ZENSHIN 2003/12/15(No2130 p06)

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週刊『前進』(2130号1面1)(2003/12/15)

自衛隊派兵「基本計画」粉砕せよ 小牧・北海道・全国で反戦闘争の嵐を
 米英日帝と闘うイラク人民に連帯し派兵阻止闘争に立とう

11・29ゲリラ戦闘に対する革共同の態度

 11月29日、米英日帝のイラク侵略戦争と軍事占領に対するイラク人民の怒りが日本大使館の外交官に向けられ、2人の死者を出す事態が発生した。日本国内では「国を挙げて哀悼を」だとか「英雄」化を狙うキャンペーンが張られ、「テロに屈せず、自衛隊派遣を貫く」という小泉政権の掛け声のもと、イラク特措法に基づく自衛隊派兵の基本計画が今週にも閣議決定され、侵略戦争の戦場への大規模派兵が強行されようとしている。この事態に対して、われわれはどのような態度をとるべきなのか。

 第1章 侵略の先兵たちへの怒りの反撃は正義だ

 第一に、この事件は米英日帝のイラク侵略戦争に対する必然的なゲリラ戦争であり、正義の闘いである。
 起こったことは、侵略当事国、最凶悪の参戦国である日帝に対する攻撃である。政府自身も認めているように、日本人外交官に向けて狙いすました攻撃である。米英軍の軍事占領を支えるために、日本政府がイラクの地で行ってきたことへの当然の反撃である。3・20開戦直後から米帝ブッシュを真っ先に支持し、強力な後ろ盾となってきた日帝に対して、イラク人民の怒りが爆発したのだ。
 さらにまた、これは日帝の自衛隊イラク派兵を絶対に許さないという意志表明である。イラク人民、ムスリム人民は、3・20以来の日帝の突出した米帝支持表明に対して、「日本は第3の敵国」と断罪し、さまざまな形で警告を発してきた。それにもかかわらず、日帝・小泉は、「テロリストの脅迫には屈しない」と繰り返して、自衛隊派兵に向かって準備を続けてきたのである。
 2人の外交官は、4月からORHA(米復興人道支援室)に派遣され、CPA(米英暫定占領当局)のもとで、積極的に占領行政に加担してきた侵略者そのものである。イラク侵略戦争の先兵として自衛隊の受け入れ体制を構築するための工作活動に従事していたのだ。死亡した奥参事官は、自身のホームページで「テロとの戦い」を叫び、「復興支援」の名のもとに自覚的に米帝のイラク侵略戦争に協力・加担してきた中心的な人物であり、当然にもイラク人民のゲリラ戦争の標的となったのである。
 一切は、米英日帝のイラク侵略戦争と軍事占領の中で起きている。この残虐なイラク侵略戦争を止め、米英日帝がイラクから撤退しないかぎり、このような事態がますます激化することは明白である。
 考えてもみよ。政府もマスコミも「日本人2人の死」を大騒ぎするが、米英軍によって殺された数万人のイラク人民のことは、政権転覆や石油資源略奪のことは、どうして問題にしないのか。自分たちの土地に侵略してきた、圧倒的な重武装の帝国主義軍隊に大量虐殺されているのはイラク人民なのだ。
 米軍は今、大空爆を再開している。「アイアンハンマー」作戦で、「ゲリラが潜んでいる」という口実を設けてイラク人民を住居から立退かせて破壊することを続けている。パレスチナにおけるイスラエル軍と同じことをやっているのだ。
 イラク人民の怒りと敵意と憎悪に包囲された米英軍は、ますますイラク人民全体を敵視して攻撃をエスカレートせざるをえなくなっている。かつて日帝が中国侵略戦争にどこまでも深々とのめり込んで破滅していったように、米帝はイラク侵略戦争の泥沼から抜け出すことはできない。

 本格的な参戦狙う日帝小泉

 第二に、この事件後もあくまでも自衛隊派兵方針を変更せず、自衛隊を戦場に送り込もうとしている小泉にこそ最大の責任があるということである。
 「イラク侵略戦争は不正義の戦争だ」「米英軍は一刻も早く撤退すべきだ」という大多数の人民の声を踏みにじって、イラク侵略戦争に協力加担し続けてきたのが、日帝・小泉である。
 一握りのブルジョアジーの利益を「国益」と称し、そのために文民を戦場に派遣し、自衛隊を派兵して殺し合いをさせ、帝国主義としての大突出を図ろうとしているのだ。これに対しゲリラ戦争はもっと激しくなる。「テロに屈しない」という掛け声でさらに派兵が展開されれば、もっと激烈な殺し合いになる。帝国主義は「殺し殺される」戦場にどんどん送り込もうとしている。つまり、日本の労働者人民を死地に赴かせているのだ。これから自衛隊派兵で死亡する場合、最大の責任は小泉にあるのだ。
 第2次世界大戦で、日本では300万人の兵士と人民が戦死したが、それは何よりも天皇と日帝ブルジョアジーによって侵略戦争に動員され、殺されたのである。そして今まさに、それと同じことが始まっているのである。
 小泉(またその背後にいる奥田らブルジョアジー)に従っていたら、日本の労働者人民は再び侵略戦争の戦場に送り込まれ、他国の人民に敵対し、死ぬことになる。2人の死は、その前触れであり、警鐘である。日本の労働者人民はこのシグナルを受け取って、敵は誰であり、何をなすべきかを学びとらなければならないのだ。「復興支援」とか「国際貢献」の名のもとに本格的な侵略戦争に突入しようとしている小泉こそ、人民の敵であり打倒の対象なのだ。
 12月1日、航空労組連絡会など3団体が、「民間機の軍事利用に反対し、自衛隊のイラク派遣の中止を求める」声明を発表した。帝国主義の戦争動員の最前線にある航空労働者が、決起しているのである。侵略戦争の拡大は、民間労働者も動員する。これに対する労働者の階級的な反撃を今こそつくりだしていかなければならない。

