ZENSHIN 2003/08/25(No2114 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2114号1面1)

9月東大阪市議選に勝利しよう
イラク派兵阻止・資本攻勢粉砕! 〈11月〉へ労働運動の大前進を

デモの先頭を行く栗原君子さんと韓・中・米のゲスト(8月6日 広島)
8・6世界の民衆と連帯 デモの先頭を行く栗原君子さんと韓・中・米のゲスト(8月6日 広島)=関連記事4面

 7・27関西、8・3東京の東西革共同政治集会は、きわめて大きな成功をかちとった。その基調報告の内容は、本紙夏季特別号(前号)の高原論文と完全に一体である。集会は「革命的情勢の成熟、革命情勢への端緒的突入」という時代認識を鮮明にさせ、革共同が激しい危機感をもってこの時代に立ち向かい、日本革命―プロレタリア世界革命の勝利に向かって、労働運動・労働組合運動を本格的に切り開いていくことを誓いあった。11月労働者総決起に向けた闘いを実践的・具体的な課題として、戦闘的で同志的な一致をかちとった。米英帝国主義のイラク侵略戦争の泥沼化の中で、日帝はついに自衛隊のイラク派兵をこの秋にも行おうとしている。これに対し、労働者階級の大反撃をたたきつけよう。自治労、日教組、国労の各大会に向けて闘おう。

 北朝鮮侵略戦争阻止掲げて

 日本帝国主義・小泉政権の有事立法・イラク派兵法制定と今秋自衛隊大規模派兵の攻撃、一大資本攻勢に対して、労働者階級人民の怒りは高まっている。労働運動、労働組合運動の防衛・強化・創造を闘いとり、今秋11月労働者総決起をかちとろう。そのために次の諸点を強く訴えたい。
 第一に、全世界的な政治情勢、階級情勢である。最大のカギは、米英帝国主義のイラク侵略戦争が、軍事占領・再植民地化のもとで、「第二段階」とも言うべき形で継続・激化しており、その中で、日帝・自衛隊が本格的に参戦し、大規模派兵を行おうとしていることである。派兵絶対阻止へ全力で闘わなければならない。自衛隊地上軍のイラク派兵は、これまでのPKO派兵とは次元の異なる、決定的な侵略派兵である。
 イラク人民の米英帝国主義に対する闘いは一層激化している。また米兵の厭戦の動きが拡大している。
 これに対して、われわれは「米英日帝はイラクからただちに手を引け! ただちに撤兵せよ! 自衛隊の派兵を許すな!」の闘いを大規模に巻き起こさなければならない。
 同時に、臨時国会での対テロ特措法延長、国民保護法制など有事立法完成の攻撃、あるいは海外派兵の「恒久法」制定の策動が浮上している。03〜04年(さらには05年)の情勢の基底に、この重大攻撃がある。
 第二に、米・日帝国主義をめぐる政治情勢である。
 04年の米大統領選過程の攻防はすでに始まっている。この過程自身が、@まず米帝の経済情勢=世界経済情勢をめぐって、史上最大の経常赤字・財政赤字、住宅バブル崩壊が必至の情勢、失業(率)問題の深刻化を始め、きわめて危機的である。Aそして、イラク侵略戦争に突入する口実とした「大量破壊兵器」をめぐる情報操作問題を焦点に政治危機、政府危機が深刻化している。Bさらにイラク侵略戦争がイラク人民のゲリラ戦争の激化の中で、「第二のベトナム」のように泥沼化し、これが国内危機に転化し始めている。
 だからこそ、ブッシュは「悪の枢軸」論を唱えてイラン・北朝鮮への侵略戦争策動を強め、国際・国内関係の緊張をぎりぎりまで激化させていく。政権自体も内部矛盾できしんでいる。基軸帝国主義=米帝が危機にのたうち回り、その必死のあがきの中で、侵略戦争―世界戦争政策が激化しているのだ。
 これはまた、日帝を直撃し、その危機を深めることになる。イランをめぐる日米帝の利害の対立が表面化している。北朝鮮情勢は、「6者協議」をめぐり、また拉致問題での駆け引きを含めて、極度に緊張している。内部崩壊的危機と帝国主義の戦争重圧に追い詰められている北朝鮮スターリン主義=金正日政権は、唯一の対抗策としての反人民的な核とミサイル政策にしがみついている。日帝は、これに対して絶望的に北朝鮮侵略戦争へと、米帝と共同・競合しつつ突っ込んでいこうとしている。したがって革共同は、「北朝鮮侵略戦争阻止!」を常に中心スローガンに掲げて闘う。
 第三に、9月自民党総裁選から衆院解散―11月総選挙を軸に動くこれからの政治過程が、菅・民主党と小沢・自由党の超反動的、反労働者的な合併問題の政治的インパクトを含めて、きわめて重大な政治情勢になるということである。
 小泉は、今秋臨時国会で対テロ特措法の延長をたくらみ、来年の通常国会で「国民保護法制」や「米軍支援法制」その他をもって有事立法体制の完成を狙っている。さらに教育基本法改悪と改憲への大反革命も準備している。
 一方で菅も小沢も次のない断崖(だんがい)絶壁で、「政権奪取」に向けての賭けに出てきているのである。小沢は「国際貢献」論をもってPKO派兵の突破口を開いた張本人であり、「普通の国」=戦争国家化論者である。菅の民主党も有事立法を丸のみして賛成し、一線を越えた党派である。日本経団連=資本家階級は、この動きに対応して、自民党と二またで資金提供するとしている。
 自民党総裁選過程そのものが、小泉登場の時と同様、大々的なイデオロギー攻撃としてある。小泉か反小泉か、あるいは自民党か民主党かという選択肢の構図そのものが、労働者人民の立場からは断じて受け入れがたいものだ。帝国主義が末期的な危機にのたうち回っている中で、労働者階級の立場を部分的にでも代表できる野党が消滅し、おぞましい挙国一致の戦争翼賛体制がつくられようとしているのだ。
 こうした政局を含めた情勢に対して、帝国主義の攻撃と真っ向から対決する労働者階級、労働組合の戦闘的大結集運動をつくりだしていかなければならない。
 第四に、現在の情勢は、革命的情勢の急速な接近、または端緒的突入の情勢であるが、これは同時に侵略戦争下の治安弾圧との闘いが生死を決するということである。革共同への日常的な弾圧は強まっており、長期獄中同志に対する攻撃も激化している。
 それだけではない。国労臨時大会に対する説得活動を「中核派による暴力行為」に仕立て上げ、国労組合員をすでに10カ月以上も勾留し続けている。大阪・寝屋川では部落大衆に対する差別的な弾圧が行われている。また、一方で共謀罪新設法案が継続審議となって次期国会成立が策動されている。どれも許すことのできない大攻撃だ。
 しかしこの攻防は、情勢が激動期の革命と反革命の激突局面に突入したからこそ起きているのだ。弾圧の中に帝国主義の危機と絶望的あがきを見抜き、広範な人民の怒りではね返そう。

