ZENSHIN 2006/05/22(No2246 p0#)

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第2246号の目次
 
1面の画像
(1面)
教育基本法改悪阻止! 共謀罪廃案! 小泉反動国会に労働者の怒りを
米日帝の米軍再編攻撃弾劾し沖縄圧殺=新基地建設阻止せよ
憲法闘争の本格的創造へ
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共謀罪 “労組弾圧の悪法葬れ” 衆院採決阻止へ連日決起(5月11日) 記事を読む  
(2面)
教基法改悪 “愛国心を強制するな”
特別委設置に怒りの抗議  全国連絡会 廃案へ連続闘争呼びかけ
記事を読む  
共謀罪新設と一体の治安法  入管法改悪絶対阻止を 記事を読む  
あわや第2の尼崎事故
JR山手線で線路が隆起  運行優先させ大惨事寸前に(4月24日)
記事を読む  
“強制配転うち砕くこう”  近畿 郵政公社に抗議行動(4月24日) 記事を読む  
国労弾圧裁判 証人が前言を撤回
検事の「共謀」立証は破産  被告の無罪明白に(5月10日)
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2006 4・18〜5・1
経団連が「義務教育改革」提言
行革推進法案参院に/シャープ35歳だけ「賃上げ」
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(3面)
自治労は改憲阻止の先頭に  5月中央委(新潟県長岡市)へのアピール
平和基本法にとどめを  革共同自治体労働者委員会
記事を読む  
メーデー 「格差社会」に怒り
小泉打倒へ労働者の息吹(4月29日、5月1日)
記事を読む  
アメリカ 移民労働者規制法に反撃
200万人がボイコット  ニューヨーク イラク撤兵30万デモ(5月1日)
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(4面)
4・28全国統一行動 改憲阻止学生ゼネストへ
突破口開く法大包囲デモ(法政大 京都大 東北大 広島大 富山大 九州大)
記事を読む  
有朋寮裁判 高裁が執行停止決定  改憲粉砕・廃寮阻止ストへ(5月9日) 記事を読む  
“命の土地は渡さない”
ピョンテク米軍基地拡張阻止 韓国軍と激突(5月4日)
記事を読む  
派兵演習阻止 北富士へ  5・28闘争へ忍草農民の訴え 記事を読む  
2006年日誌 4月26日〜5月9日
教基法改悪案を国会に提出  米軍再編、日米が「最終合意」
記事を読む  
(5面)
5〜6月教基法改悪・改憲阻止に立とう
戦争のための9条改憲に反対!
4大産別での決起を土台に全人民的な大運動おこそう  青野大介
記事を読む  
5・2東京 “阻止しよう! 改憲”  緊迫情勢下で集会(5月2日) 記事を読む  
第3次再審への戦闘宣言
5・21狭山中央闘争へ  権力の差別犯罪を裁こう
記事を読む  
日本原 実射阻止に立つ  沖縄、岩国と連帯し(4月24日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
迎賓館・横田爆取裁判 検察官が「弁論再開請求」
5・19判決公判で控訴棄却を(5月10日)
記事を読む  
臓器移植法 “命奪うな”の怒り  改悪反対で院内集会(4月27日) 記事を読む  
紹介 共産主義者 148号  始まった労働者反乱
巻頭論文 改憲阻止の大闘争を
川武論文 日本共産党の反革命性
記事を読む  

週刊『前進』(2246号1面1)(2006/05/22)

 教育基本法改悪阻止! 共謀罪廃案! 小泉反動国会に労働者の怒りを

 米日帝の米軍再編攻撃弾劾し沖縄圧殺=新基地建設阻止せよ

 憲法闘争の本格的創造へ

“教育基本法の改悪をとめよう” 衆院が教育基本改悪のための特別委員会を設置したことを弾劾し、緊急国会前集会を行った(5月11日 衆議員第二議員会館前)≡記事2面)

 5月連休前から「共謀罪」新設攻撃や教育基本法改悪を始めとした日帝・小泉政権の戦争・改憲と治安弾圧、行革・民営化、労組破壊、社会保障削減のための超反動法案と対決する国会闘争が、連日激しく展開されている。「共謀罪」や教基法改悪法案を始め、入管法改悪案、行革推進法案、医療制度改悪法案など、戦後史を塗り替える超悪法が今国会には目白押しだ。国民投票法案の提出も狙っている。フランス、アメリカ、韓国など国際階級闘争の大爆発に匹敵する日本の労働者人民の決起も猛然と始まった。連日の国会闘争を闘いぬき、この5〜6月、4大産別決戦の前進を土台に、教基法改悪粉砕・改憲阻止の闘いに本格的に決起しよう。それと一体の闘いとして米軍再編粉砕、新たな安保・沖縄闘争の発展を切り開こう。そこから今秋11月の階級的大高揚に向け進撃しよう。

 第1章 ブッシュと小泉は戦争に向け突き進む

 イラク侵略戦争の長期化・泥沼化と、基軸国たりえない経常赤字・財政赤字にあえぐ米帝ブッシュ政権は、支持率も32〜33%に落ち、決定的に行きづまっている。帝国主義体制として破産している。だがブッシュの任期はあと2年半残っており、今秋11月には中間選挙がある。ブッシュが危機を突破し延命するには、巨大な軍事力を発動し、戦争を拡大する以外にいかなる方途もない。
 ブッシュは中間選挙をにらみ軍事力と戦争に訴え、国際的緊張政策を極点まで高めようとしている。1・31ブッシュ一般教書演説や2月発表のQDR(4年ごとの戦力見直し)が示すように、「圧政の終焉(しゅうえん)」や「対テロ長期戦争」を叫び、イラクからイラン、北朝鮮などへの戦争政策、空爆策動を次つぎと激化させている。全世界を第3次大戦の奈落にたたき込むことで延命しようとする米帝に、万国の労働者と被抑圧民族人民は連帯し、世界革命をもって対決しなければならない。 
 こうした米帝情勢・世界情勢に規定され、日帝・小泉も出口のない政治危機、体制的危機を深めている。
 国と地方の累積債務が1059兆円という天文学的な財政危機にのたうつ日帝は、金融独占ブルジョアジーの利害を貫く経済財政諮問会議をバックに、小泉=奥田路線のもと公務員労働者を最大のターゲットとして大々的な行革・民営化、リストラ・首切りと賃下げ、社会保障削減の攻撃を推進してきた。その結果、労働者の不安定雇用化と貧困化、社会的格差が極限まで進行し、今や労働者人民の怒りが爆発を開始している。
 他方で小泉は、「人気」と政権の求心力の維持、ポスト小泉の院政化などを狙ってナショナリズムを鼓吹し、中国や北朝鮮、韓国への排外主義を扇動している。海上保安庁を先兵とした朝鮮領・独島(トクト)=「竹島」の略奪策動や、拉致問題を徹底的に利用した対北朝鮮制裁策動は、ナショナリズムと戦争の攻撃そのものである。
 こうした中で5月1日、日米安保協(2+2)で米軍再編の「最終報告」がついに出された。

