ZENSHIN 2003/01/01(No2084 p16)

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週刊『前進』(2084号6面1)

青年労働者座談会

革命の展望開く青年労働者の獲得へ
 国労5・27臨大弾圧うち破る大運動で1047名闘争勝利へ!
 マル青労同を担うのは新たな世代! 勝負の年へ躍り出よう!

 出席者
 国鉄労働者(動労総連合) 谷口好夫
 国鉄労働者(動労総連合) 北嶋 拓
 国鉄労働者(国労) 斉藤 聖
 国鉄労働者(国労) 井上貴志
 全逓労働者 沢井洋介
 自治体労働者 鈴木一樹
 都労連労働者 吉岡俊輔
 教育労働者 今井由紀
 電機労働者 大山憲二
 金属労働者 村山亮一
 金属労働者 青山 翼
 合同労組労働者 矢部 修

02年の激闘を闘って

 6回大会路線でけん引 北嶋
 渦巻く怒りを組織して 大山

 21世紀革命の実現へ向けて闘いの最前線に立つ青年労働者に、02年の闘いの総括と03年の抱負を語り合ってもらった。とりわけ、多くの青年労働者を組織してマルクス主義青年労働者同盟を戦闘的に再建し、未来を切り開く青年労働者運動をつくり出すための討論が深められた。(司会・本紙編集局)
 司会 まず、02年を闘い抜いて、一番思っていることはどういうことでしょうか。

 自分自身が変わる

 北嶋 一昨年、革共同は第6回大会を開催し、反帝国主義・反スターリン主義、マルクス主義・レーニン主義に基づく党、社・共をのりこえる本格的な労働者党を現代社会に力強く登場させると宣言しました。また、カクマルへの歴史的勝利を宣言した。それをかちとったのは労働者党員の存在と闘いです。
 その後に9・11反米ゲリラ戦があり、その情勢のもと、昨年は動労千葉を先頭に春闘を闘い、20労組の闘いに連帯して有事立法反対を闘い、同時に国鉄闘争を闘ってきた。この1年間の闘いを牽引(けんいん)してきて、僕自身が変わったという気がしています。
 革共同が日本の労働運動全体を揺り動かす端緒を切り開いてきました。そして今、イラク反戦闘争に多くの青年労働者が結集し始めています。この青年労働者を獲得し、第6回大会の路線を物質化していくことに勝負がかかっていると思います。
 斉藤 11月の国労全国大会に向けてはいろんな議論がありました。4党合意に反対することは権力・JR資本と断固として闘うということと一体だから、「そういう覚悟が組合員にできてるのか」とか、「もう国労はダメだ」という意見もあった。そういう雰囲気だからこそ、「ここで頑張らなければ」と思って、職場の仲間と徹底討論しながら闘ってきました。
 大会後、与党3党が4党合意の破棄を公式に宣言した。大会を前にして5・27臨大弾圧をかけてきたけれど、結局それでも国鉄闘争をつぶせなかった。これは、僕らの闘いがつくりあげた大きな地平だと思います。
 井上 国労内のごたごたが続く中で、職場の労働者は依然、党派・学校政治に組みこまれている。でも真剣に話をすると、いろんな疑問も投げかけてくる。11月の大会にも職場から1人連れて行ったけど、組合員自身が「このままでいいのか」と危機感を持っている。自分の考えを隠さずに正面から訴えることにより、労働者は必ずこたえてくれるということを、つくづく実感しています。

 画期的な11・10集会

 谷口 動労千葉は田中委員長体制になって1年たちますが、第2の分割・民営化攻撃が本格的に始まり、組合員の団結を強化して必死になって反撃し、動労千葉の長い歴史の中でも本当に大きな勝利をかちとった年になりました。春闘で4日間のストライキを闘い、職場支配権を奪い戻した。外注化を阻止し、組織破壊攻撃も封じ込めた。
 動労千葉は今、「さらに第2ラウンドを闘おう」と熱気に満ちています。方針や路線を徹底的に討論して「これで行くぞ」と団結を固めた時には、労働者は変わる。労働者の持つ力を実感した1年でした。
 他方で、4月に「1047名の不当解雇撤回、国鉄闘争に勝利する共闘会議」が結成され、秋には国労、全動労、動労千葉の3労組が同じ壇上で発言して、1047名闘争として闘いぬく陣形を築き上げました。
 さらに反革命カクマルを崩壊の道に引きずり込みました。
 激動期とは、小さな党であっても、その力を発揮すれば一気に事態を打開することができる時代だということを、1年間の闘いが示したと思っています。
 関西生コン支部、港合同、動労千葉の3労組が呼びかけた11・10集会は、内容的には画期的なものでした。北朝鮮の拉致問題を口実とした排外主義攻撃や、国労5・27臨大弾圧に対して決議や声明を発した。その内容を本当に僕ら全体が共有して力を発揮すれば、もっと多くの労働者に集まってもらえたと思っています。
 沢井 去年は、20労組の集会や11・10集会に、職場の青年労働者を継続して組織することができました。それが一番よかったなと思っています。
 20歳代の仲間たちと、仕事が終わって酒を飲んだりもしながら、ざっくばらんに話し合う中で、何か難しい話をしなくても、「じゃあ行こうじゃねぇか」って感じになっています。
 今井 青年労働者が、4月、5月、6月、9月、そして11・10集会と、集会やデモにずっと連続して決起しました。青年労働者の組織化では、反戦闘争が大きな契機になっています。とにかく「青年は決起するぞ」ってことを一番実感し、確信を持った1年でした。
 大山 今、職場には労働者の怒りが渦巻いてます。リストラ、賃下げ、一時金も下がるし、有給休暇もとれない、サービス残業も強いられる中で、不満がうっ積しています。その労働者の怒りをどう闘いに結びつけていくのか。労働者の立場で情勢を正しく認識して、労働者の先頭に立って闘いをつくることが大事だと思っています。
 青山 去年、青年労働者を集めて『前進』のフラクを始めました。最近は『共産党宣言』をやっています。『新訳「共産党宣言」』(現代文化研究所版)は岩波文庫とかよりずっとわかりやすくていい。それで「労働者って何か」って話しています。
 職場に党をつくるということをもっと意識的にやらなければならない。組織は自分の意識を反映しますから、自分が飛躍しないと組織はできないんです。闘う方針を自分でつくりあげて、勝利の展望を示すことだと思っています。
 矢部 やっぱり9・11は大きいですよね。今後かなりの勢いで若い労働者が動くという実感があります。高校を卒業しても就職先がない。そういう時だから、青年労働者の組織化が今後ガーンといくと思っています。
 鈴木 職場破壊的な賃下げ攻撃が押しつけられ、「労使合意」も何度も踏みにじられる中で、既成の活動家はもう完全に展望を失っている。そういう中で、闘う方向性を指し示しながら頑張っています。そうすることをとおして、青年労働者も、また自分よりも年上の労働者も必ず獲得できる、その手ごたえもけっこう感じています。
 吉岡 昨年の秋闘で、都労連本部は「ダブル削減は阻んだ」って言ってストもやらなかったけど、実際にはすごい踏み込みを許したんですよね。人勧のマイナスに加えて2%の削減だし、定期昇給の見直しも合意した。外注化が始まってしまったところもあるし。親組合や他の支部では「都労連はよくやった。大勝利」という総括をしている。でも、僕はやっぱりストライキで賃下げに対する怒りをたたきつけるべきだと思ったから、職場の会議で「敗北的な結末に終わってしまった」という総括を出した。
 そんな中で、職場の中ではけっこうあきらめムードもつくられている。この現実を突き崩すために職場の闘いをつくろうと思ってます。
 村山 多くの未組織の労働者をどう組織化していくのか、倒産攻撃にどう対処して闘っていくのかという労働相談に取り組んだ1年でした。春闘総行動や11・10集会の成功を受けて、3労組共闘からいかに学んでいくのかが見えた1年でした。

