ZENSHIN 2008/05/12(No2342 p06)

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週刊『前進』(2342号1面1)(2008/05/12 )

 国際連帯の力でサミット粉砕を

 4大産別決戦を全力で闘い職場から6・29代々木公園へ

 5・15沖縄闘争(5月18日県民大会)に立とう

4・26尼崎 107人を殺したJRを弾劾 JR史上最悪の事故となった尼崎事故を引き起こしたのは国鉄分割・民営化だ。国鉄労働者を先頭とした労働者は、JR西日本と資本に屈服した体制内労働運動への怒りを込めてデモに出た。国鉄闘争を基軸に4大産別決戦で新自由主義の攻撃と全面的に対決する新たな闘いが始まった(4月26日 尼崎)=記事2面

 「労働運動の力で革命をやろう!」が、全世界で合言葉になりつつある。5月1日、米西海岸メーデーストの各会場でイラクの港湾一般労組からのメッセージが轟(とどろ)いた。「労働者だけが良い世界をつくることができるということにわれわれは確信を持っており、あなた方の行動はその実例であり、証左です。労働運動こそが政治の現状を人類の利益のために変えることのできる社会の中で唯一の要素です。国際連帯万歳!」と。こうして今や、新自由主義攻撃は全世界で「墓掘り人」を生み出すものに転化した。白熱的職場実践を土台に、5月沖縄闘争からサミット決戦に攻め上ろう。

 サミット決戦をこじ開ける4〜5月闘争

 4〜5月闘争は、3・16イラク反戦5周年の全世界一斉デモを頂点とする1〜3月決戦の圧倒的勝利と階級的確信のもとで、さらなる路線的深化をかちとりつつ、全面的に闘い抜かれている。
 4月26日、尼崎駅北口広場は、全国から駆けつけた560人の労働者・学生と、参加したり注視する地元住民の熱気で埋まった。107人を虐殺した事故現場は今なお生々しく参加者の胸をさし、デモ隊のこみ上げる怒りが爆発した。
 集会では、動労千葉・田中康宏委員長の開会宣言を始めとして、国労5・27臨大闘争弾圧被告や、国鉄1047名解雇撤回闘争の当該とその家族が立って発言した。
 登壇した4大産別の労働者は、国鉄分割・民営化攻撃は過去のことではなく、6月1日からの導入強行が狙われているJR職場でのライフサイクルを始め、まさに現在の攻撃であることをはっきりと強調した。さらにそれは国鉄だけではなく、4大産別を先頭に全職場での激突になっていることを明らかにした。
 さらにこの前日の25日には、法大キャンパスで、当局の厳戒態勢が逆に学生の怒りに火をつけ、1000人集会が圧倒的にぶち抜かれた。
 そして職場実践をふまえた08年メーデー闘争、「5・2ぶっ飛ばせるぞ!改憲」集会、5・3全国での街頭行動、4〜5月入管闘争などが、サミット粉砕決戦の一環として闘い抜かれた。

 米・イラクの労働者が連帯ストで港湾封鎖

 5月1日、「イラク戦争当事国」アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)とイラクGUPWI(イラク港湾一般労働組合)がともに連帯声明を出して港を封鎖し、米からのイラクへの軍需物資輸送を阻止する一方、イラクからの石油搬出も阻止するという、世界革命の原基とも言うべき、肌に粟立つほどのすさまじい闘いが実現した。
 米西海岸の29の全港湾と、イラク最大の港・ウム・カスル港などが、ストで閉鎖されたのだ。
 韓国・民主労総はメーデーで「6〜7月にゼネストを含めた総力闘争」を宣言して闘い抜き、2日も3日も、ソウルでは数万人規模の集会が爆発・高揚している。インドの首都・ニューデリーでも4月24〜25日ゼネストが実現した。
 イギリスでは公共部門の40万人がストに入った。4月24日、8000の学校が閉鎖ないし部分閉鎖となり、27〜28日は精油所ストで、石油・ガスの4割の供給が止まった。さらに、フランスの教育労働者と5万人の高校生の決起、マルセイユ港24時間スト、ドイツ郵便労働者らのストライキ、スウェーデン医療・福祉労働者10万人スト。またロシアではモスクワ鉄道ストや鉱山ストが続き、イスラエルでも昨年、のべ250万人がストに立っている。
 そしてまた、帝国主義の新自由主義攻撃に対決して、ホンジュラス、メキシコ、ギニア、モーリタニア、セネガル、ウズベキスタン、イエメン、エジプト、パキスタン、バングラデシュなどで、食糧暴動が爆発している。本紙前号(春季特別号)で明らかなように、「史上3度目の革命期」が到来しているのだ。
 こうして今や、到来した革命情勢を現実の革命に転化する階級的路線こそが、全世界で焦眉(しょうび)の課題になっているのだ。

 ライフサイクル深度化攻撃を粉砕しよう

 4・26尼崎闘争を圧倒的にぶち抜いて明らかになったように、革命が問題になっているからこそ、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別の労働運動が労働運動全体の攻防を決する情勢なのだ。
 動労千葉は、ライフサイクル深度化の6月実施に対して、5・8総決起集会をかちとりストを構え闘っている。全逓の東京中郵廃局攻撃粉砕の4・21集会・デモは、超勤拒否と一体の闘いとして重大な勝利を切り開いた。自治体での人事評価制度導入と、教労での査定給導入は、新たな勤評攻撃そのものである。
 だがそこで、われわれが絶対反対で闘う階級の指導部として立つなら、敵のこれらの攻撃は逆に、職場に労働者の団結を拡大する大チャンスに転化するのである。
 こうして、現在のすべての階級情勢が革共同に、革命情勢にみあった党的な団結と階級的団結を迫っているのだ。
 階級情勢を切り開いているものは何か? それは動労千葉労働運動の革命的な魂である団結論を、今日的に階級的団結論として継承・発展させ、自らの武器としてみがいてきた青年労働者・学生の登場である。それは、資本や当局を一瞬でもなすすべがない状態にたたき込む迫力をもって闘われている。
 ここにおいて、すでにこれまでの70年闘争以来の地平は、ついに正しくも乗りこえられていることをはっきりさせて、この決起に続くことが決定的に求められている。
 この2年間で約60人の不当逮捕と、それ以上の処分攻撃を、まったく恐れず、奪還を自己目的とせずに、ただただ団結の強化・拡大を目的にして闘おうとするこの決起は、まさに階級性の徹底的な純化と、一個の「プロ独」思想をもって闘われているのだ。
 階級的団結とはあいまいなフワッとしたものではなく、「理論的な学習」や「承認」の問題でもない。今まさに、プロレタリア革命の現実的達成の土台である地区党の変革、「職場に階級的団結をつくり出すことに一切をかける」「どんな弾圧や反動、孤立もはね返す血の通った団結」、そのための団結体としての地区党の変革が求められているのだ。
 われわれは団結を、11月労働者集会―日韓米の国際連帯の発展の中で確信したが、この地平は今や動労千葉労働運動から学んだ米ILWUとイラクの労働組合との共同闘争にまで発展している。このことの中に、イラク侵略戦争阻止と米・イラクの労働者階級解放の道筋が、鮮やかに示されているではないか。
 さらに今、イスラエルでの労働運動さえも激発している。これが階級の力というものだ。 
 他方で、この階級的団結論の対極をなすのが、血債主義・糾弾主義だ。その行き着いた果ての無残な姿が、部落解放同盟全国連を私物化する旧与田派残党と塩川一派がしがみついている「広島事件」のデッチあげであり、「部落差別なき差別糾弾闘争」である。
 全国連一部指導部の変質と転向を断じて許さずに西郡住宅闘争を先頭に革命的部落解放闘争が開始され、部落解放・日帝打倒、プロレタリア革命の炎が赤々と燃えている。この闘いと連帯し、決意も新たに5・23狭山闘争に総決起しよう。

