ZENSHIN 2006/02/27(No2235 p06)

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週刊『前進』(2235号1面1)(2006/02/27)

 連合の1・19中執決定の大裏切りと対決し 国民投票法案粉砕・改憲阻止へ

 全国で卒業式闘争の大爆発を

  動労千葉の反合・運転保安闘争を最先頭に06春闘を闘い抜こう

 06年冒頭からの4大産別をめぐる激しい攻防を経て、いよいよ2月下旬から「日の丸・君が代」不起立闘争の本番に突入する。東京の被処分者を先頭に、闘う教育労働者はいかなる処分も恐れず不起立を貫くと宣言している。この不退転の決意は、日教組30万の現場組合員全体の階級的魂を揺さぶり、不起立闘争の全国的爆発の機運を高めている。同時に動労千葉は歴史的な反合・運転保安春闘に決起する。危機の小泉打倒へ、今闘えば勝てる。今が勝負だ。4大産別決戦勝利・改憲阻止に向け、すべてをかけて決起しよう。

 第1章 小泉=奥田の構造改革路線今こそ粉砕を

 2―3月決戦が06―07年階級決戦の全体を決する闘いであることがますます鮮明になっている。日本の労働者階級は歴史的な反転攻勢に打って出る絶好のチャンスを前にしている。動と反動、革命と反革命の劇的な逆転に次ぐ逆転こそ革命的激動期の特徴である。昨年の9・11衆院選での小泉のクーデター的勝利はわずか5カ月前のことだが、すでに小泉改革の矛盾が爆発し、小泉体制は瓦解(がかい)の危機にたたき込まれている。小泉のファシスト的扇動政治の化けの皮は完全にはげ落ち、インチキな正体があらわとなった。
 日帝・支配階級にとって戦争と民営化=労組破壊以外に延命の道がないことは明らかだ。しかしこのまま小泉=奥田の構造改革路線を進めることによる体制的総破産と労働者人民の根底的な怒りの決起の前に、支配階級自身が今や戦慄(せんりつ)し始めている。
 この日帝危機の根源、日帝・小泉打倒の根拠はどこにあるのか。4大産別を先頭とする闘う労働者階級と労組の存在である。だからこそ日帝・小泉は、1・19中執決定で国民投票法案推進を決めた連合中央を手先として、昨秋できなかった4大産別組合の改憲勢力化を今度こそ待ったなしでやり遂げようと総力を挙げている。だが自治労臨大でもJPU臨大でも、現場組合員が下から決起し、ぎりぎりのところで踏みとどまり、勝ち抜いている。国鉄では2・16集会が1047名闘争史上画期的な成功をかちとった。そして何よりも闘う教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争が3・21臨大での日教組の歴史的大転向を根底から吹き飛ばし、日本階級闘争全体を革命的に塗り替える闘いとして打ち抜かれようとしている。

 第2章 不起立闘争は戦争協力拒否の偉大な闘い

 06年春の不起立闘争は、03年「10・23」通達以来のファシスト石原・都教委との攻防に革命的決着をつけ、日帝の改憲と戦争突入の全反動プランを根底から吹き飛ばすすさまじい威力をもっている。それは、動労千葉の反合・運転保安春闘と一体的に闘い抜かれることによって4大産別―全産別の階級的力関係を大転換させる力を持っている。
 10・23通達を出した石原・都教委は、最初明らかに高をくくっていた。処分の恫喝をふりかざせば、教育労働者はたちどころに白旗を揚げて降参すると思っていたのだ。ところが、都高教組合員を先頭とした決起は、ついに処分を恐れず首をかけてでも不起立を貫く不屈の教育労働者を続々と生み出してしまったのである。まだ処分を受けていない膨大な教育労働者も「今度は自分が」という決意を固めている。
 今やファシスト石原・都教委は、教育労働者の不起立闘争の永続化、「日の丸・君が代」攻防の「泥沼化」という事態に震え上がり、対応不能に陥りつつある。もし石原・都教委が「君が代」不起立で解雇などに踏み切ればどうなるか。国鉄1047名闘争と双璧(そうへき)をなすような解雇撤回の大闘争が爆発することは間違いない。そして韓国労働者を始め全アジア人民との国際的共同闘争に必ず発展していく。また「停職どまり」なら「処分恐るに足らず」という教育労働者を次々に生み出していくことになる。石原・都教委は完全に墓穴を掘ったのだ。
 動労千葉が歴史的に実証してきたとおり、職場からの不屈の抵抗闘争の継続、団結による処分攻撃への断固たる反撃こそが敵を追いつめ、勝利の展望を切り開くのだ。このことに多くの教育労働者が確信を持ち、被処分者への支持が広がり、不起立闘争拡大の機運が東京から全国に広がり高まっている。「日教組30万の不起立を!」こそが闘う現場組合員の要求でありスローガンだ。今春、東京と全国が呼応して一斉に不起立闘争へ決起し、勝利を切り開こう。さらに3・21日教組臨大を一大決戦として闘おう。
 「日の丸・君が代」強制攻撃とは何なのか。帝国主義は体制的危機をとことん深め、侵略戦争へ突き進んでいる。だからこそ「日の丸・君が代」強制なのである。それは、日帝・国家権力が、天皇に忠誠を誓うのか否か、侵略戦争に協力し国家のために命を投げ出すのか否かを全教育労働者と生徒に突きつける「踏み絵」である。これを拒否する者は徹底的に弾圧し、追放し、抹殺するという攻撃である。この攻撃を個々人の「内心の自由」の問題だけに切り縮め、個々の孤立した闘いにしては、けっしてならない。それでは日本帝国主義の死活をかけた攻撃に勝つことはできない。この帝国主義の攻撃を打ち破る道は、教育労働者、全労働者が「戦争協力拒否」という階級的立場を明確にさせ、そのもとに固く団結して闘う以外にありえない。階級的団結こそが労働者の唯一の勝利の武器だ。
 「日の丸・君が代」は、そもそもの最初から日本帝国主義の侵略戦争の道具として作られたものである。日本のプロレタリアート人民を戦場に送り、アジア人民を殺戮(さつりく)するために使われた歌であり、旗である。それ以外の何ものでもない。「歌・旗に罪はない」などというのは「ナチ党歌や旗には罪がない」というくらいに恥知らずな詭弁(きべん)である。靖国神社参拝を平然と続け、日帝の侵略戦争を居直り、改憲と新たな戦争に向かって突き進んでいるファシスト石原や小泉らが処分・暴力を振りかざして「日の丸」をあがめさせ、「君が代」を歌わせることなど、日本の労働者階級は断じて許してはならないのだ。

