ZENSHIN 2006/07/17(No2254 p06)

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週刊『前進』(2254号1面1)(2006/07/17)

 憲法9条を絶対変えるな

 職場・街頭で大運動を

 改憲は戦争と徴兵制の道

 7・30革共同集会に結集しよう

三里塚闘争40年、北延伸絶対阻止へ熱気  集会をかちとり、こぶLを上げる910人の参加者(7月2日 成田市)

 戦争・改憲と民営化(労組破壊)の攻撃に総反撃する今秋11月の労働者大結集に向け、本格的に闘いをスタートさせることを訴えたい。その軸をなす当面最重要の闘いは、憲法闘争としての憲法闘争に全力で着手し、職場・街頭で署名を中心に9条改憲阻止の大運動を巻き起こすことだ。改憲阻止闘争を教労、自治体、全逓、国鉄の4大産別決戦の前進と固く結合して、大胆に創造することだ。それが11月の大高揚と今秋臨時国会闘争の勝利を押し開く。このただ中で、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争と8・15靖国闘争の勝利のために総決起しよう。7・30革共同集会を成功させ夏秋決戦に進もう。

 第1章 日帝の統治形態を転換

 憲法闘争の中心スローガンは9条改憲阻止(憲法9条を変えるな!)だ。これは労働者階級人民が日本帝国主義の侵略と戦争への道を再び絶対に許さないという、きわめて階級的で大衆的なスローガンである。
 9条改憲の攻撃には、日帝が改憲=新憲法制定にかける意図と狙いが集約されている。日帝は今、戦争放棄と戦力不保持・交戦権否認を宣言した9条を解体して、敗戦帝国主義から侵略帝国主義へと国家の統治形態を転換し、再び帝国主義侵略戦争―世界戦争の道に突き進もうと、攻撃を本格化させている。9条改憲とは戦争だ。日帝が「普通の国」=戦争国家となり、徴兵制や学徒出陣の世の中が、またやってくるという攻撃だ。
 具体的に見てみよう。05年10月28日発表の自民党新憲法草案は、現行憲法第2章「戦争の放棄」を「安全保障」に変え、第9条2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」を撤廃し、「自衛軍の保持」を規定している。この「自衛軍」こそは「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保する」「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持」するなどと称して、実際に戦争をやる軍隊なのだ。
 戦前も戦後も、これまで帝国主義のすべての戦争は「自衛」の名によって行われてきた。1928年に締結されたパリ不戦条約が「自衛のための戦争」を禁止対象から外し、帝国主義国が競って軍拡に走り、「自衛権」「生存権」を振りかざして第2次世界大戦に突き進んだことは、歴史の痛切な教訓だ。それゆえ憲法9条が第1項で「国際紛争を解決する手段としては」戦争を永久に放棄すると規定しているだけでなく、第2項で戦力の不保持と交戦権の否認を宣言していることは重大な意味があるのだ。
 ところが自民党は新憲法草案で2項を撤廃し「自衛軍の保持」を規定した。これは日帝が「我が国の平和と独立」とか「国民の安全」とか「国際社会の平和と安全」を口実に、再び北朝鮮・中国―アジア、イラク・中東、そして全世界で帝国主義的侵略戦争をやるための攻撃である。
 すでに日帝・自衛隊は01年9・11反米ゲリラ戦争以降、米帝国主義の「対テロ戦争」の名による帝国主義的侵略戦争に参戦し、アフガニスタン―インド洋に海自艦隊を、イラク多国籍軍に陸自と空自を大規模に派兵し、米軍との共同作戦(後方支援)を積み重ねてきた。それはすでに憲法9条の規定を実質的に完全にはみ出している。
 すでに自民党は、船田憲法調査会長や石破元防衛庁長官が、9条1項「戦争の放棄」が残っていては集団的自衛権は行使できないとの憲法解釈が維持される恐れがあるとして、第1項の見直しをも公言している。現実と憲法の矛盾を反革命的に突破するため、9条を完全に撤廃し、「戦争条項」に変えるのが日帝・自民党の狙いなのだ。

