以外止められたことの経済的影響は激甚であった。
 湾岸戦争後、輸出入を近隣諸国とのヤミ交易に頼らざるを得なくなり、物価が著しく上昇し、一時は年率500%ものインフレになった。食糧品価格は、95年の段階で4000倍になった。人民の生活は著しく困窮を極め、上級公務員ですら終業後にアルバイトをせざるを得ない状況になった。人びとの多くは政府からの一日あたり1000`カロリーの配給に頼って生活している。
 こうした中で食糧不足に伴う栄養失調が深刻な問題となり、特に体力の弱い子どもたちに襲いかかった。乳幼児の死亡率が著しく上昇した。首都バグダッドでは戦争前の乳児死亡率が8・04%だったのに対し、95年では16・07%に倍増した。5歳未満児死亡率も4・06%から19・82%に激増している。栄養失調の子供が増えており、91年〜95年の間に成長不良の子供は2倍、低体重児の子供は7%から29%になった。
 しかも経済制裁で医療衛生関係の物資も著しく不足している。注射用の抗生物質から点滴薬、麻酔薬さえ手に入らない。医師たちは薬がないために手の施しようがなく、死んでいくのをむなしく見守らなければならない状態になっている。
 また米帝は、湾岸戦争でイラク人民の生活基盤となる電力施設やミルク工場などを狙って破壊しており、その影響が今でも深刻に残っている。特に経済制裁で上水の殺菌用の塩素が輸入できないことによって浄水施設が機能しなくなっており、コレラなど伝染病の被害を大きくしている。

 世界的批判

 経済制裁のこうした深刻な影響に対して世界的に批判が強まり、96年12月から「食糧のための石油」計画が開始され、一定の枠でイラクの原油輸出が認められた。しかしこの計画は、戦災補償などが義務づけられており、イラク中央政府の取り分は輸出代金の半分程度にしかならない。しかもその輸出代金も国連が管理し、輸入物資については国連が承認した人道物資に限られ、それすらも、半年間の期間終了時に届くのはほんのわずかである。食料は4分の1程度、医薬品に至ってはわずか1%という状態である。しかもそれは米英が制裁委員会を使って輸入案件を保留する形で意図的に遅らせるのである。
 こうした劣化ウラン弾による被害や経済制裁、さらには米英軍によるうち続く空爆によって湾岸戦争後に命をなくした人は160万人にのぼる(イラク政府発表)。そのイラク人民の頭上に猛爆撃が加えられようとしている。米帝の中東・石油支配、世界支配の再編のための世界戦争計画の発動としてのイラク侵略戦争を、何がなんでも強行しようとしているのである。
 この凶悪な侵略戦争を絶対に許してはならない。
 イラク人民の大虐殺を黙ってみていることが許されるのか。日帝は、91年湾岸戦争で130億jの資金を拠出し、イラク人民大虐殺に手を染めた。さらにアフガニスタン侵略戦争に自衛隊を派兵して参戦し、アフガン人民を大虐殺しているのだ。中東・イスラム諸国、ムスリム人民への血債にかけて、職場で、学園で労働者人民の巨万の決起を巻き起こし、イラク侵略戦争を絶対に阻止しよう。
 (秋原義明) 

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