 米-本土-沖縄労働者の国境越えた団結で

 今年の5・15沖縄闘争(5・18県民大会)は、新たな沖縄闘争の段階を画するものである。昨年の9・29県民大会の12万人決起に対する日帝の巻き返し策動を跳ね返し、青年労働者を軸とした3・16闘争は、本土と沖縄の分断をうち破り、階級的労働運動路線のもとに革命の火薬庫として沖縄闘争の爆発をかちとる闘いの前進を示した。
 そして、このような闘いの前進の要をなしているものこそ、動労千葉労働運動であり、それに学んだ実践である。
 沖縄の歴史は、まさに労働運動の歴史である(『労働者の力で沖縄を奪還しよう』)。今まさに沖縄の青年労働者を先頭とした闘いは、全国の最前線的な真剣な討論と実践をもって、70年安保・沖縄闘争で直面した課題を、勝利の路線でこじ開けつつあるのだ。
 この仲間たちと肩を組んで闘わずにいられようか! その団結の環を断ち切ろうとする「軍事監獄」の現実を、どうして許せようか!
 5・15闘争は「沖縄差別への償い」の闘いではない。イラク戦争や改憲攻撃、増税や食料値上げから環境破壊まで、帝国主義が地球を食い荒らし破壊するのを支え、われわれに賃下げ・リストラや退学処分を押しつける最後の仕組みこそ、沖縄基地を始めとした国家の暴力装置である。
 しかし、そんなものは本土と沖縄の労働者が団結して立ち上がれば吹っ飛ばせる。それこそ日帝打倒の革命に直結し、米帝の世界支配を崩壊の危機にたたき込み、世界革命を切り開く道だ。
 「革命をやりたい」という自らの欲求として、5・15沖縄闘争に職場からの決起を訴え、現地結集を実現しよう。
 アメリカ―日本本土―沖縄労働者の、国境を越えた団結で、沖縄基地を撤去しよう。辺野古新基地建設を阻止しよう。そしてここから6〜7月サミット粉砕決戦に攻め上ろう。

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週刊『前進』(2342号1面2)(2008/05/12 )

 中郵廃局に反撃

 銀座移転の初日に大情宣

 東京中郵から銀座局に業務が移転した5月7日、中郵の闘う労働者と労組交流センターの仲間合計22人が銀座局前で情宣活動を行った。4月21日の超勤拒否と集会・デモの大成功をかちとり、中郵廃局攻撃の狙いを完全に粉砕しての銀座局への登場だ。
 6時半、労働者が出勤し始めてくる。交流センターの仲間は「職場組合員の団結をつくろう」と大書した横断幕を掲げ、3カ所の入り口で「団結して頑張りましょう」と声をかけながら一人ひとりにビラを手渡す。
 7時台に入り、労働者の数がしだいに増えてくる。その中で何人もの労働者との交歓が実現した。横断幕を指さして「あれに賛成です」と声をかけてくる40代の労働者。ビラまき隊に握手を求めてくる労働者。30代の労働者が声をかけて来て「民営化はひどい。郵便局が廃局になって、田舎の親が困っている。悪いのは小泉だ。後期高齢者医療制度もとんでもない」と怒りを語った。
 職制が5人も6人も出てきてメモを取り、隠しカメラで撮影するが、顔を引きつらせているのがよく分かる。それもそのうち一人二人と局舎に引っ込んでしまった。
 「職場を動かしているのは労働者だー」「労働者は団結すれば勝てまーす」。元気一杯の呼びかけに、何人もの労働者がベランダに出てきてビラまき隊に注目している。構内でトラックを運転していた20代の日逓の労働者が車を降りて足早に近づき、ビラを求めた。
 他にも「ご苦労様」と声をかけてくる労働者や会釈していく労働者が何人もいた。400枚用意したビラを完全にまききった。局前に登場して現場の声を示したのはわれわれだけで、体制内派は姿を見せることが出来ない。勝利感に満ちた言葉がビラまき隊みんなの口から次々に出てくる。
 今回の情宣行動の成功は中郵の闘う労働者と動労千葉派が中郵廃局攻撃を完全に粉砕し、勝利者として登場したということだ。同時に、全国で苦闘している全逓労働者がつくり出した勝利だ。全国の全逓労働者が団結を一層うち固め、反撃を始める号砲となった。
 さらに、銀座局において郵政民営化・中郵廃局絶対反対をとことん貫き、体制内指導部を打倒して、中郵細胞が現場労働者の本物の指導部として登場するということだ。すでにそれは端緒的に開始されている。
 中郵での「超勤拒否」の闘いは、中郵労働者の心を確実に揺り動かした。また、今回の労働者とのいくつもの交歓がそれを示唆している。今回の闘いで本格的にその第一歩が踏み出された。「郵政民営化絶対」を貫き、全国で闘いぬこう。
(写真 “全逓労働者はこれから反撃を始めるぞ!”出勤してくる労働者とビラまき隊に闘いの気運と解放感が広がる【5月7日 東京・銀座局前】)

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週刊『前進』(2342号2面1)(2008/05/12 )

 4・26尼崎 事故現場へ怒りのデモ

 第2次国鉄決戦へ突破口

 動労千葉・国鉄労働者を先頭にJR体制打倒誓う

 107人の乗員・乗客の命を奪ったJR尼崎事故から3年目の4月26日、事故現場に「事故弾劾」「JRは安全な線路に造り直せ」という怒りのシュプレヒコールがとどろいた。全国から駆けつけた560人の労働者を結集したこの日の闘いは、第2次国鉄決戦の突破口を切り開くものとなった。05年4月25日の尼崎事故が示したものは、労働者が階級的団結を打ち固め、資本と闘わなければ、殺されてしまうという現実だ。JRによって殺された107人の犠牲者の無念と怒りに応える道は、JRの内部から資本に対する労働者の怒りを解き放つことにほかならない。
 4月26日午後1時、尼崎駅北口広場で「JR尼崎事故弾劾! 4・26労働者集会」が始まった。
 開会あいさつに立った動労千葉の田中康宏委員長は、「事故を起こしたJR幹部を批判することは誰にでもできる。しかし問題は労働組合が何をしていたかだ。だから動労千葉は安全運転闘争に立った。この闘いに、JRは『違法行為』と叫び、運転席に管理者を乗り込ませ、仲間は次々に処分を受けた。JRでは安全を守ることが犯罪になる。だが、譲れないものは譲れない。規制緩和で企業が好き勝手やる社会のあり方を変えよう」と声をからして訴えた。
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾執行委員がアピールに立ち、アメリカの運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさんからのメッセージが読み上げられた。八尾北医療センター労組と部落解放同盟全国連西郡支部の特別報告が続いた。
 国労5・27臨大闘争弾圧被告団長で国労兵庫保線分会の富田益行さんが基調報告に立ち、尼崎事故直後から現場の国労組合員が毎年、事故弾劾の集会を続けてきたと報告した。そして、その闘いが全国の労働者を結集し、4大産別を先頭に新自由主義と全面対決するこの日の闘いに発展したと強調した。また、尼崎事故の原因が、無謀なスピードアップ、日勤教育に示される「命令と服従」の労務支配、安全を無視して造られた急カーブなどにあることを指摘し、「運転士一人に責任を転嫁することは絶対に許せない」と声を強めた。富田さんは、青年労働者を先頭に現場から決起してJR体制を打倒すると宣言し、JRに屈服する国労西日本本部を弾劾して、1047名の解雇撤回と国労5・27臨大闘争弾圧粉砕へ全国に打って出る決意を述べた。
(写真上 全国各地で闘う国鉄労働者が演壇前に勢ぞろい。発言しているのは国労小倉地区闘争団の羽廣憲さん【4月26日 尼崎駅北口広場】 写真下 4大産別の労働者を始め全国から560人が結集し、事故への弾劾と第2次国鉄決戦勝利を誓った。集会の最後に怒りのシュプレヒコール)

 団結し闘って安全は守れる

 集会に参加した国鉄労働者が演壇前に勢ぞろいした。
動労千葉争議団の高石正博さんは、船橋事故闘争の中で自身が組合活動に目覚め、動労千葉の団結がつくられていった歴史を語り、「組合が団結し闘ってこそ安全は守られる」と述べ、1047名の解雇撤回はこうした闘いの中でこそかちとられると強調した。
国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「1047名の解雇撤回の闘いと、安全を守る闘いは一体だ」と発言し、5・27臨大闘争弾圧を徹底的に弾劾して「公安警察と一体化した国労本部を含む4者・4団体路線でどうして勝てるのか」と声を強めた。国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんも、「私は解雇撤回の原則を絶対に曲げない」と断言した。国労バッジ着用への不当な処分と闘う国労組合員の発言が続いた。
国労5・27臨大闘争弾圧被告団を代表して発言した原田隆司さんは、弁護団を再編して新たな闘いに踏み出した闘いに触れ、「われわれは1047名をJRに取り戻す裁判、階級に責任を持てる裁判をやる」と言い切った。5・27臨大闘争弾圧裁判弁護団長の葉山岳夫弁護士も「腐敗した国労本部を打倒し、JR体制と帝国主義を打倒するために裁判闘争に勝利する」と宣言した。
教育労働者、自治体労働者、全逓労働者、医療労働者、民間労働者、学生が決意を述べた。
集会後、参加者は事故現場までのデモに出た。警察の不当な規制を跳ね返してデモ隊は進んだ。事故現場のマンションと急カーブが右手に迫る。ここで107人の命が一瞬にして奪われたのだ。
尼崎事故を二度と繰り返させないためには、労働者が階級的団結を固め職場から資本と闘いぬくほかない。体制内のすべての労組が事故弾劾を口にすらできない中で、動労千葉と国労5・27臨大闘争弾圧被告を先頭とする労働者は怒りを胸にJRを絶対に許さない闘いに立ち上がった。新たな闘いが始まったのだ。
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 4・26集会決議