 第2章 本土と沖縄が世界戦争の最前線基地に

 これは米日帝が日米枢軸のもと、日米同盟を「新たな段階」「グローバルな課題」に対応するものに移行・改編し、「米軍と自衛隊の一体化」を進め、北朝鮮・中国侵略戦争―世界戦争へと突入していくための歴史的な大攻撃だ。
 まず、@普天間飛行場移設―辺野古新基地建設(V字形沿岸案)や空母艦載機部隊(厚木基地)の岩国移転自体が、とんでもない大攻撃である。
 その上で、A米陸軍第1軍団司令部の統合作戦司令部への改編とキャンプ座間への移設、陸自中央即応集団司令部の座間併設、B在日米軍司令部を兼ねた第5空軍司令部のグアム移転と、ハワイ(米太平洋軍司令部)―グアム―沖縄(海兵隊)の一体的結合の形成、C米軍横田基地への空自航空総隊司令部の移転と、ミサイル防衛(MD)のための「共同統合運用調整所」の創設などは、実に大変な攻撃だ。
 これは日本本土と沖縄が米軍の全世界展開を支え、世界戦争の「前線司令部」兼「出撃基地」となり、米軍と自衛隊が融合・一体化する軍事体制をつくるということだ。
 さらに日米安保協では中国を事実上名指しして、軍事力近代化への「懸念」や「透明性」を要求し、対中国侵略戦争戦略を露骨に打ち出した。しかもこの米軍再編費用の大半、実に3兆円を日本が負担する。米帝は「最終報告」を「実施計画合意」(AIP)と位置づけ、今後「言葉を行動で裏づける」(ラムズフェルド米国防長官)ことを迫っている。米軍再編はこれからどんどん実行過程に入るのだ。
 この恐るべき攻撃に反撃し、沖縄・辺野古の闘いを先頭に、5・15闘争から新たな安保・沖縄闘争を圧倒的に爆発させよう。稲嶺沖縄県知事の政府案容認への転換を弾劾し闘おう。4大産別の労働者を始めとした全国基地闘争への決起が決定的だ。成田や関西新空港も「有事」には必ず軍事空港になる。三里塚闘争、関西新空港闘争がいよいよ重要になった。
 韓国最大級の米軍拠点化攻撃と激突する平沢(ピョンテク)での労働者・学生・農民の闘い、ニューヨークでのイラク即時撤兵・イラン攻撃計画反対の30万人の反戦デモ(4月29日)などと連帯し、米軍再編粉砕に決起しよう。

 第3章 「愛国心」で戦争教育狙う教基法の改悪

 米日帝が世界戦争に突き進む米軍再編は、日帝の改憲攻撃と直結している。
 日帝・小泉は今や、@9条撤廃、A基本的人権の原理的解体、B天皇制維持を柱とする改憲攻撃に本格的に踏み切りつつある。日帝が小泉=奥田路線のもとで推進してきた戦争と民営化・規制緩和の攻撃は、今日そのすべてが戦後憲法体制の破壊・解体の攻撃として襲いかかっている。それが今や教基法改悪法案の国会提出、成立強行策動として、本格的に開始された。
 教基法は「教育の憲法」だ。それは労働組合法、労働基準法、地方自治法と並び、戦後憲法体制を支えてきた。日帝は「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」をうたった現行教基法を解体し、新たな侵略戦争への「国民精神総動員」の攻撃に踏み切ってきたのである。
 教基法改悪案は第一に、「伝統と文化を尊重し」「我が国と郷土を愛する態度を養う」と、「伝統と文化」=天皇制の尊重や「愛国心」を露骨にうたっている。だが天皇制こそは戦争と差別・抑圧の元凶であり、帝国主義国家への「愛国心」は侵略戦争への総動員の決定的道具である。さらに「国際社会の平和と発展に寄与する」とは、イラク多国籍軍派兵のようなことをどんどんやれと教えることではないか。
 第二に、前文その他で特に「公共の精神」を尊び、「道徳心」を培うことを強調している。まさに現在の帝国主義の国家と社会に反抗するな、忠誠を尽くせと教えるということだ。
 第三に、教員に対して「自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努め」とうたっている。国家が求める模範的な教員たれと、教育労働者を強制し、縛るということだ。
 第四に、「教育は不当な支配に服することなく」と規定し国家の教育介入を排除した現行教基法第10条を逆転させ、「教育は、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの…」とうたい、国家と行政の教育介入に道を開いている。「不当な支配に服することなく」は、逆に教組などの関与を排除するものに変えられたのだ。
 こんな改悪教基法が成立すれば、戦後憲法の精神は解体され、国家に忠誠を誓い戦争を賛美する愛国心教育が一般化する。「日の丸・君が代」強制や「不適格教員」とされての「研修」や処分攻撃が、一挙に激化する。これは「教え子を再び戦場に送るな!」を実践してきた日教組運動の解体攻撃そのものだ。
 すでに教育労働者を先頭に闘いは開始されている。日教組本部の屈服と裏切りを突き破り、ブロック、単組、職場から、国会にどんどん駆けつけ、集会、デモ、座り込みを闘うことが重要だ。「日の丸・君が代」不起立闘争の地平を発展させ、国会闘争を爆発させよう。闘えば展望はある。勝てる。5・11衆院特別委設置の暴挙を弾劾せよ。6・2全国集会&国会デモに総決起しよう。
 「共謀罪」との攻防も今が勝負だ。「共謀罪」は現代の治安維持法であり、実行行為がなくても相談したり、話し合っただけで逮捕・弾圧される。戦時下で労働運動・住民運動と革命運動をたたきつぶすための究極の思想弾圧であり、団結破壊の攻撃だ。こんな悪法を通すことは、再び暗黒と戦争の道である。
 広範な労働者人民が怒り決起している。連日、国会闘争が闘われている。全力で闘えば、廃案は絶対に可能だ。教基法改悪・改憲阻止の闘いと一体の決起で必ず粉砕しよう。

