ZENSHIN 2005/07/18(No2206 p06)

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週刊『前進』(2206号1面1)(2005/07/18)

 11月労働者総決起へ前進を

 都議選決戦の地平を突破口に「つくる会」教科書絶対阻止せよ

 7月杉並大行動−8月広島・長崎へ

 第1章 新指導路線下で新たに革命的議会主義に挑戦

 革共同は、帝国主義の世界戦争、世界恐慌への突入と革命的情勢の急速な接近のもとで、新たな革命的議会主義の挑戦を開始した。その歴史的出発点としての今次都議選を、長谷川英憲氏を押し立て総決起し闘い抜いた。
 革共同は、選挙闘争をプロレタリア革命を現実的に引き寄せる新指導路線の全面的実践として闘い抜いた。新指導路線とは、共産主義運動が労働者階級の自己解放闘争であることを踏まえて、党を労働者党として建設する路線である。革共同はこの路線のもとに、階級的労働運動の前進を貫きつつ、労働者階級の実体的獲得をめざした大衆運動の爆発をかちとり、その発展の中で、選挙闘争に勝利していくというまったく新たな闘いに挑戦したのである。
 この闘いにおいて、「つくる会」教科書の杉並区での採択絶対阻止が、今春の「日の丸・君が代」決戦の継続・発展として、05年決戦の成否をかけた絶対的課題として押し上げられた。
 「つくる会」教科書絶対阻止は、今日の日帝・小泉=奥田、ファシスト石原の戦争と民営化・労組解体攻撃と最も鋭く対決する白熱的な階級決戦的課題となった。当面の4大産別の決戦的攻防の帰趨(きすう)もそこにかかった。
 この都議選決戦を、「つくる会」教科書阻止の大衆闘争の爆発と一体的にかちとっていく画期的闘いは、全党の一丸となった総決起を実現した。
 同時に6・2教科書集会、6・12沖縄集会の高揚から、6・22教育委員会闘争での杉並区役所を包囲する偉大な大衆的決起が、都議選決戦のど真ん中で、圧倒的に実現された。党の決起と大衆的決起が結合して、「つくる会」教科書阻止の巨大なうねりが開始されたのである。
 これらの闘いの土台と基礎には、宣伝・扇動の革命があった。「つくる会」教科書阻止を、ファシスト石原打倒・帝国主義打倒として貫き、その闘いが杉並区全体の時間と空間を圧倒的に獲得するという革命的な宣伝・扇動戦が、力の限り闘い抜かれたのだ。
 それは戦時下の選挙闘争の様相を徹底的に浮き彫りにさせた。それは直接的には、政党間党派闘争の空前の激化として現れた。街頭などでの「つくる会」派、右翼勢力との激突、石原一派や石原与党の全既成政党の妨害、日本共産党スターリン主義のむきだしの敵対、右翼社民=「市民派」による大衆決起の制動などの大反動が立ち現れた。これらのあらゆる場において、全党はもてる力をふりしぼり、不屈の闘いを貫いた。杉並全区で、区民、支持者と固く連帯して、悔いのない闘いをやりぬいたのである。
 結果は、当選をかちとることができず、7977票(10位)の厳しい敗北となった。だが7977票こそ、「つくる会」教科書絶対阻止と、介護・福祉切り捨てへの怒りの決起である。このかけがえのない一票一票を投じ、決起した区民のみなさんの、絶対勝利への希求にこたえることができなかった。この痛苦な現実を真っ向から見据え、この敗北をそそぐために、なんとしても、今次都議選で掲げた「つくる会」教科書の杉並での採択を絶対阻止し、さらに介護・福祉の切り捨てを進めるファシスト石原知事を追いつめ、その力をもって、05年決戦後半戦の勝利へ向かって総決起することを、革共同は固く決意したい。

 第2章 「つくる会」教科書阻止を訴えた闘いの正しさ

 第一に、厳しい敗北を見据えれば見据えるほど、にもかかわらずわれわれが今次都議選の基本方針に、「つくる会」教科書との全面的根底的対決を据えて闘った決断は、圧倒的に正しかった。
 「つくる会」教科書採択の攻撃は、日帝が世界戦争へ突入するために、帝国主義ブルジョアジーと政治委員会、日帝・小泉と日本経団連・奥田、そしてその先兵としての都知事石原らが、階級意志を反動的に密集させて襲いかかってきた恐るべき大反革命である。
 この存亡をかけた大攻撃を、国政選挙なみの都議選という政治決戦の場で、暴露し、対決することは、労働者階級人民の戦争絶対反対の階級意志と生命・生活を守るあまりにも当然な闘いであった。
 したがって、「つくる会」教科書に対する大衆的反撃も、4年前とは比較にならない根底的決起となったのである。怒りは地の底からわき起こった。中学生、高校生、青年のみずみずしい決起、保護者や女性の切々とした叫び、教育労働者を始めとした労働者階級のやむにやまれぬ怒りのこぶし、高齢者の体をふるわせた訴えなどの感動的決起が、澎湃(ほうはい)として巻き起こった。
 だが、この大衆運動の広範で急速な拡大を、さらに急速に集票に転ずる未曽有(みぞう)の挑戦において、同じことだが、大衆運動の拡大を急速に党派選択―候補者への投票行動に発展させるという課題において、党と階級の関係における本質的な飛躍が問われた。
 さらに日帝支配階級は、「つくる会」教科書への大反撃が、都議選での長谷川勝利へと発展していくことに死ぬほど恐怖した。それゆえ長谷川氏に対して、全党派が襲いかかるという1対12の空前の激突構造となった。
 「つくる会」派は、長谷川つぶしのために「雇われ右翼」を差し向けた。終盤戦においては、既成支配党派が、その基盤的な組織力と支配階級の地域的制圧力を一点、長谷川落としに総動員した。この政党間党派闘争におけるすさまじい切り合いを懸命に闘い抜き、必死の反撃を行ったが、これを打ち返す大衆運動の組織化が追いつくまでには至らなかった。
 日帝権力・警視庁は、この戦時下の選挙闘争の前進に恐怖し、デッチあげ逮捕や不当捜索などかつてない戦前型の大弾圧を加えてきた。われわれは、この攻撃を完全に粉砕した。
 第二に、このように戦時型選挙において、もてる力を出しきり、支配階級や既成政党に伍(ご)して、全反動がすべて襲いかかってもなおそれをはね返し、選挙という戦場で勝利することは、われわれにはとうてい不可能なのか。断じて否である。
 ひとつは、選挙闘争こそ巨大な大衆運動であり、それは党派選択という一段とレベルアップした大衆運動である、ということである。したがって、もし大衆運動の発展が選挙の勝利に結びつかないとすれば、それは大衆運動の爆発がまだ不十分である、ということなのである。
 いまひとつは、われわれの新たに開始した選挙闘争は、あくまでも未完だということだ。それは始めたばかりの闘いの壁であり、そこでの不十分さ、未熟さ、甘さである。だからこそわれわれは、この点について、厳格に痛苦にえぐりだす必要がある。しかし同時に、階級闘争の鉄火で、いくらでも鍛え上げることのできる課題だ、ということである。
 特に福士派との闘いについて、われわれは今回の闘いで、この「市民派」という存在の反動的役割を、正確に階級的につかむことができた。そしてその「壁」こそ、階級的労働運動の発展にとっての阻害物であり、この突破の中に、新指導路線の歴史的発展の道があるのだ。
 日共スターリン主義は、大々的な過激派キャンペーンを、「つくる会」派や警察権力と見間違うばかりに行った。これもまたいったんは大きな逆風になった。しかしこの「過激派キャンペーン」は、「この時代において、過激派で何が悪い」という一言で、圧倒的にはね返すことができるのである。いやむしろ「つくる会」教科書の攻撃や危機にある帝国主義に対しては「現代の過激派」しか闘えないのである。
 第三に、結論的には、このように新指導路線のもとで、まったく新たな選挙闘争に挑戦したことは、それ以外に選択のない闘いであった。
 都議選を労働者階級の実体的獲得による大衆運動の爆発をあくまでも徹底的に貫いて闘うことは、唯一無二の闘い方であった、ということだ。それは都議選という巨大な選挙を、現状の党の力量を踏まえて勝ち抜こうとするならば、労働者が大衆運動の担い手となって、自己解放的運動を爆発的に発展させる以外にない。一言で言えば、労働者階級の広範な自己解放的決起に徹底的に立脚した選挙闘争をやろう、ということだ。それは、従来の名簿選挙からの大転換であり、並大抵の闘いではなかった。それは、これまでの名簿対象を守り抜き大事にしつつも、新たに労働者層を大きく獲得しようとする闘いである。そしてこの闘いは、実にめざましい成果を獲得した。
 戦時下階級闘争への突入のもとで、日帝の階級闘争絶滅攻撃を打ち破る闘いと力は、労働者階級の獲得をとおした大衆闘争の爆発であり、都議選を徹底した大衆運動で勝ち抜く以外にないということであった。
 しかも、「つくる会」教科書こそ、最も激しい階級闘争絶滅攻撃である。05年決戦の核心的課題は、帝国主義のこの攻撃に対して、党と階級が生き残ることである。われわれは、都議選の地平から、11月労働者総決起へ勇躍突き進まなければならない。