私たちは、本日、全国からJR尼崎事故現場に結集し、2度と事故を繰り返させない闘いに全国で立ち上がることを誓い合いました。
私たちは107名の労働者と家族の命を奪い562名の負傷者を生み出したJR資本を絶対に許しません。尼崎事故は、利潤追求のために安全を切り捨ててきたJR西日本、資本主義の本質そのものが引き起こした、許しがたい人災です。
また、尼崎事故は、こうした資本の暴虐と闘うべき労働組合が闘わず、資本を支えてしまっている労働運動の現状が引き起こしたのだとはっきりさせようではありませんか。
「2度と尼崎事故のような悲劇を繰り返さない」とは、闘わない体制内労組執行部を打倒して、労働組合を資本と徹底的に闘う存在として蘇(よみがえ)らせる以外にはありません。
動労千葉が尼崎事故をうけて安全運行闘争で130`におよぶ危険なレールを取り換えさせたような闘いを、全国のすべての職場で闘うことです。
中曽根政権から小泉「構造改革」・安倍・福田政権にいたる今日、鉄道に限らず、航空・運輸、医療・福祉、教育、保育そして労働職場などあらゆる領域で”規制緩和””構造改革”の名で安全は投げ捨てられてきました。そのもとで労働者が、家族が何人殺されてきたことでしょうか。大阪府の橋下知事は、石原都知事と手を組んで関西で全面的に推進しようとしています。本当に許せません。
世界でもまったく同じ流れが、「新自由主義」と呼ばれる”規制緩和””構造改革””民営化と戦争”として労働者、農民の生活と生存を根底から脅かしています。
私たちは、こうした全世界的な状況を、労働者の世界的な団結で打ち返していく行動に立ち上がるよう訴えます。今、日本で、全世界で労働者がストライキにたちあがっています。チベット問題は貧困と圧制に抵抗する労働者・農民の決起です。労働者が国境を越えて階級的に団結すれば、「新自由主義」=戦争と民営化で労働者を殺し続ける資本家たちをぶっ飛ばすことはできます。
本日の闘いをあらたな出発点として、11月労働者集会1万人決起で、資本家たちとの闘いに決着をつけにいこうではありませんか! これが尼崎事故に対する私たち労働組合の回答です! JR西日本よ、あぐらをかいているのは今のうちだ! 労働者階級の死をも恐れぬ団結に戦慄(せんりつ)せよ! すべての労働者は団結しよう!
世界金融恐慌にのたうちまわり、新自由主義の凶暴な拡大を決定する7月洞爺湖サミットを労働者の団結で粉砕しよう!
以上、決議する。
2008年4月26日
4・26尼崎事故3ケ年糾弾! 尼崎労働者集会参加者一同

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週刊『前進』(2342号2面2)(2008/05/12 )

 5月1日メーデー

 米とイラクで港湾スト

 戦時下に反戦で連帯決起

 職場・生産点の闘いで情勢開く

 

【左】発言するILWUローカル10執行委員のジャック・ヘイマン(中央)とクラレンス・トーマス(左)の両氏(5月1日 サンフランシスコ)
【右】イラク労働者評議会労働組合連盟はメーデー行動として、政府による労組結成への弾圧を弾劾(5月1日 バグダッド中心部の広場)

 ILWU(国際港湾倉庫労組)は5月1日、イラク・アフガニスタン戦争の即時停止を要求し、「平和でなければ働かないメーデー」行動を貫徹し、米西海岸29の港をすべて止めた。
 戦時下で反戦を掲げて戦略的職場を止める闘いは、米国史上初めてだ。
 この闘いは、労働者階級に圧倒的な自信を与えている。分断支配を打ち破り、06年以来の巨大な移民労働者のメーデー決起と合流した意義は計り知れない。ついに革命情勢を切り開いたのだ。
 北のワシントン州では、AFL−CIO州連盟執行委員会がILWUのメーデー港湾封鎖を支持する決議をし、議長がシアトル港の集会に参加した。ATU(合同交通労組)など多くの労組も参加した。
 シアトル大学、ワシントン大学、シアトル中央コミュニティーカレッジの学生もストをして、ILWUに合流した。
 カリフォルニア州では、CTA(カリフォルニア教員連盟)やサンフランシスコ労組評議会など多くの労組評議会(地区労)が港湾封鎖を支持し、OEA(オークランド教組)や郵便労組を始め多数の労組がILWUの集会に参加した。
 カリフォルニア州立サンフランシスコ大学やカリフォルニア大学バークレー校の学生もストライキで決起した。高校生もストライキで合流した。

 戦争による分断のりこえて団結

 決定的なことは、アメリカとイラクの港湾労働者の連帯行動が実現したことだ。ILWUの港湾封鎖に呼応して、イラク港湾一般労働組合は、ウム・カスルとコル・アルズバイルの両港(事実上の全港湾)でのストを決定した。
 同労組は、ILWUの組合員に熱烈な連帯の手紙を送った。(別掲)
 また、同労組が所属するナショナルセンター、イラク労働者評議会・労働組合総連合(GFWCUI)と所属諸労組は、全世界の労働者に向けて連帯の声明を出した。それに署名している労組は、港湾、石油、電力、鉄道、水資源、教職員、銀行など、イラクの基本的な産業分野のほとんどを含んでいる。
 ILWUが示したように職場・生産点で団結した闘いは、戦争による分断さえ打ち破ることができる。世界の労働者を一つの階級として団結させる力があるのだ。
 この画期的な闘いは、体制内労働運動との壮絶な死闘をとおして初めて可能になった。ILWUローカル10のジャック・ヘイマン、クラレンス・トーマス両執行委員らはメーデー行動決議案をILWU港湾部会に提出し、体制内指導部や他の組合員との激しい議論の末に可決されて行動に移されたものだ。
 彼らは、03年以来動労千葉や韓国民主労総ソウル本部とともに国際連帯を推進し、階級的労働運動の路線を練り上げてきた仲間だ。
 ともに、全世界を獲得しよう。

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週刊『前進』(2342号2面3)(2008/05/12 )

 イラク港湾労組の手紙

 ILWUの兄弟姉妹の皆さん。

 イラク戦争と占領に抗議してメーデーストを決行する勇気ある決断は、われわれの闘いを前進させてくれます。
 労働者だけがより良い世界をつくることができるということにわれわれは確信を持っており、あなた方の行動はその実例であり、証左です。労働運動こそ政治の現状を人類の利益のために変えることのできる社会の中で唯一の要素です。われわれは、あなた方を尊敬し、米国政府の野蛮行為に対する勝利まで、あなた方を支持します。
 過去5年にわたって、占領が生み出した宗派ギャングは労働者の中に対立を持ち込もうとした。労働者や居住地域、市場などを標的にし、無差別に爆発物や迫撃弾を使い、銃を乱射したことは、社会を破壊しようとする大きな企みの一部だったが、彼らの凶悪な目的の達成は惨めに失敗しました。われわれは今、占領当局と宗派民兵の狙いの双方に打ち勝つために奮闘しています。
 かいらい政権は、政府にコントロールされた単一の官製組合を押し付けようとしてきた。民営化を進め、石油・ガス法を制定しようとし、労働者の利益に反して占領を支えてきました。
 われわれ港湾労働者の利害はイラクや世界の労働者の利害と不可分だと考えます。そのため労働者の生活条件を改善し、占領当局のあらゆる策動に勝利する決意です。
 メーデー万歳!
 国際連帯万歳!

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週刊『前進』(2342号3面1)(2008/05/12 )

 沖縄-本土の労働者は団結して 5・15沖縄闘争(5月18日県民大会)に決起しよう

 1972年のペテン的沖縄「返還」から36年。世界金融大恐慌と世界戦争の現実化の中で、世界革命の火薬庫としての沖縄闘争が階級的労働運動の白熱的実践と結合して大爆発していく時代が来ている。5・15沖縄闘争(5月18日沖縄県民大会)で沖縄―本土―世界の労働者は一つにつながろう。5・15沖縄闘争の大爆発で7月洞爺湖サミットをぶっ飛ばそう!