 第4章 帝国主義国家の自衛権は絶対認めない

 今国会ではさらに、指紋制度復活と退去強制事由新設の入管法改悪法案、公務員労働者への首切り・賃下げと労組破壊を狙う行革推進法案、高齢者から医療を奪う医療制度改悪法案など、小泉=奥田の戦争と行革・民営化、社会保障削減の攻撃との攻防が焦点となっている。小泉打倒、改憲阻止決戦の一環として反動法案阻止へ闘おう。
 その上で結論として、強調したいことは、5〜6月、戦争協力に突き進む連合路線と対決し、改憲阻止の大運動を全力で創造しようということである。今こそ改憲阻止決戦としての改憲阻止決戦を圧倒的にスタートさせる時だ。4大産別決戦の前進を軸に、改憲阻止闘争と4大産別の闘いを一体的に推進することが求められている。
 日帝・小泉政権は今国会に改憲のための国民投票法案の提出をあくまで狙っている。日帝にとって日米枢軸と米軍再編を推進するために、今や改憲(とりわけ9条改憲)は待ったなしなのだ。われわれは改憲阻止決戦の火ぶたを直ちに切ろう。5〜6月がその決定的な闘いの時である。
 連合は昨年の7・14見解で「日本の領土・領空・領海において攻撃が行われた場合、日本は自衛権を発動する」「日米安保条約に基づき、米軍とともに行動する」と宣言している。これは日帝の先兵として侵略戦争に協力するということだ。4大産別を先頭にこの連合路線と全面対決し、「帝国主義国家の自衛権や自衛軍は絶対に認めない」と言い切って闘う必要がある。日帝が「自衛」の名のもとに再びアジア侵略戦争に突き進むことを、絶対に許すわけにはいかない。
 今こそ職場、学園、街頭で改憲阻止(9条改憲阻止)の大運動に打って出よう。日本共産党の敵対を粉砕し、統一戦線を発展させ、労働者階級の多数派形成へと闘おう。特に、とめよう戦争への道!百万人署名運動が呼びかける5・20全国集会の圧倒的成功をかちとることを訴えたい。これを突破口に巨大な憲法闘争を創造しよう。 
 学生戦線は法政大を先頭に、改憲阻止の全国学生ゼネストへ向け進撃しよう。
 学生とともに青年労働者こそが改憲阻止決戦の主体として躍り出よう。

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週刊『前進』(2246号1面2)(2006/05/22)

 共謀罪 “労組弾圧の悪法葬れ” 衆院採決阻止へ連日決起

「共謀罪を廃案に!」 連帯ユニオン関生支部、全港湾大阪支部、生コン産労、動労千葉などの労働組合も組合旗を掲げて国会闘争に決起(5月12日)

 「現代の治安維持法」=共謀罪との闘いが、最大の決戦に突入している。政府・与党は、国民投票法案、教基法改悪案や医療制度改悪案の審議をにらみながら今週中にも衆院法務委で採決を強行し、国会会期を延長してでも成立させようとしている。
 今週の衆院法務委の審議日は16(火)、17(水)、19(金)日だ。全力で国会前にかけつけよう。17日、25日の闘争(要項別掲)に大結集しよう。
 この間の「破防法・組対法に反対する共同行動」を先頭とする連日の闘い――集会・デモ、国際共同署名運動、国会前ハンスト、院内集会、街頭宣伝など――で、連休前〜連休明けの採決強行を完全に阻止した。政府・与党は、このままではまた廃案になりかねないと危機感を強め、強行突破を狙っている。激しいせめぎ合いの過程に入っている。
 連休明けの週も9、10、12日と連続して国会前で朝からのビラまきと座り込み、昼休み集会がかちとられた。採決強行を絶対に許すなと、闘う人々が続々と結集し、国会議員や道行く人々にビラをまき、反対署名を集めた。
 9日正午からの集会には120人が集まった。表現者、学生、入管法改悪と闘う戦線、動労千葉、争議団連絡会の労働者らが、それぞれの立場から、表現活動や学生運動、労働運動を弾圧する共謀罪の反動性を弾劾し、絶対阻止する決意を述べた。
 この日の行動には、大阪府門真市議の戸田ひさよしさんが関西から参加した。全日建運輸連帯労組(連帯ユニオン)近畿地本委員長でもある戸田さんは、関生支部への大弾圧として昨年12月にデッチあげ逮捕・起訴され3カ月の獄中闘争を闘ってきた。その戸田さんが車体に「共謀罪絶対反対」のステッカーを張りめぐらせた軽自動車を徹夜で走らせて駆けつけ、この日一日国会前で闘いぬいた。
 戸田さんは、「与党は共謀罪を労働組合には適用しないなどと言っているが、私たちの労組への弾圧を見れば、必ず労働組合つぶしに使われる」と訴え、労働組合がもっと危機感を持って闘おうと呼びかけた。
 動労千葉の後藤俊哉さんが「共謀罪を廃案へ」と訴え、ともに闘う決意を表明した。
 12日には再び大阪から駆けつけた戸田さんに加え、関生支部、全港湾大阪支部、生コン産業労働組合が合同でマイクロバスを仕立てて駆けつけた。
 この日の昼集会にも100人を超える仲間が集まった。
 憲法と人権の日弁連をめざす会の代表・高山俊吉弁護士は「がんばって闘っていることが確実に成果に結びついている。全国で闘いが進んでいる。戦争の時代がやってきているから『現代の治安維持法』が作られようとしている。弁護士は最後まで闘い抜く」と決意あふれる発言をした。
 緊迫する衆院法務委員会の審議を終えた社民党・保坂展人議員、民主党・平岡秀夫議員も廃案に向けた決意を表明した。
 権力・警察にやりたい放題のフリーハンドを与える共謀罪をどうして許すことができようか。批判をかわすために出された与党修正案も、治安弾圧法としての本質をなにひとつ変えるものではない。全国で共謀罪反対の声を上げよう。署名を集めよう。そして、国会に駆けつけ、何としても廃案に追い込もう。