 第3章 戦争と階級闘争絶滅の大反革命を押し返した

 「つくる会」教科書と対決する大衆運動と都議選決戦の一体的闘いは、今日、画期的地平を切り開いている。
 「つくる会」教科書攻撃は、この反革命が貫徹されるならば、戦後階級闘争はたちどころに灰燼(かいじん)に帰し、労働組合や階級的な存在が絶滅され、それによって、改憲以降の情勢、すなわちただちに戦争突入が可能となっていく情勢を迎える。改憲が巨大な反革命であるならば、改憲を前にして、ある意味では改憲を一気に可能とする改憲以上の反革命攻撃なのだ。これに対して、都議選の場を大衆運動の爆発のテコにした杉並における「つくる会」教科書絶対阻止の闘いは、この巨大な反革命を、決定的に押し返す闘いとなったのだ。
 ひとつは大衆運動の爆発にとって不可欠な自主的・自己解放的決起とその運動体が、大きく生まれている。全国的な教科書闘争の司令塔の登場だ。
 いまひとつは、「つくる会」教科書攻撃の激しさを、都議選という絶好の戦場で迎え撃って闘ったことである。この攻撃を、都議選決戦というスケールの蜂起性と集中性をもった闘いで迎え撃ったことは、実に決定的な意義がある。
 この大衆の自主的決起の圧倒的高まりと、都議選という政治的加熱化と闘いの旋風が、「つくる会」教科書への一大反撃を高揚させたと言えるのだ。
 このような地平を踏まえて、勝負は、まさにこれからである。
 「つくる会」教科書の大反革命での敵の狙いは、杉並で正面突破し、恐るべき勢いで首都・東京を席巻することであった。だが、この杉並で強力な阻止闘争を闘っていることが、このファシスト運動の全面的制圧をぎりぎりで阻んでいる。
 日帝権力中枢が「つくる会」教科書採択強行のシフトを敷き、敵の側から一個の「階級決戦」を挑んできている。これに対して、杉並を頂点に全国、全産別、全戦線に「つくる会」教科書阻止の大運動を巻き起こさなければならない。
 その際、「つくる会」会長の八木秀次の『国民の思想』や、ファシスト石原の言動、行動を徹底的に批判・弾劾することである。特に八木は、「靖国参拝」と民営化は一体であると言って、サッチャーを学べと言っている。サッチャーは、民営化をもって国家主義、国家至上の精神革命を行い、民営化とさらに「教育改革」の中で左翼勢力を撲滅した、とほめそやしている。そのサッチャーが行ったことは何か。「ビクトリア時代(1837〜1901年)に帰れ」をスローガンにして、鉄道などあらゆる産業の民営化を行い、首相の独裁権力を強め、炭鉱ストライキを徹底的に弾圧し、福祉を切り捨て、核武装を行い、「領土を守る自衛戦争」と称してアルゼンチンに侵略戦争(フォークランド戦争)をしかけた。さらに労働者は「ガン細胞」だと悪罵(あくば)を投げつけて、教育の民営化を進め労働組合を鎮圧したのだ。
 そして重大なのは、今日、サッチャーをもち上げる八木ら「つくる会」派、さらにファシスト石原に限りなく一体化しているのが、日帝中枢の小泉・奥田らであるということである。
 今日、小泉は、執拗(しつよう)に靖国参拝攻撃を仕掛けている。靖国神社とは歴史的にも日帝の侵略戦争で天皇のために死ぬことを「喜び」とさせる戦争動員の神社である。「つくる会」教科書もこれと一体だ。
 そしてついに小泉は、支配階級内部の分裂も辞さず郵政民営化の衆院採決を強行した。これは支配階級や自民党内にもある戦後的な一切のものを解体・一掃しようというものであり、戦争と民営化攻撃の本格的激化である。
 日本経団連は、4・19提言などで、郵政民営化を始めとする民営化=労組破壊、社会保障制度解体、首相への権力の集中などを叫んでいる。実際に「骨太方針X」(6・21閣議決定)は、「ここ1〜2年の構造改革が成否を決める」と公言している。
 まさにこの1〜2年で、民営化(労組破壊)と「つくる会」教科書を一体化した階級闘争絶滅攻撃をもって、戦争突入への国家・社会をつくろうというのだ。

