ZENSHIN 2008/05/26(No2344 p06)

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週刊『前進』(2344号1面1)(2008/05/26 )

 サミット粉砕 火柱立つ

 権力・資本ゆるがす大デモへ

 “革命の火薬庫・沖縄へようこそ”

 労働者の力で基地撤去を

 5・15青年交流集会 “職場闘争委つくろう”

 1972年5・15ペテン的「返還」から36年の5・15沖縄闘争を、沖縄と全国から青年労働者・学生が大挙駆けつけて闘いぬいた。労働者の抑圧物となり果てた体制内労組幹部を突き破り、沖縄・本土の労働者の本物の団結をつくり出して「5・15体制」を最後的に粉砕する闘いが、5・15闘争で力強く始まった。この力で洞爺湖サミット粉砕に突き進み、プロレタリア世界革命の扉を開こう!
  「反転攻勢に出よう。あらゆる職場に職場闘争委員会をつくり『私たちこそが本物の団結の結集体だ』という闘いをしよう。職場の枠を越えた労働者の団結で資本家をぶっ倒すことだけが戦争をとめる力。それこそが洞爺湖サミット粉砕です」
那覇市の沖縄県青年会館で5月18日夜、「オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会inOKINAWA」が210人で開催された。
 集会では、「沖縄と本土をつなぐ団結を! 全国の職場の闘いから」と題し、沖縄と全国の青年労働者が次々と発言に立った(2面参照)。みな職場で当局や組合幹部と大激突しながら、仲間との団結をつくり出して生き生きと闘っている。
沖縄と本土の労働者の団結を分断してきた「5・15体制」を突き破る、沖縄と本土の労働者の団結した闘いがついに始まった。隣の労働者が立ち上がることをとことん信頼し、だからこそ激突を恐れず格闘する。資本と一切折り合いをつけずに闘いぬいて、その中で本物の団結をつくり出す――これこそ今年の5・15闘争の核心だ。
 集会冒頭、「革命の火薬庫、沖縄へようこそ。私たちこそ火薬庫に火を付ける主体です」――富田晋さんが語りかけた。辺野古で新基地建設阻止を闘う富田さんは、海上リーフ案の時には作業員に「基地建設のための労働を拒否しよう」と訴えていた。しかし今は「職場に労働者の団結をつくって闘い、基地建設をとめよう」と働きかけているという。「一人ひとりが職場で闘おう。沖縄で闘う僕らにとっては、辺野古の基地建設を止めることが洞爺湖サミットをぶっつぶすことだ」
 昨年9・29沖縄県民大会に12万人の結集を実現した沖縄高教組の宮城千恵さんが講演した。宮城さんの祖父母は渡嘉敷島で起きた、いわゆる「集団自決」により命を失った。宮城さんは沖縄戦の実相を広く知らせるために昨年7月に発行した英語の絵本『沖縄からの手紙』を紹介しながら、沖縄戦の真実を消し去る政府を強く弾劾した。
動労千葉新小岩支部長の佐藤正和さんがアピール。ライフサイクル攻撃との闘いのただ中で駆けつけてくれた。
 「一人の仲間を守るために全運転士のストライキを配置し、全組合員が立つ。動労千葉は絶対裏切らないことを青年労働者に示す」――平成採の青年労働者の中に動労千葉をつくる闘いだ。
 そしてサミット粉砕の闘争方針を提起した。
 「6月29日に首都・東京でサミット粉砕労働者総決起集会を行う。動労千葉は近いうちに真紅の動輪旗を掲げた動労千葉青年部の大隊列をこの場に登場させる。11月労働者集会1万人結集へ」。佐藤さんの熱い訴えに、参加者の心が躍った。
(写真 全国青年労働者交流集会の最後に「サミット粉砕! 団結ガンバロー」【5月18日 那覇市】)

「復帰36年 5・15平和とくらしを守る県民大会」に青年労働者をはじめ約4000人が結集した(5月18日 宜野湾海浜公園野外劇場)

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週刊『前進』(2344号1面2)(2008/05/26 )

 辺野古現地に駆けつけ 5月19日

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キャンプ・シュワブそばの砂浜で、新基地建設阻止のシュプレヒコール(5月19日)

 5・15闘争に結集した青年労働者・学生は19日、新基地建設阻止へ闘う名護市・辺野古現地に駆けつけた。
 3月にV字型沿岸案の建設へ向けて環境アセスが始まって以来、連日の海上阻止行動が続いている。この日は台風直撃の影響でアセスは行われず、海上行動も中止となった。命を守る会の小屋前のテントやキャンプ・シュワブそばの砂浜で富田晋さんの話を聞いた。
 この日は、昨年5月19日に亡くなった命を守る会代表の金城祐治さんの命日だ。辺野古闘争を闘い、今は東京で組合運動に取り組んでいる青年労働者は「祐治さんに『東京を変えてくれ』と言われたことを忘れない。基地がなければ成り立たない社会のあり方そのものを変えよう。それが『労働運動の力で革命をやろう』の闘い」と訴えた。

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週刊『前進』(2344号1面3)(2008/05/26 )

 沖縄−本土の労働者の生きた団結つくる

 5・15沖縄闘争の意義

 5月18日、宜野湾海浜公園野外劇場で「5・15平和とくらしを守る県民大会」が開かれた。自治労、日教組、私鉄など労組員ら約4千人が結集した。青年労働者の顔が多い。平和行進には本土から2千人、沖縄から5千人が参加した。
 72年のペテン的「返還」から36年、日本全体の米軍専用施設の4分の3が沖縄に集中する現実は変わらない。米軍は沖縄基地を拠点にイラク・アフガニスタン侵略戦争を続ける。侵略軍隊による許しがたい事件・事故……。辺野古では、新基地建設をめぐり海上阻止行動や座り込みが続く。
 この現実に対して、沖縄で階級闘争の大激突が始まっている。昨年9・29県民大会で12万人の大結集を実現したのは、教組や自治労、マスコミ労働者だ。基地労働者の労働組合である全駐労は16年ぶりに2波の全国ストを貫いた。沖縄の労働者階級は、仲井真知事や自・公、連合から日共スターリン主義に至る、あらゆる反動と対決して前進している。
 こうした中で3月16日に那覇で、青年労働者が中心に立ち、動労千葉のストや全国各地のワーカーズアクションとともに集会とデモを闘った。
 9・29―3・23県民大会の地平を発展させ、沖縄労働者階級の自己解放闘争に真に責任を取る闘いは、動労千葉のような階級的労働運動だけだ。勝利を求める沖縄労働者の巨大なエネルギーと葛藤が渦巻く中で、動労千葉派の労働運動がついに沖縄に登場したのだ。
 そして5・15沖縄闘争で、あらゆる分断をぶち壊して沖縄―本土の労働者の生きた団結をつくり出す闘いが始まった。資本と非和解で闘い、労働者の階級性にのみ依拠した労働運動をつくり出す――これこそ本土と沖縄の労働者が本物の団結をつくり出す原動力であり、5・15体制を粉砕し、沖縄を革命の火薬庫たらしめる。
 かつて全軍労闘争で1人の労働者がビラに書いた「死すべきは基地であり労働者は死んではならない」という言葉は、多くの基地労働者―沖縄労働者の心を一気に捉え、全軍労闘争の象徴的なスローガンとなった。これを再び革命の標語として復権する時が来た。
 辺野古の新基地建設をめぐり、「基地なしでどうやって生きていくのか」という労働者の問いに対して、「労働組合をつくって闘い、基地がなければ生きられない社会そのものをひっくり返そう」という闘いが始まっている。基地が死ぬ時、それは団結した労働者が社会の真の主人公として革命を勝利させる時だ。
 5月1日のメーデーで米国とイラクの港湾労働者が連帯して港湾を封鎖した。交戦国同士の労働者が戦略的生産点を停止させる――これが労働者の力だ。団結した労働者の力を職場・生産点で行使すること、ここに唯一の革命の展望がある。
 激動する沖縄階級闘争は革命を欲している。「労働運動の力で革命やろう」を職場で実践してきた沖縄と本土の青年労働者の団結をつくり出した今年の5・15沖縄闘争の意義は大きい。