 5・15体制粉砕へ

 労働者の団結が戦争を止める! 5月1日、アメリカの国際港湾倉庫労組(ILWU)がイラク・アフガニスタン侵略戦争阻止のストライキに決起した。2万6千人の組合員の団結で、アメリカ西海岸の全港湾を封鎖し、軍需物資輸送を実力でぶっ止めた!
 このILWUのストにイラクの労働組合が熱烈な連帯のアピールを発し、翌日にはイラクの港湾労働者がストライキに決起した。戦争という最大の団結破壊攻撃をぶち破って、ついにアメリカの労働者とイラクの労働者の団結が始まった!
 5・1ILWUストライキは、動労千葉とILWUローカル10の連帯、11月労働者集会の日韓米国際連帯が切り開いた画期的な勝利だ。そして全世界で闘われているストライキが、国境を越えた労働者の団結をつくり出している。まさに世界は革命情勢だ!
 5・15沖縄闘争は、ILWUのストライキ、イラクの労働者のストライキ、民主労総ソウル本部の闘いとひと連なりの闘いだ。それは、沖縄―本土の労働者が階級的労働運動で一つになろうということだ。「労働運動の力で革命やろう」「職場に第二、第三の動労千葉をつくろう」――この闘いの前進が「世界革命の火薬庫としての沖縄」に火をつける。名護・辺野古への新基地建設を阻止し、米軍基地の全面撤去をかちとる展望を開く。
 昨年、沖縄の教育労働者と自治体労働者が中軸となり、9・29沖縄県民大会12万人の大結集が実現した。この沖縄高教組と「日の丸・君が代」不起立闘争を闘う本土の教育労働者が11・4労働者集会でつながった。昨年末の全駐労のストライキは沖縄―本土を貫いて闘われた。そして「自分の組合を動労千葉のような闘う労働組合にしたい」という青年労働者が生み出されている。その中軸に3・16全世界一斉デモをぶち抜いた沖縄と本土の青年労働者の団結がある。沖縄に基地を押しつけ、沖縄と本土を分断してきた「72年5・15体制」をぶち破る闘いが力強く始まっている。
 3・16を始めとする今年前半の闘いは、体制内的なものとの激突にかちぬいて前進してきた。青年労働者の職場での激突や法政大での激突と同じように、沖縄闘争においても巨大な分岐を生み出している。沖縄闘争を階級的労働運動として闘うのか否かという分岐、動労千葉とともに闘うのか排除するのかという分岐が始まっている。
 体制内労働運動指導部の制動・弾圧をぶっ飛ばして、沖縄の労働者と本土の労働者が階級的労働運動で一つになった時、日米安保体制は吹っ飛ぶ。国鉄・教労・自治体・全逓の4大産別の労働者、基地労働者が団結してゼネストに立ち上がれば、文字どおり革命だ。そうした団結をつくり出す「階級の指導部」へのわれわれ自身の主体的飛躍をかけて、5・15沖縄闘争を闘おう。
(写真 07年5・15沖縄闘争で、名護新基地建設阻止へ全国から辺野古に集まった青年労働者と学生)

 体制内派打倒し

 5・15沖縄闘争で沖縄―本土を貫く労働者の本物の団結をつくり出そう。沖縄の労働者の置かれている現状への怒りを激しく爆発させよう。
 沖縄では青年の圧倒的な部分が低賃金と非正規の不安定雇用におかれている。「基地振興策」のもとで建設関係に就職したとしても物言えぬ無権利状態にたたき込まれ、特に名護・辺野古では「基地建設反対」を訴えれば即解雇という許しがたい現状だ。「基地と戦争を強制し、日々労働者から搾取しているのは同じ資本家ではないか」「基地撤去と沖縄労働者の自己解放は一体だ」――沖縄の青年労働者たちは、動労千葉に学び、労働組合を結成し、職場に団結をつくり出す闘いにうって出ている。沖縄から、辺野古から青年労働者の新たな闘いが開始されている。
 日本の支配階級にとって、戦後帝国主義としての再出発は、日米安保と沖縄の売り渡し、米軍基地の押しつけであった。沖縄に基地を集中し、沖縄の労働者を低賃金・強労働で食い物にすることをてこに本土の労働者にも賃金奴隷としての生き方を強制し、労働者階級を支配してきた。日本帝国主義は、沖縄と本土の労働者の分断で革命を圧殺し、ようやく成り立っているにすぎない。
 しかし今、「基地があるから飯が食える」「沖縄より本土の労働者の方がましだ」といった沖縄と本土の労働者の団結を破壊してきたイデオロギーをぶっ飛ばし、「労働者は一つに団結して革命やろう! こんな資本主義社会は終わらせよう!」と訴える動労千葉派の青年労働者が沖縄現地に登場している。
 沖縄闘争も体制内労働運動との対決の歴史だ。憲法も労働法制もない米軍支配下で、基地労働者が全軍労を結成し、奴隷状態からの解放を求めて、1969年2・4ゼネストに上りつめた。これをつぶしにかかったのが当時の総評だった。この敗北をのりこえようと、全軍労牧港支部の青年労働者が中心になって闘い、沖縄―本土を貫く70年安保・沖縄闘争の高揚がかちとられた。「死すべきは基地だ、労働者は死んではならない!」を掲げた全軍労牧港支部の闘いに呼応して、本土の青年労働者・学生は、戒厳体制をぶち破って71年11月、沖縄「返還」協定批准阻止の渋谷暴動闘争に決起した。
 この闘いに襲いかかったのが、国家権力による星野文昭同志へのデッチあげ逮捕―死刑求刑の大弾圧であり、カクマルの反革命武装襲撃だった。体制内労働運動の裏切り、星野同志への無期攻撃、そして権力と一体となったカクマルの反革命襲撃と職場支配――こうした反動の密集として72年のペテン的沖縄「返還」は強行された。
 だが今や、そうした「5・15体制」の大反動はすべてぶっ飛んでいる。国鉄分割・民営化に絶対反対を貫き団結を守りぬいた動労千葉は、JR資本とJR総連カクマルの結託体制をぶっ飛ばし、ライフサイクル絶対反対のストライキで青年労働者の圧倒的獲得へ向かっている。動労千葉の闘いは日韓米労働者の国際連帯をつくり出し、体制内労働運動の「最後の牙城」である4大産別決戦へと上りつめている。
 3・9―3・16弾圧と法政大の闘いの中で、「星野同志のように闘おう」と、弾圧や処分を「団結拡大のチャンス」として闘う青年労働者・学生が次々と登場している。そして沖縄と本土の労働者が11月労働者集会でつながっている。最末期の危機にのたうつ日本帝国主義には、破産した「5・15体制」に代わる分断支配を確立できるような力はもはやない。

 基地建設阻止を

 体制内労働運動をぶっ飛ばして闘う労働組合の団結を拡大することこそ、新たな基地建設を阻止し、沖縄米軍基地撤去をかちとる土台だ。沖縄と本土の労働者が団結すれば革命だ! 沖縄の青年労働者と固く団結して、4大産別を先頭に全職場に「第二、第三の動労千葉」をつくり出そう。全国の青年労働者・学生は、5・15沖縄闘争に総決起しよう。

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週刊『前進』(2342号3面2)(2008/05/12 )

 「7月テーゼ」と教育労働運動

 一切の希望は教育労働者だ 団結拡大し日教組奪い返す

 今春「日の丸・君が代」不起立闘争を闘いぬき、現場組合員の力で闘う日教組をつくり出そうと最先頭で奮闘する教育労働者から、「07年7月テーゼのもと、階級的教育労働運動を実践しよう」というアピールが寄せられました。(編集局)

 根津さん解雇阻止した絶対反対貫く闘い

 今春卒・入学式「日の丸・君が代」闘争は、根津公子さんに対する解雇攻撃をものの見事に打ち破った。何よりも、根津さん自身の「たとえクビになっても不起立を貫く」という絶対反対の闘いがかちとった画期的勝利である。解雇の恫喝に屈せず、当局とも、また闘いを体制内に押し込めようとするあらゆる勢力とも「折り合いをつけない」根津さんと、ともに闘う教育労働者の不退転の闘いが、教育労働者の不抜の階級的団結を拡大し、敵を追い詰め、石原・都教委の「10・23通達体制」を本質的に打倒したということである。
 2〜3月、根津さんを先頭にした連日連夜の都教委への追及行動と、全国各地の不起立闘争が、教育労働者の階級的団結を日々強化・拡大しながら闘い抜かれた。とりわけ団結の拡大を求めてやまない青年教育労働者の新たな自己解放的決起が次々生まれていることは決定的である。この勢力こそ、「日の丸・君が代」闘争から逃亡し、根津さんの闘いの敵対物となり果てた連合日教組中央に取って代わり、現場組合員の闘いと団結で闘う日教組を奪い返していく主体そのものである。
 さらに、動労千葉など3労組が呼びかけた11月労働者集会を契機に、アメリカ・韓国を始め世界の教育労働者の戦争協力拒否闘争の団結を拡大して闘われたことは、国際階級闘争の発展にとっても決定的であった。この勝利は、革共同政治局の07年7月テーゼのもとでの階級的労働運動路線が、教育労働運動においても音を立てた実践の過程に入った成果である。
 この地平の上に、サミット粉砕から8・6ヒロシマを経て、青年労働者の決起と組織化を軸に、11月労働者集会に教育労働者1000人決起を実現するために、7月テーゼのもとでの階級的教育労働運動の実践をさらに深化・発展させよう。

 血債主義・糾弾主義との決別を宣言する!