 第4章 階級闘争の分岐・流動と開かれた11月への道

 都議選の結果は、一方では「つくる会」教科書攻撃を先端とする密集した反動を激化させ、他方では階級闘争の危機と分岐・流動を推し進めている。
 投票率の低下は、ブルジョア議会制度とその腐敗への絶望・失望と怒りが深まっていることを示している。それは階級的危機感が労働者階級の中に充満しつつ、今なおその怒りが解き放たれずに渦巻いていることを示している。プロレタリア革命か、ファシスト反革命かの分岐と激突が、これから本格的に始まり、激化していくのだ。
 「つくる会」教科書をめぐる決戦はこれからである。それは完全に、11月労働者総決起へ向かった闘いに引き継がれ、大きく発展しようとしている。都議選決戦が、「つくる会」教科書阻止決戦という大きさ、激しさをもって闘われたことによって、大きく11月への血路が切り開かれたのだ。
 それはまず第一に、「つくる会」教科書阻止・石原打倒の闘いこそ、戦争と民営化(労組破壊)と対決する階級的労働運動の再生の闘いそのものである、ということである。
 「つくる会」教科書阻止決戦は、「日の丸・君が代」決戦を完全に継続・発展させ、教労を中軸とする4大産別決戦の発展をさらに押し開いている。「つくる会」教科書にいかに対決するかに、4大産別と全産別で勝ち抜く道があるということである。
 第二に、今次都議選によって十分に突破できなかった大きな「壁」は、同時に11月への万余の結集を阻む「壁」でもある、ということである。逆に言えば、「つくる会」教科書阻止を徹底的に闘うことで、その壁の突破も可能である。特に日共の反動を打ち破り、福士派の労働運動への絶望と逃亡をのりこえる道がそこにある。これは特に東京都の労働運動にとって死活的である。
 第三に、杉並の「つくる会」教科書阻止闘争は、国際連帯の闘いを大きく発展させている。昨年11月以来の国際連帯は、「つくる会」教科書と対決していく闘いの中で、特に日韓労働者の連帯で、さらに大きく育まれつつある。
 第四に、新指導路線のもとに全国の党が団結し、一丸となって「つくる会」教科書絶対阻止の大衆運動を創造したことによって、新指導路線の無限の発展の闘いが緒についたことを確認したい。
 第五に、7月決戦の重大性である。「つくる会」教科書阻止の7・24杉並大集会から、7・27→8・3の人間の鎖大行動へ総決起しよう。開始された差し止め訴訟は歴史的大裁判闘争である。
 4大産別決戦が、7・18日教組大会を先頭にいよいよ大決戦に突入している。
 さらに7月国鉄決戦が重大である。特に7・15の日比谷野音全国集会は、1047名闘争の不抜の陣形を確立する重大な闘いである。また動労千葉は運転安全行動と組織拡大の闘いをめぐって大決戦に突入している。
 さらに8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ大行動と戦後60年の8・15集会は、11月への決定的橋頭保をなす闘いである。
 共謀罪攻防は、いよいよ正念場である。三里塚闘争も決戦に突入している。
 夏期一時金カンパ決戦に勝ち抜こう。さらに機関紙拡大闘争を推進しよう。
 7・31東西革共同集会に総結集し大成功させよう。

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週刊『前進』(2206号2面1)(2005/07/18)

 戦争教科書 採択絶対阻止へ 大衆闘争の高揚を切り開いた都議選決戦

 新しい次元の闘いを貫き「教科書」訴え悔いはない

 お礼と決意表明 長谷川英憲

 長谷川英憲氏は、密集した反動と真っ向から激突し、「つくる会」教科書採択阻止へ向けて都議選を全力を尽くして闘いぬいた。長谷川氏に都議選を闘っての感想と今後の決意を語ってもらった。(編集局)
 今度の選挙戦は本当に全力を尽くして闘いぬいた選挙戦でした。私は「石原知事に挑戦状」を掲げ、「つくる会」教科書採択阻止を最大の公約として、持てる力を振り絞って闘いぬきました。支持者、全国の仲間のみなさんには、本当に力強いご支援をいただきありがとうございました。結果は健闘及ばず、当選にはいたりませんでした。みなさんの期待にこたえられなかったことは残念でならず、申し訳ありません。しかし、「つくる会」教科書採択策動との闘いを始め、重大な課題が差し迫っており、この結果をはねのけてあらためて決意を固めて闘いぬいていきます。
 今回の選挙を闘って私自身が何より痛感しているのは支持者、全国の仲間のみなさんが一丸となって闘いぬいて、まったく新しい次元で選挙戦が闘いぬけたということです。特に区民の人たちの中から、新しい自主的・主体的決起がまき起こってきたことは今後に向かって大きな展望を指し示しています。こうした支持者、区民の決起が私自身の力を存分に引き出してくれ、思う存分闘うことができました。
 結果はまったく残念でしたが、今回の選挙戦で「つくる会」教科書絶対阻止を訴えて最後まで闘いぬいたことはまったく正しかったと確信しています。「つくる会」教科書は、戦争の歴史的事実をねじ曲げてかつての戦争を正しかったと教え込み、子どもたちを戦場へ送るものです。日本の戦争によって2000万人を超えるアジアの人びとが殺されました。日本人民も310万人以上が命を落としたのです。この戦争の悲惨な歴史を塗り隠し、国を守るために必要な戦争だったのだ、正しい戦争だったのだと教え込み、子どもたちにそうした考え方を植え付けようとするものです。
 この教科書が教室で使われるようになったら、教育労働者は毎日、処分の恫喝のもとで戦争教育を強制され、教育労働者の労働運動は完全に解体されてしまいます。日帝・小泉政権や石原都知事はそうした労働運動の解体をとおして戦争へと突き進もうとしているのです。この攻撃を絶対に許すことはできません。子どもたちに「つくる会」教科書を使わせるわけにはいきません。この闘いは教育労働者を始めすべての労働者人民の未来がかかった闘いなのです。「つくる会」教科書採択阻止の闘いは、11月労働者集会への道も開きます。
 「つくる会」教科書の採択に反対する杉並・親の会が進める反対署名はすでに1万6000筆を超えてさらに続々と集まっています。また親の会は、「つくる会」教科書の採択差し止め訴訟を東京地方裁判所に起こしました。「つくる会」教科書採択阻止の闘いはこれからが最大の勝負の時です。どんなことがあっても戦争のための教科書は止めなければなりません。選挙戦をとおして「つくる会」教科書採択阻止を全力で訴えてきた以上、それこそが7977票の貴重な1票1票に本当にこたえることだと思います。
 選挙翌日に荻窪駅北口に立って出勤する区民にあいさつを行った時に激励してくれる人が何人もいました。遠くから会釈をしてくれたり、「がんばれよ」と声をかけてくれる人もいました。これは私が「つくる会」教科書を始めとする戦争への攻撃に対して怒りに燃え、絶対阻止することを期待しているということです。その闘いで今回の敗北をのりこえていく私たちの力を見たいと期待しているのだと思います。その期待になんとしてもこたえたい。
 投票日の7月3日にも親の会の人たちは阿佐ケ谷で街宣を行い「つくる会」教科書採択反対の街頭署名を集めたと聞きました。親の会の人たちは闘って勝つ中にしか自分たちの進む道はないし、自分たちの未来はないと闘っているのです。韓国の民主労総も「つくる会」教科書反対の闘いにメッセージを寄せ、ともに闘うことを表明してくれています。
 私は、8月3日の教育委員会に向けてこの人たちとともに全力あげて闘い、絶対に「つくる会」教科書の採択を阻止する決意です。この闘いに勝利することで今度の敗北をのりこえる道も切り開くことができます。この闘いを日本の4大産別の労働者や地域住民も見ているし、私が先頭に立って7977票を基礎に勝利の方向に向かって進んでいるということに確信を持ってもらえた時に、労働者階級の獲得、住民の獲得に大きく手を付けることができます。
 そういう意味で「つくる会」教科書採択阻止のためのこの1カ月間の闘いに、私たちが革命党としての矜持(きょうじ)を持ち、路線に確信を持って都議選の敗北をのりこえていくかどうかの一切がかかっていると決意しています。
 戦争の時代に真っ先に切り捨てられる介護・福祉の問題についても、私は介護と福祉を要求する杉並住民の会のみなさんとともに、今後も全力をあげて取り組んでいきます。6月22日に介護保険法改悪案が強行成立しましたが、日帝・小泉政権と奥田・経団連は、福祉を全面的に切り捨て、とりわけ高齢者の介護を切り捨てて国家財政を戦争のために振り向けようとしています。こんな攻撃を絶対に許すわけにはいきません。今後の住民の会の運動、介護保険に異議あり全国ネットワークの運動を全力で担い抜き、介護と福祉を奪い返していきます。
 こうした闘いを全力を振り絞って闘うことによって必ず労働者階級のもっと大きな前進につながるということを私自身確信して、みなさんの先頭に立って闘うことを決意表明してごあいさつといたします。