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週刊『前進』(2344号1面4)(2008/05/26 )

 6・29へ動労千葉が呼びかけ

 戦争・新自由主義と対決を

  「6・29全国労働者総決起集会」に向けて、動労千葉から発せられた呼びかけ文を掲載します。全力で結集しよう。(編集局)
 戦争―失業、貧困、民営化にたち向う労働者の国際的団結を!
 サミット粉砕6・29全国労働者総決起集会の呼びかけ
 いま世界の帝国主義は、最末期ともいうべきどんづまりの危機に突入しています。その危機の中ですべての労働者人民に対して世界戦争と新自由主義―民営化、失業、貧困、飢餓の攻撃がおそいかかっています。
 その全世界共通の攻撃に対して労働者・人民の反乱が燎原を焼きつくす勢いで始まっています。まさに「世界は革命情勢だ」というべき時代に入りました。
 5月1日、「イラク戦争当事国」アメリカのILWU(国際港湾倉庫労働組合)とイラクGUPWI(イラク港湾一般労働組合)がともに連帯表明を出し、港を封鎖し、米からの軍需物資輸送を阻止する一方、イラクからの石油搬出を阻止するという画歴史的な闘いが実現しました。米西海岸の29の全港湾とイラク最大の港ウム・カスルなどがストライキで閉鎖されたのです。1886年5・1メーデーにシカゴを中心に35万人がゼネストに決起した以来の闘いです。この闘いで史上初めて8時間労働制を勝ちとりました。私たち3組合が呼びかける11月集会に参加しているILWUローカル10などを先頭にして闘いとられたものです。
 韓国民主労総も6〜7月にゼネストに決起しようとしています。インドの首都・ニューデリーで4・24〜25ゼネストが実現しました。イギリスでは公共部門40万人がストに入りました。フランスでは教育労働者の全国スト・高校生の決起、そしてマルセイユ港もストで閉鎖されました。ドイツでは郵便労働者、ベルリン交通局の労働者、保育園、学校、自治体の労働者もストライキにたちあがっています。スウェーデンでは、医療・福祉労働者10万人がストにたちあがっています。同時に中南米、アジア、アフリカ、中東などで食糧暴動が爆発しています。
 この世界の労働者の闘いに連帯して私たちは、春闘ストライキに決起しました。そして青年を中心として職場から資本と連合指導部と全面対決する闘いが巻き起こっています。全国17カ所の3・16イラク反戦・全世界一斉デモがうちぬかれ、東京における6人逮捕に怒りが爆発し、職場と地域で団結が決定的に拡大しています。いまや日本の青年労働者・学生を先頭とした闘う労働者の希望は「団結の拡大」です。
 このような世界中の労働者の総反乱の中でサミット=首脳会談(アメリカ、日本などの8カ国)が北海道洞爺湖で7月7日〜9日開催されようとしています。まさにこのサミットは総反乱を開始している世界の労働者人民の怒りの集中点です。
 首脳会談で何がテーマになろうとしているか。それはあまりにも明らかです。帝国主義の末期的危機のなかで、その犠牲をいかに労働者人民に転嫁するか、争闘戦―世界戦争、新自由主義、そして労働組合破壊のための強盗会議そのものです。
 イラク・イラン・アフガニスタンへの侵略戦争、世界戦争推進会議などどうして許せるでしょうか。同時に北朝鮮、中国の体制的危機の中で、米日による東アジアへの新たな侵略戦争策動を強めようとしています。もうひとつは、泥沼的な新自由主義のエスカレーションであり、労働者への競争と分断のもちこみ、失業、貧困、飢餓をもたらそうとするものです。断じて許すことはできません。
 サミット粉砕の闘いに職場から総反乱を組織しよう。世界中で闘いが爆発しているように全職場で資本との絶対非和解の闘いに決起しよう。職場権力を握り、ストライキにたちあがろう。労働者階級の階級的団結、国際的団結を全世界に示そう。団結の拡大こそが勝利です。その中心に国鉄・郵政・教労・自治体の4大産別の労働者がたつことです。第二次国鉄決戦に総決起し、JR体制を打倒しよう。1047名解雇撤回、反合・運転保安闘争にたちあがろう。組織拡大をかちとろう。郵政民営化絶対反対、物ダメ闘争にたちあがろう。「日の丸・君が代」反対―不起立闘争にたちあがろう。根津・河原井解雇阻止、米山解雇撤回。自治体「丸ごと」民営化反対、職場から人事評価制度拒否の闘いをまきおこそう。
 この職場からの闘いを6・29全国労働者総決起集会に結集させよう。首都をゆるがす大デモをぶち抜こう。闘う学生は、その最先頭で全国学生ゼネストにたちあがろう。闘うすべての労働組合、労働者・人民の皆さんの賛同と参加を心よりお願いいたします。

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週刊『前進』(2344号2面1)(2008/05/26 )

 ライフサイクル発動を絶対許すな

 スト配置し強制配転阻む

 動労千葉 “緒戦の大きな勝利”

