ZENSHIN 2006/06/19(No2050 p06)

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週刊『前進』(2250号1面1)(2006/06/19)

 6・15法大から国会へ

 共謀罪・教基法改悪案・国民投票法案 今国会で絶対廃案に追い込もう

 闘う労働者人民による連日の国会闘争はついに、共謀罪と教育基本法改悪案の今国会成立を狙った攻撃を打ち破った。6月2日、与党は民主党案を丸飲みしてでも共謀罪の衆院法務委員会採決を強行しようとしたが、この悪らつな策動も大衆的怒りの爆発で直ちに粉砕された。5月19日に続き、再び強行採決を実力阻止する偉大な勝利がかちとられたのだ。闘えば勝てる! 巨大与党の力ずくの攻撃も、労働者や学生が絶対阻止の決意で立ち上がれば押し返せることがはっきりした。会期末まで残る1週間を、闘って闘って闘いぬき、継続審議など断じて許さず完全に廃案に追い込もう。法政大学での1千人集会から、6・15国会デモの大爆発をかちとろう。

 第1章 全反動法案を「継続審議」ではなく廃案に

 小泉政権は今通常国会で共謀罪、教育基本法の改悪、改憲のための国民投票法案など、改憲と戦争に直結する法案を次々と成立させることを狙って全体重をかけた攻撃をかけてきた。だがそれは、共謀罪に反対する大衆運動の発展と、日教組本部の屈服をものりこえて国会前に続々とかけつけた全国の教育労働者の怒りの爆発によってついに実力で打ち破られた。会期を大幅に延長してでも全法案を押し通そうとした政府・与党のもくろみはいったん頓挫(とんざ)した。
 追いつめられた自民党と小泉は、しかし今国会の会期末ぎりぎりまでなおも必死に、できる限りのことをやろうとあがいている。
 共謀罪は、「目配せしただけでも逮捕」という戦前の治安維持法以上の悪法だ。労働者の団結権の破壊と思想の処罰がその狙いだ。教育基本法の改悪は、教育を再び「お国のために戦争で命を捧げる国民」をつくりだすものに変え、従わない教員は学校現場から根こそぎ追放することを目指している。まさに戦前の教育勅語の復活だ。国民投票法案は、憲法改悪を実際に可能にするための改憲準備法案である。その最大の目的は、改憲反対の運動をあらゆる口実を設けて事前に弾圧し一掃することだ。
 与党は今、これらの法案をすべて継続審議とし、9月自民党総裁選後の臨時国会で最優先法案として成立させる方針を打ち出している。非公式の地方公聴会開催など閉会中審査を求める一方で、連合と民主党の一層の改憲勢力化を進めて、今秋国会の開会と同時に一気に成立に持ち込むことを狙っているのだ。これを断じて許さない闘いが必要だ。そのためにもここで今一度、労働者階級の総力を挙げて決起し、全法案を絶対に廃案に追い込もう。この1週間が正念場だ。
 とりわけ教基法改悪案は、衆院特別委員会での審議が急ピッチで積み重ねられてきた。そこでは与党と民主党が互いに愛国主義と排外主義を競い合う実におぞましい議論が展開されている。ここでは「継続審議」とは、決戦を先送りにするかに見せかけて労働者階級の闘いを武装解除し、その陰で一層悪質な攻撃を進めることしか意味しない。与党案以上に「愛国心」をストレートに盛り込んだ民主党案をテコに、与野党間で法案を一層反動的に修正する動きが強まることは必至である。
(写真 「原子力空母の配備反対」を訴え米海軍横須賀基地へデモ【6月3日 神奈川県横須賀市】=記事4面)

 第2章 屈服と裏切りの日教組本部打倒し前進を

 これに対して今こそ闘争態勢を一段と強化し、与党案も民主党案もともに完全な廃案に追い込むことが全教育労働者にとって死活の課題だ。だが日教組本部は逆に、第2次の国会前座り込みを中止し、闘争の幕引きを図る大裏切りに走っている。民主党案に同意を与えただけでなく、闘いの発展を恐れる政府・与党と一体となってその解体に動く日教組本部は、教基法改悪阻止闘争の阻害物だ。こんな本部を怒りを込めて打倒し、のりこえて、全国のブロック、単組、職場から組合旗をもって国会前にかけつけ、廃案を求め闘おう。
 すでに、5月16日からの国会前座り込みで2波の自主動員を行った北海道教組を先頭に、日教組内の下からの決起のうねりはいよいよ高まっている。6月4日には札幌で、「教育基本法改悪法案を廃案にしよう!」を掲げた全北海道集会が開かれ、北教組などが3千人を超えて集まった。5・27東京・芝公園での5千人集会、6・2日比谷野音での3千人集会に続く大結集だ。
 この日教組内からの戦闘的決起の開始と、石原・都教委と対決してきた「日の丸・君が代」被処分者の闘いとの合流は、教基法改悪攻撃をその根幹から粉砕しつくす力を持っている。一切のかぎは職場生産点からの現場労働者の決起にある。会期末まで残された一日一日を全力で闘い、必ず廃案をもぎとろう。
 6月国会決戦を、日教組本部を打倒し、連合中央を打倒して、連合の改憲勢力化を阻止する決戦として闘いぬこう。6・22日教組中央委員会、6・14〜16全逓(JPU)大会をその闘いの決定的な前進の場としよう。
 その勝利をバネに、国鉄、教労、全逓、自治体の4大産別決戦全体の一層の大爆発を切り開こう。

 第3章 医療制度改悪法案の成立を阻止しよう

 政府・与党はさらに今週、医療制度改悪関連法案の参院採決を強行し、会期内に成立させようとしている。5月26日の行革推進法・市場化テスト法の成立強行に続く絶対に許せない攻撃だ。これによって高齢者から医療を奪い、医療費自己負担を引き上げ、病気になっても医者にかかることもできない社会をつくりだそうとしている。まさに社会保障制度を解体し、憲法25条の生存権をも否定し破壊する攻撃である。また医療現場で働く労働者をこれまで以上の大変な労働地獄にたたき込む。多くの医療労働者や高齢者から激しい怒りの声と闘いが沸き起こっている。連帯して強行採決阻止に立ち上がろう。
 6月2日には、共謀罪粉砕のその裏で、自白強要と冤罪の温床である代用監獄を半永久的に存続させる未決拘禁者処遇法が成立した。9日には、防衛庁の「省」への昇格法案が閣議決定され国会に提出された。これらの一切が改憲に直結し、その外堀を埋める攻撃だ。このすべてをぶっとばす闘いをやりぬこう。

 第4章 6・15法政大集会から国会デモに立とう

 法政大学を先頭とした6・15全国学生国会デモは、法大での退学処分粉砕と同時に、この終盤国会を直撃する決定的な闘いとして呼びかけられている。
 法大当局が公安警察と示しあわせて29人の学生を不当逮捕した3・14弾圧から3カ月、弾圧を粉砕し処分撤回を求める闘いは、平林総長をとことん追い詰め、法大全学を揺るがすものに発展している。改憲反対の立て看板もビラまきも禁止し、抗議した学生を権力に売り渡し、さらに退学処分に付すという攻撃は、学生運動を弾圧するだけでなく、大学から「思想・表現の自由」も「学問の自由」もすべて一掃するまさに改憲攻撃の先取りである。
 これを許せば再び戦争、徴兵制、暗黒社会への道だという、闘う法大生の火のような怒りのアジテーションと、権力・当局とのキャンパスでの連日の激突は、数千の学生の共感を呼び、全国学生運動の新たな歴史的爆発への「台風の目」となっている。
 「平林独裁体制を倒そう! 3・14弾圧の最高責任者である小泉政権を倒すために法大から国会へデモをやろう!」という6・15法大1千人集会と国会デモの呼びかけは、この闘いを決定的な次元に押し上げ、学生運動圧殺攻撃をはね返し、逆に大学を改憲粉砕=戦争国家化阻止の砦(とりで)に変えていく闘いの出発点となるものだ。
 恐怖した大学当局は、弾圧を居直る声明や被処分者の「立入禁止」の告示を門前に掲げ、6・15闘争の爆発を何がなんでも阻止しようと躍起になっている。この卑劣な策動を闘う全国の学生の力で打ち破り、法大キャンパスを埋めつくす1千人の大集会と国会デモをかちとろう。

 第5章 改憲阻止闘争に全力決起し今秋決戦へ!