 侵略戦争を内乱に転化せよ

 第三に、具体的に、われわれは何をなすべきか。侵略戦争にのめり込み、侵略戦争に人民を動員しなければ存立することのできない自国の帝国主義を打倒する、すなわち日帝・小泉を打倒することをはっきりと宣言して闘うことである。
 日帝・小泉は、あくまでも自衛隊を派兵し、有事法制を完成し、イラク・北朝鮮侵略戦争を強行しようとしている。さらに、教育基本法を改悪し、憲法改悪も公然と掲げて攻撃を強めている。しかも、改憲はずっと先の話ではない。イラク派兵は、憲法9条破壊=事実上の改憲だ。
 そして、他方で、大失業・リストラ、賃下げ、労働法制改悪、年金改悪を始め社会保障解体と、一大資本攻勢を強めている。そうしなければ帝国主義として延命できないところまで危機を深めているのだ。
 労働者を食わしていくことができなくなった帝国主義、自国人民を戦争で死に追いやることしかできなくなった帝国主義、このような帝国主義は打倒するほかない。この帝国主義の存在を根っこから断ち切らなければ人民は生きていけない。その中にこそ、人民の生きる道がある。帝国主義の侵略戦争を内乱=国内戦に転化せよ、ということが現実の課題となっている。
 日帝は帝国主義であるかぎり、対米関係からも、対北朝鮮の観点からも、自衛隊派兵を絶対に中止することができない。読売新聞の3日付社説は、「国益の観点に立った日本の主体的な判断として」自衛隊のイラク派兵の基本姿勢を貫け、と叫んでいる。そして、「万一、自衛隊派遣の方針を転換するようなことがあれば、北朝鮮に侮られるだけだ」と北朝鮮侵略戦争のために派兵は譲れないとしている。日帝支配階級にとって、イラク侵略戦争と北朝鮮侵略戦争は一体の侵略戦争なのである。
 小泉は、今週にもイラク派兵の基本計画を閣議決定し、来年早々に自衛隊本体を派兵しようとしている。この12月から、これに対する巨大な反戦闘争を爆発させなければならない。自衛隊本体が派兵される北海道・旭川、愛知県・小牧、広島県・呉を中心に派兵阻止現地闘争を巻き起こそう。

 第2章 12月闘争で革命党建設へ本格的な前進をかちとれ

 3労組主催による11・9全国労働者総決起集会は、国際連帯と階級的労働運動の発展への画期的な成果を生み出した。この歴史的意義を踏まえ、その切り開いたものをさらに圧倒的に発展させる強い決意をもって、この12月から04年へ、全力で闘いぬこう。
 生み出された実体的な国際連帯、労働者国際主義を発展させるとは、自らの部署で、反戦闘争においても、資本攻勢との闘いにおいても、具体的な闘いを繰り広げることだ。
 具体的には、何よりも、動労千葉に対する習志野電車区廃止の組織破壊攻撃を打ち破る闘いを支援し、勝利することだ。
 さらに国労解体攻撃を粉砕し、1047名闘争の不屈の前進をかちとろう。5・27臨大闘争弾圧8被告の保釈をかちとろう。
 ファシスト石原都政との都労連攻防に勝利しよう。
 また、動き出した年金改悪に反対する闘いを労働運動の課題として、奥田ビジョンに対する階級的反撃としてかちとろう。
 そして、来年の春闘に向かって闘いを発展させていかなくてはならない。資本攻勢に対する闘いを日韓米3国共同の闘いとして闘うと同時に、3・20イラク侵略戦争開戦1周年の国際反戦闘争を今から準備し大成功させることである。

 カンパ闘争と機関紙拡大を

 とりわけわが革共同にとって当面最大の課題は、年末一時期カンパ決戦と機関紙拡大闘争、党勢拡大の闘いである。闘いの国際的広がりという面でも、革命的情勢の接近への対応という面でも、革共同の強化を死活的課題としてかちとらなければならないところにわれわれは立っている。
 敵・日帝権力も、侵略戦争への本格的突入情勢下でわが革共同の存在と闘いを脅威ととらえ、危機感をもって対象化してきており、『前進』販売に対する破防法型の弾圧を加えてきている。こうした権力の攻撃を打ち破り、革命党を強化することをとおして初めて闘いは勝利するのだ。
 「米日帝のイラク・北朝鮮侵略戦争を内乱に転化せよ」ということが問われる情勢は、それを勝ちぬく革命党、労働者党を圧倒的に建設することを突き付けている。社民党、日本共産党の没落とは、今こそ社・共に代わる党が求められているということなのだ。
 また、カクマルの黒田・中央派と松崎・JR総連派への分裂、JR総連の松崎派と嶋田派への大分裂という形で、ファシスト・カクマルが最大の危機を深めている。6回大会をもって対カクマル勝利宣言を発した革共同が、いよいよ暗雲をはねのけて登場する時だ。
 労働者階級が勝利するためには、労働者の革命党が必要だ。帝国主義戦争を内乱に転化するためには、労働者一人ひとりが革命党に結集して闘うことが必要だ。それはプロレタリア革命をこの手でかちとる素晴らしい労働者自己解放の主体となるということだ。すべての闘う労働者は、革共同に結集しよう。
 そして今、決定的な闘いは、年末カンパである。党を強化し、来年のさらに巨大な闘争を準備し、また獄中の同志と仲間の奪還のための保釈金を用意するために、巨額のカンパが必要だ。それなくしては、党が党として成り立たない。破防法型弾圧と闘えない。
 すべての同志、支持者、読者の皆さんが、圧倒的なカンパを革共同に寄せられることを心から訴ます。

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週刊『前進』(2130号1面2)(2003/12/15)