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週刊『前進』(2206号2面2)(2005/07/18)

 “戦争の教科書を絶対阻もう” 長谷川氏、連日渾身の奮闘

 選挙戦最終日 熱気あふれる駅頭街宣

 都政を革新する会の長谷川英憲氏は、子どもたちを戦場に送る「つくる会」教科書採択阻止を訴えて全力を振り絞って都議選を闘いぬき、7977票の貴重な支持を獲得した。当選には及ばない厳しい結果だったとはいえ、日帝・小泉、ファシスト石原都知事、山田杉並区長、「つくる会」派らの反動と全面的に対決し闘いぬいた。この都議選によって「つくる会」教科書採択阻止に向かって重大な地平を切り開いたのである。
 選挙戦最終日の7月2日、長谷川候補は方南町から阿佐ケ谷、高円寺、荻窪と夕方から夜の駅頭街宣を展開した。多くの区民・支持者が集まり、熱気あふれる街頭宣伝となった。
 長谷川氏は、「石原都知事がきょう阿佐ケ谷駅前に来ることになっているが、私は面と向かって浜渦問題の責任をとるべきは石原さんあなただと言ってやりたい。この6年間、日本を戦争のできる国に変えようという実に許しがたい都政をやってきた石原都知事は即時退陣せよ。労働者のみなさん、石原都政を打倒しよう」と呼びかけた。
 「つくる会」教科書については、「杉並の子どもたち、日本の子どもたちを戦争を担える子どもたちに作りかえようとする戦争教育だ。子どもたちに銃を担え、他の国の人たちを殺せ、国のために命を投げ出せという教育をやろうとしている」と弾劾した。そして「日本は今イラクに自衛隊を派兵しており、このイラクへの侵略戦争の上に中国への侵略戦争の準備に踏み込んでいます」と現実に進んでいる戦争への突入と一体の「つくる会」教科書攻撃であることを暴いた。
 また「つくる会」教科書採択に反対する杉並区民が山田区長を相手取って採択差し止めを求めた提訴に踏み切ったことを伝え、親の世代から中学生まで「つくる会」教科書採択阻止の運動が広がっていることを訴えた。
 長谷川氏はさらに介護が必要な高齢者からヘルパー派遣を奪おうとする介護保険法改悪案が成立したことを弾劾し、介護と福祉を要求する杉並住民の会の事務局長として、高齢者の生活と権利を守るために全力で闘うことを表明した。
 長谷川氏の街頭宣伝には多くの応援のメッセージが寄せられた。特に全国から160人を超える弁護士が長谷川氏を推薦する中で、鈴木達夫弁護士が応援の訴えを行った。鈴木弁護士は、石原知事の中国に戦争を仕掛けろとか分断して支配しろという戦争挑発発言や女性差別、「障害者」差別の発言を厳しく弾劾した。さらに「つくる会」教科書の採択差し止めが提訴されたことを報告し、「つくる会」教科書が賛美する明治憲法の時代には、女性に参政権すらなかったことなどを暴露し、その反動的策動を弾劾して、長谷川氏への支持を訴えた。
 動労千葉の田中康宏委員長も長谷川氏を応援する労働組合としてマイクをとり、「なぜ戦争になったのか、いつなら戦争を止められたのか、考え続けてきた。教育の果たした役割は大きい。『つくる会』教科書がどれほど危ないものか。これは戦争するための教科書です」と述べ、「私たち労働者にとって、議会の中で労働者のために命をかけて闘う議員が必要です。それは長谷川さんしかいません」と長谷川氏への支持を訴えた。
 介護と福祉を要求する杉並住民の会代表の八木ケ谷妙子さんは、「戦争に持っていくなどというのはとんでもありません」と小泉政権、石原都政を弾劾し、「一人ひとり大事な命を受けて生きているんです。その命の尊厳にかけて許しません。長谷川さん頑張ってください」と激励した。
 「つくる会」教科書採択に反対する女性は、「この教科書を見た時にこんなのは教科書ではないと思いました。子どもを戦場に送る教科書であることが読めば読むほどよくわかります。こんな教科書を子どもに渡したいと思う親がどこにいますか。戦争にはすべての人が巻き込まれます。それは私たちが止めなければなりません」と訴え、それを議会で実現する人が長谷川氏であるとアピールした。
 若い女性が立って「私の友だちや後輩たちの世代が戦争につながれていくのは許せません。また介護と福祉が必要になった時にそれが受けられないということはあってはならないと思います」と語り、長谷川氏への期待を表明した。
 結柴誠一区議は、「区民のみなさん、長谷川英憲を勝たせて下さい。今度の選挙は長谷川の勝利によって戦争が正しいと教える教科書をストップする闘いです」と訴えた。沖縄戦の生存者である上江田千代さんは、「ひめゆり学徒は戦争のために一所懸命働いた。それは皇民化教育を受けたからです。終戦後それが間違いであったことがわかった。教育の力の恐ろしさを身にしみて体験しているから、『つくる会』教科書は絶対反対です」と訴えた。
 こうした応援演説だけでなく、長谷川氏の街頭宣伝には多くの区民・支持者が詰めかけ熱烈に声援と拍手を送った。その熱気は長谷川氏の主張の圧倒的な正義性を一点の曇りもなく示していた。阿佐ケ谷駅での街宣は、直後に行われた石原都知事を迎えた自民党・大泉の街頭宣伝を圧倒する熱気で打ち抜かれた。
 高円寺駅南口での街宣は「つくる会」派そのものである渡嘉敷との激突となったが、渡嘉敷陣営を圧倒してその反動性、うそとペテンを暴ききった。とりわけ新城節子区議が、「つくる会」が沖縄戦での日本軍による集団死の強制や住民虐殺の事実を抹殺しようとしていることを激しく弾劾して、「沖縄」を掲げて沖縄を裏切る渡嘉敷候補を厳しく糾弾し、ペテン的に環境問題を掲げていた渡嘉敷陣営を圧倒した。
 最後の街頭宣伝の場となった荻窪駅北口では、さらに多くの支持者が集まり、駅前全体が熱気に包まれた。帰宅途中の労働者やバスを待つ人たちが長谷川氏の演説に聴き入った。演説を終えた長谷川氏は、支持者に駆け寄り握手し、「頑張ってください」と熱烈な激励を受けた。
 長谷川氏はこうした声援にこたえて8時を過ぎてからも荻窪駅前に立ち続け、帰宅する区民に支持を訴えた。

