ZENSHIN 2005/09/12(No2213 p08)

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週刊『前進』(2213号1面1)(2005/09/12)

 革共同の9月アピール

 労働者の反転攻勢の秋が来た

 自治労・国労大会での反撃広げ4大産別決戦の勝利へ進もう

 小泉打倒し11月1万人結集を

 労働者の反転攻勢の秋(とき)が来た。8・8衆院解散―9・11総選挙という小泉のファシスト的クーデターの大反革命と真っ向から対決し、4大産別決戦を軸に、11月労働者集会への1万人結集の大運動を巻き起こそう。小泉は参院で郵政民営化法案が否決された時点で、政権の「死に体」化か総辞職を突きつけられた。それを居直って逆に解散・総選挙に訴えた。小泉の延命を許すことは戦争と民営化(労組破壊)の大攻撃をもたらす。絶対に打倒しよう!

 第1章 党と階級の存亡をかけ小泉反革命と闘いぬく

 帝国主義の出口なき危機の中で、全世界で革命的激動が一層深まっている。米帝において、ニューヨーク原油は70jを突破し、住宅バブルの危機は野放図に拡大している。この体制的破綻(はたん)と危機にハリケーンが直撃した。ハリケーンによる大災害は、アメリカ帝国主義自らがつくりだしたものである。また米帝のイラク占領の危機の中で、米国内のイラク反戦闘争は新たな高揚を開始した。労働運動は、AFL−CIOの大分裂をついてノースウエスト航空ストライキ闘争にみられる新たな高揚をつくりだしている。
 イラク新憲法草案をめぐって、イラク人民の民族解放・革命戦争の内戦的爆発が引き起こされている。パレスチナ情勢は、イラクの闘いとともに民族解放戦争の新たな展開をとげている。
 今こそ国際主義的連帯の革命的発展をかちとり、プロレタリア世界革命への前進をかちとらなければならない。
 9・11総選挙に向かう日帝・小泉の歴史的大反動の嵐は、階級決戦の本格的幕開けであり、労働者の総反撃の好機である。帝国主義の危機と激動の中で、労働者の怒りは極点に達している。小泉が帝国主義の存亡をかけるならば、労働者階級は生きるために団結し総決起する。
 小泉による今回の解散・総選挙は、事実上のファシスト的クーデターである。小泉は、さらに9・11総選挙の勝利をもって郵政民営化を強行し、戦争と民営化=労組破壊の大攻撃を一挙にエスカレートしようとしている。この攻撃の重大性をはっきりと見据え、断固たる階級的総反撃にうって出なければならない。
 小泉は、今次総選挙で郵政民営化を呼号し、”公務員を一掃しろ、公務員の存在を支える労働組合を絶滅しろ、この連中が国家を破綻させる”というおぞましい反動キャンペーンを展開している。小泉は郵政労働者をなぶり殺しにして、その上に、ファシスト的独裁権力を新たに手中にしようとしているのだ。
 いったん議会で制度的に否決したものを、執行権力が力ずくで転覆する。今度はそれをファシスト的な「国民投票方式」を利用して、郵政民営化法をねじ伏せるように押し通す。これによって、小泉=奥田らは、4大産別の労働組合絶滅攻撃を一挙に激化させようとしている。さらに「つくる会」教科書を強行し、イラク参戦を継続し、06年教育基本法改悪・憲法改悪などのあらゆる戦争攻撃を貫徹し、公務員制度改悪、社会保障制度解体、大増税など、05年から07年に狙ったあらゆる大反動を、ファシスト権力の猛威のもとで、自己の在職のあと1年間で次々とやりぬくつもりなのだ。
 この一大反革命は、戦後の「平和と民主主義」的要素を残存させては貫徹できない。総選挙過程では、「郵政民営化反対」という支配階級内部にある戦後的残存物をすさまじい迫力、執念で一掃しつつ、その勢いで労働者階級への大攻撃を加速させようとしている。労働者階級を国家主義、愛国主義の洪水でのみつくし、その階級意識を解体し、かたや帝国主義がつくりだした一切の破綻と矛盾を労働者に押しつけ、塗炭の苦しみに追いやろうとしているのだ。
 革共同は、党と労働者階級の存亡をかけて、この小泉大反動を、断固としてイデオロギー的・政策的・政治的に圧倒し、打倒する闘いに総決起し、11月1万人結集の道を切り開くことを宣言する。革共同はこの歴史的責務を一身に背負い、「つくる会」教科書攻防において体を張って闘いぬいたように、革命的共産主義運動の戦闘精神をみなぎらせ、その真価をかけて総決起する。
 この05年、日帝・小泉=奥田、石原らは、国家主義・愛国主義を体内から噴出させ、ファシスト暴力をテコに戦争と民営化攻撃を推し進めている。戦後的階級意識の絶滅とその象徴である労働組合の解体攻撃を激化させている。
 小泉反革命は労働者階級を最大の標的にしている。それは戦争と民営化攻撃を、「つくる会」教科書・靖国神社の反革命と一体のものとして、4大産別への労組破壊―改憲勢力化攻撃として強行しようとするものである。
 だが、05年〜07年決戦は、恐るべき反動の一方的な激化のみが進むわけではない。敵の攻撃が激化すればするほど、労働者階級のやむにやまれぬ抵抗・反乱・決起が引き起こされる。動と反動の激突から革命的激動のダイナミックなうねりが、分岐・流動・再編・高揚の階級情勢が生まれてくるのだ。

 第2章 自治労の改憲勢力化を打ち破った大会攻防

 8・23〜26自治労大会で、戦争と民営化に対決する自治労労働者の一大決起、総反撃が闘われた。それは一昨年の「21世紀宣言拒否」以上の重大情勢の到来を意味している。今大会は、100万自治労の改憲勢力化―翼賛化と立ち向かい、さらに郵政を突破口とする全公務員への大民営化―首切り・リストラ、労組破壊と全面対決する決戦であった。さらには、自治労大会を正面突破し、10月連合大会での7・14連合「改憲見解」の正式決定をもって連合傘下700万労働者を戦争協力=翼賛化に総動員しようという連合中央・笹森らとの決戦であった。
 8月自治労大会は、小泉反革命によってその階級的位置がさらに決定的になった。この大会は、9条改憲=「平和基本法」制定の運動方針決定を許すか否かの、日本労働運動の命運をかけた攻防であった。これを許すなら、新たな小泉反革命に拍車をかけ、労働者階級にとって恐るべき事態が現出する。だがこの断崖(だんがい)絶壁の危機から、「平和基本法」制定―改憲を拒否する戦争協力拒否の総反撃の火の手が上がった。
 事実上の自衛権を認める「平和基本法」制定方針によって改憲勢力化にかじをきる裏切り方針に対して、沖縄、宮城、新潟、富山の4県本部から「平和基本法削除」の修正案が出され、沖縄県本部の烈々たるアピールを突破口に発言者の大半がこれに反対したのだ。労働組合が帝国主義国家の「自衛権」という戦争推進の論理を法律として要求するとんでもない裏切りへの怒りが、会場を覆い尽くした。本部答弁には激しいヤジと弾劾が浴びせられた。
 「平和基本法」が「最小限防御力」をもって「自衛権」を主張するものである以上、それは連合や民主党、いや自民党すら言っている安保基本法(緊急事態基本法)と寸分たがわない。7・14連合見解での「両論併記」で9条改憲を明確に打ち出す際の基本的論理も「自衛権容認」である。この連合見解をくし刺しにする総決起が闘われた。
 自治労大会では、確かに本部案は採決されたものの、本部の改憲勢力化方針を決定的に打ち破った。
 第一に、何よりも、取り下げられたものの「平和基本法制定」への「反対修正案」が出され、反対派が発言者の多数を占めたことは決定的事態である。ここで「最小限防御力」や「自衛権」が焦点となったことは、9条改憲策動への根底的反撃である。
 第二に、沖縄県本部の総反乱である。沖縄県本は「平和基本法は戦争推進法だ」と本部を激しく弾劾し、「退路なき決起」を行った。大反動に対して、たとえ少数でも真に根底的な決起があれば、それは一挙に階級の魂をとらえ、巨大な広がりとなる。「基地撤去、9条改憲阻止―戦争協力拒否」の沖縄県本部の命懸けの叫びは、自治労全体を感動的に揺さぶった。さらに沖縄労働運動の階級的戦闘的発展と、自治労を突破口に、本土―沖縄を結ぶ新たな階級的労働運動を再生させる決定的出発点となった。
 第三に、修正案が取り下げられたことは、激しい反乱・決起、分岐・流動が深まってはいるが、それが再編にまで至らず、新たな全国的司令塔がいまだに形成されていないことを示している。しかし本部答弁をとおして、9条改憲―自衛権容認の「平和基本法」制定策動をそのまま貫徹することはできなくなった。自治労の改憲勢力化はいまだ決着がつかないままに、分岐・流動情勢がより大きく切り開かれたのである。
 第四に、新たな分岐・流動から再編に至る力がいまだ形成されていない中で、11月労働者集会のみが分岐・流動を再編・高揚へと発展させ、真の自治労の戦闘的・階級的再生を可能とすることが一層鮮明になった。一切の回答は、「11月1万人結集」にある。

 公務員切り捨て叫ぶ郵政民営化粉砕へ

 05年決戦は、戦時下での戦争と民営化(労組破壊)という階級性絶滅・一掃攻撃との決戦である。そこでは最も激しい攻撃にさらされている産別、労組、職場にこそ、実は闘う条件が満ちている。攻撃が激しければ激しいほど、労働者の怒りはそれだけ大きく存在するからだ。それだけ団結は強化され、拡大していくのだ。このような闘い方を貫くことが、1万人結集運動である。11月1万人結集は、労働組合を防衛し、資本への反撃を全力で闘うことなしにありえない。
 戦争と民営化攻撃の最も激しい先端こそ4大産別にほかならない。この4大産別の大結集こそ、05年11月集会をかちとる環である。
 敵の攻撃は、一点、郵政民営化を突破口にしている。郵政民営化は、「27万人の公務員を一掃せずに改革はあるのか」という恫喝で、全公務員の徹底した首切りを強行するものだ。小泉の「特権にあぐらをかく公務員労働者が国家財政を危機に陥れている」という郵政労働者、公務員労働者への恐るべきデマゴギーと攻撃を絶対に許すな。これほど労働者の誇りを踏みにじる理不尽で非人間的な言動があろうか。
 財政危機は、日帝が資本と銀行の救済に湯水のように財政投入したことによるものだ。いったい公務員(郵政)労働者のどこに責任があるというのだ。そればかりか、「小さな政府」の名のもとで、地獄のような労働強化を押しつけ、人間性をずたずたに破壊するような労働現場を強制し、「お前たちの存在があるから財政は赤字になる。これから公務員の身分をとりあげて、首切りも自由にする、賃金も切り下げる、いやだったらやめろ」というのが郵政民営化攻撃なのだ。そして郵政を民営化することで、全公務員への首切り、リストラを1年もたたずに広げようとしているのだ。
 80年代の国鉄分割・民営化攻撃の時、これとまったく同様の極悪キャンペーンが吹き荒れた。これに怒りをもって立ち向かい、労働者の誇りをかけてストライキに決起した動労千葉の闘いを教訓化し、この闘いに続こう。小泉=奥田の「上からの反革命」である戦争と民営化攻撃に、11月労働者集会で、1万の怒りの団結をたたきつけよう。
 さらに小泉の反革命に立ち向かうには、体制を根底から転覆する「革命」を対置することだ。反革命攻撃から革命を生み出すには、帝国主義を打ち倒すプロレタリア革命の根底的な呼びかけが必要である。
 11月に至る過程こそ、労働者階級をめぐる本格的な決戦的攻防、分岐・流動・再編の激烈な内乱的な死闘過程となる。それが自治労大会で示されたのだ。