 動労千葉労働運動に続こう

 第五に、全世界の労働者階級が、帝国主義のこうした侵略戦争と資本攻勢と治安弾圧に対決して闘っていることをしっかりと押さえようということである。
 3月の4日間の春闘ストライキを闘いぬいた動労千葉の代表が、アメリカ西海岸の労働組合・ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10と交流を深めてきたことは、決定的に重要である。労働者に国境はない。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、そして韓国の労働運動が、戦争と資本攻勢に対決して果敢に闘いぬいている。そして、ついに日本の労働運動が世界の一翼を占めて闘う国際連帯の新段階が切り開かれたのだ。
 こうした中で、日本の労働組合運動は、重大な局面を迎えている。
 連合第8回大会が10月2〜3日に開かれる。連合の中の最右派組合である電機連合は7月の大会で、奥田ビジョンに呼応して、賃金闘争の破壊解体を推進し、「滅私奉公」を強要し、さらには消費税15%を提案するなど、真っ先に産業報国会化を推進している。このような路線を連合全体のものにするのを許すのかどうかの、重大な決戦となる。
 こうした中で、具体的な取り組みとして、次の四つを実行しよう。@動労千葉労働運動を学び、自らの職場で動労千葉労働運動を実践すること、A国労5・27臨大闘争弾圧に怒りを燃やし、8人の被告たちの意見陳述を読み、「許さない会」を大衆的に広範に組織すること、Bイラク派兵阻止、有事立法廃棄、北朝鮮侵略戦争反対の100万人民決起を切り開くこと、C新生マルクス主義青年労働者同盟の建設に向かって決起すること。これらの闘いを貫徹することの中に、労働運動、労働組合運動の階級的再生の具体的な道筋がある。
 ここで特に強調し訴えたい。9月21日投票の東大阪市議選は、8月3日の「さかぐち克己事務所びらき」をもって決戦に突入した。瀬川博現市議の後継者として立候補する阪口克己氏(部落解放同盟全国連荒本支部書記長)は、高齢者、失業者、労働者の間を走り回っている。住民の闘いの先頭に立つ阪口氏を必ず市議会に送り出すために、全国の力を結集し闘おう。

 労働者階級の闘いに敵対する日本共産党

 第六に、今春のイラク反戦闘争と国会闘争で裏切りと転向を深めた日本共産党スターリン主義を今こそ打倒し、そのもとで苦闘する労働者人民を大胆に結集することである。日共は11月22日の第23回大会で党綱領を全面改定しようとしている。その改定案は6月の第7回中央委員会総会で発表され、日共の党内外に大きな怒りと不信の声を呼び起こしている。
 日本共産党は91年のソ連スターリン主義の崩壊によって、党員の4分の1が離反するほどの打撃を受け、94年にそれまでのソ連を「社会主義」として称揚してきた綱領を根本的に変更する改定を行った。そして、「資本主義の枠内での民主的改革」という、資本主義擁護を綱領路線化してきた。90年代中葉に一定の議席を拡大し、日共・不破はそのもとで野党連合政府を追求し、政権入りするためには「安保条約廃棄」を凍結するという宣言まで行った。だが、00年以来、国政選挙でも地方議会選挙でも、後退を続け、行き詰まっている。この中で、日共中央は、自分たちが今や帝国主義にとって無害な存在であることをアピールして延命しようとしている。
 今回の綱領改定案のいわば最大の特徴は、労働者階級の闘い、階級的団結という要素を完全に一掃したことである。これまでの綱領にあった、「当面の行動綱領」がなくなり、「実現されるべき政策」にすり替えられた。資本や政府権力と闘って何かを闘いとるという考え方をなくしてしまったのである。例えば、次のパラグラフが丸ごと消滅してしまったことは、衝撃的なことである。それは端的に、今日の日共・不破・志位路線が何をめざしているかを示している。
 「党は、すべての労働者の団結権、ストライキ権、団体交渉権を確保し、職場の自由と民主主義を確立し、資本主義的合理化、首切り、低賃金、労働強化に反対し、賃金の引き上げ、同一労働同一賃金を要求する。最低賃金制と労働時間の大幅短縮、非人間的な過密労働の規制その他、労働者の生活と権利を保障する労働立法を実現させる」
 これがなくなった代わりに、「『ルールなき資本主義』の現状を打破し、労働者の長時間労働や一方的解雇の規制を含め、ヨーロッパの主要資本主義諸国などの到達点を踏まえつつ、国民の生活と権利を守る『ルールある経済社会』をつくる」という文章が入っている。「大企業に対する民主的規制」「大企業の社会的責任」「国民の生活と権利を守るルールづくり」という言葉が躍っている。
 労働者が団結し、資本と闘って、生活と権利をかちとるという考え方そのものを一掃し、資本主義にルールを作って大企業に社会的責任を果たさせると書き換えてしまったのである。
 ここには、もはや今の社会が階級社会であること、資本家階級と労働者階級の利害は根本的に対立していること、労働者階級は資本家階級の支配を打倒して自らの権力を打ち建てて自己解放をかちとらなければならないこと、などのマルクス主義の基本的な概念がまったく消し去られてしまっている。これは、日共は資本家階級と根本的に対立することはしませんと誓約しているということだ。
 大事なことは、いま資本主義・帝国主義が日本でアメリカで、世界中で、根底的な危機に直面し、大恐慌が不可避となり、帝国主義的侵略戦争が実際に起こり、世界戦争が始まった時に、日本共産党がこのような資本主義・帝国主義を擁護する綱領をつくっていることの重大性である。
 有事立法が成立し、日帝・自衛隊はまさにイラクに地上軍を送って戦後初めて殺し殺される戦場で戦争を開始しようとしている。その時に、あえて「自衛隊解散」の旗を下ろすのはどういうわけなのだ。
 革共同は、日共は断末魔のスターリン主義として、帝国主義の最後の番兵の役割を果たそうとしていると弾劾してきたが、それがついに綱領の次元でも明白になろうとしているのだ。
 日本共産党の内外にいて、闘いを求めるすべての労働者学生人民に心から熱烈に訴える。帝国主義の番兵、闘いの抑圧者、日本共産党から今こそ決別し、闘う革共同のもと、労働者階級自己解放の闘いに全身を投入しようではないか。

 危機を深めるカクマル両派

 さらに、カクマルとの闘いも重大である。闘う人民に対する襲撃と国鉄分割・民営化攻撃の率先推進で、その反労働者的正体を自己暴露してきたファシスト・カクマルは、最大組織のJR総連=松崎明派と中央派=黒田寛一派とに真っ二つに分裂し、まったく修復できない危機にのたうち回っている。
 JR総連カクマルは、さらに松崎派と嶋田派に再分裂し、JR資本との結託の仕方をめぐって醜い争いを続けている。これは本質的に国鉄分割・民営化の先兵となってきた歴史が生み出したものであり、解決できない矛盾である。JR総連が最悪の分割・民営化協力者だということは、今や国際労働運動の常識になりつつある。
 一方、中央派カクマルは、ますます黒田カルト集団化している。しかし「暗黒の21世紀論」や帝国主義論を抹殺した「ブッシュの戦争」論では、左翼の仮面を着けてやっていくことはできず、この秋をのりきれないことは明白である。
 反革命通信『解放』8月4日付号は、中核派に対するケチつけで1ページを費やしているが、本質的な批判はまったくなく、今春の革共同の闘いにいかに打撃を受けているかを自己暴露している。カクマルが必死になって革共同の労働運動路線にケチつけを図っていることは、この路線の正しさを証明している。
 第七に、以上のほかに、11月総決起に向かっての当面する課題を確認しよう。
 @9・13〜15全学連大会の成功をかちとり、学生戦線の強化・発展をかちとろう。A共謀罪新設粉砕闘争を強化しよう。B秋の反戦闘争の推進力となる反戦共同行動委員会を強化しよう。湾岸戦争後の自衛隊掃海艇派兵に対する闘いから誕生した反戦共同行動委員会は、今イラク人民虐殺の本格派兵を前にして、その真価を発揮する時だ。C三里塚闘争を強化し、10・12全国総決起集会に結集しよう。北富士忍草母の会の渡辺喜美江会長の逝去を悼み、その不屈の闘魂を引き継いで闘っていこう。D沖縄の名護新基地建設阻止の闘いを強めよう。
 本格的に労働運動路線を進める革共同に大結集し、日帝打倒、プロレタリア革命に向かって進もう。

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週刊『前進』(2114号1面2)