 都議選(杉並区)の確定得票
  長谷川英憲 革元 7、977
当 松葉多美子 公新 29、799
当 田中 良  民現 22、928
当 早坂 義弘 自新 22、283
当 吉田 信夫 共現 18、924
当 門脇 文良 民新 17、425
当 福士 敬子 無現 17、337
  大泉 時男 自新 15、600
  堀之内敏恵 ネ新 10、732
  木梨 盛祥 無新 8、285
  渡嘉敷奈緒美 無新 6、249
  千葉 昇  無新 4、738
  中川 修  無新 588
(革=都政を革新する会 ネ=生活者ネットワーク)

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週刊『前進』(2206号2面3)(2005/07/18)

 石原に「やめろ」ボード 安倍は「教科書問題」に終始

 長谷川氏の「つくる会」教科書採択阻止を真っ向から掲げた選挙戦が杉並区内全域に大旋風を巻き起こしたことに圧倒され、日帝・小泉政権、ファシスト石原が杉並に引きずり出され、戦争教科書採択のための反動的な巻き返しを図った。だが、そのもくろみは、長谷川氏の断固たる闘いでうち砕かれた。
 都議選告示日の6月24日自民党幹事長代理の安倍晋三が自民・早坂の応援として杉並に乗り込み荻窪駅北口で演説をした。安倍は「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(代表・中川昭一)の事務局長として「つくる会」と連携し、「つくる会」教科書採択の運動を進めてきた中心人物である。安倍は、若手議員の会としてNHKの女性国際戦犯法廷番組の事前検閲を行い、番組を改ざんさせた張本人だ。
 安倍の演説内容は、早坂の応援はほんのわずかで、「つくる会」教科書推進の話が主軸だった。その中で「家庭崩壊」が重大問題だと主張し、家庭の中心は天皇であるとして天皇制イデオロギーを叫び、杉並で使っている他社の公民教科書を攻撃した。今日の「家庭崩壊」が日帝の首切り・リストラ、賃下げ、自公政権による福祉・社会保障解体の結果であることを塗り隠し、自らの責任を居直って、杉並での「つくる会」教科書採択への焦りに満ちた発言を繰り返したのだ。
 さらに自民党は、厳しい状況にある大泉の応援のため最終日にファシスト石原を投入した。しかし、石原の登場は闘う労働者人民のプラカードによる弾劾に迎え撃たれた。石原がマイクを握ったとき、一斉にプラカードがあがった。石原は打ちのめされて「ぼそぼそ」と話すことしかできなかった。大泉を応援する内容はまったく展開できず、週に2回しか登庁しないことの言い訳に終始した。そして東京の「治安悪化」にこと寄せて、中国への実に許せない排外主義宣伝を繰り返した。
 「つくる会」教科書採択阻止を掲げた長谷川氏の選挙戦が「つくる会」派を圧倒したのだ。

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週刊『前進』(2206号3面1)(2005/07/18)

 戦争教科書 採択絶対阻止へ 大衆闘争の高揚を切り開いた都議選決戦

 “本物の政治家を議会へ” 区民が続々選挙応援 戦争体験者も若者も訴え

 杉並区で長谷川英憲候補の勝利をめざした都議選闘争は、最後の最後まで激烈な蜂起戦として闘われた。その闘いの中で、多くの区民が自主的・自己解放的に決起し、長谷川勝利をめざして闘った。また、全国から多くの人びとが長谷川候補の応援に駆けつけた。

 地域で開いた学習会が力に

 各地域で住民が集まって学習会を開いた。そこで「つくる会」教科書の内容やその採択に向けた都や区の反動的動きをつかんだ区民が、“こんな教科書を絶対に使わせるわけにはいかない”と自ら友人、知人に長谷川氏への支持を訴えて回った。地域に回ってきた長谷川氏の宣伝カーに駆けつけ声援を送り、またある商店主は「つくる会」教科書反対を訴えるビラを知人宅に配布して回った。ある人は、友人・知人に長谷川さんのビデオ『石原都知事に挑戦状』を回覧し、支持を訴えた。
 この中で元音楽教員は、「60年前のいやな戦争をまた起こさせないためにも、今度こそ正しい信念を持った人物を都議会に送りましょう。本物の指導者を都民から見つけて、大いに働いてもらいましょう。教科書には良い夢を持たせるようなことを載せるように周りからも積極的に応援しましょう」と訴えた。また別の女性は、「もし夫や子どもが戦地に駆り出されたら……。これはけっして過去のことではなく、このままだとこれから先にあるのは悲惨な思いを戦後派の私たちも体験させられるかも知れないのです。だから、どんなに残酷なことでも、……というより残酷なことだからこそ、事実をありのままに次の世代に引き継がなければならないのです」と訴えた。
 戦争体験者の男性は、「山田区長、石原知事は、あの戦争の悲惨さを隠して教えない教科書で、われわれのような『軍国少年』を育てようとしています。沖縄戦、東京大空襲、ヒロシマ、ナガサキでどんな思いで死んでいったか。戦争の挑発、歴史のねじ曲げを許してはならない。お孫さん、お子さんのことを考えて投票してください」と訴えた。

 介護保険改悪に怒りの決起

 こうした中でこれまでの支持者であった人の息子や娘の世代が長谷川氏の闘いを知り、また日帝・小泉政権が自分の子どもたちを戦場へと駆り立てようとしていることを知って決起した。20歳を過ぎたばかりの女性は宣伝カーに乗ってマイクを握った。
 住民自らの決起の中心には介護と福祉を要求する杉並住民の会や「つくる会」教科書に反対する住民などがいた。介護と福祉を要求する杉並住民の会は、会員が知人に長谷川氏への支持を訴え、さらに連日の街宣に駆けつけ、たすきがけで長谷川氏の横に並んで、マイクをとって訴えた。長谷川氏自身が5年前の介護保険制度強行に反対して杉並住民の会の一員として闘い、事務局長を担っている中で、住民の会の人びとは長谷川氏を自分たちの代表として押し立てて選挙戦を戦った。選挙戦真っ最中の6月22日に介護保険法改悪案の成立が強行されたことに示されるように、日帝の戦争政治が介護と福祉を奪うものであることに怒りに燃えて決起した。
 何よりも、「つくる会」教科書採択に反対する住民が長谷川氏の勝利に向けて決起した。6月22日の杉並区役所を包囲した800人の決起を始めとして「つくる会」教科書採択阻止へ闘い、街頭宣伝で採択反対署名を集めながら、その一方で長谷川氏の街頭宣伝に駆けつけ、マイクを握り、「『つくる会』教科書採択を阻むためにも長谷川候補の当選を」と訴えた。