 今国会をめぐる激突は、改憲阻止の決戦がついに本格的に始まったことを示している。6月国会決戦の勝利は、秋の臨時国会(文字どおりの改憲突入国会となる)に向け、一層巨大な階級的大激突を引き寄せるものとなる。それは1960年の安保闘争、70年の安保・沖縄闘争をもはるかに超える大闘争への突入だ。
 改憲とは、国と社会の根底的な大変革が日程に上ることだ。小泉政権と自民党が今進めている攻撃は、戦後民主主義体制の転覆を狙うクーデターだ。これを阻止する闘いは、労働者階級による帝国主義打倒のプロレタリア革命まで行き着く以外にありえない。時代はすでに、その大激動の真っただ中に突入した。
 このことを確認し、決意も新たに進撃しよう。6〜7月闘争を闘い、8・6―8・9、8・15闘争の爆発をかちとり、今秋決戦への巨大な扉を押し開こう。

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週刊『前進』(2250号1面2)(2006/06/19)

 捜索のためにデッチあげ逮捕!

 警視庁による前代未聞の全国一斉捜索に大反撃を

 6月5日、「電磁的公正証書原本不実記録・同供用、免状不実記載」でデッチあげ逮捕されたA同志は、完全黙秘・非転向を貫いて釈放をかちとった。だが今回の弾圧は、改憲情勢下における共謀罪を先取りしたかつてない政治弾圧である。絶対に許さない。
 A同志が逮捕された5月25日とは、戦前の治安体制復活を狙う共謀罪法案の19日強行採決を阻止し、教育基本法改悪、国民投票法案の強行採決阻止の国会決戦が、改憲攻撃の粉砕をかけた正念場として白熱的に闘われていたときである。国会前では、関西生コン支部・港合同・動労千葉の3労組を先頭に日教組などの労働組合、組対法反対共同行動などの市民団体や個人が連日国会前にかけつけて闘っていた。
 このような改憲攻撃粉砕をかけた戦後階級闘争史上かつてない階級的激突に恐怖した日帝が、革共同と労働者階級の闘いを圧殺するために行った弾圧の大エスカレーションである。
 第一に、日帝・警視庁公安部は、革共同の前進と今国会攻防に追いつめられ、なりふりかまわず、逮捕のための逮捕、捜索のための捜索を強行した。
 なんとA同志が、04年12月に杉並区から江戸川区の前進社に転居した際、江戸川区役所に「住民異動届」をしたことが、「犯罪」だというのだ。
 A同志は、04年12月に事実どおり転居手続きを江戸川区役所で行い、その後、去年の夏に江戸川区から三里塚現地に転居して、現在そこに居住している労働者である。ここには、弾圧の理由となるような事実はまったくない。警視庁公安部はそのことを百も承知だ。A同志が現住所の三里塚現地から芝山町の勤務先に出勤する途上を待ちかまえて逮捕したことからも明らかだ。逮捕後、「住所、職業不詳」と偽ってマスコミ報道させ、A同志を東京地検に身柄送検した。絶対に許せない。
 ありもしない「事件」をデッチあげて逮捕状を請求した警視庁公安部公安一課の星隆夫は、逮捕状に記載されている「引致場所」以外の警視庁田無署にA同志を連行するという違法行為を行った。警視庁公安部の違法な逮捕手続を知った東京地検公安部の國分検事は、27日A同志を地検内でいったん釈放せざるを得なかった。ところが、國分検事は「同一犯罪の再逮捕禁止」という刑事手続きの大原則を踏みにじってA同志を緊急逮捕し、慌てて逮捕令状を取り直した。ここに、法を無視して弾圧する国家権力の本性がはっきりと現れている。こんなことは絶対に許せない。
 第二に、家宅捜索のデタラメなエスカレーションは絶対に許されない。
 警視庁公安部は29日に前進社本社、30日に杉並の都政を革新する会事務所、31日に福岡、大阪の前進社支社、6月1日に仙台、沖縄、2日に神奈川、広島、京都、3日には全国連東京事務所など全国12カ所の違法な連続家宅捜索を、襲撃的・暴力的に強行した。
 家宅捜索は、「犯罪」の捜査を目的としている。したがって、事件と関連性がある場所であって、かつ、事件との関連性がある「押収物」が存在することとされている。A同志が虚偽の「住民異動届」をしたというのは事実無根であり、家宅捜索を強行した全国12カ所もの前進社本社・支社、その他の事務所は「事件」と何の関連性もない。今回の全国一斉の家宅捜索で、警視庁が押収した押収物は、事件との関連性のある物は何一つない。
 警視庁の狙いが、家宅捜索に名を借りた違法な情報収集であり、革共同に対する前代未聞の政治弾圧であることは明らかである。こんなデタラメな捜索令状を発付した東京簡裁の吉田・山本らを絶対に許さない。反撃して必ず責任をとらせる。
 第三に、このような警察権力の違法・不当な弾圧に手を貸した裁判所を絶対に許さない。
 捜査機関の違法行為を容認して勾留を決定した東京地裁佐藤裁判官、デタラメな捜索令状を発付した東京簡裁を絶対に許さない。こんな違法・無法な国家権力の横暴に責任をとらせなければならない。
 革共同は、今回のデタラメな弾圧のエスカレーションを絶対に許さず、あらゆる闘いをもって大反撃に立つ。いかなる弾圧も完黙・非転向の闘いで粉砕し、改憲阻止決戦に総決起し必ず勝利する。

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週刊『前進』(2250号1面3)(2006/06/19)

 共謀罪 “団結禁止法を葬れ” 最後まで国会攻防を継続

 共謀罪法案は今国会での不成立が確定的となった。全国での署名運動と連日の国会闘争、弁護士会や労働組合、市民団体が反対決議・声明を挙げ闘った大きな成果である。1月20日の通常国会開始以来、6度も採決強行の危機があったが、ぎりぎりのところで粉砕した。労働者階級は、巨大与党と闘って勝てることを証明した。
 6日朝から「破防法・組対法に反対する共同行動」や労組交流センター、動労千葉、関西合同労組の労働者ら60人が国会前に詰めかけて闘った。(写真)
 共謀罪は思想・言論弾圧の「現代の治安維持法」であり、団結禁止法である。改憲攻撃と一体であり、その先取りだ。継続審議―臨時国会での制定など断じて許さない。廃案あるのみだ。6・13「超党派国会議員と市民の集い」(要項別掲)に結集しよう。

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週刊『前進』(2250号2面1)(2006/06/19)

 教基法改悪案 継続審議許さず廃案に この1週間が勝負だ

 連日の審議を重ねる特別委

 教育基本法の改悪案をなんとしても廃案に追い込むため、6月18日の会期末まで、手をゆるめることなく国会闘争を闘いぬこう。
 「今国会では成立できず。継続審議へ」というマスコミ報道の陰で、すでに衆院教育基本法特別委においては5月24日、26日、30日、31日、6月1日、2日、5日、6日、7日、8日と連日のように一般質疑・参考人質疑が積み重ねられている。文部科学委員会であれば審議日程が週2回に限定されるが、特別委を設置したことにより、連日でも審議が可能となったからだ。審議時間は合計50時間にもおよんでいる。
 45人で構成される特別委だが、欠席する委員が後を絶たず、20数人から30人程度の人数で行われている審議も多い。野党最大会派の民主党が「改悪阻止」を投げ捨てて自らも改悪案を提出しているという構図の中で、対決性はまったくない緊張感のない議論が続けられている。審議時間の積み重ねは、採決を強行するためのただのアリバイづくりでしかない。
(写真 東京の「日の丸・君が代」被処分者が大挙登壇して決意表明【6月2日 日比谷野音】)