 11・29渋谷 “派兵止めよう”熱いデモ

 ワールドアクション 旭川の闘いと連帯

 11月29日夕、大雨をはねのけ、450人が東京・渋谷ワールドアクションのイラク反戦デモに立ち上がった。全国各地での一斉行動とあわせて“自衛隊のイラク侵略派兵は絶対に許さない”という活気にあふれた集会・デモとなり、飛び入り参加者が目立った。
 宮下公園の集会で、不戦兵士市民の会の坂井弘事務局長は、「自衛隊のイラク派兵を許せば、日本はどこにでも出かけて戦争をやる国になる。そのために教育基本法改悪が狙われている。国民を犠牲にし、苦しめている小泉政権に人道援助ができるはずがない」と訴えた。
 「私の息子は『今後の人生をイラクで過ごすことになるより、処罰を受けることを選ぶ』と兵役を拒否しました。…日本でもそのような動きを広めてください」――反戦兵役拒否アメリカ軍人の母親の連帯メッセージが読み上げられた。
 飛び入りした人が次々と発言に立った。「子どもを持つ母親として戦争には反対」と女性。若い女性は「小泉首相は選挙で国民に支持されたと言うが、私は支持していない。日本を変えていきたい」。「夫の命は皆さんの闘いにかかっている」という自衛官の妻のメッセージを紹介した男性は「精神病者もともに闘う」と決意を語った。
 合唱グループは、「明日を夢見て生きようとしている子どもたちを守りたい」と歌を披露し、インターナショナルを合唱した。
 北海道に行って闘っているワールドアクションのスタッフから「旭川駐屯地からは出兵を拒否する自衛官がでています。北海道では、12月13日〜15日に札幌と旭川で連続行動を行います。自衛隊の年内派兵を絶対に阻止しましょう!」と、闘いの高揚が伝わってくるメッセージが届いた。
 学生が次々とアピール。「ワールドアクションが北海道まで行って派兵をとめようとしているのはかっこいい。自分も反戦貫く」「資本家のための侵略派兵には反対」と発言し、女子学生が派兵阻止闘争へのカンパを訴えた。
 飛び入りの自治体労働者が「戦争反対も言えない自治労だが、現場の自治体労働者は皆さんと心をひとつにして闘う」と語り、女性医療労働者は「戦争をとめるのは私たち。派兵阻止を訴え、団結をつくりだすためにピースウオークしよう」と熱く呼びかけた。
 「ヨッシー&ジュゴンの家」のライブでは、コスタリカ人男性が「アフガニスタン戦争も、イラク戦争にも反対」と発言した。
 司会が「今日も渋谷の街を飲み込むくらい熱いデモをやろう」と訴え、元気よくピースウオークに飛び出した。「自衛隊をイラクへ出すな」「戦争をやらない社会をつくろう」と声をひとつに叫ぶ。デモに合流する人が続出し、多くの声援が飛んだ。
 デモ後、司会が「イラク派兵の閣議決定時には国会を包囲し弾劾しよう。北海道の闘いと連帯して12・20もっと大きなデモを!」と次の闘いを確認した。

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週刊『前進』(2130号3面1)(2003/12/15)

暴行したのは本部派だった 国労弾圧公判 押収ビデオ撮影者が証言
 殴打された被告の姿くっきり 8人を年内に奪還しよう

 12月2日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第16回公判が開かれた。検察側は、警察が昨年10月に都政を革新する会の事務所から不法に押収したビデオテープを、被告を有罪にするための証拠として法廷に持ち出している。この日の公判では、このビデオの撮影者である都革新事務局員のAさんが証言に立った。その証言により、ビラまき・説得活動を行おうとしていた被告たちに対し、本部派が体当たりする、殴るなどの行為を働いていた事実が明らかになった。被告たちが一方的に暴力行為をしたという検察側の主張は崩壊した。裁判闘争は、無罪獲得に向けていよいよ重大な局面を迎えている。被告たちの保釈を実現する闘いも、年末に向けて最大の決戦過程に突入した。

 松崎被告の顔面殴り 橘被告に体当たり!

 杉並の都革新事務所から押収されたビデオは、押収そのものが不法であり、本来、証拠たり得るものではない。検察側は、不法に入手した証拠を法廷に持ち出しつつ、その撮影者の尋問はしないという不当きわまる態度をとっていた。警察権力と国労本部派によって仕組まれた弾圧という、この事件の真相が明るみに出ることを恐れたからである。国労東京地本の鈴木勉法対部長についても、当初、検察側はその証人尋問の回避に躍起となった。
 だが、通常の刑事裁判であれば、写真やビデオが証拠とされる場合、その撮影者を尋問することは当然の手続きとされている。そこに映し出された映像は、撮影者の撮影意図を色濃く反映するからだ。
 弁護団は、撮影者の尋問は不必要とする検察側の不当な態度と徹底的に対決し、鈴木法対部長の証人尋問を実現させた。そして、杉並押収ビデオについても、撮影者の尋問は不可欠だとして、都革新事務局員のAさんを弁護側証人として採用させたのである。
 公判で一瀬敬一郎主任弁護人が国鉄闘争と都革新のかかわりについて質問した。Aさんは、都革新が労働者の権利、雇用を守る立場から1047名闘争支援の活動を続けてきたこと、02年5月27日の国労臨時大会の際のビデオ撮影もその活動の一環であり、国労闘争団などの闘いの姿を杉並区民に伝えるためのものであったことを証言した。
 西村正治弁護人がAさんの撮影したビデオを再生しつつ、5月27日当日の状況について質問した。本部派がホテルから出てきた時の静止画像を示され、その状況の説明を求められたAさんは、「本部側は隊列を組んでまとまって出てきた」「先頭にいた笹原という人は、ビラをとる素振りはまったく見せず、被告たちを一切相手にしないと決め込んでいるような態度だった」「江田という人が橘さんの腰のあたりをいきなりつかんで押しのけた。橘さんはのけぞり、倒れそうになった」と証言した。
 事件当日、最初に行われた暴行は、東京地本の江田雄次執行委員が橘日出夫被告に対して行ったものだったのである。