 第2章 労働者の闘いの血と汗

 現行憲法は帝国主義の軍事力保持とその行使を全面否認している点で、世界のブルジョア憲法の中でも特異な存在だ。そこには労働者階級の「戦争は絶対に嫌だ」「2度と繰り返してはならない」という意志と、戦後革命以来の闘いの血と汗が凝縮している。
 日帝はアジア人民2000万人を虐殺し、日本人310万人を犠牲にした第2次大戦―アジア・太平洋戦争に惨敗し、国家として一度は崩壊した。この危機をついて日本の労働者階級はアジア人民の民族解放闘争と連帯しつつ、戦後革命に猛然と決起した。生産管理闘争を軸とした労働者の革命的決起は、46年4〜5月の政治危機(1カ月の政治空白)の過程と、47年2・1ゼネストへの高揚の過程という、二つの決定的山場があった。あと一歩で労働者が権力を掌握するところまで闘いは激発した。
 しかし米占領軍を「解放軍」と規定した日本共産党スターリン主義の屈服・裏切りによって2・1ゼネストは挫折し、戦後革命は敗北するにいたる。だが日帝はよほど徹底した譲歩をしない限り、革命の波を圧殺して延命することは不可能だった。その産物がGHQ・米占領軍と吉田茂ら日帝ブルジョアジーの主導による現行憲法(とりわけ第9条)であり、天皇制ボナパルティズムから議会制民主主義への統治形態の転換だった。この意味で憲法9条こそは戦後革命とその敗北が生み出したものなのだ。
 労働者の戦後革命の空前の高揚は、9条と並ぶ憲法のもう一つの柱である基本的人権の諸条項にも体現されている。さまざまな自由と権利によって構成される基本的人権は、実に「侵すことのできない永久の権利」(11条、97条)と宣言され、特に25条では人民の生存権と国家の社会保障の義務が、28条では団結権・団体交渉権・団体行動権という労働3権の保障が、何の留保もつけずに規定されている。これも憲法の歴史的に特殊な地平を示して余りある。
 米占領軍の武力を背景に、戦後革命をなんとか圧殺し延命した日帝は、憲法体制と日米安保と高度成長政策でブルジョア的復興・発展の過程をたどった。しかしそのもとで労働者は、日帝の執拗(しつよう)な改憲策動との闘いを続けてきた。
 敗戦から10年、憲法改悪を公言して首相となった鳩山一郎の改憲攻撃に対する大反対運動を始め、60年安保も、70年安保も、その闘いの根底には、改憲と戦争への道を阻止するという労働者人民の強い意志とエネルギーの爆発があった。
 そして74〜75年恐慌を転機に日帝の戦後発展が基本的に終焉(しゅうえん)し、体制的危機に突入する中で、80年代の半ば、日帝・中曽根政権は第2臨調(土光臨調)を押し立て、行政改革―国鉄分割・民営化の大攻撃を強行してきた。
 中曽根はその攻撃の目的を「国労が崩壊すれば総評も社会党も崩壊する」「行政改革で大掃除をして、お座敷をきれいにし、立派な憲法を安置する」と公言した。まさに国鉄分割・民営化との闘いも、根底に改憲攻撃との対決があったのだ。
 国鉄分割・民営化に対し、動労千葉は2波のストライキでこれと闘い、組合を守った。そして今も国鉄1047名闘争の最先頭で闘い、反合・運転保安闘争での新たな地平を切り開いている。

 第3章 連合の改憲勢力化阻止

 帝国主義の体制的危機と破産が深まる中で、ブルジョアジー(財界)の総本山である日本経団連は、05年1月に「わが国の基本問題を考える」と「これからの教育の方向性に関する提言」で、憲法9条撤廃と教育基本法改悪を公然と要求した。ここに小泉政権のもとで改憲攻撃は完全に本格化した。そして総評解体により成立した連合は、日本経団連に屈服・対応する形で06年1・19の中執見解を出し、「質の高い公共サービス」論で公務員制度改革攻撃を容認すると同時に、改憲のための国民投票法案に賛成した。これは連合と自治労、日教組を改憲勢力化するための許しがたい策動である。
 日帝は小泉=奥田の構造改革路線のもと、5年間にわたり戦争と民営化・規制緩和、労組破壊の攻撃を激化させてきた。トヨタを始めとする大銀行・大企業、すなわち金融独占ブルジョアジーが空前の利益をむさぼる一方で、労働者は無慈悲にリストラされ、不安定雇用化や賃下げ、極限的な格差拡大、社会保障削減にあえぎ、食べられない、生活できない状態を広範に強いられている。まさに帝国主義の外への侵略戦争、内への階級戦争の攻撃が小泉政権のもとで吹き荒れた。
 ブッシュと小泉は今や日米枢軸を形成し、米軍再編で「地球規模の軍事協力」をうたい、北朝鮮・中国侵略戦争と世界戦争に突き進んでいる。
 憲法9条には労働者階級の戦後革命以来の闘いの血と汗が結晶している。だから労働者階級は改憲攻撃と戦争(戦争動員)を絶対に許さない存在である。改憲阻止決戦は、戦争か革命かをかけた闘いだ。体制的に破産している日帝の打倒=プロレタリア革命を、現実に切り開く闘いだ。その主力は労働者である。特に4大産別の労働者だ。闘いの勝敗は連合をめぐる攻防、とりわけ自治労、日教組の改憲勢力化阻止にかかっている。
 9条改憲阻止を訴えないで「平和基本法」の制定を要求する連合・平和フォーラムでは、戦争や徴兵制と絶対に闘えない。改憲を準備する国民投票法案に反対せず、日帝の「自衛権」を容認するスターリン主義の日本共産党は、9条改憲阻止での広範な統一戦線の要求に敵対し、労働者人民を裏切っている。
 小沢・民主党や高木・連合中央は、改憲や教基法改悪の反動的内容を日帝・自民党と競い合っている。それらの敵対をぶっ飛ばし、今こそ職場・生産点で9条改憲反対の大運動を巻き起こす時だ。職場ごと、組合ごとの決起をぜひともかちとろう。さらに街頭とキャンパスにどんどん打って出よう。学生は法政大を先頭に、改憲阻止の全国ゼネストに突き進もう。9条改憲阻止の大運動を前進させ、今秋臨時国会闘争の勝利と11月大結集の展望を押し開こう。
 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争、8・15靖国闘争は、9条改憲阻止と一体をなす最重要の闘いだ。全力で大爆発をかちとろう。
 最後に、7・30革共同集会に大結集し、一時金カンパ闘争に勝利して、夏秋決戦に圧倒的に進撃することを訴えたい。