 第3章 動労千葉と連帯共闘し国鉄闘争の勝利開こう

 国鉄闘争は、小泉反革命のもとで8・30〜31国労大会から9月15日の鉄建公団訴訟判決を迎え、戦争と民営化・労組破壊への労働者の総反撃と一体となって胸突き八丁の最大の正念場を迎えている。
 郵政民営化攻撃との対決には、同時に国鉄分割・民営化をめぐる闘いの決着がかかっている。また国鉄決戦そのものをも新たな激突へと押し上げている。
 民営化攻撃とは何か。尼崎事故の根本原因は、民営化攻撃と労働組合破壊にある。JR尼崎事故の107人の犠牲者は、国鉄分割・民営化政策とJR資本、国土交通省によって殺されたのだ。同時に資本と闘わない労働組合幹部の裏切りの結果でもある。労働組合が闘わなくなった時、安全は崩壊する。「闘いなくして安全なし」である。動労千葉は、分割・民営化がもたらす安全破壊に、安全運転闘争を対置し、処分攻撃を恐れず、ついにレール交換を始め「安全運転確保」の重大な勝利をかちとっている。
 国労大会では、酒田委員長があいさつで、絶対に分割・民営化を尼崎事故の原因とはしないと言明し、JR資本の居直りに全面屈服した。恐るべき裏切りである。この裏切りは、1047名闘争という分割・民営化反対闘争への全面的敵対である。国労大会での佐藤勝雄委員長・吉田進書記長の新人事は、国鉄1047名闘争と国労を最後的に解体することを目的としている。この人事と直ちに真っ向から対決しなかったら、1047名闘争の勝利も国労の再生もない。
 このように尼崎事故弾劾と1047名解雇撤回、分割・民営化反対闘争は完全に一体の闘いであり、9・15鉄建公団訴訟判決も、そのような立場で闘うことが求められている。上村革同のペテン的懐柔策動を粉砕し、資本と闘い、裏切り幹部打倒を推し進めながら9・15勝利判決をかちとることである。9・15判決は、国鉄闘争を超えて日本労働運動にとって巨大な歴史的位置をもつものだ。
 5・27臨大闘争弾圧粉砕闘争は、新たな国鉄決戦の発展の基軸にすわる闘いである。5・27弾圧は、国鉄分割・民営化反対、1047名闘争への弾圧であり、国労幹部が直接に加担した弾圧である。これとの闘いは尼崎事故弾劾と一体の闘いである。郵政民営化攻撃の嵐の中で、尼崎事故弾劾と国鉄1047名闘争を全労働者の反転攻勢の火柱としてぶちぬこう。今こそ動労千葉の闘いに続き、動労千葉と連帯・共闘して闘おう。

 「つくる会」教科書の採択を白紙撤回せよ

 8・12を頂点とする「つくる会」教科書採択阻止の杉並攻防は、都議選決戦と一体の内乱的な死闘だった。無法な歴史教科書の採択強行にもかかわらず、「つくる会」のファシストどもの策動は根底的に破綻し(全国で0・5%以下の採択率)、逆に教育労働者の本格的な決起とともに、闘いは「日の丸・君が代」攻防と一体となって完全に永続化した。
 「つくる会」教科書との激突は、激しく続いている。杉並の8・24教育委員会、25文教委員会では、「白紙撤回」への新たな決起が、教育労働者を先頭にして圧倒的に巻き起こっている。「つくる会」教科書決戦は、まさに継続・激化・発展しているのだ。
 この攻防にかちぬいてきたイデオロギー的・階級的力(労働者自己解放=マルクス主義の思想と実践)こそ、都議選闘争を闘いとった地平の上に05〜07年階級決戦に突入し勝利することを可能にする力である。9月の激闘をとおして、11月1万人結集を革命的に牽引(けんいん)する力である。それはまた、帝国主義の戦争攻撃の大重圧と真正面からぶつかって「連帯し侵略を内乱へ」を貫き、帝国主義を打倒する力なのである。

 労働者の国際連帯の思想と闘い広めよう

 11月労働者集会へ向けて、今こそ国際連帯の闘いを強化・発展させよう。
 反スターリン主義・革命的共産主義運動は、労働者国際主義の思想であり、実践である。国際連帯の闘いは、今や21世紀革命に向けた時代の要請であり、絶対的な責務である。AFL−CIOの大分裂は、国際階級闘争における新たな分岐・流動・再編・高揚への突入である。まさに国際連帯こそ、帝国主義打倒と階級的労働運動―ランク&ファイル運動の日々の死闘なのだ。動労千葉が切り開いた日米韓の3国連帯の闘いを発展させよう。11月労働者集会1万人結集へ、3組合共闘の強化・発展をかちとろう。
 9月決戦から11月総決起へ、都議選闘争の地平を発展させ、労働者党員を主軸とした全党総決起をかちとろう。労働者党の壮大な建設に向けて、地区党強化の闘いとマル青労同建設に全身全霊をかたむけて決起しよう。4大産別を先頭に産別委員会の強化をかちとろう。
 宣伝・扇動の最大の環は、機関紙である。機関紙拡大ぬきに1万人結集はありえない。職場から地域から、労働者階級の根底的な怒りの決起を爆発させよう。ひたむきなオルグを積み重ねよう。
 米軍再編攻撃の最前線である沖縄の辺野古新基地建設阻止、普天間基地即時撤去、都市型訓練施設撤去・訓練阻止などの闘いとの結合をかちとろう。座間、横須賀などの反基地闘争を強めよう。
 9・1明け渡し判決で東北大有朋寮をめぐる決戦に突入した。全国から支援・激励を集中しともに勝利しよう。全学連大会を成功させ、労働者階級と連帯する全国学生運動の前進をかちとろう。
 三里塚暫定滑走路北延伸阻止、現闘本部裁判勝利へ闘いを強化しよう。北富士での自衛隊サマワ模擬施設演習を粉砕しよう。戦時下の治安弾圧との闘いを強め、公安警察との闘いに勝ち抜こう。

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週刊『前進』(2213号1面2)(2005/09/12)

 東北大 有朋寮明け渡し判決弾劾

 強制執行実力阻止決戦へ

 9月1日、仙台地裁は東北大学当局が提訴していた有朋寮明け渡し裁判で、「仮執行」つきの明け渡し命令という不当判決を行った。学生運動の圧殺と、東北大の戦争大学化を狙う攻撃である。闘いは強制執行実力阻止の決戦に突入した。全国から支援・激励を集中し、ともに闘おう。(関連記事7面)

 裁判やり直せ!法廷に怒号響く

 「被告らは原告に対し、建物を明け渡せ」。裁判長のか細い声が聞こえた瞬間、法廷は怒号に包まれ、徹底弾劾のシュプレヒコールが鳴り響いた。裁判長は判決主文だけ急いで読み上げ、そそくさと逃げ帰る。「結果ありきの反動判決を許さないぞ!」「今すぐ裁判をやり直せ!」、廊下からも多くの労働者・学生がなだれ込み、法廷を占拠。法廷は怒りに包まれる。この反動判決をもって、有朋寮廃寮阻止闘争は新たな段階へと突入した。全国の力で、機動隊導入による強制執行をぶっ止めよう!

 老朽化の調査もしないデタラメ

 午後1時からの裁判には100人をこえる傍聴希望者が集まった。廊下まで人があふれている。しかし開廷するやいなや、ただちに異常事態が明らかになった。何と原告であるはずの大学当局はおろか代理人弁護士すら法廷を欠席していたのだ! すべてを国家権力に丸投げし、自らは逃亡を決め込む、この東北大学当局のあまりにも卑劣な正体がさらけ出されたのだ!
 判決自体も、まさに白を黒と言いくるめる超反動的なものだ。「大学の決定に学生が従うのは当然」という姿勢を貫き、「寮の老朽化」についてはまともな科学的調査を行うことすら拒否し、「廃寮決定の理由として適当」と論断している。そもそも、現在の寮生がいったい何人いるのかも誤認しているほどのまったくずさんな判決だ。
 このような判決を有朋寮生は認めるはずもなければ、従うつもりもない。直後の総括集会では織田陽介有朋寮委員長から「自分の生き方にかけてもこの判決を許すことはできない!」という激しい怒りが語られた。
 裁判に先立って行われた仙台市内集会・デモには、全国から続々と闘う学生が結集した。デモ解散点の東北大片平キャンパスでは、吉本学長室のある本部棟を包囲し、「吉本学長は今すぐ出てこい!」「無期停学処分を今すぐ撤回しろ!」と徹底的に弾劾の声がたたきつけられた。

 抗議集会で寮生が感動的な決意

 デモと裁判闘争を打ち抜き、怒りに燃える全国学生、および労働者・市民は、夕方から裁判報告を兼ねた総決起集会を開催した。この不当判決にどう立ち向かい、強制執行粉砕に向けた闘いをつくり出すのか。それに回答を与えたのが、緊急声明「有朋寮の戦闘宣言」(抜粋7面)であり、有朋寮生からの感動的なアピールだった。
 「どうしても学生を踏みにじってきた大学当局にだけは屈服することはできない」、「古郡君を寮内で全力で議論の末に受け入れることを決断した。原則を曲げなかったからこそ今の闘いはある」、「小泉と吉本のやっていることは同じだ。戦争大学化を止める」、「逮捕や弾圧も引き受け、自分は人生をかけて強制執行攻撃と対決する!」、口々に語られる権力や当局への怒り、有朋寮闘争への思いを全体で圧倒的に共有し、強制執行攻撃に一歩も引かず激突していく決意を固めた。
 そして全金本山労組を始め多くの支援からもその闘いを断固支えていく発言がなされ、日就寮や学生自治会などが有朋寮とともに断固闘い抜く決意表明を行った。
 有朋寮闘争は、小泉の「構造改革」の名による戦争国家化と民営化=労組破壊の攻撃、教育反動化攻撃との最先端の攻防点だ。全国の学生、労働者は、闘う東北大生、有朋寮生と心から思いを共有し、ともに闘おう。不当判決に怒りを燃え立たせ、全国の力を集中し何としても勝利しよう! 寮生の決意にこたえ、有朋寮に駆けつけよう!