 第3章 反合・運転保安春闘の階級的インパクト

 この教育労働者の不起立闘争と固く連帯し、同時一体的に動労千葉の反合・運転保安春闘が戦闘的に闘われようとしている。教育労働者の不起立闘争と4・25尼崎事故1周年を前にした動労千葉の反合・運転保安春闘の一体的な爆発と高揚は、4大産別全体、日本労働者階級全体にものすごいインパクトを与える。さらに2・16集会の歴史的成功をもって国鉄1047名闘争が新たな発展を開始した。
 不起立闘争に決起する教育労働者、1047名闘争を闘い抜く国鉄労働者、連合と中央本部の首切り推進・改憲賛成方針に絶対反対の立場を貫く自治労・全逓の労働者、これらすべての労働者はランク&ファイルの現場組合員だ。この4大産別のランク&ファイルは、帝国主義の手先・「労働代官」としての連合中央を打倒しうる勢力、潮流として登場しつつある。2―3月決戦、06春闘の歴史的爆発をかちとり、労働運動の階級的大前進を切り開こう。

 第4章 4大産別決戦軸に改憲阻止闘争に立とう

 帝国主義の危機は世界史的スケールで爆発的に進行している。06年冒頭からの4大産別決戦を軸とした階級攻防の息もつかせぬ激しさは、根底的にはこのことに規定されている。
 基軸帝国主義・米帝がイラク侵略戦争の敗勢と政治危機、借金漬け経済の矛盾の極限化にあえぐ中で、帝国主義の世界支配は根底から揺らいでいる。イラク情勢は総選挙実施とシーア派の「勝利」によって、いよいよ米帝がコントロールできないものになっている。パレスチナではハマスが圧勝し、エジプトでも反米勢力が台頭、イラン情勢も重大局面にある。米帝のイラク侵略戦争の泥沼化、占領統治の破綻(はたん)は、中東支配の総瓦解的危機を引き起こしている。さらに米帝の「裏庭」であり、伝統的勢力圏としてあった中南米で次々と反米政権が誕生している。米帝の世界支配の崩壊が激しく進行しているのである。
 だがこれらの事態は、米帝ブッシュの世界戦争政策の後退ではなく、より一層のエスカレーション、凶暴化をもたらす。ブッシュの一般教書演説と新QDRこそ米帝の新たな世界戦争宣言、北朝鮮・中国侵略戦争宣言である。米帝は、新QDRで「対テロ長期戦争」論を打ち出すと同時に中国を戦略的打倒対象として明示した。そして対中国の世界大戦級の戦争を遂行するために日米同盟を最大限に位置づけている。沖縄米軍基地強化、中でも辺野古新基地建設は、この世界戦争を遂行しようとする米軍大再編のかなめである。そしてこれは、日米枢軸形成による世界戦争参戦を唯一の体制延命の道としている日帝にとっても絶対貫徹以外にありえない。
 3・5沖縄県民大会は、米帝と日帝の帝国主義としての延命をかけた世界戦争政策のための「第5次琉球処分」との全面激突である。「第2の沖縄戦」を許すのか否か、沖縄人民の生存・生命をかけた一歩も後へ引くことのできない闘いである。米軍再編・辺野古新基地建設粉砕の安保・沖縄闘争を改憲阻止闘争と一体の闘いとして日本の労働者階級人民の総決起で闘い抜こう。
 3・5県民大会に総決起し、連帯して、米・日帝国主義打倒までやむことのない新たな安保・沖縄闘争の歴史の扉を押し開こう。座間、相模原、横須賀、岩国を始め米軍再編の焦点となっているすべての自治体で労働者・住民の総反乱を巻き起こそう。3月米軍再編最終報告を打ち砕こう。
 4大産別決戦は、4大産別労組の改憲勢力化、戦争協力・翼賛の産業報国会化の攻撃との決戦でもあり、改憲阻止決戦、米軍再編粉砕の新たな安保・沖縄闘争と不可分一体である。4大産別の労働者は改憲阻止、米軍再編粉砕の闘いの先頭に立つ使命感に燃えている。4大産別の労組、労働者を軸に改憲阻止の巨大な統一戦線を築き上げよう。
 第二東京弁護士会の主催で開かれる「問題点を検証する!『憲法改正国民投票法案』」2・22大集会(要項4面)は、憲法闘争の発展と改憲阻止の大統一戦線形成にとって重要な集会である。広範な人びとの大結集を実現しよう。国民投票法案粉砕へ改憲阻止決戦の本格的爆発を切り開こう。

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週刊『前進』(2235号1面2)(2006/02/27)

 1047名が勝利へ大同団結 2・16集会 “解雇撤回・JR復帰を”

会場超満員の熱気 国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が壇上に並んだ。1047名全体の統一陣形の登壇に熱い拍手が送られた(2月16日 東京・日本教育会館)

 国鉄闘争は、国鉄分割・民営化による被解雇者1047名の大同団結を形成し、解雇撤回・JR復帰に向けて大きな一歩を踏み出した。2月16日、東京・日本教育会館で開かれた「JR採用差別事件の勝利解決をめざす! 1047名闘争団、争議団、原告団2・16総決起集会」は、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の全体を束ね、新たな闘いを宣言する歴史的な集会になった。
 集会を主催した「1047名被解雇者2・16集会実行委員会」は、国労闘争団の鉄建公団訴訟原告団と鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労争議団・鉄道運輸機構訴訟原告団、動労千葉争議団・鉄道運輸機構訴訟原告団に、国労闘争団全国連絡会議が加わり、5者によって結成された。鉄建公団訴訟を軸に形づくられた1047名の統一陣形は、国労闘争団全体を巻き込んでの大統一戦線に発展した。
 集会には、用意された別室を含め1850人が大結集した。会場に入りきれずやむなく帰った人びとを入れると2500人以上が集会に足を運んだ。これは、大同団結した1047名の闘いへの労働者階級の期待の大きさを示している。