 08年「日の丸・君が代」決戦は、階級的労働運動路線と7月テーゼを拒否した塩川一派と全国部落青年戦闘同志会の一部指導部との激しい闘争の渦中でかちとられた。
 わけても同志会一部指導部は、1月12〜13日、部落解放同盟全国連拡大中央委員会の場で「解同本部派、自民党、解放派にも呼びかけて革共同を糾弾する」と叫び、全国連結成の原点を投げ捨て、プロレタリア革命をとおして部落解放をかちとる革命的部落解放運動と革共同へのなりふり構わない敵対者の道へ進み出した。かつて同志会は『荊冠』16号(荊冠編集委員会、1989年1月発行)で、社青同解放派の「内糾」路線を「公然たるレーニン主義の否定であり、共産主義者への部落民の主体的飛躍への公然たる否定、メンシェビズムへの公然たる移行」と徹底的に批判した。その社青同解放派にまで「革共同糾弾闘争」への共闘を呼びかけるとは、共産主義者への部落民の主体的飛躍の否定に自らが転落したことを表明したのと同然である。
 このことは、「広島差別事件糾弾」を利用主義的に掲げる塩川一派との合流の扉を開くことでもある。反マルクス主義・小ブル自由主義、プロレタリア独裁の拒否という本質で、彼らは同根なのである。
 また「差別糾弾」の旗のもとには敵階級とも手を結ぶというのは、血債主義・糾弾主義が階級性の解体にまで至り、部落解放闘争とプロレタリア革命を分断・敵対させてしまうことを自己暴露している。7月テーゼが階級的労働運動路線の本格的前進のために必須不可欠の課題として提起した克服すべきゆがみが、そのまま彼らの現実の姿となって現れ出てきているのである。
 2月24日に塩川一派をも動員して行った「広島差別事件真相報告集会」を経て、同志会一部指導部は4月の全国連17回大会の場で集団脱党=「革共同との決別」を宣言した。われわれはいわゆる「広島差別事件」が、部落差別ではないことをあらためて断言しよう。路線問題をめぐる共産主義者同志間の討論を「差別事件」にデッチあげ、全国連を党内闘争に巻き込み、「差別糾弾闘争」の形をとりながら自らの脱党の水路を開くというやり方は、部落大衆と部落解放運動に対する許し難い利用主義である。
 このような事態は、血債主義・糾弾主義に党中央も含めて屈服してきた結果として、単一の党建設に対する日和見主義が招いたものだと言える。そして、われわれ党員自身が血債主義・糾弾主義のゆがみと無縁ではなかったし、これに呪縛されてきた歴史を持ってきた。
 だが、階級的労働運動の実践の中で7月テーゼに向き合い、「広島差別事件」をめぐって思想・路線・実践で格闘してきたことは、7・7思想の革命的再確立を一切のあいまいさなしに貫徹する実に生産的な過程だった。今春「日の丸・君が代」闘争の勝利と西郡住宅闘争を頂点とするこの半年余りの闘争は、そのことを日増しに実証してきている。
 今こそ思想・路線・実践の全領域において、「血債主義・糾弾主義との決別」を宣言しよう。

 「隣の労働者」の革命性を無条件に信頼

 党としての血債主義・糾弾主義への屈服は、われわれが職場、労働組合において、ともすれば部落民や在日アジア人民、アジア人民に対する血債を倫理的に迫って、「糾弾主義」的に決起を訴えるという傾向として現れていなかっただろうか。例えば「日の丸・君が代」闘争についても血債主義的倫理観を主たるよりどころとして、「差別者にならないために闘うべき」といったゆがみはなかっただろうか。
 不起立闘争に立ち上がった青年労働者は、「たとえ国歌が『君が代』ではない歌であったとしても、強制されればやはり不起立をするだろう」と訴え、帝国主義が階級的団結を破壊して侵略戦争に動員するために「国歌」を強制するという本質を鋭く見抜いている。
 もちろん労働者階級は、日本帝国主義が天皇制のもとに差別主義・排外主義を扇動して行ったアジア侵略戦争や植民地支配、民族抑圧、部落差別への被差別・被抑圧人民の怒りと闘いに学び、共感し、わがこととしてこれと闘う力を自らの内に持っている。しかし、労働者階級のこの力が真に解き放たれるのは、差別主義・排外主義による分断を打破して労働者階級、国際プロレタリアートの団結を求めて立ち上がった時だ。
 「現実の労働者は差別と排外主義にまみれており、糾弾して正さないと革命の主体として目覚めることはできない」という糾弾主義は、労働者党と党員への不信、そして労働者(職場の労働者)への不信となり、絶望を組織し、「労働者は革命に決起しない」論にまで行き着く。血債主義・糾弾主義は階級の団結を破壊し、労働者階級の自己解放闘争を否定する、マルクス主義とはまったく無縁の思想である。それは、かつてわれわれが党内や職場で取り組んだ労働者内部における「差別糾弾闘争」が、労働者に拒絶されたり、自己解放闘争を抑圧する結果にしかならなかったケースが少なからずあったことが示している。そして当然のことながら、そのような糾弾は部落解放闘争そのものを一歩も前進させてこなかったのである。
 逆に今春の「日の丸・君が代」闘争は、「教育労働者は体制内労働運動をのりこえ、『日の丸・君が代』絶対反対の闘いに必ず決起する」という確信に燃えた自己解放的決起として爆発したがゆえに根津さんの解雇を打ち砕いたし、「処分上等!」と言い切れる闘いを実現したのだ。
 賃労働と資本のくびきにつながれているがゆえの労働者階級の革命性を無条件に信頼することができるのかどうか――ここでマルクス主義者としての真価が問われる。そこに体制内労働運動を打倒し、「自分の隣の労働者」に積極的に不起立闘争を呼びかけ、革命を提起して階級的団結を拡大し、組合権力を握り、動労千葉労働運動のような分会、単組をつくる共産主義者になることができるのかの分岐がある。
 プロレタリアートと被差別・被抑圧人民は、階級支配のテコとして差別・分断支配を持ち込む資本・帝国主義を打倒する闘いを開始したならば、分断を打破して一つの階級として団結し、差別・抑圧の壁を自らぶち破っていける――そのことを、われわれは実践において証明してきた。何よりも、動労千葉労働運動を水路に11月労働者集会が実現した日韓米労働者の国際連帯がそうだ。また、アフリカン・アメリカンやラティーノの生徒・保護者とともに闘って、被抑圧民族プロレタリアートが募兵官によって戦場へ駆り立てられることを体を張って阻み、アメリカ帝国主義の侵略戦争反対を貫くUTLA(ロサンゼルス統一教組)の闘いがそうだ。
 差別・抑圧は、帝国主義がプロレタリア革命を阻止するために、労働者階級への分断支配を貫くテコとして再編・強化したものだ。だから帝国主義社会を転覆し、賃労働と資本の関係を廃絶し、プロレタリアートが支配階級になった時、その存在基盤は消滅するのだ。
 そして、プロレタリア革命とプロレタリア独裁を実現する闘いは、あらゆる階層、国籍、民族の違いを越えて、労働者階級の団結の豊かな内実をつくり出しながら団結の究極的拡大を実現する。このプロレタリア革命のめくるめく飛躍性、とてつもない転換性をつかめた時、プロレタリア革命の中にこそ差別・抑圧の廃絶があることに確信が持てるのだ。「労働者階級は、賃金奴隷制の転覆を求めて資本との闘いに階級として立ち上がっていった瞬間に、自分自身の中にある汚物をも自ら払いのけつつ闘っていくことが必ずできる階級」であるという7月テーゼの提起は、このことを言っているのである。
 11月集会の国際連帯的発展からストレートに学び、体が震えるような感動を覚えるのが、労働者的感性である。これを否定し、罵倒(ばとう)する塩川一派は階級移行を拒否した小ブル日和見主義者だ。同志会一部指導部もまた、血債主義・糾弾主義のゆがみを自ら粉砕して、プロレタリア独裁を無条件に承認することができないがゆえに、塩川一派と同じ道をたどっているのだ。