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週刊『前進』(2246号2面1)(2006/05/22)

 教基法改悪 “愛国心を強制するな” 特別委設置に怒りの抗議

 全国連絡会 廃案へ連続闘争呼びかけ

 「教育基本法の改悪をとめよう」「愛国心を強制するな」「廃案にするまで闘うぞ」――5月11日夕、国会前にシュプレヒコールが響き渡った。この日午後、衆院本会議は教育基本法改悪を審議する特別委員会の設置を議決した。与党は16日に審議入りして衆院本会議で趣旨説明を強行することを狙っている。教基法改悪を阻むために待ったなしの決戦が始まったのだ。
(写真 教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会の呼びかけにこたえ国会前に集まった教育労働者や市民【5月11日】)
 大内裕和さん、小森陽一さん、高橋哲哉さん、三宅晶子さんの4氏が呼びかける「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」は11日夕方6時過ぎから「5・11緊急国会前集会」を開催した。緊急の呼びかけにこたえて、教育労働者を先頭に130人を超える労働者・市民が集まった。
 呼びかけ人の小森陽一さんは、「地元・地域に根ざした運動を展開しよう。主権者は私たち国民だ。ほとんどの地方紙が『教育基本法改悪に反対』という社説を掲げた。世論は私たちとともにあります。そのことに確信を持って、国会内外を結びつけて闘おう」と述べた。大内裕和さんはメッセージを寄せ、4氏が5月8日に発した「教育基本法『改正』法案の成立を阻止しましょう」という声明を紹介、「立場や考え方の違いをこえて良心と意志を結集し、何としてもこの法案の成立を阻止しましょう。『通すな改悪法案!/教育基本法の改悪をとめよう!/6・2全国集会&国会デモ』を始めとする国会に向けた集中的な運動を、あらゆる場所からともに全力で進めましょう」と訴えた。
 石原都政の「日の丸・君が代」処分と闘う被解雇者の会の代表は「『10・23通達』以降の『日の丸・君が代』処分の乱発は、教育基本法10条が禁じた『不当な支配』そのものだ」と弾劾した。都教委包囲・首都圏ネットの代表は「国会の外の運動の力で、国会内の力関係を塗り替えよう」と訴え、16日以降の連日の国会前座り込みや宣伝活動などを呼びかけた。都高教役員や翻訳家の池田香代子さん、山梨から駆けつけた女性など、次々とマイクを握って教基法改悪を阻止する決意を述べた。国会からは日本共産党の穀田恵二国対委員長、社民党の保坂展人衆院議員らが発言した。
 最後に、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会の教育労働者の音頭でシュプレヒコールをたたきつけた。

 教育労働者を先頭に国会へ

 5月11日に設置が決まった教育基本法改悪案を審議する特別委員会は、本会議終了後ただちに初の委員会を開き、森山真弓元法相を委員長に選出した。
 そもそも、教基法改悪をめぐる審議を文部科学委員会で行わずに特別委員会を設置したこと自身、超異例である。文部科学委員会であれば審議日程が週2回に限定されるが、特別委員会を設置すれば連日でも審議を行うことが可能となるからだ。特別委は45人で、うち自民党枠が28人。森山や森喜朗前首相、海部俊樹元首相、町村信孝前外相ら10人の文相・文部科学相経験者が委員に就任した。急ピッチで審議を強行し、改悪法案を力ずくで押し通すための特別委なのである。
 文部科学省も教育基本法改悪へ総力戦体制を敷いている。文科省は5月8日、小坂憲次文科相を本部長とする「教育基本法改正推進本部」を設置、初会合を開いた。本部長代理には馳浩副大臣、副本部長は河本三郎副大臣と政務官2人、事務局長は結城章夫事務次官が務めるという省を挙げての布陣である。推進本部のもとにプロジェクトチームを置き、教基法改悪についての広報活動や国会対応にあたるとしている。同省が特定法案について推進本部を設けるのも、これまた超異例の事態である。
 では政府・与党の教基法改悪案に「対抗」している民主党は、教育基本法改悪反対派なのか。まったくそうではない。与党が教基法改悪案に合意したことを受けて、民主党は「教育基本法に関する検討会」を設置、座長はもともと自民党の文教族で文相を務めた西岡武夫だ。5月9日の第3回会合では「現行法の一部改正ではなく、新しい教育基本法の制定を目指す」などとする対案の策定方針を定め、5月15日に「対案」を取りまとめる方針だ。要するに民主党も、”もっと根本的に教育基本法を改悪すべき”という要求を対置しているということだ。
 すでに全国各地で教育労働者の闘いが起きている。「教え子を戦場に送るなという不文律のスローガンを守るため、たとえ法改正されても、愛国心を養うような教育を組合員がすることはない」(佐賀県教組)、「国家に従順な心を持つことを教育の場で強制しようとしており、戦前への逆戻りにつながる」(大分県教組)などの声があがっている。16日以降、日教組組合員を先頭に連日の国会前座り込みが始まる。
 「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」も連日の国会傍聴や座り込みを呼びかけ、さらに6月2日には全国集会と国会デモ(要項1面)を行うことを決定して、改悪反対運動を巻き起こそうとしている。
 国会前座り込み、宣伝活動など、連日の取り組みをただちに開始しよう。職場で地域で、教基法改悪をめぐる論議を巻き起こし、改悪反対署名を集めよう。

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週刊『前進』(2246号2面3)(2006/05/22)