 闘争団・争議団が不屈の決意

 87年2月16日は、1047名にJR不採用が通知された怒りの日だ。それから20年目のこの日、国鉄1047名闘争は再び階級攻防の最前線に躍り出た。
 国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が壇上に並ぶと、会場から熱い拍手が巻き起こった。
 全動労争議団団長代行の梅木則秋さんは「5者共同の流れを闘いの到達点として大切にしたい。一日も早い解決へ、この流れを奔流とするために闘いたい」と発言した。
 動労千葉争議団代表の高石正博さんは「1047名が一堂に会し、闘いのスタートに立った。より一層団結を深め、何としても勝利したい」と訴え、国鉄分割・民営化が鉄道の安全を根本から破壊したことを弾劾して、動労千葉は今春闘を反合・運転保安春闘として闘うと宣言した。
 国労闘争団全国連絡会議議長の神宮義秋さんは「大同団結を固め、政府に解決を迫り、早期勝利解決へ奮闘する」と述べた。
 国労闘争団・鉄建公団訴訟原告団団長の酒井直昭さんは「9・15判決を機に1047名総体がまとまった。国労はもう一歩前に出て訴訟に取り組むべきだ。それが望みうる解決のための最短・最良の道だ。今年こそ解決の年とするために頑張りたい」と訴えた。
 「国鉄闘争の20年と解決への道」と題して講演した鉄建公団訴訟主任弁護士の加藤晋介さんは、「(中労委の救済命令を取り消した)98年5月28日の東京地裁判決で国労組織は動揺した。だが、国鉄闘争は労働委員会や裁判で勝ちさえすれば勝てる闘いなのか。職場で闘わなければ政治解決を図ろうとしても解決はできない」と強調した。また、鉄建公団訴訟の控訴審は不当労働行為の存在自体を認めない鉄建公団(旧国鉄清算事業団、現鉄道運輸機構)との激しい攻防になることに注意を喚起し、「国労は訴訟を起こして闘う姿勢を見せてほしい」と語気を強めた。
 国労闘争団全国連絡会議事務局長の葛西忠雄さんが「被解雇者1047名は……大衆闘争、裁判闘争を強化し共同行動を積み上げ、勝利解決に向けて全国の仲間と全力で闘い抜きます」と宣言した集会アピールを読み上げた。
 団結ガンバローの音頭を国労闘争団・鉄道運輸機構訴訟原告団代表の川端一男さんがとり、全参加者が一斉にこぶしを突き上げた。

 全被解雇者が連絡会を結成

 集会主催者の5者は、この日を機に「被解雇者1047名連絡会」を結成した。1047名の大同団結は誰にも覆せない力強い流れになった。あらゆる苦難・迫害をのりこえ闘いを貫いた闘争団・争議団の不屈の意志が1047名全体を牽引(けんいん)し、集会を大成功に導いた。
 国鉄闘争こそ小泉政権打倒の拠点であり、教労、全逓、自治体、国鉄の4大産別決戦の土台をなす闘いだ。2・16集会はあらためてこのことを鮮明にした。
 今、小泉は改憲を叫び立て、日米新安保のもとに北朝鮮・中国侵略戦争体制を構築し、郵政民営化や公務員制度改革によって公務員労組を解体に追い込もうと攻撃を強めている。
 そのただ中で、国鉄闘争は国家の総力を挙げた不当労働行為=絶滅攻撃に耐え抜いて、1047名の統一陣形を生み出した。これはまた、労働者階級総体が改憲阻止・小泉打倒の決戦に立つ巨大な水路が形成されたことを意味している。
 教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の闘いと動労千葉の反合・運転保安春闘は、これをさらに押し広げるものになるだろう。
 今春決戦は2・16を経てさらに白熱化した。06春闘を全力で貫き、小泉打倒へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2235号2面1)(2006/02/27)

 「日の丸・君が代」は天皇制崇拝と侵略戦争を賛美する旗と歌

 職場の団結で「戦争協力拒否」を

  30万日教組組合員は今こそ不起立闘争に総決起しよう

 全都・全国の教育労働者の皆さん。今春卒・入学式の「日の丸・君が代」強制に対して、断固、不起立で闘おう。処分を恐れない教育労働者の団結した闘いこそ「日の丸・君が代」強制を阻止し、不当処分をはね返し、戦争のための教基法改悪と改憲攻撃をうち破る力だ。今こそ「教え子を再び戦場に送るな」の日教組運動の正念場だ。全国30万の日教組組合員は総決起しよう。全国の労働者人民は連帯して闘おう。

 学校を“絶対服従”の兵営にしていいのか

 石原・都教委の03年10・23通達=「日の丸・君が代」強制は、教育基本法改悪・憲法改悪と一体で教育労働運動をつぶし、子どもたちを戦争に動員していくための攻撃である。学校から――職員会議からも授業・学校行事からも――民主主義を一掃し、学校を、上官の命令には絶対服従の兵営のような場所に変えることが狙いなのである。
 これに対して都の教育労働者は、日教組中央や都高教執行部の屈服をのりこえ不起立闘争を続けてきた。「戦争協力を拒否する」という不屈の抵抗は労働者階級に限りない勇気と力を与え、連合の改憲勢力化を阻止する力となっている。

 戦争と植民地支配の象徴だ

 「日の丸・君が代」は「どこの国にも国旗・国歌はある」という一般論で正当化されるものではけっしてない。「君が代」「日の丸」の歴史は、明治以来の近代日本の帝国主義的膨張、長期にわたる朝鮮・中国・アジア侵略戦争と植民地支配の歴史と固く結びついている。「日の丸・君が代」は、日本を「天皇が治める神の国である」として国家主義をあおり立て、対アジアの排外主義・差別主義を組織する道具として使われた。そして労働者人民を日帝の侵略戦争−帝国主義戦争に動員し、アジア人民を虐殺していくための旗と歌だった。
 今、石原・都教委が「国旗・国歌法」制定(1999年)時の「児童・生徒の内心にまで立ち入って強制するものではない」という政府答弁をも踏みにじって学校現場に押しつけてきているのは、再び日本帝国主義が国家の総力を挙げた対外侵略戦争にのめり込む以外になくなっているからだ。だから、こんな戦争の歌と旗は、絶対に拒否しなければならない。

 天皇制支配を強化するテコ

 「君が代」は「古今和歌集」以来の伝統を受け継いでいるかのような言い方がされるが、まったくの大うそである。大体、「古今和歌集」では「君が代」ではなく「わが君」から始まっているし、この「君」は、天皇を指しているのではないというのが定説である。
 その後、明治期まで「君が代」はさしたる存在ではなかった。江戸時代にはこの歌は薬師如来の御詠歌とされていたのだ!
 「日の丸」もけっして昔から日本を代表するシンボルだったわけではない。幕末になって薩摩藩が自藩の船を表す表示として使ったのが始まりだ。
 1870(明治3)年の太政官布告で商船国旗は「日の丸」、陸軍国旗は旭日旗、海軍国旗は「日の丸」としたが、国全体の国旗として「日の丸」が正式に決められたことはない。
 「日の丸」が国民的に流布され始めたのは、1877(明治10)年前後の天皇の各地への巡幸からであった。これは天皇制と天皇制イデオロギーの国民的流布をめざした政治的デモンストレーションだった。この時に小学生に「日の丸」の小旗を振らせた。
 「日の丸・君が代」が学校に強く押しつけられるようになったのは、1890年の「教育勅語」の発布と、翌91年の文部省の「祝日大祭日儀式規定」からである。
 中国への侵略戦争(日清戦争、94〜95年)の切迫の中で、明治政府は学校に対する国家統制を強めた。学校を強力な媒体として「君が代」を全国に広め、天皇・国家への忠誠心を労働者・農民に植え付け、階級支配と侵略戦争への動員を強めようとしたのだ。