 3度にわたる激しいパンチ

 西村弁護人が「それに続いてどのような場面を撮影したか」と質問した。Aさんが「バスの後部乗降口付近で、松崎さんが殴られたように顔を横に3回ぐらい振った場面があった」と答えた。
 その状況を写したビデオが再生された。松崎博己被告らがバスの乗降口に立つ長野地本の池田久幸組合員に必死に訴えかけている姿が映し出された。そして、いきなり池田組合員の右手が伸び、前方を向いていた松崎被告の顔が3度にわたって激しく右横にぶれたのだ。本部派が松崎被告を殴打したことは明らかだ。
 検察側は、松崎被告による池田組合員への暴行によって「共謀」が成立したと主張している。だが、暴行したのは池田組合員の側だったのだ。この事実が明らかになると、検事は投げやりな表情を浮かべた。
 ビデオを再生しての質問が続いた。バスの二つの乗降口で本部派を説得する被告たちの姿が映し出された。「こんな大会に防衛隊として行くのか。絶対生涯に残るぞ」「自民党に言われて開く大会やないか」という松崎被告の声と真剣な表情、「労働組合の原点を思い出してくれよ」と声を上げる羽廣憲被告の必死の訴えがとらえられている。まさにこの日の行動は、被告たちの人生をかけた説得活動だったのである。
 西村弁護人が最後に「あなたが撮影したビデオが押収されたことをどう思うか」と質問した。Aさんは「闘争団と国労組合員の闘いを記録し、多くの区民に伝えるために撮影したビデオを権力が押収し、こともあろうに刑事弾圧に使っている。腹の底からの怒りを覚える。報道の自由、表現の自由への重大な侵害だ。またこの弾圧は、団結権への侵害であり絶対に許せない」ときっぱりと述べた。
 休憩をはさみ、検察側が反対尋問した。古田浩史検事が「都革新と中核派の関係は」「あなたと被告人向山の関係は」などと、事件とまったく関係のない質問をしつこく繰り返した。破産しきった「中核派組織犯行」論を必死になって立て直そうというのである。だが、Aさんは「ビデオ撮影は都革新の活動の一環」と断言し、検事の不当な尋問をはねつけた。
 これに窮した古田検事は、「あなたは闘争団の人たちの必死の説得活動を撮影したと言うが、被告人松崎も被告人羽廣も同じ言葉を繰り返しているだけではないか」と言い放った。Aさんがすかさず「検事の感性ではとらえられない」とやりこめた。古田検事は薄笑いを浮かべて平静を装うが、手元が大きく震えている。結局、検事の反対尋問は、事実を無視した「中核派組織犯行」論にすがりつく以外に手段がない検察側の惨状をさらけ出すものに終わった。
 証人尋問終了後、青柳裁判長は、次回公判期日(12月16日)ないしそれ以前に鈴木法対部長撮影のビデオと杉並押収ビデオについての証拠採否を決定すると発言した。裁判闘争は、無罪獲得に向けての本格的な攻防に入る。次回公判に結集しよう。

 次回公判から年末が被告奪還の正念場に

 公判の冒頭、萱野一樹弁護人と富田益行被告が即時保釈を求める意見を述べた。萱野弁護人は、「証拠隠滅のおそれはもはや存在しない。公判終了後にも直ちに保釈許可の決定を」と声を強めた。富田被告は、「無罪を主張し争うと長期勾留を強いられるのか。これは冤罪をつくり出すものだ。もし私たちが起訴事実を認めていたら、鈴木氏が告訴のためにビデオを撮ったことや、酒田氏が公安刑事と連携し現場逮捕を要求していたことも、やみに葬られていた」と弾劾した。
 被告家族と全国の職場・地域でつくる「許さない会」5団体は、公判に先立ち東京地裁に即時保釈の申し入れを行い、約2千筆の保釈要求署名を提出した。署名は総計で4万1千筆を超えた。被告の家族が「労働者の思いを必死で訴えた者がこんな扱いを受けている。経済的にも精神的にも本当に困っている。夫を子どもたちのもとに返して下さい」と切々と訴えた。
 弁護団は11月27日、第4次の保釈請求を提出した。次回公判から年末に至る過程は、8被告の保釈に向けて文字どおりの正念場を迎える。許さない会の賛同会員を拡大し、保釈金カンパと10万人保釈署名を集めきろう。なんとしても被告の年内奪還を実現しよう。

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週刊『前進』(2130号3面5)(2003/12/15)

『前進』街宣 大衆的反撃で弾圧を粉砕 労働者の中へ機関紙拡大を

 新小岩駅前に連日の登場

 11月17日のJR新小岩駅前広場での『前進』街頭宣伝準備中に「軽犯罪法違反」容疑で逮捕されたA同志は、28日に釈放をかちとった。
 A同志は12日間の逮捕・勾留と闘い、勝利し、直ちに12月1日のJR新小岩駅頭街宣に立った。「完黙・非転向を貫き、釈放をかちとりました。これも私の逮捕に対する新小岩駅前における連日の抗議の闘い、釈放要求署名の力によるものです。感激すると同時に、深く感謝いたします。私たち中核派は負けません。今回私に加えられた権力犯罪を告発し闘いぬきます。毎週月曜日の駅前『前進』販売をやり続けます」
 雨の中、ひとりで2時間、街頭演説をやりぬいた。面識もない多くの労働者が振り向き、「よかったですね」「頑張って下さい」「小泉は許せない」と声をかけてきた。権力は手出しひとつできなかった。

 弾圧粉砕の力は街頭にある

 逮捕により街宣用具の一切と担い手を奪われ、街宣は困難に直面した。奪われたものは街頭で取り戻すほかないと固く決意し、19日から連日、新小岩駅頭に登場した。駅頭に登場してあらためて分かったことは、労働者大衆が予想も超えて支持していることだった。感動的であった。
 ポールに反戦ののぼりを付けようとしただけで、物陰に隠れていた20人もの私服刑事が襲撃し逮捕したことの異常さに大衆は驚き、怒った。「警察はひどいことするねえ」「こんなこと考えられない」「頑張って」と声をかけてくれた。
 警察の非道への怒りと戦争への不安・怒りがひとつになった。多くの人びとが逮捕現場の「現地調査」にやってきて、びっくりした。「何か協力できることがありますか」と申し出る人も現れた。こうした大衆の熱い支持と行動力は、われわれが決意ある闘いに出ることをとおして引き出された。「まだ出てこないんですか。考え方は違うけど逮捕は許せない」と1000円のカンパを2回もした労働者が現れた。
 ビラの受け取りはこれまでの3倍も良くなった。近所の老婦人は「昔もこうしてやられたのよ。戦争への動きよね」と語り、家族全員分の釈放要求署名をしてくれた。1年半にわたり街宣を続けてきたことが力になった。
 権力はこれを恐れ、「交番の前で毎週やられたらメンツ丸つぶれだ。やりすぎだ」と総力で弾圧を加えてきた。11・9労働者集会への反動である。だが、これを跳ね返す力も街宣の中にあった。
 イラク派兵への怒りで街頭は熱くなっている。『前進』販売・署名・カンパが倍増している。どこでも5部、7部、13部とこれまで最高の販売数である。激突を恐れず、年末年始、『前進』を掲げて街頭に登場しよう。労働者の中に『前進』を広めよう。