 与党が閉会中の公聴会提案

 6月8日に行われた特別委の理事懇談会では、与党側は、国会閉会中に地方公聴会を行うことを要求した。これに対して野党側は、政府案・民主党案ともに廃案にし、特別委も今国会で閉じることを主張したが、結論が出なかった。6月13日に再度理事懇を開いて協議する予定となっている。
 国会閉会中にも地方公聴会を開催し、審議を進めようという政府・与党の横暴を絶対許すわけにはいかない。臨時国会の開会直後に衆院特別委採決・本会議採決へと突き進み、あっと言う間に参院で採決・成立強行へと持ち込もうとしているのだ。

 全国で広がる反対運動の力

 政府・与党側がこれほどまでに成立を急いでいるのは、反対運動の広がりを恐れているからだ。教育基本法改悪が次代の青年たちを戦場に送るための超重大攻撃であることや、憲法改悪に直結したものであることを多くの人が知ることになれば、反対運動は必ず一挙に広まる。共謀罪反対運動の広がりの二の舞になることを恐怖しているのだ。
 すでに全国の教育労働者が、連日の国会闘争に加えて、地元での教育基本法改悪反対集会や街頭宣伝などに飛び回っている。この5〜6月に各地で開催された単組の定期大会では、「教育基本法改悪案の廃案を求める」などの特別決議が続々あがっている。
 また、日教組・全教というナショナルセンターの違いを越えた共闘も各地に広がっている。東京では、日教組傘下の都高教・東京教組と全教傘下の都教組の3労組委員長が5月31日に「全都の教職員のみなさんへ」というアピールを発し、「教育基本法『改正』案を廃案にするために東京のすべての教職員のみなさんが立ち上がることを心より訴えます」と呼びかけた。
 会期末までけっして気を抜かず、国会闘争を闘いぬこう。「継続審議にするな!」「政府案・民主党案とも今国会で廃案に!」の声を大きく上げよう。

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週刊『前進』(2250号2面2)(2006/06/19)

 愛国心の競い合い 教基法特別委を傍聴して

 6月8日、衆議院教育基本法特別委員会の審議を傍聴した。自民党と民主党が”どちらがより愛国的か”を競い合うおぞましい審議であった。以下、特徴的な発言を紹介する。
日教組と「日の丸・君が代」闘争に対する憎悪
 臼井日出男(自民)「日教組の組合員から、教育基本法改悪に対する抗議ハガキが届いている。こういうハガキを書いている人たちが、新しい教育基本法の精神を正しく理解して子どもたちを指導していくことができるのか心配になる」(闘う教育労働者を排除しろと言わんばかり)
 保利耕輔(無所属)は、日教組が1952年に採択した「教師の倫理綱領」(「教師は労働者である」とうたった)を取り上げ、「長い間そういうものが(教育現場を)支配してきた、根底にそういう理念があったことは否めない事実だ」(教師は労働者ではなく聖職者だとはっきりさせろと言うのか)。
 笠井亮(共産)が「99年の『国旗・国歌法』制定時、野中官房長官が『起立する自由もしない自由もある』と答弁した。にもかかわらず今東京では、同じ言葉を生徒に言うと厳重注意処分となる」と指摘すると、「国旗・国歌を敬え」「常識なんだよ」とヤジと怒号で発言がかき消される。共産党が「国旗・国歌法」の法制化を提唱したことは許せないが、今や共産党さえ少数意見としてねじ伏せられようとしている。小坂文科相は「学習指導要領にもとづき国旗・国歌の指導を職務で命じることは、教員の内心の自由を侵すことにはならない。『君たちには歌わない自由もある』などと言うのには問題がある」と繰り返す。
戦中教育と天皇の賛美
 保利「私は1941年に国民学校に入学した。戦時教育について、私は”よく鍛えていただいた”という感謝の念が強い。『教育勅語を暗唱させられた』などと言われるが、私は教育勅語を好んで暗唱したし、暗唱できるのが誇りだった」
 さらに5月14日に天皇・皇后が皇居近くの北の丸公園を散策したことを報じた朝日新聞が敬語を使わなかったことを保利が批判し、それを受けて小坂が「新聞だから、字数が限られているからと言って許される問題ではない」と非難。
すり寄る自民と民主
 こうした審議の最中で、気になったのが民主党改悪案を取りまとめた民主党教育基本問題調査会の座長・西岡武夫(元文相)の動きだ。特別委委員ではないので後方の傍聴席にいたが、審議内容を聞きもせず、自民党の森喜朗、町村信孝、河村建夫ら文相・文科相経験者を隣の席に呼んでは肩を寄せ合い、満面の笑みで談笑を10分も20分も続けていた。あたかも”政府案と民主党案のすり合わせはこの傍聴席で決まるんだ”と言わんばかりに。
 こんな翼賛国会は本当に許せない。国会に駆けつけよう。 (本紙 Y・U)

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週刊『前進』(2250号2面3)(2006/06/19)

 日教組本部が闘争解除 民主案擁護に続く大裏切り

 最大の山場に態勢解除とは

 この間の国会闘争と5・27集会、6・2集会の高揚が示すように、多忙化と管理強化で痛めつけられながら、日教組の現場組合員は、教基法改悪を日教組の存亡にかかわる課題としてとらえ、自主的な決起を開始している。戦争の時代への危機感の中で、「教え子を再び戦場に送るな」という教育労働者の魂がよみがえりつつある。
 ところが、日教組本部は会期末へ向けて闘争態勢を強化するどころか、第2次の国会座り込み方針を50人から20人にダウンさせ、それをも中止した。とんでもない裏切り行為である。
 そもそも日教組本部・森越委員長と日政連議員が民主党の教基法改悪案に合意したことは、歴史的な裏切りであり、「愛国心」教育推進への大転向である。
 民主党案は、政府案以上にはっきりと愛国心、宗教的情操教育を盛り込んでいる。行政権力の「不当な支配」の概念をきれいさっぱり一掃し、教育行政の独立性を否定している。民主党案を評価する「書記長談話」は到底認められない。
 法案審議では、民主党議員は教育勅語を礼賛し(大畠議員)、愛国心は「国体護持につながる」(山口議員)と言い、民主党案を売り込んでいる。日教組本部の民主党案擁護こそ、反対運動の最悪の阻害物だ。
 民主党案に対して、現場組合員の激しい憤りがまきおこっている。ところが森越委員長は、5・27集会で民主党案への批判や撤回要求を「われわれの陣営を分断・かく乱する策動」と恫喝・非難した。連合にすがり、民主党を尻押しする日教組本部の路線こそ、真に手を結ぶべき改悪絶対反対勢力から日教組を分断するものである。
 5月18日の連合中執で決定した「教育基本法の国会審議に対する対応」は、改悪反対でもなんでもない。〈民主党案も検討対象として、原案を修正しろ〉という代物だ。03年6月の武力攻撃事態法の修正・成立に手を貸した連合の裏切りを再び許してはならない。