 明治に逆戻りの都教委通達

 「祝日大祭日儀式規定」の内容は次のようなものである。
 @「君が代」を斉唱する
 A御真影(宮内省から各学校に配られた天皇・皇后の写真)に最敬礼する
 B学校長が「教育勅語」を朗読し、そのあと訓辞を行う
 C祝日にかんする唱歌を合唱する(紀元節の歌とか天長節の歌など)
 これを見ると、都教委の03年「10・23通達」と「実施指針」(注)が、この100年以上も前の「祝日大祭日儀式規定」をなぞっていることは明らかだ。超反動的で内容的に空疎な天皇制・天皇制イデオロギーの強制にとっては、「儀式」がきわめて重要な位置をもつのであり、それは昔も今も変わらないのだ。この規定を決定的なテコとして、学校ルートで「日の丸・君が代」は全国民に流布・徹底されていった。
 「日の丸」がさまざまな場所に掲げられ、その小旗が盛んにうち振られるようになったのは、15年戦争の時期である。1941年に「祝日大祭日儀式規定」は国民学校令の施行規則に組み込まれ、一段と権威づけられた。
 戦時下、学校では「大東亜共栄圏」の地図の上で、中国や東南アジアなど占領した地域や町々に日の丸の小旗を立てることが行われた。文部省発行の『初等科修身一』(3年用、1942年)には、こう書かれていた。
 「敵軍を追ひはらって、せんりょうしたところに、真っ先に高く立てるのは、やはり日の丸の旗です。兵士たちは、この旗の下に集って、声をかぎりに『ばんざい』をさけびます。/日の丸の旗は、日本人のたましひとはなれることのできない旗です」
 数千万人のアジアの人びとが、この旗と歌のもとで日本軍に蹂躙(じゅうりん)され、虐殺されたのだ。
 また、日本の労働者・農民は「日の丸・君が代」のもとで、“天皇のため”の死を強制された。出征兵士を送るにあたってうち振られ、侵略の先々でなびかせた旗が「日の丸」であった。その光景は、今も自衛隊のイラク出兵の際に繰り返されている。

 教基法改悪・改憲阻止と日教組の再生かけ

  このように「日の丸・君が代」は、天皇制のもとで行われた日本帝国主義の侵略戦争と植民地支配の血にまみれた、とんでもない「旗」「歌」なのだ。ドイツで言えばナチスの「ハーケンクロイツ」に当たるものだ! それがそのまま、まかり通ってきたのだ。
 「日の丸」「君が代」には天皇制と天皇制イデオロギーが染みついており、白色テロルのにおいが染みついている。石原・都教委と日帝・文科省が依拠しようとしているのは、この凶暴な暴力、暴力的脅迫の力だ。天皇を神聖不可侵なものとして扱い、国家主義のシンボルとして扱うことで、日帝国家権力への無条件の屈服を強制しようとしている。そしてこれが、日教組中央や都高教本部など社民的・スターリン主義的な既成指導部がこの暴力・脅しの前にはいつくばってしまっているために、組合的抵抗さえまともに受けない中で、闘う労働者階級の分断と圧殺の暴力的武器にされつつあるのだ。
 東京の教育労働者の10・23都教委通達粉砕の抵抗闘争、全国の教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争は、こうした国家権力の狙いを打ち砕き、改憲と戦争体制づくりをはねとばす闘いである。また公務員全体にかけられた労働運動絶滅・解体攻撃を真っ向から打ち砕く闘いである。全力で勝利しよう。

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  「10・23都教委通達」は、卒業式・入学式などで「国旗掲揚及び国歌斉唱を適正に実施するよう」にとし、教職員が校長の職務命令に従わない場合は「服務上の責任を問われる」とし、「実施指針」のとおり行うよう通達した。「実施指針」は、「国旗は、式典会場の舞台壇上正面に掲揚する」「教職員は、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」などと、こと細かに会場の設営の仕方まで定めた。

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週刊『前進』(2235号2面2)(2006/02/27)

 広島 教基法改悪反対集会に250人 “不起立で闘うぞ”

 「東京と共に」の決意固く

 2月11日、「教育基本法と憲法の改悪をとめよう!ヒロシマ集会」(実行委員会主催)が、平和公園の原爆資料館・メモリアルホールに250人の労働者・市民・学生・高校生を結集して開催された。3〜4月の卒・入学式を前に、「日の丸・君が代」不起立・不服従の戦争協力拒否闘争を貫く教育労働者を先頭に、保護者・生徒・労働者が一体となって闘うことを力強く宣言し、その力で教育基本法と憲法の改悪を阻止する大運動がスタートした。
(写真 「教育基本法と憲法の改悪をとめよう!ヒロシマ集会」の後、呼びかけ人を先頭に広島市内デモを行い、沿道の市民にアピールした【2月11日】)
 集会には、動労千葉を始め闘う諸団体から連帯のメッセージが寄せられた。呼びかけ人を代表して開会あいさつに立った元参議院議員の栗原君子さんは、「紀子懐妊」騒動をもテコに強まる天皇制と天皇制イデオロギー攻撃を厳しく批判し、「小泉内閣の戦争と改憲―民営化・生活破壊の攻撃と今こそ闘う時です。『日の丸・君が代』強制をはね返し、米軍再編・岩国への米空母艦載機移駐を絶対にとめよう」と訴えた。
 名古屋大学教授・浦部法穂さんが「憲法改悪はクーデターの企て―自民党『新憲法草案』を斬る」と題した講演を行った。浦部さんは「自民党や民主党が目指しているのは〈憲法改正〉などという生やさしいものではない。国民が権力に命じた現憲法を全否定し、逆に権力が国民に服従を命じる〈新憲法〉制定を狙うものであり、それ自体憲法違反だ」「自分たちに都合のよいように政治体制の根本的変革を行う、まさしくクーデター」と喝破した。そして特に9条1項を形式的に残して9条の二に「自衛軍の保持」をうたう9条改憲のペテンを、フランス憲法やハーグ条約等の実例と対照して鋭く批判した。浦部さんの「すべての戦争は自衛の名のもとで行われてきた。現にアメリカ・ブッシュは自衛のためといってイラクに戦争をしかけている。自衛軍を持つことは、日本が戦争をするということだ。絶対に許してはならない」という訴えは参加者全員の決意となった。
 続いて、東京の「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会の労働者が特別報告を行った。かつて修学旅行の引率で原爆ドームを仰いだヒロシマの地に18年ぶりに訪れた感慨を込めて、戦争協力拒否の闘いの展望と決意を語った。10・23通達以来、東京の被処分者は408人にも上っている。度重なる弾圧に屈せず「日の丸・君が代」強制拒否を貫く東京の教育労働者の闘いは、石原・都教委を着実に追い詰め、連合派組合指導部の裏切り路線を打ち破り、日教組再生の血路を開く闘いとして、今春「日の丸・君が代」不起立闘争のさらなる発展に向かって突き進んでいることを、確信に満ちて報告した。共感と連帯の拍手が送られた。
 ヒロシマの教育労働者を代表して広教組・広高教組の仲間4人が登壇し、東京の仲間とともに今春「日の丸・君が代」強制拒否を闘いぬき、ヒロシマを日教組再生の砦として打ち立てる決意を表明した。05年をともに闘った東京とヒロシマの教育労働者が、06年はさらにその絆(きずな)を強めて闘いを発展させようと誓いあった。ヒロシマの教育労働者が、不起立・不服従闘争の〈継続・強化・拡大〉を、職場からの実力闘争として不退転の決意で闘いぬこうとしていることに、全参加者から惜しみない拍手が寄せられた。
 広教組青年部の仲間が風刺のきいたコントと夢のある音楽で会場を楽しませた後、呼びかけ人の僧侶の小武正教さんが、広島県三次市における「校長らによる学力テスト改ざん事件」を弾劾した。小武さんは、日帝・小泉―文科省による「教育改革」のおぞましい実態を糾弾し、06年も保護者として不起立すると宣言した。広島大の学生が特別アピールとして、改憲阻止闘争への総決起を熱烈に訴えた。最後に集会宣言を採択し、広教組の仲間が行動方針を提起した。今春「日の丸・君が代」強制拒否に総決起し、3・31日比谷野音で開催される教育基本法・憲法の改悪阻止の全国集会と国会デモに大結集することなどを確認した。
 参加者は、呼びかけ人を先頭に平和公園から原爆ドームまで市内デモを行い、沿道の市民にアピールした。
 (投稿 広島N)