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週刊『前進』(2254号1面2)(2006/07/17)

 北朝鮮のミサイル実験を口実とした 米日帝の経済制裁発動と侵略戦争策動を弾劾する

 北朝鮮の体制転覆狙う米日

 北朝鮮スターリン主義・金正日政権は7月5、6日、ミサイル発射実験を強行した。
 これに対して日帝・小泉政権は激しく反応し、5日早朝から安全保障会議を開き、万景峰(マンギョンボン)号の半年間入港禁止など12項目の制裁措置を決めた。さらに国連安保理の開催を要請し、北朝鮮に対する非難決議と経済制裁の発動に向け、米英帝と組んで中心的に策動している。
 この問題で、われわれがまず何よりもはっきりさせるべきことは、北朝鮮・金正日政権に戦争重圧を強め、軍事的に挑発し、侵略戦争と体制転覆をやろうとしているのは米・日帝国主義の側だということである。
 そして、北朝鮮スターリン主義のそれ自身は反人民的なミサイル実験を絶好の口実とした、米日帝の経済制裁発動と侵略戦争策動を徹底弾劾して、今こそ闘わなければならないということだ。
 そもそも米帝は02年の大統領一般教書以来、北朝鮮をイラク・イランなどとともに「悪の枢軸」と呼び、体制転覆を準備してきた。すでに北朝鮮の関係する銀行と米金融機関との取引を停止し、北朝鮮を経済的に締め上げている。日本政府は食料援助を停止し、北朝鮮を圧迫し、人民を飢餓で苦しめている。
 米軍は6月19〜22日にグアム島沖で、北朝鮮と中国をにらみ、この10年間で最大規模の大演習を行った。実に三つの空母機動部隊が参加した。これ自体がすさまじい戦争挑発ではないか。
 そして6・29日米首脳会談では「21世紀の新しい日米同盟」「地球的規模の軍事協力」をうたい、米軍再編の推進を合意し、北朝鮮については特に時間を割いて協議し圧力強化で一致した。
 このような、北朝鮮への米日帝のすさまじい重圧と侵略戦争策動こそが、北朝鮮をぎりぎりと追い詰めている。そこからの反人民的な対抗策がミサイル発射だった。しかし米日帝はそれをも絶好の口実に、いま実際に北朝鮮侵略戦争を発動しようとしているのだ。
 考えてもみよ。北朝鮮の経済力はGDP(国内総生産)でアメリカの600分の1、日本の300分の1だ。軍事費ではアメリカの200分の1、日本の20分の1だ。そもそも米帝は、何千発、何万発ものミサイルや核兵器を持っている。
 また、近代の歴史を見れば、日清・日露戦争を始めとして、侵略戦争を仕掛け、植民地支配を行ってきたのは常に日本帝国主義の側だ。しかも日帝は今日に至るまで数十万人の朝鮮人民の虐殺、強制連行、強制労働、資源と土地の強奪、軍隊慰安婦問題などの国家的大犯罪に対する謝罪も賠償も行っていない。
 このような米日帝が声高に叫ぶ「北朝鮮の脅威」など、再び侵略戦争を発動するための排外主義的な口実でしかない。
 確かに「拉致」問題にせよ、ミサイル発射実験にせよ、北朝鮮スターリン主義が行っていることはまったく反人民的であり、許されない。

 労働者の国際連帯で闘おう

 しかし、だからと言って帝国主義による経済制裁や戦争が許されるか。断じて否だ。それでは何も解決しない。問題は何よりも、米日帝による北朝鮮への体制転覆と侵略戦争の策動にある。それを阻止するために闘うことこそが、日米を始めとした国際労働者階級の差し迫った任務である。
 「圧制者フセインの打倒、イラクの解放」を声高に叫んでイラクに攻め込んだアメリカがやってきたことは何か。女性や子どもを含むイラク人民の大虐殺であり、石油資源の略奪ではないか。米日帝はイラクでやったことを、今度は朝鮮でやろうとしているのだ。
 「拉致」問題も解決どころか、日帝はこれを絶好の口実に、9条改憲や侵略戦争体制を構築しようとしているのだ。
 反人民的な金正日のスターリン主義体制を打倒するのは、帝国主義では断じてなく、南北朝鮮人民自身の決起である。
 日本の労働者階級の課題は、闘う朝鮮人民と連帯して、米日帝の朝鮮侵略戦争阻止、戦争の元凶である日米帝国主義の打倒へ闘うことだ。
 在日朝鮮人民に対する襲撃・迫害を絶対に許すな。北朝鮮への排外主義の嵐を粉砕せよ。今こそ9条改憲阻止、米軍再編粉砕・朝鮮侵略戦争阻止へ闘おう。8月広島―長崎、8・15小泉靖国参拝阻止に決起しよう。