 5・13日教組見解の犯罪性

 5月13日に出された「政府法案に反対する日教組見解」は、実に許せない内容である。
 第一に、愛国心攻撃を「戦争を支持し担う国民づくり」の攻撃、教育労働者を戦争に動員する攻撃としてとらえていない。
 日本の再軍備は、53年池田・ロバートソン会談で「教育によって愛国心と自衛のための自発的精神の成長」を約束することから始まった。学習指導要領の道徳や社会科の目標に「愛国心」が盛り込まれたのも、99年の新安保ガイドライン関連法の制定と一体だった。教基法改悪の推進者たちは、「国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す」(西村真悟)、「日本を守るために自分は戦うという覚悟を取り戻す」(安倍官房長官)ためと公言している。
 教育労働者がそのことを真正面から訴えてこそ、保護者とのつながりも、有事法制で戦争に駆り出される他産別の労働者との共闘も広げていくことができるのである。
 第二に、現行法10条を解体し、教育行政の無制限の介入を正当化する点について、まったく批判も弾劾もしていないことである。
 「不当な支配に服することなく」に続けてあった「国民全体に対し直接責任を負って」という条文を政府改悪案が削除して「この法律及び他の法律の定めるところにより」と書き換えたことについて、小坂文科相は国会答弁で「法律にもとづく教育行政の行為は、不当な支配にはあたらないことを明確にしたものだ」と繰り返し言明している。
 見解は、「国民全体に対する直接責任」の削除が「全体の奉仕者」の削除とあいまって「国家のために職務に邁進(まいしん)する教員像を想定させるもの」と指摘してはいる。しかし政府案が、行政権力による教育内容への介入の歯止めを取り払い、教員の教育権限を全面的に剥奪(はくだつ)しようとしていることには、なんら異を唱えていない。教基法が改悪されたら、平和教育が違法行為として処分の対象となるのである。
 翼賛国会に教育のあり方を委ねる「調査会設置要求」といい、政党間の駆け引きに法案の行く末を委ねる民主党案擁護といい、本部は、「国民に直接責任を負って」を自ら投げ捨ててしまっている。
 「政府主導による教育振興基本計画の策定は、教育の主体性や自律性が失われる」と言うなら、策定要求に組合員を引き回してきた過ちを根本的に自己批判すべきである。

 今こそ<対決・阻止・抵抗>を

 問題の核心は、日教組本部が、教基法改悪の先取り攻撃に対する〈対決・阻止・抵抗〉の闘いを放棄してきたことにある。
 職務命令による「日の丸・君が代」強制に対して、処分を辞さない抵抗を貫いた東京の教育労働者の闘いは、権力の教育支配と闘う武器としての教基法10条の意義をよみがえらせた。「つくる会」教科書の使用強制に対して、杉並区教組は「いかなる弾圧、処分にも屈することなく、歴史の真実を子どもたちに伝え続ける」と宣言し、闘い続けている。教育労働者の体を張った闘いが、多くの労働者市民の共感を呼び、改悪反対運動を広げてきたのである。
 「心のノート」や「愛国心」通知表、小学生を駆り出しての戦災訓練など、愛国心教育・軍事教練はすでに始まっている。〈新職=新級〉〈評価制度の賃金反映〉など、教職員を分断し団結を解体する攻撃が全国に広がっている。「君が代」不起立処分は新潟にも波及し、埼玉では自己申告書不提出を職務命令違反とする処分が出されている。
 〈愛国心に燃え、国際平和のために戦う国民の育成〉を「教員の崇高な使命」とする改悪教基法の成立を許せば、「免許更新制の現職教員への適用」は、愛国心教育を踏み絵とする大量首切りとなるだろう。
 石原・都教委の教基法・憲法違反と徹底対決する東京の被処分者の闘いに続き全国で教基法改悪の先取り攻撃と闘おう。職場の闘いと国会前を結び、巨万の国会闘争をつくりだそう。

 6・22中央委で闘う方針を

 6月22日、日教組第146回中央委員会が開催される。この中央委議案では、民主党案には言及することなく、「憲法改正動向から07年参院選は重要」だとして日政連議員・神本美恵子の参院選推薦方針を早々と打ち出している。一体、どういう理屈で、教育基本法廃止、改憲推進の民主党を支持せよと言えるか! 神本への一票は、教基法・憲法を絞め殺す一票となるのだ。
 教基法改悪絶対阻止の立場と政府案・民主党案をともに廃案に追い込む闘争方針の確立が待ったなしに求められている。現場組合員の力で日教組本部の大裏切り方針を突き破り、教育基本法改悪絶対阻止の闘いをつくり出そう。

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週刊『前進』(2250号2面4)(2006/06/19)

 改悪絶対阻止へ熱気

 6・2全国集会&国会デモ 被処分者先頭に3000人

 大内裕和、小森陽一、高橋哲哉、三宅晶子の4氏が呼びかけ人の、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会が主催する「教育基本法の改悪をとめよう!6・2全国集会&国会デモ」が6月2日、東京・日比谷野外音楽堂で行われた。国会で教基法改悪案が連日審議されるという緊迫した中、全国の教育労働者を先頭に3000人が参加した。
 呼びかけ人4氏が発言。高橋さんは「改悪案について『国とは統治機構を指すものではない』と言うが、かつての愛国心教育においても『郷土、家族を愛せ』と言って国のために命を捨てさせた。『私の愛に国は口出しをするな。私の愛を法律でしばるな』の声をあげよう」と述べた。
 三宅さんは、ナチス支配下の抵抗を記したドイツの教科書の「抵抗の階段」を紹介。「1段めは同調しないこと。2段めは拒否。3段めは抵抗。4段めは政府を転覆するためヒットラー暗殺計画を企てた人びとが書かれています。1段めの階段を大きく広げ、希望を持って進もう」と訴えた。
 小森さんは「特別委では麻生外相が教育勅語を暗唱し、『国体』という言葉が飛び交っている。日本会議のメンバーが国会を占拠することを私たちは絶対に許さない」と強く弾劾した。
 大内さんが行動提起を行い、「改悪の中身と問題点を自分の言葉で訴えよう。国会闘争の力で、改憲勢力が多数を占める国会情勢を変えよう。国会闘争と各地・各職場の闘いを結びつけていこう。『日の丸・君が代』で停職処分にされた東京の教育労働者が連日、校門前で座り込みを続けている。この闘いと国会前の座り込みをつなげ、改悪案の廃案へ闘おう」と呼びかけた。
 東京の「日の丸・君が代」被処分者の会、被解雇者の会などが大挙登壇し、被処分者を代表して都立高の女性労働者が発言した。「『10・23通達』以降のべ350人が処分を受けた。都教委の弾圧は年々エスカレートし、前任校での来賓としての行動まで処分を狙っている。職員会議の採決が禁止され、来年から奉仕活動が必修化され、国のために命を投げ出させる教育へと突き進んでいます。被処分者の活動は憲法・教基法改悪を阻止するための運動でもあります。日本中に運動を広め、大きなうねりにしていこう」。力強い訴えに大きな拍手がわいた。
 各地からの報告では、埼玉と大分の教育労働者が地元の改悪反対運動を報告した。東京大学の学生は「早稲田大ではビラまきで逮捕、法政大では立て看撤去に抗議したら逮捕と退学処分。こんなことは許せない」と訴えた。国会からは、社民党の福島瑞穂党首と日本共産党の穀田恵二国対委員長が発言した。
 ただちに国会デモに出た。長蛇(ちょうだ)のデモ隊列が続々と公園から繰り出す。最後尾の東京の教育労働者の隊列には、勤務を終えて大急ぎで駆けつけてくる組合員の姿が後を絶たない。衆参両院の議面前では大きな声でシュプレヒコールをあげて、「改悪を阻止するぞ! 必ず廃案へ!」と誓い合った。

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週刊『前進』(2250号3面1)(2006/06/19)

 国鉄1047名闘争解体の危機突破し勝利の道開こう

 敗北導く「和解路線」と決別を

 国鉄1047名闘争は重大な岐路に立っている。国労本部は、「政治解決」の名で被解雇者1047名に最後的な屈服を強要しようと策している。だが、より重大なことは、鉄建公団訴訟を支援してきた勢力の中から、「政治解決」を唱える動きが急速に強まっていることである。これは、その主観的意図がどうであれ、4党合意と同じ過ちを繰り返すものにほかならない。国鉄闘争を自ら敗北に追いやっていいのか。国鉄闘争の勝利は、反合・運転保安闘争を貫く動労千葉とともに職場生産点からJR資本と対決し、共謀罪や教育基本法改悪、改憲のための国民投票法案などをめぐる国会闘争=改憲阻止闘争の先頭に1047名が立ってこそ切り開かれる。