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週刊『前進』(2235号2面3)(2006/02/27)

 府教委を徹底糾弾 大阪 「不起立宣言」集会開く

 関西の教育労働者は1月27日に対府教委大衆交渉を行い、2月4日に「すわって示そう戦争反対!決起集会」を開催した。すでに不起立宣言・支援連帯表明が200人を超え、闘う教育労働者の手によって東京の2・5集会に届けられた。

 “強制やめろ”と激しく追及

 「日の丸・君が代」決戦がいよいよ始まった。大阪で不起立宣言を呼びかけて闘う「すわって示そう戦争反対!」実行委の提唱で、1月27日午後、府教委交渉が行われた。闘う教育労働者の団体や労働組合、部落解放同盟全国連、婦民関西協、各地域の市民団体など28団体が参加し、その代表団40人が交渉に臨んだ。府教委側は、森田充二高槻市議のあっせんで藤村課長補佐ら8人が出席した。
 学校現場から駆けつけた教育労働者が先頭に立って交渉が始まった。「思想・良心の自由を侵害する強制をやめよ」「処分を撤回せよ」などの激しい追及に、藤村補佐は「侵害しているとは思わない」「処分については回答できない」と終始居直り続けた。しかし「日の丸・君が代」導入で生徒が式に出席できない例まであると追及されて、人権侵害を否定できないところに追いつめ、徹底糾弾がかちとられた。
 また、東京のような職務命令と処分による「混乱」は避けたい、ということをにじませた答弁も引き出した。東京と大阪の闘いは、まさに一体のものだ。公然と不起立宣言を発し、戦争協力拒否をつらぬいて闘えば絶対に勝てる、と確信を深めることができた。
(写真 教育労働者を先頭に40人で大阪府教委と交渉、「『日の丸・君が代』強制をやめよ」と鋭く迫った【1月27日】)

 奈良では「君が代」断念させる

 2月4日、2月24日からの府立高校卒業式に向けて「すわって示そう戦争反対!決起集会」が大阪市北区で開催され、120人が参加した。
 府教委交渉の報告に続いて、最大の決戦場となっている奈良から職場報告が行われた。これまで「君が代」実施を阻んできたある分会では、1月の職員会議で校長が「意見はうかがうが、自分はもう決定している」と言い放ち、いったん押し切られた形になったが、組合分裂をのりこえて職場討議を行い、全員一致で「一切の協力拒否」を校長に通告したことにより「君が代」実施を断念に追い込むという画期的な勝利がかちとられた。この闘いが組合を通じて全市に報告され、その他の職場・分会でも職場会での議論が組織され、いくつもの職場で攻撃をはね返している。この闘いの中で、日教組でも全教でも一部幹部の後退姿勢を組合員がのりこえ、組織の活性化がかちとられている。「日の丸・君が代」決戦がランク・アンド・ファイル運動そのものとして闘われ、闘う日教組運動を再生する決定的なチャンスとなることが示された。
 続いて、大阪・兵庫の各地から教育労働者が不起立宣言を行い、行動提起では「不起立宣言」の拡大、高校ビラ入れ、各地域での申し入れ行動を行い、2・11憲法集会、3・31教育基本法闘争に全力で決起することが、鮮明に提起された。
 関西の教育労働者の戦闘態勢は打ち固められた。首都・東京決戦に呼応して、06年「日の丸・君が代」決戦から教基法改悪粉砕・改憲阻止へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2235号3面1)(2006/02/27)

 JPU臨大 首切り容認案許さない “本部に首を預けてたまるか”