 全国から闘う議員ら支援に

 長谷川氏の応援には全国各地の闘う人びとや革新議員が駆けつけた。
 動労千葉の田中康宏委員長、ス労自主の入江史郎委員長、部落解放同盟全国連合会の中田潔書記長、三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木幸司さん、市東孝雄さん、北富士忍草母の会事務局長の天野美恵さんが駆けつけた。介護保険に異議あり全国ネットワークの会員は、連日応援に来てビラまきなどを担った。
 革新議員では大阪から高槻市の小西弘泰市議、森田充二市議、門真市の戸田ひさよし市議、泉佐野市の国賀祥司市議、神奈川から相模原市の西村綾子市議が応援演説で訴えた。
 小西さんは「長谷川さんを当選させることが、戦争への道を止め、医療と介護を奪い返す道だ」と訴えた。
 戸田さんは、「東京に来て驚いた。共産党まで含め、市民派と言われる人たちも誰も石原にノーが言えない。ただひとり長谷川さんだけが石原知事に挑戦状をたたきつけ、真っ向から対決している」と怒りをこめて訴えた。
 西村さんは「石原都政に未来があるでしょうか。浜渦副知事の横暴が暴露されているのに都議会では石原知事が“自分には責任がない”と居直っているのに一矢も報いていない。都議会を働く人たちのためのものにするために長谷川さんを都議会に送りだして下さい」と訴えた。
 「障害者自立支援法案」に反対する「障害者」も応援演説に駆けつけた。
 全国からの闘う人びとの熱烈な応援を受け、自民党・「つくる会」派を始めとする密集した反動との対決を貫き、街頭を制圧して宣伝戦を展開し、長谷川氏は死力を尽くして闘いぬいた。

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週刊『前進』(2206号3面3)(2005/07/18)

 “「つくる会」教科書は違憲” 杉並 区民が差し止めの提訴

 「『つくる会』の教科書採択に反対する杉並・親の会」が7月1日、杉並区教育委員会が扶桑社版の中学校「歴史」「公民」教科書を採択しないことを求める差し止め訴訟を東京地裁に起こした。
 原告10人はいずれも杉並区民で、今回「つくる会」教科書が採択された場合、直接その教科書を教えられる子どもを持つ親が4人含まれている。被告は杉並区、代表は山田宏区長だ。
 提訴後、親の会は弁護団とともに司法記者クラブで記者会見を行った。テレビカメラ4台が入り、14社の記者が集まった。翌2日の朝刊では朝日、毎日、東京のほか、共同通信配信で四国新聞を始め全国の地方新聞で報道された。「つくる会」教科書採択阻止の運動が全国的大運動になっている中で、最も採択の危険が高い杉並の動向に注目が集まっている。
 記者会見では冒頭、親の会と弁護団から差し止め訴訟の概要が語られた。
 訴状では、「つくる会」の歴史教科書が太平洋戦争を「自存自衛」のための戦争と教え、「東南アジアやインドの人々に独立への夢と勇気を育んだ」と美化、肯定していること、また「つくる会」公民教科書では「国防の義務」が「国民の崇高な義務」と書かれていることなどを指摘し、「この教科書を公教育において使用することは、教科書としての適切・不適切の判断を超えて、憲法・教育基本法そのものに違反する」と主張。このような違憲・違法な教科書が採択され、中学校で使用されることは、「杉並区民の基本的人権・法的権利が侵害される」と断じている。
 この人権侵害は、杉並区内の中学生、中学生の保護者、中学社会科教師、杉並区民、さらに区内在住の朝鮮人・中国人に及ぶとしている。「つくる会」教科書によって歪曲された歴史認識が流布されることは、在日朝鮮人・中国人の「民族としての誇りと名誉を著しく傷つけ」「耐えがたい精神的苦痛をもたらす」と警鐘を乱打している。
 さらに訴状は、杉並区教委による教科書採択の手続きの違法性を明らかにしている。教科書は本来、現場教員によって選ばれるべきものだが、東京都では2000年度に教科書採択事務が各区教委に移管され、各区教委の独断と偏見による採択へと制度が改悪されてきた。しかも杉並区では昨年5月、区議会文教委員会を無視し、当の区教委でさえ論議されることなく、一層の改悪が強行されたと指摘している。
 また訴状は、山田杉並区長が成人式で特攻隊の遺書を読み上げて「感謝しなさい」と述べたり、区議会で「大東亜戦争は自衛戦争」などと発言していることから、山田区長が「つくる会」と同一の歴史観の持ち主であるとして、この「山田区長の下で、杉並区教育委員会は、『不当な支配』に屈し、教育行政の政治的中立性を逸脱して、つくる会・扶桑社の広告塔の役割を担わされている」と断じて、採択差し止めの必要性を主張している。
 記者会見に臨んだ原告は口々に採択反対を訴えた。中学生と小学生の子をもつ父親は、「これは教科書とは呼べない。アジアの人たちも反対しており、子どもたちに使わせたくない。採択も密室で行われようとしている。なんとしても止めたい」と力を込めた。
 高校生の子をもつ母親は、山田区長が主導し「杉並師範塾」を開いて特攻隊を賛美する教師を養成しようとしていること、「つくる会」の宣伝機関である衛星放送「日本文化チャンネル桜」に出演していることなどを指摘し、「この4年間、教育の私物化に拍車がかかっている。被告が山田区長になって喜んでいます」ときっぱり。3月まで高校教員だった男性も、「日本の侵略戦争を美化する教科書を教えることは教師にとって屈辱的なことだ。教えなければ教師が処分される」と危機感を語った。

 24日に杉並大集会

 親の会の署名は7月4日現在、1万6086筆となっている。この中には、中学生たちがクラスで討論して、集めた署名も多数含まれている。
 親の会は、区役所前昼休み行動や駅前街頭宣伝を続けながら、「7月27日までに3万の署名を集めよう」と呼びかけている。署名運動を広げ、27日(水)の教育委員会と、採択が予想される8月3日(水)の教育委員会に対して、「密室採択許さない! とりまこう区役所を」と「人間の鎖」行動を呼びかけている。
 また、7月24日(日)午後1時から、セシオン杉並で「絶対使わせない!『つくる会』教科書7・24杉並集会」(主催・同実行委員会)が開催される。沖縄の反戦地主・読谷村議で「日の丸」焼き捨て裁判元被告の知花昌一さんらが講演の予定。実行委員会は大結集を呼びかけている。
 「石原・横山都教委の暴走を止めよう!都教委包囲首都圏ネットワーク」が主催する7・29都教委包囲デモとも一体の闘いだ。
 杉並で、全国で「つくる会」教科書をとめるために全力で行動しよう。
 (本紙・室田順子)

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週刊『前進』(2206号3面4)(2005/07/18)