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週刊『前進』(2213号2面2)(2005/09/12)

 国労大会 9・15判決を機に闘争圧殺を狙う

 チャレンジ佐藤委員長就任を弾劾

 役員選立候補で闘いの意志

 8月30、31日、熱海ニューフジヤホテルで国労第73回定期全国大会が開かれ、新委員長に佐藤勝雄(東日本エリア本部委員長)が選出された。これは、9月15日の鉄建公団訴訟判決を機に1047名闘争を圧殺し、すべての国労組合員を分割・民営化体制=JR体制に屈服させようとする、国労史上最悪の執行体制だ。だが、国労共闘に結集する闘う組合員は、断固として役員選挙に打って出て、極悪執行部のもと、国労と国鉄1047名闘争の解体に向けた総翼賛体制を形成しようとしたチャレンジ・革同・酒田一派への根底的反撃をたたきつけた。その決起が、ぎりぎりのところで国労の危機を救い、国労の階級的再生に向けた突撃路をこじ開けたのだ。
 大会では、新委員長に佐藤勝雄・東日本エリア本部委員長、副委員長に田中博文・西日本エリア本部書記長がおさまり、書記長には吉田進がとどまった。執行委員も全員が留任した。
 佐藤は、国労を分裂させてJR連合に逃亡した今井伸や新井修一、寺内寿夫らとともに、国鉄闘争の解体と国労の連合化を最先頭で推進してきたチャレンジ一派の頭目だ。田中は、西日本エリア本部の上村隆志委員長のもとで、尼崎事故以来、JR西日本救済運動を書記長として進めてきた人物だ。吉田もチャレンジそのものであり、公安警察と結託して5・27臨大闘争弾圧に手を染めた階級的大罪を犯している。
 こんな人事体制を、投票もなく「満場一致」で拍手承認させてなるものか。闘争団とその家族、組合員はもとより、国鉄闘争を支えてきたすべての労働者にとって、こんな人事は絶対に認められない。
 その思いに突き動かされ、国労共闘は意を決して委員長、副委員長、書記長に候補を立てた。役員選出は選挙に持ち込まれた。その結果、代議員定数90人中、佐藤委員長には23票、田中副委員長には22票、吉田書記長には24票の白票が投じられた。3分の1の代議員が、佐藤・田中・吉田に三役を占められたチャレンジ・革同の新執行部に不信任をたたきつけたのだ。この闘いによって、「総団結・総決起」の名で全組合員を総翼賛体制に組み込もうとしたチャレンジ・革同・酒田一派の思惑は、根底から粉砕された。
 だが、国労の階級的再生に向けての闘いは、始まったばかりである。チャレンジ・革同執行部打倒へ、すべての国労組合員の総決起が求められている。

 分割・民営化を認めた大裏切り

 今大会は、尼崎事故後、初めての大会だった。本来ならばこの大会は、尼崎事故を徹底的に弾劾し、事故を必然的に引き起こした分割・民営化体制=JR体制を打倒する国労組合員の総決起体制を確立すべき場だったのだ。
 折しも小泉は、「郵政民営化の是非を問う」と叫び、120項目もの「自民党マニフェスト」を引っさげて総選挙に打って出た。その直接の狙いは、労働組合と労働運動の破壊にある。
 戦争と民営化(労組破壊)の攻撃がますます強まる中で出される9・15判決は、その結果がどうであれ、国鉄闘争をなんとしてもたたき伏せるという支配階級の意志を体現するものとなることは明らかだ。
 だからこの大会には、9・15判決を突き抜けて国鉄1047名闘争をあくまで貫き、尼崎事故を徹底弾劾して国鉄分割・民営化体制=JR体制と対決しぬく闘う方針を確立することが求められていた。
 動労千葉は、処分に屈せず安全運転行動を貫いている。この闘いにより、JR東日本は20`に及ぶレールの交換に着手せざるをえなくなった。安全運転行動のただ中で、「平成採」の青年労働者が動労千葉に結集している。
 これに続く闘いの方針を打ち立てることが、今大会の重要な課題だったのだ。
 だが、チャレンジ・革同・酒田一派は、尼崎事故が突き出した分割・民営化体制と闘うことを完全に投げ捨てた。そして、9・15の敗訴判決を望みつつ、判決を機に1047名闘争を一挙にたたき伏せるために、チャレンジ佐藤を先頭とする新執行部を形成したのである。
 大会では、国労弁護団の福田護弁護士も「9・15判決は冷静に受け止めるべき。勝っても負けても国労方針は不変」と国労本部の「政治解決」路線を擁護した。そして、「勝っても追加訴訟はすべきでない。負けても本部のせいだと言うべきではない」と述べて、鉄建公団訴訟への敵対姿勢をあらわにした。
 本来、大会であいさつすべき宮里邦夫弁護士は、仙台闘争団などの本州採用差別事件での「上告手続き忘れ」の責任を追及されることを恐れ、姿を見せることさえしなかった。
 経過をめぐる討論では、高崎地本や東京地本中央支部から、闘争団員22人への統制処分の撤回を求める意見や、9・15判決に向けて国労全体が闘いを組むべきだという意見が噴出した。これを受けて吉田書記長は、「統制処分の問題は中央執行委員会で議論して結論を出す」と中間答弁せざるを得なくなった。
 大会前には、上村革同を先頭とする新たな1047名闘争圧殺策動が明らかになっていた。上村の名前で出された「不採用問題・解決の歩み(パートU)」なる文書は、「鉄建公団訴訟判決の国鉄闘争に及ぼす影響は決定的」としつつ、「判決または事前の裁判長和解提示があればそれに基づいて、国鉄闘争を解決する」「このためにすべての訴訟原告団と提訴していない闘争団も上記に基づく解決の同意を図る」と書かれていた。
 上村−田中=革同は、鉄建公団訴訟原告団に一定の「譲歩」をするかのようなペテンを弄(ろう)してその懐柔を図りつつ、9・15判決を機に1047名闘争の全体をたたき伏せようと必死になって策動した。
 他方、鉄建公団訴訟原告への統制処分に対する組合員の怒りは、9・15を前にあらためて高まっていた。
 国労本部は、その圧力に押される一方、判決を機とする新たな1047名闘争解体策動の一環として、大会2日目朝の中央執行委員会で次の4項目を提案した。その内容は、@統制処分はやむを得なかった、Aしかし早期解決に向けた総団結のため、統制処分は解除する、B追加訴訟を提訴した闘争団員への査問委員会の設置はしない、C全組合員は本部のもとに一致団結を――というものだ。「処分の撤回」ではなく「解除」としたのは、“今まで続けてきた処分はあくまで正しい”という居直りにほかならない。
 2日目の議事は、吉田書記長による中央執行委員会提案の報告から始まった。北海道闘争団の代議員は「処分の撤回を」と主張した。他方、革同やチャレンジは、不承不承「本部の4項目提案を受け入れる」と言いながら、「闘う闘争団は解散せよ」「9・15判決の影響は最小限にくい止めよ」「訴訟をすれば永久闘争になる。なんとしても政治解決を」と叫び立てた。
 書記長集約で吉田は、「政治解決は無理という意見もあるが、それは第三者的な評論だ」と居直った上、「統制処分の解除は政治解決に向けて総団結を図るため」と答弁した。本部にとって処分の解除は、全闘争団員を敗北必至の「政治解決」路線に引き入れるための手段にすぎない。
 だが、国労本部の策略にそって1047名闘争をねじ曲げることなど、容易にまかり通るはずがない。
 大会には鉄建公団訴訟原告団や、国労に人権と民主主義を取り戻す会の国労組合員がビラ入れを行い、9・15判決に向け国労全体がともに闘うことを訴えた。こうした闘いと、役員選挙に打って出た国労共闘の決起があいまって、大会で1047名闘争圧殺の体制を築こうとしたチャレンジ・革同・酒田一派の策動は打ち破られたのだ。

 尼崎事故と闘わない国労本部

 国労本部の最後的な屈服と転向は、大会冒頭の酒田委員長のあいさつに鋭く表れていた。
 酒田は、尼崎事故の原因が分割・民営化にあることをかたくなに認めず、「安全は労使共通の課題」とうそぶきながら、事故後にJR西日本が策定した「安全性向上計画」を「国労の意見、要求を多く反映させ」たと絶賛した。これこそJRへの全面屈服の表明だ。
 さらには、「上村委員長を先頭に奮闘されました西日本本部の皆さんに敬意を表したい」として上村革同によるJR救済運動・企業防衛運動を天まで持ち上げた。だが、上村こそ「日勤教育は必要だ」と叫んでJRに迎合し、高見運転士を除く「106人の犠牲者」への「慰霊碑カンパ」なるものを会社と一体となって組合員に強制している張本人ではないか。
 酒田はまた、全面破産が明らかな「不採用問題の政治解決」についても、「闘いは足踏みしているのではなく……マイナスからの前進の芽と足掛かりはできたと言えます」と居直った。
 さらに許しがたいのは、総選挙で「民主党をはじめ野党の前進を期すために各々の地域で奮闘しよう」と言い切ったことだ。国労は今まで「民主党支持」を決めたことなど一度もない。改憲を唱える民主党(その背後にはJR連合がいる)を支持することで、国労総体を改憲勢力に転向させようとしたのである。
 このあいさつは、闘う代議員・傍聴者の怒りをかき立てた。酒田が今大会で退任すると表明した部分に限って、傍聴席からの拍手が起きた。
 また、新委員長に就任した佐藤勝雄は、あいさつで「健全な会社の発展に寄与する。資本の責任追及ばかりするのではなく、対案を出すことが労組の役割だ」と言い放った。
 佐藤を委員長に据えた国労本部は、全面的に連合路線にかじを切ったのだ。
 だが、国労の現場組合員はぎりぎりのところから決起し、闘争圧殺体制に風穴を開けた。突撃路は切り開かれた。9・15判決に向けて攻勢を強めよう。いかなる判決が出ようとも、7・15集会で築き上げた1047名闘争の本格的・全面的発展の道を突き進もう。盤石の態勢を固めて、判決を迎えよう。
 9・15判決の勝利へ全力で闘い、そのすべての力を11・6労働者集会へ集中しよう。国労組合員は11・6日比谷野音に結集しよう。

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週刊『前進』(2213号3面1)(2005/09/12)

 自治労大会 現場の怒りの決起が本部追いつめる

 「平和基本法」=自治労の改憲勢力化に一大反撃

 革共同自治体労働者委員会

 自治労第76回定期大会(8月23〜26日、鹿児島市)は、自治労本部の「平和基本法」制定方針による自治労の戦争協力・改憲勢力化の動きに対する現場の労働者の一大反撃の場となった。自治労本部のもくろみは破綻(はたん)した。現場労働者のこの怒りと力を小泉政権打倒の闘いに向け、その高揚の中から帝国主義の戦争と民営化、労組破壊と対決する労働者の万余の結集で11・6労働者集会を成功させよう。