 執行部総退陣求め決起

 2月9〜10日、東京・日本青年館で行われたJPU(日本郵政公社労働組合)臨時全国大会で、JPU中央は公然と民営化賛成を打ち出し、小泉=奥田の先兵となることを宣言した。これに対し、全国の闘う全逓労働者は郵政民営化絶対反対を掲げて総決起し、本部議案の否決と菰田執行部退陣を呼びかけた。本部議案は採択されたが、これから新会社への帰属問題や集配の統廃合をめぐり現場労働者の怒りと闘いが爆発することは不可避である。今こそ郵政民営化絶対反対で職場から反撃をつくり出そう。
(写真 「現場の仲間の顔を思い浮かべて本部案を否決しよう」と訴え、代議員に一人ひとりにビラを手渡した【2月9日 東京・日本青年館】)
 JPU中央本部は議案で、「本人同意なし、エリア内外の配転が前提、決定権は新会社」という新会社の採用方式と、集配拠点の再編(集配特定局3600局の集約・廃止)などについて本部一任を求めた。組合員の生殺与奪権を握った上で、アクションプラン2合理化による労働強化・要員削減を徹底推進し、「働こう運動」を全組合員に強いようとしている。7月の経営委員会での新会社への帰属方針の決定を前に、JPU本部自らが首切り計画を実行し、労働者をふるいにかけ、現場の反撃を圧殺しようとしているのだ。
 「本部にわれわれの首を預けてたまるか! 今こそ郵政民営化絶対反対を貫こう」−大会初日、全国の闘う全逓労働者は労組交流センターの呼びかけにこたえて続々と結集した。臨大会場前を制圧し、リレートークとビラ配布、デモで本部案否決と菰田執行部退陣を代議員に呼びかけた。
 2時間のリレートークでは、今回の臨大代議員選挙に立候補して闘った組合員が先頭に立った。人事交流で強制配転された労働者、4・28反処分闘争を闘う労働者、全員解雇攻撃と闘う兵庫・加古川郵便局の関西合同労組・関西トランスポート分会の青年労働者などが、怒りに燃えて闘いの決意を述べた。
 全国と各地方の労組交流センターのビラ、革共同全逓委員会のビラなどが全代議員に配られた。他産別の青年労働者らも郵政民営化反対の思いを寄せ書きしたビラをまいた。
 大会開始に合わせて臨大包囲デモを行った。デモが臨大会場に戻ってきた時、ちょうど代議員らが休憩中で屋外に出ていた。路上に立ち止まって、彼らにシュプレヒコールで訴えた。
 デモ終了後、中央本部に@4・28被免職者の職場復帰、A郵政民営化絶対反対、B1・19連合中執決定の撤回、を申し入れた。
 大会2日目は、東京の全逓労働者を中心に、1日目の議事を踏まえて書かれたビラを代議員に配布した。
 闘う全逓労働者は、すべての現場労働者の怒りと要求を体現して2日間の臨大闘争を貫徹し、JPU本部打倒の闘いに踏み出した。

 「本部一任」拒む絶対反対票

 本部議案は賛成302票、反対23票(無効2票)で採択された。だが本部方針が信任されたわけではまったくない。代議員の発言は、首切り容認と改憲推進の本部議案に対する全逓労働者の怒りを反映したものばかりだった。302票は、闘う執行部と路線が不在の中で、やむをえず条件付きの「賛成」票として投じられたにすぎない。本部は、今大会では満場一致で議案を通さなければならないと圧力をかけた。それに屈せず23票の絶対反対票が投じられたのだ。これに本部は打撃を受けている。
 討論では、新会社への帰属・雇用問題をめぐり本部方針への不安や疑問が噴出した。JPS(トヨタ方式)、10時間2交代制勤務の導入などによる労働強化と要員削減に対し、「このままでは民営化前にボロボロにされる」と怒りの発言が相次いだ。近畿地本の代議員は「全員が新会社に行けるという雇用安定協定を結ぶべきだ」と要求した。“本部方針で本当に雇用は守れるのか”“希望した職場に行けるのか”と誰もが思っている。本部は「交渉を強化する」と言うが、現場の闘いを抑圧し、郵政民営化に白旗を掲げた本部に何がかちとれるのか!
 本部は答弁で、「雇用安定協定は結べない」「(帰属については)本人の希望に百パーセントこたえられるわけではない」「分社化された新会社間で人事交流(=強制配転)が行われる」「企業発展に不可欠な集配拠点化は推進する」と言い放った。本部には労働貴族としての自己保身しか眼中になく、雇用や職場を本気で守る気などない。
 帰属方針も集配局の統廃合も、これまでの人員削減合理化とは根本的に異なる大攻撃だ。国家公務員身分を奪った上で、いったん全員解雇・選別再雇用し、雇用も職場も生活も一変させるものである。
 郵政民営化法成立で、闘いが終ったわけではけっしてない。攻防は労働組合にとっての主戦場である現場の闘いに移ったのだ。
 首切り・合理化、強制配転などの攻撃が激化する中で、本部の裏切りはますます暴かれ、現場の怒りが爆発することは間違いない。この怒りを物ダメ・ストライキに転化し、本部打倒をかちとる新たな指導部の登場が求められている。

 小泉打倒・民営化絶対粉砕へ

 大会を前に、民主党代表の前原は、国家公務員を解雇する分限免職規定の柔軟な運用のための国会決議を要求した。当然にも代議員から、「前原発言の撤回を要求すべきだ」との意見が出された。本部はこれに対し、「危惧(きぐ)している。しかし支持政党だから見守っていきたい」と答弁した。民営化と改憲推進を方針とし、公務員バッシングの先頭に立ってきた民主党、今や“郵政労働者の生首を切れ”と要求するに至った民主党を、本部はいつまで支持し続けるのか!
 基地を抱える地本の代議員らは、米軍再編反対の取り組みの強化を訴えた。また多くの代議員が「改憲反対の立場での議論を」「民主党の集団的自衛権発言など認められない」「戦争のできる国家に進んでいる。改憲反対のアクションが必要」と発言した。ところが本部は、改憲問題について「連合対応があるから慎重に推移を見守る」と答弁した。本部が改憲賛成の立場に立ったということだ。
 連合は1月19日の中央執行委員会で、改憲のための国民投票法案について「民主党とも協議し対応を図る」と決めた。菰田委員長は機関運営を無視し、この決定に賛成した。JPU中央は組合員の知らない間に改憲推進で動いている。これを認めたら、行き着く先はJPUの改憲賛成・戦争協力の産業報国会=戦前の逓信報国団への変質だ。
 郵政民営化の最大の狙いは、首切りの恫喝をテコに全逓労働者の中に競争と分断を持ち込み、労組としての団結を解体することにある。これを突破口にJPUを日教組や自治労ともども改憲勢力に変質させようとしているのだ。事実、元首相の森は『文芸春秋』12月号で“郵政改革で全逓を変質させ、連合の左派中心勢力の日教組と自治労をつぶす”と明言している。
 こうした中で、菰田委員長も大会あいさつで認めたように、相次ぐJR事故、耐震強度偽装問題、ライブドア問題など、小泉改革の矛盾が噴出し始めた。小泉改革のもとで徹底的に進行した労働者階級の不安定雇用化・貧困化は労働者の怒りを呼び覚ましている。
 今や日帝・小泉打倒=郵政民営化阻止のまたとない情勢が訪れた。何よりも教育労働者が解雇や処分の恫喝をはねのけ、「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争に決起している。動労千葉は反合・運転保安を掲げて06春闘を闘いぬこうとしている。動労千葉の反合・運転保安闘争が労働者に圧倒的に支持されていることを見よ。全逓労働者が労働者階級全体の利害を貫いて郵政民営化と立ち向かえば、小泉の「郵政労働者(公務員)悪玉論」を粉砕し、産別を超えた労働者の決起を実現できる。全逓労働者が先頭に立ち、国鉄、自治労、日教組などに呼びかけ、全労働者の階級的団結と闘いを創出しよう。
 4大産別をめぐる大決戦を改憲阻止・米軍再編阻止の新たな安保・沖縄闘争と一体のものとして爆発させれば、小泉は打倒できる。
 物ダメ・ストライキに向かって現場の闘いと団結を強めよう。超勤・サービス残業を拒否し、アクションプラン2合理化と闘おう。
 3・19国際反戦デモ、3・26三里塚現地総決起闘争を闘いぬき、3・31改憲反対・教育基本法改悪阻止の万余の国会包囲デモをたたきつけて、小泉打倒の突破口を切り開こう。