 プロレタリア自己解放貫き全人間解放へ

 教育労働者とは、自分の労働力を当局(文科省、教育委員会)に商品として売り、その労働が、資本と日帝・国家権力の利益を再生産する次世代の労働力商品(労働者階級)を生産する限りにおいてしか生きることが許されない、まぎれもない賃労働者である。それゆえ教育労働者も、労働者であるという一点において階級意識に目覚め、自己を変革し、革命に向かって進むことができる力を内側に持っているし、人のためや償いとしてでなく、自らの解放のために闘うことで全人間の解放を実現できる労働者階級の一員なのだ。
 今、帝国主義の最末期的危機の深まりの中で、教育労働者の団結破壊・日教組解体、職場支配権剥奪(はくだつ)を狙う攻撃は、教育労働者をかつてなく過酷で命さえ削り取る現実に追いやっている。我慢はもう限界に来ている。ここまで教育労働者を追いやったのは、体制内労働運動そのものである日教組本部だ。しかし、沖高教組・沖教組の教育労働者は沖縄12万人決起を組織し、北教組の仲間たちは処分を吹き飛ばす団結で24年ぶりのストライキに決起した。根津さんと全国の不起立派教育労働者は、「君が代」絶対反対の不起立闘争でこれらの闘いに合流した。
 「日の丸・君が代」不起立闘争の革命性は、教育労働者が、その雇い主である日帝国家権力・文科省・教委に対して、真っ向から反乱者の宣言をするところにある。それ自体が革命的決起であり、日教組本部とそれに連なる体制内労働運動指導部とその思想を粉砕して階級的団結を取り戻す闘いである。今春「日の丸・君が代」闘争は、体制内労働運動の制動を吹き飛ばし、職場の団結を取り戻し、同時に改悪教育基本法体制に風穴を開け、一切の攻撃に対する総反乱の狼煙(のろし)を上げたのだ。
 今やわれわれの内なる血債主義・糾弾主義との対決と決別は実践をとおして決定的に前進し、これとは対照的にマルクス主義ともプロレタリア革命とも無縁なところに転がり落ちていく者たちとの闘争の大勢は決した。
 革共同教育労働者委員会のもと、プロレタリアートの革命性に信頼を置ききり、階級的労働運動を全力で実践しよう。そこで生まれる階級的団結のもとに分会・教組権力を握り、第二、第三の動労千葉を無数につくり出す巨大な展望を切り開こう。その闘いの中からこそ、08年11月労働者集会1000人結集の現実性が開示される。
 「私たちってすごいかも!」と訴えたCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)のアーリーン・イノウエさんの階級性を実践をとおしてわがものとし、「一切の希望は教育労働者!」と言い切れる共産主義者への飛躍を実現しよう!
 〔佐伯 剛〕

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週刊『前進』(2342号4面1)(2008/05/12 )

 無実の石川一雄さん不当逮捕45年弾劾 5・23狭山集会へ

 不屈の石川さんとの血盟をかけ狭山第3次再審闘争勝利へ闘おう

 西郡住宅闘争と一体の闘いだ

 部落解放闘争における歴史的分岐が開始された。部落解放同盟全国連合会第17回大会は、部落差別のない「広島差別事件」をねつ造し「革共同糾弾」「革共同との断絶」を声高に叫んだ。これに対し西郡支部を先頭に杉並支部や品川支部が、断固参加を拒否した。部落解放闘争を重大な転向と変質に導こうとする旧与田派=同志会一部指導部の策動を怒りを込めて粉砕しなければならない。われわれは西郡住宅闘争を全力で闘うとともに、狭山闘争の階級的復権をかけて、無実の石川さん不当逮捕から45年を迎える5・23闘争を部落解放運動の新たな出発点として闘うことを、重大な決意を込めてここに宣言する。 小山たかし

 部落解放共闘再構築し階級的な<狭山陣形〉を

 1963年5月23日、狭山事件(埼玉県狭山市で女子高校生が誘拐され殺害された)のデッチあげ弾圧により無実の石川一雄さんが不当逮捕されてから45年――労働者と部落民はその途方もなく長い歳月を経た大きな節目の〈その日〉を、日本帝国主義国家権力への激しい怒りと糾弾の思いを新たにして迎えようとしている。石川さんは45年間のうち、不当な未決勾留や無期懲役刑確定後の服役期間をあわせた32年間もの長期の投獄生活を強いられたのである。94年12月21日に仮出獄をかちとり、14年が経過した。しかし、「自由」とは名ばかりの故郷での残酷な日々である。完全無罪ではなく、「見えない手錠」が今も両手にかけられており、両親の墓参はできず、「しない」覚悟を貫いている。
 逮捕当時24歳だった青年は69歳を迎えた。人生のすべてをかけて、部落差別による殺人犯デッチあげに対する怒りと口惜しさを燃やす石川一雄さんは、国家の権力犯罪・差別犯罪を「無実・差別・徹底糾弾」の立場から、「真実と正義は必ず勝つ」と不屈に闘い続けている。〈完全無罪〉の獲得は、戦争と民営化と改憲と大失業と差別・排外主義の激化との闘いの中で、絶対的に可能であり、革共同には勝利する階級的責務がある。
 そのゆえに、われわれの取り組みにおける狭山闘争の後景化を厳しく見据え、狭山闘争の階級的復権を真剣にかちとらなければならない。そのことによって、不屈の石川一雄さんとの血盟・信頼を取り戻すことは可能であり、狭山闘争を闘う資格を再確立することもできる。この点を率直に、自覚的に確認することが重要だろう。
 われわれは、〈狭山闘争の革共同〉の歴史的矜持(きょうじ)にかけ、狭山闘争を階級的に復権することを宣言しよう! その立場は、階級的労働運動路線と7・7思想の豊かな発展をかちとる任務として鮮明である。労働者階級の〈狭山陣形〉を、部落解放共闘会議の再構築によってこれまでを上回る内実をもって闘いとろう!

 石川さんの怒りと闘魂をわがものとして闘う時

 2006年5月23日、石川一雄さんと狭山弁護団は第3次再審請求書を東京高裁に提出した。これは、確定判決(第2審の東京高裁の寺尾正二裁判長による無期懲役有罪判決)が筆跡、足跡、スコップ、目撃証言、万年筆などの証拠を取り上げて有罪認定したデッチあげと矛盾を暴露し、「強制された自白」の証拠としての徹底した凶暴性と誤りを明らかにした内容である。再審請求の根拠は、第1次、第2次再審請求審提出の新証拠に合わせた今次再審請求審提出の新証拠と確定審までの旧証拠を、「白鳥・財田川決定の立場から総合評価」するなら(すべきである)再審開始の決定以外にはありえない、という主張である(第1次再審請求審は1985年5月27日の特別抗告棄却、第2次再審請求審は2005年3月16日の特別抗告棄却で終結)。
 例えば「筆跡」は、脅迫状をめぐる問題として、部落差別を動員した狭山事件のデッチあげと石川一雄さんの無実を証明すること、すなわち国家の権力犯罪、差別犯罪を暴露する重要証拠である。新証拠の一つは筆跡鑑定であり、「書字条件や心理の違い」や「類似点」だけの強調によって「同一筆跡」とした最高裁・特別抗告棄却決定を覆し、「異筆」であることを証明した内容である。今一つは、当時の石川一雄さんには、「脅迫状は書けなかった」という苦渋の事実があり、「機会均等」の義務教育からも排除され、読み書きの力を奪われていた痛苦な過去に光を当て、識字の取り組みの立場から無実を明らかにした新証拠である。
 『石川一雄 獄中日記―生いたち』を読み直すと、多くの苦難をとおし、読み書きを奪われた部落青年が成長をとげて闘いに決起していく道のりそのものが、無実を活写した記録として、読む者の胸を激しく突かずにはおかないであろう。例えば、次の個所はそのひとつである。
 「(不当逮捕から控訴審で『私はやっていません』と証言する前までは、弁護士が信用できなかった)私のまちがった考えがわかったとき、独房のなかで泣き伏したことを、私は忘れることができません。あとからあとからつのってくるくやしさにあふれる涙でした。これほどまでみごとに、警察権力のワナに陥ってしまった自分の無知さかげんをうらみました。そうしてこの事件のカラクリがわかってくるにつれ、私もひとつひとつ利口になっていくかのように思いました。それは昭和43年ごろになってからでした。その前の昭和42年ごろから、私は文字の読み書きを拘置所のなかで、独力ではじめたのです。控訴審になってから、外部の人に無実を訴えるためには、もはや自分自身の手に頼るしかないと思い、猛勉強をしたのです」 
 その石川一雄さんは、本年の新年メッセージで、「私は意気軒昂(けんこう)であり、様々な感情を整理し、心の準備を整えて今年こそ勝利の道標をつけるべく、強靱(きょうじん)な闘魂を前面に出して狭山勝利・部落の完全解放のため火の玉となって邁進(まいしん)していきます」と、闘魂を燃やして今年こそ勝利するときっぱり明言した。この決意にわれわれは真っ正面からこたえ、再審開始をかちとるために隊伍を整えて決起しなければならない。