 沖縄を先頭に代議員が次々と反対意見

 大会は、本部のもくろみを打ち砕いて、改憲問題=「平和基本法」制定方針を一大焦点に中央本部vs反対派県本部の激突、論戦となった。実に、発言した30県本部代議員の内、19県本部が「平和基本法」反対の立場から意見を述べた。「平和基本法」反対の代議員の意見が完全に圧倒し、本部は防戦一方となったのだ。「平和基本法」賛成の立場から意見を述べた県本部は皆無だった。
 決定的なことは沖縄県本部の独自決起である。独自の県本部ビラを配り、2日目には独自に会場前決起集会を行い、本部の「平和基本法」制定方針に反対する闘いの先頭に立った。沖縄県本部と多くの戦闘的自治労組合員が連帯し、労組交流センター自治体労働者部会の暴露・宣伝が全体情勢を牽引(けんいん)した。
 「今、非常に重大な情勢のもとで全国で反戦闘争の先頭に立っているのは自治労の組合員だ。本部はそのことを百も承知で『平和基本法』を提案し、これまでの自治労の闘いを裏切ろうとしている。闘う仲間に対して後ろから弓を引く自治労本部を徹底糾弾する!」
 この沖縄県本部の代議員の火の出るようなアピール(発言抜粋別掲)は、全国の反対派代議員を奮い立たせた。100万自治労組合員の反転攻勢の火柱が上がった。そして宮城・新潟・富山・沖縄の4県本部が運動方針案の「平和基本法」制定方針を見直すことを要求する修正案を提出した。

 苦し紛れに本部が「9条は死守」

 反対派は第一に、「最小限防御力」の名による戦力保持の承認を徹底的に追及した。「『最小限防御力』は憲法違反であり、9条解体だ」「最小限防御力の中身を具体的に定義せよ」と鋭く迫った。
 第二に、「自衛権の承認」についても、修正案提出4県本部の代表は「国の自衛権を認めることは、国家による戦争の容認だ」と強く反対を表明した。
 第三に、「平和基本法」とは何か?と追及した。「『平和基本法』は自衛隊の存在の容認、海外派兵の容認」「平和基本法の内容はどのようなものか明示せよ」「自民党、連合の『安全保障基本法』とどこが違うのか」と。そして「平和基本法」は改憲への水路であることを暴露し、反戦闘争の強化、改憲阻止闘争の強化を訴えた。沖縄県本部は「平和基本法」制定方針の記述を運動方針案から削除するよう要求した。
 第四に、自治労方針の「連合への意見反映」を自治労本部に求める厳しい意見・追及が続出した。沖縄県本部は「最小限防御力と自衛隊とは違う」と本部が言っていることと自衛隊容認の7・14連合見解案に自治労委員長・書記長が賛成したこととの「整合性」について「明確な説明を求める」と追及した。
 さらに加えるならば、多くの代議員が「平和基本法」や憲法の問題のみならず、2005年度人事院勧告(05人勧)の重大な内容、賃下げ・査定給・地域給への反撃、自治労としての全国闘争の配置やストライキの配置、スト基金の発動、規制改革・民営化攻撃・市場万能主義との対決、指定管理者制度・市場化テストとの対決の方針と指導、小泉政権打倒の闘いなどを取り上げ、「自治労の闘うスタンスの確立」「全国闘争」「連合の自治労でなく組合員の自治労を」と闘いを求める発言を行った。
 窮地に追い込まれた本部は、2日目の議事終了以降、巻き返しに転じ、反対派4県本部の修正案を取り下げさせた。しかし、「憲法9条1項2項の死守」を再三表明し、「現在の自衛隊の違憲状態は明らか」と認め、「『平和基本法』の論議はスタートライン」と言わざるを得なかった。
 「平和基本法」制定方針で自治労を丸ごと改憲・戦争協力への道に引きずり込もうとした本部の裏切り策動は根底的に破綻したのである。

 連合と本部が狙った戦争協力路線は破綻 

 自治労大会は何を示したか。第一に、現場の組合員の怒りの激しさを示し、激しい攻撃を突き抜ける労働組合の闘う方針、闘う姿勢への希求の強さを示した。今日、戦争と民営化、公務員攻撃、「官から民へ」を掲げた攻撃が今や労組解体・根絶攻撃としての本性をあらわにしている。大阪市労連に対する「ヤミ・カラ」キャンペーンを始めとする攻撃は、労働組合運動そのものを「悪」とし、労働者の団結権をも否認・否定し去り、労働者からすべてを奪う攻撃である。国鉄分割・民営化攻撃以来の、否、それをも上回る攻撃の始まりだ。労働組合が今闘わずしていつ闘うのか! 
 第二に、自治労本部が決定的に追いつめられたことを示した。確かに本部方針は形の上では通った。しかし「自衛権」も「戦力」も「平和基本法」も事実上何ひとつ信認されていない。本部は「9条死守」「『平和基本法』論議はスタートライン」と述べた。これは完全な矛盾である。連合と自治労本部、自治労本部と現場とのギャップはますます拡大する。「平和基本法」は本部の抱える最大の弱点に転化した。改憲方針=「平和基本」制定方針をめぐる闘いの第2ラウンドが開始されたのである。
 第三に、闘う自治労の現場組合員の闘い、その存在を自治労本部は抑えることができないことがはっきりと示された。沖縄県本部の存在に最も明確に示されるように、組合としての日常的な闘い、その積み上げによる階級的路線・方針は、本部のいかなる圧力をもってしても抑えられない。
 自治労本部の戦争推進方針への転換策動にもかかわらず、「反戦平和運動の先頭に立っているのは自治労組合員自身だ」(沖縄県本部代議員の発言)
 戦争協力拒否か否かを焦点に自治労の組合権力をめぐる死闘が始まったのだ。今こそ闘う自治労組合員に、闘う単組・県本部への大結集を呼びかけよう! 
 自治労丸ごとの改憲・戦争推進勢力への転向を意味する「平和基本法」制定の運動・闘争方針を推進する自治労本部、小泉=奥田による郵政民営化を基軸にすえた8・8衆院解散―9・11総選挙という一大反動に対して、労働者の大反撃が開始された。労働者・労働組合に対する小泉=奥田の攻撃と蹂躙(じゅうりん)、既成労組指導部の度を超した圧殺と裏切りに対して、現場の労働者の怒りと闘いが火を噴いたのだ。
 「民営化とは精神革命」と称してマルクス主義を根絶し労働者階級の階級性を奪いつくす「つくる会」派のイデオロギーが小泉=奥田路線として具体化・前面化していることに対して渦巻いていた労働者の怒りが噴出したのだ。

 闘う現場組合員の力結集し11月総決起へ 

 自治労本部は連合とともに自治労丸ごとの改憲・戦争勢力化を図ってきた。
 2005年は日本の労働運動にとって決定的な年だ。日本経団連の1・18改憲提言、4・19公務員制度改革―新行革提言のもと、郵政民営化攻撃を突破口に、自治体を始めとする官公部門の民営化攻撃が加速され、自治労・日教組・全逓(現JPU)・国鉄など官公・公務員労働運動の全面的解体の攻撃がエスカレートしている。同時に、労働組合を現実に戦争に協力させることをてことする改憲攻撃が激化している。
 連合は、日本経団連の改憲提言、自民党の改憲草案に呼応する形で7月14日に「国の基本政策に関する連合の見解(案)」を発表した。「国の自衛権の承認」を前面に押し出し、「自衛」の名による「国権の発動たる戦争」への支持を打ち出した。第2次世界大戦後初めて日本の労働組合が「政府の行為による戦争」への支持に踏み込んだ。
 小泉=奥田の戦争と民営化路線の根底にあるのは、帝国主義としての死活をかけた「東アジア自由経済圏」の構築(軍事力を使った)であり、そのための日米枢軸路線である。2月日米安保協(2プラス2)が「共通戦略目標」とした北朝鮮・中国を完全に射程に入れた侵略戦争の発動を現実にたくらんでいるのだ。
 改憲攻撃の高まりは、このようなアジア―世界戦争情勢と日帝支配階級自身の戦争への決断を背景としている。この攻撃は、戦後的な〈反戦〉〈平和〉の考え方・思想・方針を粉砕することなしには貫徹しえない。労働組合の改憲勢力化=戦争翼賛勢力化こそその最大の鍵(かぎ)であり、核心的前提であり、ここに攻防の最大の軸があるのだ。このような、日本の労働運動にとって未曽有(みぞう)の事態のもとで、旧総評系の大単産にして連合傘下最大単産の自治労の大会が大きな焦点となった。
 この中で自治労本部は、5月中央委員会に「国の基本政策検討委員会」最終報告を出し、それに基づき、憲法9条それ自体には手をつけず「自衛権の承認」を盛り込む「平和基本法」の制定方針を打ち立て、そのもとで改憲派への転換を図るというレールを敷いていた。単組や職場での組合員討議を経ることなく、そのいとまも与えず、大会の運動方針案に「平和基本法」制定・推進方針を潜り込ませ、大会決定を取り付けて10月連合大会に臨もうとしていたのだ。符節を合わせて連合が9条改憲と安保基本法制定をうたう7・14見解案を出した。これに対して現場労働者が怒りの大反撃をたたきつけたのだ。
 自治労大会は、日本労働運動がついに歴史的な大流動―分岐の過程に突入したことを示した。この情勢は、帝国主義の戦争と民営化の攻撃に対する労働組合のあり方、闘う結集軸、その指導部の問題を突きつけている。自治労組合員―全労働者が希求する、日帝・小泉=奥田路線と真っ向から対決しこれを打ち破る路線・組織はないのか?
 「それはある!」とはっきり言おう。小泉=奥田による戦争と民営化、労組破壊の攻撃、公務員制度改悪・首切り・人員削減・賃下げの攻撃、市場万能主義、極右翼の台頭と国家主義・排外主義、それをてことする戦争国家体制、強権独裁国家への転換の攻撃と真正面から対決し、根底から打ち破る唯一・最大の水路こそ、11月6日の全国労働者総決起集会(日比谷野音)である。
 11・6集会への万余の労働者の大結集、日・米・韓労働者の国際連帯、「小泉打倒!」の大デモ行進の中にこそ、労働組合の階級的再生の道、労働者が団結を取り戻す道がある。労働者の万余の結集、その塊(かたまり)の力で小泉=奥田、帝国主義を打倒しよう。
 11・6労働者集会への公務員労働者の決起、大結集こそ小泉=奥田を打倒し、政治―社会の流れを根底から変える最大の力だ。自治労の階級的再生をかちとり、連合に根底からの大流動―分岐をつくりだすために、11・6集会に自治労の大隊列を登場させよう。