  JR東日本が6月1日から発令しようとしている「ライフサイクル」(=運転士の駅への強制配転)をめぐって5月21日、配転の事前通知が強行された。
 動労千葉は機関紙「日刊動労千葉」(5月22日付)で、ライフサイクル強行を激しく弾劾し、「何年かかろうがライフサイクル制度そのものを粉砕するまで全力で闘いぬく」と宣言した。同時に「組織の総力をあげた臨戦体制をとって闘いを展開し、当面の獲得課題であった(動労千葉組合員)滝君の駅への不当配転を阻止するという緒戦における大きな勝利をかちとった」と総括し、いったん闘争体制を集約した。これはものすごい勝利だ! 闘えば必ず勝てるということだ。
(写真 ライフサイクル粉砕まで闘うぞ!【5・8動労千葉総決起集会=動労千葉ホームページより】)

 絶対反対の勝利

 動労千葉は同紙で、この勝利を以下の三つの点から総括している。
 第一に、この勝利を切り開いた力は「攻撃の矛盾を徹底的に突いた絶対反対の全組合員をあげた闘い」だとしている。
 動労千葉は3月14日に春闘第1波ストを打ちぬいて以降、数カ月間にわたっていつでもストライキに入れる万全の闘争体制を全支部で堅持して闘いぬいた。この闘争体制を背景に、説明会への抗議・追及、団交の強化、顧問弁護団との法的検討を重ねてきた。そして何よりも、職場において現場長への徹底追及と怒りの組織化に総力をあげた。その最先頭に立った当該の滝君は、当局と徹底非和解で渡り合った。

 敵の矛盾を突く

 第二に動労千葉は、この勝利は「シニア制度以来7年間にわたる『第二の分割・民営化攻撃』との闘いの成果でもある」と提起している。
 JR東日本本社はこの間の団交で、「(ライフサイクルに関する)労働協約を締結していない労働組合には、協約の効力は及ばない」と動労千葉に回答せざるをえなかった。当局はあくまで「協約の有無と関係なく、通常の異動としてやる」と強弁し、動労千葉組合員にも異動を発令できるとしているが、あまりに矛盾に満ちている。それならなぜ、他労組と協約を結ぶ必要があったのか。
 業務外注化とセットになったシニア制度を開始した当時、当局は「少数組合の団体交渉権を尊重しなければならないから」などとうそぶいて、協約の妥結を拒否した動労千葉の組合員の再雇用を拒否して首を切ったのだ。こんな理不尽な暴挙を重ねてきたことが、ライフサイクルでJR資本にはね返ってきたのだ。
 とことん原則を貫いてきた動労千葉の闘いが、矛盾だらけの敵の攻撃を突き崩したのである。

 職場の団結の力

 第三に動労千葉は、この勝利は「平成採の仲間をはじめ、職場の怒りの声を全力で組織したことによってかちとられた。労働者の力は職場の団結にこそある」と総括している。そして、「何よりも大きな成果は、数カ月間に及ぶ闘いによって、この攻撃が無理を押し通すがゆえに矛盾に満ちたものであり、職場から絶対反対の声を組織して立ち上がれば必ず粉砕できるという展望をつかみとったことだ」としていることが重要だ。
 JR資本は、ライフサイクルへの青年労働者の怒りがあまりに激しいがゆえに、東労組を始めとする体制内労組の屈服=「労使合意」を取り付け、さらに運転士一人ひとりを呼び出して「配転承諾書(面談調書)」まで書かせた。そこまでやらなければライフサイクルを発動できなかった。青年労働者の反乱の予兆に恐怖し、追いつめられているのは資本の側だ。
 ライフサイクル発動は、JR体制打倒闘争の開始のゴングだ! 今すぐ平成採の労働者に動労千葉の勝利を持ち込もう。ライフサイクル粉砕まで徹底的に闘おう。

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週刊『前進』(2344号2面2)(2008/05/26 )

 全国青年労働者交流集会in沖縄 青年労働者がパワーアップ

 “本物の団結をつくる”

 6・29集会へ職場で闘おう

 

左】 パワーアップした青年労働者集会。動労千葉から佐藤正和さんが参加し「感無量です」とアピール(5月18日 那覇市)
【右】 「サミット粉砕の法大ストをぶち抜くぞ!」――全学連集会は、革命の現実性をG8にたたきつけると宣言(5月17日 那覇市)

全国青年労働者交流集会in沖縄では、全逓、教育、自治体、交通、医療そして沖縄の民間労働者が発言に立った。職場闘争の実践のなかでつかんだ確信が語られ、会場全体で共有した。(1面参照)

 闘えば必ず仲間ができる

 「青年労働者交流集会はすごいパワーアップしている。感無量だ」(動労千葉・佐藤正和さん)
 集会に結集したのは、資本・当局、体制内派と非和解で闘い、何より自分自身と格闘しながら職場闘争を実践して「パワーアップ」した全国の青年労働者たちだ。司会を務めたのも、「有給休暇を取ればボーナス査定にひびかせる」と脅す社長と闘い有休を取得し参加した合同労組の青年労働者だった。
 今年初めて「君が代」不起立を闘った教育労働者。「職場の仲間から何を言われるか最後まで不安だった」とその心中を告白する。だが、卒業式でいざ不起立してみると、入学式前日に「明日どうするの? 頑張ってね」と同僚が声をかけてきた。職場に動きが出てきた。「闘えば仲間ができると確信した。不起立できてうれしい」と生き生きと報告した。
 ファシスト橋下・大阪府政と闘う自治体労働者。職場で当局と激突した。自分の決起で職場の仲間がどう思うか心配だった。「僕が言いたいことを代弁してくれた」と励ましてくれる職場の仲間たちに、「逆に職場の仲間を信用しきっていない自分が露呈した」。信頼関係がより強くなった。以前は一番苦しいと感じた職場闘争が今では「一番楽しい」。
 突然の雇い止めを受けた全逓労働者。朝礼で課長を追及し、ストライキを宣言。顔も見たことがない職場の労働者が課長追及にともに立ち上がる姿に「本当に労働者はひとつだと実感。職場こそ革命の火薬庫だ」。
 資本・体制内派と非和解で自分が決起した時、隣の仲間が立ち上がった。団結を肌で感じてきた青年労働者は自己解放性に満ちていた。

 沖縄の青年労働者が力強く

 集会の結集軸として屹立(きつりつ)したのが沖縄の青年労働者だった。3・16イラク反戦デモを組合決定で取り組もうとしたが、思うようにいかなかった。「職場で本当に団結をつくりだしているのか」(民間労働者Aさん)。連日、夜遅くまで議論を重ねた。「動労千葉派として職場に登場し分岐をつくりだし、体制内派と闘う。職場の仲間を信じて原点に返ってやる」と発言したAさん。
 本集会を呼びかけたBさんは合同労組の役員。直前に組合の中心的な仲間が脱退した。「自分のあり方を突きつけられた。一人ひとりの組合員と向き合って、一緒になってのりこえていく。これが本当の闘い。自分が変わることが世界を変える第一歩」と涙ながらに決意を固めた。沖縄の青年労働者の団結が固まった。沖縄に階級的労働運動の結集軸が立った。
 「落ち込んだり、悩んだりしてきた。しかし、仲間がたくさんいる。みんな闘っていると思って、前を向いて一からやり直す」(Bさん)。全国で同じように格闘する仲間との団結があるから闘える――「革命の火薬庫」は資本・当局と労働者が正面から激突する自分の職場にこそある。革命の火薬庫・沖縄と職場がひとつになった。