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週刊『前進』(2130号4面1)(2003/12/15)

自衛隊イラク派兵阻止! 12月北海道・小牧闘争へ
 03年版米国防報告を批判する
 イラク侵略戦争の継続拡大と北朝鮮への戦争狙う米軍再編

 米帝は、アフガニスタン、イラクでの侵略戦争の継続と激化、さらには北朝鮮侵略戦争への突入を狙って、全地球規模での米軍再編を進めている。イラク人民、ムスリム人民の民族解放・革命戦争に直撃され、米帝はさらに凶暴化し、全世界で「対テロ戦争」を拡大しようとしているのだ。帝国主義の危機が世界戦争に転化する過程が始まった。イラク侵略戦争への本格参戦を進める日帝・小泉政権を打倒し、侵略戦争を内乱に転化するために闘おう。12月北海道・小牧現地闘争に立ち、自衛隊の侵略派兵を阻止しよう。

 「対テロ戦争」の拡大 先制攻撃戦略を推進

 米国防総省は11月21日、03年の国防報告を発表した。これはイラク侵略戦争の泥沼化にあえぐ米帝が、それ以外にないものとして、さらに凶暴に民族解放闘争に対する「対テロ戦争」を拡大し、世界戦争政策を推し進めていくことを路線化したものである。
 (1)「世界規模の対テロ戦争に勝利するため、米軍には柔軟さと軽量さ、機敏さが必要で、突然の変化に即応する能力を持たねばならない」「海外に常駐、もしくは交代で駐留する軍をどう再編するかを、即応性や情報収集能力、同盟国の貢献などを勘案しつつ再考している」
 国防報告は、全世界で「対テロ戦争」を行っていくために、米軍の機動力と即応能力を高める軍事革命を進め、全世界の米軍の配置を見直すことを提言した。海兵隊については「2時間以内に世界中のあらゆる地域に攻撃部隊を輸送できる能力を取得できるよう検討している」とした。
 米帝は現状ではイラクを軍事占領する兵力(現在13万人、周辺国を含めれば17万人)を維持できなくなっている。総勢48万人の陸軍兵力では駐留軍のローテーションを回せなくなり、来年1月からの交代では州兵や予備役4万人以上を動員しなくてはならない状況だ。こうした中で、在沖部隊を含む海兵隊3個大隊(約3千人)のイラクへの追加派兵を決めるなどして、イラク侵略戦争での戦力強化を図っている。
 米帝は、こうしたイラク侵略戦争の泥沼化に対応するためにも、駐留米軍の再配置を早急に進める必要に迫られているのだ。
 (2)「われわれは、テロリストが米国と米国民に危害を与えるのを阻止し、敵が大量破壊兵器で、われわれや同盟・友好諸国に脅威を与えるのを阻止するため、先制的な行動をとる能力を持たなければならない」
 国防報告は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、イランなどに対し、イラクと同様に「大量破壊兵器」を口実に(デッチあげて)先制攻撃を発動していくことをあらためてうちだした。
 米帝は、イラク侵略戦争の泥沼化の中で、北朝鮮侵略戦争に直ちに突入できる状況にないことから、北朝鮮を6カ国協議に引き込んでコントロールし、追いつめようとしている。北朝鮮のスターリン主義体制の崩壊を狙いつつ、在韓米軍のソウル南方への配置転換までの時間を稼ごうとしているのだ。米帝は地下貫通型の戦術核兵器の開発を進め、北朝鮮の地下施設を破壊するための先制攻撃に使用することを狙っている。
 (3)「米国の当面する課題は、@世界的な対テロ戦争の勝利、A2010年までの時期に直面する脅威への備え、B同年以降に直面する脅威に対処するための軍の再編継続の3つを同時並行に実施すること」
 国防報告は、「対テロ戦争」に全力をあげつつ、同時に中国侵略戦争への体制づくりを目指し、さらには帝国主義間の戦争をも見据えた米軍戦力の構築を図ろうとしている。
 米帝のイラク侵略戦争は、むきだしの戦争による市場・資源・勢力圏の略奪であり、世界史をまったく新しい段階へと突入させた。他帝国主義はこれに対抗する軍事政策をもたなくては争闘戦で勝ちぬき、帝国主義として延命することはできない。すでに独、仏帝国主義は、米帝の反対を押し切って、04年「欧州防衛庁」の創設を決定した。このもとでアメリカとの軍事力格差を埋めて、欧州軍事産業の競争力強化に全力をあげるとしている。
 日帝は日米安保をテコに米帝の「対テロ戦争」にとことん食らいついていくことで戦後的な制約を突破し、アジア勢力圏化の道を開こうとしている。小泉政権が何がなんでも自衛隊のイラク侵略派兵を強行しようとしているのは、米帝への従属ではなく、軍事的な争闘戦に勝ちぬける帝国主義に飛躍するためだ。

 4千億j超の大軍拡予算

 03年度国防報告で示された米軍戦略を推進する、総額4013億j(約44兆円)の04年会計年度国防予算が11月24日成立した。これにはイラク戦費870億jは含まれていない。これに伴い広島型原爆の約3分の1にあたる小型核兵器(爆発力5`トン未満)の研究・開発を禁じた「ファース・スプラット条項」が撤廃された。またミサイル防衛(MD)の初期配備に向けて関連予算を20%増額した。このMD配備は中国の長距離弾道ミサイルを封じ込め、北朝鮮・中国侵略戦争に向けた態勢を整えるためのものだ。