 あわや第2の尼崎事故 JR山手線で線路が隆起

 運行優先させ大惨事寸前に

 尼崎事故から1年を迎える4月24日午前10時半、JR高田馬場駅−新大久保駅間で4線路が50bにわたり66_も隆起し、山手線と埼京線の全列車が全面ストップする大事故が起きた。これは、一歩間違っていたら脱線・転覆、二重衝突などで尼崎事故を上回る大惨事になりかねない重大事故だった。国土交通省は25日、JR東日本の清野智社長を呼びつけ、「政府を転覆するつもりか」と怒鳴りつけて警告書を渡したと言われている。

 合理化・外注化と規制緩和が元凶

 今回の事故は、JR東日本が請け負い、事故現場の下で行っていた都道の拡張工事が直接の原因だ。その工法は、JR東日本が「速い、安い」を売り文句に99年に開発したJES工法と言われるもので、この日の事故はコンクリートの注入量や圧力を誤り、線路を押し上げたのが原因と言われている。ところがJR東日本は「工法に問題はない」と居直っている。
(写真 山手線・埼京線の線路は66_も隆起し、波打つように湾曲した)
 そもそも線路に影響する工事は、本来なら夜間に線路閉鎖して行い、作業完了後は線路状況の検査をして列車の運行に備えるべきものだ。ところがJR東日本は、昼間に列車を運行させたまま、線路への影響を監視する体制もとらずに工事を強行した。しかもこの工法による線路事故が2月20日に新橋駅付近で、4月21日に青梅線で起きていた。
 線路の隆起を発見したのは、工事の見張りではない。運転士が大きな衝撃を受け、現場通過後に緊急停止させたのだ。
 これほどの安全無視が許されるか。労働者は「今のJRは事故が起きたから工事を止めるという考えすらない。原因が暴露されるまでは事故を隠して工事は続行だ。安全に対する考えも体制も崩れてしまった。おれたちも命の保障はない」と怒りをぶちまけている。
 JR発足以来、保線、電力、信号通信などの労働者300人以上が触車、墜落、感電などの事故で亡くなっている。その大半が下請けの労働者だ。JRは乗客や労働者をどれだけ殺せば気が済むのか!――怒りは現場にあふれている。
 JR東日本は、動労千葉が行った安全運転闘争に「運行管理権の侵害」と言いがかりをつけて懲戒処分を強行した。「線路が危ない」と週刊誌の座談会で話した国労千葉の保線労働者にも「会社の信用を傷つけた」として処分が発令されている。労働者は「危険だ」と叫ぶ権利すらなく、黙って死ねというのか。「いい加減にしろ。命までは売ってないぞ」が労働者の合言葉だ。
 続発する重大事故の原因は国鉄分割・民営化にある。とりわけJR東日本は「完全民営化」を前にした01年末、「ニューフロンティア21」計画に基づく「設備メンテナンスの再構築」で保線、電力、信号通信などの労働者約3500人を削減し、約2000人を出向に出した。こうした保守部門の大合理化=全面外注化が、今回の事故につながったのだ。当時、現場のベテランは「JRは国鉄時代の安全の蓄積をすべて食いつぶした。もう後戻りできない。大事故は続く」と警告していた。まさにそのとおりになっている。
 小泉「構造改革」と規制緩和が、安全を破壊する資本を増長させた。鉄道事業への規制は00年と02年の鉄道事業法改悪や国土交通省令の改悪によって緩和され、JR各社の暴走の引き金を引いたのだ。

 資本と対決して安全は守られる

 全社会を覆う事故多発の責任は、闘わない労働組合幹部にもある。労働者の命と権利を守るどころか、資本と一体となって「会社防衛」に走った連合幹部の責任は重い。特に国鉄分割・民営化を率先推進し、「一企業一組合」「他労組解体」「責任追及から原因究明へ」と叫んで、資本の事故責任をとことん免罪してきたJR総連は、最も重い罪を負っている。
 国労本部もまた、4党合意で権力・資本への屈服を深め、尼崎事故に際し「会社防衛・事故隠し」の姿勢をあらわにした。JR総連とうり二つの「責任追及ではなく原因究明へ」のスローガンを掲げ、今ではJR東日本の「ニューフロンティア2008」と一字一句変わらない「究極の安全」「安全第一の企業文化の構築」を叫んでいる。
 国労西日本本部に至っては、地獄のような日勤教育を「必要」と言い、運転士を排除した「尼崎事故106人の犠牲者」の慰霊碑建設カンパを組合員に求め、「労使の信頼なくして安全なし」と公言している。
 現に伯備線事故では国労組合員が殺された。資本と闘わずに組合員の命を守れるのか。組合員を警察に売った国労5・27臨大闘争弾圧の暴挙も、こうした屈服の中から生み出された。弾圧に加担した現執行部を打倒し、国鉄1047名闘争をめぐる政治解決路線と決別しよう。そして1047名闘争を事故弾劾の闘いと一体のものとして闘おう。
 動労千葉は今春闘でストライキと安全運転闘争を貫徹した。この闘いは、労働者全体の階級的利益を守る闘いだ。だから圧倒的な労働者の支持・共感を集めている。労働者が立ち上がった時、社会は変わる。労働者の命をないがしろにし、戦争と改憲に向かう社会を変えることができるのは、労働者・闘う労働組合だ。
 「抵抗なくして安全なし」「触車事故撲滅」「列車運行主義の打破」を掲げて闘った国労の伝統をよみがえらせ、動労千葉とともに事故弾劾・安全確立の闘いに立とう。

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週刊『前進』(2246号4面1)(2006/05/22)

 4・28全国統一行動 改憲阻止学生ゼネストへ

 突破口開く法大包囲デモ

 全学連は法政大学を先頭に4・28全国統一行動を打ち抜き、警察権力・大学当局と内乱的にぶつかり合いながら改憲阻止ゼネストへの突破口を切り開いた。有朋寮裁判では再び「強制執行停止」という大勝利をかちとっている。法大決戦勝利、改憲阻止ゼネストへ、5〜6月決戦に突き進もう。