 階級の指導部への飛躍を

 「あらゆる職場に職場闘争委員会を」――医療労働者はサミット決戦の方針を端的に提起した。
 職場闘争委員会とは「本物の団結の結集体。職場の実力闘争をかちとって職場の枠を越えて団結する本物の執行部」。自分たちが「本物のリーダー」つまり階級の指導部へと飛躍することだ。「労働者が絶対に立ち上がると信じきること。迷った時に労働者の団結にかけきること。労働者こそが世の中を動かす主人公だと信じきること。さらに新たなリーダーを生み出すこと」である。
 「今こそ団結し、労働者一人ひとりが主人公となるその日まで闘っていきましょう!」と力を込めた交通労働者の発言。
(写真 辺野古現地で戦いの決意を新たに【19日】)

 「職場権力を取る」闘いへ

 彼をオルグした職場の先輩は「後輩の決起に確信を持ちきれていなかった。古い自分は、彼の決起によって打倒された」と決意を新たにした。「決起した仲間とともに職場権力を取る」
 「隣の仲間に闘いを呼びかけて、方針を出す」(教育労働者)。「動員を単に増やすことが組織化ではない。社会変革の主人公としての一人ひとりの決起をともに喜びあえることが本当の組織化」(自治体労働者)。「労基署は雇い止めが合法的という。法律ではなく職場の仲間との団結にかけきる以外にない」(全逓労働者)。オルグとは、仲間とつながり団結すること。青年労働者交流集会は「本物のリーダー」を生み出す大きな一歩となった。

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週刊『前進』(2344号3面1)(2008/05/26 )

 教育労働者はサミット決戦へ

 今春闘争の地平を発展させ職場支配めぐる通年攻防を

 革共同教育労働者委員会

 08年卒・入学式闘争は、根津公子さんへの解雇攻撃を跳ね返し、階級的団結をつくりだす不起立闘争への飛躍をかちとった。この地平を日常的職場実践としてさらに発展させ、6〜7月サミット決戦に総決起しよう。

 全世界でストと暴動が

 帝国主義の最後の延命策としての新自由主義は、労働者階級に耐え難い搾取と貧困を強制し、資本主義の墓掘り人を生み出した。経済の投機化・バブル化は住居も食糧も食い物にし、暴利をむさぼったあげく世界金融大恐慌に行き着いた。
 利潤のために生産する資本主義は、体制として歴史的破産をとげた。労働者階級が生産手段を奪取し社会の主人公となる共産主義こそが人類の未来を切り開く。
 全世界で巻き起こるストライキと食糧暴動は、労働者を食わせていけなくなった資本主義への総反乱だ。戦争当事国の米ILWU(国際港湾倉庫労組)とイラクの港湾・石油労働者のストライキによる交歓は、帝国主義戦争を国際的内乱に転化する闘いの始まりだ。
 洞爺湖サミットは、労働者階級の闘いを鎮圧し、アフリカをはじめ世界の市場と資源を分捕り合うための強盗会議だ。G8法相・内相会合の議題は、新自由主義が生み出した「青年と移民の過激化」への対処だという。革命情勢におののく国際帝国主義を労働者階級の国際的団結で迎え撃とう。世界革命をたぐりよせる闘いとして6・29サミット決戦をかちとろう。
 日本における最大の新自由主義攻撃であった国鉄分割・民営化攻撃に勝ちぬいた動労千葉は、いよいよライフサイクル粉砕=平成採獲得の闘いをもってJR体制を根幹から覆す闘いに突入する。この闘いを最先頭に、全産別全職場で資本・当局と非和解的に激突する闘いを開始しよう。「日本に動労千葉派あり」を全世界に示し、階級的労働運動―マルクス主義を復権しよう。5・1西海岸港湾封鎖を闘ったILWU、6月末からゼネストを含む総力闘争に突入する韓国・民主労総とともに、11月国際連帯のさらなる発展を切り開こう
(写真 職場闘争の軸として不起立闘争を打ち立てたと報告する米山良江さん【5・11全国入管集会】)

 職場に階級的な団結を

 革命情勢への突入に対応して、プロレタリアート独裁を今日的に準備する闘いとして職場生産点で階級的団結をつくりだす階級的労働運動の実践が問われている。とりわけ、4大産別こそ新自由主義攻撃との最大の激突の戦場であり、ここに革命への意志に貫かれた団結をつくりだすことにプロレタリア革命の成否がかかっている。

 新自由主義攻撃は階級戦争

 戦後帝国主義の国家独占資本主義政策のもとで拡大してきた公共サービス部門は、新自由主義にとって解体の対象である。その基本手段が、市場原理を駆使したNPM(新公共経営)と呼ばれる民間的経営手法の導入、すなわち民営化=労組破壊である。
 国家は、公務員を雇って自ら公共サービスを供給することをやめ、営利企業やNPO(非営利活動団体)などとの契約にとってかえ、競争させる。業績目標を課し、事後的に査定することが国家の役割となる。NPMは、公務員と公共支出を削減するだけでなく、より強力な国家統制を可能とする。いかに「金銭の支配力」を貫徹するかを中心命題とし、現場労働者の職場支配権を解体し、政府の目的に忠実に従わせるために考え出された手法なのである。
 新自由主義教育改革は、国が設定した教育目標・水準を達成する結果責任を学校と教育労働者に課し、競争を組織し、結果に応じた報償と罰を与える。イギリスやアメリカでは、学力テストの点数に応じて予算を配分し、基準を達成できない貧困地域の学校は廃校となり、教員は首となる。それは、格差をますます拡大すると同時に「貧困による徴兵」のシステムとして機能している。
 中教審(中央教育審議会、文科相の諮問機関)は、新学習指導要領の狙いとして「教育課程におけるPDCAサイクル(*)の確立」を掲げ、「学校や教師は指導の説明責任だけでなく結果責任も問われている」という。日本でも全国学テを軸とする学校評価−教員評価による統制管理システムがめざされている。
 新自由主義教育改革のもとで、教育労働は一種の請負業と化し、労働者としての権利も専門職としての権限も奪われる。「教育の自主性・自律性」など成り立ちようもない。新自由主義攻撃は階級戦争であり、教育労働者の階級的団結こそがそれへの唯一の回答だ。