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週刊『前進』(2235号4面1)(2006/02/27)

 3・5沖縄県民大会へ

 辺野古新基地建設阻止! 米軍再編に怒りの反撃を

  革共同沖縄県委員会

 3月5日午後3時より、沖縄・宜野湾市で開かれる「知事権限を奪う特措法制定反対『普天間基地の頭越し・沿岸案に反対する沖縄県民総決起大会』」(1面に要項)はきわめて重要な決戦的闘いとなった。米軍再編攻撃の3月最終報告を粉砕するかどうかのかかった、全国の闘いの帰趨(きすう)を決する集会だ。沖縄からのみならず、全国から結集して大成功をかちとろう。

 10万決起かちとれ

 昨年10月に発表された米軍基地再編・中間報告(実はこれは日米最終合意案)への全国の労働者人民の猛然たる怒りの高まりにもかかわらず、日米帝国主義はあくまでもその最終決定を3月末を期限として強行しようとしている。
 1月22日の名護市長選挙結果は、日帝が言うような「基地誘致派が圧倒的多数で勝利した」ようなものではまったくない。たしかに岸本市政を打倒し日帝・政府が辺野古新基地建設の足がかりとする根拠を粉みじんに吹き飛ばすような鮮やかな勝利をかちとるチャンスを生かすことはできなかったが、日帝に有利な状況の進展は何一つない。いや名護市においても反動と逆流をのりこえて基地絶対反対派が増えていることを示したのだ。
 一方、追い詰められている日帝・小泉は、名護市長選挙での島袋勝利を名護市の基地再編(沿岸案)受け入れの決定的テコにしようと全力で政治的攻勢を強めている。
 こうした緊迫した情勢に対する沖縄県民の渾身(こんしん)の反撃としてこの県民大会は設定されたものである。集会場である宜野湾市海浜公園(多目的広場)は、1995年9・4「少女乱暴事件」を契機とした「沖縄の新たな人民反乱」の出発点をなした10・21「10万人集会」が開かれたところである。
 同所でこの県民大会を開くのは、95年10・21の大決起を、いやそれを上回る決起をもう一度やろうということである。3・5を文字どおりの「10万人決起」として絶対にやり遂げよう。
 この闘いは、岩国、座間、相模原、横須賀、横田、千歳、車力、百里、小松、築城、新田原、鹿屋、佐世保など、全国各地で燃え上がる米軍再編反対の闘いの天王山であり、その帰趨を決する闘いでもある。沖縄はもとより全国からも代表団をつのり3・5県民大会に総結集しよう。

 第5次「琉球処分」

 3・5の決戦性は明らかである。
 第一に、米軍基地再編の具体的内容はわれわれ沖縄人民にとっては第5次「琉球処分」(@1879年の琉球処分、A「国体護持」の捨て石作戦としての沖縄戦突入、B戦後の沖縄売り渡し、C1972年のペテン的「返還」、D今回の米軍基地の半永久的固定化)と言ってなんら過言ではない。
 基地負担の軽減どころか沖縄の恒久軍事要塞(ようさい)化、戦場化を強要しようというこの攻撃を許すようなことがあれば、沖縄は沖縄戦以上の破滅にたたきこまれるということだ。
 今度の米軍基地再編は、沖縄だけではなく日本全体の自衛隊基地と米軍基地が相互一体化する巨大な基地再編であるが、その中で沖縄は戦場として位置づけられている。
 嘉手納基地以南の基地の返還、辺野古新基地建設を軸にした北部への集中構想、海兵隊司令部のグアムへの移転計画、嘉手納基地のF15戦闘機と普天間基地の固定翼機の本土への移駐など。これらすべては、中国・北朝鮮との全面戦争を想定した戦闘態勢構築からきたものであり、沖縄県民の負担軽減などみじんもない。
 今次再編は、かのSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会、96年に基地の県内移設路線を決めた最終合意を打ち出した)計画をいとも簡単にほごにし、95年10・21決起の裏切り者であり日帝にとっては自らの手先である稲嶺県知事さえまったくラチ外において進めてきた。
 そしてこの稲嶺も含む関連全自治体当局始め全県民的な反対(マスコミ世論調査では8割以上が反対、賛成は3%という数字が出ている)に対し、小泉政権は「日本全体の安全のために負担をしてもらう」「理解してもらう」の一点ばりで、沖縄に犠牲を強要しようとしている。辺野古新基地建設に関しては知事から許可権限を奪う特措法立法化をもちらつかせて恫喝している。まさに問答無用の態度だ。
 これは、1879年、3000人の軍隊、警察を伴って乗り込み、国王・尚泰に首里城明け渡し=琉球国の廃止を迫った明治政府の行為とどこが違うのか。
 06年米軍再編粉砕は沖縄闘争にとって、第2の沖縄戦か、それとも基地と戦争の鉄鎖を断つか、という歴史変革を問う決戦である。