■沖縄県本部代議員の発言

 今、非常に困難な時代にさしかかっていると言わねばなりません。そのような状況で、一体だれが全国の各地で展開されている反戦平和運動の先頭に立っているのでしょうか。明らかに、北海道で、東京で、神奈川で、山口で、長崎で、そして沖縄で、その先頭に立っているのは自治労の組合員自身ではありませんか(大拍手)。そのことを十分承知の上で中央執行部は今回の方針を提起しています。組合員に背を向け、後ろから弓を引く行為として、厳しく糾弾しなければなりません。
 合理化の嵐、右傾化の中で、毅然(きぜん)として反戦平和、憲法改悪反対の声をあげ続けている全国の仲間たちの先頭に立って、闘いの声をあげてゆくことが自治労に今、求められていることだというふうに思えてなりません。
 よって自治労が改めて憲法改悪に反対し、戦争に反対する立場を鮮明にすべきだということを求めます。

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週刊『前進』(2213号4面1)(2005/09/12)

 「公務員労働者は悪」と叫ぶ小泉許すな

 非公務員化と大量首切りと労組破壊が民営化の狙いだ

 小泉演説に怒りたたきつけよ 片瀬涼

 第44回衆院選が8月30日、公示され、9月11日の投開票に向かって選挙戦がスタートした。小泉は、自公両党で過半数を維持できなければ退陣と明言し、退路を断って解散・総選挙のファシスト的クーデターに出た。今度の選挙の核心は、郵政労働者38万人の首切りを認めるかどうかだ。小泉は郵政民営化一本に焦点を絞り、これを突破口に〈戦争と民営化(労組破壊)〉攻撃を押し通そうとしている。日本経団連の奥田会長は今度の選挙で小泉・自民党を支持することを正式に表明した。労働者階級の怒りを公然たる闘いとして爆発させ、小泉=奥田体制との大激突を闘おう。8月20日の神戸での小泉演説を批判する。

 野党も首切りに反対せず

「国家公務員26万数千人と短期間公務員の12万人を合わせると38万人の公務員が郵便局の仕事をしている。民間人に任せれば、今よりももっと良い商品・サービスを郵便局は国民に提供してくれると思う。38万人の国家公務員が民間のサラリーマンになる」
 「なぜ郵便局の仕事だけ26万以上の公務員がやらなければいけないのですか」
 小泉首相は「郵政が公務員であるのはおかしい。公務員は切り捨てて当然。公務員労働者が存在するから国家財政が危機になるのだ」と言っているのだ。竹中・郵政民営化担当相も「楽だから国家公務員でいたい。民営化から逃げようとしている」と憎しみを込めて現場で働く労働者に悪罵を投げつけている。
 公務員を悪の元凶のように言い、民間と同じく汗水たらし過酷な労働条件で働いている労働者の誇りを踏みにじり、非人間的に見下す小泉や竹中の言動は本当に許せない。
 小泉は、郵政民営化の論点を非常勤を含め郵政労働者38万人の非公務員化一本に絞り焦点化させている。87年の国鉄分割・民営化と同じように郵政労働者をいったん全員解雇し、差別・選別して、活動家をパージし、資本に服従を誓った労働者だけを採用する大解雇を狙っているのだ。それは労組解体の攻撃そのものでもある。
 この問題について、民主党をはじめ社民党・共産党も新聞も誰もまったく反論も反対もしない。民主党は「8年間で100兆円の資金を(民間金融機関などに回して)表に出し、8万人の人員のリストラをする」と具体的数字を出した対案を掲げた。このことも本当に許せない。革共同は、声を限りに「38万郵政労働者の解雇絶対反対」を訴えて闘う。

 労働者の貧困化進めた小泉

 そもそも、小泉や奥田らが民営化が必要な理由とする財政危機は、歴代の自民党政権が資本の救済と私腹を肥やすために財政を湯水のごとく使ってきたからだ。郵政労働者になんの責任があるというのか。しかも郵政事業に税金は1円も使われていない。デマ、インチキ宣伝以外の何ものでもない。
 郵政の次には、すぐ自治体労働者、教育労働者にも同じ攻撃がかかる。小泉は、数百万の公務員労働者の非公務員化を強行して、大量解雇し、非正規雇用に置き換え、大幅に賃下げしようとしているのだ。郵政民営化を突破口に国家丸ごとの民営化を強行しようとしている。
 小泉政権の4年余で、労働者の生活は一体どうなったのか。OECD(経済協力開発機構)による貧困に関する調査で、日本の貧困率は15・3%となった。OECD諸国平均の10・2%を大きく上回る。全国民の平均的所得の50%以下の所得しか稼いでいない家計が貧困者だ。10年前の8%台から倍増している。
 同じく生活保護受給者の数は、10年前の60万世帯が現在では100万世帯を超えている。小泉政権のわずか4年余で労働者家庭の貧困化は倍増したのだ。
 こうした労働者家庭の貧困化の大きな要因が非正規雇用化だ。契約や派遣などの非正規雇用はこの10年間でほぼ1・5倍の1500万人に増えた。3人に1人の労働者が非正規雇用だ。内閣府の調査によると15〜34歳のフリーター人口は01年に417万人。10年で2倍強に増えた。
 小泉や竹中は「失業率が下がった」とさかんに宣伝しているが、実際には、リストラや倒産で失業した労働者の多くは、パートなどの非正規雇用で働いているのが実態だ。厚生労働省の調査では、非正社員の4割は月給(税込み)が10万円以下だ。年間給与が200万円以下の労働者もこの10年間で150万人増えている。
 小泉政権下で、すでにここまで不安定雇用化と労働者の貧困化が進んでいるのだ。今回の総選挙で小泉の主張していることは、郵政民営化を突破口に数百万人の公務員労働者の首を切り、非正規雇用化することだ、それをとおして全社会的に資本攻勢をさらに激しく貫徹しようというのだ。

 “24時間働け”というのか!

 「夜間サービスを最初にやるようになったのはどっちなんですか? 役所じゃない。民間ですよ。こういうさまざまなサービスを最初にやりだしたのは民間の業者じゃないですか」
 ここで小泉が言っているのは、労働者に向かって、資本の都合、サービスの都合に合わせて、24時間・365日、夜も寝ないで働けということだ。人間の生理的条件や人間的営為は資本の都合には関係ないと主張している。
 本当に資本の効率と利潤が最優先で、労働者の人間性と誇りを無視し、足蹴にする言動だ。これは「(労働者階級は)労働(仕事)があるかぎりで生きることができ、その労働が資本を増殖させるかぎりで労働にありつける。自分自身を切り売りしなければならない労働者とは、他の商品と同じ」(『新訳・共産党宣言』)ということのあからさまな表明だ。
 このように労働者が生きている人間であることを無視して、他の商品を扱うのとまったく同じ感覚で、自分(資本)の買った商品はどう使おうと勝手だと言わんばかりの小泉だ。
 こういう支配階級たちのふざけきった言動と闘わなくては、労働者は奴隷として地にはいつくばって生きていくしかない。労働者のもう我慢ならないという怒りを解き放ち、自ら闘う以外に誰も救ってくれない。
 小泉は、次のように公務員労働者に悪罵を投げつけている。
 「こういう当たり前の改革が、どうしても国会の根強い抵抗で否決された。なぜか。それは郵便局に来ている公務員が全部選挙の応援をするからなんです」
 このように小泉は郵政労働者と民主党を一緒にして非難するが、いったい労働者が民営化による首切りと労組破壊に反対して何が悪いのだ。労働者は自らの階級的利害を守るために、生活と権利と誇りを守るために労働組合に団結して闘うのだ。まったく当然のことである。むしろ、民主党が民営化に本質的に賛成し、全逓(JPU)や全郵政が闘いを放棄していることが大問題なのだ。
 労働者の日々の労働や生活の中には、小泉政権の「戦争と民営化(労組破壊)」の攻撃と抑圧に対して怒りがマグマのように存在している。今の日本社会は、権力と資本による徹底的な抑圧、労働者階級への矛盾の転嫁の上に初めてぎりぎり維持されているだけなのだ。
 今こそ公務員労働者の怒りを爆発させよう。

 335兆円は資本の餌食

 「資金の流れを官から民へ変える」「郵貯・簡保の資金が民間に回ることで経済が活性化する」
 小泉や竹中のこうした主張もまったく反労働者的であり、ペテンである。
 この間、日本経済は、銀行の膨大な不良債権、また企業の過剰資金状態のもとで長期のゼロ金利政策が継続されてきた。東証一部上場企業だけでも82兆円が投資先がなく現金預金として眠り、今年度も16兆円が増える見込みだ。その中で労働者人民の生活防衛的な資金が、多少は利子が高く、あくどい手数料もとられない郵貯に集中してきた。
 郵政民営化によって、この人民大衆の「なけなしの金」である郵貯と簡保の335兆円を日本とアメリカの大銀行や生命保険会社などの独占的金融資本に開放し、その食い物にするのである。民営化は大ブルジョアジーの金儲け手段なのである。
 小泉はこの間の構造改革で景気回復が進んできたように宣伝している。しかしその実態はまったく逆のことを示している。確かに東証1部上場企業の経常利益は03年に前年比で72%と大幅に増えた。04年も27%の増だ。だが売上高は03年はわずか1・2%しか増えず、04年度も1・9%しか増えていない。
 なぜ、売上高は増えないのに利益だけ増えるのか。その理由は労働者のリストラ、首切りと不安定雇用化、賃下げにある。実際、雇用者報酬は前年度比(名目)を見ると01年度は1・2%減、02年度は2・3%減、03年度は1・0%減、04年度は0・1%減。つまりこの5年で5%近く下がっているのだ。
 この間の景気回復は「一方における富の蓄積に対して、労働者の貧困の蓄積」の典型的な例である。労働者階級の賃金の減少した分がそのまま資本家階級の儲けになっているのだ。小泉の言う「景気回復」は労働者の賃下げ・貧困化しか意味しない。
 他方で、小泉政権の4年余で、国債と借入金の残高はなんと約540兆円(01年3月末)から約780兆円(05年3月末)に大膨張した。国と地方の借金はGDPの約1・5倍で、第2次世界大戦中の規模に匹敵する。もはや日本帝国主義にはこうした体制的破局を解決できない。
 労働者階級が直面しているのはまさに戦争か革命かの情勢である。民営化による大リストラと労組破壊、消費税の大増税、超インフレと戦争、これが帝国主義の延命の道だ。帝国主義を打倒し、プロレタリア革命に勝利することが、労働者に求められている。戦争と民営化の小泉政権を絶対に打倒しよう。11・6は労働者の怒りを体現する日だ。

自民党マニフェストの一部

●郵政
 民営化関連6法案を次期国会で成立させる
●自治体
 民間委託などの推進、定数管理や給与・手当の適正化
 地方公務員総定数の純減を実現、総人件費を大幅削減
●憲法
 11月までに自民党憲法草案を策定・公表
●軍事
 防衛省設置法案を成立させ、自衛官に敬意と感謝の念を持つようにする
 自衛隊の海外派兵は今後も国際協調と国益を考えて推進する
●教育
 教員免許更新制、新たな教員評価制度確立
●財政
 消費税を含む税体系の抜本的改革を実現
●社会保障
 「障害者自立支援法案」の早期成立を期す