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週刊『前進』(2254号3面2)(2006/07/17)

焦点 〈焦点〉 8・15靖国参拝強行を狙う小泉

 中国への敵意と排外主義

 小泉首相は6月27日夕、日米首脳会談を前に訪問中のカナダで靖国神社参拝について「何回行こうが問題にならない。個人の自由だ」と言い放ち、8・15参拝の意思を表明した。
 9月の自民党総裁選の争点を同行記者団に聞かれ、小泉は「アジア外交は靖国だけではない。靖国参拝すれば、時の首相と首脳会談に応じないというのがいいのか。突き詰めれば『中国の言い分に従いなさい』というのが、靖国参拝はいけないという人たちだ」と中国への排外主義的な敵意と愛国主義・ナショナリズムをあおったのである。
 01年4月、「8月15日終戦記念日の靖国神社参拝」を公約として自民党総裁となった小泉は、以来5度、毎年の靖国参拝を繰り返してきた。しかし中国・朝鮮人民や日本の労働者人民から巻き起こる弾劾の嵐の前に「8月15日」当日の参拝には踏み込むことができなかった。小泉は9月の自民党総裁任期切れを前に「最後の8月15日」の参拝を狙っているのだ。
 そもそも小泉はなぜ靖国神社参拝にこだわるのか。天皇の国のために戦い、戦死した兵士を「英霊」として祭る靖国神社と靖国思想を政府が公認し、再び日本を戦争のできる国にするためだ。
 日帝のアジア・太平洋戦争では2千万人にものぼるアジア人民が虐殺された。労働者や農民を実体とする日本人兵士は侵略戦争に動員され、アジア人民を虐殺し、自らも230万人が殺された。「天皇の赤子」として「特攻作戦」の自爆戦士となり、「玉砕」を強いられた。その約6割は餓死・戦病死だった。これは帝国主義による犬死にではないのか。
 靖国神社は「A級戦犯合祀」を頑として取り下げない。あの侵略戦争、帝国主義戦争を「聖戦」として美化したたえているからだ。小泉は、「靖国参拝は侵略戦争を肯定し美化するものだ」と中国人民、南北朝鮮人民から繰り返し弾劾されても態度を改めない。それは、小泉が再び北朝鮮・中国侵略戦争をやろうとしているからだ。
 6月23日、最高裁第2小法廷は、01年8月13日に「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳した小泉の靖国参拝の違憲性を問う裁判で、日韓の戦没者遺族ら原告の上告を棄却する反動判決に及んだ。
 憲法判断には踏み込まず、「人が神社に参拝する行為自体は、他人の信仰生活に圧迫・干渉を加える性質のものではない」(!)というのだ。問われたのは現職の総理大臣の参拝であり、このようなペテンで小泉の靖国参拝を容認し、尻押しする最高裁を徹底的に弾劾しなければならない。
 北朝鮮の「ミサイル発射」をとらえて経済制裁に踏み切った今、小泉は本格的な北朝鮮・中国侵略戦争への突入のテコとして8・15靖国神社参拝を強行しようとしている。
 昨年8月15日、全学連は靖国神社に突入し、右翼・ファシストが集まる真っただ中で「靖国神社参拝糾弾!」「侵略戦争阻止!」と叫び、実力闘争に立った。闘う朝鮮・中国人民、韓国民主労総と連帯し、8・15小泉靖国参拝を阻止するために闘おう。

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週刊『前進』(2254号4面1)(2006/07/17)