 戦中の教科書と酷似 「つくる会」教科書 新たな戦争動員狙う

 軍報さながらに戦意発揚

 「つくる会」教科書は、日本帝国主義が労働者階級人民を北朝鮮・中国−アジア侵略戦争に動員するための重大攻撃である。同時にそれは、戦前(戦中)の日本がそうだったように、労働運動、学生運動、反戦闘争など労働者人民の自主的闘いを恐れ、憎悪し、一掃するための攻撃である。なんとしても今この時点で粉砕しなければならない。今が歴史の分かれ道だ。
 「つくる会」教科書は、かつて日本が行った侵略戦争に対する反省と戦争絶対反対の立場を「自虐史観」などと言って否定し、戦争肯定の立場に転換させようとしている。労働者階級の中にいまだ根強く存在する反戦意識を一掃し、国家のための戦争、侵略戦争に命をかけられるような転倒した価値観に塗り替えなければ、帝国主義の争闘戦−国家間戦争に勝ちぬいていくことができないからだ。
 この狙いから「つくる会」教科書は、日清・日露戦争以来の日帝の侵略戦争、帝国主義戦争のすべてを「自存自衛の戦争」「アジア解放のための戦争」と美化している。
 それゆえ、その内容は、日帝が中国侵略戦争から対米英のアジア・太平洋戦争(第2次世界大戦)につき進んでいったときの国定教科書と酷似している。どちらも大本営発表の軍報さながらに国民に向かって戦意をあおっている。具体的に比べてみよう。
■「つくる会」歴史教科書(05年版)
 1941(昭和16)年12月8日、日本海軍はアメリカのハワイにある真珠湾基地を空襲し、アメリカ太平洋艦隊に全滅に近い打撃をあたえた。これは、太平洋の制海権を獲得し、将来、東南アジアから日本へ石油などの物資を輸送する船の安全を確保するのが目的だった。同日、日本陸軍はマレー半島に上陸し、イギリス軍を撃破しつつシンガポールをめざして進んだ。
 日本は米英に宣戦布告し、この戦争は「自存自衛」のための戦争であると宣言した。日本政府は、この戦争を大東亜戦争と命名した。……
 日本の緒戦の勝利はめざましかった。マレー半島に上陸した日本軍は、わずか70日で半島南端のシンガポールにある英軍の要塞(ようさい)を陥落させた。連合国側の準備が整わなかったこともあり、たちまちのうちに日本は広大な東南アジアの全域を占領した。
 ……日本軍はとぼしい武器・弾薬で苦しい戦いを強いられたが、日本の将兵は敢闘精神を発揮してよく戦った。
 ……このような困難の中、多くの国民はよく働き、よく戦った。それは戦争の勝利を願っての行動であった。
■戦争中の国定教科書『初等科国史』下(1943年3月発行)
 昭和十六年十二月八日、しのびにしのんで来たわが国は、決然としてたちあがりました。忠誠無比の皇軍は、陸海ともどもに、ハワイ・マライ・フィリピンをめざして、一せいに進攻を開始しました。勇ましい海の荒鷲(あらわし)が、御国の命を翼にかけて、やにはに真珠湾をおそひました。水づく屍(かばね)と覚悟をきめた特別攻撃隊も、敵艦めがけてせまりました。空と海からする、わが猛烈な攻撃は、米国太平洋艦隊の主力を、もののみごとに撃滅しました。この日、米・英に対する宣戦の大詔がくだり、一億の心は、打つて一丸となりました。
 ……ほとんど同時に、英国の東洋艦隊は、マライ沖のもくづと消え、続いて、かれが、百年の間、東亜侵略の出城とした香港も、草むす屍とふるひたつわが皇軍の精鋭によつて、たちまち攻略されました。

 治安維持法下の大弾圧隠す

 このように比べてみれば、「つくる会」教科書が再び人民を侵略戦争に動員するためのものであることは明らかだ。天皇と天皇制を全面賛美し、忠義、愛国心などを子どもたちに刷り込み、さらに「強い日本の国民」、新「皇国民」として日帝の侵略戦争と新「大東亜共栄圏」づくりの積極的担い手とすることを狙っているのである。
 そこには、侵略され虐殺されたアジア人民や、侵略戦争に動員され自らも悲惨な体験をした日本労働者階級の立場から、侵略戦争を厳しく批判し反省し否定する立場など、かけらもない。「多くの国民はよく働き、よく戦った」などと言って、実は治安維持法下で思想弾圧や言論弾圧が吹き荒れ、労働運動、学生運動、反戦運動などが徹底的に弾圧されたことをひた隠しにしているのだ。
 政府、自民党・小泉政権は「つくる会」教科書を戦前・戦中の「国定教科書」のような位置に押し上げ、他社の教科書を駆逐し、さらには小学校から高校まで教科書攻撃を拡大していくことを狙っている。その先兵が石原都知事と山田区長だ。杉並を先頭に全国で採択を絶対に阻止しよう。

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週刊『前進』(2206号5面1)(2005/07/18)

 1047名の団結固めよう 7・15全国集会に大結集を

 安全破壊の民営化攻撃と対決し解雇撤回かちとれ

 「国鉄労働者1047名の解雇撤回! 原告団・闘争団・争議団を励ます7・15全国集会」は、国鉄闘争解体の攻撃を打ち破るきわめて重大な闘いだ。集会を呼びかけた21人の学者・文化人と、国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団の3者は、今日の大反動に抗し、集会への1万人結集をめざして連日闘いぬいている。これにこたえ7・15日比谷野音に総結集しよう。

 階級闘争絶滅の攻撃阻む橋頭堡

 国鉄分割・民営化以来、18年の闘いを貫いてきた国鉄闘争は、今日さらに激化する階級闘争絶滅の攻撃に抗し、労働者階級の最も奥深いところから反撃をたたきつける闘いだ。陸・海・空・港湾労組20団体や教育基本法改悪阻止を闘う統一戦線と並び、これらを牽引(けんいん)するものとして、国鉄闘争支援の一大統一戦線は巨大な意義を持っている。
 小泉政権は郵政民営化法案の衆院採決を強行した。これに先立ち閣議決定された「骨太方針X」は、公務員労働者の大量首切りと、「市場化テスト」による公共部門の民営化の全面推進を打ち出した。
 同時に小泉政権は、ますます激化するイラク人民の民族解放戦争を前に、「自衛隊は撤退させない」と絶叫し、米帝との反動枢軸を強化して、一層の侵略戦争にのめり込んでいる。
 これら戦争と民営化攻撃の一大焦点にあるのが「つくる会」教科書採択の攻撃だ。都議選決戦の地平を発展させ、戦争教科書を絶対に阻止する7月闘争に決起しなければならない。
 日帝・小泉=奥田と「つくる会」は、アジア侵略戦争への国民総動員と民営化攻撃(労組破壊・左翼一掃)を一体のものとして攻撃を強めている。その照準は、労働者階級の階級性を解体し、階級闘争を絶滅することに定められている。
 今や日本経団連・奥田ら日帝ブルジョアジーの主流が改憲を決断し、「つくる会」一派を公然と後押ししつつある。小泉は、中国や韓国との外交的決裂も辞さず、敗戦60年の8・15に靖国公式参拝を強行しようと策している。日帝は明白に北朝鮮・中国への侵略戦争を構え始めたのだ。
 今夏のNTT労組大会、日教組大会、自治労大会は、改憲路線を許すのか否かをかけた一大攻防だ。連合中央は、これら旧総評中軸組合を改憲勢力に転向させて、10月連合大会で改憲方針を強行し、労働者階級総体を侵略戦争体制に組み伏せようと狙っている。
 労働者階級は、こうした攻撃との生死をかけた激戦の渦中にある。7・15集会を成功させてこそ、この攻撃に立ち向かう力を手にすることができるのだ。
 1047名闘争は4党合意以来の闘争解体攻撃を打ち破って生き残った。この中で、鉄建公団訴訟を軸に国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団の1047名陣形を形成する新たな地平が切り開かれた。またその先端には、国労5・27臨大闘争弾圧をめぐる攻防があった。それらすべての集約点に位置する7・15集会は、戦争と民営化の攻撃と苦闘する全労働者を糾合し、階級的団結をよみがえらせ、反転攻勢の突破口を開く闘いなのである。