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週刊『前進』(2213号4面2)(2005/09/12)

 奥田経団連が自民党を支持

 大ブルジョアジーと結託し労働者を攻撃する小泉改革

 郵政民営化法案の参議院での大差での否決という事態に追いつめられた日帝・小泉は、8・8衆議院解散−9・11総選挙の一大反革命攻撃に打って出てきた。
 いったん議会で否決されたものを、解散権を振りかざしてクーデター的に議会を解散し、ファシスト的な「国民投票」でひっくりかえそうとする小泉の暴挙を絶対に許してはならない。
 選挙戦で小泉は労働組合に攻撃を集中している。戦後革命期に闘いとられた戦闘的労働組合の存在こそ自民党を含め、日帝の階級支配のあり方を根本で規定してきた。だがこれ以上闘う労働組合の存在を許しては日帝の戦争国家化攻撃は破産するところに支配階級は追いつめられているのだ。

 衆院解散後まず奥田に会う

 このすさまじい小泉反革命の最大の支持者は日帝・金融独占ブルジョアジーであり、その代表たる日本経団連会長の奥田だ。
 8月8日の衆議院解散後、小泉が最初に会った人物こそ奥田だった。
 小泉は午後7時過ぎに解散を強行するや、7時半にホテルに駆けつけ、奥田とそのブレーンである田中直毅らと会食をしている。その後、官邸に戻り、臨時閣議と記者会見を行った。ぐらぐらの小泉は奥田に相談し、励まされることで初めて解散・総選挙攻撃に打って出ることができたのだ。
 奥田は8月29日の記者会見で衆院選において「自民党を支持する」と明言した。経団連が衆院選に際し自民党支持を公式表明するのは、1993年7月の衆院選で「55年体制」が崩壊して以来初めてだという。
 この間の奥田発言(別掲参照)を見よ。全力で小泉を支援し、激励している。まさに小泉=奥田体制そのものではないか。

 財界のための小泉構造改革

 奥田こそ01年1月、森内閣の時に発足した経済財政諮問会議の一貫した構成メンバーである。この諮問会議は、01年4月の小泉内閣発足と、02年5月に日経連と経団連が統合し初代の会長に奥田が就任して以降、権限が飛躍的に拡大し、毎年「骨太方針」を決定するなど、事実上議会や内閣を超えた権力機関になっている。毎回の会議で、小泉・竹中と奥田や御用学者どもが郵政民営化を始めとした公務員労働者への攻撃と、社会保障解体を含む全労働者階級への攻撃の謀議をこらしてきたのだ。
 小泉内閣発足から4年間でいったい何が行われたのか。経済財政諮問会議の「骨太方針」のもと、オリックス会長の宮内が議長を務める規制改革・民間開放推進会議など、選挙で選ばれない首相直属の各種会議で論議された規制改革案が、司法制度改悪、金融緩和、教育制度改悪、医療制度改悪、社会福祉制度改悪、労働法制改悪、環境規制の撤廃などとして実施に移されてきた。戦後の諸規制を全面的に撤廃し、資本の野放図な搾取と収奪を満展開させてきたのだ。
 さらに、有事法制への労働者総動員、共謀罪を始めとした治安弾圧立法策動と治安弾圧攻撃の激化、「日の丸・君が代」強制などの労働運動・反戦運動解体攻撃を激化させてきた。
 実際、この4年間で労働者階級の賃金は下がり続け、社会保障は解体され労働者負担は増え続けてきた。その一方で「不良債権処理」と称して金融機関には野放図に資金を注入し続け、国の借金はこの4年間で240兆円も増加した。その結果、奥田が会長を務めるトヨタ自動車は2年連続で1兆円以上の経常利益を上げているほどだ。
 だが、これほど理不尽な小泉構造改革に対して、4大産別を先頭にした労働者階級の不屈の抵抗が続いており、日米枢軸のもとでのイラク派兵もイラク人民の武装抵抗闘争で泥沼の危機にたたき込まれている。この現実にあせった日本経団連は、1月18日に公然と改憲提言を行い、夏の経団連夏季フォーラムでは、靖国問題を論議しているのだ。
 郵政民営化攻撃も、労組破壊と同時に大資本の利益のためだ。「官から民へ」という民とは民間の大資本のことだ。全国銀行協会と生命保険協会は2月28日に全国紙に全面広告を出して郵政民営化を主張、政府の郵政民営化準備室にも職員を送り込み、民営化法案の作成に直接関与している。
 日本経団連の郵政民営化のためのフォーラムでは経済界からエールが相次ぎ、小泉は「心強い限り。民間の皆さんが支持してくれる声を、政界の皆さんも認識していただきたい」と応じているのだ。

 ナチス台頭と小泉反革命

 凶暴な小泉反革命も、このような日帝・ブルジョアジーの全面支持があって初めて成り立っている。
 世界大恐慌下の30年代のドイツにおいて、ドイツ・プロレタリアートの内乱的決起を恐れた資本家(特に金融資本家と重工業資本家)とユンカー(大地主)がナチスを支持したことがそれまでは弱小右翼にすぎなかったナチスの権力掌握にとって決定的だった。
 それと似た過程が今、眼前で進行している。もともと自民党内の基盤は弱かった小泉を、奥田を始めとした日帝・ブルジョアジー主流が全面的に支持し、小泉を使ってファシスト的なやり方でこれまでの支配のあり方を根本的にぶちこわし、「戦争のできる国家」「戦争のできる国民」をつくろうとしているのだ。
 この小泉反革命に対して郵政労働者を先頭に労働者階級の総決起をたたきつけよう。階級的労働運動の復権・創造をかちとり、11月労働者集会の1万人結集でうち破ろう。
 (湯村宏則)

 奥田の小泉支持発言

・「構造改革を旗印に掲げる小泉内閣を支持する。全閣僚には、総理の掲げる方針を共有し、スピード感を持って改革に取り組むよう」(05年年頭所感)
・「(郵政民営化は)さまざまなサービスを提供でき、経済界にとってもビジネスチャンスが増える。国家公務員も大幅に減らせる」(1月17日「官邸コンファレンス」)
・「今、改革をやらないと日本の将来は見渡せない可能性がある。小泉構造改革を一段と進めたい」(5月23日、記者会見)
・「なんとしても(郵政民営化法案の)成立が望まれる。最大限の力で支援したい」(7月20日、郵政民営化に関するシンポジウム)

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週刊『前進』(2213号7面1)(2005/09/12)

 小泉反革命粉砕、全学連大会成功へ

 日米韓労働者とともに闘う 11月学生1千人の大隊列を

 革共同中央学生組織委員会

 はじめに

 すべての労働者人民のみなさん! 全国の学友諸君! 小泉の8・8解散−9・11総選挙の反革命クーデターを粉砕しよう! 11・6労働者集会に1万人の大結集を実現しよう!
 階級闘争はまったく新たな段階に突入した。小泉は帝国主義世界戦争の時代への突入に突き動かされ、自民党−支配階級内の戦後的あり方をも一掃し、世界戦争参戦と民営化(労組破壊)に容赦なく突き進んでいる。この帝国主義の全体重をかけた攻撃の激しさの前に、既成の勢力、労働運動指導部は屈服し、改憲・戦争協力への道を転がり落ちている。しかし他方で、既成の枠を突き破る労働運動の新たな潮流が登場を始め、労働運動の大流動・大再編が起きている。
 9・11総選挙の中に労働者階級の選択肢(せんたくし)などない。戦後の「平和と民主主義」では一切通用しない。帝国主義打倒の立場以外に反戦運動も労働運動も成立しない。11・6労働者集会は、「小泉改革をぶっとめろ!」「戦争と首切りの小泉内閣を打倒しよう!」「郵政民営化絶対阻止!」「イラク侵略戦争阻止、自衛隊撤退! 北朝鮮・中国侵略戦争阻止!」「『つくる会』教科書採択を撤回せよ!」「闘う労働運動の再生を!」などを鮮明に掲げ、全国から万余の労働者が労働組合の旗をなびかせて首都に集結し、首都を揺るがす大デモンストレーションを敢行する闘いだ。さらにアメリカの労働者、韓国の労働者との国際連帯の力で世界戦争を強行する国際帝国主義を打倒する闘いだ。11・6に労働者人民の1万人大結集をなんとしても実現しよう。
 この大激動の中で、9月全学連大会を歴史的大会としてかちとろう。今次全学連大会を、何よりも第一に、11・6全国学生1000人結集に向けた総決起集会としてかちとろう。第二に、小泉反革命に怒りを爆発させ、それと真っ向から闘う方針を確立しよう。第三に、労働者階級とともに闘う全学連運動の新時代を切り開いていこう。その闘いのための新たな体制を今大会でつくりだしていこう。