ヒロシマ大行動に2500人 反戦反核被爆者の怒り 韓・中・米 国際連帯闘争が前進

 8月6日午後、広島県立総合体育館・小アリーナで開かれた「被爆58周年 再び戦争をくり返すな!8・6ヒロシマ大行動」に、広島を中心に全国から2500人が集まった。韓国、中国、アメリカからゲストを迎え、「イラク派兵反対! 有事法の発動を阻む大運動を! 世界の民衆と連帯し、反戦・反核の国際的うねりをつくろう!」(集会アピール。4面に掲載)と高らかに宣言した。
 共同代表の北西允広島大学名誉教授が、「イラク反戦への若い男女の参加が希望だ」と語り、「広島県教組事務所に銃弾が撃ち込まれるなどの激しい攻撃にひるまず、今後とも闘いぬく」と開会あいさつ。
 被爆者の訴えが始まった。「7・5ヒバクシャの集い」発起人の石田明さんの代理の女性が、7月5日に採択された「ヒロシマ・ヒバクシャアピール」を読み上げた。「ヒバクシャは核廃絶の日まで生きる、生きねばなりません。核兵器なき世界をこの目で確かめるまで」――壮絶な決意に大きな拍手が起こり、ヒロシマ大行動としてこのアピールを採択した。
 続いて第五福竜丸元乗組員の大石又七さんが、「死を選ぶか、生きることを選ぶか、私たち一人ひとりの行動にかかっている」と戦争放棄、核廃絶を訴えた。
 詩人の栗原貞子さんは、90歳の今年、ヒロシマ大行動の共同代表となり、「若い人のために」と4年目の朗読に臨んだ。車イスの栗原さんは、かみしめるように「原爆で死んだ幸子さん」を朗読した。
 続いて国際連帯の最初に韓国の太平洋戦争被害者補償推進協議会の李煕子(イヒジャ)さんが、「日本が有事法制、イラク派兵をすることは、まさに私どもの家族の誰かが死に向かっていることだ」と危機感を表明した。今年、相互訪問・アピール交換が実現した大邱(テグ)からは「広島と大邱の市民が熱く連帯し、戦争を阻止し、平和の気運で東北アジアをいっぱいに満たすことができるよう、ともに前進しましょう」とのアピールをもって訪れた青年たちが、広島での「つくる会」教科書採択を許してはならないと訴えた。
 中国の侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館の朱成山館長は、栗原さんの詩「ヒロシマというとき」に感動したと話し、「日本の加害の事実をはっきりさせ、アジアの平和のためにがんばりましょう」と訴えた。
 アメリカANSWER連合のスー・ハリス代表委員とジャネット・メイズさんは、ANSWERが呼びかけている10月25日の反戦デモへの参加を訴えた。
 こうして8・6ヒロシマ大行動は、熱い国際連帯を交わす場となった。
 次に、基地・安保、有事法制と闘うオキナワから共同代表の佐久川政一沖縄大学教授、有事法制と闘う陸・海・空・港湾労組20団体の村中哲也航空労組連絡会副議長、そして解雇撤回を闘う国鉄労働者が次々に決意を語った。
 佐久川さんは、「国際連帯、アジアの連帯によってこそ問題は解決できる。行動が大事だ」と強調した。
 村中さんは、「千人の自衛隊をイラクに派遣するとなれば民間航空機を使うしかない。運動を強化して自衛隊派遣を止めよう。社会の平和、地球の安全な環境を取り戻そう」と訴えた。
 闘う国労九州闘争団と動労千葉争議団が並んで登壇した。九州闘争団は、「鉄建公団訴訟は、国鉄労働者が政府に初めて攻撃をしかけた裁判。人生をかけて闘う」、動労千葉は「動労千葉は戦争協力拒否宣言をした。03春闘ストを闘い、アメリカ労働組合との合流も生まれた。5・27弾圧は団結権を奪う攻撃であり、1047名闘争とともに負けられない闘いだ」と力を込めて訴えた。
 メッセージ紹介、反戦被爆者の会の下田礼子さんのカンパアピールの後、「核と戦争・差別を許さないヒロシマから」の決意表明に入った。広教組に結集して教育基本法の改悪と闘う女性労働者は「命令で強制された教育にどんな未来があるのか。一層団結を固めて闘う」ときっぱり。ピースリンク広島・呉・岩国の湯浅一郎世話人は、自衛官・家族への働きかけを強め、イラク特措法の発動を阻止しようと呼びかけた。
 「若者のヒロシマアピール」では8・5ピースフェスタを成功させた高校生や若者が大挙登場した。広島大学の学生が「戦争の担い手が人間なら、戦争を止めるのも人間です。がんばりましょう」と結んだ。
 広島県教育長あての申入書と集会アピールが読み上げられ、満場の拍手で採択された。栗原君子さんが閉会あいさつ。団結ガンバロー、行動提起を行って炎天下のデモに飛び出した。「ヒロシマ・ナガサキくり返すな! ノーウオー!」
 途中、広島県教育委員会のある庁舎に「『つくる会』教科書採択を許さないぞ!」とシュプレヒコール、代表団が申し入れを行った。アーケード街では拍手で迎えられ、若者や外国人が次々とデモに参加する感動的な場面もあった。
 デモは平和公園の原爆資料館前に到着。栗原君子さんが「あすからもう1年がんばって闘い、また来年ヒロシマで会いましょう」と訴え、輪になって「団結ガンバロー!」。被爆地ヒロシマの怒りを体現してヒロシマ大行動は大高揚した。

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週刊『前進』(2114号4面1)

8・6−8・9統一実行委 原水禁運動こえる新たなうねり 被曝地からイラク派兵阻止へ

 被爆58周年の熱い夏、広島・長崎では、米帝ブッシュによるアフガニスタン・イラクでの侵略戦争と核兵器=劣化ウラン弾投下に怒りを募らせた被爆者が、有事法制とイラク派兵法を引っ下げて平和祈念式典に来た小泉首相に抑えがたい怒りをぶつけた。この被爆地の怒りと固く連帯し、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会は、8・5ヒロシマ反戦反核の集いから6日早朝の式典弾劾デモ、午前の核廃絶・被爆者解放・小泉来広糾弾集会を開き、8・6ヒロシマ大行動に合流した。8日には長崎市内デモ、長崎反戦集会、そして9日爆心地デモを闘いぬいた。原水禁運動をのりこえる新たな反戦反核闘争のうねりが今秋決戦の展望を開いた。

8・6広島 被青同先頭に小泉糾弾 “有事法は断じて許さぬ”

 被爆58周年となる8月6日早朝、広島市中区の平和記念公園で開催された平和祈念式典への小泉首相の出席に対して、全国被爆者青年同盟を先頭に怒りの糾弾デモが闘われた。
 式典開始の約1時間前の午前7時過ぎ、東千田公園に約150人が結集した。反戦被爆者の会の大槻泰生会長は「58年前の被爆が昨日のようだ。小泉は自衛隊を戦場のイラクに派兵しようとしている。ヒロシマ・ナガサキを再現する侵略戦争への道を許してはならない」と切々と訴えた。被青同の中島健委員長は「闘うイラク人民と連帯して、被青同は闘いぬく」とイラク派兵阻止の決意を示した。動労千葉の滝口誠さんが動労千葉の戦争拒否宣言や訪米を報告、「米国や韓国の労働者の闘いと連帯・共同する闘いをつくろう」と呼びかけた。最後に全学連の井上亮副委員長が「全学連は内乱的闘いの先頭で闘う」と決意表明した。
 被青同を先頭に平和公園に向かってデモに出発した。電車通りを北上、中国電力の本社前では、上関原発の建設阻止などを訴えて座り込む労働者とエールを交換、平和公園に接近した。原爆投下時刻の午前8時15分、平和公園の対岸をデモが進んだ。戦争法を次々と強行する小泉が平和祈念式典になんの用があるのか。怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 最後に被青同が原爆ドーム前で「小泉に来広の資格はない。平和公園を靖国神社にしようとしている」と弾劾し、米帝が「核の使用に踏み込もうとしている」と核戦争の危機を訴え、今後の闘いを誓った。