 法政大 警察と当局に怒りあふれる

 4月28日、「憲法改悪反対! 不当処分許すな! 立て看板・ビラまき規制粉砕! 法大包囲デモ」を法大全学生とともにかちとりました。3・14法大弾圧、5名の法大生への自宅謹慎―退学・停学処分策動をうち破る決定的勝利です。
 この日、法大当局と警察権力は厳戒体制を敷き、監視弁護をお願いした浅野史生弁護士に対してすら、安東学生部長を先頭に十数人で取り囲み、「学外者は出ていけ」と言い出しました。門前には公安警察が大量に待機し、弾圧を狙っています。
 しかし、一部始終を見ていた法大生が次々と怒りを爆発させました。ある学生は「自分は法政一高のOB。校則強化に抗議して座り込みをやった後輩と、高校で起こっていることも大学で起こっていることも同じだと話している」と語り、ある学生は学生会館解体以来のサークル活動破壊に怒り、「建物を占拠してサークルに使っちゃいましょう」と熱く語ります。署名もどんどん集まります。
 法大救援会の仲間と合流してデモに出発する時にはキャンパスに学生があふれ校舎の窓からも学生が鈴なりで注目。携帯カメラをかまえる学生は数知れず、手を振ったり、こぶしをあげる学生もいます。大勢の学生が一緒に沿道を歩き、最後まで付いてきた学生や、キャンパスで集団で待っている学生もいます。
 法大キャンパスは今、毎日が平林総長に動員された教職員や警察権力との激突です。この一日一日の闘いが全法大生の怒りを一歩一歩解き放ち、不当処分撤回署名は1000筆を超えました。この力で4月教授会での処分決定を阻止したのです。平林総長や小泉・奥田の攻撃などまったく脆弱(ぜいじゃく)です。
 しかし平林総長は、5月の教授会で5人の法大生に対する退学・停学処分をあくまで狙っています。8日には法大当局の許可=事前検閲を受けていないすべてのサークルの看板が一方的に撤去されました。断じて許すことはできません。
 倒すか倒されるかの決戦です。法大生は「ファシスト平林総長体制打倒! 改憲阻止!」を掲げ5・26法大包囲第2次デモから全学ストに向かって猛然と闘います!(法政大・A)
(写真 デモ出発時、法政大学正門前は人、人、人であふれかえった。こぶLをあげてこたえる学生も【4月28日】)

 京都大 新入生の自主的決起始まる

 京都大学では、改憲阻止ストライキに向けた闘いが始まった。4月28日昼休みには京大時計台前で教育基本法改悪・改憲阻止を訴えるリレーアピールを行い、その後、京大当局への申し入れを行った。
 申し入れの内容は、@現在、法政大学で行われている言論弾圧とそれを口実とする京大への不当捜索に大学として抗議すること、A小泉政権による教育基本法改悪と憲法改悪に大学として反対することだ。
 申し入れの場では、形式的対応に終始しようとする学生課長に対し「あなたも一大学人として弾圧に抗議し、改憲反対に立ち上がるべきではないのか」と20分近くにわたる説得を行ったうえで申入書を提出した。
 4月19日にも、京大当局に同様の申し入れを行ったが当局は文書回答を拒否した上、「法大の自治に関することなのでうちの大学は干渉できない」とコメントした。学生を愚弄(ぐろう)するのもいいかげんにしろと言いたい。法大弾圧と処分策動こそ国家権力による大学自治、学生自治の破壊と言論弾圧ではないか。この弾圧を口実として京大への家宅捜索も行われている。要するに京大当局は、政府による大学自治侵害を容認し、教基法改悪や改憲問題への態度表明も拒否しているのだ。断じて許すわけにはいかない。この闘いを出発点に、京大から改憲を吹っ飛ばす数千規模の大衆決起をなんとしても実現する。
 28日夕方には、京都市内での集会・デモに決起した。新入生の飛び入り参加もあった。そして、この日の行動をやりぬいた学生を中心に、新入生も加わって改憲阻止京大実行委が結成された。京大では4月、自民党新憲法草案の学習会や講演会などの取り組みが数多く行われ、新入生の中には自民党新憲法草案を友人に見せて討論したり、米軍再編最終報告に対して自分でビラを書くなどの自主的決起が始まっている。いま京大の戦闘的学友は、寝る間も惜しんでビラを書き、無数の学習会を組織する意欲に満ちあふれている。決戦の火ぶたは切られた。私たちは5〜6月教基法改悪・改憲阻止決戦に総決起する。全国学生ゼネストへ進撃しよう。(京大・M)

 東北大 新入生を先頭に集会・デモ

(写真 昼休み集会に圧倒的な注目【4月28日 東北大】)

 東北大では4月28日、新入生を先頭に学内集会、街頭デモをやり抜きました。
 昼休み集会の前から演壇でガンガン訴え、授業が終わった学生や新入生勧誘のサークル員たちが圧倒的に注目。1年生の姿もかなり見られます。基調報告の後、1人ずつ演壇に登って有朋寮廃寮反対や憲法改悪、教育基本法改悪の批判、沖縄の闘いやフランスの学生に続こうと思い思いにアピールしました。
 集会後、片平キャンパスに向けてデモに出ました。これからの展望を切り開く決定的行動ができたと思います。有朋寮「強制執行停止」決定の大勝利から、改憲阻止全学ストに向けてさらに巨大な行動をつくっていきます。(東北大・S)

 広島大 改憲テーマに講演会が高揚

 4月28日、広島大学西条キャンパスで「『憲法改正』って何? 弁護士が語る面白いほどよくわかる講演会」が「憲法改悪をとめよう!広大生実行委員会」の主催で開催され、新入生を始め多くの学生が参加して大成功した。講師の本田兆司弁護士は「そもそも憲法とは国民が努力して実現すべき理想を宣言したものであり、現実に屈服して憲法を変えるというのはおかしい」と改憲論者を批判。質疑応答の後、1年生を始め多くの学生が討論に参加した。
 30日には広島市内で「憲法改悪と国民投票法案反対!4・30集会」(写真)が百万人署名運動広島県連絡会の主催で行われ、労働者・学生ら約70人が参加した。集会の後は原爆ドーム前までデモを行った。(広島大・K)