 米英仏での決起と連帯

 新自由主義攻撃に対して、世界の教育労働者が立ち上がっている。
 イギリスでは4月24日にNUT(全国教職員組合)が21年ぶりのストライキを決行。アメリカではHEA(ヘイワード市教組)が昨年4月に10日間のストライキに立ち上がった。フランスでも人員削減や年金制度改悪に反対する公務員ストの先頭に教育労働者が立っている。これらの闘いは、賃金改善要求にとどまらない、新自由主義教育改革に対する積もり積もった怒りの爆発なのである。
 日本でも、賃金7%カットと査定昇給導入に反対する北教組のストライキ、教科書記述の書き換えを12万人決起で粉砕した沖縄高教組の闘いとして、改悪教基法―教育4法体制を打ち破る闘いが始まっている。
 米UTLA(ロサンゼルス統一教組)―CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の闘いに続いて、英NUTが4月の大会で校内募兵活動に反対する決議を上げたことは決定的だ。校門前で反戦ビラをまいて処分を受け、日本の不起立闘争への熱い共感を伝えてきたランク&ファイルの仲間たちがもぎりとった成果だ。

 戦争協力拒否の国際連帯

 教育労働者の国際連帯は、帝国主義戦争と世界革命の時代への突入とともに始まっている。エドキンテルン(教育労働者インターナショナル)の原点も、第1次大戦過程の軍国主義教育に動員されたことへの反省から帝国主義打倒の反戦闘争を呼びかけたことにあった。
 非合法下で1930年に結成された日本教育労働者組合は、エドキンテルン綱領を採択し、事実上の機関誌であった「新興教育」は、毎号のように世界各国の教育労働者の闘いを報じている。当時の青年教育労働者たちは、世界革命の展望を糧として治安維持法弾圧も恐れず果敢に闘ったのだ。
 UTLA−CAMSの闘いと「君が代」不起立闘争を結び付けたのは、新たな戦争と革命の時代の到来と、労働者階級の国際主義的本質である。教育労働者の国際連帯の力で史上3度目の世界革命情勢を世界革命に転化しよう。

 評価制度は分断の攻撃

 08年卒・入学式闘争は根津公子さん、河原井純子さんの首を賭けた闘いとの階級的団結をつくりだし、不起立闘争の新たな地平を切り開いた。米山良江さんの処分・嘱託解雇を辞さない闘いは、折り合いをつけない非和解的闘いこそが不起立を拡大し職場支配権を奪還することを実証した。
 血債主義・糾弾主義と決別して、不起立闘争は教育労働者の自己解放闘争、階級的団結を総括軸とする階級的労働運動への転換と飛躍をかちとった。その先頭に青年教育労働者が立っている。
 体制内指導部は、根津さんを全国教研から排除し、都教委闘争への弾圧の先兵として立ち現れ、その反動的正体を暴露した。だが、現場組合員が自ら闘う方針をつくり行動することで、その制動は完全に打ち破られた。
 職場闘争の基軸として不起立闘争を貫徹した地平を踏まえ、職場支配権をめぐる日常的・通年的攻防に突入しよう。とりわけ評価制度は、査定昇給のみならず指導改善研修や免許更新制度などすべての攻撃の根幹をなしている。教育労働者を多忙化に駆り立てる元凶でもあり、何よりも団結破壊そのものである。絶対反対を貫く闘いで階級的団結をつくりだし、「C・D評価上等!」といえる階級的団結で評価制度を打ち砕こう。

 教労に強大なマル青労同を

 導入されつつあるこれらの制度は、何よりも青年層をターゲットとし、新たな支配のもとに組み敷こうとする攻撃である。免許更新制で有期雇用化され、査定昇給と新職=新級でヒラ教員は賃金も上がらない境遇に置かれる青年労働者の怒りと不安は大きい。
 交渉の体裁を取り繕うことだけに腐心している既成体制内運動は、もはや支配機構の一部と化している。とりわけ、経過措置を「成果」と称して賃金水準切り下げなどを丸のみしていく手法は、労働者階級を世代間で分断し、青年労働者を売り渡す攻撃以外の何ものでもない。
 体制内労働運動と決別した絶対反対の闘いだけが青年労働者の怒りと結合し、階級的団結をつくりだす。青年教育労働者を獲得し、教労戦線に強大なマル青労同を建設しよう。

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週刊『前進』(2344号4面1)(2008/05/26 )

 洞爺湖サミット粉砕しよう(中)

 全世界の労働者を一つに☆

 職場で仲間を組織しサミット粉砕へ

 世界は労働者の怒りで一杯だ

 生産点は革命の火薬庫

 職場で必死に闘うことが一気に世界に拡大する情勢だ。世界の労働者階級に対する攻撃の本質はただひとつ――資本主義はもう終わりということだ。つかの間の延命のために労働者の闘いを弾圧しているのだ。矛盾に満ちた資本主義の運動が一瞬でも止まった時、資本主義は命運が尽きる。

 戦争・新自由主義と対決し

  資本家階級の労働者階級に対する攻撃は万国共通だ。最末期帝国主義の戦争と新自由主義の攻撃との対決が労働者階級の正面課題となっている。雇用を破壊し、住宅、医療、食糧を奪い、地球環境を破壊しつくし、耐え難い犠牲を強制する資本主義への労働者階級の怒りが全世界で爆発し、世界中でストライキと食糧暴動が起きている。私の職場、あなたの職場――世界中の職場が革命の火薬庫なのだ。ひとつの職場の闘いが世界を揺るがし、誘爆を起こし、連続爆発となる。
  世界中の労働者は、どんな遠い外国の闘いにも共感を寄せ、闘いの意義と教訓をつかむ。そして実際の闘いによって団結する。労働者階級は本質的に世界単一の階級だ。世界中の労働者の闘いを団結させるのがサミット粉砕闘争だ。
  何よりも自分の職場で闘いを開始しよう。職場で動労千葉のように闘おう。動労千葉のような団結をつくろう。動労千葉は、国鉄分割・民営化という前代未聞の労組破壊攻撃と闘い抜き、20年を経て勝利を宣言する地平を築いた。職場で徹底的に闘うことで、韓国・民主労総ソウル地域本部や米国の国際港湾倉庫労組(ILWU)などの世界の階級的労働組合との団結をつくった。
  すべての職場に怒りが渦巻いている。職場のリーダーとして登場し、職場闘争の方針を出そう。マルクス主義者とは、労働者が決起することに確信を持つ者だ。労働者の団結した力に賭けて闘う者が本物の執行部だ。職場に潜む階級対立を公然と暴き出し、資本との非和解性を貫く職場闘争を提起しよう。
  ある郵政の職場(前号3面参照)で、1人の青年労働者が突然の雇い止めを受けた。「こんな人を人間扱いしない、使い捨てにするあり方は許せない」――彼は職場の仲間全員にビラを配り、朝礼の場で課長に対して「絶対に認めない。撤回しろ」と実力追及を行った。
  そしてストを宣言。同僚も欠勤届をたたきつけ、終日、抗議行動を続けた。門前闘争には他局の労働者も駆けつけた。「あいつらは反乱が起こることに恐怖している。なぜなら職場を動かしているのは俺(おれ)たち労働者だからだ」「みんなで団結して一斉にストライキをすれば、管理職はあわてふためいて俺たちの言うことを聞くしかない」
  