 被爆体験語り反戦反核誓う

 6日午前、「核廃絶・被爆者解放・小泉来広糾弾集会」が広島市中区のアステールプラザで行われた。被爆者が自らの被爆体験を語り、二度と侵略戦争を許さない決意を誓った。
 反戦被爆者の会に続き、解同全国連広島支部の三浦茂文支部長が「爆心地から1800bで被爆した。『水をくれ』と大勢が水を求めて死んでいった」と語り、「有事法とイラク派兵法で日本は戦争に参加できるようになった。58年前と同じ体制に戻ったのではないか」と警鐘を鳴らした。
 また在日朝鮮人被爆者が「8歳の時に被爆した。被爆で人生が変わった。原爆が憎い。被爆者は高齢化し、死んだらヒロシマが風化してしまう。若い人に引き継いで」と訴えた。

 ビキニ被爆の大石さん訴え 「反核の集い」

 5日夕、広島市中区のアステールプラザで「ヒロシマ反戦反核の集い」が行われた。「8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会」の主催で約100人が参加した。
 1954年のビキニ環礁での水爆実験で被爆した第五福竜丸元乗組員の大石又七さんが講演した。「当時は、プレスコードで広島・長崎の被爆についての知識もなかった。大きな光、地鳴り、雲……何か分からなかった。真っ白な灰を全身にかぶり、広島の爆心地から800bに匹敵する放射線量を被爆した」と生々しく当時の様子を語り、「23人の仲間の半数以上が、肝障害や癌など共通する病気で亡くなった。しかし政府は被爆者として認めず事件後9カ月で政治決着し、被爆者を抹殺した」と強い怒りを表し、核兵器が再び使われかねない状況の中で、死んでいった仲間のためにも当事者が訴えねばと、証言を始めた心情を語った。
 続いて京都大学原子炉実験所の小出裕章さんが「朝鮮民主主義人民共和国に原爆は作れない」と題して講演。「北朝鮮にはウラン濃縮やプルトニウムを抽出する能力はない。日本の原発の百分の1くらいの実験用の原子炉がひとつあるだけ。もし仮にプルトニウムを抽出できるとしても米国の10万分の1の量にもならない。逆に日本はすでに何十メガトンという単位の原爆が作れるプルトニウムを持っている」と具体的な数字を指摘し、日米帝の「北朝鮮の核の脅威」のデマを完全に暴露し、排外主義を痛烈に批判した。
 続いて6日のヒロシマ大行動に参加するために来日した米反戦団体のANSWERの代表が50万人の反戦デモを組織した経験を語り「今後の課題はイラク占領をやめさせること。10月25日にワシントンと全米各地で抗議デモを行う」とアピールした。最後に全国統一実中央事務局長の三角忠さんが「反戦反核闘争を内容的に深めることができた。被爆者の怒りを先頭に侵略戦争を許さない反戦反核闘争を」と訴えた。

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週刊『前進』(2114号4面2)

ヒロシマ大行動集会アピール

 イラク派兵阻止!
 有事法の発動を阻む大運動を!
 世界の民衆と連帯し、反戦・反核の国際的うねりをつくろう!
 私たちは、58周年を迎えた本日8月6日、「戦争をくり返すな! 戦争をとめよう!」の熱い思いをもって、ここヒロシマに結集しました。中国・南京市、韓国・大邱市からの訪問団、アメリカANSWER連合の皆さん、沖縄をはじめ全国の仲間と共に、「8・6ヒロシマ大行動」の成功を確認し、ヒロシマからのアピールを発します。
 米英軍のイラク戦争は、イラク全土を無差別爆撃と劣化ウラン弾の放射能汚染で蹂躙(じゅうりん)した残虐な侵略戦争です。一部の石油資本や軍需産業の利益のために、再びヒロシマ・ナガサキが強行されたのです。そして今、「復興」の名のもとに軍事占領し、殺りくをくりかえしており、断じて許すことはできません。
 核兵器開発の再開やミサイル防衛構想を進め、核兵器使用を公言する米ブッシュ政権の戦争をとめることができるのは、イラク、パレスチナなど抑圧とたたかう民衆であり、これと連帯した私たち労働者市民の力です。国際的戦争反対のたたかいを力強く拡大しましょう!
 私たちは、今一度「ヒロシマ・ナガサキ」の教訓を思いおこそうではありませんか。かつて、天皇・軍部・政府による戦争をとめることが出来なかったがために、朝鮮・中国・アジアへの侵略を許してしまい、植民地支配と侵略戦争によって幾千万といわれるアジアの人々を殺りくし、あげくの果てにアメリカの原爆投下によって私たちも殺されるという結果を招いたのです。
 今度こそ、朝鮮半島・アジアに対する侵略戦争を阻止しなければなりません。「国益」「国際貢献」などと、うす汚れたかけ声の下で進められている小泉政権の戦争動員を私たちはきっぱりと拒否します。教育を再び戦争の道具にしてはなりません。教育基本法・憲法改悪反対の大運動をまきおこしましょう。歴史歪曲と戦争賛美の「つくる会」教科書の採択を被爆地ヒロシマはなんとしても阻止します。朝鮮民主主義人民共和国、在日朝鮮人への排外主義の嵐を許さず、広島県教職員組合への発砲事件など反動攻撃にいささかもひるむことなく前進します。有事法の発動、イラク派兵を阻止する大きな運動をつくるために、全力で奮闘しようではありませんか。
 2003年8月6日
 被爆58周年 再び戦争をくり返すな!「8・6ヒロシマ大行動」参加者一同

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週刊『前進』(2114号4面3)

8・5ヒロシマピースフェスタ 若者が反戦叫び

 「ぼくらは戦場には行かない。ぼくらは侵略の銃はもたない。国境を越えてしっかりと手をにぎり平和な世界を築くその日まで、行動しよう」(8・5アピール)
 5日午後、「8・5ヒロシマピースフェスタ」が平和文化祭実行委員会とヒロシマストリートアクションの共催で開かれ、若者たち230人が集まった。メッセージをこめたライブが行われ、イラク、韓国、アメリカからゲストが参加してアピール、国際連帯が広がった。集会前のピースパレードを含め、若者たちの巨大なエネルギーが結実した企画だった。

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週刊『前進』(2114号4面4)

広島 「つくる会」教科書阻む

 8月12日午前、広島県教育委員会は「来年度新設の広島県立中高一貫校(東広島市)での教科書として扶桑社版教科書は採択しない」と発表した。
 「つくる会」教科書採択阻止の激しい攻防が全国で闘われた2年前、東京都・愛媛県の一部を除いて採択は阻止された。今回、ヒロシマの教育破壊を狙う県教委は、教育労働者、教組への弾圧とともに「つくる会」教科書の採択を策動。しかし、歴史を歪曲し、侵略戦争を美化する「つくる会」教科書をヒロシマの怒りが断固阻止したのだ。
 教育委員会には、「つくる会」教科書採択反対の申し入れが集中、「8・6ヒロシマ大行動」でも重要なテーマとして取り上げられ、デモ行進の途中に韓国、沖縄の代表も含む代表団が教育委員会への申し入れを行った。
 8月8日の教育委員会で採択決定かという事態に大統一戦線が形成された。7日には教育委員会に3万4千筆の署名が提出された。同日夕、県庁前広場で300人が結集する緊急行動が開催された。韓国大邱からの代表団は、広島での「つくる会」教科書採択は全アジアの問題だと発言。県教育委員会を包囲したデモ隊は「採択反対!」の声を上げた。
 8日の教育委員会は教科書採択についての審議は非公開とし傍聴者を排除。採択の権限は常盤教育長に一任するという暴挙に出た。この日の交渉に孫を連れて参加した婦人は「核兵器を容認する教科書をこの孫に使わせるわけにはいきません!」と声を震わせた。
 百万人署名運動などに結集する被爆2世たちが「ハンスト突入宣言」を発し、12日正午から原爆ドーム前でハンストを構えた。
 このように、連日にわたる教育委員会をめぐる攻防と、被爆地ヒロシマは絶対に「つくる会」教科書の採択を許さないとの気迫が、ついに反動常盤教育長を採択断念に追い込んだのだ。
 (投稿/広島J)