 富山大 1、2年生軸に新歓活性化

 今年の富山大学の新歓闘争は、かつてない大衆的広がりをつくって活性化している。3・14法大弾圧で自治会メンバーが逮捕される中、残った学生が不当捜索と毅然(きぜん)と対決し、新歓行事、5月大学祭の準備を担いきった。1、2年生を中心にして改憲阻止にむけた闘いが始まった。
 4月冒頭の新歓フェスティバルではメイン企画として織田陽介・全学連委員長講演会が大成功し、参加した1年生の改憲阻止決戦への決起が始まっている。4月29〜30日の自治会合宿では『改憲攻撃と労働者階級』の著者、大谷一夫さんを招いて講演と討論、改憲阻止決戦にむけた学習会とレクリエーションで団結を固めた。(富山大・N)

 九州大 学友会つぶしと対決し前進

 九州大学では、当局の学友会つぶしの攻撃と対決し、ほぼ全クラスからの役員選出を貫徹しました。そして選出された役員が軸になることで自治会新歓企画が例年以上に成功しています。
 4月26日には自治会新歓企画として憲法問題をテーマとした講演会が大成功しました。1年生をはじめとする参加者が「もっと他の人にも話を聞かせたかった。またやりましょう」と感想を出し合い、改憲阻止決戦の出発点をがっちりと形成するものになりました。当局の学友会解体攻撃と対決してきた数年来の闘いを基礎に、今年の新歓闘争は大きな前進をかちとっています。(九州大・O)

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週刊『前進』(2246号5面1)(2006/05/22)

 5〜6月教基法改悪・改憲阻止に立とう 戦争のための9条改憲に反対!

 4大産別での決起を土台に全人民的な大運動おこそう

  青野大介

 日本の労働者階級人民にとって憲法闘争とは何か。それは、戦争か革命かを直接的に問い、日本プロレタリア革命の勝利を現実的にたぐり寄せる闘いである。憲法闘争を、何か一つの政治闘争課題だと考えるのは間違いだ。9条改憲という日本帝国主義の戦争国家化攻撃の核心部分をうち砕く闘いであり、すなわち労働者階級による日帝打倒の革命運動を爆発的に前進させるのが改憲阻止決戦なのである。憲法闘争の階級的な性格、その世界史的な意義をあらためて確認し、5〜6月教育基本法改悪・改憲阻止闘争を猛然と闘おう。

 北朝鮮・中国侵略戦争への参戦狙う

 昨年1月、日本経団連は9条改憲の具体論を提言した。10月には自民党の新憲法草案が発表された。さらに、船田元・自民党憲法調査会長は「2008年には憲法改正のための国民投票を」と、明文改憲プランを表明している。日帝支配階級は、今なぜ9条改憲を断行しようとしているのか。
 それは、日帝支配階級が本気で戦争をしようとしているからだ。9条改憲で、日本と自衛隊を戦争する国家に、戦争する軍隊に、人民を強権的に戦争にかり出すことができる支配体制に、つくり変えようとしているのである。
 日帝は、人民に生活も人権も保障できなくなり、再び戦争へと向かう以外にない危機にあえいでいる。日帝の公的債務残高は1000兆円を超え、戦争によってしか解決できないレベルに達している。その中で、首切り・賃下げの嵐が吹き荒れ、今や労働者の4人に1人が年収150万円以下だ。労働者階級全体の貧困化が音を立てて進行している。自殺者は毎年3万数千人で、餓死者も増え続けている。そのうえ日帝は、戦後的な社会保障制度を全面的に解体して、生存権さえ奪い去ろうとしている。
 膨大な経常赤字、財政赤字にあえぐアメリカ経済は、住宅バブル崩壊の危機、原油価格の高騰によるインフレ圧力を受けて、大崩壊の危機に直面している。アメリカ帝国主義はイラク侵略戦争の泥沼化と階級闘争の高揚の中で、体制危機を深めている。世界経済全体が崩壊の瀬戸際にあり、全世界で革命的情勢が成熟しつつある。日帝はいまだに戦後憲法的な制約を突破できないまま、こうした大情勢に投げ込まれようとしている。日帝は、米帝の激しい争闘戦圧力を受けて、日米枢軸体制のもとで戦争国家へと全面転換することに唯一の延命の道を見いだしている。
 5月1日に米国務省で行われた在日米軍再編の2プラス2最終報告・共同発表は、日米安保のものすごいエスカレーションを表している。日米同盟は「(アジア太平洋)地域及び世界」の安保政策の要だと、繰り返し強調された。日米安保は、世界的な軍事展開のための新たな軍事同盟へと大改定されたのだ。
 具体的課題として、@イラク及びアフガニスタンを「再建」すること、AイランにIAEAの査察を受け入れさせること、B北朝鮮に対して核計画の廃棄を迫り、中国に軍事力の公表を求めることをあげている。つまり、イラク侵略戦争を継続し、イラン、北朝鮮、中国などへと侵略戦争を拡大していくことが狙われているのである。これらの戦争に日帝が全面的に参戦するために9条改憲を強行しようとしているのだ。
 このような戦争計画のもとに在日米軍(と自衛隊の)再編がある。発表された再編計画は、@「個別の再編案は統一的なパッケージ」である、A2014年までに沖縄・辺野古崎にV字型滑走路を持つ基地を建設する、B08年までに米陸軍第1軍団司令部を改編した統合作戦司令部をキャンプ座間に移転し、陸自中央即応集団司令部を12年度までに座間に移転する、C第5空母航空団の岩国移転を14年までに完了する、などである。
 この計画は、労働者人民の反戦闘争、沖縄を始めとする反基地闘争を圧殺しなければ実現できない。まさに9条改憲攻撃と一体である。改憲阻止闘争と一体的に全国各地の反戦反基地闘争を全力で闘おう。