 支配・分断に階級の怒りを

 本年3月30日、狭山弁護団は、「犯行現場が虚偽架空である」ことや「逆さづりはなかった」とする有罪認定を覆す5点の「新証拠と補充書」を提出し、さらに5月末には「新証拠・補充書」を提出する予定だという。
 再審請求1年目の07年5月23日、東京高裁第4刑事部の裁判長が交代し、門野博裁判長が担当することになった。門野博は、元名古屋高裁の裁判官で名張事件の再審開始を取り消し、棄却した名うての裁判官である。狭山事件では、確定判決以来33年、再審請求30年間を経て一度も鑑定尋問や現場検証などの事実調べが行われていない。
 狭山闘争の本質は何か。日本帝国主義が、「賃労働と資本」の関係を基底にしたブルジョア独裁を維持するために冤罪事件をねつ造し、無実の石川一雄さんを部落民のゆえに「人質」にとり、「階級的団結分断の手段」とし、拷問や虐待、死まで強制していることである。「支配階級の安寧秩序のイケニエ」にとられ、労働者階級の無実のきょうだいが呻吟(しんぎん)している、ここに、労働者の抑えようのない怒りの発露の根元があり、烈しい戦慄(せんりつ)があり、堪えがたい痛みが疼(うず)いているのである。

 階級的団結の再確立が狭山闘争勝利へのカギ

 労働者(階級)はなぜ、狭山闘争=部落解放闘争を闘うことができ、また、闘わなければならないのであろうか。それは、労働者自己解放にとって必須の課題であるからだ。つまり賃金奴隷としての労働者の特殊的解放をとおして全人民(300万部落民をふくむ)の普遍的解放を実現する上で、不可欠の課題だからである。階級的労働運動路線の立場をもってする狭山闘争の思想的、理論的根拠は「7月テーゼ」にあるのだ。実はこの綱領的提起は、〈本多思想〉を今日的に継承した内容であることが重要なのである。故本多延嘉書記長は、「狭山闘争の歴史的な勝利のために」(1974年4月執筆)の論文で、次のように提起している。
 「プロレタリアートとその革命的前衛としての共産主義者は、部落民のほとんどが労働者人民だから部落解放のためにたたかうのではない。部落民への部落差別を許すことがプロレタリアートの賃金奴隷としての地位を許すことにほかならないから、プロレタリアートとその革命的前衛としての共産主義者は、部落解放のたたかいをたたかうのである。すべての労働者人民は、部落解放のためにたたかうことをとおして、みずからを抑圧している鉄の鎖をたたききるためにたたかっているのである」(著作選第3巻264n) 
 故本多書記長は、労働者人民が狭山闘争=部落解放の闘いを闘うにあたって、さらに次の二つのことを加えて提起していた。一つは、部落解放の闘いは、労働者と部落民にとって、「相互に励ましあう弁証法的な関係をもかたちづくっている」こと、二つは、労働者に引きつけて、「(部落差別攻撃への)みずからの屈服と腐敗をみつめ、それから脱却していくための重大な援助と試練をなしている」というのである。
 われわれは、この〈本多思想〉を踏まえ、「7月テーゼ」が提起する、06年3・14=党の革命が獲得した、今日的に差し迫る課題のひとつである、革共同の部落解放闘争のありかたを根底から転換しつつあるのだ。(逆に言えば、「7月テーゼ」の思想と理論のなかに〈本多思想〉が内在化されているのである)

 「7月テーゼ」で前進しよう

  狭山闘争の後景化という問題に関連して、自己批判の立場を前提にした上で述べるならば、革共同が部落解放闘争=狭山闘争を、全国部落青年戦闘同志会に戦線主義的にゆだねたことから発生した諸問題を厳しく見つめ、全力で格闘し克服しなければならないということである。
一つは、7・7思想のとらえ方における血債主義的なゆがみから、部落解放闘争=狭山闘争を労働者階級自身の闘いとして真に位置づけきれなかったこと、二つには、同志会最高指導部だった与田が革共同中央の一角を占め、血債主義・糾弾主義を貫くことによって、党的団結の破壊のみならず、労働者階級の間に不信をあおり分断を持ち込んでいたことである。
狭山闘争=部落解放闘争を勝利させるには、労働者階級の圧倒的決起が不可欠であり、労働者階級が闘う部落民とのマルクス主義による階級的団結を再確立することがカギを握っているのである。勝利の血路を切り開くことは絶対に可能であり、「7月テーゼ」の立場から、突き進むことが焦眉(しょうび)の課題である。
われわれ労働者階級の狭山闘争=部落解放闘争の歴史は、部落解放共闘会議が担ってきたが、その中軸に座っていたのは、ほかならぬ動労千葉だった。革共同は、部落解放東日本共闘会議の再確立をはじめ、広島はもちろん、とくに関西の地において部落解放共闘会議を再建して、狭山闘争=部落解放闘争の本格的な階級的復権を必ずやなしとげるであろう。
労働者階級は「社会の主人公」として、全人民の解放、つまり部落民の解放のために闘うことができる歴史的存在である。闘う部落民との新たな階級的団結を形成し、狭山闘争の本格的な再建と階級的復権をかけ、不屈に闘う石川一雄さんとの血盟にこたえて、5・23闘争に猛然と決起しよう!
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 集会要項

帝国主義による差別と分断は許さない!
狭山第3次再審勝利! 西郡住宅闘争勝利!
戦争と民営化攻撃阻止!
5・23狭山集会
とき/5月23日(金)開場午後5時45分 開会6時30分
ところ/文京区民センター(3・A)
東京都文京区本郷4・15・14
都営地下鉄三田線春日駅/東京メトロ丸の内線後楽園駅
主催/部落解放東日本共闘会議
★5・23狭山要請行動 同日午後3時 東京高等裁判所

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週刊『前進』(2342号5面1)(2008/05/12 )

 サミット粉砕し世界革命へ!

 法大を先頭に全国ゼネストを5・15沖縄で学生は団結しよう

 革共同中央学生組織委員会

 ついに法大から革命が始まった。われわれは青年労働者、動労千葉、そして日韓米労働者の闘いと一体で、世界革命の扉をこじ開けている! これは06年3・14法大弾圧以来2年、全国学生が法大決戦で団結してきた勝利だ。何より内田君(法大弾圧)、武藤君(富大弾圧)とともにかちとってきた勝利だ。学生は全国ゼネストで洞爺湖サミットを粉砕する! 全世界で決起する労働者階級とともに世界革命を切り開く。今こそ動労千葉のように闘って世界革命をやろう。

4月25日昼、法政大学市ケ谷キャンパスで、第1派法大包囲デモが解放的に闘われた。「授業は支配! デモは解放!」の横断幕を掲げてデモ

 権力・当局と激突し仲間との団結拡大

4月新歓闘争の最大の総括は、法大を先頭に全国の大学で意識的・積極的に当局・権力と絶対非和解で闘い抜き、大学当局も国家権力も圧倒する仲間の団結をつくり出したことだ。逮捕・起訴と闘い団結を拡大する富山大。自治会委員長に対する不当処分と闘い、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)との連帯ストに立った東北大。学生は怒り、団結を求めている。全国大学でストライキに向けた展望をつかんだ。4月決戦は大勝利だ。
 4月25日昼、法大キャンパスに1000人の学生が集まった。「立ち止まるな!」「教室に帰れ!」と叫びまわる教員たち。慌てふためく暴力職員。逮捕なんてできやしない警察権力。分断や競争を拒否し、学生が団結した瞬間、国家権力も大学当局もまったく無力だ。学生の団結がキャンパスを解放し支配した。
 法大では連日、処分・逮捕を恐れず、権力・暴力職員と激突し、一歩もひかず闘い抜いてきた。この激突をとおして闘う仲間同士が毎日、敵を圧倒する団結をつくり出してきたことが勝利だ。
 闘う学生に襲いかかり「このフリーター!」と叫びたてる「キャリアセンター(旧就職部)」の責任者。法大当局にとって「フリーター」は侮蔑(ぶべつ)の言葉であり、人間ですらないのだ! ふざけるな! トラックのコンテナにまるで商品のように詰め込まれて運ばれていく違法派遣の実態。指を骨折しても、「仕事をしないと生きていけないから従うしかなかった」と労災申請すらできず働き続け、体に「障害」が残り、生活保護を受給するしかなくなった青年派遣労働者。資本にとってはどれも「自己責任」だ。法大当局はこうした現実を十分知りながら、「資格を取って差をつけろ」と学生を脅しつけている。「フリーターになったら終わりだ、それはお前の責任だ」と言いたいのだ。とことん競争させ、学生の人間としての共同性と誇りを奪い尽くす。これが法大の姿だ。資本が現場でやっていることを、大学でやっているのだ。
 同時に許せないのは、激突を圧殺・黙殺して平然と授業を行っている教授連中だ。何が「自由と進歩、自立的・批判的精神を持つ人材育成」(増田総長)だ。団結こそ最高の批判であり、最高の真理であり、最高の教育だ。階級激突がキャンパスのど真ん中で行われているのに、これを抑えつけ、黙殺して行われる批判も学問も授業も、すべて学生に資本の奴隷になれということでしかない。それを教授連中が身をもって実践している。大学や教授の名を語っているだけに、とんでもない腐敗だ。 
 しかし、この連日の激突こそ、学生を縛る資本の論理のすべてを否定し、300万学生、2000万青年労働者の怒りを最先端で体現した激突だ。そして分断をぶち破り、仲間と団結していく激突だ。この力が1000人の団結を生み出し、キャンパスを解放しているのだ。
 ストライキこそ当局と最も非和解に闘えるがゆえに、最高に団結できる闘いだ。全国学生は、資本・当局、体制内運動とあいまいさなく激突し、ゼネストで最高の団結をつくり出そう。