 被解雇者が主体となって闘うべきだ

 1047名闘争の圧殺をたくらむ国労本部は、「年内解決、小泉内閣での解決に道筋をつける」「国会会期中に解決促進」と叫んで「政治解決」=和解路線にのめり込んでいる。同時に、鉄建公団訴訟を支援してきた勢力の中からも、「年内政治解決」「解決交渉のテーブルづくり」という主張が公然と現れた。
 4党合意や鉄建公団訴訟をめぐって対立してきた双方が、ともに「政治解決」路線に激しく傾斜しているのだ。これは、国鉄闘争を敗北に追いやりかねないきわめて重大な事態である。
 改憲をもくろむ小泉政権に対し、労働者階級の怒りは激しく噴き出し始めている。共謀罪新設や教育基本法改悪、医療制度改悪法案や改憲のための国民投票法案を阻むため、労働者は連日、国会前に詰めかけて闘いぬいている。国会前は、労働者階級と小泉政権との激突点になったのだ。
 この情勢と無縁なところで唱えられる「国会会期中の政治解決」などの主張は、およそ現実性を欠くばかりか、国鉄闘争を限りなく卑しめるものだ。多くの労働者が国会前で怒りのこぶしを上げているその時に、政府・与党に「政治解決」をこいねがうこと自体、労働者の闘いへの許しがたい裏切りだ。
 2・16国鉄集会を経て、国鉄闘争は1047名総体の統一陣形を生み出した。それは、被解雇者1047名が闘いの主体として立ち上がる条件をようやく手にしたということだ。4党合意を受け入れた国労本部は、闘争団の血叫びを圧殺して被解雇者を権力・JR資本に売り渡そうとした。ここに典型的に示されるように、これまで1047名は闘いの主体として認められてこなかったのだ。鉄建公団訴訟の闘いは、この状況を覆し、自らが闘いの主体に躍り出るための苦闘ではなかったのか。
 1047名が主体となって改憲阻止を始めとする階級攻防の先頭に立てば、それが労働者階級全体を糾合し、壮大な階級決戦が切り開かれることは間違いない。国鉄闘争の勝利もそこにかかっている。1047名闘争は本来、そうした巨大な可能性を秘めている。
 かつて中曽根は「行政改革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と言い放ち、今なお「国労解体を明確に意識して国鉄改革をした」と豪語している。そのために首を切られたことへの怒りを根底から解き放ってこそ、敵を圧伏することができるのだ。その中で、敵の側から「和解」を求めてくることもあるだろう。それはあくまで、闘いの結果としてもたらされるものだ。
 だが、「政治解決」=和解を自己目的化した途端、被解雇者の存在と苦難は、政府・与党との取引材料におとしめられてしまうのだ。「1047名の統一」も「交渉テーブルづくり」のための単なる枠組みとされ、国鉄闘争支援勢力は政府に見せつけるための「数」としてしか位置づけられなくなる。
 国労本部は、国鉄労働運動の壊滅を一貫して狙ってきた政府にすがって「政治解決」を図ろうとし、その結果、敵階級の求めに応じて屈服を重ね、4党合意の受け入れにまで行き着いた。「政治解決」路線は、その過ちを繰り返し、1047名闘争を解体に導くものにほかならない。こうした動きに1047名がもてあそばされてはならない。4党合意を根底的に総括し、「政治解決」を自己目的化する一切の路線ときっぱり決別すべきだ。
 全世界で始まった労働運動の新たな高揚は、日本の労働者階級を巻き込んでさらなるうねりを生み出そうとしている。改憲をめぐる決戦が火ぶたを切った今、1047名はこの闘いの主役として最先頭に立とう。改憲阻止の一大階級決戦を切り開いてこそ、国鉄闘争の勝利も実現できる。

 原則的に解雇撤回闘争貫く動労千葉

 国鉄1047名闘争は、被解雇者の解雇撤回・JR復帰を求める闘いだ。それは、被解雇者が先頭に立って闘うとともに、JR資本と対決するJR本体の闘いと緊密に結びついてこそ勝利できる。
 それを原則的かつ果敢に実践しているのが動労千葉だ。国鉄分割・民営化にストライキで立ち向かった動労千葉は、JR体制下でも「1047名の解雇撤回」を掲げ、連年、春闘ストライキを闘いぬいている。争議団の闘いと生活を支えるため、全組合員が年2回の物販オルグに回っている。争議団が闘いの先頭に立つとともに、JR組合員が自らの闘いとして解雇撤回闘争を貫いているのだ。こうした闘いは全世界の労働者の共感を呼び、国際連帯の輪も広がっている。
 昨年4月の尼崎事故は、国鉄分割・民営化体制=JR体制の根底的な破産を突き出した。それ以降もJRは、羽越線、伯備線の重大事故を立て続けに引き起こしている。
 これに対して動労千葉は、昨年に続き06春闘でも渾身(こんしん)の安全運転闘争に立ち上がった。「危険個所では減速する」という運転士として当然の行動に、JR東日本は職制による監視や不当処分の恫喝を加えて闘いの圧殺を図った。だが、これと全面対決して貫かれた動労千葉の闘いは、圧倒的な労働者の心をつかんでいる。何よりもそれは、事故の危険にさらされる現場組合員が主体となって闘いぬいたからである。こうした闘いは、1047名の統一陣形形成の原動力ともなっている。
 JRはこれに憎悪を集中し、06春闘をストライキと安全運転闘争で闘った動労千葉組合員に、戒告と厳重注意の不当処分を発令した。さらにJRは、幕張車両センター構内での事故を口実に、動労千葉組合員への重処分を策している。
 だがそれは、動労千葉の反合・運転保安闘争が、JR体制を根底から撃つ闘いとして貫かれたことへの資本の恐怖の表れだ。