 労働運動の再生へ

 第二に、沖縄の労働運動を再生させ、沖縄における島ぐるみ闘争の本隊である労働者階級の階級的再興をかちとるかどうかの決戦だということである。
 米軍基地再編3月最終合意を目指す2月の日米協議において米帝は、「嘉手納基地以南の基地返還(北部集中)」構想の一部を打ち消し、牧港補給基地はそのまま残しSACO決定の案=那覇軍港の浦添移設を持ち出したと報道されている。真偽のほどは今一つ定かではないが、十分ありうる話である。
 もしこれが実行に移されるとどういうことになるのか。沖縄米軍基地の北部集中(その軸・辺野古新基地建設)は進められながら、牧港補給基地は那覇軍港と合体して巨大軍港として残る。
 では返還される主要地域はどこかと言えば、基地労働者が最も大量に働いている瑞慶覧(ずけらん)地域の基地群である。米軍基地再編によって基地労働者の大量解雇がでることを、政府は隠そうとしていない。それは沖縄の労働者階級全体に大きな影響を与える。
 基地労働者の大量解雇・労組(全駐労)破壊、ここにこそ沖縄にとっての米軍再編の今日的な階級的核心がある。朝鮮戦争、ベトナム戦争、その他の数々の米帝の侵略戦争で沖縄基地がフル稼動する時、基地労働者への弾圧・抑圧は正比例する。基地労働者への攻撃が強まる時、それは戦争の時ということだ。
 しかも重要なことは、日米帝とも基本的には労働組合をつくるような基地労働者は基本的に全部たたき出し、その「労働」の大半を自衛隊が担う、ということを目指していることだ。
 基地労働者にとって存亡のかかった闘いの時がやってきている。基地は圧倒的に強化される、一部返還もまったくまやかし、そして沖縄の失業率が急上昇するほどの基地労働者の大量解雇、この現実に対し労働者が立ち上がらないはずがない。
 「死すべきは基地、労働者は死んではならない」。この実に階級的で綱領的、かつ現実的なスローガンが、光り輝く時がやってきた。振興策幻想、振興策神話はあっという間に地に落ちた。すべての基地を撤去し沖縄のすべてを沖縄人民のもとに返せ。沖縄を戦場の地獄にたたき落さなければ延命できない帝国主義こそ打倒されなければならない。労働者の階級的決起をつくり出そう。

 小泉打倒の跳躍台

 第三に、この闘いは日帝・小泉=奥田の戦争と民営化、改憲攻撃、その最先端的攻防=4大産別決戦を勝ち抜くための決定的跳躍台だということである。
 06年決戦は、冒頭より4大産別を先頭に激しい攻防の火ぶたを切り、反転攻勢へむけて労働者人民の闘いは力強く前進を開始している。一方小泉政権は、ついにその化けの皮がはがれ落ち、まるでバケツの底が抜けたかのようにその矛盾が噴出し存亡の危機に立っている。両者は一体のことがらである。
 06年決戦は小泉=奥田体制打倒への決定的な情勢を迎えつつある。現在の階級闘争の最大のテーマである改憲攻撃を、小泉政権もろとも粉砕する全人民的な総決起、国民的一大闘争をこの06年、07年に実現しなければならない。
 9・11総選挙でクーデター的に延命してきた小泉政権は、ブルジョア・マスコミでさえ「風向き、潮目が変わった」というほどの危機に立っている。しかし政権の崩壊が自然におこるわけではない。ましてや民主党・連合および社共によって実現されるわけでもない。いや民主党、連合は、今や地に落ちた小泉=奥田の戦争と民営化、小泉改革路線にはいつくばり、最後の支柱としてこれを支え、労働者人民の怒りと闘いに制動を加えている最悪の存在である。
 これらを下から突き破る階級決戦陣形の構築に向かって、3・5「10万人決起」は決定的跳躍台、導火線の位置をもつ。
 辺野古の600日以上にわたる海陸の不屈の実力闘争が切り開いた今日の情勢を、さらに歴史的な勝利に向かって押し開く時が来た。
 なんとしても10万決起を実現し、導火線に火をつけよう。3・5へ向かって蜂起的に決起し、大爆発をかちとろう。

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週刊『前進』(2235号1面3)(2006/02/27)

 日程

 知事権限を奪う特措法制定反対

 普天間基地の頭越し・沿岸案に反対する

 3・5沖縄県民総決起大会

3月5日(日)午後3時〜5時
午後3時〜平和イベント
午後4時〜総決起大会
宜野湾市海浜公園多目的広場
主催/普天間基地の頭越し・沿岸案に反対する沖縄県民総決起大会実行委員会

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週刊『前進』(2235号6面5)(2006/02/27)

 広島 「詐欺罪」で不当逮捕 青年労働者を釈放せよ

 2月13日、広島県警は広島市内に住む広島大学出身の青年労働者Aさんを「詐欺」容疑デッチあげで不当逮捕した。同時に前進社中国支社やAさんが契約していたアパート、広島大学のサークル棟など5カ所を家宅捜索した。戦時下・改憲情勢下の治安弾圧であり、絶対に許すことはできない。国家権力を徹底弾劾し、Aさんの釈放をかちとろう。
 今回、警察権力は何の違法性もないアパートの賃貸借契約を、使用目的が違うという口実で「詐欺」にデッチあげた。
 Aさんは広大在学時から反戦運動やサークル活動を行っており、アパートはその時に借りたものだ。Aさんとともに後輩たちが集まる場となっていた。
 ところが権力は「大学院に進学するといってアパートを借りたのに、ビラの発行など中核派の活動を行っている」などという理由にもならない理由で「詐欺」をデッチあげた。
 学生がアパートに集まってビラを発行したことがどうして「詐欺」なのか! 多くの学友からも「いったい何が悪いのか」という怒りの声が上がっている。
 しかも、警察権力は事件との関連を説明できないまま、広島大学の新聞研究会のサークルボックスの捜索を強行し、サークル活動にとって不可欠のパソコンを押収するという暴挙を行った。大学新聞を発行させないというまさに戦時型言論弾圧であり、改憲・国民投票法の先取りそのものである。絶対に許すことはできない。
 これは戦時下・改憲情勢下の治安弾圧そのものだ。岩国での住民投票の決定や日本原での日米共同演習粉砕闘争の大衆的爆発、そして4大産別決戦の先頭に立つ広島の教育労働者の「日の丸・君が代」不起立宣言――このような情勢の中でこれらと結合して「改憲阻止300万学生ゼネスト」を掲げ、06年決戦の先頭で広大学生運動が爆発的に発展することに恐怖した日帝権力の、なりふり構わぬ予防治安弾圧だ。
 広大の学生は、この不当な弾圧に対して直ちに反撃に立ち上がった。逮捕の翌朝には「不当逮捕、不当捜索弾劾」「のさばるな警察! 今すぐAさんを釈放しろ」というビラを駅で配布。同日夕には、西条警察署前で逮捕弾劾のシュプレヒコールをたたきつけた。
 Aさんは不当な弾圧に怒りを燃やして完黙・非転向で闘いぬいている。学生・労働者人民の大衆的反撃でAさんを直ちに取り戻そう。

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週刊『前進』(2235号4面6)(2006/02/27)

 日程

 問題点を検証する! 「憲法改正国民投票法案」

 2月22日(水)午後6時〜
 東京・イイノホール(千代田区内幸町2−1−1飯野ビル7階、地下鉄「霞ケ関」または「内幸町」下車すぐ)
主催 第二東京弁護士会/共催 東京弁護士会、第一東京弁護士会、日本弁護士連合会
パネリスト 水島朝穂氏(早大法学部教授)/藤森研氏(朝日新聞編集委員兼論説委員)/朴慶南氏(パクキョンナム、作家)/伊藤真氏(伊藤塾塾長、法学館憲法研究所所長)

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