 7・2三里塚 北延伸着工阻止を宣言

 「国家犯罪に負けない」

 閣議決定40年 新たな闘いへ

 三里塚芝山連合空港反対同盟は7月2日、成田空港の暫定滑走路「北延伸」の着工情勢が切迫する中で、この時期としては10数年ぶりの全国規模の総決起集会を開いた。9月にも予想される着工阻止決戦に向けた闘争宣言を発した。
 1966年7月4日の空港設置の閣議決定から40年。三里塚闘争は暫定滑走路の北延伸の着工をめぐる新たな決戦に突入した。国土交通省とNAA(成田空港会社)はこの夏にも工事を強行する構えだ。NAAの黒野社長が7月上旬にも国交省に空港計画の「変更許可申請」をする緊迫した状況での集会となった。
 さらにNAAは6月12日、同盟員の市東孝雄さんに対し耕作地の「解約要求」を文書で送りつけた。集会は、反対同盟の着工阻止決戦の戦闘宣言の場となった。
 雨や晴れが断続する不安定な梅雨空のもと、集会会場となった成田市東峰の萩原進事務局次長の畑には全国から910人が集まった。
 同盟員の宮本麻子さんと伊藤信晴さんが司会。北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立った。「三里塚闘争の新たな戦闘宣言の場だ。NAAは『謝罪』の舌の根も乾かぬうちに北延伸を決めた。怒り心頭に発する。三里塚は40年間、一切の話し合い拒否で闘ってきた。日本の将来を決める新たな闘いに決起する」
 萩原進さんが基調報告を行った。市東さんの農地取り上げ策動、一坪共有地の明け渡しを命ずる反動判決、「東峰の森」破壊の誘導路計画などについて「敵も必死だ。法律や常識を無視した攻撃だ」と指摘。決戦態勢の構築を強く訴えた。「市東さんの畑は90年耕し、やっと無農薬・有機農業で作物が作れるようになった。誘導路が曲がっているのはわれわれの責任ではない。最初から分かっていて大臣が認可し、造った。こんな理屈がまかり通って良いのか」。また一坪共有地裁判については「土地収用法がダメなら民法で取り上げる、これを国家犯罪と言わずしてなんと言うのか」と弾劾。現闘本部裁判の勝利を訴え、三里塚派があらゆる闘いの先頭に立とうと呼びかけた。
 「憲法闘争と三里塚」と題して、反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士がマイクを握り、「9条改憲と北延伸は一体の攻撃」と強調した。
 動労千葉の田中康宏委員長が労農連帯アピール。「三里塚は、国家権力がいかに圧殺してもつぶされない労働者・農民のコミューンだ」と三里塚闘争の意義を語った。三里塚のような非妥協の闘いにこそ歴史を作る力があるとして、幕張構内事故の不当処分を許さないと、この間のJR会社との闘いを報告した。
 天神峰の市東孝雄さんが「NAAや権力の弾圧が強くなると、私の存在価値が出てきたなと感じます。黒野社長から耕作権の解約の要求が来ましたが断固拒否しました。絶対に解約しません」と力強い決意を示した。
 続いて中郷の鈴木謙太郎さんが訴えた。「北延伸はジャンボ機を飛ばして反対同盟を追い出す攻撃です。菱田もジャンボ機の騒音が直撃する。若い労働者、学生のみなさん、ぜひ現地調査、援農に来て下さい」
 現闘本部裁判を支援する会代表世話人の戸村義弘さんは、根拠のないウソや奇弁ばかりの原告NAAを批判し「原告の資格ない」と断罪。裁判に勝利して市東さんの土地を守ろうと訴えた。三里塚野戦病院が「一坪共有地強奪の不当判決を徹底弾劾する」との反対同盟の声明を読み上げた。
 本部役員の鈴木幸司さんが「着工阻止闘争宣言」を読み上げた。夏の攻防から09年に至る3年間を決戦として闘うことを提起、10月8日に全国集会を行うと発表した。
 関西から東灘区住民の会代表の山本善偉さん、泉州住民の会事務局長の国賀祥司泉佐野市議が登壇した。国有入会地守る会の天野豊徳会長と忍草母の会の天野美恵事務局長が入会地奪還の決意。部落解放同盟全国連合会、都政を革新する会、婦人民主クラブ全国協、全学連の織田陽介委員長の決意表明が続いた。

 東峰の森回り敷地内をデモ

 敷地内デモに出発。会場から「東峰の森」の南にある一坪共有地(北原さん名義)前を通り「東峰の森」を一周する初めてのコース。東峰十字路から続いて東峰地区を周回、市東さん宅前から団結街道を北上して、現闘本部前を通過し、市東さんの畑までデモした。薄暗くうっそうとした森林は一度破壊すれば数十年は再生できない。「『東峰の森』の破壊を許すな」の声に力が入った。
 デモ後、反対同盟は記者会見を行い、3代90年の耕作地の強奪は、耕作者の権利保護を目的とする農地法の精神からも認められない、と語った。

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週刊『前進』(2254号4面4)(2006/07/17)

 8月広島・長崎反戦反核闘争へ

 全国統一実行委が呼びかけ

 被爆61年8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会から広島・長崎反戦反核闘争への参加の呼びかけが発せられた。全力でこたえよう。(編集局)