 裏切り者引き入れ敗北の道歩むのか

 このJR資本と呼応して、国労本部=佐藤・吉田執行部は動労千葉排除の策動に再び乗り出してきた。国労本部は、JR資本の意思に忠実に従い、1047名の統一陣形と国鉄闘争の破壊に躍起となっている。
 日本共産党指導部や全労連の一部幹部もまた、動労千葉排除と1047名陣形解体の策動を続けている。この反動に抗して、1047名陣形を何としても守りぬかなければならない。
 にもかかわらず、この国労本部を引き入れて「政治解決」を図ろうとする動きが、鉄建公団訴訟支援の陣営の中から生まれてきたことに、今日の国鉄闘争の危機がある。国労本部による「訴訟の提起」にのみ闘争の進展をゆだね、そのために国労本部を積極的に引き入れる誤りは、「政治解決」路線から生じている。
 この動きは、改憲情勢下で鉄建公団訴訟の控訴審が反動判決となることを恐れ、それにあらかじめ屈したところから発したものだ。しかし、闘いへの構えがあれば、どんな判決であれそれを主体の団結の強化に転じることはできる。事実、9・15判決もその中身は解雇撤回を認めない反動判決だった。だが、それへの怒りもバネに、1047名の統一陣形が形成されたのだ。問われているのは、改憲情勢下で階級的労働運動を貫くことである。
 国労本部の介入を許して、闘いに勝利することは絶対にできない。
 2月の中央委員会で国労本部は、「鉄道運輸機構(旧国鉄清算事業団−鉄建公団)を相手とした新たな訴訟については、7月の全国大会で最終的に判断する」と集約した。ところが、全国大会に向けての代議員選挙が告示された今になっても、彼らは一向に訴訟方針を打ち出そうとはしていない。それはひとえに、JR資本のくびきのもとに国労本部が置かれているからだ。彼らは、訴訟をやらないどころか、配転・出向40事件や国労バッジ事件までをも、敗北のうちに収拾しようと策している。
 国労本部はJRの事故責任追及の闘いも投げ捨てた。尼崎事故1周年の4月25日、国労西日本エリア本部はJR西日本やJR連合・西労組と一緒になって労使安全会議の集会を開き、会社への忠誠を誓った。しかも彼らは、「春闘ストを実施した」ことを口実に建交労もこの集会から排除した。国労本部が唱える「建交労との共同」は、JR内部からのどんな小さな抵抗も抑え込もうとするものにほかならない。
 「組織混乱を克服した」だの「リセット完了」だのとうそぶきつつ、国労本部は4党合意受諾による組織混乱の責任を何ひとつとっていない。鉄建公団訴訟原告への統制処分も「やむを得なかった」と居直り続けている。彼らの大罪は何よりも、闘争団員への統制処分に反対した国労組合員を警察に平然と売り渡したことにある。
 これらについて自己批判も謝罪もしない国労本部に、1047名闘争への介入をさせてはならない。勝利を求めて必死に闘ってきた誇りある闘争団員・国労組合員にとって、現執行部を容認するなど耐え難い屈辱ではないか。佐藤−吉田執行部打倒こそ、闘う国労組合員がとるべき道だ。
 国労本部を打ち倒し、国労の階級的再生を切り開く攻防の切っ先に、5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いがある。公安警察と一体化した現執行部のもとで、国労の団結も国鉄闘争の勝利もない。5・27臨大闘争弾圧との闘いは、国労を現場組合員の手に取り戻す闘いだ。
 国労本部は、控訴審を闘う鉄建公団訴訟原告団を権力の集中砲火にさらして孤立化させ、たたき伏せようと狙っている。この国労本部を打ち倒し、闘う執行部を樹立してこそ、闘いは勝利に向かって進むのだ。そのためにも、5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを全国労組合員のものにしよう。
 今こそ「政治解決」路線と決別し、1047名闘争を国家権力・JR資本と真っ向から対決する本来の闘いに立て直そう。被解雇者1047名の団結を固め、改憲阻止の壮大な階級決戦を切り開いて、国鉄闘争の勝利を実現しよう。

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週刊『前進』(2250号4面1)(2006/06/19)

 暫定滑走路の「北延伸」夏秋着工阻止

 青年労働者と学生を先頭に 6・25東京−7・2全国集会へ

  赤坂 潤

 「自衛軍の創設」を柱とする憲法改悪を頂点に、歴史を画する大反動攻撃が襲いかかる中、三里塚闘争は暫定滑走路「北延伸」の着工をめぐる決戦に突入した。国土交通省・NAA(成田空港会社)はこの夏〜秋にも着工を強行する構えだ。反対同盟は決戦を前に、きたる6・25東京集会(前日からパネル展)、7・2全国集会(三里塚現地)を呼びかけている。あの1966年の空港設置閣議決定から40年、三里塚闘争は政府の「国策」を実力で阻んできた。「農民と労働者の正義が国家の論理を打ち負かしてきた」(反対同盟の7・2招請状)闘いが三里塚闘争だ。このかけがえのない砦(とりで)を守り抜くことは改憲阻止闘争の不可欠の一環だ。青年労働者・学生の新たな戦列を加え、6・25、7・2を新たな突破口に、三里塚への一大結集運動を巻き起こそう!
(写真 「北延伸」着工攻撃に立ち向かう反対同盟【3月26日 成田市天神峰】)

 驚くばかりの国家犯罪を暴き出そう

 「日本の表玄関」を標榜(ひょうぼう)する成田空港は、戦後高度成長期の66年に3本の滑走路計画をもつ一大国策プロジェクトとしてスタートした。ベトナム戦争で米軍チャーター機が羽田空港(東京)を満杯にしたことが新空港建設の大きな動機だった。しかし農地収用に対する農民たちの激しい抵抗闘争が巻き起こり、ベトナム反戦運動とも合流しつつ戦後最大級の反権力闘争に発展。78年の一期暫定開港(A滑走路=4000b)まで12年、B滑走路の「暫定滑走路」としての供用(02年)までさらに24年を要した。
 2本目の滑走路が「暫定」と称するのは、予定地に反対農家を残したまま、当初予定の2500bを2180bに切り縮めて暫定オープンを強行したからだ。何と農家の頭上40bにジェット機が行き交い(東峰地区)、誘導路を地上走行するジェット機からは猛烈な排ガスが直撃する(天神峰地区)という、驚くべき国家犯罪がまかり通っている。これが現在の三里塚である。
 そもそも航空法は、住民の生活環境に破壊的影響を及ぼす空港建設を禁じている。堂本千葉県知事は農家への“説得”で「ここは人間が住む環境ではない」と言い放ったが、「頭上40b飛行」の現場では現行憲法が保障する生存権すらはく奪されている。しかし、この驚くばかりの人権破壊と国家犯罪は、マスコミ報道からほぼ完全に遮断(しゃだん)されている。
 国土交通省・NAAは「飛行機を飛ばしてしまえば反対農家は必ず屈服する」と開港を強行した。人が住めない環境を強制して「移転」を強要する。これがNAAが言うところの「民主的」とされる空港建設の実態だ。
 政府・国交省は、強制収用が不可能になった89年以降、何度も過去の一方的な空港建設を「謝罪」してきた。大臣同席の「公式な謝罪」もある(公開シンポジウム=91〜93年)。「地権者の同意なき着工は行わない」とも確約した(円卓会議=94年)。しかし、これらの確約はすべて反故(ほご)にされた。その一切の結論は、暫定滑走路の開港だった。

 国策を破綻させた三里塚40年の闘い

 農民たちの抵抗闘争には圧倒的な正義がある。彼らは暫定開港の暴挙に対して最後まで屈服と移転を拒み通した。「40b飛行」などの過酷な環境にあえて身をさらしてでも、国家犯罪を告発する道を選んだのである。
 「飛ばしてしまえば農民は屈服する」と見込んでいたNAAは窮地に立った。この国家犯罪は、広く露見しない(隠されている)ことを前提にかろうじて成り立っているからだ。何しろ「成田問題は社会的に解決した(!)」(国交省が組織した隅谷調査団の最終所見=98年)というのが政府の公式の立場だ。マスコミ主要各社も朝日新聞を先頭にこの立場を採用している。何と闘う農民は「存在しない」ことになっているのだ。彼らは闘いが全国レベルで焦点化することを死ぬほど恐れている。事実を隠してきた自らの犯罪性が問われ、社会的非難を浴びて暫定滑走路の運航自体が困難となることも必至だからだ。それは40年の歳月をかけた国家事業の致命的な破綻(はたん)である。

 ヤクザ顔負けの“地上げ”

 NAAは農民たちを黙らせ屈服させるために、警察権力を使った陰湿な嫌がらせを続けている。農民たちの日常は、ストーカーのような「私服車両」から24時間監視されている。NAAは専用の監視スポットまで警察(県警空港警備隊)に提供している。民間警備会社も大量の「ガードマン」を雇い、警察と連絡を取り合って監視活動に加わっている。外出すれば公然の尾行が付く。家に出入りする業者は嫌がらせを受ける。業務妨害は当たり前。畑に行くのにも検問にあう。子どもが検問で脅されたこともある。要は“非国民”扱いなのだ。これらも事実として社会的に露見すれば明白な犯罪行為である。
 現在進められている「北延伸」攻撃は、反対農家を最後的にたたきつぶすための、国交省とNAAの最後の賭(か)けでもある。本来計画とは逆の北側に滑走路を伸ばし、南側の反対農家の上空40bに大型のジャンボ機を飛ばそうというのだが、現在すでに最高110デシベルを超える「人の住める環境ではない」(堂本知事=前記)状態なのに、騒音値が格段に高いジャンボ機を飛ばせばどうなるか。農民たちに“死刑宣告”を突きつけ、文字どおり力ずくで移転を強要しようというのだ。ヤクザ顔負けの“地上げ”を国がやっているのである。