 世界的な部隊再編 実質戦力増強めざす

 ブッシュは11月25日、米軍の世界規模での態勢見直しに向けた同盟国・友好国との本格的な交渉を12月から開始するとの声明を発表した。「ならず者国家や世界的なテロ、大量破壊兵器に」対応するために、駐留地域外への軍事展開を視野に入れた配置を行うほか、同盟国や友好国に対してもイラクやアフガニスタンなど「域外」への部隊派遣を求めるとしている。
 ラムズフェルド米国防長官は、この再編により在外米軍の実質戦力の増強を目指すことを明らかにした。海外基地の合理化で兵員数が削減されても、日韓など同盟国との協力関係やハイテク兵器の導入などで実質戦力はアップするという。
 国防総省高官は、米軍再編の基本となる考え方について、@不確実な脅威に対応するための柔軟性の強化A同盟国の役割拡大と新たなパートナーシップの構築B駐留地域内だけでなく域外での活動重視C即応展開力の開発――をあげた。
 すでに駐独米軍のポーランドなど東欧諸国への移転や、在韓米軍の再編については協議が進められており、この2つの駐留米軍については大規模な縮小、再編が行われる。

 最前線基地=沖縄米軍強化

 在韓米軍について、米帝は北緯38度線の近くに展開している第2歩兵師団1万7千人などをソウル以南に下げ、北朝鮮の保有する火砲の射程外に移そうとしている。米軍を「北朝鮮の人質」にとられない位置に下げることで、いつでも北朝鮮を先制攻撃できる態勢をとろうとしているのだ。
 在沖米軍基地を中心とする在日米軍については、駐独米軍や駐韓米軍ほどの縮小・再編は行われない見通しである。在日米軍基地こそは北朝鮮侵略戦争の最大の前線基地である。しかもラムズフェルドが「機動的で装備的にも軽い。日本だけでなく、アジアから中東までの安全保障を対象としている」と言うように、今回の再編で米軍が達成しようとしている能力を先取りしているからだ。
 ラムズフェルドは11月16日の稲嶺沖縄県知事との会談で、稲嶺のペテン的な「基地の整理・縮小」の要請を相手にもしなかった。
 また在沖米軍は、金武町キャンプ・ハンセン「レンジ(射撃場)4」に都市型戦闘訓練施設を新たに建設しようとしている。東アジアで唯一前方展開する沖縄の米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)の訓練環境を向上させるためだ。
 「レンジ4」は金武町伊芸地区の民間地域から約300bしか離れていない。これまでも流弾による民間地域の被弾事故や原野火災、騒音被害をくり返しており、住民の怒りが沸騰している。
 小泉政権は北朝鮮・中国侵略戦争のための最前線基地として沖縄基地を使い切るために、とことん沖縄を犠牲にしようとしている。日帝の沖縄差別政策を許さず、来年1月の名護新基地建設のボーリング着工を阻止するために闘おう。

 帝間争闘戦の新段階 世界戦争が不可避に

 米帝のイラク侵略戦争は、帝国主義の基本矛盾が全面的に爆発し、帝国主義の危機がついに世界戦争への過程に転化し始めたことを示している。
 戦後世界体制が崩壊し世界恐慌への過程が始まる中で、米帝の歴史的没落と世界支配力の衰退は米帝の体制の存亡に直結する死活的な問題となった。そこへ01年9・11反米ゲリラ戦争がたたきつけられた。米帝は凶暴化し、圧倒的な軍事力で世界を再編する「対テロ戦争」を行うことで、帝国主義間争闘戦にうち勝ち、9・11を契機に激化するムスリム人民の民族解放闘争とアメリカの階級闘争を圧殺しようと絶望的な攻撃にうって出た。
 米帝はアフガニスタン侵略戦争を決定する前から、イラク侵略戦争をやることを決めていた。米帝は91年湾岸戦争(イラク・中東侵略戦争)でイラクの生産・社会基盤を破壊し、その後も国連の経済制裁などで徹底的に痛めつけた。にもかかわらずフセイン政権は存続し、そこにフランスやロシアなどがつけ込んで関係を深めたばかりか、石油決済をドルからユーロに切り替えた。これを見過ごせば、中東における米帝の支配力は衰退するばかりか、ドル基軸通貨体制が崩壊してしまう。米帝はこれに恐怖し、どんな理屈をデッチあげてもイラク侵略戦争に突入するしかなかった。
 米帝は帝国主義であるかぎり、どのような泥沼に陥ってもイラクから撤退することはできない。また米軍が主導する占領政策から、国連に主導権を渡すわけにはいかない。
 9・11−3・20以降の情勢下では、米帝のイラクからの撤退はひいては全中東からの撤退を意味し、米帝の世界支配体制・ドル体制の崩壊も避けられないからだ。また国連に主導権を渡すということは、フランスやロシアのイラクでの石油権益を認めることであり、ドイツやフランスの台頭を許し、唯一絶対的な帝国主義としての位置を失うことである。イラクにおける米帝の敗北は、ベトナム革命をはるかに超えるほどの、世界革命に直結していく巨大さをもっている。
 帝国主義は歴史的な生命力を失い、世界戦争と世界大恐慌に突き進んでいる。金融独占ブルジョアジーとその政府は、労働者人民に対する階級戦争で犠牲を転化し、被抑圧民族人民に対する残酷な侵略戦争と虐殺、植民地的収奪を激化させている。この中で労働者人民が生きていく道は、闘うイラク人民、ムスリム人民と連帯し、帝国主義を打倒することだ。