 被爆六一周年の夏を迎えました。
 今、世界は核戦争の危機を加速させています。
 米ブッシュ政権が、「湾岸戦争」以来の劣化ウラン弾攻撃によるイラク侵略戦争を強行し、なお戦術核兵器の開発、弾道ミサイル防衛構想の拡充によって核による世界支配をもくろんでいるからです。
 この背景には、「核開発疑惑」をイランに向け、アメリカの核による世界支配の口実とするために「不安定の弧」をつくり出し「2+2」(日米安全保障協議会)によって米軍再編を推し進め、その中間報告では朝鮮・中国を名指しで先制的核攻撃の対象に挙げているのです。
 こうしたブッシュ政権の核によるアジア侵略は、日本の小泉政権を深々と取り込んで在日米軍基地の再編・統合に乗り出し、沖縄辺野古基地新設、神奈川の横須賀海軍基地への二〇〇八年新造原子力空母の配備・母港化、座間キャンプでの第一軍団司令部の移設など沖縄−本土を貫く侵略出撃基地化を着々と推し進めようとすることに現れています。
 小泉政権はこうした米軍再編計画に協調しながらも、朝鮮・中国を明確に想定した独自のアジア侵略に突き進もうとしています。そのために、すでに保有している四三dのプルトニウム(長崎型原爆二〇〇〇発分)に加えて、本年度春本格稼働を開始した青森県六ケ所村再処理工場でのプルトニウム抽出を強行し、三陸沿岸に甚大な放射能汚染をまき散らした上で核武装を本格的に準備しているのです。
 今こそ「核と人類は共存できない」という究極の反核運動の目標の実現のためにうち立てた「くり返すな! アジア侵略−ヒロシマ、ナガサキ、オキナワ、ビキニを!」というスローガンを高々と掲げ、今夏の反戦反核の闘いを闘わなければなりません。
 そうした闘いが、「人間を返せ!」と叫んだ峠三吉以来の被爆者解放の原点を発展させ、チェルノブイリ事故二〇周年にあたる本年、あらたな被爆(曝)者の国際連帯運動を強化することに必ずつながると確信します。
 時あたかも、通常国会に次々と上程された共謀罪新設、教基法改悪など憲法九条を「戦争の放棄→安全保障」へと変える自民党新憲法草案と一体となった改憲と戦争攻撃が激化しています。
 反戦反核の今夏の闘いでこうした改憲と戦争攻撃を打ち破っていきましょう。(8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会)
〈呼びかけ人〉
入江史郎(ス労自主委員長) 大石又七(第五福竜丸元乗組員) けしば誠一(杉並区議) 坂井留吉(核燃から漁場を守る会) 桜井善作(月刊小新聞『野火』編集人) 下田禮子(反戦被爆者の会) 高山俊吉(弁護士) 田中康宏(動労千葉委員長) 知花昌一(読谷村議) 土本典昭(映画監督) 三角忠(出版労働者連帯会議) 本島等(元長崎市長) 吉田義久(相模女子大学教授)

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★7月17日(月)
◎あらたな核戦争をくいとめよう7・17反戦反核東京集会(要項1面)
★8月6日(日)
◎祈念式典糾弾・小泉来広糾弾デモ
 午前7時半/東千田町公園(広島市中区千田町、広電「日赤病院前」)
◎改憲と核武装阻止!被爆者解放総決起集会
 午前9時半/アステールプラザ(広島市中区加古町4−17)
★8月8日(火)
◎長崎市内での反核宣伝行動(午後1時〜)
◎8・8反戦反核長崎集会
 午後6時/長崎市民会館文化ホール第2第3会議室
      (長崎市魚の町5−1 長崎電軌「公会堂前」)
  講演「8・9ナガサキへの道――重慶大爆撃から日本の侵略戦争を
考える」 梶村晃(平和教育研究者)
★8月9日(水)
◎長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会へ参加
 (主催/長崎朝鮮人の人権を守る会)
 午前7時半/松山公園(長崎市松山町 長崎電軌「松山町」)
◎爆心地デモ
 午前10時/城栄公園(長崎市城栄町 長崎電軌「松山町」)

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憲法の改悪をとめよう! ヒロシマの力で
−被爆61周年−戦争をとめよう!
◎8・6ヒロシマ大行動
 集会 8月6日(日)午後0時30分
    広島県立総合体育館小アリーナ
    (広島市中区基町4−1)
 デモ 午後3時〜5時(平和公園解散)
◎8・5国際連帯集会
 8月5日(土)午後1時
 アステールプラザ(広島市中区加古町4−17)
  主催/8・6ヒロシマ大行動実行委員会
〈関連企画〉
◎8・5労働者産別交流集会
 8月5日(土)午後6時
 アステールプラザなど
  主催/集会実行委員会
◎8・6青年労働者交流集会
 8月6日(日)午後6時
 アステールプラザ
  主催/集会実行委員会
◎8・7学習フィールドワーク
 8月7日(月)
  ▽碑巡りと資料館見学(午前9時〜正午)
  ▽軍港呉・大和ミュージアム

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週刊『前進』(2254号5面1)(2006/07/17)

 ブッシュ&小泉 日米枢軸と世界戦争の会談

 米軍再編推進を合意

 「地球的規模の軍事協力」へ

 ブッシュ米大統領と小泉首相は6月29日、ワシントンで会談し、共同文書「新世紀の日米同盟」を発表した。ブッシュ―小泉が、このような共同文書を発表したのは2001年6月の初会談以来2回目であり、3度目の世界戦争へとつき進む日米枢軸の宣言ともいえるとんでもない文書だ。全力で対決し、米軍再編粉砕、改憲阻止・日帝打倒の闘いに立ち上がろう。
(写真 歓迎式典に臨むむ小泉【7月29日 ワシントン】)