 「北延伸」の着工は形変えた強制収用

 NAAと政府・国交省は焦りを隠せない。NAA黒野社長は5月29日の会見で「09年度供用開始の期限は絶対守る」と声を強め、国交省への施設変更許可申請(北延伸計画への変更)手続きを6月中に行うと宣言した。初めに夏〜秋着工ありきで、新たに騒音被害地域となる地元成田市・久住地区住民との交渉すら無視する姿勢を明確にした。またNAAは、法に基づく環境アセスメント(影響評価)を「やらない」と明言している。アセスだけで最低一年はかかり、完成時期が大幅にずれ込む危険が大きいからだ。
 近くNAAは東峰地区住民に対して最後通告的な「説明」を行うという。もはやペテンに満ちたあの「話し合い」ですらないのだ。そして形だけの「公聴会」を開けば、国交省は自動的に計画変更を「許可」する算段だ。北側一雄国交大臣は前記の黒野会見と同日、「2500b化は待ったなしだ」とハッパをかけた。法律さえも無視するNAAの強硬姿勢は、政府・国交省自身の意向なのである。

 反対同盟破壊こそ真の狙い

 政府・国交省とNAAがここまで北延伸「着工」にこだわる理由は、端的に反対同盟つぶし、三里塚闘争破壊だ。本来計画の南側を残したままの「北延伸」への巨額の投資は、空港経営の観点からはマイナスしか生まないからだ。東峰・天神峰地区の反対農家をたたきだし、同地区を更地にすると3300b滑走路に変貌するが、こうならなければ国際空港の滑走路として論外であることはNAA自身の経営分析(中期経営計画)でも明らかになっている。彼らの主眼は一点、南への本来計画なのだ。反対農家の頭上40bにジャンボ機を飛ばす北延伸計画とは、形を変えた強制収用なのである。

 反対同盟の決意に応え決戦の夏秋へ

 第一級の国策事業を40年も阻み続ける三里塚闘争は、権力支配の破綻を象徴する存在だ。閣議決定と法律を振りかざした国策に警察力が投入され、なおかつ成田空港は40年間も未完成のままだ。この闘いに凝縮した労働者、農民、学生、市民のエネルギーは巨大だ。三里塚はいまでも権力の暴力支配が及ばない“解放区”なのだ。多くの青年労働者・学生の仲間が、この闘いの現場を訪れ、闘いの力を実感して欲しい。三里塚闘争40年の歴史はいまなお現在進行形なのだ。
 この闘いは改憲攻撃との対決で決定的な意味を持つ。改憲の本質は戦時体制への移行だ。国防は「国民の義務」となり、反戦運動自体が「犯罪」とされる。お上(かみ)に逆らうこと自体が犯罪になるのだ。二度と三里塚農民のような抵抗は許さないということだ。自民党の憲法調査会は新憲法草案づくりで、この問題(成田闘争のような反乱)を対象化した論議を重ねてきた。40年にわたり軍事空港の完成を阻み続けた三里塚が勝ち抜けるかどうか、それは権力への抵抗を貫いた「闘いの権利」そのものがかかっている。

 三里塚闘争は改憲阻止の砦

 反対同盟はこの「北延伸」着工阻止決戦に不退転の決意で臨むことを明らかにするとともに、改憲攻撃との闘いを三里塚闘争の中心的課題として掲げて闘い抜くことを宣言している(7・2全国集会招請状その他)。わが革共同と中核派は、この反対同盟農民の決意に全身でこたえ、今夏〜今秋「北延伸」着工阻止決戦を断固として闘い抜くことを宣言する。
 「北延伸」計画は「09年完成」が絶対であり、「半年、一年の遅れが致命傷になる」(NAA)問題となっている。敵は追い詰められている。三里塚現地に大勢の労働者・学生・市民の結集をかちとることが最大の力となる。反対同盟はいま、天神峰現闘本部裁判闘争、北延伸用地にかかる廃棄物処理場の移転(廃止)問題、さらには地区住民との契約を反故にする東峰の森伐採攻撃(新設誘導路の用地=北延伸計画の中心的問題)など、あらゆる機会をとらえてNAAと国交省の脱法行為を許さず、粘り強い闘いを続けている。
 きたる6・25東京集会(前日から三里塚写真パネル展示会=東京・江東区総合区民センター)、7・2全国総決起集会(三里塚現地)を突破口に、青年・学生の新たな闘う隊列を作りだそう! 三里塚現地行動(現地調査・援農・交流会)に一人でも多く参加しよう!

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週刊『前進』(2250号4面2)(2006/06/19)

 現地調査・援農に行こう −現地闘争本部が呼びかけ

 三里塚現地闘争本部から、7月1日〜3日の三里塚現地行動が呼びかけられている。現地調査・援農に参加しよう。(編集局)
●現地調査・援農・交流会の案内
 全国の学生、青年労働者のみなさん。戦後政治を一変させる改憲攻撃との闘いが激化する中、三里塚闘争は新たな決戦に突入しました。日帝・国土交通省とNAA(成田空港会社)は、6月に暫定滑走路の計画変更を申請し、夏〜秋にも北延伸工事の着工を強行しようとしています。三里塚反対同盟は、着工阻止の決戦を宣言し、7・2全国集会への大結集を呼びかける檄を発しました(集会招請状 本紙前号掲載)。
 閣議決定から40年。空港はいまだ完成していません。政府は反対農家の頭上わずか40bにジャンボ機を飛ばそうと滑走路の「北延伸」に着手したのです。現地の農民たちはこの現実と日々闘い抜いています。また成田空港が自衛隊のイラク派兵基地になろうとしていることにも強い弾劾行動を続けています。
 日帝・国家権力が全体重をかけてつぶそうとしてもつぶされず、40年も権力に抗して闘い続ける三里塚闘争の強さの秘密はどこにあるのか。
 三里塚現地闘争本部は7・2全国集会に合わせて、三里塚の歴史を学び、その勝利の地平を確認し、今年の着工攻防を実地に調査する現地行動を企画しました。39年前の全学連現闘開設の出発点は現地調査と交流会、援農などの現地行動でした。今新たに、この行動から第一歩が始まります。
 労農連帯の三里塚には、改憲を頂点とする小泉反革命をうち破る道筋があります。人民の未来をきりひらく青年労働者と学生たちとの幅広い交流を何としても実現したいと思います。企画は3日間に及びますが全行程に参加できない人は、現地調査だけ、交流会だけ、援農だけでも構いません。要項を確認し、申し込んで下さい!
  三里塚現地闘争本部

 

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 7月1日(土) 現地調査と交流会
@現地調査
 午後1時〜5時
 三里塚闘争の歴史と闘いの到達地平を知るために、天神峰・東峰の現在と暫定滑走路の破たん的実態を実地に調べます。
▽12時30分、京成成田駅改札前集合。車で来られる人は1時に天神峰の市東さん宅へ。
A反対同盟との交流会  午後7時〜9時
▽交流会のみ参加の人は午後6時、京成成田駅改札前集合。車で来られる人は6時30分に天神峰の市東さん宅へ。

 7月2日(日) 全国総決起集会
 (1面に要項)

 7月3日(月) 援農
 早朝から夕方まで反対同盟宅で農作業を手伝います。
▽用意する物 作業着(上着、ズボン)、軍手、帽子、タオル、運動靴または地下たび、着替え。
※申し込みは、6月29日(木)までに三里塚現地闘争本部へ。

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(週刊『前進』(2250号5面2)(2006/06/19)