転換点迎えた国鉄闘争

 4党合意を完全破綻に 斉藤
 反弾圧で全国x席巻する 井上
 JRの大激変情勢到来 谷口

 司会 国鉄闘争が転換点を迎えた1年でしたが、次に11月の国労定期大会の報告をお願いします。

 国労再生のチャンス

 斉藤 大会では、チャレンジの代議員が「単一体を解消して連合組織にしろ」と「名称変更」まで露骨に発言した。そして、チャレンジも革同も「解決案が出ないのは一部闘争団の責任だ」という点では一致したことを言う。4党合意が最終的に破綻(はたん)することを見越して、その責任をすべて闘う闘争団になすりつけたわけです。それに対して反対派は、「悪いのは本部だ。闘争団じゃない」と抗議の声を上げました。
 スト基金の取り崩しは、連合組織化に向けての財産横流しです。「次期大会まで1年間の職場討議にかける」と決定され、査問委員会も継続。僕は、まだ時間があるなんて考えちゃダメだと思ってます。今の本部が「間違ってました」と謝るわけはない。われわれの対応が早急に求められています。
 大会に参加した人は「会場の中では反対派は少数派だったけど、廊下に出ると、外でわぁわぁ『本部はやめろ』とか叫んでいるのが聞こえて、本当にありがたかった。中だけだったら僕らもあそこまで頑張れなかった」と言ってました。外で闘いぬいたことが、すごく力になったと思います。
 井上 大会会場の社会文化会館前を機動隊が制圧する中で、闘う闘争団や国労に人権と民主主義を取り戻す会を含めて、弾圧に屈せずに闘いぬいたのは、大きな成果だったと思います。大会1日目の朝、起訴された組合員の家族が上京してきて発言したことに、すごく感動しました。
 組合員には闘う気概はまだまだ残っています。JRに採用された僕らにも、劣悪な労働条件においてきたJR資本への怒りがある。国労を再生させるチャンスがいよいよい大きくなってきたと思う。
 国労は「1047名闘争」という言葉をずっと使ってきたけど、初めて、動労千葉、全動労と国労が一つの舞台に立った。いよいよ勝利を切り開く第一歩ができたと感じています。ますます、闘争団とJR本体が本当に一つになって、車の両輪として闘うことが必要になっていると思っています。

 獄中の仲間奪い返せ

 司会 5・27臨大弾圧への反撃がポイントでした。
 斉藤 大会に向かう過程では、反対派の中でもかなり議論があったようです。逮捕の直後に、反対派の中で「中核派問題」を理由にして大会会場前での行動を中止しようという動きもあったようですが、それに対して「全動労、動労千葉も含めた運動の流れになっている」「中核派排除を認めれば、次に排除されるのはわれわれじゃないか。権力はわれわれの分断を意図している」「組合員が組合員を国家権力に売り渡すことは誤りである」「今後、国家権力との闘いであることを肝に据えた闘いを行う」などと、いろんな議論がされたそうです。
 それだけ突っ込んだ議論をした結果、社文の前に集まって闘いぬくことができたわけです。僕の地元でも、職場の仲間が多く保釈要求の署名をしてくれましたよ。
 井上 組合員が代議員に、「おれの主張をちゃんと伝えてくれ」とか、「闘争団の切り捨てに賛成するのか、この野郎」とか言い合うのは、労働者同士なら当たり前のことなのに、国家権力がそこまで踏み込んで弾圧してきた。でも結局、この弾圧によっても闘いはつぶせなかったわけで、逆にこの弾圧に反撃する大運動で全国を席巻(せっけん)した時に、完全に勝てる闘いになると思います。
 国労組合員は、組合員が逮捕されたとなると、怒りの目つきに変わるんです。「そこまで国労本部は腐っちまったか」と。これから、反弾圧の闘いをきちっと大衆的に広げていくことをとおして、国労の階級的再生の足場にして、仲間を獲得していきたい。そして分会の三役の一角に入ろうという決意です。起訴された仲間を早く奪還して、美酒を味わいたい。
 司会 動労総連合からは、この間の闘いについていかがですか。
 谷口 国鉄闘争は、国労だけの闘いじゃなく、すべての労働者の闘いです。それを今の国労本部は、完全に足げにしている。それが昨年ようやく国鉄闘争共闘会議が結成され、そのもとに3組合が結集できた。それをぶっつぶすために、国労の仲間に対する弾圧があったわけです。
 「じゃあ次は動労千葉か」とも思いますが、それを迎え撃つような陣形ができています。今回の国労弾圧に対しても、全人民的な大運動を巻き起こすことが、必ず展望を切り開くと思っています。
 北嶋 昨年の春闘を前に、日経連は「失業問題、特に青年の失業者問題が治安問題になる」と言った。さらに有事法では、軍隊、警察の次に、公務員、そして指定公共機関の労働者を戦争に動員しようとしている。そういう意味でも、権力にとっては労働運動が治安問題化してきますよね。
 分割・民営化攻撃に対し動労千葉が2波のストを闘いぬき、国鉄労働運動は残ってきた。その動労千葉の闘いと国労闘争団が結合することは、敵にとっては大変な脅威です。5・27臨大弾圧は、その危機感に基づく攻撃だと思う。
 どこの産別でも、闘う者に「過激派」というレッテルを張って、労働者と僕たちを分断しようとする攻撃はある。この大弾圧に対して、逆に労働者階級との結合をガーンとつくり出した場合に、03年の階級闘争はガラッと変わってくる。今こそわれわれが主流派に躍り出る時です。
 谷口 カクマルの問題ですが、カクマルを手先にしなければ分割・民営化ができなくて、今もカクマルを抱え込んでいる。しかしその全部をひっくり返す、分割・民営化攻撃の総決算が始まっている。それだけじゃなくて、東労組の中央執行委員8人の辞任に見られるように、JR総連カクマルの内部からも崩壊が始まっている。
 昨年7月、JR東労組千葉地本の大会で新委員長になった小林克也が、大会で「動労千葉をつぶす」と発言した。カクマルがこれほど露骨に言ったのは初めてです。うちの組合員は、動労当時からカクマルとの熾烈(しれつ)な闘いをしてきたから、絶対に許せないと職場で反撃しています。
 JRをめぐる情勢が本当に激変していますよね。1047名闘争をめぐっては4党合意が崩壊し、そしてJR総連を解体する展望も見えてきた。われわれが国鉄闘争全体を獲得する大きな可能性が切り開かれてきたと思っています。