 世界労働者と結ぶILWU反戦スト

 すごい闘いが始まった! 11月集会に結集し、ともにスクラムを組んだILWUの仲間が、感動的闘いをぶちぬいた。米西海岸の支配権を握る2万6千人の労働組合が、5月1日のメーデーに8時間ストライキを決行。港湾、倉庫のすべてがストップした。「2008年を戦争を止める年に!」「平和がなければ働かない」――彼らが掲げるスローガンだ。何よりも彼らの誇り高い顔。処分恫喝にも屈せず、現場労働者からの突き上げで本部を動かし、ストを貫徹した。教育労働者はILWUに連帯し反戦授業を行った。ストには他労組員、移民労働者、学生なども合流した。コミューンがいくつも生まれた雰囲気だ。
 何より感動的なのは、イラクの港湾労働者が1時間の連帯ストに立ち上がったことだ。彼らは「われわれ労働者だけがより良い世界をつくることができる」「われわれの闘いの勝利のために手をつなごう。カリフォルニア港湾労働者万歳」と呼応した。
 これが戦争という血の分断をぶち破る労働者の団結だ。これが資本とも、国家とも、戦争とも非和解で闘い抜いた時に生まれる団結だ。これが白人・黒人・ラティーノ、正規・非正規という分断をぶち破った労働者の姿だ。アメリカ労働者階級は、社会の破壊の限りを尽くしながら没落する資本主義体制に対して、ただ一点、団結を武器に立ち上がった。
 ILWUのストライキは動労千葉がともにつくり出し、法大闘争とともにある。全国大学での当局や体制内派との激突は、世界の労働者階級の決起と一体であり、全国学生ゼネストもその一環だ。これこそ世界革命に向けた闘いなのだ。
(写真 4月25日昼、法政大学市ケ谷キャンパスで、第1派法大包囲デモが解放的に闘われた。当局の集会妨害に怒りを爆発させる学生。集会人数はさらに増えた)

 階級的労働運動で基地を撤去しよう

 5・15沖縄闘争は、サミットをぶっ飛ばす決定的な闘いだ。沖縄米軍基地こそ、本土と沖縄の労働者階級、また日本とアメリカの労働者階級を分断するものだ。しかし、沖縄・本土、アメリカの労働者階級が団結すれば、米軍基地も、日米安保も、サミットも一発でぶっ飛ばせる。
 動労千葉派=11月集会派の登場こそ決定的である。9・29沖縄12万人県民大会で爆発した沖縄労働者階級の怒り。港湾ストライキに立ったアメリカ労働者階級の怒り。これを一つにしているのが動労千葉であり、11月集会派だからだ。
 さらに階級的労働運動の団結で辺野古新基地建設を絶対に阻止しよう。職場での階級的団結が資本も基地もぶっ飛ばす力だ。動労千葉とILWUストライキや法大決戦がこのことを鮮明にしている。何よりも70年闘争で沖縄基地労働者は、「死すべきは基地だ。労働者は死んではならない」という革命的スローガンで米軍の銃剣と闘いながらストに立った。だからこそ沖縄の青年労働者は「労働運動の力で基地を撤去しよう!」「労働者のストライキで基地を撤去し、新基地建設をぶっとめよう」と訴え、3・16全世界一斉デモを闘い、12万人決起の地平を発展させる闘いを開始したのだ。この闘いが体制内的なものを突き破る激しさを持っているがゆえに、体制内労働運動、市民主義との激しい党派闘争が始まっている。この勝利の中に沖縄労働者階級の勝利がある。
 動労千葉に学び勝利してきた学生こそが「動労千葉のように闘えば勝てる」という路線を鮮明に5・15闘争に決起し、沖縄の青年労働者と一体となって、階級的労働運動の力で、沖縄・本土の労働者階級の団結をつくり出し、新基地建設をぶっ止めよう。

 4大産別先頭に5-6月攻防へ

 プロレタリア世界革命が勝利する時代がやってきた。われわれの革命への執念と固い団結が革命を手繰り寄せる情勢が来た。全世界の労働者階級の中軸に11月集会派=動労千葉派がいることに革命の現実性がある。サミットに向けた5−6月攻防こそ大決戦だ。
 サミットでは、何よりもアフガニスタン・イラク・イラン問題で戦争と植民地支配をめぐって帝国主義が激しく激突する。さらに「食糧問題」も重要課題とされている。これも誰が世界の食糧を支配し、それをも使って勢力圏を確保し、利潤を得るのかということでしかない。帝国主義は世界金融大恐慌の現実化を前にして、ますます矛盾を爆発させるだけだ。労働者階級がより激しく暴動闘争に決起することは間違いない。だからこそサミットに向けて帝国主義者どもは全世界の労働者階級の決起、その中軸にある動労千葉派=11月集会派の圧殺に全力をあげてくる。
 これこそチャンスだ!サミット粉砕に向けた5月決戦は、あいまいさなく4大産別を先頭にして資本・権力と徹底的に非和解でやりあう決戦だ。階級的労働運動路線で闘う青年労働者、動労千葉を軸に全世界で闘う労働者階級と一体となって、無数の革命の拠点を全国大学に生み出そう。法大決戦に全国学生は立ち上がろう。すべての学生は、マル学同中核派に結集しよう。

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週刊『前進』(2342号6面3)(2008/05/12 )

 富山大学 武藤君起訴に怒り

 「ゼネストで反撃」を宣言

 4月30日、国家権力は富山大学の仲間の武藤淳範(あつのり)君を起訴した。大学構内でビラをまいて逮捕・起訴だ。権力・富大当局よ! 反撃は法大、富山大を始め全国学生のG8サミット粉砕ゼネストでたたきつけることを宣言する!
 国家権力は世界の革命情勢に恐怖している。武藤君の起訴は資本家階級と労働者階級の最先端攻防であり世界の革命情勢と一体だ。世界中でまき起こる労働者のスト! スト! ストの波! 5月1日のメーデーにはILWUが「アフガン・イラク戦争阻止」で米西海岸を封鎖、これに連帯しイラクの石油労働者、港湾労働者が連帯ストを打ち抜いた。戦争当事国同士の労働者が「労働者はひとつだ」と連帯し帝国主義と闘う感動的な団結。革命はすぐそこだ!
 「サミット粉砕」のビラをまいて逮捕・起訴とはわかりやすい! 権力は学生の怒りが資本主義打倒に発展するのが怖いのだ。だが見せしめ逮捕で学生の決起をつぶすことはできない。起訴で学内に革命的分岐が起き、全学連と学生の議論が巻き起こっている。学生の怒りはストレートに団結と革命を求めている。弾圧がサミット粉砕の団結に転化している。「弾圧なくして団結なし。団結なくして弾圧なし」!
 武藤君を権力に売り渡した富大当局は許せない。ゼネストと一体の裁判闘争で、西頭学長を始め腐りきった大学当局を法廷に引きずり出し、富山地裁を震え上がらせる労働者・学生の団結をつくり出す。ビラまき妨害。暴力学生を使った全学連への襲撃。デッチあげ処分。職員の学内徘徊とクラス討論弾圧。講演会には職員30人〜40人を動員しての妨害。学部教官を連れ出して闘う学生の面割りまで! 人間の誇りを奪い、競争と支配で学生を資本家の賃金奴隷に育成する。人間解放の教育・大学が資本主義最後の牙城(がじょう)となっている。
 サミット粉砕の全国学生ゼネストは、大学を資本主義から解放し、労働者とともに革命をやる闘いだ。富山大学の学生は武藤君とともにサミット粉砕のゼネストに立つ!
(写真 不当逮捕弾劾を闘う。職員30人の弾圧をはね返し門前に展開【4月16日 富山】)

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