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週刊『前進』(2114号4面5)

8・8長崎 ANSWER連合迎え 国際連帯貫く反戦集会

 被爆58周年の8・8〜9長崎反戦闘争は、世界戦争情勢と対決し、日帝・小泉政権の戦争突撃を粉砕する反戦反核闘争の新たな地平を切り開いた。統一実行委員会主催の被爆58周年8・8長崎反戦集会は、午後5時30分から長崎県勤労福祉会館大ホールで行われ、170人が参加した。
 主催者を代表し、ス労自主の入江史郎委員長が、「これまでの反戦闘争を質・量ともに一変させる闘いをこの場から築こう」とあいさつした。
 元長崎市長の本島等さんが講演した。本島さんは「反核運動は核兵器の悲惨さを伝えるだけではなく、何よりも日本の戦争と核武装に対決するものでなくてはならない」と提起した。
 続いて、反戦共同行動・福岡代表の石崎昭哲さん、部落解放同盟全国連合会の村上久義副委員長が連帯のあいさつを行った。石崎さんは「反戦共同行動・福岡は帝国主義と対決する闘いを先頭で切り開き、戦争を止める展望を世界の民衆に示したい」と決意を語った。村上さんは「寝屋川支部への弾圧は不当解雇された部落民労働者が会社にかけあったことで恐喝罪に問われた。これは部落差別の攻撃だ」と弾劾した。
 動労千葉特別執行委員の後藤俊哉さんと国労佐世保地区闘争団の高田末博さんが闘いの現場から訴えた。後藤さんは「動労千葉の72時間ストは労働者の闘いこそが戦争を止める力であることを示し、アメリカ労働者との具体的な連帯を開いた」、高田さんは「『国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会』をあらゆる職場に広げよう」と述べた。
 基調提起は福岡県労組交流センターが行った。「イラク侵略戦争は、世界戦争過程への突入であると同時に国際的内乱の開始でもある」として、今日の反戦闘争の課題を6点にわたって明らかにした。@帝国主義を打倒する反戦反核闘争、A反戦・反軍闘争の飛躍、B自国帝国主義と闘うことを基礎にした真の国際連帯、C「内に向かっての階級戦争」との全面対決、D労働者階級の圧倒的な決起、E原水禁運動をのりこえる革命的反戦闘争を創造の6点だ。そして、「今秋自衛隊のイラク派兵阻止闘争の歴史的爆発をかちとり、反戦反核闘争の大飛躍を」と熱烈に訴えた。
 続いて、国労5・27臨大闘争弾圧被告の松崎博己さん、羽廣憲さんのメッセージが紹介された。
 沖韓民衆連帯の都裕史(トユサ)さんが報告を行った。在日朝鮮人2世である都さんは「昨年の駐韓米軍による女子中学生れき殺は偶発的な事故ではなく、必然的な殺人事件だ。米兵は車両の衝突よりも韓国人をひき殺す方を選択したのだ」と弾劾し、「韓国人民は『もう我慢できない。われわれを苦しめ、朝鮮半島に戦争をもたらそうとしている元凶は米国だ』と立ち上がっている」と報告。
 圧倒的な拍手に迎えられ米反戦団体ANSWERの代表2人が登壇。スー・ハリスさんは「イラク人民のレジスタンスは『イラク解放』なる虚構を暴いている。米兵の抵抗もイラク占領の障害になっている。フォートスチュアート基地では、米兵の母親や妻が『息子、夫を帰せ』と立ち上がっている」と報告した。ジャネット・メイズさんは、「ベトナム反戦闘争には何年もかかったが、9・11以降の戦争に反対する人民を街頭に連れ出すのには数週間しかかからなかった」と述べ、米軍をイラクから撤退させようと訴えた。
 さらに反戦自衛官の小多基実夫さんが「自衛隊がどうなるかは人民の闘いと世論次第だ。自衛隊の中に反戦運動をつくり、力勝負で戦争を止めよう」と反軍闘争への決起を訴えた。そして長崎被爆者青年同盟が「労働者階級と被抑圧民族の闘いだけが核戦争を阻止し、核兵器を廃絶するただひとつの道である。われわれは11月イラク派兵を命がけで阻止する」と高らかに長崎アピールを発した。
 統一実行委を代表して三角忠さんが「明日の爆心地デモから11月イラク派兵阻止へ猛然と決起しよう」とまとめの提起を行った。
 8日午後3時、統一実行委員会は賑町中央公園から浜の町アーケードを通り抜けて長崎の中心街をデモし、夕方からの長崎反戦集会への参加を呼びかけた。

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週刊『前進』(2114号4面6)

爆心地へデモに立つ 8・9 小泉の式典出席弾劾

 8月9日午前、統一実行委員会は、小泉の原爆祈念記念式典出席を弾劾する集会とデモに立った。デモは浦上天主堂下の天主公園を出発し、原爆祈念式典が行われている長崎平和公園の東側を沿って進み、爆心地の松山公園から電車通りを南下した。
 松山公園の横では「二度と広島、長崎を繰り返さないぞ」「小泉の来崎、式典出席を許さないぞ!」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。これに労働者が手を振ってこたえ、バスを待つ高齢の女性が何度も丁寧にお辞儀した。
 デモに先立つ集会では、部落解放同盟全国連合会の青年が「戦争と差別の激化と対決し、来年大学を卒業しても部落民労働者として闘う」と元気に発言。基調提起では、「イラク人民の民族解放・革命戦争が米英日帝を追いつめている。11月のイラク派兵阻止決戦と労働者集会に向かって全力で闘おう」と訴えた。関西合同労組、新潟県労組交流センター、富山大の学生、渋谷のワールドアクションの若い女性、長崎県労組交流センター、九州大学学生自治会が決意表明した。

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週刊『前進』(2114号2面2)

国労弾圧裁判 鈴木証人採用を決定 東被告の勾留停止かちとる

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判をめぐり、大きな勝利が切り開かれた。7月18日の第10回公判以降3週間の過程で情勢はぐらりと動いた。公判闘争は決定的な局面に突入した。
 一つは、国労本部派が警視庁公安部に任意提出したビデオテープの撮影者である鈴木勉・東京地本執行委員(法対部長)の証人採用がついに決定されたことである。
 二つは、うつ病と闘いながら不屈の獄中闘争を貫徹してきた東元(あずま・はじめ)被告(国労大阪地区本部環状地域分会)の病気治療のための勾留執行停止がかちとられたことである(期間は8月1〜26日)。
 また、小泉伸被告(大阪地区本部貨物分会)についても、重態が続く父親の見舞いと看病のための2回目の勾留執行停止が、5月末に続いてかちとられた(同8月15〜25日)。
 三つは、不当な接見全面禁止攻撃を打ち破り、日時指定の許可が不要な、家族との自由な接見と文通の権利を獲得したことである。
 この三つは裁判闘争の前進と被告の防衛・奪還にとって画期的な成果である。これらを同時にかちとったことの中に、闘いの現局面の勝利性が示されている。
 鈴木証人の採用と東被告の勾留執行停止をかちとる過程での検察側の卑劣な策動について暴露したい。