 カクマルとの決着を

 北嶋 不当労働行為のオンパレードを担ってきたカクマルが「不当弾圧だ」なんて言っても、誰も聞きはしません。JR総連は、会社との関係が切られたら何の力もない。今や国鉄闘争は、革命的戦国時代です。分割・民営化攻撃との最終的な決着とは、カクマルとの決着をつけることです。僕らは「動労大改革」をめざしてつくった組合だし、いよいよその勝負の年だと思ってます。
 司会 各地域で新たな国鉄闘争支援陣形ができていますね。
 鈴木 共闘会議に参加している労組の中でも議論はありましたが、4党合意をきっかけにして、「国鉄闘争は国労だけの闘いではない。動労千葉も全動労も含めて1047名闘争だ」という陣形が実現されました。画期的な第一歩を記した1年だったと思います。
 青山 10月の5・27臨大弾圧の後、職場で保釈署名を集めたんです。産別でも、倒産争議に対する刑事弾圧はありましたから、「必ずこういう弾圧があるんだ」と言って職場に下ろしたら、8割以上の組合員が署名に応じてくれた。その反応を見て、「これはいけるな」と確信しましたね。

 11・10で反弾圧声明

 村山 関西生コン支部も港合同も、弾圧と闘ってきた経験がありますから、11・10集会で3労組の『国労闘争団と組合員に対する不当な大弾圧に抗議する共同声明』が出されました。その声明は「この権力の弾圧に対し、地域や産別の違いはもとより、少々の路線や方針の違いを乗り越えて反撃に起ち上がることが労働運動の最低限の原則であり、原点ではないか」と訴えています。3労組の闘いから全力で学ぶことだと思います。
 今井 中曽根の臨調行革以来十数年、権力がずっと狙ってきた公務員制度改革が始まる中で、4党合意でもつぶせなかった国鉄闘争の意義はすごく大きいですよね。今あらためて、国鉄闘争がとても勇気を与えてくれています。

イラク反戦・有事法阻止 職場から反戦闘争に立とう!

 内部から連合見解覆す 鈴木
 青年は反戦に決起する 今井

 司会 昨年1年間、連合の5・16見解や9・12通達を打ち破って、有事法反対闘争、イラク反戦闘争に決起してきました。

 20労組の闘いは重要

 北嶋 20労組の闘いが敵にとってなぜ脅威かと言えば、戦争に動員する労働者の基幹部分がナショナルセンターを超えて立ち上がっていることです。だから連合は、5・16見解や9・12通達を、すごい危機感をもって出してきた。
 沢井 9・11以降、若い人に反戦の話をすると、すごく響きます。「アメリカは一国でもイラクを攻撃するって姿勢を全然崩してない」と話すと、「アメリカって悪いやつだな」と。そこで「日本も有事立法が出てきて、結局は労働者が動員されていく道に来てる」と訴えています。20歳代って、すごいストレートに正義感を持って、「いけないものはいけない」と感じる。それをつかんでいくことが重要だと思います。
 去年、仲間と一緒に、職場で有事立法反対の署名活動をやったんです。それに対して、本部派の役員が、露骨に「やめろ」と言ってきました。これはもう戦争に絶対に反対する労働者への弾圧です。それで「おれはこういう攻撃を受けてる」って若い仲間に言って、「おれらのやってることはやっぱり間違ってないんだよな」ってことを確認して、有事法反対集会にも結集して反撃できました。
 鈴木 自治体労働者は、かつての戦争でもそうだったように、人民を戦争に動員する先兵にさせられるわけです。その内部から、戦争を止める、さらに戦争を革命的な内乱に転化する闘いが求められていると思っています。
 自治労中央は、「有事法賛成」の5・16連合見解を取りまとめる役割を果たした。それに対して8月の自治労大会で「有事法廃案の立場を明確にすべきだ」と、多くの仲間が奮闘しました。
 うちの職場では、百万人署名を持ち込んで、支部として取り組むことに成功して、20労組の集会を始めとして、支部としてできる限り参加しています。
 今井 5月16日の連合の中央執行委員会の中で、日教組の榊原委員長も黙っていたそうなんです。そうやって加担をしている。本当に、「日教組の旗はどこに行ったんだ」って思いますよ。その後、支部で連合のビラが配られたんですけど、それに「これじゃあ、小泉の『備えあれば憂いなし』と同じじゃないか」とかいうコメントを書いて訴えたんです。連合見解は、労働者に「戦争に行け」と言っている。これだけはもう絶対に私たちがひっくり返さなくちゃいけないと思っています。
 でも教組では、青年が反戦闘争からストレートに決起してます。イラク空爆に対して、日教組も残念ながら反対しないんですが、「どうにかしなくちゃいけない」という熱い思いがあるから、青年労働者、特に教育労働者は、反戦闘争にこそ決起しています。
 矢部 特に戦争動員される労働現場は、やっぱり労働条件も過酷になってます。それだけ、徹底的な個別管理をして、団結形態を解体しない限り、労働者の戦争動員はできないってことを示してます。だから、街頭に出ることは重要なんですけれども、職場の内部においてもがっちり闘いぬいていくことが求められる。
 中小・零細はほとんどが長時間労働だし、土日勤務もある。サービス業にも労働者がどんどん流れこまざるをえなくなっている。その職場で力をもたないと、反戦闘争への動員もできないんですよね。動労千葉の春闘ストの時の動員は、やっぱりすごいって思うんですよ。そういう闘いを本当に実現したいと思います。
 大山 電機連合は5・16見解には自動車総連と一緒に、反動性むき出しで加わっています。兵器産業、軍需産業の労組幹部は、もう戦争に賛成という立場ですよ。
 でも街頭に出て、有事法反対の署名を訴えると、若い人はすごくストレートに「おかしいよ。戦争には行きたくない」と署名をしてくれる。今だからこそ、若い人を反戦闘争に組織化していくことができると思っています。
 村山 20労組の闘いの出発点も、防衛的反撃という面があると思うんです。労働組合は、資本攻勢から労働者の生活をどう守っていくのかという、防衛的な要素があります。民間・中小では、「食いぶちをどうするんだ」ってことが、やっぱり先に立つ問題としてありますから、そこからどう目的意識的に攻撃的な闘いへ、さらに反戦闘争へと飛躍させていくか、そういう意識的な取り組みがとても問われていると思っています。
 北嶋 あと、百万人署名がすごく有効だったと思う。連合の5・16見解に対して、百万人署名をとおして階級本隊をつかまえて反撃していくという水路が決定的だということを実証してきたし、これからも重要だと思ってます。
 司会 北朝鮮への戦争と排外主義キャンペーンに対して、職場の労働者の反応はどうですか?
 青山 職場でも「北朝鮮って悪い国だな」と言ってくる。そういう排外主義的な宣伝はあるけど、それに対して「じゃあそこにミサイルを撃っていいのか。空爆して北朝鮮の人たちを殺していいのか?」って言うと、「いや、それはダメだ」と。イラクについても「ミサイルを撃って、戦争していいのか」と言うと、みんな「戦争には反対」って言いますね。