動労千葉は職場闘争の力で業務の外注化を阻止してきた。3月14日に24時間ストを貫徹。業務の一部外注化が強行された京葉車両センター前に結集し、抗議行動を闘った

 職場支配権に挑戦しよう

 職場生産点での力関係こそ、労働者と資本家の階級的力関係を根本のところで規定している。労働は本来、最も人間性が発露される場である。しかし現実には、労働者は職場生産点で、生きるためにやむを得ず資本の搾取と支配に甘んじている。職場闘争とは、これへの怒りから出発し、資本の支配(労働者の奴隷化)を拒否して、労働者の職場支配権を打ち立てるものだ。
 隣の労働者と徹底的に討論しよう。あらゆる職場に職場闘争委員会をつくろう。職場闘争方針を一緒に形成し、それを実践しよう。労働者は資本と非和解に闘う中で社会の真の主人公としての主体を奪い返す。
 一緒に闘う仲間を獲得することが世界の労働者と団結する道だ。確かに職場は競争と分断の罠(わな)だらけだ。職種や雇用形態、官民、性別、国籍……労働者は本当にバラバラになっている。だが敵の攻撃が労働者をひとつにする。
 資本家階級の真の危機は労働者支配の破綻(はたん)にある。もはや、やつらには支配階級の権威も迫力もない。あらゆる職場で階級支配が決壊を始めている。職場が回らないのは、お前ら資本家のせいだ! 怒りをぶちまけ、職場をぶっ止めよう。職場闘争を実力闘争として貫こう。超勤拒否、査定・人事評価拒否、朝礼拒否、応援業務拒否、不当配転拒否……。資本主義の枠や秩序をたたき壊す実力闘争をどんどんやろう。
 総括軸は団結だ。職場の仲間で徹底討論し、闘争方針を決め、職場支配権を奪い返す実力闘争を貫いた時、労働者は団結が生きがいになる。それが動労千葉のような労働組合だ。
 「動労千葉のオルグにも心動かされた。自分の中には、この先30年、この人達と一緒に生きていくのか、決別するのか、というのが一番強くあった……やっぱりこの人らと決別できないな。だったら一緒にクビになった方がいいや」(『日刊動労千葉』07年9月7日号)
 団結が何よりも大切という労働者の誇りと主体性を決定的に引き出すのが労働運動であり、革命運動ではないか。労働者が団結すれば、資本家がいなくても職場も社会も動かせる――職場生産点での闘いで鍛えられた青年労働者の集団を、日本と世界の階級闘争に決定的に登場させよう。これがサミット闘争方針だ。
 世界は革命情勢だ。既成の意識をガンガンのりこえて闘おう。資本主義と折り合いをつける思想には用はない。マルクス主義を労働者の革命の思想として復権させる闘いだ。処分・弾圧される闘いをやってやる。敵との均衡をとる考えをうち破ろう。
 職場で仲間を組織し、サミット粉砕を掲げて6・29代々木公園に総結集しよう。 (片瀬 涼)

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週刊『前進』(2344号5面1)(2008/05/26 )

 カクマル松崎の延命策動を粉砕しよう

 分割・民営化での大裏切りはどうあがいても絶対消せない

 樋口氏らの「擁護論」を断罪する

 労働者階級にとってカクマル・松崎明は歴史的な裏切り者であり、「現代のユダ」である。「国労をつぶし、総評を解体する」と叫んで、日帝・中曽根の国鉄分割・民営化攻撃の先兵となり、国労と動労千葉の組合員を権力・資本に売り渡した歴史的大罪は、永久に消し去ることはできない。そのカクマル・松崎は今や、分割・民営化体制自身の危機とともに、路線的にも政治的にも破産し、追い詰められた惨めな姿をさらし、権力からも「走狗煮らる」(『史記』)の状況に置かれている。この松崎が最近、自己の裏切りと破産を塗り隠し、延命を求めて醜悪なあがきを開始した。またあろうことか、カクマル・松崎の大罪を擁護する少数の人たちが現れた。こうした反動的策動は、今や本質的には問題にもならないことだ。だが動労千葉を先頭とする階級的労働運動の前進への恥ずべき敵対策動として、断固対決し、粉砕することを宣言する。

 松崎の対極で闘い大前進する動労千葉

 歴史的裏切り者であるカクマル・松崎の惨めで醜悪な延命と「復権」策動の具体的な表れは、まず雑誌『情況』1・2月合併号とそこに掲載された樋口篤三、山崎耕一郎、戸塚秀夫の3氏の松崎擁護論文とメモである。もう一つは4月に発行された『松崎明 秘録』で、これは公安調査庁のエージェント(協力者)である宮崎学の松崎へのインタビューという形で、松崎を弁護し擁護するものである。
 これらの内容を具体的に批判する前に、あらためて絶対にはっきりさせておきたいことは、松崎とは何者であり、いったい何をやってきた人物かということだ。これはそもそも労働運動・階級闘争の原点に関わる、あいまいにはできない決定的問題なのである。
 カクマル・松崎は、国鉄分割・民営化という日帝・中曽根の希代の反革命攻撃(新自由主義攻撃)に対し率先協力し、それに反対する国労と動労千葉の組合員を権力・資本に売り渡し、松崎と動労カクマルだけはJR体制で生き残るという反階級的な大裏切りの道を突き進んだ。「冬の時代だ」「闘っても勝てっこない」などとうそぶきながら。
 敵の攻撃に屈服し、その先兵となり、他の労働者や労組を犠牲にして自分たち(カクマル)だけは生き残る。これほど罪深い反階級的な裏切りはない。労働者と労働組合が絶対にやってはならないことである。このカクマル・松崎の歴史的大罪を労働者階級は絶対に忘れないし、今も許してはいない。