 安全運転行動がJR体制を痛撃

 JR尼崎事故は、民営化の帰結を衝撃的に突き出した。小泉=奥田は、107人の命を奪った大惨事を突きつけられてなお、民営化路線にしがみついている。
 この凶暴きわまる攻撃と全面対決しなければ、労働者の命は守れない。
 動労千葉は、処分の恫喝に屈せず安全運転行動を果敢に闘いぬいている。そのただ中で、「平成採」の青年労働者が動労千葉に結集した。資本=カクマル結託体制を突き崩し、JR総連とJR体制を打倒するチャンスが到来したのである。
 動労千葉に続き、JR本隊からの総決起をつくり出そう。被解雇者とJR本隊の労働者が固く団結し、JR体制を内外から打ち破る闘いを貫けば、1047名の解雇撤回をかちとる道は必ず切り開かれるのだ。
 第一陣の鉄建公団訴訟の9・15勝利判決戦取へ闘おう。1047名の統一戦線をさらに強固に打ち固め、民営化と大事故への社会的怒りを巻き起こし、9・15に至る過程を総力で闘いぬいて、全労働者をあらためて国鉄闘争に組織しよう。

 妨害を打ち破り1万人総決起へ

 全労連中央の一部指導部は、7・15を「黙殺する」と言い放ち、敵対をあらわにしている。その背後には日本共産党中央の反革命的意志がある。国労本部=酒田・革同執行部もまた、集会妨害を強めている。
 この策動を根底的に粉砕し、7・15大結集のうねりをつくり出そう。敵と通じた闘争破壊者に最後的な断を下し、国労再生の血路をこじ開けよう。
 そこには、労働者階級が階級性を堅持し、戦時下の階級闘争を貫けるのか否かがかかっている。裏切りをまかり通らせた時、「つくる会」を先兵とする階級闘争絶滅の攻撃は、恐るべき力を持ってしまうのだ。
 7・15に総結集し、8月広島・長崎反戦反核闘争から11月労働者総決起への壮大な展望を切り開こう。

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週刊『前進』(2206号5面2)(2005/07/18)

 郵政法案の衆院可決弾劾 参院で絶対に否決・廃案に

 郵政民営化関連法案が7月5日の衆院本会議で可決された。採決は、賛成233票、反対228票のわずか5票差だった。野党の反対に加え、与党の自民党から反対(37人)、欠席・棄権(14人)の計51人という大量の造反者が出たためだが、小泉政権は、あえて採決を強行したのだ。
 ここには、何がなんでも今国会で郵政民営化法案を成立させ、07年郵政分割・民営化を強行しようという小泉政権の激しい国家意志がある。それは、郵政民営化を突破口に、公務員制度改悪などを強行し、さらに07年にも憲法改悪を強行するということだ。だが同時に、予想を上回る造反者が出たことは、小泉政権の危機が一挙に激化していることをも示している。
 法案は参院に送られ、小泉政権は、延長された会期末の8月13日までに成立させようとしているが、参院での審議は衆院以上に難航することが予想される。小泉は、衆院での造反をくい止めるために、「解散・総選挙」を脅しに使ったが、参院で否決された場合でも衆院の解散・総選挙を行う意志を明らかにした。
 参院での審議は、小泉がイギリスでのG8サミットから帰国した後の11日以降に始まるが、会期末までは1カ月余りしかなく、与党から18人が反対に回れば法案は否決されるという危機に小泉は立たされている。
 郵政民営化法案もろとも小泉政権を打倒する好機が到来しているのだ。今こそ闘う全逓労働者が郵政分割・民営化絶対阻止を鮮明に掲げて総決起すべき時だ。JPU(旧全逓)中央の「民営化反対」のペテンを暴き、彼らを打倒し、職場からの大反撃を組織しなければならない。そのために、労働者としての郵政分割・民営化絶対反対論を鮮明に掲げよう。
 郵政民営化法案は、07年4月から現在の郵政公社を分割・民営化し、持ち株会社のもとに、窓口会社、郵便会社、貯金会社、保険会社を置くというもので、職員の国家公務員資格を剥奪(はくだつ)するものだ。
 衆院での「修正」により、郵便局はあまねく全国に配置することが義務付けられ、総務省令で過疎地のネットワークを維持する設置基準を設けることになった。そのために、社会・地域貢献資金を1兆円から2兆円まで積み立てることが法案に明記された。また、郵便局の統廃合についても、政府・自民党が都市部を含め利便性に支障が出ないよう「配慮」することで合意した。
 さらに、持ち株会社が民営化から10年以内に貯金、保険の金融2社株を完全処分するとしたが、その後に買い戻す際に「議決権の連続的保有」を可能にする条文が修正法案に持ち込まれるなど、「3事業の一体性」が強まった。
 これらは、自民党の郵政族の要求にこたえる形で「修正」されたものだが、いったん民営化されれば、ネットワークの維持も3事業一体も定かではない。いずれは、郵便局の統廃合も貯金、保険の縮小も不可避なのだ。
 問題は、国会での議論では、労働者の雇用については、まったく問題にもなっていないことだ。職員の非公務員化は当然のこととされている。
 しかも、07年の民営化に伴い、〈いったん全員解雇・選別再採用>が強行されることだ。マスコミ報道などでは、公社職員の雇用は継続されるかのように言われているが、それはウソだ。郵政民営化法案の第165条「職員の引継ぎ」の項では、「公社の解散の際現に公社の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、この法律の施行の時において、承継計画において定めるところに従い、承継会社のいずれかの職員となるものとする」となっている。「別に辞令を発せられない限り」というただし書きがあるのだ。「別に辞令」があれば、雇用を継続しなくてもよいことになっている。どこに飛ばそうが、解雇しようが自由であり、国鉄分割・民営化の際の清算事業団送りのような活動家パージもあり得るということだ。
 しかも、現行の労働協約はすべて破棄され、新たに協約を締結することになり、その際、「公社の職員の給与、勤務時間その他の労働条件に配慮するものとする」(第171条)となっている。「配慮」とは、労働条件の一切は承継しないで、まったく別の労働条件を定めるということだ。
 現在の郵政公社でも、JPU中央が公社のアクションプラン・フェーズ2を丸飲みする方針を6月の第60回定期大会で決定したことにより、今後2年間で少なくとも1万人の人員削減や郵便内務の10時間2交代制の導入など、極限的に労働条件が悪化しようとしているのだ。
 全逓労働者は、郵政民営化法案を否決・廃案に追い込むとともに、公社の民営化そのものの攻撃に対して、今こそ物ダメ・ストライキで総反撃に立とう。

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