 戦争と民営化攻撃の小泉打倒へ総決起せよ

 11月大結集に向かって第一に訴えたいことは、何よりも8・8衆院解散−9・11総選挙の巨大な反革命に対し、小泉打倒を鮮明に掲げ、11・6労働者集会への1万人−学生1000人結集をなんとしても実現しようということである。
 一つに、9・11総選挙で誰を選ぶかといったことの中に労働者階級の選択肢などない。小泉打倒・小泉構造改革・民営化粉砕こそ唯一の回答だ。
 小泉は衆院解散後の記者会見や選挙のビラ・ポスターで「郵政民営化に再挑戦」「郵政事業を担うのがなぜ27万公務員でなければならないのか」と叫び、「改革を止めるな」「官から民へ」と繰り返し呼号している。公務員、教育労働者の労働組合への敵視をむき出しにしている。絶対に許すことができない。
@自民党は「改革を止めるな」というスローガンを掲げているが、小泉構造改革・民営化など粉砕以外にない。それは侵略戦争−世界戦争への突進と首切り・増税・民営化=労働組合つぶしにほかならない。
 国際帝国主義は、いまや世界戦争の時代に突入している。
 帝国主義は帝国主義である限り、世界大恐慌過程への突入と分裂化・ブロック化を激化させ、勢力圏と資源の独占的支配・再支配をめぐり、アフガニスタン・イラクから北朝鮮・中国侵略戦争−世界戦争にのめり込むしかない。アメリカ帝国主義を先頭にその道が始まっている。
 日本帝国主義は帝国主義間争闘戦での敗勢的現実と、憲法9条などの制約をまったく突破できないことに追いつめられ、焦っている。だから小泉は、自民党内反対派をも一掃することを通して戦後的制約の一切をぶちこわし、日米枢軸形成から北朝鮮・中国侵略戦争−世界戦争参戦に向かって突進しているのだ。
 そのために民営化を強行し、労働者の抵抗拠点である労働組合を徹底的に破壊しようとしている。労働者は団結を破壊されてバラバラに分断された時、資本によってとことん非人間的に扱われる。他人を蹴落として生きることを強いられ、挙げ句の果てには帝国主義のために戦場に送り込まれることになるのだ。これが小泉の構造改革・民営化の正体だ。
 この攻撃の中心軸になっているのが「つくる会」教科書のイデオロギーだ。ナショナリズムを徹底的にあおり、「帝国主義の危機の時代には侵略戦争も正しい。そこに命を差し出せ」という思想、「つくる会」会長の八木秀次に見られるような、階級闘争そのものを敵視し、絶滅する思想だ。
A「官から民へ」「小さな政府」「規制や許認可」から「ルールと秩序を守る」「番人型の政府へ」などと叫び立てているが、これは資本家の利害を百パーセント貫徹する政府ということだ。労働者を徹底的に犠牲にし、抵抗する者は徹底的に弾圧するということだ。絶対に許せない。
 「官から民」の「民」とは民衆のことではない。日本経団連・奥田を始めとする一握りの資本家階級のことだ。小泉の構造改革・民営化とは、この資本家階級の延命のために、労働者人民に負担・犠牲を際限なく強制するものだ。
 「小さな政府」「官が民の邪魔をしない」とは資本家階級が労働者階級の首を切る、賃金を切り下げることを「邪魔=規制しない」ということであり、労働者の救済も一切しない、地方も切り捨てるということだ。戦後革命敗北の副産物として、また労働者の闘いの成果でもある戦後的な社会福祉・社会保障政策や地方自治も投げ捨てるということだ。
 さらに「ルールと秩序を守る」「番人型の政府」とは、治安弾圧をがんがんやるということだ。共謀罪などどんどん成立させる。労働者が資本に対して要求することはどんなに小さなことでも許さない、まして団結して闘うことなど絶対に許さないということだ。同時に排外主義の扇動と一体で、侵略戦争の論理でもある。「小さな政府」というが、その実態は巨大な警察国家、軍事国家だ。
 つまり小泉構造改革・民営化とは、支配階級自身がつくりだした危機をすべて居直り、資本家階級の「自由と繁栄」こそすべて、労働者はどんなに犠牲を強制されようと黙って従え、一切の抵抗は許さない、労働組合などはすべてたたきつぶす、そして戦争に動員し、命も差し出せということなのだ。
B小泉・自民党は自治労や教職員組合に対し、「不正や腐敗は、目に余る」「あきれるばかりの福利厚生」「公務員天国」「無駄遣い」などとあらん限りの悪罵(あくば)を投げつけている。構造改革・民営化の最大の狙いは労働組合の解体なのだ。絶対に許せない。
 そもそも1000兆円にも及ぶ国の借金は誰がつくったのか。小泉が言うように公務員なのか。ふざけるな! 日帝・金融独占ブルジョアジーが戦後一貫して国家財政を食い物にしてきた結果なのだ。その連中が居直って「痛みに耐えよ」と犠牲を強要しているのだ。
 現在の腐敗した幹部を打倒し、労働組合が持つ本来の力をよみがえらせよう。労働組合とは、労働者が団結して資本の搾取・圧迫に対抗し、生活と権利を守るための組織だ。労働者は労働組合に結集して団結する以外に、資本の攻撃から身を守ることはできないのだ。
 小泉は民間資本で働く労働者と公務員労働者とを分断しようとしているが、これも労働者の階級的団結を解体する許しがたい攻撃だ。
 確かに民間資本のもとで働く労働者は賃下げ・リストラ・非正規雇用化などあらん限りの資本攻勢を受け、非人間的扱いを受けている。しかしそれは民間資本の労働組合が御用組合化し、労働者の団結と抵抗の力が弱まってしまっているからだ。その上、公務員労働運動が解体された時に民間資本ではもっと激しく労働者が攻撃されることになる。今こそ公務員・民間を問わず、すべての職場で資本・当局に対する怒りを集め、自らの生活と権利を守るため、労働組合のもとで団結し、資本と闘う時なのだ。
C小泉の4年間で景気が良くなったというが、大ウソだ。この間の日帝経済は、野放図な国債発行(借金の累積)と超金融緩和政策のとめどもない続行、さらには対中輸出によって支えられてきたに過ぎない。国と地方の借金は1000兆円に達し、この瞬間にも増え続けている。もはや財政再建など不可能だ。
 一方でこの4年間で労働者階級人民の生活はどうなったのか。生活保護世帯が100万世帯、143万人に及び、自殺者は年間3万2000人以上に達している。4年間では実に十数万人。これだけの労働者階級人民の生活、命を奪い続けているのだ。こうした現実を「民間(ブルジョアジーのことだ!)の力を引き出す改革」などと言っているのだ。絶対許せない! 小泉構造改革で人民は殺されるのだ。
 つまり、帝国主義が自ら生み出した矛盾をまったく解決できず、そのすべてを労働者階級に転嫁して生き延びようとしているのだ。これが構造改革・民営化であり、これに対する労働者階級の回答は、帝国主義打倒以外にないのだ。

 労働者階級の階級的団結の解体を許すな

 二つに、05年前半決戦の中で、階級闘争がまったく新しい局面に突入している。労働者階級の階級的団結が解体され、戦争にまでかり出されてしまうのか、それとも労働者が階級的団結と国際連帯を回復・再生し、労働者の社会をつくっていくのか。その二つの道をめぐって、今われわれは本当に分水嶺(ぶんすいれい)に立っている。そして階級的団結と国際連帯を回復・再生させる決定的闘いが11・6労働者集会なのだ。
 郵政民営化法案の否決で戦後的自民党の限界を突きつけられた小泉は、総選挙過程で戦後の自民党をたたき壊し、帝国主義的ナショナリズムの扇動をもって、戦争と民営化(労組破壊)の大攻撃に突き進んでいる。内外情勢の危機の中で、支配階級の側がこれまでのやり方ではやっていけなくなり、支配のあり方の大転換を決断しているのだ。資本主義体制そのものの存亡をかけ、「帝国主義と運命を一体化せよ」と階級的なもののかけらすらも絶滅・一掃する大攻撃だ。
 そして労働運動においては、このような帝国主義的ナショナリズムのあらしに対し、連合の「7・14改憲見解」、自治労中央の「平和基本法」提言など既成指導部が屈服と後退を重ね、ついに明示な改憲勢力、戦争翼賛勢力に踏み出そうとしている。戦後の平和と民主主義では小泉反革命とまったく闘えず、むしろ労働者階級全体を転向と戦争協力の道に引きずり込もうとしているのだ。
 しかし他方で、このようなあらしに抗して、「日の丸・君が代」強制拒否の教育労働者の決起、「つくる会」教科書採択阻止の労働者人民の決起、7・15国鉄集会に示された国鉄陣形の決起、自治労大会での「平和基本法提言」反対を表明した自治体労働者の決起など、動労千葉を先頭とする労働運動の新しい潮流が姿を現しつつある。
 特に杉並では、杉並の労働者人民や全国の学生によって、既成勢力の屈服・闘争放棄をのりこえて「つくる会」教科書採択阻止の闘いが闘われた。その結果、「つくる会」が「東京50%、全国10%」と豪語していた採択率を0・5%以下にたたき込み、「つくる会」の狙いをずたずたにする大勝利を切り開いた。さらにこの闘いが杉並区教職員組合(杉教組)の「つくる会」教科書採択撤回宣言という偉大な決起を引き出したことは、きわめて重大な地平だ。小泉の構造改革・民営化攻撃を粉砕する端緒を切り開いているのだ。
 このような情勢は、支配階級の側も被支配階級の側も含め全政治勢力を、「帝国主義的ナショナリズムによる労働者階級の階級性・団結の解体か、労働者階級の階級的団結と国際連帯の回復・再生−帝国主義打倒か」という二者択一の巨大な分岐と大流動にたたき込んでいる。この点、われわれも例外ではない。
 問われているのは、ナショナリズムのあらしの中に真っ向から飛び込み、切り結び、階級的団結と国際連帯を突き出して、労働者階級との結合・獲得・決起を実現することだ。
 05年前半、「日の丸・君が代」闘争、「つくる会」教科書闘争=都議選闘争、動労千葉の反合・運転保安確立闘争など、諸闘争を死力を尽くして闘ってきた地平は、労働者階級の階級的団結を回復していく、その展望を一歩一歩切り開いてきているのだ。11・6は、既成政党、労働運動の転向と翼賛を突き破って、労働者階級の階級的団結と国際連帯の旗を掲げ、闘う労働運動の新しい潮流をつくりだす闘いだ。資本との闘いを非妥協に闘いぬいている日本の3労組、日米韓の労働組合によって呼びかけられている11・6は小泉反革命を打ち破る唯一の結集軸・対抗軸だ。