 裏切りのカクマル的「論理」 

 だがカクマル・松崎は、今にいたるも国鉄分割・民営化でのこの大裏切りを、『秘録』の中で破廉恥に居直り、合理化している。
 「国鉄分割民営化やむなしという判断をしたのは、勝てっこないと思ったからですよ」「断固反対といっても、勝てる展望が全くない。根拠がないわけです」
 「私はきれい事をいっていただけではダメだと思っている。単独で対決するバカ(ママ)がいるか、と、これは最初から思っているんですよ」
 「われわれは(JRに)残ると決心したんです。なんといわれようと残る、と。なぜならば、わが組織(JR総連カクマル!)は階級的だから、と私は思っていましたね」
 ここにはカクマルの反労働者的で反革命的な階級闘争観が、むき出しになっている。権力の攻撃には勝てないから真っ先に屈服・協力し、他を犠牲にカクマルだけは生き残る、そしてそれを、カクマルは「革命的」「階級的」だから、裏切りも許されると合理化する。これこそカクマルが、70年決戦でも、国鉄分割・民営化でも、一貫してやってきた路線であり、イデオロギーなのだ。 
 しかし国鉄分割・民営化で、このカクマル・松崎=JR総連の対極にあって闘いぬき、生き残り、現在も展望をもって力強く前進しているのが、動労千葉だ。
 確かに協会派と革同の国労は体制内労働運動そのものであり、敵の攻撃に原則的階級的に対決できず、「たこつぼ」に入ったまま闘えないで、結局は権力・資本とカクマル・松崎に組織を突き崩され、展望を失い、今や分割・民営化反対も解雇撤回も投げ捨てるまでに変質し、転向を深めてしまった。
 しかし動労千葉は、分割・民営化絶対反対のストライキを3波にわたって打ち抜き、組織の団結を守ったばかりか、今や階級的労働運動路線の旗を高く掲げて、力強く前進している。韓国の民主労総ソウル本部やアメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)などとの国際連帯を発展させ、恒例の11月労働者集会を大成功させ、動労千葉に続く多くの青年労働者の決起を生み出して、闘い続けている。
 そして今や破産したJR体制の打倒を真っ向から訴えて、ライフサイクル粉砕と反合・運転保安闘争、平成採の青年労働者の獲得・組織化などを軸に、第2次国鉄決戦勝利へと総決起を開始している。
 この動労千葉の存在と闘いの発展に対比してみたとき、歴史的裏切り者であるカクマル・松崎の末路は、あまりにもおぞましく、惨めだ。労働者階級からまったく信頼されない組合であるJR総連は大分裂し無力化し、松崎自身は二つの組合費横領事件(国際交流基金事件と日本鉄道福祉協会事件)で権力から追及され、「刑事被告人」となる寸前まで転落した、ぶざまで惨めな存在だ。
 こうした絶望的現実からの延命と「復権」をかけた松崎の断末魔のあがき。それが分割・民営化過程での歴史的大罪を居直り、合理化し、自己の破産を塗り隠そうとする、最近のカクマル・松崎の策動である。だがこんな恥ずべきあがきが成功するはずがない。
 われわれは彼らの惨めな策動をとらえて離さず、それを逆に粉砕し餌食(えじき)として、動労千葉とともにライフサイクル粉砕・JR体制打倒を軸に第2次国鉄決戦の爆発をかちとり、4大産別を先頭とした階級的労働運動の大発展をかちとっていくであろう。

 「松崎擁護」を買って出た『情況』の2論文

 松崎は03年6月のJR総連への強制捜査以降、二つの組合費横領事件での追及に戦々恐々としてきたが、権力の「お目こぼし」による07年12月28日の不起訴決定(08年1月中旬時効)を受け、自己の延命というはかない願望のもと新たな反革命策動を開始した。
 まず松崎は07年、JR総連にどこまでも寄生して生き延びるために、JR総連内に「国際労働総研」なる組織を立ち上げ、その会長職に納まった。ここには理事長に城石靖夫(元JR貨物労組委員長)、監事に四茂野修(JR総連副委員長)が就任したのを始め、主任研究員を含めて動労時代からのカクマル幹部を配した。機関誌『われらのインター』を発行し、黒田・松崎・カクマルの反階級的裏切りを合理化するファシスト的な理論・イデオロギーの流布がその狙いだ。四茂野は、「総研」設立の目的を、総研セミナーで次のように露骨に語っている。
 「行き詰まりと混迷の中で、労働運動が進むべき道を国際的な視野に立って明らかにすることをめざした小さな試み。中心は松崎さん」だ、と。「行き詰まりと混迷」とは松崎とカクマルの内的世界をよく表しており、分割・民営化の大破産の中で、最末期帝国主義の新自由主義攻撃にカクマル路線ではまったく闘えないことの告白そのものである。