 戦争を狙う排外主義

 鈴木 結局、戦争につなげるため、差別と排外主義をあおるためのキャンペーンですよね。自治体の現業職場には在日朝鮮人や部落大衆も一緒に働いていますから、「差別・排外主義は、戦争に向かうための労働者の分断の攻撃なんだ」と粘り強く話しています。
 今井 「日本帝国主義が行った強制連行は拉致じゃないのか」ということですよね。強制連行で無理やり連れてこられて、今も日本に多くの在日朝鮮人がいるのに。ずっと休戦状態、要するに戦争状態だったわけです。今も。北朝鮮への戦争をあおるためのキャンペーンだと、本当に思います。
 吉岡 あの問題が出てきた直後は、おれ自身も、周りの人はどう反応するんだろうって思いました。でも職場で、おれが「日本はもっとひどいことしてきたよな」って言ったら、組合員が「そうだよな。北海道の線路やトンネルなんてみんな、朝鮮から強制連行された人たちがつくらされて、すごいいっぱい人が死んでるんだもんな」と。若い世代は、みんな、けっこう知ってますからね。
 北嶋 民族・植民地問題というのは、レーニンも言っているとおり、帝国主義と不可分の問題ですよね。だから日本の労働者階級にとっては、被抑圧民族とどう連帯していくのかということが、核心問題だと思う。今、在日朝鮮人とどのように階級的連帯を具体的につくっていくのか、という視点がすごく大事だと思うんです。
 司会 12月12日から16日、イージス艦派兵阻止の横須賀闘争を連続して闘いました。

 学生に負けずに闘う

 大山 横須賀闘争では、何よりも全学連の頑張りにとても感動しました。僕ら青年労働者も、学生に負けない闘争をぜひやりたい。横須賀市民がすごく好意的な反応で、市民の中にも今、戦争への怒りが高まっていることを、デモを闘う中で強く感じました。
 矢部 イージス艦派兵は、戦後史を画する大攻撃です。それを阻むための全学連の実力デモはまったく正当だし、僕らも青年労働者をいっぱい集めて、ああいうデモをやらなきゃいけないとすごく思いました。自衛官の家族が「署名用紙をくれ」と言ってきたり、自衛官や米兵、その家族の注目もすごい。口先だけじゃなく身をていして闘う勢力だからこそ、近寄ってきてくれる。体を張って絶対に戦争を阻む闘いをつくり出すために頑張っていきたいと思います。

03春闘は歴史的大決戦だ

 争議で団結を取り戻す 村山
 現場が闘いを求めてる 青山

 司会 今年の闘い、とりわけ03春闘へ向けて、どう闘いますか。

 賃下げ容認する連合

 大山 電機では、リストラとともに、派遣やパートを入れ、変形の勤務を導入している。僕の職場でも、以前はほとんどが正規社員だったけど、今は若い派遣労働者がどんどん入っています。
 03春闘へ向けた電機連合の1月中央委員会の方針は「賃金体系の維持、総合福祉対策、政治団体の設立」の3本が柱です。「賃金体系の維持」とは、ベースアップ要求はしない、全然闘わないってことです。それどころか、「職種別賃金」を唱えて日本経団連に呼応して賃下げを容認している。
 以前は、春闘と秋闘があったのに、まず秋闘をなくし、今度は「隔年春闘」。自ら闘いの場をどんどん縮小していく。春闘をどう再生していくかが課題です。