 ビデオ撮影者がついに法廷に

 鈴木証人の採否問題は一貫して重大な争点となってきた。検察側は、本来、検察側証人であるはずの鈴木法対部長を証人申請しようとしないばかりか、ビデオテープの撮影者が同部長であることも隠しとおそうとしてきた。鈴木法対部長こそが検事側立証の最弱の環なのだ。
 弁護団と被告団は毎回の公判でその証人採用を強く求め、第6回公判において弁護側証人として申請した。公判のたびにあいまいな言動をして決定を下さずにきた青柳勤裁判長も、前回公判において期日外で決定する意向を明らかにせざるをえなくなり、7月30日、ついに鈴木証人の採用を決定した。
 ところが、この過程で証人採用が不可避であると見た検察側は、29日になってこれまでの態度を翻し、鈴木証人を検察側証人として申請してきた。弁護団と被告団の防御活動を全面的に否定し妨害してきたのだ。こんな理不尽なことをまかり通らせてはならない。弁護側が即座に反撃した結果、弁護側の主尋問を先に行うことの確認を含めて、鈴木法対部長の証人尋問が決定されたのである。
 尋問事項は、「証人の地位」「5・27臨大当日の行動」「ビデオ撮影の経過・意図・方針・状況」「任意提出に至る経過」「ビデオテープの保管状況」となった。弁護団が要求していた追及テーマの基本骨格が認められた。弁護団と被告団は鈴木証人の尋問に向けて万全の準備を進めている。
 鈴木証人の尋問が行われる公判は本裁判の帰趨(きすう)を決するものになる。傍聴闘争に全力で決起しよう。

 検事の勾留継続策動をうち砕く

 東被告は7月に入って不眠症状の急激な進行にみまわれた。東京拘置所の医師は副作用の恐れがあるので投薬の増量はできないと言うだけで、無責任にも治療を放棄した。9カ月を超える長期勾留―独房への拘禁が病状悪化の原因であり、そこからの解放が治療の前提であることは明らかだ。
 7月2日と18日の公判での東被告の表情や様子は、彼の心身の状況が厳しいものであることを傍聴したすべての人に感じさせた。弁護団と「許さない会」は、事態が限界点のぎりぎりまできており、一刻の猶予も許されないと判断し、7月23日に東被告の勾留執行停止を申請した。
 これに対して青柳勤裁判長は、検察側の東京拘置所への病状照会の結果を待って、29日に勾留執行停止の決定を下した。法廷での東被告を毎回見てきた青柳裁判長にとって、それ以外の決定はありえなかった。
 ところが、あらゆる意味で当然のこの決定に対し、東京地検は29日に抗告を申し立てた。「反省しない被告はずっと閉じ込めておく。そのことで心身に異常をきたしても構わない」というのだ。これが権力の本質だ。
 これに対して東京高裁は8月1日、地裁の勾留執行停止の決定を支持し、検察側の抗告を棄却したのである。この過程で、「許さない会」は7月30日から3日間連続で裁判所前での宣伝活動をやりぬいた。
 この問題で東京地検を代表した古田浩史検事の許しがたい言動を徹底的に弾劾しなくてはならない。第一に、本来、29日の抗告申し立てと同時に出すべき理由書の提出を意図的に遅らせたことである。それは30日の午後5時過ぎにようやく提出された。そのことで、東京高裁の決定は丸1日遅れた。
 これは、地裁決定の執行を妨害することのみを目的とした違法・不当な訴訟行為であり、職権乱用以外の何ものでもない。
 第二に、監獄法の規定を持ち出し、東京拘置所には医師もいるし医療施設もあるなどと言って、抗告を押し通し、東被告の勾留をさらに継続させようとしたことである。東拘の医師と医療施設の限界が東被告の病状悪化をもたらしたのだ。検察官がこうした形で被告の生命と人生をじゅうりんすることは絶対に許されない。
 第三に、検察側立証が思うように進んでいないことに打撃を受け、「訴訟の進行を妨害」と言いなし、また「被害者の関係者らの傍聴を妨害」とか「誹謗(ひぼう)中傷」とかの事実無根のデマを振りまいて、東京高裁の裁判官の判断を誤らせようとしたことである。
 弁護団はこうした検察官の言動から、その動揺ぶり、自信のなさを見抜き、徹底的な反論を繰り返し加えた。その結果、東京高裁は、検察側のデタラメな主張を何ひとつ認めずに、抗告を棄却した。
 また検察側は、接見禁止一部解除申請に関してもそれに反対する抗告をしたが、これも棄却された。

 被告全員の即時釈放へ闘おう

 以上の成果は、2月3日の初公判以来10回にわたる裁判闘争を原則的に闘い、それと一体で「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」として支援の闘いと陣形を広げてきた、この間の闘いが切り開いたものである。
 特に、被告たちが法廷での主張をとおして自らの闘いの正義性を全面的に明らかにする一方で、国労東京地本一部幹部と警視庁公安部の癒着・結託関係が全社会的に暴露され、この弾圧の核心と本質がそこにあることが明らかにされてきた。被告団・弁護団の正義の闘いが勢いに乗り、激しい攻防の中で東京地検との力関係の変化を確実に引き起こしているのである。
 被告団・弁護団を先頭に裁判闘争の勝利が切り開かれていることに確信をもち、無罪獲得への展望を打ち固めよう。10・7の逮捕1周年を前にした今こそ、「許さない会」運動を全国各地につくりあげ、保釈要求の署名運動を繰り広げ、8被告を1日も早く奪還する闘いに総決起しよう。

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週刊『前進』(2114号5面1)

動労千葉訪米報告 闘う路線が連帯開く 日米貫く反戦・反民営化闘争

 7月31日夜、東京都内で動労千葉を支援する会の主催で動労千葉の訪米報告集会が開催され、約100人の労働者人民が集まった。立って聞く人が出るほどの盛況となった。
 翌8月1日夜には、動労千葉がDC会館で訪米報告集会を開き、100人の組合員が参加した。
 両集会とも最初に、訪問の様子を撮ったビデオを上映し、動労千葉を代表してアメリカを訪問した川崎昌浩執行委員が解説した。
 川崎さんは、国鉄分割・民営化を素材にした映画「人らしく生きよう」の英語版を上映した際のエピソードを紹介した。
 上映後、分割・民営化の過程で国労組合員を中心に200人以上の自殺者が出た点について、アメリカの労働者は「なぜ自殺するのか分からない。組合は何をやっていたんだ」と鋭い質問を発した。川崎さんは「動労千葉は闘ったがゆえに一人の自殺者も出していない」と答えた。そして、国鉄分割・民営化に対して唯一ストライキで闘った動労千葉が多くの被解雇者を出しながらも意気軒高と闘いぬいていることを明らかにし、それに比べて分割・民営化に対して闘う方針を一貫して提起できなかった国労の屈服路線の問題性を批判した。
 さらに、決議を要請したその日のうちに国労5・27臨大闘争弾圧弾劾など三つの決議がサンフランシスコ労働者評議会で上がったことを強調した。
 続いて、川崎さんに同行した動労千葉を支援する会の労働者がアメリカ労働運動の状況を報告した。
 アメリカでは新たな民営化攻撃の嵐(あらし)が吹き荒れている。9・11以後つくられた国土安全保障省の17万人、国防総省の70万人を含む計180万人の連邦職員の内、約半数の85万人の首切りを行うという大規模な民営化攻撃が始まっている。80年代の民営化攻撃をも上回る徹底的な攻撃だ。これに対してAFGE(米国公務員連合)という60万人の労働組合が反対闘争を闘っている。
 サンフランシスコの労働者たちは、この攻撃と闘うために、日本で分割・民営化に唯一ストライキで徹底的に闘った動労千葉との連帯に自らの生きる道を見いだした。
 日本でも、新たな民営化攻撃がJRの第二の分割・民営化攻撃、NTTへの攻撃を突破口に、自治労、教労、全逓に対して仕掛けられている。だが、官公部門の労働組合はまったく危機感をもたないばかりか裏切りさえ策している。
 4月7日、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10の労働者がオークランド港で闘った。アメリカの海運会社APLがイラク南部のウムカスル港の権益を入手し、そこへ軍事物資を輸送しようとしていたことに反対する闘いだ。闘うイラク人民との連帯をかけた決起だった。30数人逮捕、18人起訴という大弾圧にも屈せず、4月12日に再度デモを行い、ピケットを張り、攻撃を跳ね返した。
 3月のイラク反戦90時間ストライキで600本もの列車を止めた動労千葉のような労働組合は全世界に存在しない。動労千葉は国際的に高く評価されている。
 サンフランシスコでの集会後の懇談会でJR総連のことが話題になった。川崎さんが「JR総連は国鉄分割・民営化に賛成・協力した」と暴露すると、アメリカの労働者たちは一瞬にしてJR総連の裏切りを理解した。
 アメリカの新たな民営化攻撃についての報告は衝撃的だった。オークランドの闘いの報告にはひときわ大きな拍手が起こった。
 訪米からつかみとられた教訓は、民営化攻撃にいかなる立場をとるかは労働運動にとってリトマス試験紙だということだ。民営化反対を掲げた闘いがアメリカ、イギリス、韓国など、全世界で始まっている。JR総連カクマルなど今や歴史のくずかごに投げ捨てられるべき存在だ。
 支援する会の集会では、動労千葉の中村栄一書記長が「動労千葉が何十年も原則を守り抜いてきたことが花開いた。国労5・27臨大闘争弾圧を始めとする弾圧を許さない。今回は動労千葉の代表が訪問したが、これは皆さんの代表です。これを糧にぜひ11月労働者集会に総結集を」と熱烈に訴えた。動労千葉の集会では、田中康宏委員長が「ついに闘いが日の目を見るときが来た。訪米の成果を組織拡大につなげ、平成採獲得の組織拡大を」と自信に満ちた総括を提起した。