 侵略を内乱へ今こそ闘おう

 11月29日、米軍占領の先兵として働いていた日本の外交官2人がせん滅された。自衛隊の派兵を狙う日帝・小泉政権にイラク人民の怒りの戦闘がたたきつけられたのだ。小泉は「テロに屈してはならない。復興・人道支援には国際社会としての責任を果たす」などと述べ、自衛隊派兵の政府方針に変わりがないことを強調した。どうして許すことができようか。
 イラク人民はどのように困難な状況の中で生活し、闘っているのか。
 米軍は掃討作戦と称し大規模な空爆で無差別虐殺を行っているが、それだけではない。抵抗勢力をかくまったとの理由で、住民を連行し、女性や子どもを追い出し住居を破壊している。地域の人びとのゲリラをやめさせないとの理由で部族の指導者を逮捕し、農民たちはゲリラ情報を与えないからと果樹園を根こそぎ破壊されている。連行された人びとの多くが行方もわからない状態だ。
 ラムズフェルドは11月25日、バグダッドでの掃討作戦で、1週間に約1200人のイラク人民を拘束し、40〜50人を虐殺したと自賛した。米軍のこうした作戦こそ、ゲリラ戦争が圧倒的なイラク人民の支持と支援を受けていることを証明している。またそのことによって、米帝の軍事占領と植民地支配に対する全人民的な抵抗闘争はますます激化しているのだ。
 日本人民は「テロに屈するな」という小泉に対し、「侵略戦争絶対反対、イラク人民、ムスリム人民の民族解放闘争を支持し、連帯する」とはっきりと言い切らなければならない。日本共産党などが主張する「米軍主導の占領から、国連中心の復興・支援へ」というのはブルジョアジーの立場からの選択肢であり、帝国主義のイラク支配を容認し、支持するものだ。
 イラク人民、ムスリム人民の血叫びにこたえ、決起に連帯し、自衛隊派兵を実力で阻止しよう。レーニンが言うように帝国主義戦争を内乱=国内戦へ転化すること、日帝の侵略戦争を内乱に転化すること、そのために闘うことこそが日本人民の決定的な任務なのである。
 (早乙女優)

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週刊『前進』(2130号3面2)(2003/12/15)

北富士 米軍演習阻止に立つ “自衛隊 イラクに行くな”

 北富士忍草母の会は11月28日、この日から開始される在沖米海兵隊の本土移転演習を阻止する闘いに決起し、50人が結集した。この在沖海兵隊が来年早々にイラクに派兵される。今回の演習は文字どおりイラク侵略戦争の実戦演習として行われるのだ。
 国有入会地守る会の天野重知会長は前夜から演習場入り口前で抗議の座り込みに決起した。95歳になる天野会長の壮絶な決起だ。正午から始まった決起集会では、忍草母の会の天野美恵事務局長が冒頭にこのことを報告した。開会のことばは母の会の天野正子さん。「米軍の実弾演習に断固反対します。米軍に入会地を貸した覚えはない。入会地の無断使用は許せない。米軍はイラクから手を引くべき。自衛隊のイラク出兵にも反対する。自衛隊は侵略出兵するな」と語った。
 連帯のあいさつでは、婦人民主クラブ全国協の丹治孝子さんが「イラク戦争は石油強盗、侵略だ。世界中がこれを知っている。海兵隊は直ちに富士から出ていけ」と怒りを表明した。都政を革新する会の新城節子杉並区議は「誰が104号越え演習を移してくれと言ったか。イラクの人たちは解放のためのレジスタンスに決起している。これと連帯し闘う」と決意を明らかにした。
 部落解放同盟全国連、都留文科大学生協労組などが発言し、全学連の大山尚行委員長は北海道でイラク派兵反対の署名が続々と寄せられていることを紹介して、「全国で自衛隊イラク派兵阻止の闘いを切り開こう」と訴えた。
 天野事務局長は「自衛隊は絶対にイラクに行ってはいけない。なぜ今日から演習を行うのか。日曜日に母の会がゲリラに入るのを恐れたためだ。これは忍草が勝ったということだ」と訴えた。
 母の会の大森ふじえさんが「私たちは北富士を朝鮮・中東につなぐなと闘ってきました。自衛隊の派兵は米軍のイラク侵略への加担。自衛隊はイラクに出兵すべきではない」と閉会のことばを述べた。シュプレヒコールをあげデモに出発した。海兵隊演習阻止、自衛隊派兵阻止のコールが自衛隊駐屯地にこだました。
 演習場正門では演習場管理室長が待ちかまえて立っている。天野事務局長が「業務隊長に会わせろ」と要求したが、業務隊長を呼ぼうとしない。デモ隊は自衛隊の硬直的な態度に怒りを燃やし、次々とマイクをとって自衛隊を弾劾した。
 正門前に座り込んでいた天野重知会長が発言に立った。「国は忍草の農民をいじめ抜いてきた。入会闘争を起こしたが、途中から忍草をつぶす攻撃をかけてきた。100歳になっても105歳になっても闘いを貫きます。富士山を平和の山にする。平和の山にすることで県民は利益を結ぶ」と気迫を込めて宣言した。申入書を婦民全国協代表の西村綾子相模原市議が読み上げ、必ず伝えることを約束させて手渡した。

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週刊『前進』(2130号4面2)(2003/12/15)