 労働相談に取り組む

 村山 僕らは港合同に学びながら闘っていますが、港合同では年間をとおして、春闘の賃上げ、夏の一時金、秋の権利要求、冬の年末一時金を闘っています。その都度、要求日・交渉日に各種の行動が設定され、それを総括する職場集会や大会を開き、組合員が意見を出し合って団結する場がある。
 港合同が労働相談に全面的に取り組めるのは、専従的にやっている人たちが張り付いて、粘り強く闘っているからだと聞いています。例えば、年間1400時間の組合活動時間を確保して、会社から給料をとって組合活動ができる。だから昼間でも、どこで何があっても、駆けつけられる。そういう権利を資本からもぎとっている闘いに、ぜひ学んでいきたい。
 僕が、労働者が団結を取り戻したと実感できるのは、やはり争議を闘っている労働者からです。倒産にあって労働相談に来る労働者とかかわりを持つことをつうじて、お互いが本当に変わっていく。今まではカネ勘定でしか判断してこなかった労働者が「団結して闘ってよかった。素晴らしいことだな」「残りの人生をこれにかけて頑張る」と、人生観ががらっと変わってしまうんです。
 しかも僕ら自身が、争議を指導していくために何を知らなくちゃいけないか、ともにどう闘っていけるのか、ということを本当に勉強して成長していくんです。
 青山 率直に言って、一時金も春闘もあんまり取れないですよね。以前の民同は「これが取れたから勝利だ」とやってきたけど、そういう時代じゃなくなった。
 組合員もわかってるんです。「いくら取れたから勝利した」なんて思わない。「今年は執行部が闘ったかどうか」を見るんです。「闘うって言ったじゃないか。闘え。ストライキやれ」と。こういう時代は、闘って団結を高めることでしか総括ができないし、それを労働者は求めてる。03春闘ではますますそうなると思います。
 矢部 公務員や民間大手では、現場の労働者が去年のベアゼロやマイナスに、ものすごく怒ってますよね。この冬の一時金も実質的にマイナスです。労働者は、住宅ローンやボーナス一括払いを組みながら生活してるわけですから、怒り心頭にならざるをえない。こういう状況下で、さらに劣悪な条件にある合同労組の労働者が、公務員や大手も含めて全体を牽引する立場に立って闘っていきたい。
 問題は、この怒りをどこに向かわせるのかなんです。やっぱり「闘う労働組合をつくろう」ということをばちっと言っていくことが必要です。意識的、組織的な闘いをつくり出すチャンスだと思ってますよね。
 谷口 03春闘は昨年を上回る激戦になる。JRも、もうかっていてもベアゼロ。そして今度は定昇が狙われ、賃下げになるのは明らかです。JR貨物では4月からさらに「賃金制度の白紙的見直しをする」と言っている。賃金を使って労働者を分断する攻撃が本格的に始まる。こういう時こそ、労働組合のもとに団結するという原点が本当に求められます。
 03春闘の過程で、労働者全体の意識ががらっと変わると思うんです。通常国会で、配偶者特別控除をなくし、年金の根本的改悪や、派遣労働の全面解禁、解雇ルールの法制化、雇用保険制度の抜本改悪もやろうとしている。生きる権利そのものが問題になる。
 うちの組合員も「もう生きていけねぇや」って感覚です。「退職したら年金も出ないし、どうやって食っていくんだ」と。だから今、激しさ、荒々しさ、「この世の中を全部ぶっ壊して進んでいく」っていうものをすごく求めています。労働者全体がもう我慢できなくなっている。動労千葉は今、「本当に勝負しようよ」って感じになっていますよ。
 それにこたえきれる党への飛躍が求められていると思います。
 北嶋 最近、賃金の問題に、若い労働者がすごく反応します。賃金闘争は労働者にとって核心的な闘いですよね。だから戦後ずっと、日本の労働者階級全体でぶち抜こうという発想があったわけです。それを僕たちが復権させ、社会を変えること、「革命」という問題を知らせることができるような春闘を闘いたい。
 03春闘の僕らの課題は「3労組とともに闘う労働運動、階級的労働運動の新しい潮流をつくろう」ってことだし、「動労千葉のように闘う労働運動」を僕らがどれだけつくれるかという勝負です。その水路は5・27臨大弾圧との闘いだし、1047名闘争です。
 大資本攻勢の中で、既成の労働運動がすべて成り立たなくなっている。そういう中で労働者は、本当に力ある存在、信頼できる存在を求めている。ある意味では党派選択を求めてる。ものすごく流動化している中で、去年の春闘以上にわれわれがガーンと飛び出していくことです。世界中で労働者が立ち上がっている中で、「日本の労働運動はだめなのか」といったら、絶対にそうじゃない。
 沢井 全逓では今年4月の公社化へ向けて、いよいよ郵政民営化攻撃との全面対決の年になります。昨秋、人事院で初めてマイナス裁定が出され、4月からの8カ月分が冬の一時金で5万円近く減額されました。そして4月の公社化で、賃金が年功序列型から能力主義に変更されようとしている。悔しいことに、全逓本部は「全逓の提言が通ったんだ。働いたら働いただけ、本人が受け取るのは当たり前だ」と言う。若い組合員も「ふざけんじゃねぇ。それならおれらの組合費で食べてる役員の給料は下がるのか」と怒ってます。
 連合全逓本部は、全逓をなくして、第2組合の全郵政とくっついて「公社にふさわしい労働組合にしよう」と言っている。それに対して、現場から強い反撃をつくり出していきたいと思っています。

 教育基本法改悪阻め

 今井 教育現場では今、在職死亡者や休職者が激増してます。学校週5日制とかで、つまらない資料をつくらされたりして、ものすごい超過勤務が強いられている結果です。人勧が基本給マイナス勧告で、年間で約15万円マイナスです。昇給延伸もあって、このまま回復されなかったら、生涯賃金が300万円ぐらい減ります。
 でも「人勧完全実施を」と言うんです。ナンセンスでしょう? 「人勧完全実施」のためにストをやるのか。「ストを闘ったぞ、よーし15万円マイナスだ!」なんて。この「人勧完全実施」だけはなんとか覆したいというのが、職場のみんなの声です。
 公務員制度改革は有事法攻撃そのものです。440万人の公務員労働者に対して「終身雇用制、年功序列賃金を許さない」と言ってきている。それに対して、「人勧がなくなるんだったら、スト権を返せ」とか、能力給に対して「やっぱり統一賃金、統一要求だ」って原点に返る運動が必要です。それこそ「革命だ」っていうような労働運動や春闘が必要です。
 文科省は、教育基本法改悪を今年の通常国会に提出しようとしています。「戦後50年たち、教育基本法の理念は古くなったから、変えなければいけない」と言う。そこでは「新しい時代の教育目標」として「大競争時代を生き抜く日本人の育成」を掲げていますが、これは、他の帝国主義を打倒するぐらいでないと生き残れないというものすごい危機意識の表明です。それこそ北朝鮮への排外主義のキャンペーンを率先して行うことが教育の目的にされる。「日本人の育成」とは、ヒットラーのユダヤ人迫害みたいな血のイデオロギーを吹き込むものです。さらに「人間の力を超えたものに対する畏敬(いけい)の念をはぐくむ」と言って、天皇を崇拝させようとしている。戦争体制に「魂」を入れるのは教育なんです。憲法改悪にも連なった大攻撃です。
 この問題は、私たち中核派が労働者を獲得するのか、帝国主義の側のイデオロギーに制圧されてしまうのか、ものすごい階級決戦だと思っています。
 司会 今年4月には、全国で統一地方選挙が闘われます。
 鈴木 国会の翼賛体制をぶっかくために、それぞれの地域で革命の拠点をつくっていくため、東京・杉並を始め、各地での勝利が絶対に不可欠です。特に東京では、「東京から日本を変える」と石原は豪語しているし、自民党も石原とともに戦争に突き進んでいる。それを東京の地で止める拠点を必ずつくり出す気概で、労働者も決起したいと思います。