 「新世紀の日米同盟」うたう

 第一に、米軍再編―日米同盟再編の迅速かつ徹底的な推進をあらためて国家間の合意として確認したことが重大だ。
 共同文書は冒頭で、今の日米関係が「歴史上最も成熟した2国間関係の一つ」だとし、「より広範でより強化された協力関係が達成されたことを大いなる満足の意をもって振り返り、21世紀の地球的規模での協力のための新しい日米同盟を宣言した」としている。
 小泉が首相になって以来の5年間に米日帝が強行した侵略戦争と軍事協力のエスカレーションをすべて肯定し、小泉後継政権においても強化・拡大し、日米関係を地球的規模の軍事同盟に飛躍させると言っているのだ。
 共同文書は続いて、弾道ミサイル防衛(MD)や有事法制整備を始めとする日米軍事協力の「著しい進展を歓迎した」と述べた上で、この間の米軍再編をめぐる合意を「米軍及び自衛隊の過去数十年間で最も重要な再編」「歴史的な前進」と評価、その「完全かつ迅速な実施」を強く確認している。
 米軍再編「最終合意」ロードマップは、@朝鮮半島や台湾海峡、中東をにらむ前線司令部として米陸軍第1軍団新司令部を08米会計年までにキャンプ座間(神奈川県)に移転すること、A名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への新基地建設を始めとして沖縄米軍基地を戦争体制の「要石」としてあらためて位置づけ返すこと、B横田基地(東京都)と米海軍横須賀基地(神奈川県)を軸とした対北朝鮮・対中国のミサイル防衛網づくりなど、沖縄・神奈川―日本全土を最前線の出撃・兵たん基地とすることを確認した。Cまた、ロードマップには書かれていないが、横須賀基地への原子力空母移駐も強行しようとしている。
 この中で、米軍と自衛隊は「一緒に訓練し、一緒に出兵し、一緒に生活する」(元在沖米海兵隊司令官の言葉)までに融合・一体化し、日本全国の空港・港湾・鉄道・道路、あらゆる職種の労働者を戦争動員し、米軍と自衛隊が共同作戦を展開すると明記している。
 このとてつもない規模の再編について、日米の首脳が国家間の約束事として改めて確認した意味は大きい。
 1996年「日米安保共同宣言」は、日米安保をアジア太平洋地域に拡大し、周辺事態法、有事関連7法の制定などに道を開いた。「新世紀の日米同盟」宣言が求めるものは「地球規模の協力=日米安保の世界安保化」「日米の一体化」だ。それは、9条改憲と集団的自衛権の全面解禁に直結している。小泉は、イギリスと並ぶアメリカの同盟国として、世界戦争に全面的に参入しようとしているのだ。

 北朝鮮と中国への戦争体制

 第二に、この日米反動枢軸が、何よりも中国と北朝鮮に対する侵略戦争体制づくりとして確認され、すでにどんどん物質化されていることだ。
 共同文書は、日米が「アジアの歴史的変革を共に形作る」と宣言し、とりわけ「個人の自由の促進、政治・経済・軍事分野での透明性と信頼性の向上、人間の尊厳の保護、拉致問題を含む人道・人権問題の解決といった(アジア)地域における共通の課題に対処していく」などの表現で中国と北朝鮮をはっきり戦略対象に置いている。そして、強力な日米同盟を土台にしてこそ「中国の活力を生かす」ことができると、巨大な中国市場の奪い合いに勝利することを目的に据えている。小泉は記者会見で、「日米関係が良ければ良いほど中国、韓国との関係も良くなる」「日米関係と同等の重要性を持つ2国間関係は世界の中で一つもない」と、ことさらにくり返し、靖国参拝をめぐる中国政府・韓国政府の批判など相手にもしない姿勢をあらわにした。
 要するに、「新世紀の日米同盟」とは、北朝鮮や中国を軍事的に組み伏せ、究極的には体制転覆することを射程に入れているのだ。現実に米日帝は、北朝鮮への金融制裁や軍事重圧を徹底的に強め、北朝鮮スターリン主義を絶望的な軍事対抗へ追い込み、それをも絶好の口実にして北朝鮮・中国侵略戦争に踏み込もうとしているではないか。

 米欧対立と日米関係強化

 第三に、帝国主義間の対立、とりわけ米欧対立(米対独仏)が非和解的な様相を深める中で、「成長のための日米経済パートナーシップ」をうたい、政治・軍事・経済の全面にわたる同盟(帝国主義的ブロック形成)として日米同盟を強化しようとしていることだ。
 共同文書は具体的に、@一層の市場開放の推進、物・サービス・投資の効率的移動、A地球規模でのエネルギー安全保障、BAPEC(アジア太平洋経済協力)の強化などをあげている。ブッシュ政権は、日帝に一層の市場開放と小泉「構造改革」路線の継続を求め、中東石油の独占的確保を狙い、米帝の主導でアジア市場の争奪に勝利することを狙っている。
 もちろん、中国・アジア市場の支配権をめぐる日米間の激突もますます非和解化している。しかし、日帝はその帝国主義的脆弱(ぜいじゃく)性ゆえに、さしあたり米帝の軍事戦略と一体化しつつアジア・世界の再分割戦に参入していくしかない。「日米経済パートナーシップ」とは日米の軍事的一体化と表裏一体であり、欧州帝国主義をはじき飛ばし、中国市場・アジア市場の分割と再植民地化を狙うという帝国主義的・強盗的本質に貫かれたものだ。