呉基地 人間の鎖で包囲 海自に派兵中止申し入れ

 11月30日、呉市の海上自衛隊呉基地の潜水隊バース前で、学生・若者が中心となって呼びかけた実行委員会の主催で、「11・30呉 人間の鎖」行動が行われました。広島各地の労働者や学生・若者、そして地元呉の高校生など約210人が結集しました。目の前には多くの潜水艦や護衛艦、そしてイラクへの出兵がねらわれている「おおすみ」が所せましと並んでいる。
 午後1時、呼びかけ人のひとりである前参議院議員の栗原君子さんのあいさつで集会が始まり、高校生のバンドや地元のストリートミュージシャンが、“僕らが戦争のない世界をつくる”と熱唱しました。続いて、11月16日から30日までの2週間、イラクを訪問している広島大の1年生から寄せられたメッセージが読み上げられました。メッセージは、イラク人民の反撃におびえる米兵と、それとは対照的なイラクの人びとの活気あふれる様子を伝え、自衛官に派兵を拒否するよう強く訴えた。
 発言にたった呉出身の80歳の戦争体験者は、「海軍が呉から侵略をした結果、空襲や原爆投下があったことを忘れてはならない」と力強く提起しました。また、広島の教育労働者は、「教基法改悪に反対しよう」と訴えました。派兵反対のメッセージを書いたピンク色のハンカチをつなげて持ってきた医療労働者は、「戦争協力を拒否する医療労働者の闘いをつくっていく」と語りました。
 反戦反核運動のリーダーである河合護郎さんは「核戦争が近づいている。若い新しい力がこれからの平和を築いていく力だ」と若者への期待を表明しました。また、呼びかけ人である呉の高校生は「呉には20人に一人の割合で自衛隊関係者がいる。イラク派兵は身近な問題。イラクの子どもも日本の子どもも一緒に笑って暮らせる社会にしていきたい」と発言しました。
 2時から呉基地を囲む人間の鎖行動を始めました。潜水隊バースを取り囲むように、アレイからすこじま公園の端から端まで、思いおもいのメッセージボードやのぼりを掲げて人間の鎖をつないでいきました。15分ほどで鎖が完成。みんなで手をつなぎ、ウェーブをし、「やった!」という歓声があがりました。呉基地に向かって「自衛官は出兵を拒否しよう」「私たちとともに立ち上がろう」とシュプレヒコールをし、基地見学に来た市民や自衛官に訴えました。そのあと手をつないだままで、高校生や教育労働者や大学生が次々と自分の思いを自衛官にアピールしました。
 3時からピースウォークに出発。海上自衛隊呉総監部前では学生が代表して派兵中止の申し入れをしました。「自衛隊行かしちゃいけんぢゃろ」のコールが響き渡り、商店街ではたくさんの人がビラを受け取り、「頑張って!」と声をかけてくれました。
 (投稿/広島大A)

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週刊『前進』(2130号4面3)(2003/12/15)

伊丹 派兵拒否を訴え 隊員、家族に呼びかけ

 兵庫県伊丹市の自衛隊駐屯地へのイラク派兵拒否の要請行動が、11月29日、2回目の行動として行われました。三里塚決戦勝利・全関西実行委員会代表で牧師の永井満さん、4月にイラク・バグダッドに飛んで米軍の攻撃に反対する行動をやりぬいてきた兵庫労組交流センターの会員で看護師の高藪繁子さん、弁護士などの呼びかけで始めたこの行動は「STOP自衛隊派兵! 伊丹アクション」と名付けられ、この団体を実行委員会(「とめ実」)とし、これからも続けていくものとして2回目の行動が行われました。
 あいにくの雨の一日でしたが、京都から来た学生たちがドッドッドドドンと打ち鳴らす太鼓のリズムに合わせ、「イラク占領とめよう」「派兵を拒否して立ち上がろう」とコールをあげながら、150人が元気よく約3キロを練り歩きました。この日の行動は自衛隊への要請とともに、自衛隊員と家族に呼びかけようということで、千近い世帯が住む山本団地まで行進し、「一緒に拒否しよう」と呼びかけ、団地の子どもたちが部屋の中から手を振って応えました。自衛隊への要請は中部方面総監部に行い、百万人署名運動・関西連絡会、部落解放同盟全国連、大阪で活動する反戦グループA&Uの若者からの要請が行われました。
 デモに先立って12時から阪急伊丹駅前で街宣を行いました。署名板の前にひっきりなしに人びとが足を止め、署名をし、話しかけてきた。宣伝隊は思い思いに道行く人に訴えました。
 街宣の後、緑が丘公園に移り、デモ出発前の集会を行いました。フリートーク形式で行い、在日の学生は北朝鮮の核開発を口実に日本のジャーナリズムが排外主義に乗っかっていることに怒りを表し、「北朝鮮への攻撃阻止も同時にやらなければならない」と北朝鮮侵略戦争との闘いを提起し、大きな拍手を浴びました。アジアの平和を考える若者の会・京都の女性はPKOに参加した自衛官との交流を紹介した。高藪繁子さんは「イラク人民の命がけの闘いに連帯して派兵をとめよう」と檄を飛ばしました。集会のまとめとして奈良の藤原好雄さんが「子どものころババババと米軍が機銃を撃ってきたことをいつまでも覚えてる。自衛隊と言えば昔は目の敵。今は違う。温かい心でともに悩み、考えていこう」と提起し、デモに出発しました。
 (投稿/兵庫Y)

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週刊『前進』(2130号4面4)(2003/12/15)

姫路 米艦入港を弾劾 労組など300人が結集

 11月28日、米海軍のミサイル駆逐艦バンデクリフト(4100d)が姫路港に強行入港した。一昨年の周辺事態法成立直後の8月にミサイル巡洋艦ビンセンスが入港したのに続き、イラク侵略戦争、占領の真っ最中に2度目の入港だ。バンデクリフトは、イラク侵略戦争に空母を護衛し参加、イラク民衆にミサイルを発射した血塗られた軍艦だ。
 米軍艦船が小さな商工業港、瀬戸内海フェリーの発着港である姫路港に入港する理由はまったくない。有事3法が成立し、自治体に協力させるためであり、同時に米総領事が再三にわたり使用を申し入れながら「非核神戸方式」により入港できない神戸港への圧力である。姫路港を管理する兵庫県は、井戸知事が「核はないと判断」として入港を許可した。神戸港の隣の港に、やすやすと入港を認めることは許し難いと怒りの声が上がった。
 この入港に対し自治労兵庫県本部の呼びかけで、28日朝9時から姫路港近くの公園で抗議集会が開かれた。戦争に反対する市民団体や自治体に働く労働者、労働組合から反対、抗議の発言が相次いだ。
 関西合同労組兵庫支部の組合員、百万人署名運動兵庫県連絡会の人たちも、早朝から抗議行動に参加した。
 集会では「戦争協力につながる米艦船の入港や港湾の軍事利用に絶対に反対する」とアピールを採択。10時すぎにバンデクリフトが姿を見せると、集まった300人が岸壁近くに移動し「米艦は入港するな! 有事法の発動に反対するぞ! 戦争協力はしないぞ!」とシュプレヒコールを上げた。自治労の労働者や関西合同労組の組合員らが、「入港が許せるか。もっと前に行こう」と旗を持って駆け出すと約50人がつづき、岸壁間近かで旗を振り「米軍はイラクから出ていけ!」と英文の横断幕を掲げ、怒りと抗議の声をあげた。
 (投稿/兵庫・民間労働者N)

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