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週刊『前進』(2114号2面1)

日教組大会決戦に立とう
 本部の屈服路線うち破り教基法改悪と闘う方針を

 8月25日から東京で行われる日教組第91回定期全国大会は、世界戦争の時代―新たな「15年戦争」への突入という歴史の転換点のただ中での大会である。自国の侵略戦争突入を阻むために総力をあげて闘わなければ、「教え子を再び戦場に送るな」はもはや空虚な死文と化す。このスローガンを生命線としてきた日教組運動そのものの存亡が問われているのだ。すべての教育労働者が、有事法発動阻止・教育基本法改悪阻止・日教組解体攻撃粉砕へ闘う方針を形成し、人生をかけ、生きざまをかけた闘いに立ち上がろう。

 本部は有事法成立への加担自己批判せよ

 有事3法に続いてイラク派兵法が成立し、侵略戦争の戦場であるイラクに1000人の自衛隊が派兵されようとしている。国民保護法・米軍支援法が準備され、北朝鮮侵略戦争の策動が強まっている。今狙われている教基法改悪とは、平和教育を弾圧し、教育労働者に愛国心・国防教育を強制し、再び侵略戦争の先兵とする攻撃である。絶対に許してはならない。
 しかし日教組本部の大会議案は、この重大攻撃に対して完全に屈服したものである。こみあげる怒りを抑えることができない。
 大会議案は第一に、有事3法成立への日教組本部の加担を完全に隠ぺいして、開き直っている。
 議案は、「日教組は廃案にむけて取り組んだが、与党・民主党との合意にもとづき成立した」「日教組は国連中心主義にたつ平和外交の徹底を強く求めてきたが、賛成多数で成立した」と人ごとのように語るのみである。そして運動方針には「有事法制の実働化を許さず」とある。
 しかし有事3法成立について、日教組に「廃案にむけて取り組んだ」などと言う資格があるのか? とんでもない。日教組の政治部と言うべき民主党所属の日政連議員は、1人の棄権を除いて有事3法にもろ手をあげて賛成したのだ。日教組本部は、民主党への抗議も、国会闘争も組織することなく、すべてを密室協議に委ね、有事立法の成立に手を貸したのだ。
 しかも榊原委員長は、昨年5月16日に「有事法制は必要」という見解を取りまとめた連合中央執行委員会で、反対意見も言わず沈黙して賛成した。その後も9・12連合通達を忠実に実践して、陸・海・空・港湾労組20団体との共闘をかたくなに拒否し続けた。
 教育労働者の中には、有事法成立に対する怒りと危機感が満ちあふれている。この怒りは、闘いを放棄して屈服を続ける日教組本部への怒りでもある。それゆえ日教組本部は、教育労働者の反戦闘争が巻き起こることに恐怖しているのだ。だから「日教組は廃案にむけて取り組んだ」「有事法制の実働化を許さず」などと、あたかも自らは有事立法反対勢力であるかのように装う。これこそもっともたちの悪い、教育労働者の反戦闘争を封じ込めるためのペテンにほかならない。
 日教組本部は、自らの有事3法成立への加担を自己批判せよ。その上に立って、有事法発動阻止と北朝鮮・中国侵略戦争絶対阻止の運動方針を確立せよ。
 第二に、教育基本法改悪をめぐっては、いったんは掲げた「改悪反対」を再び後景化させ、「教育基本法を生かした教育改革」運動にすり替えている。

 教基法改悪阻止闘争放棄を許さない

 「教育基本法の理念を生かす社会的合意形成」「国民的議論を進め、意見反映に取り組む」「国会に対しては……慎重な取扱いをするよう働きかける」「改悪法案が提出される場合は、法案の問題点を中心に検討を進め、国会対策を強化する」などと、改悪阻止闘争を放棄し、早々と条件付きで改悪を認める方向を打ち出している。
 ここでも日教組本部は、組合員に対してはあたかも改悪反対であるかのように装いながら、実際には、民主党を通じた対案―修正協議に傾斜しようとしているのだ。教育労働者の中に渦巻く教基法改悪への危機意識を封じ込め、改悪絶対反対の闘いを抑圧する、本当に悪らつな立場である。
 「国民合意」で成立した改悪教基法のもとで、日教組は愛国心・国防教育に突き進むのか! そんなことは断じて許されない。
 今大会で、教基法改悪絶対反対の立場と闘争方針を確立しなければならない。

 日教組解体・新勤評制度と全面対決を

 第三に、教育労働者を戦争の先兵と化す日教組解体攻撃に対する闘いを完全に放棄していることである。
 一つに、団結破壊と教育支配の攻撃の最大の焦点である、新たな勤評=教員評価制度に対する闘いの完全放棄である。
 東京に続いて勤評制度が導入された大阪、神奈川では、執行部が組合員に新勤評への「納得と合意」を押しつけている。「処遇への反映は、賃金制度検討委員会の検討結果をまって提起する」(職場討議資料)などとのたまわっているうちに、東京では、勤務評価が特昇に続いて05年から定期昇給にリンクされている。
 しかし、広島は「書かない、書けない」方針で闘い、大阪では1万2000人が自己申告票提出を拒否して抵抗している。現場の労働者は闘う方針を求めているのだ。
 日教組本部は、「多大な混乱」(職場討議資料)などと勤評闘争の歴史を冒涜(ぼうとく)してその地平を投げ捨て、°公務員制度改革の中で教員評価は避けて通れない″と、早々と制度容認を打ち出した。しかし、公務員制度改革はILO勧告で立ち往生しているのが現状だ。教育労働者こそ、公務員制度改革粉砕・労働基本権奪還の先頭に立ち、全国統一ストライキと抵抗・拒否闘争で闘おう。
 二つめに、5項目の職場闘争放棄を文科省への誓約としてあらためてことさらに掲げ、さらなる退却を進めていることである。
 中教審が学校教育法の教育目標―学習指導要領の改悪を打ち出す中で、議案は「学習指導要領遵守」をうたっている。自主研修権のはく奪攻撃と闘わず、あらためて「官制研修参加」を誓約している。評価制度や指導力不足教員制度などの「物言わぬ教員」づくりとは闘わず、「校長中心」の学校運営をうたっている。
 重大なのは、主任制度をめぐり、前回の定期大会方針にはあった「主任を中間管理職化しない」の文言を消し去ったことである。東京では監督権を持つ「主幹」職が設置され、熊本・広島も新たな中間管理職設置へ動き出している。文科省と日教組本部の間で重大な裏切りが準備されていることは明らかである。
 「日の丸・君が代」については強制と不当処分に対する弾劾も、これと闘う方針もなく、「平和・人権、民主主義」の課題から放逐し、「教育内容」の項目で「『国旗』『国歌』の持つ歴史について正しく指導する」とするのみである。「心のノート」や愛国心評価に反対する方針もない。
 三つめに、「教育の市場化との対決」を押し出しつつ、実は文科省とのパートナー路線を一層純化しようとしていることだ。
 国庫負担制度の縮小や交付金化、公設民営化など、教育労働者の雇用と賃金を直撃する大攻撃が始まっている。国庫負担制度の総額裁量制が導入されれば、各県で教育職賃金表の改悪が強まることは必至である。
 これらは文科省・文教族と癒着することでかわせるような攻撃ではない。ストライキを闘って外注化を阻んでいる動労千葉の労働運動のように闘うことこそ、勝利の道なのだ。賃金水準確保のためにも、今こそ全国統一闘争が必要である。
 最後に訴える。教育労働者を先頭に全労働者階級人民の教育基本法改悪阻止・改憲粉砕の闘いを巻き起こすため、日教組は今大会で、教育基本法改悪絶対反対の特別決議を上げよ。それができないのであれば、日教組本部は総辞職せよ。
 すべての教育労働者は、日教組本部の屈服と裏切りを徹底弾劾し、「帝国主義と対決する労働運動」の一翼を担う教育労働運動への飛躍をかけて、日教組大会決戦を闘おう。
 〔革共同教育労働者委員会〕