 6・15法大→国会デモに立とう

  マル学同法大支部は訴える

 6月15日の法大→国会デモが重大な決戦となった。
 第一に、6・15を言論・思想弾圧に手を染め、法大を戦争に協力する大学に変貌(へんぼう)させようとする平林総長を打倒する日にしよう。
 法大当局は6月5日、「法政大学市ケ谷キャンパスにおける一部学生の抗議活動について−法政大学の基本姿勢」という見解を明らかにした。
 「基本姿勢」は、退学攻撃が思想弾圧であることを自認している。3月14日の事件について、逮捕された学生が立て看板撤去を「阻止しようとした」と言う。つまり実際には、そうした行為はまったくなかったということだ。逮捕も退学も大学への批判者、反対者への見せしめであり、思想弾圧だということだ。
 また、「本学は憲法の定める思想信条の自由や表現の自由の重要性を十分に認識のうえ大学運営を行っております」と主張する。しかし、立て看板を撤去するために警察を大学に引き入れた法大当局にこのようなことを語る資格はない。むしろ「一般社会のルール」と言ってそれを相対化しているのだ。
 さらに「本学学生には、引き続き冷静な対応を心がけ、学業に励むことを求める」と言っている。ふざけるな。自分の学ぶキャンパスで29人の学生が逮捕され、事実もはっきりしないまま「退学」が強行されているのに「関心を持つな」とはなんたる言い草か。
 被処分者5人の決起は法大を変える闘いだ。実際、彼らの闘いに500人が続き大学を追いつめている。学生会館を破壊しサークル活動を妨害し、学生の権利・自主性を否定し続けてきた法大当局に積もりに積もった怒りを今こそたたきつけよう。次は1千人決起の力で法大を変えよう。
(写真 5月26日 法政大学)

 人民の闘いで小泉は倒せる

 第二に、9条改憲につながる国会でのすべての動きを粉砕し、小泉政権打倒に突き進もう。
 今国会での共謀罪の採決は事実上不可能となった。採決強行の動きを何度もはね返して勝利した。「話し合っただけで逮捕」「まばたきで共謀」が共謀罪の本質だ。実行行為がなくとも処罰でき、考え方や思想を処罰するものであり、刑法の原理を根本からひっくり返す「現代の治安維持法」だ。
 「戦争中はものが言えなかった」と誰もが言う。小泉が共謀罪新設を狙うのもまさしく戦争の時代が始まっているからだ。しかし労働者や学生、市民が国会を取り囲んでこれをはねのけた。侵略戦争を許した「負の歴史」をのりこえる闘いが始まっている。共謀罪法案を廃案に追い込もう。
 教育基本法改悪を絶対に阻もう。小泉・自民党は会期末前に連日審議を行い、あくまで衆院採決を狙っている。狙いは「愛国心」教育の復活だ。憲法改悪と一体で「国を愛せ」「国を守れ」を大合唱し、実際には米国や日本などの帝国主義国家が世界を分捕りあう侵略戦争に労働者や学生をかり出すものだ。
 今通常国会は改憲攻撃の本格的始まりだ。しかし、小泉は重要法案を成立させることもできず、昨年の衆院選「圧勝」などなかったかのように危機を深めている。小泉政権の5年間が資本家連中のためだけの「改革」であり、改憲と戦争国家化につき進むだけのものであったことに、怒りが噴出し始めている。
 法大生が6月15日のデモの先頭に立つならば、労働者階級の小泉政権への怒りを解き放ち、小泉政権打倒の巨大な突破口を開く。
 第三に、6・15を改憲攻撃を粉砕し、日本帝国主義を打倒する歴史的な階級決戦の突破口としよう。
 社会の危機が深まっていることは誰の目にも明白だ。しかし、この社会は資本家階級が牛耳る資本主義・帝国主義社会だ。銀行など巨大資本が空前の利益を上げる一方、労働者は失業や生活苦に苦しめられている。若年失業率は10%にもなり、膨大な若者が将来の生活すら描けない。高齢者は医療費が跳ね上がり病院にもいけない。
 支配階級自身も「崩壊する日本」(日本経団連)と危機感を表明しているが、実際に行っているのは、自衛隊の武力行使を容認し、侵略戦争をやる国に変えることだ。そして再びアジアを勢力圏にすることだ。そのためにも改憲が必要だと必死に主張する。
 しかし、われわれに必要なのは、労働者を搾取し、世界から収奪を続け、甘い汁を吸い続けるために戦争をやり、貧困を拡大し、差別や抑圧をつくりだす資本家連中を打倒することだ。
 実は帝国主義は世界的に行き詰まっている。特にブッシュ政権は、経済的危機を深めながら絶望的に戦争政策にのめり込んでいる。長期戦争論のもと世界的な米軍再編で世界戦争に突入している。他方で、ヨーロッパや中東、南米での労働者の闘いに追いつめられている。6・15はこの世界史的流れの先頭に日本の学生運動が立つ日だ。

 自らの手で未来切り開こう

 第四に、6・15を自分たち一人ひとりの行動が大学を変え、社会を変えることを示す闘いにしよう。
 法大生は、大学の決定であっても500人の決起で「退学処分」を粉砕してきた。大学を変える力は学生の団結した行動にこそある。これは今の社会も同じだ。いつまで議会や議員にわれわれの未来をゆだねなければならないのか。議会とは、資本家階級がこの社会を独占・支配していることを「おしゃべり」で覆い隠しているだけだ。
 青年をいつでも解雇できる若年雇用契約(CPE)を撤回させたフランスの闘いはすごい闘いだ。政府や議会が決めたことを労働者や学生の大衆行動で実際に撤回させた。
 社会変革に必要なのは労働者や学生の団結した行動だ。大デモやゼネストこそ世の中を変える。デモやストライキを復権しよう。全国300万学生の改憲阻止ゼネストへつき進もう。

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週刊『前進』(2250号5面3)(2006/06/19)

 事情聴取に怒りの追及 法学部 教授会反論できず

 6月1日、法大野球部祝勝会に参加しようとした平林総長に対して、会場の学生から「帰れ」コールがたたきつけられた。キャンパスでは「6月15日は集会に行きますよ」「3分でいいから発言させて」「友人と一緒に国会デモに行く」との声が寄せられている。
 法大当局は6月5日、「法政大学市ケ谷キャンパスにおける一部学生の抗議活動について−法政大学の基本姿勢−」を公表し、6日には退学処分決定を受けた3人の法大生に対して、名指しで立入禁止を通告する看板を正門に設置した。第二の3・14法大弾圧を狙う攻撃だ。
 しかしこの「基本姿勢」は、3・14弾圧については「学内において逮捕者を出す事態となりました」としか言えず真実から逃げ回っている。退学処分を受けた3人の文学部生が学内で弾圧の真相究明や退学処分撤回を闘っていることに悲鳴をあげ、「特定の教職員に対する侮辱的言動、誹謗(ひぼう)中傷行為」「拡声器を使って自己の主張を一方的に行って」いるなどと泣き言を言っている。
 しかしその上で「本学運営に対する妨害行為については毅然たる態度をもって臨み」と、再び警察権力に売り渡すと宣言している。絶対に許せない。
 法大生は、学生を無視した一方的な学生会館解体や「立て看板やビラまきの禁止ルール」に対して怒りの声をあげたのだ。これに対して法大当局は「学生には、引き続き冷静な対応を心がけ、学業に励むことを求める」と言っている。学生の主体を二度三度踏みにじるもので許せない。
 6月7日には2人の法学部生の事情聴取が行われた。2人の学生は3・14弾圧や自宅謹慎処分に対する怒りの追及を行い、事情聴取を行った法学部教員は2人の主張をただ聞くのみで反論できなかった。これで処分決定を下したら事情聴取など処分決定のためのアリバイづくりだ。6月12日の法学部教授会での処分決定を阻止し、6・15法大1千人集会で退学処分を撤回させよう。

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