 改憲阻止・日帝打倒を

 

「新世紀の日米同盟」という反動枢軸の形成は資本主義・帝国主義の末期的危機が生み出したものだ。いよいよ、アメリカ帝国主義と日本帝国主義を打倒すべき時が来たということだ。
 米バブル崩壊とドル暴落の危機、世界支配の重大な危機に直面する中で、ブッシュ政権はさらに戦争を拡大し、核兵器の実戦使用にすら道を開こうとしている。3度目の世界戦争のプロセスはすでに始まっているのだ。この中で、日本政府がアメリカと新軍事同盟を締結する意味はあまりにも重大だ。第2次世界大戦は”持たざる帝国主義”(日独伊)が、イギリスなどの基軸帝国主義に挑戦する形で始まった。しかし今や、日米という世界1位、2位の帝国主義が世界反動枢軸を形成し世界戦争に火を付けようとしているのだ。
 いったい、ブッシュ―小泉の5年間に何が強行されてきたのか。ブッシュ政権は”脅威が現実となる前に先制攻撃する”という先制攻撃戦略をもって01年アフガニスタン侵略戦争を発動し、03年3月には「大量破壊兵器の脅威」をデッチあげてイラク侵略戦争を強行、今もイラク人民に対する残虐な掃討作戦を続けている。小泉政権は、インド洋に海自艦隊を派兵し、イラク開戦時にはいち早く支持を表明、陸自地上部隊の戦時派兵まで強行した。イラク・中東人民の民族解放闘争、全世界数千万人のイラク反戦闘争が爆発し、「有志連合」の国々が次々と撤退していく中でなお、小泉政権はブッシュ政権を支持し続け、今も空自派兵を拡大している。
 同時に、この5年間の小泉「構造改革」で、どれほど賃下げ、不安定雇用化、労働強化が進められ、他方で、ほんの一握りの資本家どもに富が集中する構造が作られてきたのか。「格差社会」と言われるように、いまの世の中が階級社会そのものであることが誰の目にも明らかとなりつつある。そして、日本、韓国、アメリカでの階級的労働運動の台頭を始め、全世界の労働者階級と被抑圧民族が帝国主義打倒の反乱に立ち上がっている。ブッシュ―小泉の5年とは、全世界人民の打倒対象として米日帝国主義が引き据えられてきた過程そのものだ。
 日帝支配階級は、内外の危機の中で、戦後に形作られてきた国家と社会の全体をうち壊し、戦争のできる国へと作り変えなければ帝国主義国家として直ちにはじき飛ばされてしまうという危機感を極限的に強めている。そして、日本帝国主義の側からも米軍再編に積極的に対応し、米帝・米軍とどこまでも一体化することで「戦争のできる国」へと大飛躍しようとしているのだ。
 米軍再編粉砕、改憲阻止・日帝打倒の闘いこそ「新世紀の日米同盟」に対する労働者階級人民の回答だ。国際帝国主義の最弱の環=日本帝国主義の打倒へつき進もう。

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「新世紀の日米同盟」(骨子)

▽日米関係は歴史上最も成熟した2国間関係
▽強化された日米同盟関係をもとに、21世紀の地球規模での新しい日米同盟を宣言
▽日米同盟の基盤は「人権」「テロとの闘い」などの共通の価値観と利益
▽米軍及び自衛隊の、過去数十年で最も重要な再編合意を完全かつ迅速に実施
▽強固な日米協力こそ中国の活力を生かし、北東アジアの平和に資する
▽北朝鮮にミサイル実験凍結順守を求める
▽「日米経済パートナーシップ」をより強化
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表 日米の軍事的一体化 日米の軍事的一体化

91年 ソ連スターリン主義の崩壊
94年 朝鮮侵略戦争の超切迫情勢
95年10・21 沖縄で10万人集会
96年 日米安保協同宣言
97年 日米新安保ガイドライン
99年 周辺事態法の制定
01年9・11 反米ゲリラ戦争
01年9・30 米QRD(4年ごとの兵力見直し)先制攻撃戦略
01年10・8 アフガニスタン侵略戦争開始(→海自艦隊のインド洋派兵)
02年1月 ブッシュ「悪の枢軸」演説
02年12月 米軍再編協議を開始
03年3・20 イラク侵略戦争
6月 日米首脳会談「世界の中の日米同盟」を宣言
04年1月 陸自のイラク派兵開始
04年6月 有事関連7法成立
04年6月 新防衛計画大綱
05年2・19 米軍再編「日米共通の戦略目標」(戦略的打倒対象として中国明記)
05年10・29 米軍再編「中間報告」
06年5・1 米軍再編「最終合意」・ロードマップ
  6・29 「新世紀の日米同盟宣言」

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