青年の組織化のために

 「革命やろう」と訴えて 沢井
 荒々しい青年の隊列を 矢部
 一歩前に出て組織する 吉岡

 司会 03年を、青年労働者の大結集をかちとる画期をなす年にしたいと思います。

 マルクス主義こそ

 北嶋 日本の労働運動全体が青年を獲得できてない現実がある。その中で僕らが新たな世代のマル青労同をつくり出して、青年労働者に未来を提起していくことが核心だと思います。青年の特有のやる気と勇気をフルに引き出しながら、闘いつつマルクス主義を学んでいくスタイルを伝えていく。青年労働者を獲得することは、日本の未来、日本の労働運動全体を獲得することです。
 沢井 まず日常的に接点をどれだけ持つかが大切ですよね。いろんな形で接点をもって、とことん話をすることを続けていく中で、学習会やフラクにつながったり、集会や闘争への参加をかちとることができるようになっています。
 『共産党宣言』の学習会もやったけど、労働者って何なのか。さんざんこき使われて、最後は捨てられる。しかも今や、資本が労働者に賃金も払えない状況にまでなってる。「全逓はスト権がないけど、おれたちがストライキをやったら、世の中は動かないんだよな。管理者はおれたちにいつも文句ばっかり言って、何も働いてないのに給料をもらってる。おれたちが仕事をやめちまえば動かないんだ」って話していくと、わかるんですよ。
 『前進』の読み合わせをすると、みんなつまずきながら読む。普段使わない言葉が出てくるから、「決起せよ」って言われても、「決起ってどういうふうにするんだ?」とか。でも若い世代は『前進』に違和感は全然なくて、「革命的共産主義者同盟って何だ? 正しいことを言っていればいいんじゃないか」って感覚です。もっと持ち込んでいくことができると実感してます。
 北嶋 地域で、20〜30歳代が中心の組合に『前進』の購読を提起したんです。そうしたら執行委員会で『前進』を広げて、この新聞を取るかどうか議論してるんです。「言っていることは正しいけど、ちょっと難しいかな」とか言いながら。全然抵抗ないんですよね。ちゃんと提起したら、全員が取ってくれるような状況なんですよ。

 自主性を引き出す

 青山 職場で『共産党宣言』の学習会を、初めは外から講師を呼んでやったら、「わかんねぇ。自分の生活と密着した感じがない」って言うんですよ。それで「しょうがねぇ。自分でやるしかない」となって、そうすると自分の職場に照らし合わせながら話すわけですから、今までよりも理解が進む。王道はないですね。自分自身もその時々の意識で読み方が違ってくるから、何回やってもおもしろい。
 やっぱり青年労働者運動は、°おもしろいことをやろう″って思います。「自分の好きな闘いをやれ。おもしろいことやれ」って言うと、自分たちで頑張って考えるんですよ。青年を獲得していくには、彼らの自主性を引き出すことが大切です。
 矢部 やっぱりマルクス主義の学習会が大事です。「労働者とは何なのか」ってことをとにかくはっきりさせる。僕がまずやるのは『賃労働と資本』。若い世代って、°土木作業の人たちは労働者″っていうイメージでしかない。でも勉強していくと、「やっぱりおれたちは労働者だ」とわかる。
 今、若い世代に本当に怒りや不満が充満しています。そういう中で反戦闘争に立ち上がり始めてる。青年労働者の獲得の展望が、2〜3年前ともかなり違うレベルであると実感しています。「革命を起こして、社会全体をぶっ飛ばそう」ということを正面から訴えるべき時です。
 荒々しいデモをできる青年労働者をガツンと集めたい。職場、地域で青年労働者を組織して、マル青労同をガーンとつくっていきたいと思います。

 青年部運動が重要

 今井 青年部の意義は大きいですよね。例えば、親組合は、「『日の丸・君が代』反対」じゃなくて「『日の丸・君が代』強制反対」と言うんです。誰もが「『日の丸・君が代』そのものに反対」と思っているのに。そういう中で、青年部では徹底討論して、「強制反対」じゃなくて「『日の丸・君が代』反対」という方針を掲げました。そういう独自の方針を打ち出せるのが青年部ですよね。
 青年労働者が反戦闘争に連続決起する中で、「有事法について勉強しよう」と『前進』を使って学習会を始めました。すごく素朴な質問が出て、なかなか苦闘してますけど、おもしろいんですよね。「イラクと北朝鮮の次は中国なんだ。市場の分割戦なんだ」と言うと、「なぜ外交手段や貿易で市場を分割しあわないのか」と質問されたり。結局、マルクス主義じゃないと、説明がつかない。
 去年は青年を組織できて、みんなが「集まってよかった」と感じています。今年は、マルクス主義での獲得をさらに進めていきたいと思っています。
 村山 これまでの労働相談は倒産してからの相談が多かったけど、最近は「何か起こる前に組合をつくりたい」という相談がどんどん増えている。特に若い労働者が来てます。そういう中で、青年労働者も組織しながら組合をどんどんつくっていける情勢がきているという実感を持ってます。その中で、新たな若手の活動家をつくり出していきたいと思っています。
 大山 組合に青年はいっぱいいるのに、青年部運動はほとんどない。その理由は、既成の労働運動が一番欠如させているのが思想性だからです。闘わないだけじゃなくて、労働者としての思想や階級という概念をなくそうというのが既成の労働運動の幹部なんです。
 それに対して、レクリエーション活動でも何でも、結局、思想性を持っていってもらうような場として利用していかないと、飽きられちゃう。労働者としての意識、自覚を持ってもらうことが核心ですよね。
 吉岡 とにかく、このどうにもならない世の中をなんとかしたい。世の中から「うつ病」をなくしたい。自分で抱え込んじゃうと、出口がなくなっちゃうんですよね。
 だからこそ「革命だ」ってことをガーンと訴えていくことが必要だと思うし、おれ自身が一段超えなければいけないと思っている。ちょっと適切でないけど、全部を敵に回しても言い切っちゃう、やり切っちゃうってぐらいに突き抜けて闘わなくちゃいけないんじゃないか。もちろん、全部を敵にしちゃだめなんですよ。でも気概としては、いったんそれくらいのつもりでハードルを越えて、一歩前に出て、職場で徹底的に責任をとった時に、青年労働者の組織化もさらに進むと思っています。