 帝国主義打倒と階級的団結再生こそ勝利の道

 11・6大結集に向かって第二に、小泉反革命と真っ向から対決し、国家主義・排外主義の扇動をうち破り、労働者階級の階級的団結・労働組合的団結を軸に、戦争と民営化攻撃と闘おう。
 小泉構造改革・民営化に対し労働者・学生はどう闘うか。
@何よりも、小泉反革命を真っ向から見すえ、怒りを爆発させ、職場やキャンパス、街頭で小泉構造改革・民営化攻撃の暴露・批判・粉砕の闘いをやりぬこう。小泉反革命とは、労働者階級の階級性・階級的団結を解体する攻撃であり、これと対決することなしに反戦闘争も闘えないし、労働組合的団結も守れないからだ。小泉反革命を帝国主義打倒の立場から徹底批判する中で階級的団結の回復・再生をかちとろう。11・6こそ小泉反革命粉砕の唯一最大の結集軸であり、対抗軸だということをはっきりさせて闘いぬこう。
A労働者にとっては、労働組合が本来持つ力をとり戻すことが必要だ。労働組合とは、労働者の生活・権利を守るために団結して資本・当局と闘う組織だ。現在、小泉反革命の帝国主義的ナショナリズムの扇動の中で、大部分の労組幹部が資本・当局に屈服し、改憲・戦争協力勢力への転向を深めている。しかし、だからこそ現場・職場の怒りを集め、腐敗した幹部をたたき出して労働組合を労働者・組合員の手に取り戻すのだ。
B学生は小泉反革命粉砕の闘いの先頭に立とう。そして労働者の階級的団結の中にこそ自らの未来もあることを見い出し、労働者階級の階級的団結、労働運動の前進のために闘おう。キャンパスに労働者階級の闘いを真正面から持ち込み、11・6への決起をかちとろう。
 一つに、郵政労働者の怒り、決起と連帯し、郵政民営化を絶対に阻止しよう。小泉が”本丸”と位置づけている郵政民営化にも小泉構造改革・民営化の本質が百パーセント貫かれている。
 小泉は郵政職場で働く38万人を民営化によっていったん全員解雇し、再雇用の際に差別・選別雇用を行って組合の活動家だけを再雇用せず、労働組合を破壊しようとしている。国鉄の分割・民営化でやったのとまったく同じことだ。その結果起こったのがJRの尼崎事故だ。労働組合が組合らしく闘わなかったら資本に殺されるのだ。この現実を郵政労働者から自治体労働者、教育労働者、さらに全社会に拡大しようとしているのだ。
 小泉は、郵政民営化のもう一つの狙いが労働者人民の細々とした蓄えである郵貯を「民間に開放することである」と言っている。民間とは労働者人民のことではない。資本家の食い物にすると言っているのだ。特にIT技術を使った投機的経営という、帝国主義の末期的危機のえじきに郵貯を明け渡せというのだ。こんなことを絶対に許してはならない。このことを真正面から訴えよう。
 二つに、「つくる会」教科書の杉並での採択を絶対に撤回させよう。無法に無法を重ねて強行された杉並での「つくる会」歴史教科書採択は本当に許すことのできない暴挙だ。白紙撤回あるのみだ。
 だがそれは同時に、「つくる会」派の不正義性、反人民性を満天下に暴き、その大破産を刻印するものとなった。杉並・親の会の呼びかけにこたえ、山田区長と区教委の不正・不法を徹底的に暴き弾劾し、歴史教科書の採択撤回まで闘いぬこう。徹底抗戦を宣言した杉教組の闘う教育労働者とともに、「つくる会」教科書の使用を許さない闘いをつくりだそう。
 三つに、自衛隊のイラク即時撤兵を掲げ、イラク反戦闘争に立ち上がろう。米英日帝のイラク侵略戦争はいよいよ泥沼の危機を深めている。イラク人民の激しい民族解放・革命戦争を鎮圧することができないばかりか、逆に米帝の方こそ占領支配体制が崩壊しかねない危機に突入している。このイラク戦争の現実が、今日の世界情勢全体を規定している。イラク戦争の継続・激化、世界戦争への拡大が、帝国主義の基本方向となっている。
 こうした中で、あくまでイラク派兵を継続する日帝・小泉に対してイラク人民の怒りが高まっている。自衛隊撤退を求めるデモが起こり、自衛隊に対するゲリラ戦闘が本格的に開始されている。イラク・ムスリム人民と連帯して自衛隊を即時撤退させるために闘おう。
 四つに、米軍のトランスフォーメーション(米軍再編)と対決し、安保・沖縄決戦に立ち上がろう。さらに三里塚、北富士を始めとする全国反基地闘争に立ち上がろう。
 トランスフォーメーションの基本的内容は、世界的な米軍の態勢をイラク戦タイプの戦争を効果的に推進する態勢に転換していこうとするものである。その焦点のひとつが日本を中国・北朝鮮侵略戦争の作戦指揮の一大拠点とすることだ。日帝も、防衛白書などで中国への排外主義をあおりつつ、トランスフォーメーションに対応した北朝鮮・中国侵略戦争体制を構築しようとしている。
 この中で、辺野古への新基地建設を撤回させることを始めとした沖縄闘争、全国基地闘争の重要性は05年、06年とますます強まる。基地再編と一体の形で周辺事態法、武力攻撃事態法、有事法制が発動される情勢へ突入する。これに対する闘いを全力で展開しよう。
 五つに、教基法改悪阻止−改憲阻止の闘いに立ち上がろう。今秋過程は、11月自民党改憲案提出が大きな節目となる。帝国主義的ナショナリズムのあらしの中で、改憲への動きは一気に強まる。このことを見すえ、粉砕する闘いに立ち上がろう。教育労働者とともに教基法改悪阻止の闘いに立とう。

 有朋寮決戦と法大決戦柱に大学闘争を闘おう

 11・6大結集に向かって訴えたいことの第三は、学生こそ小泉反革命粉砕−11・6大結集に向かって、その先頭で闘おうということだ。その決定的一環として、法政大決戦、東北大有朋寮決戦への総決起を柱に、小泉=奥田の「大学改革」攻撃と対決する大学闘争に決起しよう。そしてこの決戦の中で、闘う学生自治会の建設・発展を全国でなしとげていこう。
 05年前半の闘いの中で学生は決定的役割を果たした。05年前半戦において全国学生は「日の丸・君が代」闘争、「つくる会」教科書阻止闘争など、階級闘争の先端で全力で闘いぬいてきた。そのことが多くの労働者を激励し、階級的決起と団結、労働運動の前進に貢献した。同時に重要なことは、闘いに決起した学生自身が労働者階級の現場からの決起・闘いに学び、生きた交流の中で労働者階級というものをつかむ重要な契機になったことである。こうして労働者階級と連帯・結合・呼吸しながら、階級闘争の先端で闘ってきたことは実に決定的だ。とりわけ8・15靖国神社の「終戦60年国民の集い」に対する決死の実力糾弾の闘いは、靖国を押しだし、帝国主義的ナショナリズムを扇動する攻撃に一歩も引かず、真っ向から対決する闘いであり、闘う労働者の喝采(かっさい)を受けた。
 さらに、小泉反革命との闘いの中でキャンパスの闘いが果たす役割は決定的だ。キャンパスにおいて、帝国主義的ナショナリズムの扇動と制圧の中に真っ向から飛び込み、切り結んで、帝国主義打倒、労働者階級、共産主義ということを堂々と叫んで勝利することだ。このことが労働者階級の闘い、労働運動の前進にとってものすごい貢献を果たすのだ。
 その闘いの決定的一環として大学闘争を闘おう。とりわけ東北大有朋寮決戦が9・1明け渡し裁判の判決を受けて決定的な決戦局面を迎えている。有朋寮廃寮阻止の闘いは、学生が団結すること、主体的に考えることを許さず、大学丸ごと侵略戦争−世界戦争に動員しようとする攻撃との闘いだ。まさに小泉反革命、戦争と民営化、帝国主義的ナショナリズムとの決戦であり、その先端の闘いなのだ。階級闘争全体の前進−11・6の爆発をかけて有朋寮決戦に総力で立ち上がろう。
 学生自治会建設の核心は「帝国主義世界戦争への道か、帝国主義打倒か」をめぐるキャンパスでの大衆的な分岐に勝利することだ。この分岐に勝利して11・6集会1000人結集をかちとろう。
 労働者階級自己解放の思想であるマルクス主義を武器に、ともにマルクス主義学生同盟・中核派に結集して未来を切り開こう。なによりも11・6大結集に向かって闘おう。


全学連第65回定期全国大会

 ・期日 9月23日(金)〜25日(日)
   23日(金)午前=議案提起 午後=大学報告
   24日(土)午前=大学報告 午後=分科会
   25日(日)午前・午後=討論・新役員選出など
 ・会場 9月23、24日 文京区民センター
      (東京都文京区本郷4―15、地下鉄「春日駅」下車)
     9月25日 月島区民館
      (中央区月島2―8―11、地下鉄「月島駅」下車)
 ・主催 全日本学生自治会総連合(委員長 大山尚行)
         ホームページ=http://www.zengakuren.jp/

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週刊『前進』(2213号7面2)(2005/09/12)

 有朋寮の戦闘宣言(抜粋)

 9・1反動判決弾劾!強制執行粉砕決戦に突入する

 本日9月1日、仙台地裁(小野洋一裁判長)は有朋寮明け渡し裁判において、「仮執行」付の明け渡し命令という不当判決を下した。この判決は、機動隊導入による暴力的廃寮宣言であり、われわれは絶対にこれを認めない。唯々諾々と従うつもりはない。有朋寮は強制執行との徹底対決を宣言する! われわれは逮捕・流血を恐れない。一歩もひかず実力で阻止するのみだ。
 すべての学生・労働者・市民のみなさん! 強制執行粉砕の歴史的決戦へともに立ち上がろう!
 廃寮ありきの裁判など認めない! 判決への屈従を断固拒否する!
 本判決は、寮生の生活権と教育の機会均等を破壊する不当判決である。そして、この明け渡し裁判で明らかになったことは、まさに目的のためには手段を選ばぬ大学当局・仙台地裁の卑劣な姿であり、有朋寮の闘いの正当性だ。
●逮捕・流血辞さず、人生かけた大決戦を決意する!
 われわれ有朋寮生は、強制執行に一歩も引くつもりはない。なぜか? その理由は4年間の激闘に凝縮されている。
 第一に、学生の主体性を踏みにじる東北大学当局にだけは絶対に屈することができないからだ。結果ありきの「廃寮決定」、白を黒と言いくるめるデマ宣伝、卑劣極まる叩き出し、話し合いや署名の受け取り拒否、…、これらすべてを許せないからだ。
 第二に、古郡陸君(02年度入学、理学部)への「無期停学」処分に腹の底から怒っているからだ。われわれは古郡君を絶対に守り抜く!
 「廃寮決定」後に新入寮生を受け入れるかどうか、全寮的な論議が巻き起こった。そしてわれわれは古郡君を受け入れ、どれだけの攻撃があろうとも防衛することを決断した。これこそ自治寮としての根本的立場であり、有朋寮闘争の原点中の原点である。
 第三に、全学生の敵=吉本執行部とは絶対に非和解だからだ。これからが、吉本執行部を追い詰めてきた4年間の闘いの総決算である。
 第四に、われわれの闘いは、全大学・全社会的な教育反動への反撃と一体だからだ。
 第五に、01年「廃寮決定」以来の過程とは、アフガニスタン派兵〜有事立法〜イラク派兵と続く日本の侵略戦争国家化攻撃と完全に同時並行であり、われわれは大学人としての矜持(きょうじ)にかけてこの戦争を絶対に止めなければならないからだ。
 第六に、労働運動との連帯がわれわれに力と展望を与えてくれたからだ。
 第七に、われわれの闘いは小泉「構造改革」攻撃との闘いであるからだ。
 小泉は大学法人化で、そして郵政民営化を始めとした「改革」なるもので、社会を戦争と弱肉強食に叩き込もうとしている。こうした構造を、われわれは労働者との連帯から、そして11月労働者(日米韓国際連帯)集会に参加する中から学んできた。そこにこそ社会を変革できる息吹と展望があった!
 最後に、有朋寮生の闘志は今回の反動判決を受けてもまったく揺らいでいない。むしろ、この大激動の時代に自らの生き方をかけて闘えることに喜びを感じる。
●ただちに有朋寮へすべての力の結集を!
 すべての学生のみなさん! 労働者のみなさん! 敵は国家暴力による強制執行を狙っており、一刻の猶予もない。今すぐ、すべての力を有朋寮へ集中しよう! 強制執行実力粉砕決戦に突入しよう!
 何よりも、万難を排して有朋寮へ馳せ参じてほしい! すでに全国から続々と闘う学友の結集が始まっている。圧倒的な学生の迫力で敵をはね返し、実力で寮を防衛しよう!
 さらに、激励、アピール賛同、カンパ、ありとあらゆるかたちでわれわれの闘いを支えてほしい! このアピールを一人でも多くの人に広めてほしい!  学生が立ち上がった時、その闘う姿が多くの労働者市民の心を揺り動かしてきた。全国の学友は有朋寮へ! ともに闘おう!
2005年9月1日
 東北大学有朋寮
 仙台市太白区鹿野2−19−5
 電話 022―247―4669
 メール ufo-ryou@hotmail.com

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