 プロレタリア革命へと直結する闘い

 9条改憲阻止の憲法闘争は、プロレタリア社会主義革命に直結していく大闘争である。憲法闘争の歴史的意義を改めて確認しよう。
 日本国憲法には「基本的人権は、侵すことのできない永久の権利」(第11条)や「人類普遍の原理」(前文)という文言がある。しかしこれらはけっして階級を超越した永遠の真理ではない。近代憲法は近代ブルジョア国家の基本法であり、タテマエである。
 近代憲法原理の中心である人権保障は、封建社会を転覆したブルジョア革命によって、ブルジョアジーが自己の政治権力を確立していく過程で、新たな社会原理としたものである。資本主義以前の社会では、諸個人には身分的制約が強制されていた。だが、フランス革命(1789年)は、個人を一般的な「市民」とし、この「市民」の権利としての「人権」を、諸個人が生まれながらにして持っている権利であるとした。
 それは同時に、新たに支配階級となったブルジョアジーが、近代国家の中でブルジョアジーの利益を守るための原理となった。ここで言う「市民」は、実際には私有財産の所有者のことである。基本的人権の最も重要な柱の一つが、ブルジョア私有財産制度の不可侵性なのである。
 こうしたブルジョア近代国家の形成とその基底で進行する産業革命は、無産階級である労働者階級を膨大に生み出した。ブルジョアジーは、自己の利害をあたかも全体の共同利害であるかのように押し出し、基本法である憲法に「自由・平等・人権」を盛り込む一方で、警察や軍隊や監獄という暴力装置をもってブルジョア独裁を貫いてきた。
 これに対し、労働者階級は労働組合のもとに団結することによって資本の強搾取・強労働に対して生きるための闘争を貫き、ブルジョア社会がその原理として掲げる「自由・平等・人権」を自分たちにも保障せよと要求して闘ってきた。ブルジョア支配を打倒し、労働者の解放を実現しようとする19世紀以来の労働者階級の闘いは、労働者の団結権や争議権、普通選挙権や社会保障の諸権利をかちとってきた歴史でもある。
 ところが今回の改憲攻撃は、ブルジョアジー自身が自己のためにうち立ててきたはずの近代憲法のタテマエも投げ捨て、「公益及び公の秩序」(自民党新憲法草案)を基本的人権の上に置くことで、国家に対する「国民の責務」を定める憲法に置き換える。これは、議会制民主主義や地方自治などブルジョア民主主義すらも解体し、日本を再びボナパルティズム国家へと転換させ、強大な国家権力のもとに労働者人民を組み敷こうとするものである。
 資本主義の最後の段階としての帝国主義は、その危機と矛盾を極限にまで高め、今や日帝は改憲攻撃をクーデター的に強行する段階に至っている。これに対して労働者階級は、改憲粉砕の全人民的闘いをとおして、帝国主義打倒へと突き進まざるをえない。

 9条改憲反対の大統一戦線形成を

 改憲の焦点は第9条だ。日帝支配階級は、9条2項を削除し、9条の二として「自衛軍の保持」を明記し、海外での武力発動と集団的自衛権の行使を可能にしようとしている。日帝は今、この9条改変に全命運をかけている。
 しかし、日帝が9条を破壊しようとすればするほど、労働者階級の反撃は大きくなる。必ずやその闘いは予想を超えた大きさで爆発し、階級支配をも吹き飛ばす勢いで燃え上がるだろう。このことへの圧倒的確信を持って、9条改憲阻止闘争を推し進めよう。
 そもそも9条が制定された核心には、天皇の戦争責任をかわし、戦後革命を封じ込める狙いがあった。憲法制定当時、ほうはいとわき起こる労働者人民の闘いがあり、在日アジア人民の実力闘争が爆発し、日帝の侵略戦争犯罪に対するアジア人民の告発・糾弾のうねりがあった。この革命的危機の中で、帝国主義国家としては自己否定にも等しい9条〈戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認〉が制定されたのである。
 日米安保との闘いを軸とする戦後の日本階級闘争は、この9条に生命を吹き込み続ける闘いであったと言える。連合的封じ込めが強まっているとはいえ、労働組合が反戦反基地闘争の主力を担い続けてきた。その中で、連合指導部の9条改悪容認の姿勢に怒り、憲法28条〈労働者の団結権・団体交渉権・争議権〉と憲法9条の破壊を許さないのは労組の使命だと決意し、労働組合としてやれることはなんでもやろうという動きが始まっている。
 また、教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の闘いも、この9条をめぐる闘いと結びついている。そして今、「日の丸・君が代」闘争を担った教育労働者を先頭にして教育基本法改悪阻止の闘いが爆発し始めている。その闘いの発展は改憲阻止決戦の爆発に直結するものだ。
 では、どのように改憲阻止決戦を進めるべきか。
 第一に、この決戦をとおして労働者革命を実現するという気概に燃えて闘うことである。でっかいスケールで、ダイナミックな展開をイメージすることだ。たとえ3〜4人の集まりから始まっても、それが一気に拡大していくと確信して行動することである。
 第二に、9条改悪反対の闘いを徹底的に推進軸、結集軸にしていくことである。9条改悪反対の一点で共闘する大統一戦線をつくりだしていこう。
 学生は改憲阻止ゼネストでけん引しよう。
 そのためには、職場、地域、学園から、9条改憲反対の議論の輪と行動を起こしていくことだ。活動方針は柔軟で創造的であっていい。署名運動や街頭宣伝活動はオーソドックスだが、誰にでもできて無限の可能性がある活動方針である。
 第三に、4大産別を先頭に、拠点職場や労組での取り組みを下から動かすことである。日帝支配階級は、民営化を徹底推進することで旧官公労系の労組を解体し、連合を改憲勢力に完全に転落させて改憲態勢をつくろうとしている。改憲阻止闘争の帰すうは、日教組、自治労など4大産別の労働組合が改憲阻止に立ち上がるのか、それとも改憲勢力へと転落してしまうのかどうか、にかかっている。だからこそ、4大産別決戦を軸に改憲阻止決戦を闘い抜くことが決定的なのだ。4大産別を始めとして労働者階級が戦争と民営化(=労組破壊)攻撃と闘い抜き、改憲阻止決戦へと雪崩をうって立ち上がることで改憲攻撃は必ず粉砕できる。そしてプロレタリア革命へと向かう情勢を切り開くことができるのだ。
 第四に、「憲法改正国民投票法」制定策動は改憲攻撃そのものであり、国会が発議した改憲案を国民に強制する仕組み・弾圧体制をつくるものである。国会提出を絶対に阻止しよう。
 「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」は、「憲法9条を変えるな! 署名運動で風を起こそう!」と5・20全国集会を呼びかけている(要項1面)。この呼びかけにこたえ、5・20集会に総決起し、改憲阻止の大運動を巻き起こそう。

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