 JR平成採獲得を

 北嶋 今、1047名闘争と言っても、ここに平成採の労働者がなだれ込んでこないと、年寄りだけの闘いになっちゃう。国鉄闘争を発展させるためには、どうしても青年労働者を獲得していきたい。
 平成採の労働者とのかかわりも、職場で話すことから始まって、昼休みに一緒に遊んで、今度は酒を飲んで、最近、平成採の東労組組合員と一緒にレクが始まった。彼らの方がのっちゃって、仕事が終わると一緒に遊びに行く。そのうちの一人が「自分らが好きなことをやるようにするにはどうしたらいいのか」って言ってきて、「嫌なことは嫌だって言うしかない」って話したりしながら、組織化しようとしています。青年労働者の怒りは職場に渦巻いている。「自分たちの力でJR総連の支配を打ち破ろう」と、青年労働者と一緒に苦闘しようと思います。そのことをやりきった時、革命に向けた青年労働者の部隊ができると考えています。
 谷口 平成採の若い労働者は、もう将来設計が立たない。自分が労働者として生きていける展望が見いだせない。
 動労千葉は「JR総連解体・組織拡大」という方針で闘っていますが、平成採の労働者と話すと、東労組の役員の批判がどんどん出てきますよ。もうわかってるんだよね。「今の状況はカクマルがつくっているんだ」と言うと「そうです」と。「動労千葉の闘いはどうだ」と言うと「動労千葉は正しいです」と、そう素直に言ってきます。怒り・不満は充満しているし、青年労働者を組織化する絶好のチャンスです。
 戦争の危機が迫り、労働者の生きる権利が問題になっている。そしてJRをめぐる情勢が激変し、本格的な組織拡大のチャンスが到来している。すべてが嵐(あらし)のように動き出そうとしています。03年はまさに勝負の年だと考えています。
 斉藤 国労は、50歳過ぎ、50代半ばぐらいの賛成派の幹部は本当に悪いです。考え方が固まっちゃってる。いくら正論を言っても、まったく受け付けない。本当に「毒を食らわば皿まで」って感じです。
 国労には40歳代前半の人たちもけっこう多い。その人たちは、「次の地本の役員はおれらで取ろうな。ああいう年寄りのやり方はあまりにもひどすぎる」って怒ってます。
 やはり青年部組織は本当に大事です。地本や支部では「組織で決まったことは守るべき」とか言われて、なかなか言いたいことが言えない。でも、青年部にはそれが言えるんです。年を取っている人も「生意気なことを言うのが青年部だ」って認識があるし、そういう組織として国労青年部はあったんです。
 国労も、やはり若い人らで頑張っていかなきゃダメだと本当に思います。その一人として、今年も頑張ります。
 村山 うちの地区では労働者党員が中心に座った地区委員会が結成されて、労働者メンバーがどの場面でも中心的存在になって進めるという大きな変革がなされました。労働者が、そして何より僕たち青年労働者が本当に党の中心になって闘っていきたいと思います。
 沢井 自分が立ち上がったように、若い労働者をマル青労同の仲間にしたい。僕がマル青労同に入ったのは、現状にものすごく不満があって、でも「自分だけで思っていても、一人じゃどうにもならないな」というのが一番のきっかけです。現状への怒りや不満は若い人たちみんなが持ってる。それを体現するのがマル青労同の役割です。だから今、同じ世代に「革命しかないじゃねぇか。そうすればすっきりしておもしろいね」って訴えたら、絶対に響くんです。
 北嶋 革命の主体は青年だし、これからは青年が担う時代です。革命の展望は、青年の中にしかない。だから本当に「われわれが主体になる時代なんだ。それを切り開くのはマルクス主義なんだ」と、意気高く闘っていきたいと思います。
 司会 ありがとうございました。ともに頑張りましょう。

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週刊『前進』(2084号8面1)

イージス艦派兵阻止へ連続決起 全学連、再び機動隊撃破
 横須賀 イラク参戦に怒り大爆発

 12月16日、日帝はついにイージス艦「きりしま」の派兵を強行した。日帝はイラク侵略戦争に全面参戦し、再び世界戦争の主体として登場することを宣言したのだ。これに対し、反戦共同行動委員会は、12日の激しい実力闘争に続いて、15、16日、全学連を先頭にイージス艦派兵阻止の連続闘争に決起し、横須賀市民との大合流を実現した。16日には2隻のデモ船と岸壁から出港阻止へ全力で闘った。

 1・19日比谷野音に大結集を

 市民と合流し激動情勢開く

 15日、全学連は再び実力デモに決起した。12日のデモに大打撃を受けた権力は大弾圧体制でデモの封殺を狙った。だが全学連の戦闘意志はそれを上回った。
 デモ隊は権力の弾圧にもひるまず、スクラムをがっちり組んで機動隊に突撃した。とくに指揮者・フロント団の決意はすさまじかった。肋骨を折り、拳を砕かれてもなおデモを率いた。ジュラルミンの盾に頭から突っ込んで機動隊を撃破した。激しい肉弾戦で、引きちぎられたゼッケン、靴、眼鏡が路上に散乱した。1人が逮捕された。仲間を信じ、市民の声援に励まされ、逮捕や流血をものともせず実力デモを貫徹した。
 横須賀市民は全学連の登場を待ち望んでいた。全学連の激闘に感動し、多くの市民がデモ隊とともに進んだ。デモ隊に合流する市民、デモ隊に握手を求める市民もいた。『前進』HPを見て、他県から駆けつけた労働者が『前進』の定期購読を決めた。デモを終えた部隊に、「ご苦労さま」と声がかけられた。
 全学連は自分たちの体を張った闘いが、労働者人民の決起を生みだし、侵略戦争を止められるのだという確信をつかんだ。「デモや集会で社会を変えられるのか」と疑問を感じていた学生も、「必ず変えられる!」と実感した。

 2隻の海上デモ船が肉薄

 16日早朝から、全学連と反戦共同行動委の2隻のデモ船が「きりしま」の出港阻止闘争を展開した。
 午前7時ごろ、右舷に付けていた護衛艦が沖に離れしばらくして壮行式典が始まった。デモ船からは「私たちの敵はイラク人民、アフガン人民ではなく、小泉首相や石破防衛庁長官だ」「これ以上イラクの人びとを殺さないために、自分たちも死なないために、出兵を拒否しよう」と、自衛官と家族に呼びかけた。
 午前9時前、「きりしま」が岸壁を離れた。米軍のイージス艦に「ご武運をお祈りします」(!)と日本語の幕が垂らされ、「きりしま」の自衛官と敬礼を交わした。絶対に許せない光景だ。デモ船は「きりしま」の前に立ちふさがり、「イラク人民を虐殺するな」と弾劾した。東京湾を出るまで追撃して闘った。

 “自分たちが世界を変える”

 15日午後1時、ヴェルニー公園には全国から310人が結集した。
 全学連の独自集会で、内山佳久書記長が「12日の弾圧はわれわれの戦闘意志を高め、逆に隊列を増やした。さらなる闘いで、横須賀を内乱的事態にたたき込み派兵を阻止しよう」と訴えた。「友人が12日に逮捕され、いてもたってもいられず決起した。獄中の仲間と連帯し、派兵を阻止する」(法政大学)など、決意表明が行われた。
 13時30分、全学連の司会で総決起集会が始まった。東京反戦共同行動委代表の三角忠さんが「巨大な反戦闘争の情勢を切り開いていることに確信をもって果敢なデモを行い、隊列を増やそう」と主催者あいさつ。三里塚芝山連合空港反対同盟の木内秀次さんらが連帯のアピールを行った。反戦自衛官の小多基実夫さんが特別報告。東京反戦共同行動委事務局長のけしば誠一さんが基調提起した。
 12日に逮捕され、釈放された井上亮全学連副委員長がアピール。九州大学学生自治会が、「12日のデモで市民と合流し、こうやって自分たちが世界を変えるんだ、と確信した。逮捕されても何度でも立ち上がる。前を向いて進撃するのみ!」と決意表明した。
 横須賀闘争でイラク反戦・有事立法粉砕へ向かう階級的大激動が確実に始まった。さらに、反戦・反軍・反基地闘争の大爆発を切り開こう。ムスリム人民、アメリカの労働者人民と連帯し、イラク開戦絶対阻止へ、1・19全国総決起闘争(東京・日比谷野音/主催・反戦共同行動委)に大結集しよう。