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週刊『前進』(2114号3面2)

「21世紀宣言」採択阻止し「戦争協力拒否」の宣言を
 8・26〜29自治労大会決戦アピール

 8月26〜29日にパシフィコ横浜で行われる自治労第74回定期大会は、自治労と日本労働運動の今後を左右する、歴史的岐路に立つ大会である。帝国主義の危機のもと、有事法制、イラク派兵法が成立し、民営化・大リストラ、マイナス人勧・賃下げの資本攻勢、治安弾圧が激化している時、これといかに闘うのかが、すべての労働組合に問われている。
 このような情勢下で自治労中央は現行綱領に代わる「自治労21世紀宣言」を打ち出した。それは、これまでの自治労の運動の立脚点となる世界観をすべて覆し、自治労運動の成果を全否定する屈服と転向の宣言である。資本・当局との闘いを蒸発させ、労働組合を、当局(政府)のパートナーとして位置づけるものだ。「21世紀宣言」はまさに、昨年の連合による「政労使合意」、そして日本経団連「奥田ビジョン」と表裏一体なのだ。
 すべての自治労組合員、活動家の皆さん! 「21世紀宣言」の採択を絶対に粉砕し、自治労の決定的翼賛化、右転落を阻止しようではないか。戦争動員と一体の公務員制度改革攻撃と対決し、有事法制の完成・発動阻止、今秋イラク出兵阻止へ闘い、国鉄闘争―「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の運動を推し進め、労働運動全体の階級的再生のために闘おう!

 労働組合の原則投げ捨てるのか

 「21世紀宣言」は第一に、資本主義(帝国主義)の前にひざまずき、激しい資本攻勢の前に屈服した上で、労働組合の基本原則、すなわち労働者の権利・生活のために闘うという立場を完全に投げ捨てている。
 「自由・公正・連帯の社会をめざす」とは、資本主義体制の変革をめざさないことの宣言である。「宣言」は、「市場万能主義の競争原理に対抗する協力原理」なるものを打ち出している。だが、けっして市場主義や競争原理それ自体を否定・批判しない。「セーフティネット」「質の高い社会サービス」が述べられているにすぎない。だが労働者の団結と、資本攻勢に対する組織的抵抗・反撃なしに、競争原理に対抗する軸など形成すべくもない。
 さらに「宣言」は、「産業構造の変化と雇用形態の多様化、市場経済のグローバル化は、すべての労働組合に運動の質的転換を迫っている」と述べ、「多様なライフスタイルが選択可能な新しい社会」「多様な働き方を確保」を打ち出している。日経連「新時代の『日本的経営』」から今日の「奥田ビジョン」に引き継がれる、終身雇用制・年功序列賃金の解体という資本攻勢の大筋を受け入れると表明しているのだ。全国各地の自治体の現場で闘われている民営化反対、委託反対の闘い、そして民間も含めた反リストラ・反首切りの闘いに対する〈切り捨て〉宣言である。
 「宣言」は、さらに「参加と自己決定を原則とする新しい労使関係」を打ち出し「市民と労使の協働で、有効で信頼される政府の確立」をめざすとしている。これは、労働者の権利を売り渡す労使パートナー路線であることは明白である。
 「宣言」の第二の特徴は、戦争反対の闘いを投げ捨てていることである。

 奥田ビジョンと同じ安全保障論

 米帝ブッシュ政権の世界戦争路線や日帝・小泉政権の有事法制、イラク攻撃支持・協力などに対する認識・言及は皆無に等しい。それどころか、「憲法の積極的平和主義」と「国連憲章」とを結びつけることで憲法第9条を否定し、「冷戦構造の残存する東アジア地域」における「総合的地域安全保障システム」の構築を唱える。「奥田ビジョン」の「東アジア自由貿易圏」=新大東亜共栄圏構想と完全に照応している。
 このように、「21世紀宣言」は、自治労中央が推し進めてきた連合化・右傾化の集大成であり、連合加盟以来あいまいにしてきた路線問題に反動的決着をつけるものである。
 自治労中央の世界観は「東西冷戦構造の崩壊」により「世界はグローバリゼーションの時代に入った」というものであり、アメリカを中心とする帝国主義・資本主義の賛美の上に成り立っている。「ベルリンの壁の崩壊」をスターリン主義の歴史的破産としてとらえようとせず、社会主義の終えん、資本主義の勝利ととらえている。社会主義に絶望し、資本主義を絶対的なものとする立場なのだ。

 “闘う自治労”の再生かちとろう

 加えて、本大会では、「組織拡大アクション21」という組織改革方針が提起される。それは、@定期大会の隔年化と規模の大幅な縮小、A中間年大会は04年度で終了、B組織横断的評議会(現評・青年部・女性部など)を縮小・再編する、C県本部代表者会議など、準機関会議を切り捨てる、D一方で、中央本部の機能を強化し、書記(オルグ)を2年契約で成果主義にするというものだ。7月28日の県本部代表者会議で非難が集中し、@、Aは06年まで順延するが、基本的な考え方は変わらない。
 自治労内に残る総評的あり方を一掃し、連合的な翼賛的労働運動を「上から」推し進める腹づもりなのだ。
 以上見たとおり、自治労中央は、自治労運動の大転換を図ろうとしている。その方向は、連合のめざす進路とまったく同一である。旧総評出身の全逓が名称変更(→解散)を決め、自治労が屈服と転向の新綱領を採択しようとしているのは、偶然ではない。日帝が生き残りをかけて構造改革路線を打ち出し、「外への侵略戦争、内への階級戦争」をしかけている時、真っ先に標的になるのは労働運動なのである。戦争への道は、労働組合丸ごとの屈服・転向から始まる。日本経団連・奥田は「労働組合は、労働者の利害を代表することをやめて、国家・企業のことを考えよ」と叫んでいる。電機連合中央を先頭に、労働組合(単産)の激しい先兵化・翼賛化が進んでいる。しかし同時に、これは多くの労働者の「組合離れ」、連合の危機をもたらさずにはおかない。
 陸・海・空・港湾労組20団体は、有事法制を〈完成させない・発動させない・従わない〉闘いを多くの労働組合に呼びかけている。動労千葉は今春、90時間ストライキを打ち抜き、アメリカ・サンフランシスコの闘う労働組合との感動的な一大交流をかちとった。03年こそ、労働運動の大高揚の年にしなければならない。「21世紀宣言」採択を阻止し、自治労の転向=翼賛組合化を粉砕し、闘う自治労の再生をかちとろう!
 〔革共同自治体労働者委員会〕

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