 国際労働総研設立が足場に

 「総研」設立を基盤に、次に松崎がやったことは、カクマル・松崎の歴史的大裏切りを弁護し擁護するグループを糾合する策動である。JR総連からどれほどのカネがばらまかれ、彼らが何を勘違いしたのかは分からないが、そのカクマル・松崎擁護役を買って出たのが、樋口、山崎、戸塚の3氏である。『情況』の08年1・2月合併号には、この3氏の論文などが掲載される事態となった。
 『情況』によれば、この論文掲載は、樋口が持ち込んだ「特別企画」となっている。当初、戸塚の論文「『JR総連・JR東労組=革マル』説に怯(おび)える人々に」が持ち込まれたという。しかし松崎・JR総連賛美のこの論文は、「研究書とは程遠い」という評価が与えられ、一度はボツになった。そのために、政治的無節操で知られる樋口がメーンに「60年間の実践の教訓と私の自己批判/産別民主化同盟と動労革マル問題」を書き、「怯える人々に」はあくまでも「資料」扱いでの掲載となった。
 しかしこの樋口「自己批判」もまた、戸塚論文に輪をかけた松崎・JR総連賛美なのである。この2論文に「学術的」意義などどこにもない。松崎の擁護と「復権」願望に貫かれた完全な政治的文書でしかないのだ。
 (1)樋口「自己批判」の主要な内容は、「JR総連≠カクマル」の論証にある。しかしその論拠は、戸塚などが中心の、5回にわたる松崎に対する「聞き取り研究会」なるものに拠っている(07年)。松崎の主張を鵜呑(うの)みにするということだ。さも文献の検討から「JR総連≠カクマル」の傍証を得てきたかのように言うが、その出典が、黒田や四茂野の本に限られている。そして「JR総連≠カクマル」説に確信を深めたのも、四茂野との懇談を通してとなっている。
 だが、この「JR総連≠カクマル」の論証には何の意味もない。カクマルとは端的に言って黒田(議長)と松崎(副議長)であり、動労以来、JR総連はその松崎とカクマル勢力がはっきりと牛耳ってきたのである。分割・民営化攻撃に率先協力し、日帝・中曽根の先兵となったのは、カクマルとしての組織的方針だったのだ。こんなことは今では誰一人疑わない歴史的事実ではないか。
 そして松崎・JR総連派カクマルと中央派カクマルに「分裂」したのは、分割・民営化の過程で突き出された黒田「組織現実論」の破産の必然的結果の問題であり、また「分裂」後も両者は「腐った政治的妥協」を続けてきたのである。
 しかも樋口論文の結論に従えば、分割・民営化攻撃にカクマルは関与しなかったことになる。ファシスト・カクマルの裏切りを免罪するにもほどがある。このような詭弁(きべん)は誰にも通用しない。
 そればかりか樋口論文は、松崎・カクマルの推進した分割・民営化攻撃について、「@“冬の時代”が激しくなる後退局面では、攻勢期の戦略戦術とは当然異なる。A動労が“国労の左”として突出すれば首を切られる。B絶えず『反革命松崎を殺す』と宣伝され、強敵に包囲された中で選択した路線。C組織防衛、活動家確保など、“大胆な妥協”という選択はありうる」などと、松崎・カクマルの歴史的裏切りを積極的に美化している。国労や動労千葉の組合員を敵に売って、カクマルが生き延びた攻撃を擁護するというのか。労働者の徹底弾劾の対象である。
 (2)文末には「研究会」参加の山崎(悪名高き国労・チャレンジの幹部で「元社青同委員長」)のメモが引用されている。だがこれもまた松崎擁護の極致だ。山崎は「戦術の選択」は「裏切り」ではないとか、「JR総連が言う『ニアリー・イコールの労使関係』論は、これからの連合運動を強化するために、有効な考え方ではないか」などと説教を垂れ、カクマル・松崎の大裏切りと資本への屈服・協調、それを合理化するためのインチキなファシスト的な屁理屈(へりくつ)を「有効」だと賛美しているのである。
 (3)「怯える人々に」は、戸塚の「体験した一連のおぞましい事件」を告発する内容となっている。戸塚によれば「『JR総連=カクマル』説に怯える人々」によってその事件は引き起こされたと言う。「事件」とは四茂野の国鉄闘争への介入阻止をめぐるものである。戸塚は運動内部の交流を妨げている「JR総連=カクマル」説に対しては、「歴史的に、実証的にこの風説を批判的に検討する必要がある」と述べ、樋口と同様に「JR総連≠カクマル」の論証に全力を傾注する。実におぞましい限りというしかない。
 戸塚は、中央派カクマルと分裂したJR総連カクマルが「カクマルではない」と擁護したいらしい。だが黒田と並んで松崎そのものがカクマルなのだ。だから松崎の裏切りはカクマルとして、どこまでも階級的に弾劾されるのだ。ところが戸塚は「JR総連≠カクマル」を「実証」して、「組織の枠を超えた人々の知的、道徳的交流の可能性、そこから生まれる新しい未来への希望」なるものを願望する。カクマル・松崎の歴史的大罪をここまで免罪するとは、断じて許し難いことだ。

 宮崎と『秘録』-松崎はカクマルそのものだ 

 『秘録』は、宮崎学による松崎へのインタビューを本にしたものである。『秘録』で松崎が展開している内容と、「研究会」で松崎が語った内容とは見事に合致している。
 第一に、松崎が中央派カクマルとはとっくの昔に「決別」していると力説していることである。しかし松崎がいつカクマルを離れたかという議論などほとんど意味がない。前にも述べたように、カクマルとは黒田と松崎なのであり、松崎の裏切りや反革命はカクマルのそれなのだ。だから『秘録』では松崎はついに最後まで、いつ辞めたとは明言しない。それどころか「わかんないんだなあ」といった発言を繰り返し、結局は「だから今だってね、革マル派にいわせれば俺は革マルなんだと思いますよ」とうそぶく。これで「JR総連≠カクマル」の論証など崩壊している。
 第二に、かつてないほど激しい言葉で分割・民営化での大裏切りを居直っている。「労働組合には転向はないんですよ。……労働組合に関係があるのは、ただ一つ、組合員の利益だけなんです」などと、国労や動労千葉の組合員を権力・資本に売ることで、動労カクマルが生き延びたことを「誇って」いる。こんなことを今なお公言していること自身が、万死に値する大罪なのだ。
 第三に、松崎は、JR総連を軸にした「統一戦線的な」「緩やかな組織体、運動体」なるものの構築への願望などを述べている。しかし、カクマルと手を組むまともな勢力などいない。
 一方ではこれに対応し、中央派カクマルも08年『解放』新年号に「わが運動の創始者たち」の一人として松崎の存在を確認する一文を添え、樋口、山崎、戸塚、宮崎ら松崎擁護グループの一角に参入する「名乗り」を上げている。このカクマル両派の腐った妥協!
 しかし労働者階級は、カクマル・松崎の歴史的大罪を絶対に忘れないし、断じて許すことはない。松崎自身がそのことに恐怖し、戦慄(せんりつ)している。すでに歴史的に破産し、追い詰められて、醜悪で見苦しい延命策動に走る松崎のあがきなど、破産は目に見えている。
 われわれはこのカクマル・松崎の策動を徹底粉砕し、反階級的な裏切り者に恥多き末路を強制してやらなければならない。

 第2次国鉄決戦の爆発へ

 動労千葉は分割・民営化とカクマル・松崎に対する歴史的決戦に勝利し、階級的労働運動の発展へ勇躍進撃している。第2次国鉄決戦の爆発と階級的労働運動の力で、松崎・JR総連を解体・一掃しよう。ライフサイクル粉砕と破産したJR体制の打倒、平成採の青年労働者の組織化へ、動労千葉とともに団結して決起しよう。職場・生産点から6〜7月サミット決戦の大爆発をかちとろう。

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週刊『前進』(2344号5面2)(2008/05/26 )

 法大弾圧 内田君保釈かちとる

 獄内外の団結の力で奪還

 5月16日午後8時、ついに内田晶理(てるまさ)君の保釈をかちとった! 小菅の東京拘置所には、一報を聞いた仲間が駆けつけ、釈放の喜びを分かち合った。握手! 握手! 握手! 07年10・17法大クラス討論弾圧以来の約7カ月間、内田君の闘いは、ついに獄壁をぶち破った! われわれが勝利し、国家権力が敗北したのだ。
 内田君の保釈は、最後の最後まで、獄内外一体となって闘った勝利だ。16日午前中に東京地裁が保釈決定。この決定を検事が不服としてただちに抗告。弁護士がただちに高裁に保釈を要求。高裁前では、終日仲間がビラをまき、即時保釈を訴え続けた。この力が、高裁に保釈を決定させたのだ! 獄中同志奪還に向けた執念の勝利だ!
 闘いはこれからだ。内田君の保釈はサミット粉砕に向けた大きな号砲だ! ここにサミットを粉砕する力がある! 次は、富山大弾圧の武藤淳範(ぶとうあつのり)君をとり戻そう! 
(写真 元気一杯で出獄の内田君。仲間と7カ月ぶりの合流だ【5月16日夜 東京拘置所前】)

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