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週刊『前進』(2084号8面2)

“本格的参戦許さぬ” 佐世保で集会デモ 横須賀現地闘争と連帯

 12月15日、佐世保地区労主催の「自衛隊の海外派兵(イージス艦)反対、米国のイラク攻撃反対、有事法制を廃案に!」佐世保地区集会とデモが、浜田公園に240人を結集して行われた。反戦共同行動・福岡と長崎の仲間は、横須賀現地と連帯して総決起した。
 イージス艦「きりしま」の派兵を明日にひかえ、「日本が本格的に戦争に参加していく。断じて許されない」「米軍支援というよりもついに参戦する。イラク攻撃を阻止しよう」と固い決意の発言が続いた。最後に、イージス艦派兵決定を弾劾する抗議文を採択し、デモに出発した。反戦共同行動委は、創意工夫したノボリやプラカードを手にデモを行った(写真)。米海軍正面ゲート前では、ひときわ力強くシュプレヒコールをたたきつけた。
 反戦共同行動委は、その後、歳末の人出でにぎわう佐世保市の中心街・四ケ町商店街で街頭宣伝を行った。佐世保市民が次々と署名した。自衛官の母親が「息子の話ではインド洋は大変らしい。戦争に行ってほしくない」と語った。

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週刊『前進』(2084号8面3)

“改憲許さぬ” 福岡公聴会弾劾

 12月9日、衆議院憲法調査会の地方公聴会が福岡市のニューオオタニ博多で開かれた。有事立法粉砕実行委員会・福岡は寒風の中、正午前から終日会場前で公聴会を弾劾した。(写真)
 午後1時前、傍聴人である梶村晃さん、郡島恒昭さんを拍手で送り出し、公聴会の間も、市民に「憲法改悪を許すな!」と訴えた。
 5時からの総括集会では傍聴人が、会場の中でも「戦争に行かない国会議員が戦争への道を開いている」「自治体職員として再び赤紙を配るようなことはできない」と憲法改悪反対の声が圧倒し、審議委員が立ち往生したと報告した。

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週刊『前進』(2084号8面4)

国労弾圧粉砕の大運動へ 「許さない会」が正式発足

 国労5・27弾圧への大衆的反撃の闘いが始まった。12月19日、佐藤昭夫(国鉄採用差別事件最高裁訴訟参加申立代理人)、加藤晋介(鉄建公団訴訟主任弁護士)、土屋公献(元日弁連会長)、高山俊吉(弁護士)、宮島尚史(労働法学)、北野弘久(憲法学)、山口孝(経営学)、立山学(評論家)、村上寛治(元国労常任顧問)、六本木敏(元国労委員長)、針生一郎(美術評論家)、芹澤壽良(労働法学)、師岡武男(評論家)の各氏の呼びかけのもと、東京で発起人会議が開かれ、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」が正式に発足した。
 同会は、被告の即時釈放と公訴棄却、JRによる被告の不利益扱いを許さないことなどを求める署名運動を呼びかけている。
 同会の発起人は、いずれも長年にわたって国鉄闘争・人権闘争を自らの課題として闘い抜いてきた人びとだ。その立場から5・27臨大弾圧に怒りを燃やし、この弾圧への大衆的反撃をつくり出すことが国鉄闘争の勝利につながることを確信して、闘いの先頭に立つことを決断したのだ。
 この日、発起人と弾圧裁判の弁護人らは、東京の弁護士会館で記者会見し、弾圧の不当性をあらためて暴くとともに、弾圧粉砕の大運動に打って出ることを宣言した。被告の家族は「なんとしても無罪をかちとりたい」と決意を語った。
 この呼びかけにこたえ、弾圧を許さない署名運動を大きく広げよう。2月3日の初公判に結集しよう。

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週刊『前進』(2084号8面5)

“サヨナラ4党合意” 国鉄闘争共闘会議 社文集会と総行動

 12月16日、「サヨナラ4党合意 われわれは進む!戦争・リストラ反対、国鉄闘争勝利12・16全国連鎖中央集会」が、00年7・1国労臨大以来の激突の舞台となった社会文化会館で開かれ、500人が集まった。
 主催者の「1047名の不当解雇撤回、国鉄闘争に勝利する共闘会議」の二瓶久勝議長は、4党合意破棄を受けて「国労本部には解決能力はない。共闘会議が解決する。来年は勝負の年にしたい」とあいさつ。
 この日開かれた鉄建公団訴訟第3回口頭弁論の報告を加藤晋介弁護士が行い、鉄建公団側が「不当労働行為はなかった」とする全動労事件高裁判決を証拠として提出したことを弾劾。陳述を行った仙台闘争団の佐藤昭一さんは「この場から新たな運動を」と訴えた。
 札幌や東京西部などの連鎖集会の報告が行われ、党派・組合の枠を越えた運動の意義が強調された。
 共闘会議の内田泰博事務局長(旭川闘争団)は、全動労と動労千葉の組合員も参加していることを紹介、「人をなぐっておいて『国労が謝ったら人道的に解決する』というのは許せない」と述べ、裁判闘争とJRなどへの大衆行動の方針を提起した。
 生田卍とSO−SOバンドのミニライブや、闘争団員の替え歌によるアピールなどが集会を盛り上げた。
 この日は朝から裁判所前宣伝行動、裁判傍聴と、国土交通省、厚生労働省、JR東日本本社、鉄建公団清算事業本部、最高裁に対する総行動が取り組まれた。JR東日本は300人もの警備員と警察を動員し、本社玄関前に集まった闘争団員らを暴力的に排除した。4党合意崩壊を受けて、いよいよ資本・権力との力勝負となったことを示した。

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週刊『前進』(2084号8面6)

爆取裁判 3同志、ついに保釈決定 検事抗告粉砕し即時奪還へ

 12月19日、東京地裁刑事第11部はついに、迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判を闘う須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志の3同志の保釈を決定した。裁判闘争が最終局面を迎え、同志らの無実が明白になる中で、「未決勾留16年は権力犯罪だ!」という人民の声が地裁を実力で包囲してもぎとった決定である。追いつめられた検事は即日、東京高裁に抗告した。高裁による保釈取り消し策動を絶対に許すな。直ちに総決起し、3同志の即時奪還へ突き進もう。

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